JPH11105219A - 繊維強化プラスチックの成形体とその製造法ならびに繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場 - Google Patents

繊維強化プラスチックの成形体とその製造法ならびに繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場

Info

Publication number
JPH11105219A
JPH11105219A JP9268500A JP26850097A JPH11105219A JP H11105219 A JPH11105219 A JP H11105219A JP 9268500 A JP9268500 A JP 9268500A JP 26850097 A JP26850097 A JP 26850097A JP H11105219 A JPH11105219 A JP H11105219A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gel coat
reinforced plastic
weight
parts
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9268500A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeki Kawase
茂樹 河瀬
Naoko Ubukawa
直子 生川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP9268500A priority Critical patent/JPH11105219A/ja
Publication of JPH11105219A publication Critical patent/JPH11105219A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Sink And Installation For Waste Water (AREA)
  • Bathtubs, Showers, And Their Attachments (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浴槽,洗い場,カウンター,キッチンカウン
ターなどの水まわりの材料素材として用いることのでき
る繊維強化プラスチックからなる成形体に関するもの
で、防汚性を改善し、さらにはかびや細菌の増殖を抑制
することにより清潔で衛生的な成形体を提供することを
課題とする。 【解決手段】 フッ素化オレフィン系重合体を含有する
不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表
面層を有する繊維強化プラスチックからなる成形体で構
成され、前記フッ素化オレフィン系共重合体の低表面エ
ネルギー効果により成形体の撥水性、防汚性が改善され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浴槽,洗い場,カウ
ンター,キッチンカウンターなどの水回りの材料素材と
して用いることのできる繊維強化プラスチックからなる
耐汚染性に優れた成形体とその製造法ならびに繊維強化
プラスチックの浴槽と洗い場に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、不飽和ポリエステル樹脂とガラス
繊維を用いた繊維強化プラスチックは、浴槽,洗い場な
どの防水性が必要な分野で、とくに軽量かつ高強度が必
要な部分に盛んに使用されてきた。これらの繊維強化プ
ラスチックの積層構造は、一般的には表面から、単色の
ゲルコート層と繊維強化プラスチック層とから構成され
ている。ゲルコート層は、耐熱水性や耐薬品性を向上さ
せるために用いられる塗膜であり、スプレイアップ法に
より塗装して構成される。そしてゲルコート樹脂として
は、不飽和ポリエステル樹脂を単色の顔料によって着色
し、かつ微細酸化珪素粉末を加え塗装に適したチクソト
ロピックと称す状態にすることによって用いられる。一
般的な成形法としては、型にゲルコートを塗装して硬化
させ、続いてガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂から
なる繊維強化プラスチックを積層し、硬化した後、脱型
して作られる。
【0003】他方、熱可塑性プラスチックのペレットに
フッ素系化合物や抗菌剤を添加して成形したものは実用
化されているが、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化
性プラスチックにフッ素系化合物や抗菌剤を添加する具
体的な実例は知られていない。したがって、浴室まわり
に用いられる熱硬化性がプラスチックからなる浴槽また
は洗い場などの部材において汚れやかび、ぬめりが発生
することに対する防止策はなく、単に掃除により除去す
るという方策がとられてきたに過ぎない。ぬめりの原因
は細菌の繁殖によるものが多く、かびや細菌は付着し汚
れを餌にして増殖することが一般に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、浴室
まわりに用いられる繊維強化プラスチックからなる部材
において、汚れを付着しにくくし、それらの汚れを餌に
増殖するかびや細菌の繁殖を抑制し、衛生的に使用でき
るようにすることを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は不飽和ポリエス
テル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊
維強化プラスチックからなる成形体において、前記表面
層はフッ素化オレフィン系共重合体を含有する不飽和ポ
リエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成するものであ
る。
【0006】上記発明によれば、前記表面層の撥水性お
よび撥油性が向上し、汚れ成分との相互作用が減少する
ため防汚性が大幅に改善される。また、かびおよび細菌
も餌となる汚れの付着が少ないのでそれらの増殖も抑制
される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は各請求項に記載した形態
とすることにより当業者によって容易に実施できるもの
である。すなわち請求項1記載のように不飽和ポリエス
テル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する繊
維強化プラスチックにおいて、前記表面層はフッ素化オ
レフィン系共重合体を含有する不飽和ポリエステル樹脂
系のゲルコート樹脂で構成することにより、汚れが付着
しにくく、従ってかびや細菌がつき難い衛生的な繊維強
化プラスチック成形体とすることができる。
【0008】また、請求項2記載のように表面層はフッ
素化オレフィン系共重合体を含有する不飽和ポリエステ
ル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラス
チックの浴槽とすることにより、汚れのつき難く、かび
や細菌が付着し難い浴槽とすることができる。
【0009】また、請求項3記載のように表面層はフッ
素化オレフィン系共重合体を含有する不飽和ポリエステ
ル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラス
チックの洗い場とすることにより、防汚性でかびや細菌
の付着し難い洗い場とすることができる。
【0010】そして、前記する成形体,浴槽,洗い場は
いずれもフッ素化オレフィン系共重合体が低表面自由エ
ネルギー物質であるため、それらを含有したゲルコート
樹脂表面層は汚れ成分に対し低活性となり防汚性がよ
い。さらに、汚れ成分の付着が少なくなるので、それら
を餌とするかびや細菌の増殖も抑制される。
【0011】また、請求項4記載のようにフッ素化オレ
フィン系共重合体と抗菌剤を含有する不飽和ポリエステ
ル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラス
チックからなる成形体とした場合、ならびに請求項5記
載のように、抗菌剤として無機系抗菌剤の少なくとも一
種、および有機系抗菌剤の少なくとも一種からなる抗菌
剤とフッ素化オレフィン系共重合体を含有する不飽和ポ
リエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強
化プラスチックからなる成形体とすることにより、一層
防汚性が強くかびや細菌の付着が一層防止された成形体
とすることができる。
【0012】また、請求項6記載のように、不飽和ポリ
エステル樹脂系ゲルコート樹脂100重量部にたいして
フッ素化オレフィン系共重合体を0.3重量部から5重
量部含有されている表面層からなる繊維強化プラスチッ
クの成形体とすることによって、本発明が容易に実施で
きる。
【0013】また、請求項7記載のように、不飽和ポリ
エステル樹脂系ゲルコート樹脂100重量部に対してフ
ッ素化オレフィン系共重合体を0.3重量部から5重量
と含有され、更に抗菌剤も含有されている表面層からな
る繊維強化プラスチックの成形体とすることによって、
本発明の実施をすることができる。
【0014】そして、表面層はフッ素化オレフィン系共
重合体と、不飽和ポリエステル樹脂系ゲルコート樹脂1
00重量部に対して、無機系抗菌剤が0.1重量部から
5重量部、さらに有機系抗菌剤が0.1重量部から5重
量部含有されている不飽和ポリエステル樹脂系ゲルコー
ト樹脂からなる繊維強化プラスチックの成形体とするこ
とより、本発明の目的を達成する成形体とすることがで
きる。
【0015】そして、表面層はフッ素化オレフィン系共
重合体と抗菌剤とを含有する不飽和ポリエステル樹脂系
ゲルコート樹脂の構成であるため、防汚性が向上し、さ
らに、無機系抗菌剤の添加により、主としてぬめりの原
因となる細菌の増殖が抑制され、また有機系抗菌剤の添
加によりかびの増殖が抑制される。なお、フッ素化オレ
フィン系共重合体添加の相乗効果により細菌,かびの餌
となる汚れ成分の付着が少なくなるため、無機系抗菌剤
および有機系抗菌剤は小量の添加で充分な効果が期待で
きる。
【0016】また、請求項8記載のように表面層は2種
類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なく
とも1種類のゲルコート樹脂100重量部に対し、フッ
素化オレフィン系共重合体を0.3重量部以上5重量部
以下の割合で添加し、霧化して塗装することにより表面
層を簡単に製造することができる。
【0017】また、請求項9記載のように表面層に2種
類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少なく
とも1種類のゲルコート樹脂100重量部に対し、フッ
素化オレフィン系共重合体を0.3重量部以上5重量部
以下含有させた浴槽は耐汚染性,耐かび性,耐菌性の強
い浴槽となる。
【0018】また、請求項10に記載のように表面層に
2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その少
なくとも1種類のゲルコート樹脂100重量部に対し、
フッ素化オレフィン系共重合体を0.3重量部以上5重
量部以下含有させた洗い場は、耐汚染性,耐かび性,耐
菌性の強い洗い場とすることができる。
【0019】なお、請求項8記載において、表面層に2
種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を用いることによ
り模様を付与した成形体が得られると同時にフッ素化オ
レフィン系共重合体の添加により防汚効果のある成形体
を得ることができる。さらに、霧化して塗装して表面層
を構成することにより、御影模様などの模様を付与した
成形体が得られると同時に前記のように防汚効果のある
成形体を得ることができる。
【0020】さらに、前記成形体を浴槽または洗い場に
適用することにより、模様が付与されると同時に耐汚染
性に優れた浴室部材が提供できる。
【0021】
【実施例】以下本発明の具体的な実施例について詳細に
説明する。
【0022】本発明におけるフッ素化オレフィン系共重
合体は、フッ素化オレフィンモノマーを含む重合体であ
って、不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂に分
散または溶解するものをいう。具体的には、例えばポリ
テトラフルオロエチレン,テトラフルオロエチレン・パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体,テトラフ
ルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体,
テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体,ポリクロ
ロトリフルオロエチレン,ポリフッ化ビニリデン,テト
ラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体,クロロトリ
フルオロエチレン・エチレン共重合体,ポリビニルフル
オライド,フッ化ビニリデン・テトラフルオロエチレン
共重合体,ポリフッ化ビニルエーテル,フッ化ビニルエ
ーテル・テトラフルオロエチレン共重合体,フッ化ビニ
リデン・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体,フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体,さらにはセラフルコート{セントラ
ル硝子(株)製},ルミフロン{旭硝子(株)製},ザ
フロン{東亞合成(株)製},ゼッフル{ダイキン工業
(株)製},フルオネート{大日本インキ化学工業
(株)製},トリフロン{三井石油化学工業(株)製}
などの商品名で例示されるフッ素系塗料、またはサイト
ップ{旭硝子(株)製},アロンGF300{東亞合成
(株)製},テフロン−AF{デユポン(株)製}など
があげられるが、これらに限定するものではない。
【0023】本発明における抗菌剤としては、無機系抗
菌剤として、硝酸銀,硫酸銀,塩化銀など、銀,銅,亜
鉛あるいは錫を担持したゼオライト、および銀,銅,亜
鉛あるいは錫を担持したシリカゲルなどが挙げられる
が、これに限定するものではない。
【0024】有機系抗菌剤として、10,10’−オキ
シビスフェノキサアルシンなどフェニルエーテル誘導
体,シクロフルアニドなどN−ハロアルキルチオ系化合
物,2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール(以下
TBZと略称する)などイミダゾール誘導体,2,3,
5,6テトラコロル−4−(メチルスルホニル)ピリジ
ンなどスルホン誘導体およびセシルジメチルエチルアン
モニウムブロミドなど第4級アンモニウム塩などが挙げ
られるが、これに限定するものではない。
【0025】(実施例1)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、ポリフッ化ビニリデン系共重合体0.3重量部,銀
ゼオライト0.1重量部,TBZ0.1重量部添加し、
攪拌することにより均一に分散し、これに所定の硬化剤
および硬化促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.
5mmの塗膜を形成し、硬化させゲルコート層を形成し
た。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂か
らなる繊維強化プラスチック層を既知の方法で形成し
た。これを脱型する事により、目的とする成形体を得
た。
【0026】図1は本発明の一実施例における成形体の
表面部を示す模式図である。1はポリフッ化ビニリデン
に代表されるフッ素化オレフィン系共重合体である。2
は銀ゼオライトに代表される無機系抗菌剤である。3は
TBZに代表される有機系抗菌剤である。フッ素化オレ
フィン系共重合体1,無機系抗菌剤2および有機系抗菌
剤3はそれぞれゲルコート樹脂層4中に分散されてい
る。5はガラス繊維と不飽和ポリエステル樹脂からなる
繊維強化プラスチック層である。
【0027】(実施例2)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、ポリフッ化ビニリデン系共重合体1重量部,銀ゼオ
ライト0.5重量部,TBZ0.5重量部を添加し、攪
拌することにより均一に分散させ、これに所定の硬化剤
および硬化促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.
5mmの塗膜を形成し、硬化させた。引き続き、実施例
1と同様の方法で目的とする成形体を得た。
【0028】(実施例3)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、ポリフッ化ビニリデン系共重合体2重量部,銀ゼオ
ライト1重量部,TBZ1重量部を添加し、攪拌するこ
とにより均一に分散させた。これに所定の硬化剤および
硬化促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mm
の塗膜を形成し硬化させた。引き続き、実施例1と同様
の方法で目的とする成形体を得た。
【0029】(実施例4)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、ポリフッ化ビニリデン系共重合体3重量部,銀ゼオ
ライト2重量部,TBZ2重量部を添加し、攪拌するこ
とにより均一に分散させ、これに所定の硬化剤および硬
化促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mmの
塗膜を形成し硬化させた。引き続き、ガラス繊維と不飽
和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を
既知の方法で形成した。これを脱型することにより、目
的とする浴槽を得た。
【0030】(実施例5)3つのゲルコートタンクの圧
により、3つのゲルコート樹脂がある一定の混合パイプ
を通過した後ガンから吐出され、硬化剤と混合後任意の
霧化圧にて霧化されるという多色ガン装置を用い、霧化
圧2.0kg/cm2 の条件で塗布した。多色ガン装置
の3つのゲルコートタンクの中の3種類のゲルコート樹
脂と吐出重量比を以下に示す。
【0031】 前記黒色ゲルコート樹脂100重量部に対し、あらかじ
めポリフッ化ビニリデン系共重合体2重量部を添加し、
攪拌することにより均一に分散させた黒色ゲルコート樹
脂を用いた。このように塗布されたゲルコート樹脂を5
0℃、30分の条件で硬化させた。硬化後のゲルコート
の膜厚は0.4mmであった。引き続き、ガラス繊維と
不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック
層を既知の方法で形成した。これを脱型することによ
り、目的とする模様付成形体を得た。
【0032】このような方法で得た成形体は、図2に示
すように、ポリフッ化ビニリデン系共重合体に代表され
るフッ素化オレフィン系共重合体が入ったゲルコート樹
脂の部分6と、それらの入っていないゲルコート樹脂の
部分7とが点在している構成となっている。なお、8は
水滴を示す。このように点在させることにより、表面意
匠は斑点模様となる。
【0033】(実施例6)2つのゲルコートタンクの圧
により、2つのゲルコート樹脂がある一定の混合パイプ
を通過した後ガンから吐出され、硬化剤と混合後任意の
霧化圧にて霧化されるという多色ガン装置を用い、霧化
圧2.0kg/cm2 の条件で洗い場の型に塗布した。
多色ガン装置の2つのゲルコートタンクの中の2種類の
ゲルコート樹脂と吐出重量比を以下に示す。
【0034】 前記黒色ゲルコート樹脂100重量部に対し、あらかじ
めポリフッ化ビニリデン系共重合体2重量部を添加し、
攪拌することにより均一に分散させた黒色ゲルコート樹
脂を用いた。このように塗布されたゲルコート樹脂を5
0℃、30分の条件で硬化させた。硬化後のゲルコート
の膜厚は0.4mmであった。引き続き、ガラス繊維と
不飽和ポリエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック
層を既知の方法で形成した。これを脱型することによ
り、目的とする模様付洗い場を得た。
【0035】(比較例1)実施例1と同様なイソフタル
酸系不飽和ポリエステル樹脂からなるゲルコート樹脂
に、所定の硬化剤および硬化促進剤を添加し、スプレー
ガンにより約0.5mmの塗膜を形成し、硬化させゲル
コート層を形成した。引き続き、ガラス繊維と不飽和ポ
リエステル樹脂からなる繊維強化プラスチック層を既知
の方法で形成した。これを脱型することにより、目的と
する成形体を得た。
【0036】(比較例2)イソフタル酸系不飽和ポリエ
ステル樹脂からなるゲルコート樹脂100重量部に対
し、ポリフッ化ビニリデン系共重合体0.2重量部,銀
ゼオライト0.05重量部,TBZ0.05重量部添加
し、攪拌し分散させた。これに所定の硬化剤および硬化
促進剤を添加し、スプレーガンにより約0.5mmの塗
膜を形成し、硬化させた。引き続き、実施例1と同様な
方法で目的とする成形体を得た。
【0037】各実施例および比較例で得たそれぞれの成
形体,浴槽および洗い場表面の撥水性を協和界面科学
(株)製.接触角測定装置(CA−Z型)で測定した。
また、耐汚染性をJIS K3370に準じて確認し
た。なお、耐汚染性の比較は目視で行い、比較例1にお
ける汚れ具合を△とし、それより悪い場合×、良い場合
を○とし各々相対評価した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】次に、各実施例および比較例で得たそれぞ
れの成形体,浴槽および洗い場の抗菌性能およびかび抵
抗性について試験を行った。前記成形体などから50m
m×50mmの試料を切り出し、それぞれに黄色ブドウ
球菌および大腸菌を含む菌液1ccを滴下し、37℃で
24時間培養した。その後、滅菌済みリン酸緩衝液にて
菌を洗い出した。この洗い出した液中の生菌数を、菌数
測定用培地を用いて混釈平板法にて測定した。その結果
を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】寒天培地上においた50mm×50mmの
各試料にアスペルギルス・ニガー菌液を噴霧し、25
℃、7日間培養した。その結果を表3に示す。
【0042】
【表3】
【0043】表1から明らかなように、実施例1から実
施例6までの成形体は、比較例1に比べ撥水性の向上が
著しく、また耐汚染性も改善されていた。これに対し、
比較例2の成形体は比較例1に対し、撥水性も耐汚染性
もほとんど改善されなかった。また、表面に均一にフッ
素化オレフィン系共重合体を分散した場合(実施例1な
いし実施例4)は勿論、実施例5および実施6のように
フッ素化オレフィン系共重合体を点在させた場合におい
ても良好な撥水性および耐汚染性が得られることが明ら
かになった。この理由は、表面に図2に示すように水滴
8が付着したときに、水滴8の一部にフッ素化オレフィ
ン系共重合体の入ったゲルコート樹脂の部分6が接触
し、良好な撥水性および耐汚染性が得られるものであ
る。また、ゲルコート樹脂を5種類を越えてさまざまな
色を用い、成形体を作成すると著しい撥水効果、防汚効
果が得られないので、ゲルコート樹脂は2種類以上5種
類以下が適している。この理由は、ゲルコート樹脂が6
種類以上になると図2に示したごとく表面に付着した水
滴が、フッ素化オレフィン系共重合体の入ったゲルコー
ト樹脂の部分6に接触しない確率が増え、撥水効果およ
び防汚効果が低下するものである。
【0044】フッ素化オレフィン系共重合体の上限の添
加量については、ゲルコート樹脂100重量部に対し、
5重量部を越えるとゲルコート樹脂の耐熱水性や耐薬品
性などの基本物性が損なわれ好ましくなかった。以上の
結果から、ゲルコート樹脂100重量部に対し、0.3
重量部以上5重量部以下の有機珪素化合物を添加すれ
ば、本発明の作用効果は得られることがわかった。
【0045】なお、以上の説明では、2種類以上5種類
以下のゲルコート樹脂の中の少なくとも1種類のゲルコ
ート樹脂にフッ素化オレフィン系共重合体を入れる方法
のみ説明してきたが、2種類以上のゲルコート樹脂にフ
ッ素化オレフィン系共重合体をいれても良いのはいうま
でもない。
【0046】表2から明らかなように、実施例1から実
施例4までの成形体は、比較例1に比べ黄色ブドウ球菌
および大腸菌に対する著しい抗菌効果を得ることができ
た。これに対し、比較例2の成形体は比較例1に対し、
抗菌性が明かではない。
【0047】無機系抗菌剤の上限の添加量については、
ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を越える
とゲルコート樹脂の耐薬品性などの基本物性が損なわれ
好ましくなかった。以上の結果から、ゲルコート樹脂1
00重量部に対し、0.1重量部以上5重量部以下の無
機系抗菌剤を添加すれば、本発明の作用効果は得られる
ことがわかった。
【0048】表3から明らかなように、実施例1から実
施例4までの成形体は、比較例1に比べ著しい抗かび性
能を得ることができた。これに対し、比較例2の成形体
は比較例1に対し、抗かび効果が顕著ではない。
【0049】有機系抗菌剤の上限の添加量については、
ゲルコート樹脂100重量部に対し、5重量部を越える
とゲルコート樹脂の耐熱水性などの基本物性が損なわれ
好ましくなかった。以上の結果から、ゲルコート樹脂1
00重量部に対し、0.1重量部以上5重量部以下の有
機系抗菌剤を添加すれば、本発明の作用効果は得られる
ことがわかった。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明の繊維強化プラス
チックの成形体および浴槽または洗い場によれば、次の
効果が得られる。
【0051】請求項1記載の発明によれば不飽和ポリエ
ステル樹脂系のゲルコート樹脂からなる表面層を有する
繊維強化プラスチックからなる成形体において、前記表
面層はフッ素化オレフィン系共重合体を含有することに
より、フッ素化オレフィン系共重合体の低表面エネルギ
ー効果によりゲルコート樹脂表面層は汚れ成分に対し低
活性となり防汚性が向上する。さらに汚れ成分の付着が
少なくなるので、それらを餌とするかびや細菌の増殖も
抑制されるという有利な効果を有する。
【0052】また、請求項2記載の発明によれば、表面
層はフッ素化オレフィン系共重合体を含有する不飽和ポ
リエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強
化プラスチックの浴槽とすることにより、汚れの付着し
にくい清潔でクリーンな浴室部材としての浴槽を得るこ
とができる。
【0053】また、請求項3記載の発明によれば表面層
はフッ素化オレフィン系共重合体を含有する不飽和ポリ
エステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された繊維強化
プラスチックの洗い場とすることにより、汚れの付着し
にくい清潔でクリーンな浴室部材としての洗い場を得る
ことができる。
【0054】また、請求項4記載の発明によれば表面層
はフッ素化オレフィン系共重合体と抗菌剤を含有する不
飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹脂で構成された
繊維強化プラスチックからなる成形体とすることによ
り、汚れの付着が少なく、細菌の増殖をより積極的に抑
制することにより衛生的でクリーンな成形体を得ること
ができる。
【0055】また、請求項5記載の発明によれば抗菌剤
として無機系抗菌剤の少なくとも一種、および有機系抗
菌剤の少なくとも一種からなる抗菌剤とフッ素化オレフ
ィン系共重合体を含有する不飽和ポリエステル樹脂系の
ゲルコート樹脂で構成された繊維強化プラスチックから
なる成形体とすることにより、汚れの付着が少なく、大
腸菌や一般細菌やかびの増殖を積極的に抑制する成形体
を得ることができる。
【0056】また、請求項6記載の発明によれば、不飽
和ポリエステル樹脂系ゲルコート樹脂100重量部に対
して、フッ素化オレフィン系共重合体を0.3重量部か
ら3重量部含有し、さらに、請求項7記載の発明によれ
ば無機系抗菌剤が0.1重量部から5重量部、さらに、
有機系抗菌剤が0.1重量部から5重量部含有されてい
る不飽和ポリエステル樹脂系ゲルコート樹脂からなる繊
維強化プラスチックの成形体とすることにより、いずれ
も機械的強度あるいは耐熱水性といった基本的な物性を
保持しつつ防汚性、抗菌性のおよび防かび性を有した成
形体を得ることができる。
【0057】また、請求項8記載の発明によれば表面層
は2種類以上5種類以下のゲルコート樹脂を有し、その
少なくとも1種類のゲルコート樹脂100重量部に対
し、フッ素化オレフィン系共重合体を0.3重量部以上
5重量部以下の割合で添加し、霧化して塗装することに
より、模様を付与した成形体が得られると同時に撥水性
および防汚性を有した成形体を製造することができる。
【0058】また、請求項9と請求項10記載の発明に
よれば夫々模様が付与されると同時に撥水性および防汚
性を有する清潔でクリーンな水まわり構成部剤としての
浴槽または洗い場を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における成形体の表面部を示
す模式図
【図2】本発明の実施例5における成形体の表面部を示
す模式図
【符号の説明】
1 フッ素化オレフィン系共重合体 2 無機系抗菌剤 3 有機系抗菌剤 4 ゲルコート樹脂 5 繊維強化プラスチック 6 フッ素化オレフィン系共重合体の入ったゲルコート
樹脂の部分 7 フッ素化オレフィン系共重合体の入っていないゲル
コート樹脂の部分 8 水滴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 1/02 B32B 5/00 A 5/00 27/30 D 27/30 C08J 5/04 CFD C08J 5/04 CFD C08L 27/12 C08L 27/12 67/06 67/06 E03C 1/20 A E03C 1/20 A01N 43/52 // A01N 43/52 B29C 67/14 K

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る成形体において、前記表面層はフッ素化オレフィン系
    共重合体を含有する不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコ
    ート樹脂で構成された繊維強化プラスチックの成形体。
  2. 【請求項2】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る浴槽において、前記表面層はフッ素化オレフィン系共
    重合体を含有する不飽和ポリエステル樹脂で構成された
    繊維強化プラスチックの浴槽。
  3. 【請求項3】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る洗い場において、前記表面層はフッ素化オレフィン系
    共重合体を含有する不飽和ポリエステル樹脂で構成され
    た繊維強化プラスチックの洗い場。
  4. 【請求項4】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂はフッ素化オレフィン系共重合体および抗菌剤を含有
    していることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラ
    スチックの成形体。
  5. 【請求項5】抗菌剤は、無機系抗菌剤と有機系抗菌剤と
    したことを特徴とする請求項4記載の繊維強化プラスチ
    ックの成形体。
  6. 【請求項6】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂100重量部に対してフッ素化オレフィン系共重合体
    を0.3重量部から5重量部含有させたことを特徴とす
    る請求項1または4記載の繊維強化プラスチックの成形
    体。
  7. 【請求項7】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂100重量部に対して無機系抗菌剤を0.1重量部か
    ら5重量部とし、有機系抗菌剤を0.1重量部から5重
    量部としたことを特徴とする請求項5記載の繊維強化プ
    ラスチックの成形体。
  8. 【請求項8】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る成形体において、前記表面層は2種類以上5種類以下
    のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲル
    コート樹脂100重量部に対し、フッ素化オレフィン系
    共重合体を0.3重量部以上5重量部以下の割合で添加
    し、霧化して塗装することにより表面層を構成する繊維
    強化プラスチックからなる成形体の製造法。
  9. 【請求項9】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート樹
    脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックからな
    る浴槽において、前記表面層は2種類以上5種類以下の
    ゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲルコ
    ート樹脂100重量部に対してフッ素化オレフィン系共
    重合体を0.3重量部以上5重量部以下含有してなる繊
    維強化プラスチックの浴槽。
  10. 【請求項10】不飽和ポリエステル樹脂系のゲルコート
    樹脂からなる表面層を有する繊維強化プラスチックから
    なる洗い場において、前記表面層は2種類以上5種類以
    下のゲルコート樹脂を有し、その少なくとも1種類のゲ
    ルコート樹脂100重量部に対してフッ素化オレフィン
    系共重合体を0.3重量部以上5重量部以下含有してな
    る繊維強化プラスチックの洗い場。
JP9268500A 1997-10-01 1997-10-01 繊維強化プラスチックの成形体とその製造法ならびに繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場 Pending JPH11105219A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9268500A JPH11105219A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 繊維強化プラスチックの成形体とその製造法ならびに繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9268500A JPH11105219A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 繊維強化プラスチックの成形体とその製造法ならびに繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11105219A true JPH11105219A (ja) 1999-04-20

Family

ID=17459371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9268500A Pending JPH11105219A (ja) 1997-10-01 1997-10-01 繊維強化プラスチックの成形体とその製造法ならびに繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11105219A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170139106A (ko) * 2015-05-21 2017-12-18 토요 세이칸 가부시키가이샤 표면에 겔상 피복을 갖는 구조체
DE102022109646A1 (de) 2022-04-21 2023-10-26 Duravit Aktiengesellschaft Sanitärgegenstand sowie Verfahren zur Herstellung eines solchen

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170139106A (ko) * 2015-05-21 2017-12-18 토요 세이칸 가부시키가이샤 표면에 겔상 피복을 갖는 구조체
DE102022109646A1 (de) 2022-04-21 2023-10-26 Duravit Aktiengesellschaft Sanitärgegenstand sowie Verfahren zur Herstellung eines solchen

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5919554A (en) Antimicrobial fiberglass reinforced plastic composite
US6093407A (en) Anti-microbial powder coatings
US3857934A (en) Activated polymer materials and process for making same
CA2343529C (en) Antimicrobial acrylic material
JP2003113003A (ja) 人工的な表面構造を備えた表面、その製造方法及びその使用
US20040180098A1 (en) Anti-microbial powder coatings
US4204018A (en) Activated polymer materials and process for making same
JPH11105219A (ja) 繊維強化プラスチックの成形体とその製造法ならびに繊維強化プラスチックの浴槽と洗い場
JP6784230B2 (ja) 樹脂成形体および水まわり部材
JPH1029246A (ja) 繊維強化プラスチックの成形体および浴槽および洗い場および繊維強化プラスチックの成形体の製造方法
JPH09187885A (ja) 抗菌性フッ素樹脂被覆容器
JP2000085060A (ja) 繊維強化プラスチックの成形体並びに繊維強化プラスチックの浴槽、洗い場およびキッチンカウンター
EP0769907B1 (en) Bactericidal compositions and articles containing them
JP2001009362A (ja) 親水性表面処理組成物及び親水性表面処理皮膜
JP5095345B2 (ja) 殺菌防カビ性多層膜およびその形成方法
JP2001190344A (ja) 人工大理石とそれを用いたキッチンカウンター、浴槽または洗い場
JPH07157666A (ja) 耐汚染性に優れた樹脂組成物
JPH0790185A (ja) 耐汚染性樹脂組成物およびその製造方法
JP3479150B2 (ja) 抗菌、防黴性インテグラルポリウレタンフォーム
JP7224209B2 (ja) 積層体
JPH0665527A (ja) 汚れ防止塗料
JP2001001459A (ja) 繊維強化プラスチックの成形体並びに繊維強化プラスチックの浴槽、洗い場およびキッチンカウンター
JP2020012107A (ja) 機能性塗膜、機能性塗膜用粉体塗料および機能性塗膜の製造方法
EP2214489B1 (en) Antimicrobiological coating, coating solution and method for manufacturing and reforming the coating
KR102445921B1 (ko) 바이러스 및 세균 사멸 기능을 갖는 도어하드웨어 및 이의 제조방법