JP2018140955A - 加工増粘多糖類 - Google Patents
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Abstract
【課題】溶液に増粘多糖類を溶解又は分散させる工程において、溶解分散性と粘度発現性に優れた加工された増粘多糖類を提供することである。【解決手段】セルロースナノファイバーが表面に結着していることを特徴とする増粘多糖類。【選択図】図1
Description
本発明は、溶解分散性及び粘度発現性が改善された加工増粘多糖類に関する。
嚥下困難者が飲食物又は医薬品を摂取する際、飲食物又は医薬品が気道に流入し、それを原因として肺炎を発症することから、これを防止する目的で飲食物又は医薬品にとろみ又はねばりを付与する技術が求められている。また、その他の嚥下目的以外についても、食品、医薬品、及び化粧品の分野において増粘多糖類が使用される現状を鑑みると、当該技術への関心や需要が高いことは明らかである。
増粘多糖類として、α化澱粉、グアーガム、カラギーナン及びキサンタンガムが知られている。
キサンタンガムとは、微生物キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)がブドウ糖等を発酵して、その菌体外に蓄積した多糖類を精製し粉末にした天然高分子多糖類である。キサンタンガムは冷水可溶性で、得られた溶液は低濃度でも他の多糖溶液と比較して高い粘度を示す。また、耐熱・耐酸・耐凍結性に優れていることから、食品、医薬品、及び化粧品など様々な分野で利用されている。
増粘多糖類として、α化澱粉、グアーガム、カラギーナン及びキサンタンガムが知られている。
キサンタンガムとは、微生物キサントモナス・キャンペストリス(Xanthomonas campestris)がブドウ糖等を発酵して、その菌体外に蓄積した多糖類を精製し粉末にした天然高分子多糖類である。キサンタンガムは冷水可溶性で、得られた溶液は低濃度でも他の多糖溶液と比較して高い粘度を示す。また、耐熱・耐酸・耐凍結性に優れていることから、食品、医薬品、及び化粧品など様々な分野で利用されている。
しかし、溶液状態の例えば食品、医薬品、又は化粧品等に増粘多糖類を様々な目的で溶解又は分散させる際、分散性の悪さから増粘多糖類の集合体の表面部分のみが溶解又は分散し、内部が溶解又は分散せず、ダマが形成されることが問題となっている。ダマが形成されるような不完全な溶解又は分散では増粘多糖類の機能を十分に発揮できない。特に、嚥下困難者のための飲食物に増粘多糖類を溶解又は分散させる際は手作業で行う場合も多く、ダマになりやすいことが指摘されている。また、例えばスキムミルクなどのタンパク質の多い溶液等の溶質濃度の高い溶液には、とろみがつくまでに時間がかかり、使用者に不便であった。これによる効果は不十分で必ずしも満足すべきものではない。
これまで、キサンタンガムに金属塩やグアーガム酵素分解物を噴霧乾燥することで粘度発現性が良好になることが知られている(特許文献1及び2)。また、カルボキシメチルセルロース(CMC)をキサンタンガム表面に結着することで水やフレンチドレッシングに対する粘度発現性が良好になることが知られている(特許文献3)。しかし、溶解分散性及び粘度発現性を一挙に向上するような加工増粘多糖類は知られていなかった。
本発明の目的は、(1)食品、医薬品等に添加されると食品、医薬品等の溶解分散性及び粘度発現性が改善する加工増粘多糖類を提供すること、(2)手作業のような弱い攪拌条件であっても、短時間で、ダマを発生させずに、食品、医薬品等のとろみ又はねばりを発現できる加工増粘多糖類を提供すること、(3)例えばスキムミルク液のようなタンパク質の多い溶液等の溶質濃度の高い溶液であっても粘度発現性がよい加工増粘多糖類を提供すること、及び(4)増粘多糖類に結着するセルロースナノファイバーの使用量が少量でも、増粘多糖類の溶解分散性及び粘度発現性が改善されている加工増粘多糖類(以下、単に本発明の加工増粘多糖類ともいう。)を提供することから選択される1以上である。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、セルロースナノファイバーが表面に結着していることを特徴とする増粘多糖類が上記課題を解決することを見出した。
すなわち、本発明は、
[1]セルロースナノファイバーが表面に結着していることを特徴とする増粘多糖類 、
[2]セルロースナノファイバーが、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、ヒドロキシプロピル化セルロースナノファイバー及びヒドロキシプロピルメチル化セルロースナノファイバーからなる群より選択される1以上であることを特徴とする[1]に記載の増粘多糖類、
[3]増粘多糖類がキサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、グルコマンナン、α化澱粉、リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及び酸化デンプンからなる群より選択される1以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の増粘多糖類、
[4]増粘多糖類に対する、セルロースナノファイバーの質量比が0.01〜0.5であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の増粘多糖類、および
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の増粘多糖類を含有することを特徴とする増粘用食品添加物
に関する。
すなわち、本発明は、
[1]セルロースナノファイバーが表面に結着していることを特徴とする増粘多糖類 、
[2]セルロースナノファイバーが、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、ヒドロキシプロピル化セルロースナノファイバー及びヒドロキシプロピルメチル化セルロースナノファイバーからなる群より選択される1以上であることを特徴とする[1]に記載の増粘多糖類、
[3]増粘多糖類がキサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、グルコマンナン、α化澱粉、リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及び酸化デンプンからなる群より選択される1以上であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の増粘多糖類、
[4]増粘多糖類に対する、セルロースナノファイバーの質量比が0.01〜0.5であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の増粘多糖類、および
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の増粘多糖類を含有することを特徴とする増粘用食品添加物
に関する。
本発明は(1)食品、医薬品等に添加されると食品、医薬品等の溶解分散性及び粘度発現性が改善する加工増粘多糖類、(2)手作業のような弱い攪拌条件であっても、短時間で、ダマを発生させずに、食品、医薬品等のとろみ又はねばりを発現できる加工増粘多糖類、(3)例えばスキムミルク液のようなタンパク質の多い溶液等の溶質濃度の高い溶液であっても粘度発現性がよい加工増粘多糖類、及び(4)増粘多糖類に結着するセルロースナノファイバーの使用量が少量でも、増粘多糖類の溶解分散性及び粘度発現性が改善されている加工増粘多糖類から選択される1以上の加工増粘多糖類を提供することができる。
また、本発明の好ましい効果として、増粘多糖類の表面が改質し、溶液への分散性が著しく向上し、粘度発現の速度が著しく改善すること、濃度の高い溶液への粘度発現性が著しく向上した加工増粘多糖類を提供すること、使用するセルロースナノファイバーの量が少なくてもよいこと、家庭や企業を問わず、とろみ又はねばりを付与する作業を効率的に実行できること等が挙げられる。
本発明は、セルロースナノファイバーが表面に結着していることを特徴とする増粘多糖類を提供する。
本発明で原料として用いられるセルロースナノファイバーは、特に限定されるものではないが、例えば、木材繊維を微細化した物質であり、ナノセルロースに分類され、又は優れた粘性を与えるという特徴を有するものであればどのようなものでもよい。また、好ましいものとして、例えばセルロースナノファイバーの長さは0.1μm以上100μm以下のもの、径は1nm以上1000nm以下のものが挙げられる。
本発明で用いられるセルロースナノファイバーは、非修飾セルロースナノファイバーであってもよく、修飾セルロースナノファイバーであってもよいが、修飾セルロースナノファイバーであることが好ましい。修飾セルロースナノファイバーとして例えば、カルボキシメチル(CM)化セルロースナノファイバー、ヒドロキシプロピル化セルロースナノファイバー、ヒドロキシプロピルメチル化セルロースナノファイバー等が挙げられ、食品用途に用いる場合には、CM化セルロースナノファイバーが好ましい。また、増粘多糖類に結着させる際のセルロースナノファイバーの形状は特に限定されるものではないが、ペースト状、ウェット状、スラリー状、粉末状等のいずれでもよいが、スラリー状が好ましい。また、本発明で原料として用いられるセルロースナノファイバーは例えば水等の液体媒体に溶解又は分散した溶液又は分散液として使用するのが好ましい。セルロースナノファイバーは市販されているものを使用してもよいし、公知の方法によって製造されてもよい。
本発明で用いられるセルロースナノファイバーは、非修飾セルロースナノファイバーであってもよく、修飾セルロースナノファイバーであってもよいが、修飾セルロースナノファイバーであることが好ましい。修飾セルロースナノファイバーとして例えば、カルボキシメチル(CM)化セルロースナノファイバー、ヒドロキシプロピル化セルロースナノファイバー、ヒドロキシプロピルメチル化セルロースナノファイバー等が挙げられ、食品用途に用いる場合には、CM化セルロースナノファイバーが好ましい。また、増粘多糖類に結着させる際のセルロースナノファイバーの形状は特に限定されるものではないが、ペースト状、ウェット状、スラリー状、粉末状等のいずれでもよいが、スラリー状が好ましい。また、本発明で原料として用いられるセルロースナノファイバーは例えば水等の液体媒体に溶解又は分散した溶液又は分散液として使用するのが好ましい。セルロースナノファイバーは市販されているものを使用してもよいし、公知の方法によって製造されてもよい。
本発明で原料として用いられる増粘多糖類は、その投入の対象となる溶液にとろみ又はねばり等を付与することができる多糖類であればどのようなものでもよく、好ましくは、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、グルコマンナン、α化デンプン、リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酸化デンプン等が挙げられるが、キサンタンガムであることがさらに好ましい。また、セルロースナノファイバーを結着させる際の増粘多糖類は、液体状でもよく、粉末状を含む固体状でもよいが、粉末状を含む固体状であることが好ましい。また、本発明で用いられる増粘多糖類は特に限定されるものではないが、セルロースナノファイバーを結着させる前に、溶液に溶解又は分散されていてもよく、溶解又は分散されていなくてもよいが、溶解又は分散されていないことが好ましい。
増粘多糖類の粉末又は粒状物として、好ましくは70〜200メッシュ篩下でメッシュ上に残る程度のものを使用するのがよい。本発明の加工増粘多糖類に対する増粘多糖類の質量百分率は、1〜99%、25〜99%、50〜98%等であってもよい。
本発明の加工増粘多糖類は、増粘多糖類の表面にセルロースナノファイバーを結着させ、増粘多糖類を加工することによって製造される。
本発明において、そのようなセルロースナノファイバーの増粘多糖類表面への結着は、その目的を達成することができる限り、どのようなものであってもよい。
結着の方法として例えば、増粘多糖類とセルロースナノファイバーの混合物に溶液を加えることで結着させ乾燥する方法、セルロースナノファイバー溶液、分散液又は懸濁液を増粘多糖類粒子に均一噴霧し乾燥する方法等がある。具体的には、増粘多糖類にセルロースナノファイバー溶液、分散液又は懸濁液をスプレードライし、増粘多糖類の表面に層状にセルロースナノファイバーをコーティングする方法、又はセルロースナノファイバーを増粘多糖類に結着させる方法が好ましい。さらに、セルロースナノファイバー溶液の濃度は0.5〜20質量%であることが好ましい。また、本発明における増粘多糖類にセルロースナノファイバーを結着させる方法としては特に限定されず、手作業によるものでもよく、機械作業によるものでもよいが、機械作業によるものであることが好ましい。また、増粘多糖類に対するセルロースナノファイバーの質量比は特に限定されるものではないが、0.001〜1.0であってもよく、0.01〜0.5であってもよい。また、噴霧率(加工増粘多糖類に対するセルロースナノファイバーの質量百分率)は0.1〜100%であってもよく、1〜50%であってもよく、1〜3%であってもよい。
上記結着について更に詳しく付言すれば、増粘多糖類とセルロースナノファイバーを混合して調製することが好ましい。さらに、その後増粘多糖類とセルロースナノファイバーとを結着させることが好ましく、さらに結着後乾燥させることが好ましい。これらの混合、結着又は乾燥工程において、例えば、MP−01(株式会社パウレック製)等の市販されている噴霧乾燥機を使用することができる。
増粘多糖類の粉末又は粒状物として、好ましくは70〜200メッシュ篩下でメッシュ上に残る程度のものを使用するのがよい。本発明の加工増粘多糖類に対する増粘多糖類の質量百分率は、1〜99%、25〜99%、50〜98%等であってもよい。
本発明の加工増粘多糖類は、増粘多糖類の表面にセルロースナノファイバーを結着させ、増粘多糖類を加工することによって製造される。
本発明において、そのようなセルロースナノファイバーの増粘多糖類表面への結着は、その目的を達成することができる限り、どのようなものであってもよい。
結着の方法として例えば、増粘多糖類とセルロースナノファイバーの混合物に溶液を加えることで結着させ乾燥する方法、セルロースナノファイバー溶液、分散液又は懸濁液を増粘多糖類粒子に均一噴霧し乾燥する方法等がある。具体的には、増粘多糖類にセルロースナノファイバー溶液、分散液又は懸濁液をスプレードライし、増粘多糖類の表面に層状にセルロースナノファイバーをコーティングする方法、又はセルロースナノファイバーを増粘多糖類に結着させる方法が好ましい。さらに、セルロースナノファイバー溶液の濃度は0.5〜20質量%であることが好ましい。また、本発明における増粘多糖類にセルロースナノファイバーを結着させる方法としては特に限定されず、手作業によるものでもよく、機械作業によるものでもよいが、機械作業によるものであることが好ましい。また、増粘多糖類に対するセルロースナノファイバーの質量比は特に限定されるものではないが、0.001〜1.0であってもよく、0.01〜0.5であってもよい。また、噴霧率(加工増粘多糖類に対するセルロースナノファイバーの質量百分率)は0.1〜100%であってもよく、1〜50%であってもよく、1〜3%であってもよい。
上記結着について更に詳しく付言すれば、増粘多糖類とセルロースナノファイバーを混合して調製することが好ましい。さらに、その後増粘多糖類とセルロースナノファイバーとを結着させることが好ましく、さらに結着後乾燥させることが好ましい。これらの混合、結着又は乾燥工程において、例えば、MP−01(株式会社パウレック製)等の市販されている噴霧乾燥機を使用することができる。
分散性を向上する目的又は体積を確保する目的で、デキストリン、グルコース、マルトース、フルクトース、ショ糖、乳糖、食物繊維、澱粉又は糖アルコール類(エリスリトール、マルチトール、ソルビトール等)等の添加剤をさらに加えてもよく、デキストリンを加えることが好ましい。添加剤を添加する場合、添加剤と増粘多糖類及びセルロースナノファイバーとの配合重量比率(添加剤:増粘多糖類及びセルロースナノファイバー)は、約1:100から約9:1の間であってもよく、好ましくは約1:10から約5:1の間であってもよく、さらに好ましくは約1:10から約2:1の間であってもよく、さらに約1:1程度であることが好ましい。特に限定されるものではないが、添加剤は増粘多糖類及びセルロースナノファイバーを混合する前に、増粘多糖類又はセルロースナノファイバーのいずれかに加えてもよく、これらを混合すると同時に加えてもよく、これらを混合した後に加えてもよいが、これらを混合した後に加えることが好ましい。本発明の加工増粘多糖類に、その他の物質で溶解分散性を向上する添加物又は粘度発現性を向上する添加物をさらに含んでいてもよい。さらに、本発明の加工増粘多糖類は、食品、医薬品、又は化粧品の分野で一般的に用いられる添加物を含んでいてもよい。そのような添加物として、例えば、増粘安定剤、酵素、調味料、強化剤、製造用剤、着色料、甘味料、苦味料、酸味料、ガムベース、光沢剤、酸化防止剤、保存料、乳化剤、乳化安定剤、乳化助剤、殺菌料、漂白剤、発色剤、香料、防かび剤、抽出溶剤、豆腐用凝固剤、被膜剤、小麦粉処理剤、イーストフード、pH調整剤、pH緩衝剤、膨張剤、栄養強化剤、保存剤、賦形剤、安定剤、矯味剤、溶解補助剤、緩衝剤、懸濁化剤、着香剤、粘稠剤、収斂剤、紫外線吸収剤、紫外線防御剤、紫外線散乱剤、紫外線遮蔽剤、ナノ化物質、防腐剤、界面活性剤、金属封鎖剤、油剤、保護剤、保湿剤、洗浄剤、消炎剤、抗菌剤、美白剤、抗たるみ剤、皮膜剤、剥離剤、結合剤、エモリエント剤、可塑剤、ビタミン剤、感触改良剤、泡安定剤、安定化剤、加脂肪剤、滑剤、可溶化剤、還元剤、酸化剤、顔料、基剤、希釈剤、起泡剤、吸着剤、緊張剤、経皮吸収促進剤、結合剤、血行促進剤、ゲル化剤、抗酸化剤、抗脂漏剤、コンディショニング剤、細胞賦活剤、柔軟剤、浸透剤、スクラブ剤、成形改良剤、成形剤、洗浄剤、造膜剤、帯電防止剤、中和剤、鎮静剤、パール化剤、肌荒れ防止剤、撥水剤、発泡剤、発毛促進剤、付着剤、分散剤、噴霧剤、変性剤、抱水剤、保香剤、保留剤、溶解剤、溶剤、養毛剤等が挙げられる。
本発明における結着とは、例えば、増粘多糖類の表面の一部若しくは全部をセルロースナノファイバーが覆った状態、増粘多糖類の表面の一部若しくは全部にセルロースナノファイバーが、結合した状態、固着した状態、付着した状態、引っ着いた状態、張り付いた状態若しくは吸着した状態、増粘多糖類の表面の一部若しくは全部からセルロースナノファイバーがはがれない状態又は増粘多糖類の表面の一部若しくは全部とセルロースナノファイバーとが一体化した状態等をいう。このような結着の有無は、加工増粘多糖類表面を顕微鏡にて観察すること(図4)、又は加工増粘多糖類表面を増粘多糖類表面とともに顕微鏡にて観察、及び比較すること(図3及び図4)等によって確認され得る。なお、結着の有無を確認する際の顕微鏡の倍率は、例えば、5000倍以上、10000倍以上、又は100000倍以上であってもよいが、好ましくは10000〜60000倍である。結着又は被覆面積の程度は、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されず、増粘多糖類の表面の一部又は全部を問わないが、増粘多糖類の一部である場合、例えば増粘多糖類の全表面積の50%以上の面積であることが好ましい。
増粘多糖類が結着した加工増粘多糖類の好ましい粒径は、例えば1μm〜10mm、5μm〜1mm、10μm〜100μm等であってもよい。
本発明の目的物である加工増粘多糖類を、例えばスプレードライによって製造する場合は、通常粉末などの固状である。本発明においては係る固状の目的物ばかりではなく、固状の目的物である増粘多糖類を液体媒体に溶解又は分散させて得られる溶液又は懸濁液として本発明の加工増粘多糖類を食品、医薬品又は化粧品への添加剤として使用してもよい。
増粘多糖類が結着した加工増粘多糖類の好ましい粒径は、例えば1μm〜10mm、5μm〜1mm、10μm〜100μm等であってもよい。
本発明の目的物である加工増粘多糖類を、例えばスプレードライによって製造する場合は、通常粉末などの固状である。本発明においては係る固状の目的物ばかりではなく、固状の目的物である増粘多糖類を液体媒体に溶解又は分散させて得られる溶液又は懸濁液として本発明の加工増粘多糖類を食品、医薬品又は化粧品への添加剤として使用してもよい。
本発明で用いられる溶液は特に限定されるものではないが、水、お茶、清涼飲料、たれ、ソース、ドレッシング、汁物、スープ、スキムミルク液、牛乳、果汁飲料、濃厚流動食等が挙げられ、例えば、水又はスキムミルク液であることが好ましい。また、本発明で用いられる本発明の加工増粘多糖類投入前の溶液中の溶質の濃度は特に限定されるものではないが、セルロースナノファイバー、増粘多糖類又は本発明の加工増粘多糖類が溶解又は分散できる程度の水分を含んでいることが好ましい。具体的には、本発明の加工増粘多糖類投入前の溶液中の溶質(セルロースナノファイバー、増粘多糖類及び加工増粘多糖類を除く。)の濃度が99.9%以下、75%以下、50%以下、25%以下、5%以下、2%以下、1%以下又は0.5%以下等であることが好ましい。また、本発明の加工増粘多糖類投入前の溶液はセルロースナノファイバー、増粘多糖類又は本発明の加工増粘多糖類が溶解又は分散できればよく、よって本発明でいう溶液は液状に限定されず、ゲル状、ゾル状、ムース状、ゼリー状及びその他の状態のいずれでもよい。
本発明において溶解又は分散とは特に限定されるものではないが、水分が凝固しない温度から沸点に達しない温度の間の本発明の加工増粘多糖類投入後の溶液中で、セルロースナノファイバー、増粘多糖類又は本発明の加工増粘多糖類を、攪拌及び/又は静置し、ダマにならない状態をいう。ダマにならない状態であることは例えば目視により確認することができる。また、加工増粘多糖類等を溶液に溶解又は分散させる際の攪拌の方法は特に限定されるものではないが、機械で攪拌してもよく、手作業で攪拌してもよいが、手作業で攪拌することが好ましい。また、本発明において、攪拌する時間又は溶解若しくは分散に要する時間は特に限定されるものではないが、セルロースナノファイバーが表面に結着していない増粘多糖類における当該時間よりも短いことが好ましい。具体的には、本発明の増粘多糖類を溶液に投入後、60分間以内、30分間以内、15分間以内、5分間以内、2分間以内、1分間以内、30秒間以内、15秒間以内、10秒間以内等であってもよいが、30秒間以内であることが好ましい。
本発明の加工増粘多糖類投入後の溶液中のセルロースナノファイバー、増粘多糖類又は加工増粘多糖類の濃度として、例えば、0%超99.9%以下、0.1%以上75%以下、0.5%以上50%以下、0.5%以上25%以下、0.5%以上5%以下、0.5%以上2%以下、0.5%以上1%以下等であることが好ましい。
加工増粘多糖類を溶液へ投入してx分後の粘度発現性として、例えばx分後の粘度到達率を用いることができる。x分後の粘度到達率は、投入して60分後の粘度(mPa・s)に対する、投入してx分後の粘度(mPa・s)の百分率として求めることができる。両粘度はB形粘度計等の市販されている粘度計を用いて同一温度(例えば、20℃、25℃等)で測定することができる。本発明の増粘多糖類を溶液へ投入してx分後の粘度到達率は、セルロースナノファイバーが表面に結着していない増粘多糖類を溶液へ投入してx分後の粘度到達率よりも短いことが好ましい。このようなxとして、例えば2、5、15等が挙げられ、2又は5が好ましい。また、本発明の増粘多糖類を溶液に投入して5分後の粘度到達率が25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上等であることが好ましい。さらには、本発明の増粘多糖類を溶液に投入して2分後の粘度到達率が2%以上、5%以上、6%以上、8%以上、10%以上等であることが好ましい。
本発明の加工増粘多糖類を投入して5分後等の溶液をB形粘度計(東機産業株式会社製)等の粘度計を用いて20℃で測定した粘度(mPa・s)が、例えば100〜3000、500〜2500、700〜2000又は1000〜2000等に達していることが好ましい。
本発明においてセルロースナノファイバー、増粘多糖類又は加工増粘多糖類が溶解された溶液の状態は限定されるものではなく、液状、ゲル状、ゾル状、ムース状、ゼリー状及びその他の状態のいずれでもよい。
本発明の加工増粘多糖類投入後の溶液中のセルロースナノファイバー、増粘多糖類又は加工増粘多糖類の濃度として、例えば、0%超99.9%以下、0.1%以上75%以下、0.5%以上50%以下、0.5%以上25%以下、0.5%以上5%以下、0.5%以上2%以下、0.5%以上1%以下等であることが好ましい。
加工増粘多糖類を溶液へ投入してx分後の粘度発現性として、例えばx分後の粘度到達率を用いることができる。x分後の粘度到達率は、投入して60分後の粘度(mPa・s)に対する、投入してx分後の粘度(mPa・s)の百分率として求めることができる。両粘度はB形粘度計等の市販されている粘度計を用いて同一温度(例えば、20℃、25℃等)で測定することができる。本発明の増粘多糖類を溶液へ投入してx分後の粘度到達率は、セルロースナノファイバーが表面に結着していない増粘多糖類を溶液へ投入してx分後の粘度到達率よりも短いことが好ましい。このようなxとして、例えば2、5、15等が挙げられ、2又は5が好ましい。また、本発明の増粘多糖類を溶液に投入して5分後の粘度到達率が25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上等であることが好ましい。さらには、本発明の増粘多糖類を溶液に投入して2分後の粘度到達率が2%以上、5%以上、6%以上、8%以上、10%以上等であることが好ましい。
本発明の加工増粘多糖類を投入して5分後等の溶液をB形粘度計(東機産業株式会社製)等の粘度計を用いて20℃で測定した粘度(mPa・s)が、例えば100〜3000、500〜2500、700〜2000又は1000〜2000等に達していることが好ましい。
本発明においてセルロースナノファイバー、増粘多糖類又は加工増粘多糖類が溶解された溶液の状態は限定されるものではなく、液状、ゲル状、ゾル状、ムース状、ゼリー状及びその他の状態のいずれでもよい。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「%」は、特に限定がない場合「質量%」を示す。
(実施例1)0.5%CM化セルロースナノファイバー水溶液
CM化セルロースナノファイバー(株式会社スギノマシンより入手)を蒸留水で0.5%に希釈し、シャフト径が20mmであるホモジナイザー(アズワン株式会社製、製品名:HG−200)を用いて8,000rpmで5分間処理し、0.5%CM化セルロースナノファイバー水溶液を調製した。
目開き75μmのメッシュを用いてキサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))をふるい、メッシュ上に残った粒子を回収した。この粒子に対して0.5%CM化セルロースナノファイバー水溶液を用いて、下記条件で噴霧し、0.5%CM化セルロースナノファイバー水溶液の微粒子を結着させた。
装置名 :MP−01(株式会社パウレック製)
仕込み量 :150g
吸気温度 :75℃
排気温度 :38.9〜41.4℃
製品温度 :43.2〜50.2℃
風量 :0.4〜0.6m3/min
スクリーン :1.0mm
攪拌羽根回転数 :1,000rpm
スプレー噴霧圧 :25L/min
送液ポンプ回転数:1.0〜3.0rpm
噴霧量 :600mL
本装置は目的粒子径、処理目的に応じ、5種類のユニットを載せ換え可能である。実施例1では、タンデンシャルスプレー、インぺラ、及びスクリーン等を装着した本装置(微粒子コーティング装置:SFP、目的粒子径:5〜100μm)を使用した。
噴霧率はキサンタンガムに対して2%とした。
得られたキサンタンガムを後述の試験例1と2に供した。
CM化セルロースナノファイバー(株式会社スギノマシンより入手)を蒸留水で0.5%に希釈し、シャフト径が20mmであるホモジナイザー(アズワン株式会社製、製品名:HG−200)を用いて8,000rpmで5分間処理し、0.5%CM化セルロースナノファイバー水溶液を調製した。
目開き75μmのメッシュを用いてキサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))をふるい、メッシュ上に残った粒子を回収した。この粒子に対して0.5%CM化セルロースナノファイバー水溶液を用いて、下記条件で噴霧し、0.5%CM化セルロースナノファイバー水溶液の微粒子を結着させた。
装置名 :MP−01(株式会社パウレック製)
仕込み量 :150g
吸気温度 :75℃
排気温度 :38.9〜41.4℃
製品温度 :43.2〜50.2℃
風量 :0.4〜0.6m3/min
スクリーン :1.0mm
攪拌羽根回転数 :1,000rpm
スプレー噴霧圧 :25L/min
送液ポンプ回転数:1.0〜3.0rpm
噴霧量 :600mL
本装置は目的粒子径、処理目的に応じ、5種類のユニットを載せ換え可能である。実施例1では、タンデンシャルスプレー、インぺラ、及びスクリーン等を装着した本装置(微粒子コーティング装置:SFP、目的粒子径:5〜100μm)を使用した。
噴霧率はキサンタンガムに対して2%とした。
得られたキサンタンガムを後述の試験例1と2に供した。
(比較例1)0.5%CMC水溶液
CMC(日本製紙株式会社製、製品名:F300HC)を蒸留水に溶解し、0.5%CMC水溶液を調製した。
実施例1と同様にキサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))粒子に対して0.5%CMC水溶液を用いて、噴霧し、0.5%CMC水溶液の微粒子を結着させた。
噴霧率はキサンタンガムに対して2%とした。
得られたキサンタンガムを後述の試験例1と2に供した。
CMC(日本製紙株式会社製、製品名:F300HC)を蒸留水に溶解し、0.5%CMC水溶液を調製した。
実施例1と同様にキサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))粒子に対して0.5%CMC水溶液を用いて、噴霧し、0.5%CMC水溶液の微粒子を結着させた。
噴霧率はキサンタンガムに対して2%とした。
得られたキサンタンガムを後述の試験例1と2に供した。
(比較例2)キサンタンガム
キサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))を蒸留水に溶解し、0.2%キサンタンガム水溶液を調製した。
150gのキサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))粒子に対して0.2%キサンタンガム水溶液を用いて、下記条件で噴霧し、造粒を実施した。
装置名 :MP−01(株式会社パウレック製)
仕込み量 :150g
吸気温度 :75℃
排気温度 :36.0〜42.3℃
製品温度 :40.2〜50.2℃
風量 :0.4〜0.6m3/min
スプレー噴霧圧 :45L/min
送液ポンプ回転数:1.0〜3.0rpm
噴霧量 :300mL
比較例2では、トップスプレーを装着した本装置(流動造粒装置:FD、目的粒子径:500〜3000μm)を使用した。
得られた造粒物を後述の試験例1と2に供した。
キサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))を蒸留水に溶解し、0.2%キサンタンガム水溶液を調製した。
150gのキサンタンガム(CPケルコ社製、製品名:ケルトロール(登録商標))粒子に対して0.2%キサンタンガム水溶液を用いて、下記条件で噴霧し、造粒を実施した。
装置名 :MP−01(株式会社パウレック製)
仕込み量 :150g
吸気温度 :75℃
排気温度 :36.0〜42.3℃
製品温度 :40.2〜50.2℃
風量 :0.4〜0.6m3/min
スプレー噴霧圧 :45L/min
送液ポンプ回転数:1.0〜3.0rpm
噴霧量 :300mL
比較例2では、トップスプレーを装着した本装置(流動造粒装置:FD、目的粒子径:500〜3000μm)を使用した。
得られた造粒物を後述の試験例1と2に供した。
(試験例1)溶解分散性
実施例1、比較例1又は比較例2の各試料とデキストリン(松谷化学工業株式会社製、製品名:パインフロー(登録商標))とを等量ずつ混合した製剤を調製し、溶解分散性試験を実施した。90mLの蒸留水に1.8gの製剤を投入し、3秒後に30秒間、匙を用いて1秒間に3〜4回往復することで攪拌した。その後、ダマの有無を目視で確認した。さらに、投入から5秒後に30秒間同様の方法で攪拌した場合についても溶解分散性の評価を目視で実施した。結果を表1に示した。
実施例1、比較例1又は比較例2の各試料とデキストリン(松谷化学工業株式会社製、製品名:パインフロー(登録商標))とを等量ずつ混合した製剤を調製し、溶解分散性試験を実施した。90mLの蒸留水に1.8gの製剤を投入し、3秒後に30秒間、匙を用いて1秒間に3〜4回往復することで攪拌した。その後、ダマの有無を目視で確認した。さらに、投入から5秒後に30秒間同様の方法で攪拌した場合についても溶解分散性の評価を目視で実施した。結果を表1に示した。
溶解分散性を比較した結果、CM化セルロースナノファイバーを結着した実施例1は、造粒を実施した比較例2と同様に、ダマが発生せず、溶解分散性が良好であった。一方、CMCを結着した比較例1は実施例1と比べて、ダマが発生し、溶解分散性が劣った。
また、蒸留水を下記スキムミルク液、お茶、清涼飲料、たれ、ソース、ドレッシング、汁物、スープ牛乳、果汁飲料、又は濃厚流動食に代えて同じ試験を実施しても、試験例1と同様の試験結果が得られる。
(試験例2)粘度発現性
スキムミルク(森永乳業製、製品名:森永スキムミルク)を水200mLに24g溶解してスキムミルク液を調製し、得られた12w/v%スキムミルク液に対する粘度発現性を評価した。溶解分散性試験で調製した製剤を当該スキムミルク液90mLに対して1.8g投入し30秒間、匙を用いて1秒間に3〜4回往復することで攪拌した。投入から2、5、15、30、及び60分後の粘度を粘度計(東機産業株式会社製、製品名:B形粘度計)で測定した(測定温度:20℃)。それぞれ測定前には10秒間匙で攪拌し、均一にしてから測定を行った。結果を表2に示した。
スキムミルク(森永乳業製、製品名:森永スキムミルク)を水200mLに24g溶解してスキムミルク液を調製し、得られた12w/v%スキムミルク液に対する粘度発現性を評価した。溶解分散性試験で調製した製剤を当該スキムミルク液90mLに対して1.8g投入し30秒間、匙を用いて1秒間に3〜4回往復することで攪拌した。投入から2、5、15、30、及び60分後の粘度を粘度計(東機産業株式会社製、製品名:B形粘度計)で測定した(測定温度:20℃)。それぞれ測定前には10秒間匙で攪拌し、均一にしてから測定を行った。結果を表2に示した。
図面について説明すると、5分後の粘度発現性の指標として、5分後の粘度到達率を、60分後の粘度(mPa・s)に対する5分後の粘度(mPa・s)の百分率として求めた。
スキムミルク液での粘度到達率を比較した結果、CM化セルロースナノファイバーを結着した実施例1は、比較例1及び比較例2と比べて5分後の粘度到達率が良好であった(図1)。特に、投入から短時間(2分後)で優れた粘度到達率が得られた(図2)。
スキムミルク液での粘度到達率を比較した結果、CM化セルロースナノファイバーを結着した実施例1は、比較例1及び比較例2と比べて5分後の粘度到達率が良好であった(図1)。特に、投入から短時間(2分後)で優れた粘度到達率が得られた(図2)。
また、スキムミルク液を水、お茶、清涼飲料、たれ、ソース、ドレッシング、汁物、スープ、牛乳、果汁飲料、又は濃厚流動食に代えて同じ試験を実施しても、試験例2と同様の試験結果が得られる。
(試験例3)結着の確認
電子顕微鏡(株式会社キーエンス製)を用いて実施例1の加工増粘多糖類の表面及びキサンタンガムの表面を倍率10000倍にて観察し、比較した。結着前のキサンタンガムの顕微鏡写真(図3)にはない繊維状の凹凸が実施例1の顕微鏡写真(図4)で存在しており、セルロースナノファイバーが増粘多糖類に結着していることを確認した。
電子顕微鏡(株式会社キーエンス製)を用いて実施例1の加工増粘多糖類の表面及びキサンタンガムの表面を倍率10000倍にて観察し、比較した。結着前のキサンタンガムの顕微鏡写真(図3)にはない繊維状の凹凸が実施例1の顕微鏡写真(図4)で存在しており、セルロースナノファイバーが増粘多糖類に結着していることを確認した。
本発明は、セルロースナノファイバーを増粘多糖類表面に結着させることで、粘度発現性及び溶解分散性が改善された増粘多糖類を提供する。本発明の増粘多糖類は、例えば、食品、医薬品及び化粧品の分野において有用であるが、特に食品分野で、例えば、嚥下困難者用食品への添加剤として有用である。
Claims (5)
- セルロースナノファイバーが表面に結着していることを特徴とする増粘多糖類。
- セルロースナノファイバーが、カルボキシメチル化セルロースナノファイバー、ヒドロキシプロピル化セルロースナノファイバー及びヒドロキシプロピルメチル化セルロースナノファイバーからなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項1に記載の増粘多糖類。
- 増粘多糖類がキサンタンガム、カラギーナン、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、グルコマンナン、α化澱粉、リン酸架橋デンプン、酢酸デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及び酸化デンプンからなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の増粘多糖類。
- 増粘多糖類に対する、セルロースナノファイバーの質量比が0.01〜0.5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の増粘多糖類。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の増粘多糖類を含有することを特徴とする増粘用食品添加物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017035561A JP2018140955A (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | 加工増粘多糖類 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP2017035561A JP2018140955A (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | 加工増粘多糖類 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2018140955A true JP2018140955A (ja) | 2018-09-13 |
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JP2017035561A Pending JP2018140955A (ja) | 2017-02-27 | 2017-02-27 | 加工増粘多糖類 |
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JP (1) | JP2018140955A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021010310A (ja) * | 2019-07-04 | 2021-02-04 | 日本製紙株式会社 | セルロースナノファイバー含有粉体組成物及びその製造方法 |
-
2017
- 2017-02-27 JP JP2017035561A patent/JP2018140955A/ja active Pending
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JP2021010310A (ja) * | 2019-07-04 | 2021-02-04 | 日本製紙株式会社 | セルロースナノファイバー含有粉体組成物及びその製造方法 |
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