JP2018141308A - 排水口部材および水まわり機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 汚れの付着を抑制し、防汚性を発揮することが可能な排水口構造および排水口構造を有する水まわり機器を提供すること。【解決手段】排水口と、 複数の孔を有し、前記排水口に着脱可能なように設けられるヘアキャッチャーと、前記排水口に装着される排水部材と、を有する排水口構造において、前記ヘアキャッチャーは、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含む樹脂で構成された樹脂部材であり、前記ヘアキャッチャーの静的接触角は、100°以下であり、かつ前記排水部材の静的接触角よりも低い、排水口構造である。これにより、防汚性を発揮することが可能となる。【選択図】 図1

Description

本発明は、排水口部材および水まわり機器に関する。
従来、排水口が設けられた浴室や洗面化粧台などの水まわり機器が知られている。水まわり機器で使われた水は排水口に集められる。よって、排水口に流れてくる水には、髪の毛、ゴミ、皮脂などのさまざまな汚物が含まれている。
通常、排水口には、ヘアキャッチャーが着脱可能なように設けられている。ヘアキャッチャーは、流れてきた水を通し、かつ水とともに流れてきた髪の毛やゴミなどを捕集する役割を果たしている。また、排水口に流れてきた水を排水管に流すために、排水口に排水部材を設けることが知られている。
上述のように、排水口には、水まわり機器で使われた水とともに髪の毛やゴミが集まるため、ヌメリが発生したり、カビや細菌が繁殖したりすることが問題となっている。特に、ヘアキャッチャーは、髪の毛やゴミなどを捕集するため、カビや細菌が繁殖しやすいことが問題となっている。
特許文献1には、洗面ボウル等の排水口に用いるヘアキャッチャーが記載されている。このヘアキャッチャーは、ゴミや毛髪を捕集するネット部として、断面山形状の複数のリブとリブ間に複数の丸穴を設けたネット部や、蜘蛛の巣状のネット部とすることにより、捕集したゴミなどの付着を少なくし、かつ廃棄しやすくすることが記載されている。
特許文献2には、水と接することが多く、表面に耐水性を要求される商品において、熱可塑性樹脂に撥水性組成物を分散配合させることによって、セルフクリーニング機能を付与することなく、耐久性および衛生面の優れた耐水防汚性の熱可塑性樹脂を得ることができることが記載されている。
特開2010−37923号公報 特開2002−322367号公報
特許文献2のように、樹脂で構成された部材(以下、「樹脂部材」とする)において、樹脂に撥水性材料を混合することにより撥水性を向上させ、防汚性を上げることが知られている。水まわり機器を構成する樹脂部材においても、防汚性が求められており、これを解決する手段として、樹脂部材に撥水性材料を添加させることが考えられる。
樹脂部材の表面の撥水性を高めると、樹脂部材の表面において、水は大きな水滴となりやすくなる。しかしながら、ヘアキャッチャーのように、複数の孔を有する樹脂部材の撥水性を高めると、表面で大きな水滴が形成され、この大きな水滴は孔から落ちにくい。つまり、水滴がヘアキャッチャー表面で留まってしまう。この大きな水滴が複数集まることにより、ヘアキャッチャー表面で水膜が形成される。これにより、部材表面に残水し、これが汚れの堆積の原因となり、カビや細菌の繁殖となるおそれがあることが分かった。
本発明は、防汚性を発揮することが可能な排水口構造および排水口構造を有する水まわり機器に関する。
本発明は、
排水口と、
複数の孔を有し、前記排水口に着脱可能なように設けられるヘアキャッチャーと、
前記排水口に装着される排水部材と、を有する排水口構造において、
前記ヘアキャッチャーは、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含む樹脂で構成された樹脂部材であり、
前記ヘアキャッチャーの静的接触角は、100°以下であり、かつ前記排水部材の静的接触角よりも低い、排水口構造である。
これにより、長期間カビや細菌の繁殖を抑制し、防汚性を得ることが可能となる。
本発明の排水口構造の一態様を有する水まわり機器を示す断面図である。
排水口構造
本発明の排水口構造は、排水口と、複数の孔を有し、前記排水口に着脱可能なように設けられるヘアキャッチャーと、前記排水口に装着される排水部材と、を有する排水口構造において、前記ヘアキャッチャーは、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含む樹脂で構成された樹脂部材であり、前記ヘアキャッチャーの静的接触角は、100°以下であり、かつ前記排水部材の静的接触角よりも低い。これにより、防汚性を発揮可能な排水口構造とすることができる。詳しくは、排水部材において、撥水性を高めることにより、汚れの付着を抑制することができる。さらに、ヘアキャッチャーにおいて、適度な撥水性とすることができるため、ヘアキャッチャー表面での水膜の形成を抑制することが可能となり、汚れの付着を抑制することができる。また、汚れが付着したとしても、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含むため、カビや細菌の繁殖を抑制することができる。
本発明の排水口構造は、水まわり機器に適用することが可能である。
水まわり機器
本発明において、水まわり機器とは、水を排出することが可能な排水口が設けられている機器を意味する。具体的には、洗面化粧台、手洗い器、浴室、キッチンなどが挙げられる。
排水口
本発明において、排水口とは、水を排出するために水まわり機器に設けられた開口部であり、筒状である。通常、排水口に流れた水は排水管に流れるよう構成されている。
排水部材
本発明において、排水部材は、排水口に装着される部材である。排水口に流れ込む水などが排水管に流れる機能を有する。また、排水口と排水管とを接続する機能を有するものでも良い。具体的には、排水フランジ、封水筒、トラップなどが挙げられる。
排水部材は、水が流れるよう、連通水路を有している。排水口に流れ込んだ水が排水部材の連通水路を通り、排水管に流れるよう構成される。連通水路は、排水口に流れ込む水の流れに対して平行になるように設けられていることが好ましい。つまり、筒状の排水口に対して平行になるように設けられていることが好ましい。これにより、排水口に流れ込んだ水が排水部材の内面に付着しにくくなるため、汚れがつきにくくなり、かつ水が排水管に流れやすくなる。例えば、排水部材が筒状の場合は、筒の内部が連通水路であり、水が流れるよう構成されている。
排水部材は、排水口と排水部材との間から水漏れしないように、排水口に接続(固定化)されている。固定化の方法としては、特に限定されないが、排水部材に、排水口に接続するための鍔部(フランジ部)などを設ける方法やナットなどの締結部材を用いた方法などが挙げられる。
排水部材は、樹脂で構成された樹脂部材である。樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリエチレン樹脂(PE)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリスチレン樹脂(PS)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(ABS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂(PTT)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリテトラフルオロエチレン 4フッ化エチレン樹脂(PTFE)から選ばれる一種以上を用いることが可能である。さらに好ましくは、PP、PE、POM、PBT、PVC、ABS、PPS、PET、PMMA、PA、PCから選ばれる一種以上を用いることがより好ましい。これらのうち更により好ましいのは、PP、POM、ABSから選ばれる一種以上である。
排水部材の静的接触角は、ヘアキャッチャーよりも高い。これにより、排水部材の撥水性を高めることができる。よって、排水口に流れてきた水が付着しにくくなるため、汚れなどの付着も抑制することが可能となる。
排水部材の表面は、静的接触角が100°より大きいことが好ましい。これにより、排水口に流れてきた水が排水部材の表面に付着したとしても、転落しやすくなるため、汚れなどの付着を抑制することが可能となる。
本発明において、静的接触角は、以下の方法で測定することが可能である。
静的接触角は、JIS R 3257の静滴法に基づき、測定することができる。例えば、協和界面科学株式会社製の接触角計(DM-501)を使用し平滑な面に水滴を滴下しCCDカメラの画像で試料面と水滴のなす角度を測定することができる。
排水部材は、撥水性材料を含むことが好ましい。これにより、排水部材の撥水性を高くすることができる。撥水性材料として、フッ素系材料またはシリコーン系材料を用いることが可能である。これにより、排水部材の表面に水が付着しにくくなるため、排水部材表面から水が転落しやすくすることが可能となる。
フッ素系材料としては、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
シリコーン系材料としては、反応性シリコーンや非反応性シリコーンオイルを用いることができる。
反応性シリコーンとしては、分子鎖の片末端をジメチルビニルシロキサン基、アクリロイル基、メタクリロイル基から選択される一種で封鎖したシリコーン樹脂を用いることができる。具体的には、片末端変性アクリルシリコーン、片末端変性メタクリルシリコーンなどが挙げられる。
本発明において、反応性シリコーンは、反応性シリコーンを樹脂にグラフト重合させたシリコーングラフト樹脂として用いることが好ましい。これにより、反応性シリコーンを樹脂に固定化させることが可能となるため、長期的に撥水性を維持することが可能である。
本発明において、シリコーングラフト樹脂は、樹脂の主鎖に、例えば分子鎖の片末端をジメチルビニルシロキサン基、アクリロイル基、メタクリロイル基から選択される一種で封鎖したシリコーン樹脂を結合させることで得ることが出来る。具体的な製造方法等は公知であり、例えば特開平8−127660号公報の記載に準じて得ることが出来る。
例えば、シリコーングラフト樹脂としてシリコーングラフトポリプロピレンを用いる場合、シリコーングラフトポリプロピレンは市販されており、これを本発明において用いることも可能である。市販されているシリコーングラフトポリプロピレンの例としては、X−22−2101(信越化学工業株式会社)、BY27−201(東レ・ダウコーニング株式会社)などが挙げられる。
非反応性シリコーンオイルは、一般式R3 SiO−(R2 SiO)n―SiR3 (ここで、Rは同一または異なっていてもよいアルキル基、好ましくはC1 −6 アルキル基を表す)で表される化合物であることが好ましい。
非反応性シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フルオロシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、および脂肪酸エステル変性シリコーンオイルからなる群から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
非反応性シリコーンオイルを用いる場合、粘性が10〜1,000cStのものが好ましい。これにより、非反応性シリコーンオイルが排水部材の表面にブリードしやすくなり、排水部材の表面をより撥水性とすることが可能となる。
本発明において、排水部材は、撥水性材料を0.1質量%以上10質量%以下含むことが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下含むことがより好ましく、2質量%以上4質量%以下含むことがさらにより好ましい。これにより、排水部材の表面を高い撥水性とすることが可能となるため、汚れの付着を防止できる。
本発明において、排水部材は、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含むことが好ましく、抗菌剤および抗菌防カビ剤を含むことがさらに好ましい。これにより、排水部材表面に汚れが付着しても、菌やカビの発生を抑制することが可能となる。
抗菌剤としては、無機系抗菌剤を用いることが好ましい。具体的には、銀系抗菌剤、亜鉛系抗菌剤、銅系抗菌剤から選ばれる一種以上を用いることが可能である。これにより、幅広い種類の細菌類への抗菌効果を付与することができるため、細菌類の増殖により産生されるバイオフィルムの生成を抑制することが可能になる。よって、バイオフィルムを足場として付着するカビの増殖も抑制することができる。
本発明において、抗菌防カビ剤としては、有機系抗菌防カビ剤を用いることが好ましい。具体的には、アルコール系抗菌防カビ剤、アルデヒド系抗菌防カビ剤、チアゾリン系抗菌防カビ剤、イミダゾール系抗菌防カビ剤、エステル系抗菌防カビ剤、塩素系抗菌防カビ剤、過酸化物系抗菌防カビ剤、カルボン酸系抗菌防カビ剤、カーバメイト系抗菌防カビ剤、スルファミド系抗菌防カビ剤、第四アンモニウム塩系抗菌防カビ剤、ビグアナイド系抗菌防カビ剤、ピリジン系抗菌防カビ剤、フェノール系抗菌防カビ剤、ヨウ素系抗菌防カビ剤、トリアゾール系抗菌防カビ剤から選ばれる一種以上を用いることが可能である。
本発明において、抗菌防カビ剤としては、チアゾリン系防カビ剤、イミダゾール系防カビ剤、ピリジン系防カビ剤から選ばれる一種以上を用いることが好ましい。これにより、水まわりにおいて成長しやすいカビの繁殖を抑制することが可能となる。
チアゾリン系抗菌防カビ剤としては、OIT(2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、MIT(2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、CMI(5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン)、BIT(1,2−ベンゾイソチアゾロン)、n−ブチルBIT(N−n−ブチル−1,2−ベンゾイソチアゾロン−3)から選択される一種以上を用いることができる。
OITの構造式を化1に示す。
Figure 2018141308
MITの構造式を化2に示す。
Figure 2018141308
CMIの構造式を化3に示す。
Figure 2018141308
BITの構造式を化4に示す。
Figure 2018141308
イミダゾール系抗菌防カビ剤としては、TBZ(2−(4−チアゾリル)−ベンツイミダゾール)、BCM(メチル−2−ベンツイミダゾールカルバメート)から選択される一種以上を用いることができる。
ピリジン系抗菌防カビ剤としては、ピリチオンナトリウム、ジンクピリチオン(ZPT:ビス(2−ピリジチオ−1−オキシド)亜鉛)、デンシル(2,3,5,6,−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジン)、カッパーピリチオン(ビス(2−ピリジチオ−1−オキシド)銅)から選択される一種以上を用いることができる。
ZPTの構造式を化5に示す。
Figure 2018141308
本発明において、抗菌防カビ剤は、無機化合物に担持されていることが好ましい。これにより、抗菌防カビ剤の耐熱性が向上するため、樹脂部材の成形性を向上することが可能となる。
ヘアキャッチャー
本発明において、ヘアキャッチャーは、水を通し、かつ毛髪やゴミなどを捕集できるように構成されており、複数の孔を有する。このような機能を発揮できれば、孔の大きさや形は特に限定されない。孔の形状としては、例えば、円状や網目状などが挙げられ、またこれらを目的に合わせて組み合わせてもよい。
ヘアキャッチャーは、排水口に着脱可能なように設けられる。具体的には、排水口に流れ込む水全てがヘアキャッチャーを通るように、排水口に着脱可能なように設けられる。排水口への着脱が容易になるように、ヘアキャッチャーに把持部などを設けても良い。
ヘアキャッチャーは、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含む樹脂で構成された樹脂部材である。樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、前述に挙げたものを用いることが可能である。
本発明において、排水部材とヘアキャッチャーを構成する樹脂は、同様のものを用いても良いし、異なるものを用いても良い。具体例としては、排水部材とヘアキャッチャーをPPで作製しても良いし、排水部材をPP、ヘアキャッチャーをABSで作製しても良い。
本発明において、ヘアキャッチャーの表面は接続部材よりも低い撥水性を示す。これにより、ヘアキャッチャー表面に水滴が形成されても、水膜が形成されるのを抑制できる。
本発明において、ヘアキャッチャーの表面の静的接触角は、100°以下であり、かつ前記排水部材の静的接触角よりも低い。これにより、ヘアキャッチャーの表面の撥水性が高すぎないため、水滴が形成されても、水膜の形成を抑制することが可能となる。ヘアキャッチャーの静的接触角は、98°以下であることがさらに好ましい。
本発明において、ヘアキャッチャーの表面の静的接触角は、70°以上であることが好ましく、76°以上であることがさらに好ましい。これにより、部材表面に水が付着しても留まりにくくすることが可能となる。
本発明において、ヘアキャッチャーは、撥水性材料を含まないことが好ましい。これにより、ヘアキャッチャーの表面の撥水性が高くなりすぎるのを抑制することが可能である。
本発明において、ヘアキャッチャーは、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含む。さらに好ましくは、抗菌剤および抗菌防カビ剤を含む。これにより、ヘアキャッチャーの表面に汚れなどが付着しても、菌やカビの成長を抑制することが可能となる。
抗菌剤や抗菌防カビ剤としては、前述に挙げたものを用いることが可能である。
本発明において、ヘアキャッチャーは、樹脂と抗菌剤と抗菌防カビ剤とから構成された樹脂部材であることが好ましい。これにより、ヘアキャッチャーの表面の撥水性を高めすぎることを抑制でき、かつ表面の防汚性を高くすることが可能となる。
次に、図を参照して、本発明で用いることが可能な排水口構造の一例を説明する。本発明における排水口構造1000の一態様を有する水まわり機器111の断面図を図1に示す。水まわり機器111に筒状の排水口114が設けられている。この排水口114の上には、排水口114を開閉することが可能な排水口蓋112が設けられている。排水口蓋112は排水口114から着脱可能なように構成されている。
排水口114には、排水部材300が設けられている。この態様では、排水部材300はフランジ部310を有しており、このフランジ部310が排水口114の段部118に接続するように構成されている。また、排水部材300の外周面にはネジ溝が形成されており、締結ナットと螺合されることにより、排水口114に固定されている。排水部材300は、内部に連通水路301を有している。排水部材300の下流には、排水管400が接続されている。
排水口114には、複数の孔を有するヘアキャッチャー200が着脱可能なように設けられている。
水まわり機器111の表面115を流れてきた水などは、排水口114に流れ込み、空間113を通り、ヘアキャッチャー200の孔を通る。そして、排水部材300の連通水路301を通り、下流に設けられた排水管400に流れるよう構成される。
製造方法
本発明において、排水部材およびヘアキャッチャーは、下記の方法を用いて製造することが可能であるが、これに限定されるものではない。
まず、排水部材およびヘアキャッチャーを構成するのに必要な原料を準備する。例えば、樹脂原料、撥水性材料、抗菌剤、防カビ剤を準備する。準備した原料を所望の量となるように秤量し、混合する。
本発明において、目的に応じて、原料にタルク、ガラスファイバー、カーボンファイバー、セルロースファイバー、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、着色剤などの添加剤を含んでいても良い。意匠性を考慮する場合は、着色剤として、無機顔料や有機顔料を用いることができる。
混合した原料を、所望の形状に成形する。成形方法としては、射出成形、押出成形、圧
縮成形、トランスファ成形、カレンダー成形、真空成形、ブロー成形などが挙げられる。
本発明において、射出成形を用いるのが好ましい。
射出成形時の加熱温度は、樹脂の種類に応じて選択できる。例えば、樹脂としてポリプ
ロピレン樹脂やポリアセタール樹脂を用いる場合、160℃以上220℃以下が好ましく、180
℃以上210℃以下が更に好ましい。
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定
されるものではない。
原料として、以下を用いた。
抗菌防カビ剤A:チアゾリン系抗菌防カビ剤であるOIT(2‐n‐オクチル‐4‐イソチアゾリン‐3‐オン)をタルクに1:9の割合で担持させたもの
抗菌防カビ剤B:ピリジン系抗菌防カビ剤であるZPT(ジンクピリチオン)をゼオライトに1:4の割合で担持させたもの
抗菌剤A:銀系抗菌剤(銀イオンをガラスに担持させたもの)
反応性シリコーン:シリコーングラフトPP
非反応性シリコーンオイル:ジメチルシリコーン
実施例1
(ヘアキャッチャー)
ポリプロピレン樹脂100gを180℃で加熱溶融した。これに、表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと、抗菌防カビ剤Bと、抗菌剤Aとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、所望の形状のヘアキャッチャーを得た。
(排水部材)
ポリプロピレン樹脂100gを180℃で加熱溶融した。これに、表1に示す量の抗菌防カビ剤Aと、抗菌防カビ剤Bと、抗菌剤Aと、反応性シリコーンと、非反応性シリコーンオイルとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、所望の形状の排水部材を得た。
比較例1
(ヘアキャッチャー)
ポリプロピレン樹脂98gを180℃で加熱溶融した。これに、表1に示す量の反応性シリコーンと、非反応性シリコーンオイルとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、所望の形状のヘアキャッチャーを得た。
(排水部材)
ヘアキャッチャーと同様の方法により、所望の形状の排水部材を得た。
Figure 2018141308
静的接触角の測定
作製したヘアキャッチャーおよび排水部材について、以下の方法により静的接触角を測定した。結果を表2に示す。
静的接触角は、JIS R 3257の静滴法に基づき、測定した。協和界面科学株式会社製の接触角計(DM-501)を使用し、作製したヘアキャッチャーおよび排水部材の平滑な面に水滴を滴下し、CCDカメラの画像で表面と水滴のなす角度を測定し、これを静的接触角とした。
評価1
作製したヘアキャッチャーおよび排水部材について、浴室の洗い場床に設けられた排水口に取り付けた。そして、通常の入浴を4週間行った後、ヘアキャッチャーおよび排水部材の表面を目視にて観察した。下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
・残水について
○:残水無し
×:残水あり
・防汚性について
○:汚れの付着無し
△:微量の汚れの付着あり
×:多量の汚れの付着あり
Figure 2018141308
実施例2
(ヘアキャッチャー)
ポリアセタール樹脂100gを200℃で加熱溶融した。これに、表3に示す量の抗菌防カビ剤Aと、抗菌防カビ剤Bと、抗菌剤Aとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、所望の形状のヘアキャッチャーを得た。
(排水部材)
ポリプロピレン樹脂70gとガラスファイバー30gとを180℃で加熱溶融した。これに、表3に示す量の反応性シリコーンと、非反応性シリコーンオイルとをコンパウンドし、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、所望の形状の排水部材を得た。
比較例2
(ヘアキャッチャー)
ポリアセタール樹脂100gを200℃で加熱溶融し、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、所望の形状のヘアキャッチャーを得た。
(排水部材)
ポリプロピレン樹脂70gとガラスファイバー30gとを180℃で加熱溶融し、ペレットを作製した。この作製したペレットを200℃で射出成形し、所望の形状の排水部材を得た。
Figure 2018141308
静的接触角の測定
作製したヘアキャッチャーおよび排水部材について、上述と同様の方法により静的接触角を測定した。結果を表4に示す。
評価2
作製したヘアキャッチャーおよび排水部材について、洗面化粧台のボウルに設けられた排水口に取り付けた。そして、定期的に汚水を定量流し、2週間後の、ヘアキャッチャーおよび排水部材の表面を目視にて観察した。下記の基準で評価した。結果を表4に示す。
・防汚性について
○:汚れの付着無し
×:多量の汚れの付着あり
Figure 2018141308
111:水まわり機器
112:排水口蓋
113:空間
114:排水口
115:表面
118:段部
200:ヘアキャッチャー
300:排水部材
301:連通水路
310:フランジ部
400:排水管
1000:排水口構造

Claims (8)

  1. 排水口と、
    複数の孔を有し、前記排水口に着脱可能なように設けられるヘアキャッチャーと、
    前記排水口に装着される排水部材と、を有する排水口構造において、
    前記ヘアキャッチャーは、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含む樹脂で構成された樹脂部材であり、
    前記ヘアキャッチャーの静的接触角は、100°以下であり、かつ前記排水部材の静的接触角よりも低い、排水口構造。
  2. 前記排水部材の静的接触角は、100°より大きい、請求項1に記載の排水口構造。
  3. 前記ヘアキャッチャーは、撥水性材料を含まない、請求項1または2に記載の排水口構造。
  4. 前記排水部材は、抗菌剤または抗菌防カビ剤を含む樹脂で構成された樹脂部材である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の排水口構造。
  5. 前記排水部材は、前記撥水性材料を含む、請求項4に記載の排水口構造。
  6. 前記撥水性材料は、フッ素系材料またはシリコーン系材料である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の排水口構造。
  7. 前記撥水性材料は、シリコーン系材料であり、
    前記シリコーン系材料は、シリコーンオイルである、請求項6に記載の排水口構造。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の排水口構造を有する、水まわり機器。
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