JP2018140423A - 溶接冶具及び溶接冶具ユニット - Google Patents

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【課題】車両用フレーム部材を溶接のために保持し、フレーム部材が変形している場合であっても、外力を加えて修正をすることができる溶接冶具を提供する。【解決手段】ワークWが載置されるベース部11と、上下方向に延び、互いに平行となるようにベース部11の両端に固定された第1の支柱12及び第2の支柱13と、第1の支柱12及び第2の支柱13のそれぞれの中間に設けられ、ボルト16の緊締力によってワークW方向に前進する可動ジヨー17と、第1の支柱12の上端に、中心軸が垂直方向となるように設けられた頭部を有するピン14と、水平方向に回動自在となるように、第2の支柱13の上端に一端が軸支され、他端部にはピン14が挿入されて係合するように形成されたスリット溝153を有する連結アーム15と、連結アーム15の中間に設けられ、ボルト16の緊締力によってワークW方向に前進する可動ジヨー18とを備えた構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用フレーム部材のような長尺物を溶接のために保持する溶接冶具及び溶接冶具ユニットに関するものである。
車両用フレームの試作品を製造する場合、右のフレーム部材と左のフレーム部材を所定の位置に保持し、さらに右のフレーム部材と左のフレーム部材とを連結する連結部材を架け渡して、所定の溶接部位を溶接する。しかし、フレーム部材は4メートル以上と長尺であり、また、複雑に湾曲しているため、それを所定の位置に保持するのは容易ではない。しかも、試作品用フレーム部材は、それを製造したときの溶接の影響等により、変形している場合も多く、外力を加えて設計値に収まるよう修正しなければならないことが多い。
ところが、車両用パネルを保持するクランプ装置は、例えば特許文献1に提案されているものの、特許文献1に記載のクランプ装置では、車両用フレームの試作品を製造する溶接冶具としては転用できなかった。
特開2013−100074号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、車両用フレーム部材のような長尺物を溶接のために保持し、フレームが変形している場合であっても、外力を加えて修正をすることができる溶接冶具を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明である溶接冶具は、
ワークが載置されるベース部と、
上下方向に延び、互いに平行となるように前記ベース部の両端に固定された第1の支柱及び第2の支柱と、
前記第1の支柱及び第2の支柱のそれぞれの中間に設けられ、ボルトの緊締力によってワーク方向に前進する可動ジヨーと、
前記第1の支柱の上端に、中心軸が垂直方向となるように設けられた頭部を有するピンと、
水平方向に回動自在となるように、前記第2の支柱の上端に一端が軸支され、他端部には前記ピンが挿入されて係合するように形成されたスリット溝を有する連結アームと、
前記連結アームの中間に設けられ、ボルトの緊締力によってワーク方向に前進する可動ジヨーと、を備えている。
また、請求項2に係る発明である溶接冶具ユニットは、
支持板と、
前記支持板の所定の位置に支持された複数の請求項1に記載の溶接冶具と、を備えている。
また、請求項3に係る発明である溶接冶具ユニットは、
前記支持板の上面の所定の位置に固定された基部と、
第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部が略水平方向から略垂直方向まで上下方向に回動可能となるように第2の端部が前記基部に軸支された2つのアーム部と、
前記2つのアーム部のそれぞれの中間部に下方に向かって形成されたローラ支持部と、
2つの前記ローラ支持部に軸支されたローラと、
前記2つのアーム部のそれぞれの第1の端部同士を連結する連結桟と、
前記連結桟の中間部に設けられ、前記2つのアーム部が略水平方向となるときに上下方向に貫通する貫通孔と、
前記貫通孔に挿通されたボルトと、を有する移動装置をさらに備え、
前記支持板には、前記ローラ支持部と前記ローラが前記支持板本体を突き抜けることが可能となるように前記支持板本体に形成された貫通空間と、
前記ボルトに対応する位置に形成された雌ねじ孔と、を備えている。
このような構成とすることにより、長尺で複雑に湾曲したフレーム部材を所定の位置に保持することができる。また、フレーム部材が変形している場合も外力を加えて設計値に収まるよう修正することができる。
溶接冶具を模式的に示した説明図である。 連結アームを回動させた状態を模式的に示した説明図である。 移動装置を模式的に示した説明図である。 別の移動装置を模式的に示した説明図である。 別の移動装置の変形例を示した説明図である。 別の移動装置の変形例を示した説明図である。 溶接冶具ユニットの移動装置が取付けられる部分を示した説明図である。
以下、本発明の溶接冶具を具現化した実施形態について、図面を用いて説明する。なお、周知の技術に関しては、詳細な説明を省略する。
まず、第一の実施形態である溶接冶具1の構成について、主に図1を参照して説明する。図1は本実施形態の溶接冶具を模式的に示した説明図である。
図1に示すように、溶接冶具1は、主にベース部11、第1の支柱12、第2の支柱13、ピン14、連結アーム15、ボルト16、16、16、可動ジヨー17、17、可動ジヨー18で構成される。
ベース部11は、略直方体形状で、ワークWが載置されるものである。
第1の支柱12、第2の支柱13は、角柱形状であり、上下方向に延び、互いに平行となるようにベース部11の両端に固定されている。
ピン14は、円柱状で頭部141を有し、第1の支柱12の上端に、中心軸が垂直方向となるように設けられている。
連結アーム15は、角柱形状で、一端151が第2の支柱13の上端に軸支されている。これにより、連結アーム15は、水平方向に回動自在となっている。また、他端部152にはピン14が挿入されて係合するように形成されたスリット溝153を有している。スリット溝153は、貫通孔の外周部の一部がスリット状に切り欠かれた形状をしている。
ボルト16、16、16は、後端側が小径の六角形になっている通常のボルトであり、第1の支柱12、第2の支柱13、連結アーム15の中間に設けられた雌ねじ孔に、ねじ結合されている。
第1の支柱12、第2の支柱13にねじ結合された、それぞれのボルト16の先端には、可動ジヨー17がボルト16に対し回動自在に結合されている。また、連結アーム15にねじ結合されたボルト16の先端には、可動ジヨー18がボルト16に対し回動自在に結合されている。この結合方法は、一般的なバイスやクランプに用いられている周知の技術である。これにより、ボルト16を締め込むと可動ジヨー17、18は、ワークW方向に前進し、ボルト16を緩めるとワークWから離間する方向に後退するようになっている。
つぎに溶接冶具1の使用方法について説明する。溶接冶具1にワークWをセットする際には、図2に示すように、連結アーム15のスリット溝153からピン14を外し、連結アーム15を回動させてベース部11の上方を開放させる。ワークWは、フレーム部材である。
上方からワークWをセットしたら、連結アーム15を回動させて、スリット溝153にピン14を挿入する。この状態で、ボルト16を締め込んでいくと、反力によって連結アーム15とピン14は、強固に係合される。
ワークWの位置を調整し、又はワークWの変形を修正するために、第1の支柱12、第2の支柱13にねじ結合された、それぞれのボルト16を調節しながら締め込む。
溶接作業が終了したら、全てのボルト16を緩めて、スリット溝153からピン14を外し、連結アーム15を回動させてベース部11の上方を開放させる。これにより、ワークWを上方向に簡単に取り外すことができる。
以上、溶接冶具1単体の使用方法について説明したが、実際は、ベース部11の高さを変えた複数の溶接冶具1を図示しない支持板に固定し、その複数の溶接冶具1で図示しないフレーム部材を保持する。この支持板の所定の位置に複数の溶接冶具1が支持された溶接冶具ユニットが第二の実施形態である。
つぎに、第三の実施形態である溶接冶具ユニットについて説明する。第三の実施形態である溶接冶具ユニットは、第二の実施形態である溶接冶具ユニットに移動装置2を取付けたものである。このため、移動装置2とその取付け方法について、図3と図7を参照して説明する。図3は移動装置を模式的に示した説明図である。図7は溶接冶具ユニットの移動装置が取付けられる部分を示した説明図である。
図3に示すように、移動装置2は、主に基部21、アーム部22、22、アーム部22、22に設けられたローラ支持部23、23、ローラ24、連結桟25、連結桟25に設けられた貫通孔26、ボルト27で構成される。
基部21は、略直方体形状で、図7に示すように、全体を図示しない溶接冶具ユニットの支持板61の上面の所定の位置に固定される。
アーム部22は、角柱状で、第1の端部221と第2の端部222を有している。また、第1の端部221が略水平方向から略垂直方向まで上下方向に回動可能となるように第2の端部222が基部21に軸支されている。
ローラ支持部23は、アーム部22の中間部に下方に向かって凸状に形成されている。
ローラ24は、2つのローラ支持部23、23に軸支されている。
連結桟25は、角柱状で、アーム部22、22の第1の端部221、221同士を連結している。
貫通孔26は、連結桟25の中間部に設けられ、アーム部212、212が略水平方向となるときに上下方向に貫通する孔である。
ボルト27は、通常の頭部付きボルトであり、貫通孔26に挿通されている。なお、ボルトを緩めたときに連結桟25が上方に付勢される付勢手段を設けてもよい。
図7に示すように、支持板61の基部21を固定した近傍には、ローラ支持部23、23とローラ24が支持板61を突き抜けて、支持板61の下面より下方に突き出ることが可能となるように貫通空間62が形成されている。貫通空間62は、例えば四角形の貫通孔でもいいし、支持板61の側面から入れた切り欠きでもよい。
そして、支持板61のボルト27に対応する位置には、雌ねじ孔63が形成されている。雌ねじ孔63は雌ねじが形成された貫通孔である。
移動装置2は、支持板61の所定の位置に複数個取付けられる。このような構成とすることにより、簡易な構造で、てこの原理とボルトの緊締力で対象物を持ち上げることができ、溶接冶具ユニットを人力で移動させることができる。
移動装置2は、次のものに変更してもよい。すなわち、移動装置3は、図4に示すように、主に基部31、アーム部32、アーム部32に設けられたローラ支持部33、ローラ34、34、アーム部32に設けられた貫通孔36、ボルト27で構成される。
基部31は、凹字形状で、支持板61に固定される。アーム部32は、角柱状で、第1の端部321と第2の端部322を有している。また、第1の端部321が略水平方向から略垂直方向まで上下方向に回動可能となるように第2の端部322が基部31に軸支されている。
ローラ支持部33は、アーム部32の中間部に下方に向かって凸状に1つ形成されている。
ローラ34、34は、アーム部32の軸と垂直方向のローラ支持部33の両端に片持ちで軸支されている。
貫通孔36は、アーム部32の第1の端部321に設けられ、アーム部32が略水平方向となるときに上下方向に貫通する孔である。
ボルト27は、通常の頭部付きボルトであり、貫通孔36に挿通されている。
移動装置3は、次のように変形させてもよい。以下、移動装置3と異なる部分のみ説明する。
図5に示すように、移動装置3の変形例では、アーム部42は、角柱状で、第1の端部421と第2の端部422を有している。また、第1の端部421が略水平方向から略垂直方向まで上下方向に回動可能となるように第2の端部422が基部31に軸支されている。
ローラ支持部43は、アーム部42の中間部に、下方に向かってアーム部42の軸と同方向に2つ形成されている。
ローラ44は、2つのローラ支持部43に軸支されている。
また、移動装置3は、次のように変形させてもよい。図6に示すように、アーム部52は、角柱状で、第1の端部521と第2の端部522を有している。また、第1の端部521が略水平方向から略垂直方向まで上下方向に回動可能となるように第2の端部522が基部31に軸支されている。
ローラ支持部53は、アーム部52の中間部に、下方に向かってアーム部52の軸と垂直方向に2つ形成されている。
ローラ54は、2つのローラ支持部53に軸支されている。
つぎに、移動装置2を溶接冶具ユニットに取付ける方法について、主に図7を参照して説明する。移動装置3(変形例を含む)を溶接冶具ユニットに取付ける方法も同じである。
図7は、溶接冶具ユニットの移動装置が取付けられる部分を示した説明図である。図7に示すように、移動装置2を取付ける溶接冶具ユニットは、図示しない複数の溶接冶具1を上面に支持した支持板61を備えている。その支持板61の上面の予め決められた位置に移動装置2の基部21を固定する。
支持板本体61の基部21を固定した近傍には、ローラ支持部23、23とローラ24が支持板本体61を突き抜けて、支持板本体61の下面より下方に突き出ることが可能となるように貫通空間62が形成されている。貫通空間62は、例えば四角形の貫通孔でもいいし、支持板本体61の側面から入れた切り欠きでもよい。
そして、支持板本体61のボルト27に対応する位置には、雌ねじ孔63が形成されている。雌ねじ孔63は雌ねじが形成された貫通孔である。
移動装置2は、支持板本体61の所定の位置に複数個取付けられる。
上述した内容は、あくまでも本発明の一実施形態に関するものであって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。例えば、ピン14をボルトに変更してもよい。
1 溶接冶具
11:ベース部
12:第1の支柱
13:第2の支柱
14:ピン
15:連結アーム 153:スリット溝
16:ボルト
17:可動ジヨー
18:可動ジヨー
2 移動装置

Claims (3)

  1. ワークが載置されるベース部と、
    上下方向に延び、互いに平行となるように前記ベース部の両端に固定された第1の支柱及び第2の支柱と、
    前記第1の支柱及び第2の支柱のそれぞれの中間に設けられ、ボルトの緊締力によってワーク方向に前進する可動ジヨーと、
    前記第1の支柱の上端に、中心軸が垂直方向となるように設けられた頭部を有するピンと、
    水平方向に回動自在となるように、前記第2の支柱の上端に一端が軸支され、他端部には前記ピンが挿入されて係合するように形成されたスリット溝を有する連結アームと、
    前記連結アームの中間に設けられ、ボルトの緊締力によってワーク方向に前進する可動ジヨーと、
    を備えた溶接冶具。
  2. 支持板と、
    前記支持板の所定の位置に支持された複数の請求項1に記載の溶接冶具と、
    を備えた溶接冶具ユニット。
  3. 請求項2に記載の溶接冶具ユニットであって、
    前記支持板の上面の所定の位置に固定された基部と、
    第1の端部と第2の端部を有し、第1の端部が略水平方向から略垂直方向まで上下方向に回動可能となるように第2の端部が前記基部に軸支された2つのアーム部と、
    前記2つのアーム部のそれぞれの中間部に下方に向かって形成されたローラ支持部と、
    2つの前記ローラ支持部に軸支されたローラと、
    前記2つのアーム部のそれぞれの第1の端部同士を連結する連結桟と、
    前記連結桟の中間部に設けられ、前記2つのアーム部が略水平方向となるときに上下方向に貫通する貫通孔と、
    前記貫通孔に挿通されたボルトと、を有する移動装置をさらに備え、
    前記支持板には、前記ローラ支持部と前記ローラが前記支持板本体を突き抜けることが可能となるように前記支持板本体に形成された貫通空間と、
    前記ボルトに対応する位置に形成された雌ねじ孔と、
    を備えた溶接冶具ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110405482A (zh) * 2019-08-15 2019-11-05 安徽机电职业技术学院 车镗组合夹具
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