JP2018140821A - 巻回体収容箱 - Google Patents

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裕子 松浦
明美 坪沼
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明美 坪沼
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Abstract

【課題】ラップフィルムの引出性がよく、かつコストも抑制できる巻回体収容箱を提供する。
【解決手段】ラップフィルムが巻回されたラップロールを収納する本体部と、前記ラップフィルムを切断する切断刃を有する蓋部とを備える巻回体収容箱であって、前記本体部は、開口部、底面板、前面板、後面板、および一対の側面板を有し、前記前面板は、前記開口部と交わる端辺である前板端辺を備え、前記前板端辺の少なくとも一部は、引き出される前記ラップフィルムと摺接し、前記前板端辺の少なくとも前記ラップフィルムと摺接する部分の算術平均高さSaが2.8μm以上6.0μm以下であり、かつ前記ラップフィルムが前記前板端辺を介して引き出されるときにおける前記ラップフィルムと前記前板端辺との動摩擦係数が0.3以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜状の長尺物が巻かれた巻回体を収容する巻回体収容箱に関し、とりわけ長尺物を容易に引き出すことができる巻回体収容箱に関する。
食材や料理あるいは皿などの食器を料理ごと包むことができる薄膜状の長尺物、例えば食品用ラップフィルムが、広く用いられている。食品用ラップフィルム(以下、ラップフィルムという。)は、典型的には、ロール状に巻かれた巻回体の状態で、直方体の容器に収容されている。容器は、一般には、底面板、前面板、後面板および一対の側面板を含み、上面が開口されかつ巻回体を収容することができる本体部と、本体部の後面板の上縁に回動可能に連接され、本体部の開口を塞ぐことができる蓋部と、を備えている。また蓋部には、収容されているラップフィルムを巻回体から必要量だけ引き出した後、ラップフィルムを切断することができる切断刃が取り付けられている。
このような容器において、収容されているラップフィルムを引き出す際に、ロール状に巻回されているラップフィルム同士が密着することなどにより、ラップフィルムが引き出しにくくなるという問題があった。この問題を解決するために、従来よりさまざまな手段が考案されている。
たとえば、特許文献1には、箱体の前板に設けられた摺動縁部の両端に、ラップフィルムとの密着性を低減させる粗面が形成されたフィルム分配ケースが記載されている。
特開平11−59668号公報 特開2016−84140号公報
しかし、特許文献1に記載されたフィルム分配ケースでは、ラップフィルムの真ん中を掴んで引き出すときのテンションは、摺動縁部の両側ではなく真ん中に掛かるため、ラップフィルムを引き出し易くするという観点での効果は低かった。
また、特許文献2には、収容体の前板の内面とラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.28未満であり、かつ収容体の底板、後板、及び蓋板の内面の少なくとも中央部25〜80%(面積比)とラップフィルム巻回体との動摩擦係数が0.35以上である巻回体収容体が記載されている。この巻回体収容体においては、動摩擦係数を上述した範囲内の値にすることにより、ラップフィルムの引き出し性を向上させている。
しかし、特許文献2に記載されている巻回体収容体においては、所定の動摩擦係数にするために収容体にニス等による塗膜を形成する必要があり、コストがかかることが問題であった。
本発明の目的は、ラップフィルムの引出性がよく、かつコストも抑制できる巻回体収容箱を提供することである。
本発明の巻回体収容箱は、
ラップフィルムが巻回されたラップロールを収納する本体部と、前記ラップフィルムを切断する切断刃を有する蓋部とを備える巻回体収容箱であって、
前記本体部は、開口部、底面板、前面板、後面板、および一対の側面板を有し、
前記前面板は、前記開口部と交わる端辺である前板端辺を備え、前記前板端辺の少なくとも一部は、引き出される前記ラップフィルムと摺接し、
前記前板端辺の少なくとも前記ラップフィルムと摺接する部分の算術平均高さSaが2.8μm以上6.0μm以下であり、かつ前記ラップフィルムが前記前板端辺を介して引き出されるときにおける前記ラップフィルムと前記前板端辺との動摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする。
このように、ラップフィルムが前板端辺を介して引き出されるときに、算術平均高さSaが所定の範囲であり、かつ動摩擦係数の低い前板端辺にラップフィルムが摺接することにより、ラップフィルムを引き出しやすくすることができる。また、引出力を低下するために、本体内部にニスを塗布したり、印刷を施す必要がないため、低コストで引出性を向上することができる。
また、本発明の巻回体収容箱は、
前記ラップフィルム同士の密着力は、10N以上であることを特徴とする。
このように、密着力が高いラップフィルムを用いても、引出力を低下することができる。
また、本発明の巻回体収容箱は、
前記前板端辺は、前記前面板から前記開口部側に折り返して形成されていることを特徴とする。
これにより、ラップフィルムを引き出す際に的確にラップフィルムを前板端辺に接触させることができ、確実に引出力を低下することができる。
また、本発明の巻回体収容箱は、
前記前面板が、板紙からなり、
前記前板端辺は、前記前面板の素地を露出させた領域であることを特徴とする。
これにより、低コストで簡単に引出力を低下することができる。
また、本発明の巻回体収容箱は、
前記ラップフィルムは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を原料として形成されていることを特徴とする。
これにより、ラップフィルムの密着力が高くなり、密着力が高いラップフィルムを用いても引出力を低下することができる。
本発明に係る発明によれば、ラップフィルムの引出性がよく、かつコストも抑制できる巻回体収容箱を提供することができる。
実施の形態に係る巻回体収容箱を上方から視た斜視図である。 実施の形態に係る巻回体収容箱の断面図である。 実施の形態に係る巻回体収容箱の前板端辺の動摩擦係数を測定する状況を示す図である。 実施の形態に係るラップフィルムの密着力を測定する状況を示す図である。 実施の形態に係る巻回体収容箱を用いてラップフィルムの引出力を測定する状況を示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る巻回体収容箱ついて説明する。なお、本明細書において、「上」あるいは「下」とは図1の状態で規定したものである。すなわち、蓋部20は本体部10より上方に位置している。
(巻回体収容箱2)
図1は、巻回体収容箱2を示す斜視図である。図1に示すように、巻回体収容箱2は、ラップロール91rを収容する本体部10と、本体部10に回動可能に連接された蓋部20とを備えている。
(本体部10)
本体部10は、ラップロール91rが収容された直方体形状箱であり、例えば、約0.2mm〜1.3mm厚のケント紙などの板紙を加工することにより形成されている。このため、本体部10は、所定の弾性を有している。
また、本体部10は、上部に画成された開口部10hとともに直方体の長手方向に延びる側面を構成する前面板12、底面板13、後面板14、および直方体の端面を構成する一対の側面板15を有している。直方体の端面は、各々前面板12から延びる前面連接板および後面板14から延びる後面連接板を有しており、これらは側面板15の内側に配置され側面板15に接着される。底面板13は、開口部10hに対向している。前面板12及び後面板14は、開口部10h及び底面板13に直交している。
ここで、ラップロール91rと接することのない底面板13の外面、後面板14の外面、および側面板15の外面には、それぞれ印刷が施されている。一方、収納されたラップロール91rと接する前面板12の内面、底面板13の内面、後面板14の内面、および側面板15の内面、前面連接板の内面および後面連接板の内面には、印刷は施されておらず、ニス等の潤滑剤も塗布されていない。
また、前面板12の開口部10hと交わる端辺である前板端辺19は、図2に示すように、前面板12に連接する補強板31を上方で内面側(開口部10h側)に折り返すことで構成される前面板12の上縁である。なお、前面板12の外面において、前板端辺19以外の領域には印刷が施されている。一方、前板端辺19は前面板12を形成する板紙の素地を露出させた領域である。ここで、板紙の素地とは、必ずしも剥き出しの下地を意味しておらず、少なくとも印刷が施されておらず、ニスが塗布されていない状態のことをいう。
また、図2に示すように、前面板12の内面には、前面板12を補強する補強板31が配置されている。補強板31は、前面板12の開口部10hと交わる端辺で折り返し、前面板12の内面に沿うようにして下方に延びている。補強板31は、前面板12と略同じ大きさであるが底面板13とは接しておらず、補強板31の下縁は、補強板31の長手方向に沿って前面板12の内面に接着されている。なお、補強板31には印刷等は施されていない。
ここで、前板端辺19は、ラップフィルム91fを引き出したときに少なくとも一部がラップフィルム91fと摺接する領域であり、ラップフィルム91fと摺接する領域であれば、前面板12及び補強板31のいずれの端辺も含むものとする。
また、前板端辺19は、算術平均高さSaが2.8μm以上6.0μm以下であり、前板端辺19とラップフィルム91fとの動摩擦係数が0.3以下となるように形成されている。
また、側面板15の上縁の中央部分には、上方に延びた小片が外側に折り返されて形成された突起部15pが設けられている。
また、補強板31には、ラップロール91rに上方から接することによって、ラップロール91rが外に飛び出すことを防止する固定片17が連接されている。
(蓋部20)
蓋部20は、本体部10の後面板14の上縁18に連接され、本体部10の開口部10hを開閉する部材であり、本体部10と同様に、例えば、約0.2mm〜1.3mm厚のやケント紙などの板紙を加工することにより形成されている。蓋部20は、蓋上面板21と、蓋前面板22と、切断刃23と、蓋側面板25とを有している。蓋部20は、本体部10の後面板14の上縁18を回転軸として本体部10に対して回動可能に構成されている。なお、切断刃23は、刃先が蓋前面板22の先端部22tから突出するよう、蓋前面板22に沿ってV字状に設けられている。
(ラップロール91r)
ラップロール91rは、薄膜状の長尺物であるラップフィルム91fが円筒状の巻芯91aにロール状に巻回されたものである。以下の説明において、ラップロール91rとラップフィルム91fを包括して表現する場合は、ラップ91という。ラップフィルム91fは、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を原料として形成された、5〜20μmの厚みを有するフィルムである。また、本実施の形態に係るラップフィルム91fには、巻回されたラップロール91rにおけるラップフィルム91f同士の密着力が10N以上のものが用いられる。なお、ラップフィルム91f同士の密着力が15N以上のものであれば、さらに好ましい。ラップフィルム91f同士の密着力が10N以上であれば、ラップフィルムを引き出したときに感じる抵抗が少なくなり、引き出しにくさを解消することができる。ラップフィルム91f同士の密着力が15N以上のものであれば、さらに効果が顕著になる。
この実施の形態に係る発明によれば、前面板12の開口部10hと交わる端辺である前板端辺19が所定の算術平均高さSaと摩擦係数を有することにより、ラップフィルムの引出性がよい巻回体収容箱2を提供することができる。なお、引出性を向上するために、本体部10の内面または前板端辺19にニス等の潤滑剤を塗布したり、印刷を施すこともないため、低コストで引出性を向上することができる。
なお、この実施の形態に係る巻回体収容箱2は、特にラップフィルム91f同士の密着力が高い(10N以上)場合において、引出性を向上することができる。
次に、実施の形態に係る巻回体収容箱2の前板端辺19に係る算術平均高さSa、動摩擦係数、およびラップフィルム91fの密着力について行った実験の実施例について説明する。
実験においては、表1に示す素材番号A〜D、および素材番号1〜8に示す素材を用意し、図1に示す形状を有する紙製の収容箱(本体部内寸:高さ43.5mm、幅42.5mm、長さ310mm)を用意した。
ここで、素材番号A〜Dに示すグループは、本発明の前板端辺19に係る素材であり、“ケント”、“シラギク”、“ダイヤ”、“裏紙”がこれに該当する。すなわち、素材番号A〜Dに示す素材を使用して作製した収納箱における前板端辺19は、後述するように、算術平均高さSaが、2.8μm以上6.0μm以下、ラップフィルム91fを引き出した際のラップフィルム91fと前板端辺19との動摩擦係数が0.3以下となる。なお、これらの素材の正式名称、および製造メーカーについては、表1に記載されている通りである。
一方、素材番号1〜8に示すグループは、大きな効果が期待できない素材であり、後に比較例として参照する。これらの素材には、“NKW”、“エース”、“OKボール”、“マリコート”、“APP”、“CRC大阪”、“CRC利根川”、“UFコート”が該当する。なお、これらの素材の正式名、および製造メーカーについては、表1に記載されている通りである。
Figure 2018140821
次に、各素材について、算術平均高さSa、動摩擦係数を測定した。各素材の算術平均高さSa、動摩擦係数は、表2に示す通りである。
Figure 2018140821
また、実験において、ラップフィルム91f同士の密着力の測定も行った。なお、上述した各々の具体的な測定は、以下のようにして行った。
〔1〕算術平均高さSaの測定方法
算術平均高さSaについては、キーエンス社製のレーザー顕微鏡VK−X250を用いて測定を行った。ここで、算術平均高さSaを測定する際に用いたレーザー顕微鏡VK−X250の性能は以下のとおりである。
対物レンズ倍率:×10
バイオレットレーザー:408nm
高さ分解能:0.0005μm
幅測定分解能:0.001μm
レーザー顕微鏡VK−X250を用いて、所定の大きさに切り取られた素材番号A〜D、および1〜8の紙片を、測定対象面が上を向くようにしてスライドグラス上に設置し、レーザー顕微鏡を用いて表面観察を行い、算術平均高さSaを測定した。ここで、測定に使用するカートン紙片は、測定の都合上、補強板(図2の符号31に相当する部分)の一部を切り出した。なお、補強板は、印刷等が施されていない紙片である。測定面は、補強板の表面(ラップフィルム91fと接触する面)とした。なお、補強板を有さない収納箱においては、前面板の裏面(ラップフィルム91fと接触する面)の一部を切り出して測定に供してもよい。このカートン紙片上の1350×1012μmの範囲内において5点の測定を行い、その平均値を算術平均高さSaとして採用した。
〔2〕動摩擦係数の測定方法
動摩擦係数の測定は、TRILAB製の静・動摩擦測定器TL201Tsを用いて行った。なお、30cm幅のラップフィルム91fを本体部10から引き出す場合、前板端辺19がラップフィルム91fを擦過する面積は30cm×0.03cm≒1cm2となる。(0.03cmは、前板端辺19のラップフィルム91fが摺接する部分における、ラップフィルム91fの擦過方向の奥行長さである。)また、ラップフィルム91fの初期引出力は約200g程度になる。これらを勘案し、以下の方法で動摩擦係数測定を行った。
具体的には、図3に示すように、摩擦測定器200の移動テーブル201に、4cm×10cmの紙片203(素材番号A〜D、および1〜8の紙片)の表面が上になるように設置した。ここで、測定に使用するカートン紙片は、測定の都合上、補強板(図2の符号31に相当する部分)の一部を切り出した。なお、補強板は、印刷等が施されていない紙片である。測定面は、補強板の表面(ラップフィルム91fと接触する面)とした。なお、補強板を有さない収納箱においては、前面板の裏面(ラップフィルム91fと接触する面)の一部を切り出して測定に供してもよい。一方、摩擦測定用の接触子205に、1×4cmの細く切ったラップフィルム91fを、ラップフィルム91f引出時の下面が下側になり、かつ弛まないようにセットした。ここで、接触子205が測定する面積は、1cm×1cm四方である。
測定にはポリ塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムを使用する。その製造方法は特に限定されず、従来知られている方法であってもよい。例えば、押出機より樹脂を溶融押出した後、製膜し、延伸し、芯体への巻き回すことにより得られる。溶融押出された樹脂の製膜、延伸の方法としては、例えば、インフレーション法やテンター法を用いることができる。ラップフィルムは、適した厚さになるまで延伸される。得られたラップフィルムを室温(23℃〜25℃)で1か月以上3か月未満保管したラップフィルムを用いた。
次に、ラップフィルム91fがセットされた接触子205を摩擦測定器200に装着し、移動テーブル201上の紙片203の上に接触子205を接触させ、上から200gの分銅207を載せた。10秒静値したあと移動テーブルを100mm/minで70mm移動させ、動摩擦係数の測定を行った。
〔3〕ラップフィルム密着力測定方法
まず、図4(a)に示すように、円柱301を2つ用意し、それぞれの底面にラップフィルム91fを弛まないように張り、バンド303でしっかりと固定した。ここで、円柱301の重さは300g、円柱301の底面の面積は、25cm2である。測定には、動摩擦係数の測定と同様のラップフィルムを使用した。
次に、図4(b)に示すように、一方の円柱301の上に他方の円柱301をラップフィルム91f面同士がぴったり重なるように置き、他方(下側)の円柱301に一方(上側)の円柱301の自重300gが荷重される状態で1分間放置した。そして、一方(上側)の円柱301を100mm/minの速度で引き上げ、ラップフィルム91f同士の剥離に必要な力を測定した。なお、この測定を行った際の測定環境の温度は25℃である。
〈引出力の測定〉
次に、素材番号A〜D、および1〜8に示す素材を用意し、先の実施例と同様に収容箱を用意した。各収納箱でラップフィルム91fを引き出した場合について、引出力の測定を行った。なお、ここでいう引出力とは、ラップフィルム摺接部を経て前板に垂れているラップフィルム91fの真ん中を摘まんで図5のように50cm/sで引き出す時に必要な力をいう。
測定は、30cm幅、50m長のラップフィルム91fが巻回されたラップロール91rについて、図5に示すように、ラップフィルム91fを前板端辺19と摺接させ、前面板12とラップフィルム91fとの角度を45度にした。ラップフィルム91fを速度50cm/s(加速度1m/s2、減加速度1m/s2)で、ラップフィルムの真ん中を摘まんで引き出して引出力を測定した。測定には、動摩擦係数の測定と同様のラップフィルムを使用した。
なお、引出力については、それぞれ、5m引出力、15m引出力、20m引出力を測定した。ここで、5m引出力とは、0m引出時〜5m引出時における引出力の平均値である。また、15m引出力、20m引出力については、10m引出時〜30m引出時における引出力近似直線を作成し、作成した引出力近似直線から計算した値である。なお、5m引出時とは、50m長のラップフィルム91fの巻き終わり端から5m引き出した時点をいう。15m引出時、20m引出時についても同様である。測定結果は、表3に示すとおりである。
Figure 2018140821
表3に示される実験結果によれば、5m引出時において、素材番号A〜Dの素材を前板端辺19に用いた場合には、素材番号1〜8の素材を前板端辺19に用いた場合よりも15〜50g程度引出力が低下することがわかる。
なお、引出力が20g異なると、重さの感触の違いが明確に感じられる。このため、素材番号A〜Dの素材を前板端辺19に用いることにより、5m引出時における引出感覚は、素材番号1〜8の素材を前板端辺19に用いた場合よりも軽く感じられることがわかる。
また、表3に示される実験結果によれば、15m引出時において、素材番号A〜Dの素材を前板端辺19に用いた場合には、素材番号1〜8の素材を前板端辺19に用いた場合よりも10〜55g程度引出力が低下することがわかる。
また、20m引出時において、素材番号A〜Dの素材を前板端辺19に用いた場合には、素材番号1〜8の素材を前板端辺19に用いた場合よりも15〜60g程度引出力が低下することがわかる。
以上、前板端辺19の算術平均高さSaを2.8μm以上6.0μm以下とし、かつラップフィルム91fを引き出したときにおけるラップフィルム91fと前板端辺19との動摩擦係数を0.3以下となるように形成することにより、引出力を抑制することができることがわかった。
なお、引出力においては、ラップロール91rと本体部10の内面との摩擦力が大きな割合を占めるため、本体部10の内面にニス等の塗膜を形成することにより、引出力を低減することが考えられる。
しかしながら、本体部10の内面にニス等の塗膜を形成した場合コストが嵩むという問題がある。よって、前板端辺19に所定の算術平均高さSaと動摩擦係数を持たせることでラップフィルム91fを引き出す際の引出力を低下させることにより、低コストでラップフィルム91fの引出性を向上させることが可能となる。
また、上述の実施の形態を次のようにしてもよい。たとえば、前板端辺19のラップフィルム91fと摺接する部分に、所定の算術平均高さSa及び動摩擦係数を有する素材を接着剤などで貼り付けてもよい。この場合、前板端辺19の中央部を含む一部に形成するとよい。ラップフィルム91fを引き出す場合のテンションは、真ん中に掛かることを考慮すると、このように、前板端辺19の中央部のみが所定の算術平均高さSa及び動摩擦係数を有する場合であっても、十分に引出力を低下させることができる。
なお、前板端辺19の全幅に亘って所定の算術平均高さSa及び動摩擦係数を有する素材を接着剤などで貼り付けてもよいし、中央部以外の部分に貼り付けてもよい。
本発明によれば、ラップフィルムの引出性がよく、かつコストも抑制できる巻回体収容箱を提供することができる。
2 巻回体収容箱
10 本体部
10h 開口部
12 前面板
13 底面板
14 後面板
15 側面板
19 前板端辺
20 蓋部

Claims (5)

  1. ラップフィルムが巻回されたラップロールを収納する本体部と、前記ラップフィルムを切断する切断刃を有する蓋部とを備える巻回体収容箱であって、
    前記本体部は、開口部、底面板、前面板、後面板、および一対の側面板を有し、
    前記前面板は、前記開口部と交わる端辺である前板端辺を備え、前記前板端辺の少なくとも一部は、引き出される前記ラップフィルムと摺接し、
    前記前板端辺の少なくとも前記ラップフィルムと摺接する部分の算術平均高さSaが2.8μm以上6.0μm以下であり、かつ前記ラップフィルムが前記前板端辺を介して引き出されるときにおける前記ラップフィルムと前記前板端辺との動摩擦係数が0.3以下であることを特徴とする巻回体収容箱。
  2. 前記ラップフィルム同士の密着力は、10N以上であることを特徴とする請求項1記載の巻回体収容箱。
  3. 前記前板端辺は、前記前面板から前記開口部側に折り返して形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の巻回体収容箱。
  4. 前記前面板は、板紙からなり、
    前記前板端辺は、前記前面板の素地を露出させた領域であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の巻回体収容箱。
  5. 前記ラップフィルムは、ポリ塩化ビニリデン系樹脂を原料として形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の巻回体収容箱。
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