JPH09187885A - 抗菌性フッ素樹脂被覆容器 - Google Patents

抗菌性フッ素樹脂被覆容器

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JPH09187885A
JPH09187885A JP1814196A JP1814196A JPH09187885A JP H09187885 A JPH09187885 A JP H09187885A JP 1814196 A JP1814196 A JP 1814196A JP 1814196 A JP1814196 A JP 1814196A JP H09187885 A JPH09187885 A JP H09187885A
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fluororesin
antibacterial agent
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coated
antibacterial
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Nobumasa Matsushita
信賢 松下
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フッ素樹脂塗膜が保有する非粘着性や耐食性
などの機能を損なうことなく、抗菌剤が均一に分散し、
優れた抗菌効果を示す抗菌性フッ素樹脂被覆容器を提供
すること。 【解決手段】 金属製容器の内面に少なくとも2層のフ
ッ素樹脂被覆層が形成されたフッ素樹脂被覆容器であっ
て、(1)添加剤を含まないフッ素樹脂被覆層が金属製
容器の内表面に隣接して配置され、かつ、(2)フッ素
樹脂100重量部に対して、平均粒径5μm以下の無機
系抗菌剤を0.1〜10重量部の割合で含有するフッ素
樹脂被覆層が表面層に配置されていることを特徴とする
抗菌性フッ素樹脂被覆容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌性フッ素樹脂
被覆容器に関し、さらに詳しくは、例えば、ジャー炊飯
器、ジャーポット等の内釜、あるいはパンケース、グリ
ルパン、ホットプレート、フライパン等の調理器具や鍋
などの各種フッ素樹脂被覆容器であって、フッ素樹脂被
覆層(塗膜)が保有している非粘着性及び耐食性に加え
て、抗菌性が付与されたフッ素樹脂被覆容器に関する。
【0002】
【従来の技術】ジャー炊飯器などの内釜(内容器)など
には、耐食性と非粘着性を付与するために、一般に、金
属製容器の内面にフッ素樹脂を被覆したフッ素樹脂被覆
容器が用いられている。近年、内容物の腐敗防止、雑菌
の繁殖防止、あるいは清潔感の向上などの目的で、フッ
素樹脂被覆容器に対しても、抗菌性を付与することが求
められている。従来、フッ素樹脂被覆容器に抗菌性を付
与する方法としては、単に、抗菌剤を混入したフッ素樹
脂を被覆する方法が提案されているに過ぎない。より具
体的には、銀、銅等の金属イオンを担持するゼオライト
固体粒子を抗菌剤としてフッ素樹脂被覆層中に分散させ
たジャー炊飯器内釜が知られている。
【0003】しかしながら、従来の抗菌性が付与された
フッ素樹脂被覆容器は、(1)抗菌剤の配合量や粒径に
よって抗菌効果が著しく異なったり、(2)抗菌剤とフ
ッ素樹脂との親和性が低いため、フッ素樹脂塗膜にピン
ホールが多数発生し、耐食性が損なわれたり、(3)フ
ッ素樹脂の種類やコーティング方法によっては、フッ素
樹脂塗膜表面の抗菌剤の分布量が少なくなったり、
(4)逆に、抗菌剤が凝集してフッ素樹脂塗膜の表面が
荒れ、非粘着性が低下したり、あるいは(5)金属製容
器の内面に対するフッ素樹脂塗膜の密着性が低下したり
するという問題点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フッ
素樹脂塗膜が保有する非粘着性や耐食性などの機能を損
なうことなく、抗菌剤が均一に分散し、優れた抗菌効果
を示す抗菌性フッ素樹脂被覆容器を提供することにあ
る。本発明者は、前記従来技術の問題点を克服するため
に鋭意研究した結果、金属製容器の内面に、先ず、ベー
ス層として、添加剤を含まないピュアーなフッ素樹脂の
被覆層を形成し、該ベース層の上に、あるいは他の中間
層を介して、表面層として、平均粒径が5μm以下の無
機系抗菌剤を配合したフッ素樹脂の被覆層を形成するこ
とにより、前記目的を達成できることを見いだし、その
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属製
容器の内面に少なくとも2層のフッ素樹脂被覆層が形成
されたフッ素樹脂被覆容器であって、(1)添加剤を含
まないフッ素樹脂被覆層が金属製容器の内表面に隣接し
て配置され、かつ、(2)フッ素樹脂100重量部に対
して、平均粒径5μm以下の無機系抗菌剤を0.1〜1
0重量部の割合で含有するフッ素樹脂被覆層が表面層に
配置されていることを特徴とする抗菌性フッ素樹脂被覆
容器が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の抗菌性フッ素樹脂被覆容
器は、アルミニウム、アルミニウム合金、SUSなどの
金属から作成された金属製容器を基材とするものであ
る。予め金属製容器を作成し、その内面にフッ素樹脂を
コーティングしてもよいが、通常は、金属板の表面にフ
ッ素樹脂の塗膜を形成した後、プレス成形によって、容
器の形状に成形する方法が好ましい。
【0007】本発明では、フッ素樹脂被覆層を少なくと
も2層形成する。金属製容器の内表面に隣接するフッ素
樹脂被覆層は、充填剤や抗菌剤などの添加剤を実質的に
含まないピュアーなフッ素樹脂の被覆層とし、これによ
って、フッ素樹脂被覆層全体の基材に対する密着性を確
保すると共に、抗菌剤粒子に起因する塗膜のピンホール
の発生によって金属基材が腐食するのを防止する。この
ピュアーなフッ素樹脂被覆層(ベース層)の厚みは、通
常、5〜40μm、好ましくは7〜30μm程度であ
る。この厚みが薄すぎると、耐食性や密着性が低下し、
厚すぎると、熱伝導率が低下するため、いずれも好まし
くない。
【0008】このベース層の上に、直接、あるいは他の
フッ素樹脂被覆層(中間層)を介して、平均粒径が5μ
m以下の無機系抗菌剤を添加したフッ素樹脂の塗膜を表
面層として形成する。無機系抗菌剤の平均粒径が5μm
を越えると、塗膜にピンホールが発生しやすくなり、耐
食性や非粘着性の低下を招く。無機系抗菌剤は、フッ素
樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ま
しくは1〜9重量部、より好ましくは2〜8重量部の割
合で配合する。この配合量が少なすぎると、抗菌効果が
不十分となり、多すぎると、抗菌効果は大きくなるもの
の、ピンホールの発生により、耐食性や非粘着性が低下
する。無機系抗菌剤を含有するフッ素樹脂被覆層の厚み
は、通常、5〜40μm、好ましくは7〜30μmであ
る。この厚みが薄すぎると、ピンホールの発生が多くな
り、厚すぎると、無機系抗菌剤の配合量によっては表面
への抗菌剤の露出量が少なくなって抗菌効果が不十分と
なり、また、熱伝導率が低下するなどのおそれが生じ
る。
【0009】無機系抗菌剤としては、特に限定されない
が、抗菌性フッ素樹脂被覆容器をジャー炊飯器の内釜な
どの用途に用いる場合には、銀系抗菌剤が好ましい。よ
り具体的には、無機系抗菌剤としては、無機材料に金属
イオンを取り込んでなる無機系抗菌剤が適しており、そ
こに取り込まれるイオンとしては銀イオンが最適であ
る。このような銀系抗菌剤としては、例えば、市販され
ているノバロン(東亜合成化学株式会社商標名)、バク
テキラー(鐘紡株式会社商標名)、アメニトップ(松下
電器産業株式会社商標名)、アパサイダー(サンギ株式
会社商標名)等を挙げることができる。これらの銀系抗
菌剤は、食品衛生上の問題がない安全なものが市販され
ており、適時選択して使用することができる。これらの
銀系抗菌剤は、炊飯等の際に加熱されても、分解して抗
菌効果が損なわれることはなく、しかも毒性がないの
で、米等の食品を汚染するおそれがない。
【0010】金属製容器の内面に無機系抗菌剤を含むフ
ッ素樹脂被覆層を形成すると、抗菌効果を得ることがで
きるが、この一層のみでは、ピンホールが多くなって耐
食性に問題が生じ、長期間の使用によって腐食が発生す
るおそれがある。また、無機系抗菌剤の配合量によって
は、フッ素樹脂塗膜の密着性が低下する。そこで、前記
したとおり、本発明では、ベース層としてピンホールの
発生しない充填剤不含のピュアーなフッ素樹脂被覆層を
設けて耐食性を保持し、この上に無機系抗菌剤を含むフ
ッ素樹脂被覆層を設けている。中間層として、必要の応
じて、ベース層と同様のピュアーなフッ素樹脂被覆層
や、あるいは所望の充填剤や添加剤を含有するフッ素樹
脂被覆層などを設けてもよい。ただし、工程の簡素化や
経済性、熱伝導性などの観点から、ピュアーなフッ素樹
脂被覆層(第1層)の上に、直接、無機系抗菌剤を配合
したフッ素樹脂被覆層(第2層)を表面層として形成す
ることが好ましい。フッ素樹脂被覆層の合計厚みは、通
常、10〜50μm、好ましくは15〜40μm程度で
ある。合計厚みが薄すぎると、ピンホールによる耐食性
の低下が問題となり、厚すぎると熱伝導性が悪くなる。
【0011】本発明で使用するフッ素樹脂としては、例
えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テト
ラフルオロエチレン/パーフルオロビニルエーテル共重
合体(PFA)、ポリビニルフルオライド(PVF)、
ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロ
トリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフル
オロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン(FEP)等
を挙げることができる。
【0012】これらのフッ素樹脂の中でも、PTFEや
PFAなどの溶融粘度が比較的高い樹脂が特に好まし
い。溶融粘度が低いフッ素樹脂を用いると、無機系抗菌
剤を配合した場合、塗工工程において、塗膜中で無機系
抗菌剤が沈みやすくなり、その結果、フッ素樹脂被覆層
の表面に無機系抗菌剤が露出する割合が少なくなり、十
分な抗菌効果が得られないという不都合が生じやすい。
これに対して、フッ素樹脂の中でも溶融粘度が高いPT
FEやPFAを用いると、無機系抗菌剤は、塗膜中で沈
みにくくなり、その結果、無機系抗菌剤がフッ素樹脂被
覆層中に均一に分布して、表面にも抗菌剤が均等に露出
する。
【0013】フッ素樹脂の塗膜を形成する方法として
は、一般に、フッ素樹脂ディスパージョンや粉体などの
塗料をスプレーコーティング、ローラーコーティング、
静電塗装、スピンコーティングなどの方法により金属製
基材の表面に塗工する方法が採用されている。これらの
塗装法の中でも、無機系抗菌剤を配合したフッ素樹脂塗
料の塗装法としては、スピンコーティング法が特に好ま
しいことが判明した。本発明者は、無機系抗菌剤を配合
したフッ素樹脂塗料(ディスパージョン)を用いて、塗
装法を種々に変えて金属基材表面に塗工し、得られたフ
ッ素樹脂被覆層における無機系抗菌剤の分布状態を評価
した結果、塗装方法によって無機系抗菌剤の分散状態が
異なり、スピンコーティング法が他の塗装方法に比べて
無機系抗菌剤の分布が最も均一となることを見いだし
た。そして、スピンコーティング法により塗工して得ら
れたフッ素樹脂被覆層の抗菌効果は、最も安定して高水
準であることが分かった。
【0014】本発明の抗菌性フッ素樹脂被覆容器は、フ
ッ素樹脂被覆層の表面に無機系抗菌剤が均一に露出する
ことにより、長期間にわたって、バクテリアやカビを死
滅させる抗菌活性が保持される。本発明の抗菌性フッ素
樹脂被覆容器は、フッ素樹脂被覆層が本来有している非
粘着性や耐食性などの機能を損なうことがない。したが
って、本発明の抗菌性フッ素樹脂被覆容器は、ジャー炊
飯器やジャーポットの内釜、その他調理器具や鍋等の用
途に好適である。
【0015】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明する。
【0016】[実施例1]アルミニウム基材として板厚
1.2mmのサークル板(住友軽金属工業(株)製MG
−110材)を用いた。先ず、このサークル板を陽極と
して、塩化アンモニウム水溶液中、25クーロン/cm
2の電気量で電気化学的エッチング処理を行い、サーク
ル板表面に微細な凹凸を形成させた。この微細な凹凸面
に、第1層として、充填剤を含まないピュアーなPTF
Eディスパージョン(ダイキン工業(株)製D−1F)
をスピンコーティングし、水分を乾燥した後400℃で
10分間焼き付けた。
【0017】次に、第2層として、東亜合成(株)製の
無機系抗菌剤ノバロンAG300を上記D−1Fに、フ
ッ素樹脂固形分100重量部に対して5.0重量部の割
合で配合した塗料をスピンコーティングし、再度、上記
と同条件で乾燥し、焼き付けた。フッ素樹脂被覆層厚
は、焼き付け後に、第1層20μm、第2層10μmの
合計30μmとなるようにスピンコーティングした。こ
こで用いた無機系抗菌剤ノバロンAG300の平均粒径
は、島津製作所製粒度分布測定装置(lazardif
fraction particle size an
alyzer”SALD−1100”)で測定した結
果、0.5μmであった。
【0018】このようにして得られたフッ素樹脂コーテ
ィング板をプレス成形によって加工し、内面にフッ素樹
脂被覆層が形成されたジャー炊飯器内釜を作製した。こ
の内釜の底面部を50×50mm角に切断して験片とし
た。この試験片を十分に水で洗浄した後、塗装表面に黄
色ブドウ球菌の菌液(105個/ml)及び大腸菌の菌
液(105個/ml)を各1mlづつ滴下し、37℃で
24時間培養した。培養後、滅菌済みのりん酸緩衝液で
菌を洗い出し、洗液中の生菌数を菌数測定用培地を使用
して、混釈平板法にて測定した。結果を表1に示す。
【0019】[実施例2]無機系抗菌剤の配合量を、フ
ッ素樹脂固形分100重量部に対して2.0重量部とな
るようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてジャー
炊飯器内釜と試験片を作製し、菌の培養試験を行った。
【0020】[実施例3]無機系抗菌剤の配合量を、フ
ッ素樹脂固形分100重量部に対して8.0重量部とな
るようにしたこと以外は、実施例1と同様にしてジャー
炊飯器内釜と試験片を作製し、菌の培養試験を行った。
【0021】[実施例4]第2層のフッ素樹脂として、
PFAディスパージョン(デュポン社製350−J)を
用いたこと以外は、実施例1と同様にしてジャー炊飯器
内釜と試験片を作製し、菌の培養試験を行った。
【0022】[比較例1]抗菌剤の入っていないPTF
Eディスパージョン(D−1F)を用いて第2層を形成
したこと以外は、実施例1と同様にしてジャー炊飯器内
釜と試験片を作製し、菌の培養試験を行った。
【0023】[比較例2]抗菌剤ノバロンAG300の
配合量をフッ素樹脂固形分100重量部に対して0.0
5重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてジャ
ー炊飯器内釜と試験片を作製し、菌の培養試験を行っ
た。
【0024】[比較例3]抗菌剤ノバロンAG300の
配合量をフッ素樹脂固形分100重量部に対して12.
0重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてジャ
ー炊飯器内釜と試験片を作製し、菌の培養試験を行っ
た。
【0025】[比較例4]上記実施例1において、第1
層に抗菌剤ノバロンAG300をフッ素樹脂固形分10
0重量部に対して5.0重量部の割合で含有させた塗料
を1層(厚さ20μm)のみスピンコーティングしたこ
と以外は、実施例1と同様にしてジャー炊飯器内釜と試
験片を作製し、菌の培養試験を行った。
【0026】[比較例5]上記実施例1において、第1
層に抗菌剤ノバロンAG300をFEPディスパージョ
ン(ダイキン工業(株)製ネオフロンND−4)に、フ
ッ素樹脂固形分100重量部に対して、5.0重量部の
割合で含有させた塗料を1層(厚さ20μm)のみスピ
ンコーティングしたこと以外は、実施例1と同様にして
ジャー炊飯器内釜と試験片を作製し、菌の培養試験を行
った。
【0027】[比較例6]上記実施例1において、第1
層に抗菌剤ノバロンAG300をフッ素樹脂固形分10
0重量部に対して5.0重量部の割合で含有させた塗料
を1層(厚さ20μm)のみスプレーコーティングした
こと以外は、実施例1と同様にしてジャー炊飯器内釜と
試験片を作製し、菌の培養試験を行った。これらの試験
結果及びフッ素樹脂被覆層の層構成を表1に一括して示
す。
【0028】
【表1】
【0029】(1)耐食性 市販の「おでんのもと」25gを1リットルの水に溶か
し、これを容器に満たして、この液が90〜100℃に
なるように加熱した。この後、液を取り除き、内側の塗
膜面の腐食の有無を確認した。評価は、次の3段階で行
った。 ○:腐食は、まったくない。 △:腐食箇所が5箇所未満ある。 ×:腐食箇所が5箇所以上ある。
【0030】(2)非粘着性 砂糖の固着試験により非粘着性試験を行った。すなわ
ち、内径25.4mmのステンレスリングを評価サンプ
ルの上に置き、その中に砂糖を入れ、加熱して溶解し
た。冷却後、このリングにバネばかりをセットし、水平
方向に引っ張り、リングがサンプルから離れるときの荷
重F(kg)を測定した。非粘着性が優れているほど、
このときの荷重が小さい。評価は、次の3段階で行っ
た。 ○:荷重Fが3kg未満、 △:3kg以上6kg未満、 ×:6kg以上。
【0031】(3)密着力 塗膜面にナイフで下地に達する碁盤目(1mm間隔の1
00ます)を入れ、この面にセロテープを押しつけ直ち
に引き剥した。これを20回繰り返し、100ますの塗
膜のうちの残っている個数を数えた。評価は、次の3段
階で行った。 ○:100/100残った。 △:90/100以上残った。 ×:90/100未満残った。
【0032】以上の試験結果から明らかなように、本発
明の抗菌性フッ素樹脂被覆容器(実施例1〜4)は、内
表面に付着した菌を死滅させ、菌の発生を防止する抗菌
活性があり、かつ、炊飯器内釜などのフッ素樹脂被覆容
器に要求される耐食性、非粘着性、及び密着力も良好で
ある。これに対して、抗菌剤を含有させなかった場合
(比較例1)や抗菌剤の配合量が少ない場合(比較例
2)には、抗菌効果が小さく、逆に、抗菌剤の配合量が
多すぎる場合(比較例3)には、非粘着性が低下する。
また、抗菌剤含有フッ素樹脂被覆層を1層のみ形成した
場合(比較例4)には、ピンホールの発生に起因すると
思われる耐腐食性の低下がみられ、密着力も十分ではな
い。フッ素樹脂として、溶融粘度の低いFEPを用い、
これに抗菌剤を含有せしめた場合(比較例5)には、抗
菌効果が低下する。スプレーコーティング法を適用した
場合(比較例6)にも、抗菌効果が低下する。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素樹脂塗膜が保有
する非粘着性や耐食性などの機能を損なうことなく、抗
菌剤が均一に分散し、優れた抗菌効果を示す抗菌性フッ
素樹脂被覆容器が提供される。本発明の抗菌剤フッ素樹
脂被覆容器は、例えば、ジャー炊飯器、ジャーポット等
の内釜、あるいはパンケース、グリルパン、ホットプレ
ート、フライパン等の調理器具や鍋などの各種フッ素樹
脂被覆容器として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ジャー炊飯器内釜のフッ素樹脂被覆断
面を示す図である。
【図2】図1の点丸領域の断面の拡大図である。
【符号の説明】 1:第1層(ベース層) 2:第2層(表面層) 3:金属基材 4:フッ素樹脂 5:無機系抗菌剤 6:フッ素樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製容器の内面に少なくとも2層のフ
    ッ素樹脂被覆層が形成されたフッ素樹脂被覆容器であっ
    て、(1)添加剤を含まないフッ素樹脂被覆層が金属製
    容器の内表面に隣接して配置され、かつ、(2)フッ素
    樹脂100重量部に対して、平均粒径5μm以下の無機
    系抗菌剤を0.1〜10重量部の割合で含有するフッ素
    樹脂被覆層が表面層に配置されていることを特徴とする
    抗菌性フッ素樹脂被覆容器。
  2. 【請求項2】 無機系抗菌剤が銀系抗菌剤である請求項
    1記載の抗菌性フッ素樹脂被覆容器。
  3. 【請求項3】 無機系抗菌剤を含有するフッ素樹脂被覆
    層が、フッ素樹脂としてポリテトラフルオロエチレン
    (PTFE)及びテトラフルオロエチレン/パーフルオ
    ロビニルエーテル共重合体(PFA)からなる群より選
    ばれる少なくとも1種を用いて形成されたものである請
    求項1または2記載の抗菌性フッ素樹脂被覆容器。
  4. 【請求項4】 無機系抗菌剤を含有させたフッ素樹脂被
    覆層が、スピンコーティング法により塗工されたもので
    ある請求項1ないし3のいずれか1項に記載の抗菌性フ
    ッ素樹脂被覆容器。
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