[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、2013年12月17日に出願された米国仮出願第61/917,041号および2014年2月27日に出願された米国仮出願第61/945,656号に関連し、それらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、リソグラフィ技術によるデバイスの製造等において使用可能な検査方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。そのような場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるステッパ、および放射ビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるスキャナが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
[0004] リソグラフィのプロセスを監視するために、パターン形成された基板の1つ以上のパラメータが測定される。そのようなパラメータは、例えばパターン形成された基板内または基板上に形成される連続する層と層との間のオーバーレイエラーおよび/または現像された感応性レジストの臨界のライン幅を含み得る。そのような測定は、製品基板および/または専用のメトロロジターゲットに対して行われ得る。走査電子顕微鏡および様々な他の専門ツールの使用など、リソグラフィプロセスで形成された微細構造を測定するには、様々な技術がある。専門的な検査ツールの高速かつ非侵入性の形態はスキャトロメータであり、ここでは放射ビームを基板の表面上のターゲットに誘導し、散乱または反射したビームの1つ以上の特性を測定する。基板による反射または散乱の前および後のビームの1つ以上の特性を比較することによって、基板の特性を決定することができる。これは、例えば反射ビームを、1つ以上の既知の基板特性に関連付けられた既知の測定値のライブラリに記憶されているデータと比較することによって実行することができる。主な2つのタイプのスキャトロメータが知られている。立体スキャトロメータは、広帯域ビームを基板上に誘導し、特定の狭い角度範囲に散乱した放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。角度分解スキャトロメータは、単色放射ビームを使用し、角度の関数として散乱放射の強度を測定する。
[0005] EUVリソグラフィにおける焦点測定は、異なる焦点設定を介した基板上の較正マークの変化に基づき得る。米国特許出願第US2009−0135398号は、マークを読み出すために使用され得る位相格子アライメントセンサを開示している。該文献に開示された方法を使用して読み出される焦点較正マークのサイズは、600×600μm2である。EUVリソグラフィにおいて焦点を測定する方法は、焦点を介したマークの質の変化の検出に基づき、ドーズおよびプロセスの変動の影響を非常に受けやすい。
[0006] 焦点読出しのためにスキャトロメータを使用するために、ターゲットがターゲット領域などの顧客要件を満たすためにより小さい(例えば、40×40μm2)ことが必要である一方、メトロロジツールのビーム幅内のライン空間の数は、10周期より多い必要がある。スキャトロメータを使用する焦点測定の方法は、ターゲット(例えば、基板上の周期的構造(格子))のクリティカルディメンジョン(CD)および側壁角(SWA)の測定に基づき得る。
[0007] しかし、様々な理由により、このような回折ベースメトロロジの方法は、EUVデバイス製造プロセスに対して十分には機能しない。特に、EVUレジスト膜の厚さは、193nmの浸漬リソグラフィの該厚さ(100nm以下)と比較して著しく小さく(50nm以下)、これによってEUV基板からSWAおよび/またはCDの正確な情報を抽出することが困難となる。
[0008] EUVシステムを使用して露光された構造に対して回折ベースメトロロジの使用を可能にする方法などを提供することが望ましい。
[0009] 一態様によれば、リソグラフィプロセスに関する焦点情報を得る方法であって、少なくとも1つのターゲットを提供することであって、ターゲットは交互に並ぶ第1および第2構造を備え、第2構造の形態は、ターゲットを形成するために使用されるパターン形成ビームの焦点に依存するように焦点依存性を有し、第1構造の形態は、第2構造の焦点依存性と同一の焦点依存性を有しない、提供することと、ターゲットを照明することと、ターゲットによって散乱した放射を検出して、該ターゲットについて、ターゲットの全体的な非対称性を表す非対称性測定値を得ることであって、非対称性測定値は、ターゲットを形成する際にパターン形成ビームの焦点を示す、検出することと、を含む、方法が提供される。
[0010] 一態様によれば、ビームにパターン形成して交互に並ぶ第1および第2構造を備えるターゲットを形成するためのパターンを備えるマスクであって、マスクは、第1構造を形成する第1構造フィーチャと、第2構造を形成する第2構造フィーチャと、を備え、第2構造フィーチャは、第2構造の形態が、ターゲットを形成する際に、パターン形成ビームの焦点に依存するように焦点依存性を有するように構成され、第1構造フィーチャは、第1構造の形態が第2構造の焦点依存性と同一の焦点依存性を有しないように構成される、マスクが提供される。
[0011] 一態様によれば、交互に並ぶ第1および第2構造を有するターゲットを備える基板であって、第1構造および第2構造の両方は、低解像度サブ構造を備え、少なくとも第2構造は、1つ以上の高解像度サブ構造を備え、ターゲットの高解像度サブ構造の数および/またはサイズは、ターゲットを形成するために使用されるパターン形成ビームの焦点によって決定されている、基板が提供される。
[0012] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において、同じ参照符号は対応する部分を示す。
[0013] 図1は、リソグラフィ装置を概略的に示す。
[0014] 図2は、リソグラフィセルまたはクラスタを概略的に示す。
[0015] 図3は、第1スキャトロメータを概略的に示す。
[0016] 図4は、第2スキャトロメータを概略的に示す。
[0017] 図5は、スキャトロメータ測定値から構造を再構築する例示的なプロセスを示す。
[0018] 図6は、スキャトロメータ測定値から構造を再構築するさらなる例示的なプロセスを示す。
[0019] 図7aは、交互配置のオーバーレイターゲットを概略的に示す。
[0020] 図7bは、回折ベース焦点(DBF)測定ターゲットを概略的に示す。
[0021] 図7cは、本発明の一実施形態に係るターゲットを概略的に示す。
[0022] 図7dは、本発明のさらなる実施形態に係るターゲットを概略的に示す。
[0023] 図8は、本発明のさらなる実施形態に係る別のターゲット構成の詳細を概略的に示す。
[0024] 図9は、別々の焦点設定で露光された多数のターゲットを概略的に示す。
[0025] 図10は、(a)最良焦点および(b)所与の焦点外れ度で露光された2つのターゲットの詳細、およびスキャトロメータが結果として検出するものの近似の結果を概略的に示す。
[0026] 図11は、焦点符号情報を得る方法を示す機能を果たすy軸上の重心およびx軸上の焦点の非対称のプロットである。
[0027] 図12は、本発明の一実施形態に係る焦点符号情報を抽出するための2つのターゲット構成を示す。
[0028] 図13a〜図13bは、コンポーネント信号を含む図12に示す2つのターゲットについての、焦点(x軸)に対する非対称性信号振幅(y軸)のグラフであり、図13cは、図13a〜図13bのグラフの差分の算出を示す。
[0029] 図14Aおよび図14Bは、第2パターニングデバイスまたは第2パターニングデバイスパターンを必要としない、2つの別々の露光における構造の第1セットおよび構造の第2セットを生成する方法を示す。
[0030] 図1は、リソグラフィ装置を概略的に示している。この装置は、
[0031] 放射ビームB(例えば、UV放射またはDUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0032] パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
[0032] 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
[0034] パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0035] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0036] サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0037] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
[0038] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0039] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
[0040] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、上述の型のプログラマブルミラーアレイを採用しているもの、または反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0041] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上のテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブルおよび/または2つ以上のパターニングデバイステーブルおよび/または基板テーブルおよび基板を保持しないテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」マシンにおいては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0042] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高屈折率を有する液体(例えば水)によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。また、リソグラフィ装置内の別の空間(例えば、マスクと投影システムとの間)に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口
数を増加させることで当技術分野において周知である。本明細書において使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを意味するものである。
[0043] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
[0044] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
[0045] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2次元エンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサ(図1には明示されていない)を使って、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後またはスキャン中に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。通常、サポート構造MTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、サポート構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがパターニングデバイスMA上に設けられている場合、パターニングデバイスアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
[0046] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0047] 1.ステップモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
[0048] 2.スキャンモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
[0049] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0050] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0051] 図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、リソセルまたはクラスタとも呼ばれることがあるリソグラフィセルLCの一部を形成する。リソグラフィセルLCは、露光前処理および露光後処理を基板に対して行う装置をさらに含む。従来、これらの装置は、レジスト層を堆積する1つ以上のスピンコータSC、露光されたレジストを現像する1つ以上のデベロッパDE、1つ以上の冷却プレートCH、および/または1つ以上のベークプレートBKを含む。基板ハンドラ、すなわちロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、他のプロセス装置間で基板を移動させ、基板をリソグラフィ装置のローディングベイLBへと搬送する。これらのデバイスはしばしばトラックと総称され、監視制御システムSCSによって制御されるトラック制御ユニットTCUの制御下にある。監視制御システムSCSは、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。このように、さまざまな装置を作動させてスループットおよび処理効率を最大化することができる。
[0052] リソグラフィ装置によって露光される基板を正確にかつ一貫して露光するために、露光された基板を検査して、後続の層と層との間のオーバーレイエラー、ライン厚さ、クリティカルディメンジョン(CD)などの特性を測定することが望ましい。エラーが検出された際、特に同じバッチの1つ以上の他の基板も引き続き露光するのに十分な程度に早急にかつ迅速に検査を実行できる場合は、後続の基板の露光に対して調整が行われ得る。また、歩留まりを改善するために既に露光された基板を取り除いて再加工し、または廃棄し、それによって、欠陥があると分かっている基板に対して露光を行うことが回避され得る。基板の一部のターゲット部分にのみ欠陥がある場合は、良好なターゲット部分に対してのみさらなる露光を行うことができる。
[0053] 基板の特性、特に異なる基板と基板との間または同じ基板の異なる層と層との間で、どのように1つ以上の特性が各層の間で異なるかを判断するために検査装置が使用される。検査装置は、リソグラフィ装置LAまたはリソセルLCに組み込まれてよく、あるいは独立型デバイスあってもよい。最も迅速な測定を可能にするために、検査装置は、露光されたレジスト層における特性を露光直後に測定することが望ましい。しかし、レジストの潜像はコントラストが非常に低く、放射に露光されたレジストの部分と露光されていない部分との間では屈折率について非常に小さい差しかなく、潜像の有用な測定を行う程度に十分な感度を全ての検査装置が有するわけではない。したがって、通常、露光された基板に対して実行される最初のステップであって、レジストの露光部分と非露光部分とのコントラストを向上させる露光後ベークステップ(PEB)の後に、測定が行われ得る。この段階で、レジスト内の像は、半潜像と呼ばれ得る。レジストの露光部分または非露光部分が除去された箇所で、またはエッチングなどのパターン転写ステップの後に、現像したレジスト像を測定することも可能である。後者が可能であることによって、欠陥のある基板を再加工する可能性が制限されるが、そうであっても有用な情報が提供され得る。
[0054] 図3は、本発明の一実施形態で使用され得るスキャトロメータを示している。これは、放射を基板W上に投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備える。反射した放射は、スペクトロメータディテクタ4へと進み、スペクトロメータディテクタ4は、鏡面反射した放射のスペクトル10(波長の関数としての強度)を測定する。このデータから、処理ユニットPUによって、例えば、厳密結合波分析および非線形回帰によって、または、図3の下部に示すようなシミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較によって、検出されたスペクトルを生じさせる構造またはプロファイルが再構築され得る。一般に、再構築について、構造の全体的形態は知られており、いくつかのパラメータは構造を作成したプロセスの知識から想定され、わずかな構造のパラメータのみが、スキャトロメトリデータから決定される。そのようなスキャトロメータは、垂直入射スキャトロメータまたは斜め入射スキャトロメータとして構成され得る。
[0055] 使用され得る別のスキャトロメータが、図4に示されている。このデバイスでは、放射源2によって放出された放射は、レンズシステム12を使用してコリメートされ、干渉フィルタ13および偏光器17を透過し、部分反射表面16によって反射し、望ましくは少なくとも0.9または少なくとも0.95という高い開口数(NA)を有する顕微鏡対物レンズ15を介して基板W上に集束する。液浸スキャトロメータは、開口数が1を超えるレンズを有し得る。そして、散乱スペクトルを検出するために、反射した放射は、部分反射表面16を透過してディテクタ18に入る。ディテクタは、逆投影された瞳面11に位置付けられ得る。瞳面11は、レンズシステム15の焦点距離に位置するが、瞳面は、補助光学系(図示せず)によってディテクタ上に再結像され得る。瞳面は、放射の半径方向位置が入射角を画定し、かつ、角度位置が放射の方位角を画定する面である。ディテクタは、基板ターゲット30の2次元角度散乱スペクトルを測定することができるように、2次元ディテクタであることが望ましい。ディテクタ18は、例えばCCDまたはCMOSセンサのアレイであってよく、例えば1フレーム当たり40ミリ秒という積分時間を使用し得る。
[0056] 基準ビームは、例えば入射放射の強度を測定するために使用されることが多い。このことを実行するために、放射ビームがビームスプリッタ16に入射すると、その一部が基準ビームとして基準ミラー14に向かってビームスプリッタを透過する。そして、基準ビームは同一のディテクタ18の異なる部分上に、または異なるディテクタ(図示せず)上に投影される。
[0057] 例えば405〜790nmの範囲、または200〜300nmなどのさらに低い範囲で対象波長を選択するために、干渉フィルタ13のセットが使用可能である。干渉フィルタは、様々なフィルタのセットを備えるのではなく、調整可能であり得る。干渉フィルタの代わりに、回折格子が使用されてもよい。
[0058] ディテクタ18は、1つの波長(または狭い波長範囲)の散乱放射の強度、複数の波長での別個の強度、または所与の波長範囲にわたって積分された強度を測定し得る。さらに、ディテクタは、TM(transverse magnetic)偏光放射およびTE(transverse electric)偏光放射の強度および/またはTM偏光放射とTE偏光放射との間の位相差を別個に測定し得る。
[0059] 広帯域放射源(すなわち、放射の周波数または波長、したがって色が広範囲にわたる放射源)の使用が可能であり、これによって高エタンデュが与えられ、複数の波長を混合することが可能になる。広帯域の複数の波長は、それぞれΔλの帯域幅および少なくとも2Δλの間隔(すなわち帯域幅の2倍)を有することが望ましい。いくつかの放射「源」は、例えばファイバ束を使用して分割されている拡張放射源の別々の部分とすることができる。このように、角度分解散乱スペクトルを複数の波長において並列に測定することができる。3次元スペクトル(波長および2つの異なる角度)を測定することができ、3次元スペクトルは2次元スペクトルより多くの情報を含む。このことによってより多くの情報を測定することができ、メトロロジプロセスのロバスト性が向上する。これについては、参照により全体が本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開EP1,628,164号にさらに詳細に記載されている。
[0060] 基板W上のターゲット30は、現像後にバーが固体レジストラインで形成されるように印刷された1次元の回折格子であってよい。ターゲット30は、現像後に格子がレジスト内に固体レジストピラーまたはビアで形成されるように印刷された2次元の回折格子であってもよい。あるいは、バー、ピラー、またはビアを基板にエッチングしてよい。このパターンは、リソグラフィ投影装置、特に投影システムPSの色収差の影響を受けやすい場合があり、照明対称性およびそのような収差の存在は、印刷された格子の変化に現れる。したがって、印刷された格子のスキャトロメトリデータを使用して格子が再構築される。印刷ステップおよび/またはスキャトロメトリプロセスの知識に基づいて、ライン幅および形状などの1次元格子のパラメータ、またはピラーやビアの幅、長さ、または形状などの2次元格子のパラメータが、処理ユニットPUが行う再構築プロセスに入力され得る。
[0061] 上述のとおり、ターゲットは、基板の表面上に存在する。このターゲットは、2次元アレイにおいて、格子における一連のラインの形状や実質的に矩形の構造をとることが多い。メトロロジにおける厳密光回折理論の目的は、ターゲットから反射される回折スペクトルを計算することが有効である。言い換えれば、ターゲット形状の情報は、CD(クリティカルディメンジョン)均一性およびオーバーレイメトロロジについて得られる。オーバーレイメトロロジは、基板上の2つの層が位置合わせされているかどうかを判断するために2つのターゲットのオーバーレイを測定する測定方法である。CD均一性は、単に、リソグラフィ装置の露光システムがどのように機能しているかを判断する、スペクトルについての格子の均一性の測定値である。具体的には、CDすなわちクリティカルディメンジョンは、基板上に「書き込まれる」オブジェクトの幅であり、リソグラフィ装置が物理的に基板上に書き込むことが可能な限界である。
[0062] 上述のスキャトロメータのうちの1つをターゲット30などのターゲット構造のモデルおよびその回折特性と組み合わせて使用して、該構造の形状および他のパラメータの測定を多数の方法で行うことができる。図5に示す第1プロセスタイプにおいて、ターゲット形状(第1候補構造)の第1推定値に基づく回折パターンを計算し、観察された回折パターンと比較する。そして、モデルのパラメータを体系的に変化させ、回折を一連の反復修正で再計算して新しい候補構造を生成し、それによって最良適合に到達する。図6に示す第2プロセスタイプにおいて、多くの異なる候補構造についての異なるスペクトルを事前に計算して回折スペクトルの「ライブラリ」を生成する。そして、測定ターゲットから観察された回折パターンを計算されたスペクトルのライブラリと比較して、最良適合を見つける。両方の方法を合わせて使用することができる。粗い適合をライブラリから得ることができ、続いて修正プロセスによって最良適合を見つける。
[0063] 図5をより詳細に参照して、ターゲット形状および/または材料特性の測定を実行する方法を簡潔に説明する。この説明について、ターゲットは、1方向(1次元構造)のみに周期性を有するものとみなす。実際には、2または3方向(2次元または3次元構造)に周期性を有してよく、それに応じて処理が適合される。
[0064] 502において、上述したようなスキャトロメータを使用して、基板上の実際のターゲットの回折パターンが測定される。測定された回折パターンは、コンピュータなどの計算システムに送られる。計算システムは、上述した処理ユニットPUでああってよく、あるいは、別の装置であってもよい。
[0065] 503において、多数のパラメータpi(p1、p2、p3等)に関して、ターゲット構造のパラメータ化されたモデルを画定する「モデルレシピ」を確立する。これらのパラメータは、例えば、1次元周期構造において、側壁の角度、フィーチャの高さや深さ、および/またはフィーチャの幅を表し得る。また、ターゲット材料および1つ以上の下方の層の1つ以上の特性は、(スキャトロメトリ放射ビームに存在する特定の波長における)屈折率などのパラメータによって表される。具体例を以下に示す。特に、ターゲット構造が、その形状および材料特性を表す数十のパラメータによって定義されてよく、モデルレシピは、固定値を有するようにこれらのパラメータの多くを定義する一方で、他のパラメータは以降のプロセスステップの目的のために可変パラメータ、すなわち「流動」パラメータである。固定パラメータと流動パラメータとの間の選択を行うプロセスは、以下に説明する。さらに、完全に独立した流動パラメータではなくパラメータを変動可能にできる方法が採用される。図5を説明する目的で、変動パラメータのみをパラメータpiとみなす。
[0066] 504において、モデルターゲット形状が、流動パラメータ(すなわち、p1(0)、p2(0)、p3(0)等)の初期値pi(0)を設定することによって推定される。各流動パラメータは、レシピにおいて定義されるように、ある所定範囲内で生成される。
[0067] 506において、例えば、RCWAなどの厳密光回折方法またはマクスウェル方程式という他の解法を用いて、推定された形状を表すパラメータを、モデルの異なる素子の1つ以上の光学特性とともに使用して、1つ以上の散乱特性を計算する。このことによって、推定されたターゲット形状の推定された回折パターンまたはモデル回折パターンが与えられる。
[0068] 508、510において、次に、測定回折パターンおよびモデル回折パターンを比較し、それらの類似点および/または相違点を使用してモデルターゲット形状の「メリット関数」を計算する。
[0069] 512において、実際のターゲット形状を正確に表す前にモデルが改善される必要があることをメリット関数が示すということを前提として、1つ以上の新しいパラメータp1(1)、p2(1)、p3(1)等が推定され、ステップ506に反復的にフィ
ードバックされる。ステップ506〜512が繰り返される。
[0070] 検索を補助するために、ステップ506における計算は、パラメータ空間のこの特定の領域において、パラメータ増加または減少させることによってメリット関数が増加または減少するという感度を示す、メリット関数の導関数をさらに生成し得る。メリット関数の計算および導関数の使用は、当該分野で一般的に知られており、ここでは詳細に説明しない。
[0071] 514において、この反復プロセスが所望の精度で解に収束したことをメリット関数が示すと、現在の推定された1つ以上のパラメータは、実際のターゲット構造の測定値として報告される。
[0072] この反復プロセスの計算時間は、使用される前方回折モデル、すなわち、推定ターゲット構造から厳密光回折理論を用いて推定モデル回折パターンを計算することによって主として決定される。より多くのパラメータが必要とされる場合、より多くの自由度が存在する。計算時間は、原則的に、自由度の数の効果とともに増加する。506で計算された推定回折パターンまたはモデル回折パターンは、さまざまな形態で表すことができる。計算されたパターンがステップ502で生成された測定パターンと同一の形態で表される場合、比較は簡略化される。例えば、モデル化されたスペクトルは、図3の装置によって測定されたスペクトルと容易に比較することができる。また、モデル化された瞳パターンは、図4の装置によって測定された瞳パターンと容易に比較することができる。
[0073] 図5以降の説明を通じて、「回折パターン」という用語は、図4のスキャトロメータを使用するという前提に対して使用される。当業者は、該教示を、異なるタイプのスキャトロメータ、さらには他のタイプの測定装置にまで容易に適合させることができる。
[0074] 図6は、異なる推定ターゲット形状(候補構造)についての複数のモデル回折パターンを事前に計算し、実際の測定との比較のためにライブラリに保存するさらなる例示的なプロセスを示している。基礎をなす原則および用語は、図5のプロセスについてのものと同様である。図6のプロセスは、以下のとおりである。
[0075] 602において、ライブラリを生成するプロセスが開始される。ターゲット構造の各タイプについて個別のライブラリが生成され得る。ライブラリは、必要に応じて測定装置のユーザによって生成されてよく、装置の供給業者によって事前に生成されてもよい。
[0076] 603において、多数のパラメータpi(p1、p2、p3等)の数に関してターゲット構造のパラメータ化モデルを定義する「モデルレシピ」が確立される。検討事項は、反復プロセスのステップ503のものと同様である。
[0077] 604において、各々がその期待される値の範囲に収まる、パラメータの各々のランダム値を生成することなどによって、パラメータp1(0)、p2(0)、p3(0)等の第1セットが生成される。
[0078] 606において、モデル回折パターンが計算され、ライブラリに記憶され、このモデル回折パターンは、該1つ以上のパラメータによって表されるターゲット形状から予測される回折パターンを表す。
[0079] 608において、形状パラメータp1(1)、p2(1)、p3(1)等の新
しいセットが生成される。ステップ606〜608は、すべての記憶されたモデル化回折パターンを含むライブラリが十分に完全であると判断されるまで、数十、数百、または数千回繰り返される。各々の記憶されたパターンは、多次元パラメータ空間のサンプル点を表す。ライブラリ内のサンプルは、任意の実際の回折パターンが十分に密に表される十分な密度でサンプル空間を生成する必要がある。
[0080] 610において、ライブラリが生成された後(その前にも可能であり得るが)、実際のターゲット30がスキャトロメータに配置され、その回折パターンが測定される。
[0081] 612において、測定パターンをライブラリに記憶された1つ以上のモデル化パターンと比較して最良の適合パターンを見つける。この比較は、ライブラリのサンプルごとに行われてよく、あるいは、より系統的な検索戦略が採用されてもよく、それによって計算負荷を低減させる。
[0082] 614において、適合が見つかると、適合ライブラリパターンを生成するために使用される推定ターゲット形状を、近似のオブジェクト構造であると判断することができる。適合サンプルに対応する1つ以上の形状パラメータは、1つ以上の測定形状パラメータとして出力される。適合プロセスは、モデル回折信号に対して直接行われてよく、あるいは、高速評価に対して最適化される代替モデルに対して行われてもよい。
[0083] 616において、任意選択的に、最近適合サンプルが始点として使用され、改良プロセスを使用して報告のための1つ以上の最終パラメータを得る。この改良プロセスは、例えば図5に示す反復プロセスと非常に類似した反復プロセスを含み得る。
[0084] 改良ステップ616を使用するかどうかという点は、実施者の選択事項である。ライブラリが非常に密集してサンプルされる場合、良好な適合が常に見つかり得るため、反復的な改良が必要とされない場合がある。他方、そのようなライブラリは、実際の用途には大きすぎる場合がある。したがって、実際的な解決策は、パラメータの粗いセットに対するライブラリ検索、それに続くメリット関数を用いる1つ以上の反復を使用して、パラメータのより正確なセットを決定することで、所望の精度でターゲット基板のパラメータのセットを報告することである。追加の反復が実行される場合、計算された回折パターンおよび関連する改良パラメータのセットを新しい項目としてライブラリに追加することは任意選択的事項であろう。このように、比較的少ない計算労力に基づくものの改良ステップ616の計算労力を用いてより大きいライブラリに構築されるライブラリを当初から使用することができる。いずれのスキームが使用されても、複数の候補構造の適合の良好性に基づいて、報告された変動パラメータのうちの1つ以上の値のさらなる改良も達成することができる。例えば、最終的に報告されるパラメータ値のセットは、2つ以上の候補構造の両方またはすべてが高い適合スコアを有するということを前提として、それらの候補構造のパラメータ値とパラメータ値との間で補間を行うことによって生成され得る。
[0085] この反復プロセスの計算時間は、ステップ506および606の前方回折モデル、すなわち、推定ターゲット形状からの厳密光回折理論を用いる推定モデル回折パターンの計算によって主として決定される。
[0086] リソグラフィを用いて形成されるフィーチャの寸法がより小さくなると、リソグラフィは、微小なICまたは他のデバイスおよび/または構造を製造することを可能にするためのより重要な要因となる。パターン印刷の限界の理論的な推定値は、式(1)に示す解像度についてのレイリー基準によって得ることができる。
ここで、λは、使用される放射の波長であり、NAは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数であり、k1は、レイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズは、露光波長λを短くすること、開口数NAを大きくすること、またはk1の値を小さくすること、の3つの方法によって縮小することができると言える。
[0087] 露光波長を短くするため、ひいては最小印刷可能サイズを縮小するために、極端紫外線(EUV)放射を使用することが提案されている。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば、13〜14nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。また、10nm未満、例えば、6.7nmや6.8nmなどの5〜10nmの範囲内の波長を有するEUV放射を使用できることがさらに提案されている。そのような放射は、極端紫外線または軟X線と呼ばれる。考えられる放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングによって提供されるシンクロトロン放射に基づく放射源が含まれる。
[0088] EUVシステムでの回折ベースメトロロジの使用を可能にする1つの実現可能な方法は、位相シフトパターニングデバイスを使用することである。そのような位相シフトパターニングデバイスは、再誘導ビームに位相シフトを形成して放射ビームをオフアクシスに偏向させるトレンチ(または他の位相シフトフィーチャ)を含む。位相シフト度(したがって偏向度)は、焦点外れ度に依存する。結果として得られるターゲットは、トレンチを有しないパターニングデバイスフィーチャを介して印刷される、したがって焦点から独立した基板上の位置で印刷される第1構造と、トレンチを有するパターニングデバイスフィーチャを介して印刷される、したがって焦点に依存する基板上の位置で印刷される第2構造と、を備え得る。このように、(第1構造に対する)第2構造の位置は、焦点に依存している。しかし、複雑で製造が困難なパターニンデバイスが必要とされる場合があるので、そのような構成は望ましくないことがある。
[0089] 本明細書で提案される測定方法は、ダブルパターニングオーバーレイ測定とともに使用される交互配置のスキャトロメータオーバーレイターゲットの変形バージョンを利用する。修正ターゲットは、この交互配置のオーバーレイターゲットと上述した焦点較正マークとの組合せである。
[0090] 図7aは、交互に並ぶ第1構造705および第2構造710を備える、交互配置のスキャトロメータオーバーレイターゲット700を示している。第1および第2構造705、710のどちらも意図的に焦点に依存しない。特にこの例では、第1および第2構造705、710の印刷されたラインの非対称性は、焦点感度を有しない。もちろん、あらゆるフィーチャ(例えば、そのプロファイルは焦点の関数として変化する)の形成においてなんらかの焦点依存性が常に存在し、それは、焦点制御がリソグラフィプロセスにおいて重要である理由であることが明確である。
[0091] 図7bは、回折ベース焦点(DBF)測定のために構成されたDBFターゲット715を示している。DBFターゲット715は、各々が高解像度のサブ構造725を含む複数のDBF構造720を含む。ベースピッチの上の高解像度のサブ構造725は、各DBF構造720についての非対称レジストプロファイルを生成し、その非対称性度は焦点に依存する。したがって、メトロロジツールは、そのようなDBFターゲット715から非対称性度を測定し、これをスキャナ焦点に変換することができる。
[0092] DBFターゲット715によって回折ベース焦点測定が可能になる一方で、それはすべての状況において使用するのに好適であるというわけではない場合がある。EUVレジスト膜の厚さは、ターゲットの一部を形成する構造の非対称プロファイルから正確な非対称性情報を抽出することを困難にする浸漬リソグラフィにおいて使用される厚さよりかなり小さい。加えて、そのような構造は、特定の製品構造に適用可能な厳密な設計要求に適合しないことがある。デバイス製造プロセス中、パターニングデバイスのパターンのすべてのフィーチャが、印刷され、以降の処理ステップに耐える必要がある。デバイス製造業者は、フィーチャ設計を制限する手段として設計ルールを使用して、印刷されたフィーチャがそれらのプロセス要件に準拠することを確実にすることを助長する。1つのそのような設計ルールは、構造の許容サイズに関する。別のそのような設計ルールは、パターン密度であり、これは、特定の範囲に収まる結果として得られるレジストパターンの密度を制限する。
[0093] 研磨および拡散ステップは欠陥の生成を回避するために一定レベルの均一性を必要とし得るので、パターン密度は、欠陥に密接に関連している。このことは、(例えば)薄層をレジストフィーチャに堆積させるスペーサプロセスにおいて重要であり、さらなるプロセスステップは、レジストエッジが以前にどこに存在していたとしてもフィーチャを小さいラインまで低減させる。スペーサプロセスの後に最低パターン密度要件を達成することは、大きいフィーチャを使用することができない場合もあることを意味し、それはレジストエッジのみが細いラインとして基板に搬送されるからである。この点、DBFターゲット715のDBF構造720は、大きすぎることがある。したがって、スペーサプロセスパターン密度を増加させるために、レジストパターンエッジの数を増加させる必要があり得る。
[0094] メトロロジフィーチャは、欠陥の原因となり得るため、これらの設計ルールに適合することも必要である。したがって、メトロロジターゲットは、メトロロジツールが波長および捕捉角の所与の制限を検出できる信号を生成可能な小さいフィーチャから構成される必要がある。DBFターゲット715について、スペーサプロセスの後に結果として得られるパターン密度は、極めて低すぎる場合がある。
[0095] 図7cは、本発明の一実施形態に係る修正ターゲット730を示している。ターゲット730は、第1構造740および第2構造750を含む。第1構造740は、焦点に依存せず、図7aの第1構造705と基本的に同様である。第2構造750は、高解像度サブ構造760および低解像度サブ構造770を含む。高解像度サブ構造760は、スキャトロメータによって個別の構造として検出されないように、200nm未満の幅を有する必要がある。様々な実施形態において、高解像度サブ構造760はすべて100nm未満、50nm未満の、または25nm未満の幅を有し得る。一実施形態において、高解像度サブ構造760および低解像度サブ構造770は、ともに同様のCDを有し得る。例えば、低解像度サブ構造770は、高解像度サブ構造760よりわずかに10〜40nm広くてよい。
[0096] サブ構造760の高解像度の効果は、ターゲット730を印刷するために使用される放射ビームが最良焦点領域に収まる場合にサブ構造760のみが基板上に印刷されるということである。最良焦点領域の外では(すなわち、ビームが焦点から外れる場合)、サブ構造760(またはそれらの一部)は印刷されない。したがって、印刷された第2構造750の形態は、放射ビームの焦点に依存する。このことは、上述した位相シフトマスクから得られるターゲットとは対照的であり、焦点に依存するのは第2構造の形態ではなく位置である。このように、位相変化のためのトレンチまたは同様なフィーチャを必要とせずに、より従来的なパターニングデバイスを使用することができる。
[0097] 第2構造750の形態変化は、スキャトロメータによって瞳非対称性として検出され得る重心(CoG)のシフトに現れ得る。CoGシフトは、プログラムされた焦点オフセット基板に対して較正することができる。基板を公知の焦点オフセットを用いて露光することによって、(スキャトロメータによって検出される)所望のターゲットの挙動を焦点の関数として較正することができる。結果は、図11の曲線1100と同様の曲線である。このように較正された曲線で、最良焦点において基板を露光することができ、測定されたスキャトロメータの応答は、曲線1100と比較することができて、基板上に各測定について焦点位置が決定される。
[0098] さらに、第2構造750の間の第1構造740の存在によって、DBFターゲット715と比較してパターン密度が増加する。
[0099] 図7dは、ともに焦点に依存する第1構造775および第2構造750を含むターゲット730’を示しており、それらの両方が高解像度サブ構造760及び低解像度サブ構造770を含む。第1構造775について低解像度サブ構造770の一方側に存在し、かつ、第2構造750について低解像度サブ構造770の反対側に存在する高解像度サブ構造760によって、第1構造775の焦点依存性は、第2構造750の焦点依存性と異なるようにされる。このように、第1構造775および第2構造750についての焦点を介したCoGシフトは、反対方向に存在することになる。
[00100] ターゲット730、730’は、多数の高解像度バーを含む高解像度サブ構
造760を示しており、各高解像度バーは同様のライン幅(15〜25nmの範囲内、例えば22nm)を有し、第1構造740および低解像度サブ構造770と同一の方向に延在する。ただし、他の構成も可能である。
[00101] 図8は、第2構造750の例示的なさらなる構成の詳細を示している。それぞれの場合において、第1構造810、810’および第2構造850、850’、850’’からなる1つの例が示されている。ターゲットを形成するために、これらの構造の対が、図8(d)の例において、図7cに示すのと同様に、または図7dに示すのと同様に、数回繰り返される。
[00102] 図8(a)は、低解像度サブ構造870から遠ざかる方向に低解像度から高解像度まで高解像度サブ構造860の解像度(ライン幅)が変化する点以外は、第2構造750と同様の第2構造850を示している。このことによって、高解像度を有する高解像度サブ構造860のみが印刷されず、焦点外れ度が増加するにつれて印刷されない高解像度サブ構造860の数が増加することを低い焦点外れ度が意味するという点で、焦点を介する第2構造850の形態の変化が増加する。このことは、焦点外れ度に応じて、第2構造850がとり得る多数の別々の焦点依存の形態、したがって、第2構造850における多数の可能な重心シフトが存在することを意味する。高解像度サブ構造860のうちの最も小さいものは、リソグラフィ装置の解像度が許容するものと同程度に細くなり得る。
[00103] 一実施形態において、高解像度サブ構造860の幅は、15nmから25nmの間で変動する。高解像度サブ構造860はすべて別々のライン幅を有してよく、あるいは、同一のライン幅の隣接するサブ構造を含んでもよい。例えば、高解像度サブ構造860は、先行の段落で説明したようにライン幅が低減する順に配置され得る一方で、この構成は、同一のライン幅を有するいくつかの(例えば、2つの最も薄い)隣接する高解像度サブ構造860を含み得る。
[00104] 図8(b)は、低解像度サブ構造870の方向に垂直な方向に延在する水平サブ構造860’を含む第2構造850’を示している。第2構造850’は、図7bのDBF構造720と基本的に同一である。これらの構造は、ラインエンド(先端から先端)焦点応答を示して焦点の関数としての第2構造850’のCoGシフトを生成する。すべての水平サブ構造860’はパターニングデバイスにおいて同一のCDを有するので、ラインエンドの右側が焦点外れの関数として「プルバックする」ことで、各サブ構造860’の長さは焦点外れとともに変動し、焦点外れ度が高まるにつれて、各水平サブ構造860’は短くなる。
[00105] 用途に応じて、垂直サブ構造または水平サブ構造を設ける利点があり得る。一方または他方はプロセス変動、ドーズ変動、または特定の収差に対してより高い感度を有し得る。(焦点および収差感度に関して)実際の製品に可能な限り類似して挙動するターゲット設計を検討する場合、図7または図8に示した設計、または請求の範囲に収まる他の設計が検討され得る。
[00106] 図8(c)は、サブ構造860およびサブ構造860’の概念を基本的に組み合わせるサブ構造860’’を含む第2構造850’’を示している。第2構造850’’は、各サブ構造860’’の幅が水平方向に減少するように配置されたサブ構造860’’の2次元アレイを含む。そのような構成は、製品的収差感度を潜在的にもたらすことができる。
[00107] 図8(d)は、高解像度サブ構造880を含む第1構造810’に隣接する図8(a)に示すものと基本的に同様の第2構造850を示している。高解像度サブ構造880は、高解像度サブ構造860と同様であるものの、反対方向に(厚いものから薄いものに対して、薄いものから厚いもの)配置される。また、低解像度サブ構造870に対する高解像度サブ構造860と比較して、高解像度サブ構造880は、低解像度サブ構造890の反対側に存在する。
[00108] 図9は、最良焦点f0で印刷された、図8(a)に示すタイプの第2構造950aを有するターゲット900と、別々の焦点外れ度で印刷され、かつ第2構造950b、950c、950dを有するターゲット910、910’、920、920’、930、930’とを示している。ターゲット900は、すべてが高解像度で印刷された高解像度サブ構造960を有する。ターゲット910および910’(各々が同一の大きさの焦点外れ度でありながら最良焦点f0に対して別々の符号を有して印刷される)は、印刷されたより少ない高解像度サブ構造960を含む第2構造950bを有する。このパターンは、ターゲット920、920’およびターゲット930、930’について繰り返され、各々の場合において、焦点外れ度が増加するにつれて、印刷される高解像度サブ構造960の数が減少する。
[00109] 図10は、(a)ターゲット900の印刷された第2構造950aと(b)ターゲット920(または920’)の印刷された第2構造950cとの間の重心シフトを示している。各々の場合において、上の図は実際の印刷されたターゲット900、920を示す一方で、下の図は実際のスキャトロメータ信号のモデル化/分析に続く、各ターゲット900、920を検査しているスキャトロメータが効果的に「認識する」(すなわち、検出する)近似の結果を示している。下の図において、第2構造950a、950cは、印刷された高解像度サブ構造960の数に依存する幅を有する効果的構造1060、1060cとしてスキャトロメータによって認識されることが分かる。図10(a)において、認識された第1効果的構造1060(対応する第1構造1040に対して参照される)の重心がxとして表記されている。図10(b)において、認識された第2効果的構造1060cの重心は、xと同等とみなすことはできない。
[00110] 重心シフトは、スキャトロメータによって、回折放射の正の回折次数と負の回折次数との間の非対称性として検出可能である。したがって、検出された非対称性は、焦点を示すものであり、その結果、非対称性を測定するスキャトロメータを用いることによって、ターゲットを印刷するために使用される焦点が決定され得る。ターゲットの非対称性は、対応する正および負の回折次数についての回折パターンに影響を及ぼすことになる。ターゲットに非対称性が存在しない場合、正および負の回折次数は、同一のスペクトルプロファイルを有することになる。正および負の回折次数のスペクトル成分の差の分析を使用してターゲットの非対称性を決定することができる。「正および負の回折次数」という語句は、1次回折次数およびより高次の回折次数のいずれかを指す。回折次数は、正でも負でもない0次数(鏡面反射)と、相補的な対で存在する、便宜的に正および負と呼ばれる高次の次数とを含む。非0次数は、高次数とも呼ぶことができる。このように、+1次数および−1次数は、正および負の次数の例であり、+2次数および−2次数、+3次数および−3次数なども同様である。このような例は、制限無しに主に+1次数および−1次数を参照して示される。
[00111] 図11は、焦点符号情報を得る方法を示す機能を果たすy軸上の重心およびx軸上の焦点の非対称のプロット1100である。図9において、印刷されたターゲット910および910’は区別がつかず、ターゲット920および920’そしてターゲット930および930’も同様であることが分かる。各対について、焦点外れの大きさは同一であるが、符号は異なる。この固有の問題は、焦点符号情報の抽出方法が望ましいことを意味している。該方法は、すべての焦点値がプロット1100のピークの一方側に存在するように、基板を公知のオフセットを用いて意図的にオフフォーカスで露光することを含む。例えば、公知の焦点オフセットは、すべての測定された焦点値が領域1110内に存在することを意味することになる。そして、公知の焦点オフセットは、測定された焦点値から取り除かれて正しい符号を有する実際の焦点値を得ることができる。
[00112] 提案した方法は、較正プロセスと、それに続く監視および制御プロセスとを含み得る。較正プロセスは、焦点露光マトリクス(FEM)基板を露光することと、焦点の関数としてのより高次の非対称性を測定することとを含んで焦点較正曲線を計算する。FEM基板は、スキャトロメータ用の較正基板として使用され得る。当該技術分野において知られているように、FEM基板は、焦点と露光オフセットとの複数の組合せを用いてパターンが露光されたフォトレジストで被覆されている基板を含む。監視および制御プロセスは(上述のように符号情報を得るように)、監視基板をオフフォーカスで露光することと、より高次の非対称性を測定することとを含み得る。そして、この測定された高次の非対称性は、較正プロセス中に計算された焦点較正曲線を使用して焦点に変換することができる。
[00113] 監視基板から構成曲線を決定するために、プログラム化された焦点オフセット(例えば、Rx傾斜)を用いて多数のフィールドが露光され得る。このことによって処理依存性が低減する。
[00114] 監視基板をオフフォーカスに露光する必要性に起因して、該方法は、製品上でない測定により容易に適用可能である。意図的にオフフォーカスでありながら製品上で露光することは明らかに望ましくない。しかし、該方法は、3次元マスク(M3D)効果を利用するパターニングデバイストポグラフィを有するターゲット設計を提供することによって、製品上の焦点制御に適合され得る。マスクパターニングデバイスは、露光中、製品構造が焦点に収まるように形成され、ターゲットが焦点オフセットを用いて焦点から外れるように形成されるようなものであり得る。そのようなマスクパターニングデバイスは、最良焦点で露光された製品フィーチャに対して、M3Dフィーチャ(散乱バーなど)を含んで、ターゲットに対するM3D由来の最良焦点オフセットを生成し得る。一実施形態
において、M3Dフィーチャは、先行の実施形態の高解像度サブ構造を含み得る。そして、M3D効果から生じる最良焦点オフセットを考慮して、すでに説明した態様と同様の態様で、焦点依存のM3Dフィーチャを有するこれらのターゲットを測定し、焦点を決定することができる。
[00115] 図12および図13は、符号情報を得るためのさらなる方法を示している。この方法を理解するために、上述した交互配置のターゲットの焦点応答が、実際に、印刷された非対称性ライン応答(焦点の関数としてほぼ線形である)と交互配置のターゲット設計との組合せ(2つの構造の母体の間の重心(CoG)の差)であることを理解されたい。このことは、図12(a)および図13aによって示されている。図12(a)は、特に図8(b)との関連で、すでに述べたとおり交互配置のターゲット設計1200である(ただしこの概念は本明細書で説明する他の交互配置のターゲット設計のいずれにも適用可能である)。ターゲット1200は、第1構造1210および第2構造1220を含む。第1構造は、例えば、本明細書で開示するあらゆる形態をとり得る。第2構造1220は、DBF構造720(図7b)または図8(b)の第2構造870と同様なものとしてここで示されている。図13aの曲線1330は、焦点(x軸)を介する、結果として得られる信号応答(y軸)である。この曲線1330は、ターゲット1200のCoGシフトに起因する焦点に対する信号応答を表す曲線1310と、第2構造1220の非対称性に起因する焦点に対する信号応答を表すライン1320との合計である。
[00116] 複数の(交互配置の)ターゲットの信号を合成することによって、ターゲット1200の符号の問題を解決することが提案される。対称のラインセグメントの配置を非対称のラインと等しく維持しつつ、例えば非対称のラインの設計特性を変更することによって、固有の問題に対処することができる。そのようなターゲット1230が図12(b)に示されている。ターゲットは、第2構造1220と形態が異なる第4構造1240を含むが、同様の基本設計を有し、その違いは、高解像度フィーチャのライン幅および/または長さなどのパラメータに関する。ターゲット1230での第3構造1250(第1構造1210と基本的に同様である)および第4構造1240の相対的な配置は、ターゲット1200での第1構造1210および第2構造1220の相対的な配置に類似している。
[00117] 図13bにおいて見られるように、交互配置のターゲット1200および1230のBossung型の挙動は、曲線1310および1340(ここで、曲線1340は、ターゲット1230のCoGシフトに起因する焦点に対する信号応答を表す)の類似性が示すように類似している。その一方、第4構造1240の形態は第2構造1220の形態と異なるので、非対称ライン成分1350は変化する。また、結果として得られる焦点応答曲線1360が示されている。効果的に、このことは別々の交互配置のターゲット1200、1230のBossung曲線の頂部が互いに対してずれることを意味する。そして、固有の課題は、
[00118] 図13cに示す非対称性信号1330、1350の両方(結果として得られる信号1360は、CoG信号のBossung型挙動と非対称性ライン信号の差との間の類似性に依存することになる)の差分を見つけること、および/または、
[00119] ターゲット1200、1230の両方の(多変量)フォーカス(ドーズ)モデルを作成すること、によって対処することができる。
[00120] なお、原則として、第3および第4構造は、第1および第2構造と異なり得る。原則として、第3および第4構造の配置は、第1および第2構造の配置と異なり得る。
[00121] さらに、非対称構造応答および交互配置のライン構造の配置の最適化処理を行うことによって、最良焦点オフセットをターゲット応答内に事前に選択することができる。Bossung曲線の頂部のオフセットを設計するこの方法は、上述したM3D効果を使用する方法より好ましいことであり得る。というのは、M3D効果は予測不能であり、パターンデバイスごとに、かつパターニングデバイスのパターン全体にわたって異なる可能性があるからである。
[00122] (図13cに示す)符号情報を得るこの直接的な方法は、構造の非対称性がより顕著である非EUV用途(より厚いレジスト)に対してより適用可能である。そのようなより厚いレジストの用途において、交互配置のターゲットを使用する主な理由は、パターン密度を増加させることである。最良焦点オフセットの事前選択は、図11に示す符号抽出方法を使用して、EUVにおける薄いレジスト用途において使用することができる。ただし、原則として、最良焦点オフセット方法は、最良焦点設定が最適化パラメータであるあらゆる測定に対して(したがって非EUV用途に対しても)機能する。典型的な用途は、監視型用途であり得る。製品上の用途について、最良焦点設定は、ユーザの処理によって決定され、したがってユーザ指定の条件で機能する焦点測定の解決策が考案されることが必要である。
[00123] 前述のとおり、図7bに示すDBFターゲット715は、特定の設計ルールのパターン密度要件を満たさないことがある。パターン密度を増加させるために、ターゲット設計は、ターゲット内で、ベースピッチを低減させる、またはダミーフィーチャを追加することによって変化し得る。ただし、ベースピッチを低減させることは実行可能でないと考えられる。というのは、このことによって、メトロロジツールによって使用される回折次数が現在の光学系の解像度を超えて拡大することになるからである。このことに対処するために、上述のとおり、DBF構造720間にさらなる構造(図8の第1構造810など)を設けることが提案される。ただし、非対称レジストプロファイルを生成する高解像度フィーチャ725は第1構造についてのパターニングデバイス上で利用可能な空間を限定するので、これらの第1構造を印刷することも困難である。したがって、メトロロジツールによって捕捉されたピッチでのパターンプロファイル非対称性および必要とされるパターン密度の両方を含むターゲットを印刷するための別の方法が望ましい。
[00124] したがって、第2パターニングデバイスまたは第2パターニングデバイスパターンを必要とせずに、2つの別個の露光において第2構造720および第1構造810を生成することが提案される。この方法が図14aおよび図14bに示されている。
[00125] 図14aは、パターニングデバイス1400の領域を示しており、この領域は、主製品エリア1405と、主製品エリア1405の周囲のスクライブエリア1410とを含む(理解しやすいように、スクライブエリア1410は、実際より、主製品エリア1405に対して大きく示されている)。スクライブエリア1410において、主製品エリアの一方側に、第2構造1415が存在する。また、第2構造1415’および構造1420の詳細が示されており、これらは、第2構造1415の露光に続いて、基板上に実際に印刷されることになる。スクライブエリア1410では、主製品エリア1405の他方側で第2構造1415のちょうど反対側に第1構造1425が存在する。また、第1構造1425’および構造1430の詳細が示されており、これらは、第1構造1425の露光に続いて、基板上に実際に印刷されることになる。
[00126] 図14bは、完全な構造がどのように印刷されるかを示している。この図は、基板上での露光の位置におけるパターニングデバイス1400の領域を示している。また、本露光の直前の露光についての相対的に先行する位置におけるパターニングデバイス1400’領域を(点線で)示している。製品を基板上に露光する際に、製品エリアの一方側のスクライブラインエリア1410が先行する露光の製品エリアの反対側のスクライブラインエリア1410に重なるように露光が行われる。ただし、第2構造1415および第1構造1425がパターニングデバイスパターン上の製品エリアの両側に、(y軸のみについて)互いにちょうど反対側に正確に位置決めされるのであれば、それらのエリアは、(同列上で)各露光の対の間、重なる1440。もちろん、第2構造1415および第1構造1425は、個別の構造が重なり1440のエリアにおいて交互に並ぶように位置決めされる必要があり、それによって結果として得られる印刷された構造1445は、第2構造1415および第1構造1425が交互配置された正常な形態をとる。
[00127] なお、そのような方法には図に示すような暗視野(負)露光が関連している(ここで暗いエリアはレジストを示し、結果として得られるターゲットはトレンチ型ターゲットである)。第2構造を形成するための、従来のターゲットの第1露光後に基板上で構造と構造との間に残存するレジストがないからである。
[00128] 図14aおよび図14bは、対称および非対称構造の交互配置、特に、図8(b)に示す形態の構造を示している。ただし、この方法は、本明細書に開示したあらゆるターゲット構造を印刷するために使用され得る。さらに、同一の方法を使用して他のフィーチャおよび/またはより小さいフィーチャのアレイを交互配置することも可能である。
[00129] 別の実施形態において、第1構造はダミー構造であり得る。そのような構成において、ダミー構造は、上述のようにCoGシフトを生成するために使用されず、焦点測定値は、第2構造のみの非対称性から得られる。結果として得られる印刷された構造は、そのようなダミー構造とともに、メトロロジツールの捕捉ウィンドウ内のピッチで、必要とされるパターン密度および非対称プロファイルの両方を含むことになる。ダミー構造は、任意の形態(例えば、第2構造の各対の間の非常に高い解像度を有する複数のライン)をとり得る。
[00130] パターン密度を増加させるためのこの方法を使用することはDBFメトロロジに制限されないが、パターン密度を増加させるあらゆるメトロロジフィーチャ、例えば、緩和したピッチで印刷された特定の結像効果を利用するあらゆるメトロロジフィーチャに適用することができる。原則として、第3および第4構造の配置は、第1および第2構造の配置と異なり得る。
[00131] このセクションは、最も広く解釈すると、1つ以上のパターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンを介して複合構造を印刷する方法を開示し、該方法は、
第1露光を基板上に行うことであって、第1露光は、第1パターニングデバイスまたは第1パターニングデバイスパターン上に位置付けられる第1パターニングデバイス構造から第1印刷構造を印刷することと、
第2露光を基板上に行うことであって、第2露光は第1露光に隣接し、基板上に第1露光と第2露光の重なりの領域が存在し、重なりの領域は第1印刷構造を含むことと、を含み、
第2露光は、基板上の重なりの領域において、第1パターニングデバイスまたは第1パターニングデバイスパターン上、あるいは第2パターニングデバイスまたは第2パターニングデバイスパターン上に位置付けられた第2パターニングデバイス構造から第2印刷構造を印刷し、それによって複合構造を形成することを含む。
[00132] パターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンは、製品エリアと、製品エリアの周囲にスクライブラインエリアを含んでよく、第1パターニングデバイス構造および第2パターニングデバイス構造は、パターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンのスクライブラインエリア、あるいは、別のパターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンのスクライブラインエリアに位置付けられてよい。第1パターニングデバイス構造は、スクライブラインエリアの第1側に位置付けられてよく、第2パターニングデバイス構造は、製品エリアの第1側の反対側に位置付けられてよく、第1パターニングデバイス構造は(単一の軸に対して)第2パターニングデバイス構造の正反対に位置付けられるようにする。
[00133] 製品エリアと、製品エリアの周囲にスクライブラインエリアとを備えるパターニングデバイスが開示され、パターニングデバイスは、パターニングデバイスのスクライブラインエリア内に位置付けられた第1パターニングデバイス構造と第2パターニングデバイス構造とをさらに備え、第1パターニングデバイス構造は、スクライブラインエリアの第1側に位置付けられ、第2パターニングデバイス構造は、製品エリアの第1側の反対側に位置付けられ、第1パターニングデバイス構造は(単一の軸に対して)第2パターニングデバイス構造の正反対に位置付けられるようにする。
[00134] EUVリソグラフィとの関係で実施形態を説明しているが、本明細書に記載の実施形態は、他の(例えば、より長い)波長の、例えば193nmの放射を使用するリソグラフィプロセスに適用可能である。
[00135] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[00136] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
[00137] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[00138] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光学コンポーネントを含む様々な種類の光学コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
[00139] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械読取可能命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、またはこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクまたは光学ディスク)の形態であってもよい。
[00140] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
[関連出願の相互参照]
[0001] 本出願は、2013年12月17日に出願された米国仮出願第61/917,041号および2014年2月27日に出願された米国仮出願第61/945,656号に関連し、それらは参照により全体が本明細書に組み込まれる。
[0002] 本発明は、リソグラフィ技術によるデバイスの製造等において使用可能な検査方法に関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。そのような場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるステッパ、および放射ビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるスキャナが含まれる。パターンを基板上にインプリントすることにより、パターニングデバイスから基板にパターンを転写することも可能である。
[0004] リソグラフィのプロセスを監視するために、パターン形成された基板の1つ以上のパラメータが測定される。そのようなパラメータは、例えばパターン形成された基板内または基板上に形成される連続する層と層との間のオーバーレイエラーおよび/または現像された感応性レジストの臨界のライン幅を含み得る。そのような測定は、製品基板および/または専用のメトロロジターゲットに対して行われ得る。走査電子顕微鏡および様々な他の専門ツールの使用など、リソグラフィプロセスで形成された微細構造を測定するには、様々な技術がある。専門的な検査ツールの高速かつ非侵入性の形態はスキャトロメータであり、ここでは放射ビームを基板の表面上のターゲットに誘導し、散乱または反射したビームの1つ以上の特性を測定する。基板による反射または散乱の前および後のビームの1つ以上の特性を比較することによって、基板の特性を決定することができる。これは、例えば反射ビームを、1つ以上の既知の基板特性に関連付けられた既知の測定値のライブラリに記憶されているデータと比較することによって実行することができる。主な2つのタイプのスキャトロメータが知られている。立体スキャトロメータは、広帯域ビームを基板上に誘導し、特定の狭い角度範囲に散乱した放射のスペクトル(波長の関数としての強度)を測定する。角度分解スキャトロメータは、単色放射ビームを使用し、角度の関数として散乱放射の強度を測定する。
[0005] EUVリソグラフィにおける焦点測定は、異なる焦点設定を介した基板上の較正マークの変化に基づき得る。米国特許出願第US2009−0135398号は、マークを読み出すために使用され得る位相格子アライメントセンサを開示している。該文献に開示された方法を使用して読み出される焦点較正マークのサイズは、600×600μm2である。EUVリソグラフィにおいて焦点を測定する方法は、焦点を介したマークの質の変化の検出に基づき、ドーズおよびプロセスの変動の影響を非常に受けやすい。
[0006] 焦点読出しのためにスキャトロメータを使用するために、ターゲットがターゲット領域などの顧客要件を満たすためにより小さい(例えば、40×40μm2)ことが必要である一方、メトロロジツールのビーム幅内のライン空間の数は、10周期より多い必要がある。スキャトロメータを使用する焦点測定の方法は、ターゲット(例えば、基板上の周期的構造(格子))のクリティカルディメンジョン(CD)および側壁角(SWA)の測定に基づき得る。
[0007] しかし、様々な理由により、このような回折ベースメトロロジの方法は、EUVデバイス製造プロセスに対して十分には機能しない。特に、EVUレジスト膜の厚さは、193nmの浸漬リソグラフィの該厚さ(100nm以下)と比較して著しく小さく(50nm以下)、これによってEUV基板からSWAおよび/またはCDの正確な情報を抽出することが困難となる。
[0008] EUVシステムを使用して露光された構造に対して回折ベースメトロロジの使用を可能にする方法などを提供することが望ましい。
[0009] 一態様によれば、リソグラフィプロセスに関する焦点情報を得る方法であって、少なくとも1つのターゲットを提供することであって、ターゲットは交互に並ぶ第1および第2構造を備え、第2構造の形態は、ターゲットを形成するために使用されるパターン形成ビームの焦点に依存するように焦点依存性を有し、第1構造の形態は、第2構造の焦点依存性と同一の焦点依存性を有しない、提供することと、ターゲットを照明することと、ターゲットによって散乱した放射を検出して、該ターゲットについて、ターゲットの全体的な非対称性を表す非対称性測定値を得ることであって、非対称性測定値は、ターゲットを形成する際にパターン形成ビームの焦点を示す、検出することと、を含む、方法が提供される。
[0010] 一態様によれば、ビームにパターン形成して交互に並ぶ第1および第2構造を備えるターゲットを形成するためのパターンを備えるマスクであって、マスクは、第1構造を形成する第1構造フィーチャと、第2構造を形成する第2構造フィーチャと、を備え、第2構造フィーチャは、第2構造の形態が、ターゲットを形成する際に、パターン形成ビームの焦点に依存するように焦点依存性を有するように構成され、第1構造フィーチャは、第1構造の形態が第2構造の焦点依存性と同一の焦点依存性を有しないように構成される、マスクが提供される。
[0011] 一態様によれば、交互に並ぶ第1および第2構造を有するターゲットを備える基板であって、第1構造および第2構造の両方は、低解像度サブ構造を備え、少なくとも第2構造は、1つ以上の高解像度サブ構造を備え、ターゲットの高解像度サブ構造の数および/またはサイズは、ターゲットを形成するために使用されるパターン形成ビームの焦点によって決定されている、基板が提供される。
[0012] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において、同じ参照符号は対応する部分を示す。
[0013] 図1は、リソグラフィ装置を概略的に示す。
[0014] 図2は、リソグラフィセルまたはクラスタを概略的に示す。
[0015] 図3は、第1スキャトロメータを概略的に示す。
[0016] 図4は、第2スキャトロメータを概略的に示す。
[0017] 図5は、スキャトロメータ測定値から構造を再構築する例示的なプロセスを示す。
[0018] 図6は、スキャトロメータ測定値から構造を再構築するさらなる例示的なプロセスを示す。
[0019] 図7aは、交互配置のオーバーレイターゲットを概略的に示す。
[0020] 図7bは、回折ベース焦点(DBF)測定ターゲットを概略的に示す。
[0021] 図7cは、本発明の一実施形態に係るターゲットを概略的に示す。
[0022] 図7dは、本発明のさらなる実施形態に係るターゲットを概略的に示す。
[0023] 図8は、本発明のさらなる実施形態に係る別のターゲット構成の詳細を概略的に示す。
[0024] 図9は、別々の焦点設定で露光された多数のターゲットを概略的に示す。
[0025] 図10は、(a)最良焦点および(b)所与の焦点外れ度で露光された2つのターゲットの詳細、およびスキャトロメータが結果として検出するものの近似の結果を概略的に示す。
[0026] 図11は、焦点符号情報を得る方法を示す機能を果たすy軸上の重心およびx軸上の焦点の非対称のプロットである。
[0027] 図12は、本発明の一実施形態に係る焦点符号情報を抽出するための2つのターゲット構成を示す。
[0028] 図13a〜図13bは、コンポーネント信号を含む図12に示す2つのターゲットについての、焦点(x軸)に対する非対称性信号振幅(y軸)のグラフであり、図13cは、図13a〜図13bのグラフの差分の算出を示す。
[0029] 図14Aおよび図14Bは、第2パターニングデバイスまたは第2パターニングデバイスパターンを必要としない、2つの別々の露光における構造の第1セットおよび構造の第2セットを生成する方法を示す。
[0030] 図1は、リソグラフィ装置を概略的に示している。この装置は、
[0031] 放射ビームB(例えば、UV放射またはDUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
[0032] パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構築され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
[0032] 基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
[0034] パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0035] 照明システムとしては、放射を誘導し、整形し、または制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、またはその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0036] サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式またはその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0037] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャまたはいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定の機能層に対応することになる。
[0038] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなど
のマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0039] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射にとって、あるいは液浸液の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、および静電型光学系、またはそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
[0040] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、上述の型のプログラマブルミラーアレイを採用しているもの、または反射型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0041] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上のテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブルおよび/または2つ以上のパターニングデバイステーブルおよび/または基板テーブルおよび基板を保持しないテーブル)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」マシンにおいては、追加のテーブルは並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0042] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高屈折率を有する液体(例えば水)によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。また、リソグラフィ装置内の別の空間(例えば、マスクと投影システムとの間)に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させることで当技術分野において周知である。本明細書において使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、露光中、投影システムと基板との間に液体があるということを意味するものである。
[0043] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
[0044] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するように構成されたアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含むことができる。イルミネータを使って放射ビームを調整すれば、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせることができる。
[0045] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを通り抜けた後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2次元エンコーダ、または静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPMおよび別の位置センサ(図1には明示されていない)を使って、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後またはスキャン中に、パターニングデバイスMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。通常、サポート構造MTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュールおよびショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、サポート構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。例示では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがパターニングデバイスMA上に設けられている場合、パターニングデバイスアライメントマークは、ダイとダイの間に置かれてもよい。
[0046] 例示の装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0047] 1.ステップモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
[0048] 2.スキャンモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率および像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
[0049] 3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0050] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0051] 図2に示すように、リソグラフィ装置LAは、リソセルまたはクラスタとも呼ばれることがあるリソグラフィセルLCの一部を形成する。リソグラフィセルLCは、露光前処理および露光後処理を基板に対して行う装置をさらに含む。従来、これらの装置は、レジスト層を堆積する1つ以上のスピンコータSC、露光されたレジストを現像する1つ以上のデベロッパDE、1つ以上の冷却プレートCH、および/または1つ以上のベークプレートBKを含む。基板ハンドラ、すなわちロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、他のプロセス装置間で基板を移動させ、基板をリソグラフィ装置のローディングベイLBへと搬送する。これらのデバイスはしばしばトラックと総称され、監視制御システムSCSによって制御されるトラック制御ユニットTCUの制御下にある。監視制御システムSCSは、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。このように、さまざまな装置を作動させてスループットおよび処理効率を最大化することができる。
[0052] リソグラフィ装置によって露光される基板を正確にかつ一貫して露光するために、露光された基板を検査して、後続の層と層との間のオーバーレイエラー、ライン厚さ、クリティカルディメンジョン(CD)などの特性を測定することが望ましい。エラーが検出された際、特に同じバッチの1つ以上の他の基板も引き続き露光するのに十分な程度に早急にかつ迅速に検査を実行できる場合は、後続の基板の露光に対して調整が行われ得る。また、歩留まりを改善するために既に露光された基板を取り除いて再加工し、または廃棄し、それによって、欠陥があると分かっている基板に対して露光を行うことが回避され得る。基板の一部のターゲット部分にのみ欠陥がある場合は、良好なターゲット部分に対してのみさらなる露光を行うことができる。
[0053] 基板の特性、特に異なる基板と基板との間または同じ基板の異なる層と層との間で、どのように1つ以上の特性が各層の間で異なるかを判断するために検査装置が使用される。検査装置は、リソグラフィ装置LAまたはリソセルLCに組み込まれてよく、あるいは独立型デバイスあってもよい。最も迅速な測定を可能にするために、検査装置は、露光されたレジスト層における特性を露光直後に測定することが望ましい。しかし、レジストの潜像はコントラストが非常に低く、放射に露光されたレジストの部分と露光されていない部分との間では屈折率について非常に小さい差しかなく、潜像の有用な測定を行う程度に十分な感度を全ての検査装置が有するわけではない。したがって、通常、露光された基板に対して実行される最初のステップであって、レジストの露光部分と非露光部分とのコントラストを向上させる露光後ベークステップ(PEB)の後に、測定が行われ得る。この段階で、レジスト内の像は、半潜像と呼ばれ得る。レジストの露光部分または非露光部分が除去された箇所で、またはエッチングなどのパターン転写ステップの後に、現像したレジスト像を測定することも可能である。後者が可能であることによって、欠陥のある基板を再加工する可能性が制限されるが、そうであっても有用な情報が提供され得る。
[0054] 図3は、本発明の一実施形態で使用され得るスキャトロメータを示している。これは、放射を基板W上に投影する広帯域(白色光)放射プロジェクタ2を備える。反射した放射は、スペクトロメータディテクタ4へと進み、スペクトロメータディテクタ4は、鏡面反射した放射のスペクトル10(波長の関数としての強度)を測定する。このデータから、処理ユニットPUによって、例えば、厳密結合波分析および非線形回帰によって、または、図3の下部に示すようなシミュレートされたスペクトルのライブラリとの比較によって、検出されたスペクトルを生じさせる構造またはプロファイルが再構築され得る。一般に、再構築について、構造の全体的形態は知られており、いくつかのパラメータは構造を作成したプロセスの知識から想定され、わずかな構造のパラメータのみが、スキャトロメトリデータから決定される。そのようなスキャトロメータは、垂直入射スキャトロメータまたは斜め入射スキャトロメータとして構成され得る。
[0055] 使用され得る別のスキャトロメータが、図4に示されている。このデバイスでは、放射源2によって放出された放射は、レンズシステム12を使用してコリメートされ、干渉フィルタ13および偏光器17を透過し、部分反射表面16によって反射し、望ましくは少なくとも0.9または少なくとも0.95という高い開口数(NA)を有する顕微鏡対物レンズ15を介して基板W上に集束する。液浸スキャトロメータは、開口数が1を超えるレンズを有し得る。そして、散乱スペクトルを検出するために、反射した放射は、部分反射表面16を透過してディテクタ18に入る。ディテクタは、逆投影された瞳面11に位置付けられ得る。瞳面11は、レンズシステム15の焦点距離に位置するが、瞳面は、補助光学系(図示せず)によってディテクタ上に再結像され得る。瞳面は、放射の半径方向位置が入射角を画定し、かつ、角度位置が放射の方位角を画定する面である。ディテクタは、基板ターゲット30の2次元角度散乱スペクトルを測定することができるように、2次元ディテクタであることが望ましい。ディテクタ18は、例えばCCDまたはCMOSセンサのアレイであってよく、例えば1フレーム当たり40ミリ秒という積分時間を使用し得る。
[0056] 基準ビームは、例えば入射放射の強度を測定するために使用されることが多い。このことを実行するために、放射ビームがビームスプリッタ16に入射すると、その一部が基準ビームとして基準ミラー14に向かってビームスプリッタを透過する。そして、基準ビームは同一のディテクタ18の異なる部分上に、または異なるディテクタ(図示せず)上に投影される。
[0057] 例えば405〜790nmの範囲、または200〜300nmなどのさらに低い範囲で対象波長を選択するために、干渉フィルタ13のセットが使用可能である。干渉フィルタは、様々なフィルタのセットを備えるのではなく、調整可能であり得る。干渉フィルタの代わりに、回折格子が使用されてもよい。
[0058] ディテクタ18は、1つの波長(または狭い波長範囲)の散乱放射の強度、複数の波長での別個の強度、または所与の波長範囲にわたって積分された強度を測定し得る。さらに、ディテクタは、TM(transverse magnetic)偏光放射およびTE(transverse electric)偏光放射の強度および/またはTM偏光放射とTE偏光放射との間の位相差を別個に測定し得る。
[0059] 広帯域放射源(すなわち、放射の周波数または波長、したがって色が広範囲にわたる放射源)の使用が可能であり、これによって高エタンデュが与えられ、複数の波長を混合することが可能になる。広帯域の複数の波長は、それぞれΔλの帯域幅および少なくとも2Δλの間隔(すなわち帯域幅の2倍)を有することが望ましい。いくつかの放射「源」は、例えばファイバ束を使用して分割されている拡張放射源の別々の部分とすることができる。このように、角度分解散乱スペクトルを複数の波長において並列に測定することができる。3次元スペクトル(波長および2つの異なる角度)を測定することができ、3次元スペクトルは2次元スペクトルより多くの情報を含む。このことによってより多くの情報を測定することができ、メトロロジプロセスのロバスト性が向上する。これについては、参照により全体が本明細書に組み込まれる欧州特許出願公開EP1,628,164号にさらに詳細に記載されている。
[0060] 基板W上のターゲット30は、現像後にバーが固体レジストラインで形成されるように印刷された1次元の回折格子であってよい。ターゲット30は、現像後に格子がレジスト内に固体レジストピラーまたはビアで形成されるように印刷された2次元の回折格子であってもよい。あるいは、バー、ピラー、またはビアを基板にエッチングしてよい。このパターンは、リソグラフィ投影装置、特に投影システムPSの色収差の影響を受けやすい場合があり、照明対称性およびそのような収差の存在は、印刷された格子の変化に現れる。したがって、印刷された格子のスキャトロメトリデータを使用して格子が再構築される。印刷ステップおよび/またはスキャトロメトリプロセスの知識に基づいて、ライン幅および形状などの1次元格子のパラメータ、またはピラーやビアの幅、長さ、または形状などの2次元格子のパラメータが、処理ユニットPUが行う再構築プロセスに入力され得る。
[0061] 上述のとおり、ターゲットは、基板の表面上に存在する。このターゲットは、2次元アレイにおいて、格子における一連のラインの形状や実質的に矩形の構造をとることが多い。メトロロジにおける厳密光回折理論の目的は、ターゲットから反射される回折スペクトルを計算することが有効である。言い換えれば、ターゲット形状の情報は、CD(クリティカルディメンジョン)均一性およびオーバーレイメトロロジについて得られる。オーバーレイメトロロジは、基板上の2つの層が位置合わせされているかどうかを判断するために2つのターゲットのオーバーレイを測定する測定方法である。CD均一性は、単に、リソグラフィ装置の露光システムがどのように機能しているかを判断する、スペクトルについての格子の均一性の測定値である。具体的には、CDすなわちクリティカルディメンジョンは、基板上に「書き込まれる」オブジェクトの幅であり、リソグラフィ装置が物理的に基板上に書き込むことが可能な限界である。
[0062] 上述のスキャトロメータのうちの1つをターゲット30などのターゲット構造のモデルおよびその回折特性と組み合わせて使用して、該構造の形状および他のパラメータの測定を多数の方法で行うことができる。図5に示す第1プロセスタイプにおいて、ターゲット形状(第1候補構造)の第1推定値に基づく回折パターンを計算し、観察された
回折パターンと比較する。そして、モデルのパラメータを体系的に変化させ、回折を一連の反復修正で再計算して新しい候補構造を生成し、それによって最良適合に到達する。図6に示す第2プロセスタイプにおいて、多くの異なる候補構造についての異なるスペクトルを事前に計算して回折スペクトルの「ライブラリ」を生成する。そして、測定ターゲットから観察された回折パターンを計算されたスペクトルのライブラリと比較して、最良適合を見つける。両方の方法を合わせて使用することができる。粗い適合をライブラリから得ることができ、続いて修正プロセスによって最良適合を見つける。
[0063] 図5をより詳細に参照して、ターゲット形状および/または材料特性の測定を実行する方法を簡潔に説明する。この説明について、ターゲットは、1方向(1次元構造)のみに周期性を有するものとみなす。実際には、2または3方向(2次元または3次元構造)に周期性を有してよく、それに応じて処理が適合される。
[0064] 502において、上述したようなスキャトロメータを使用して、基板上の実際のターゲットの回折パターンが測定される。測定された回折パターンは、コンピュータなどの計算システムに送られる。計算システムは、上述した処理ユニットPUでああってよく、あるいは、別の装置であってもよい。
[0065] 503において、多数のパラメータpi(p1、p2、p3等)に関して、ターゲット構造のパラメータ化されたモデルを画定する「モデルレシピ」を確立する。これらのパラメータは、例えば、1次元周期構造において、側壁の角度、フィーチャの高さや深さ、および/またはフィーチャの幅を表し得る。また、ターゲット材料および1つ以上の下方の層の1つ以上の特性は、(スキャトロメトリ放射ビームに存在する特定の波長における)屈折率などのパラメータによって表される。具体例を以下に示す。特に、ターゲット構造が、その形状および材料特性を表す数十のパラメータによって定義されてよく、モデルレシピは、固定値を有するようにこれらのパラメータの多くを定義する一方で、他のパラメータは以降のプロセスステップの目的のために可変パラメータ、すなわち「流動」パラメータである。固定パラメータと流動パラメータとの間の選択を行うプロセスは、以下に説明する。さらに、完全に独立した流動パラメータではなくパラメータを変動可能にできる方法が採用される。図5を説明する目的で、変動パラメータのみをパラメータpiとみなす。
[0066] 504において、モデルターゲット形状が、流動パラメータ(すなわち、p1(0)、p2(0)、p3(0)等)の初期値pi(0)を設定することによって推定される。各流動パラメータは、レシピにおいて定義されるように、ある所定範囲内で生成される。
[0067] 506において、例えば、RCWAなどの厳密光回折方法またはマクスウェル方程式という他の解法を用いて、推定された形状を表すパラメータを、モデルの異なる素子の1つ以上の光学特性とともに使用して、1つ以上の散乱特性を計算する。このことによって、推定されたターゲット形状の推定された回折パターンまたはモデル回折パターンが与えられる。
[0068] 508、510において、次に、測定回折パターンおよびモデル回折パターンを比較し、それらの類似点および/または相違点を使用してモデルターゲット形状の「メリット関数」を計算する。
[0069] 512において、実際のターゲット形状を正確に表す前にモデルが改善される必要があることをメリット関数が示すということを前提として、1つ以上の新しいパラメータp1(1)、p2(1)、p3(1)等が推定され、ステップ506に反復的にフィードバックされる。ステップ506〜512が繰り返される。
[0070] 検索を補助するために、ステップ506における計算は、パラメータ空間のこの特定の領域において、パラメータ増加または減少させることによってメリット関数が増加または減少するという感度を示す、メリット関数の導関数をさらに生成し得る。メリット関数の計算および導関数の使用は、当該分野で一般的に知られており、ここでは詳細に説明しない。
[0071] 514において、この反復プロセスが所望の精度で解に収束したことをメリット関数が示すと、現在の推定された1つ以上のパラメータは、実際のターゲット構造の測定値として報告される。
[0072] この反復プロセスの計算時間は、使用される前方回折モデル、すなわち、推定ターゲット構造から厳密光回折理論を用いて推定モデル回折パターンを計算することによって主として決定される。より多くのパラメータが必要とされる場合、より多くの自由度が存在する。計算時間は、原則的に、自由度の数の効果とともに増加する。506で計算された推定回折パターンまたはモデル回折パターンは、さまざまな形態で表すことができる。計算されたパターンがステップ502で生成された測定パターンと同一の形態で表される場合、比較は簡略化される。例えば、モデル化されたスペクトルは、図3の装置によって測定されたスペクトルと容易に比較することができる。また、モデル化された瞳パターンは、図4の装置によって測定された瞳パターンと容易に比較することができる。
[0073] 図5以降の説明を通じて、「回折パターン」という用語は、図4のスキャトロメータを使用するという前提に対して使用される。当業者は、該教示を、異なるタイプのスキャトロメータ、さらには他のタイプの測定装置にまで容易に適合させることができる。
[0074] 図6は、異なる推定ターゲット形状(候補構造)についての複数のモデル回折パターンを事前に計算し、実際の測定との比較のためにライブラリに保存するさらなる例示的なプロセスを示している。基礎をなす原則および用語は、図5のプロセスについてのものと同様である。図6のプロセスは、以下のとおりである。
[0075] 602において、ライブラリを生成するプロセスが開始される。ターゲット構造の各タイプについて個別のライブラリが生成され得る。ライブラリは、必要に応じて測定装置のユーザによって生成されてよく、装置の供給業者によって事前に生成されてもよい。
[0076] 603において、多数のパラメータpi(p1、p2、p3等)の数に関してターゲット構造のパラメータ化モデルを定義する「モデルレシピ」が確立される。検討事項は、反復プロセスのステップ503のものと同様である。
[0077] 604において、各々がその期待される値の範囲に収まる、パラメータの各々のランダム値を生成することなどによって、パラメータp1(0)、p2(0)、p3(0)等の第1セットが生成される。
[0078] 606において、モデル回折パターンが計算され、ライブラリに記憶され、このモデル回折パターンは、該1つ以上のパラメータによって表されるターゲット形状から予測される回折パターンを表す。
[0079] 608において、形状パラメータp1(1)、p2(1)、p3(1)等の新しいセットが生成される。ステップ606〜608は、すべての記憶されたモデル化回折パターンを含むライブラリが十分に完全であると判断されるまで、数十、数百、または数千回繰り返される。各々の記憶されたパターンは、多次元パラメータ空間のサンプル点を表す。ライブラリ内のサンプルは、任意の実際の回折パターンが十分に密に表される十分な密度でサンプル空間を生成する必要がある。
[0080] 610において、ライブラリが生成された後(その前にも可能であり得るが)、実際のターゲット30がスキャトロメータに配置され、その回折パターンが測定される。
[0081] 612において、測定パターンをライブラリに記憶された1つ以上のモデル化パターンと比較して最良の適合パターンを見つける。この比較は、ライブラリのサンプルごとに行われてよく、あるいは、より系統的な検索戦略が採用されてもよく、それによって計算負荷を低減させる。
[0082] 614において、適合が見つかると、適合ライブラリパターンを生成するために使用される推定ターゲット形状を、近似のオブジェクト構造であると判断することができる。適合サンプルに対応する1つ以上の形状パラメータは、1つ以上の測定形状パラメータとして出力される。適合プロセスは、モデル回折信号に対して直接行われてよく、あるいは、高速評価に対して最適化される代替モデルに対して行われてもよい。
[0083] 616において、任意選択的に、最近適合サンプルが始点として使用され、改良プロセスを使用して報告のための1つ以上の最終パラメータを得る。この改良プロセスは、例えば図5に示す反復プロセスと非常に類似した反復プロセスを含み得る。
[0084] 改良ステップ616を使用するかどうかという点は、実施者の選択事項である。ライブラリが非常に密集してサンプルされる場合、良好な適合が常に見つかり得るため、反復的な改良が必要とされない場合がある。他方、そのようなライブラリは、実際の用途には大きすぎる場合がある。したがって、実際的な解決策は、パラメータの粗いセットに対するライブラリ検索、それに続くメリット関数を用いる1つ以上の反復を使用して、パラメータのより正確なセットを決定することで、所望の精度でターゲット基板のパラメータのセットを報告することである。追加の反復が実行される場合、計算された回折パターンおよび関連する改良パラメータのセットを新しい項目としてライブラリに追加することは任意選択的事項であろう。このように、比較的少ない計算労力に基づくものの改良ステップ616の計算労力を用いてより大きいライブラリに構築されるライブラリを当初から使用することができる。いずれのスキームが使用されても、複数の候補構造の適合の良好性に基づいて、報告された変動パラメータのうちの1つ以上の値のさらなる改良も達成することができる。例えば、最終的に報告されるパラメータ値のセットは、2つ以上の候補構造の両方またはすべてが高い適合スコアを有するということを前提として、それらの候補構造のパラメータ値とパラメータ値との間で補間を行うことによって生成され得る。
[0085] この反復プロセスの計算時間は、ステップ506および606の前方回折モデル、すなわち、推定ターゲット形状からの厳密光回折理論を用いる推定モデル回折パターンの計算によって主として決定される。
[0086] リソグラフィを用いて形成されるフィーチャの寸法がより小さくなると、リソグラフィは、微小なICまたは他のデバイスおよび/または構造を製造することを可能にするためのより重要な要因となる。パターン印刷の限界の理論的な推定値は、式(1)に示す解像度についてのレイリー基準によって得ることができる。
ここで、λは、使用される放射の波長であり、NAは、パターンを印刷するために使用される投影システムの開口数であり、k1は、レイリー定数とも呼ばれるプロセス依存調整係数であり、CDは、印刷されたフィーチャのフィーチャサイズ(またはクリティカルディメンジョン)である。式(1)から、フィーチャの最小印刷可能サイズは、露光波長λを短くすること、開口数NAを大きくすること、またはk1の値を小さくすること、の3つの方法によって縮小することができると言える。
[0087] 露光波長を短くするため、ひいては最小印刷可能サイズを縮小するために、極端紫外線(EUV)放射を使用することが提案されている。EUV放射は、5〜20nmの範囲内、例えば、13〜14nmの範囲内の波長を有する電磁放射である。また、10nm未満、例えば、6.7nmや6.8nmなどの5〜10nmの範囲内の波長を有するEUV放射を使用できることがさらに提案されている。そのような放射は、極端紫外線または軟X線と呼ばれる。考えられる放射源としては、例えば、レーザ生成プラズマ源、放電プラズマ源、または電子蓄積リングによって提供されるシンクロトロン放射に基づく放射源が含まれる。
[0088] EUVシステムでの回折ベースメトロロジの使用を可能にする1つの実現可能な方法は、位相シフトパターニングデバイスを使用することである。そのような位相シフトパターニングデバイスは、再誘導ビームに位相シフトを形成して放射ビームをオフアクシスに偏向させるトレンチ(または他の位相シフトフィーチャ)を含む。位相シフト度(したがって偏向度)は、焦点外れ度に依存する。結果として得られるターゲットは、トレンチを有しないパターニングデバイスフィーチャを介して印刷される、したがって焦点から独立した基板上の位置で印刷される第1構造と、トレンチを有するパターニングデバイスフィーチャを介して印刷される、したがって焦点に依存する基板上の位置で印刷される第2構造と、を備え得る。このように、(第1構造に対する)第2構造の位置は、焦点に依存している。しかし、複雑で製造が困難なパターニンデバイスが必要とされる場合があるので、そのような構成は望ましくないことがある。
[0089] 本明細書で提案される測定方法は、ダブルパターニングオーバーレイ測定とともに使用される交互配置のスキャトロメータオーバーレイターゲットの変形バージョンを利用する。修正ターゲットは、この交互配置のオーバーレイターゲットと上述した焦点較正マークとの組合せである。
[0090] 図7aは、交互に並ぶ第1構造705および第2構造710を備える、交互配置のスキャトロメータオーバーレイターゲット700を示している。第1および第2構造705、710のどちらも意図的に焦点に依存しない。特にこの例では、第1および第2構造705、710の印刷されたラインの非対称性は、焦点感度を有しない。もちろん、あらゆるフィーチャ(例えば、そのプロファイルは焦点の関数として変化する)の形成においてなんらかの焦点依存性が常に存在し、それは、焦点制御がリソグラフィプロセスにおいて重要である理由であることが明確である。
[0091] 図7bは、回折ベース焦点(DBF)測定のために構成されたDBFターゲット715を示している。DBFターゲット715は、各々が高解像度のサブ構造725を含む複数のDBF構造720を含む。ベースピッチの上の高解像度のサブ構造725は、各DBF構造720についての非対称レジストプロファイルを生成し、その非対称性度は焦点に依存する。したがって、メトロロジツールは、そのようなDBFターゲット715から非対称性度を測定し、これをスキャナ焦点に変換することができる。
[0092] DBFターゲット715によって回折ベース焦点測定が可能になる一方で、それはすべての状況において使用するのに好適であるというわけではない場合がある。EUVレジスト膜の厚さは、ターゲットの一部を形成する構造の非対称プロファイルから正確な非対称性情報を抽出することを困難にする浸漬リソグラフィにおいて使用される厚さよりかなり小さい。加えて、そのような構造は、特定の製品構造に適用可能な厳密な設計要求に適合しないことがある。デバイス製造プロセス中、パターニングデバイスのパターンのすべてのフィーチャが、印刷され、以降の処理ステップに耐える必要がある。デバイス製造業者は、フィーチャ設計を制限する手段として設計ルールを使用して、印刷されたフィーチャがそれらのプロセス要件に準拠することを確実にすることを助長する。1つのそのような設計ルールは、構造の許容サイズに関する。別のそのような設計ルールは、パターン密度であり、これは、特定の範囲に収まる結果として得られるレジストパターンの密度を制限する。
[0093] 研磨および拡散ステップは欠陥の生成を回避するために一定レベルの均一性を必要とし得るので、パターン密度は、欠陥に密接に関連している。このことは、(例えば)薄層をレジストフィーチャに堆積させるスペーサプロセスにおいて重要であり、さらなるプロセスステップは、レジストエッジが以前にどこに存在していたとしてもフィーチャを小さいラインまで低減させる。スペーサプロセスの後に最低パターン密度要件を達成することは、大きいフィーチャを使用することができない場合もあることを意味し、それはレジストエッジのみが細いラインとして基板に搬送されるからである。この点、DBFターゲット715のDBF構造720は、大きすぎることがある。したがって、スペーサプロセスパターン密度を増加させるために、レジストパターンエッジの数を増加させる必要があり得る。
[0094] メトロロジフィーチャは、欠陥の原因となり得るため、これらの設計ルールに適合することも必要である。したがって、メトロロジターゲットは、メトロロジツールが波長および捕捉角の所与の制限を検出できる信号を生成可能な小さいフィーチャから構成される必要がある。DBFターゲット715について、スペーサプロセスの後に結果として得られるパターン密度は、極めて低すぎる場合がある。
[0095] 図7cは、本発明の一実施形態に係る修正ターゲット730を示している。ターゲット730は、第1構造740および第2構造750を含む。第1構造740は、焦点に依存せず、図7aの第1構造705と基本的に同様である。第2構造750は、高解像度サブ構造760および低解像度サブ構造770を含む。高解像度サブ構造760は、スキャトロメータによって個別の構造として検出されないように、200nm未満の幅を有する必要がある。様々な実施形態において、高解像度サブ構造760はすべて100nm未満、50nm未満の、または25nm未満の幅を有し得る。一実施形態において、高解像度サブ構造760および低解像度サブ構造770は、ともに同様のCDを有し得る。例えば、低解像度サブ構造770は、高解像度サブ構造760よりわずかに10〜40nm広くてよい。
[0096] サブ構造760の高解像度の効果は、ターゲット730を印刷するために使用される放射ビームが最良焦点領域に収まる場合にサブ構造760のみが基板上に印刷されるということである。最良焦点領域の外では(すなわち、ビームが焦点から外れる場合)、サブ構造760(またはそれらの一部)は印刷されない。したがって、印刷された第2構造750の形態は、放射ビームの焦点に依存する。このことは、上述した位相シフトマスクから得られるターゲットとは対照的であり、焦点に依存するのは第2構造の形態ではなく位置である。このように、位相変化のためのトレンチまたは同様なフィーチャを必要とせずに、より従来的なパターニングデバイスを使用することができる。
[0097] 第2構造750の形態変化は、スキャトロメータによって瞳非対称性として検出され得る重心(CoG)のシフトに現れ得る。CoGシフトは、プログラムされた焦点オフセット基板に対して較正することができる。基板を公知の焦点オフセットを用いて露光することによって、(スキャトロメータによって検出される)所望のターゲットの挙動を焦点の関数として較正することができる。結果は、図11の曲線1100と同様の曲線である。このように較正された曲線で、最良焦点において基板を露光することができ、測定されたスキャトロメータの応答は、曲線1100と比較することができて、基板上に各測定について焦点位置が決定される。
[0098] さらに、第2構造750の間の第1構造740の存在によって、DBFターゲット715と比較してパターン密度が増加する。
[0099] 図7dは、ともに焦点に依存する第1構造775および第2構造750を含むターゲット730’を示しており、それらの両方が高解像度サブ構造760及び低解像度サブ構造770を含む。第1構造775について低解像度サブ構造770の一方側に存在し、かつ、第2構造750について低解像度サブ構造770の反対側に存在する高解像度サブ構造760によって、第1構造775の焦点依存性は、第2構造750の焦点依存性と異なるようにされる。このように、第1構造775および第2構造750についての焦点を介したCoGシフトは、反対方向に存在することになる。
[00100] ターゲット730、730’は、多数の高解像度バーを含む高解像度サブ構造760を示しており、各高解像度バーは同様のライン幅(15〜25nmの範囲内、例えば22nm)を有し、第1構造740および低解像度サブ構造770と同一の方向に延在する。ただし、他の構成も可能である。
[00101] 図8は、第2構造750の例示的なさらなる構成の詳細を示している。それぞれの場合において、第1構造810、810’および第2構造850、850’、850’’からなる1つの例が示されている。ターゲットを形成するために、これらの構造の対が、図8(d)の例において、図7cに示すのと同様に、または図7dに示すのと同様に、数回繰り返される。
[00102] 図8(a)は、低解像度サブ構造870から遠ざかる方向に低解像度から高解像度まで高解像度サブ構造860の解像度(ライン幅)が変化する点以外は、第2構造750と同様の第2構造850を示している。このことによって、高解像度を有する高解像度サブ構造860のみが印刷されず、焦点外れ度が増加するにつれて印刷されない高解像度サブ構造860の数が増加することを低い焦点外れ度が意味するという点で、焦点を介する第2構造850の形態の変化が増加する。このことは、焦点外れ度に応じて、第2構造850がとり得る多数の別々の焦点依存の形態、したがって、第2構造850における多数の可能な重心シフトが存在することを意味する。高解像度サブ構造860のうちの最も小さいものは、リソグラフィ装置の解像度が許容するものと同程度に細くなり得る。
[00103] 一実施形態において、高解像度サブ構造860の幅は、15nmから25nmの間で変動する。高解像度サブ構造860はすべて別々のライン幅を有してよく、あるいは、同一のライン幅の隣接するサブ構造を含んでもよい。例えば、高解像度サブ構造860は、先行の段落で説明したようにライン幅が低減する順に配置され得る一方で、この構成は、同一のライン幅を有するいくつかの(例えば、2つの最も薄い)隣接する高解像度サブ構造860を含み得る。
[00104] 図8(b)は、低解像度サブ構造870の方向に垂直な方向に延在する水平サブ構造860’を含む第2構造850’を示している。第2構造850’は、図7bのDBF構造720と基本的に同一である。これらの構造は、ラインエンド(先端から先端)焦点応答を示して焦点の関数としての第2構造850’のCoGシフトを生成する。すべての水平サブ構造860’はパターニングデバイスにおいて同一のCDを有するので、ラインエンドの右側が焦点外れの関数として「プルバックする」ことで、各サブ構造860’の長さは焦点外れとともに変動し、焦点外れ度が高まるにつれて、各水平サブ構造860’は短くなる。
[00105] 用途に応じて、垂直サブ構造または水平サブ構造を設ける利点があり得る。一方または他方はプロセス変動、ドーズ変動、または特定の収差に対してより高い感度を有し得る。(焦点および収差感度に関して)実際の製品に可能な限り類似して挙動するターゲット設計を検討する場合、図7または図8に示した設計、または請求の範囲に収まる他の設計が検討され得る。
[00106] 図8(c)は、サブ構造860およびサブ構造860’の概念を基本的に組み合わせるサブ構造860’’を含む第2構造850’’を示している。第2構造850’’は、各サブ構造860’’の幅が水平方向に減少するように配置されたサブ構造860’’の2次元アレイを含む。そのような構成は、製品的収差感度を潜在的にもたらすことができる。
[00107] 図8(d)は、高解像度サブ構造880を含む第1構造810’に隣接する
図8(a)に示すものと基本的に同様の第2構造850を示している。高解像度サブ構造880は、高解像度サブ構造860と同様であるものの、反対方向に(厚いものから薄いものに対して、薄いものから厚いもの)配置される。また、低解像度サブ構造870に対する高解像度サブ構造860と比較して、高解像度サブ構造880は、低解像度サブ構造890の反対側に存在する。
[00108] 図9は、最良焦点f0で印刷された、図8(a)に示すタイプの第2構造950aを有するターゲット900と、別々の焦点外れ度で印刷され、かつ第2構造950b、950c、950dを有するターゲット910、910’、920、920’、930、930’とを示している。ターゲット900は、すべてが高解像度で印刷された高解像度サブ構造960を有する。ターゲット910および910’(各々が同一の大きさの焦点外れ度でありながら最良焦点f0に対して別々の符号を有して印刷される)は、印刷されたより少ない高解像度サブ構造960を含む第2構造950bを有する。このパターンは、ターゲット920、920’およびターゲット930、930’について繰り返され、各々の場合において、焦点外れ度が増加するにつれて、印刷される高解像度サブ構造960の数が減少する。
[00109] 図10は、(a)ターゲット900の印刷された第2構造950aと(b)ターゲット920(または920’)の印刷された第2構造950cとの間の重心シフトを示している。各々の場合において、上の図は実際の印刷されたターゲット900、920を示す一方で、下の図は実際のスキャトロメータ信号のモデル化/分析に続く、各ターゲット900、920を検査しているスキャトロメータが効果的に「認識する」(すなわち、検出する)近似の結果を示している。下の図において、第2構造950a、950cは、印刷された高解像度サブ構造960の数に依存する幅を有する効果的構造1060、1060cとしてスキャトロメータによって認識されることが分かる。図10(a)において、認識された第1効果的構造1060(対応する第1構造1040に対して参照される)の重心がxとして表記されている。図10(b)において、認識された第2効果的構造1060cの重心は、xと同等とみなすことはできない。
[00110] 重心シフトは、スキャトロメータによって、回折放射の正の回折次数と負の回折次数との間の非対称性として検出可能である。したがって、検出された非対称性は、焦点を示すものであり、その結果、非対称性を測定するスキャトロメータを用いることによって、ターゲットを印刷するために使用される焦点が決定され得る。ターゲットの非対称性は、対応する正および負の回折次数についての回折パターンに影響を及ぼすことになる。ターゲットに非対称性が存在しない場合、正および負の回折次数は、同一のスペクトルプロファイルを有することになる。正および負の回折次数のスペクトル成分の差の分析を使用してターゲットの非対称性を決定することができる。「正および負の回折次数」という語句は、1次回折次数およびより高次の回折次数のいずれかを指す。回折次数は、正でも負でもない0次数(鏡面反射)と、相補的な対で存在する、便宜的に正および負と呼ばれる高次の次数とを含む。非0次数は、高次数とも呼ぶことができる。このように、+1次数および−1次数は、正および負の次数の例であり、+2次数および−2次数、+3次数および−3次数なども同様である。このような例は、制限無しに主に+1次数および−1次数を参照して示される。
[00111] 図11は、焦点符号情報を得る方法を示す機能を果たすy軸上の重心およびx軸上の焦点の非対称のプロット1100である。図9において、印刷されたターゲット910および910’は区別がつかず、ターゲット920および920’そしてターゲット930および930’も同様であることが分かる。各対について、焦点外れの大きさは同一であるが、符号は異なる。この固有の問題は、焦点符号情報の抽出方法が望ましいことを意味している。該方法は、すべての焦点値がプロット1100のピークの一方側に存在するように、基板を公知のオフセットを用いて意図的にオフフォーカスで露光することを含む。例えば、公知の焦点オフセットは、すべての測定された焦点値が領域1110内に存在することを意味することになる。そして、公知の焦点オフセットは、測定された焦点値から取り除かれて正しい符号を有する実際の焦点値を得ることができる。
[00112] 提案した方法は、較正プロセスと、それに続く監視および制御プロセスとを含み得る。較正プロセスは、焦点露光マトリクス(FEM)基板を露光することと、焦点の関数としてのより高次の非対称性を測定することとを含んで焦点較正曲線を計算する。FEM基板は、スキャトロメータ用の較正基板として使用され得る。当該技術分野において知られているように、FEM基板は、焦点と露光オフセットとの複数の組合せを用いてパターンが露光されたフォトレジストで被覆されている基板を含む。監視および制御プロセスは(上述のように符号情報を得るように)、監視基板をオフフォーカスで露光することと、より高次の非対称性を測定することとを含み得る。そして、この測定された高次の非対称性は、較正プロセス中に計算された焦点較正曲線を使用して焦点に変換することができる。
[00113] 監視基板から構成曲線を決定するために、プログラム化された焦点オフセット(例えば、Rx傾斜)を用いて多数のフィールドが露光され得る。このことによって処理依存性が低減する。
[00114] 監視基板をオフフォーカスに露光する必要性に起因して、該方法は、製品上でない測定により容易に適用可能である。意図的にオフフォーカスでありながら製品上で露光することは明らかに望ましくない。しかし、該方法は、3次元マスク(M3D)効果を利用するパターニングデバイストポグラフィを有するターゲット設計を提供することによって、製品上の焦点制御に適合され得る。マスクパターニングデバイスは、露光中、製品構造が焦点に収まるように形成され、ターゲットが焦点オフセットを用いて焦点から外れるように形成されるようなものであり得る。そのようなマスクパターニングデバイスは、最良焦点で露光された製品フィーチャに対して、M3Dフィーチャ(散乱バーなど)を含んで、ターゲットに対するM3D由来の最良焦点オフセットを生成し得る。一実施形態において、M3Dフィーチャは、先行の実施形態の高解像度サブ構造を含み得る。そして、M3D効果から生じる最良焦点オフセットを考慮して、すでに説明した態様と同様の態様で、焦点依存のM3Dフィーチャを有するこれらのターゲットを測定し、焦点を決定することができる。
[00115] 図12および図13は、符号情報を得るためのさらなる方法を示している。この方法を理解するために、上述した交互配置のターゲットの焦点応答が、実際に、印刷された非対称性ライン応答(焦点の関数としてほぼ線形である)と交互配置のターゲット設計との組合せ(2つの構造の母体の間の重心(CoG)の差)であることを理解されたい。このことは、図12(a)および図13aによって示されている。図12(a)は、特に図8(b)との関連で、すでに述べたとおり交互配置のターゲット設計1200である(ただしこの概念は本明細書で説明する他の交互配置のターゲット設計のいずれにも適用可能である)。ターゲット1200は、第1構造1210および第2構造1220を含む。第1構造は、例えば、本明細書で開示するあらゆる形態をとり得る。第2構造1220は、DBF構造720(図7b)または図8(b)の第2構造870と同様なものとしてここで示されている。図13aの曲線1330は、焦点(x軸)を介する、結果として得られる信号応答(y軸)である。この曲線1330は、ターゲット1200のCoGシフトに起因する焦点に対する信号応答を表す曲線1310と、第2構造1220の非対称性に起因する焦点に対する信号応答を表すライン1320との合計である。
[00116] 複数の(交互配置の)ターゲットの信号を合成することによって、ターゲット1200の符号の問題を解決することが提案される。対称のラインセグメントの配置を非対称のラインと等しく維持しつつ、例えば非対称のラインの設計特性を変更することによって、固有の問題に対処することができる。そのようなターゲット1230が図12(b)に示されている。ターゲットは、第2構造1220と形態が異なる第4構造1240を含むが、同様の基本設計を有し、その違いは、高解像度フィーチャのライン幅および/または長さなどのパラメータに関する。ターゲット1230での第3構造1250(第1構造1210と基本的に同様である)および第4構造1240の相対的な配置は、ターゲット1200での第1構造1210および第2構造1220の相対的な配置に類似している。
[00117] 図13bにおいて見られるように、交互配置のターゲット1200および1230のBossung型の挙動は、曲線1310および1340(ここで、曲線1340は、ターゲット1230のCoGシフトに起因する焦点に対する信号応答を表す)の類似性が示すように類似している。その一方、第4構造1240の形態は第2構造1220の形態と異なるので、非対称ライン成分1350は変化する。また、結果として得られる焦点応答曲線1360が示されている。効果的に、このことは別々の交互配置のターゲット1200、1230のBossung曲線の頂部が互いに対してずれることを意味する。そして、固有の課題は、
[00118] 図13cに示す非対称性信号1330、1350の両方(結果として得られ
る信号1360は、CoG信号のBossung型挙動と非対称性ライン信号の差との間の類似
性に依存することになる)の差分を見つけること、および/または、
[00119] ターゲット1200、1230の両方の(多変量)フォーカス(ドーズ)モデルを作成すること、によって対処することができる。
[00120] なお、原則として、第3および第4構造は、第1および第2構造と異なり得る。原則として、第3および第4構造の配置は、第1および第2構造の配置と異なり得る。
[00121] さらに、非対称構造応答および交互配置のライン構造の配置の最適化処理を行うことによって、最良焦点オフセットをターゲット応答内に事前に選択することができる。Bossung曲線の頂部のオフセットを設計するこの方法は、上述したM3D効果を使用する方法より好ましいことであり得る。というのは、M3D効果は予測不能であり、パターンデバイスごとに、かつパターニングデバイスのパターン全体にわたって異なる可能性があるからである。
[00122] (図13cに示す)符号情報を得るこの直接的な方法は、構造の非対称性がより顕著である非EUV用途(より厚いレジスト)に対してより適用可能である。そのようなより厚いレジストの用途において、交互配置のターゲットを使用する主な理由は、パターン密度を増加させることである。最良焦点オフセットの事前選択は、図11に示す符号抽出方法を使用して、EUVにおける薄いレジスト用途において使用することができる。ただし、原則として、最良焦点オフセット方法は、最良焦点設定が最適化パラメータであるあらゆる測定に対して(したがって非EUV用途に対しても)機能する。典型的な用途は、監視型用途であり得る。製品上の用途について、最良焦点設定は、ユーザの処理によって決定され、したがってユーザ指定の条件で機能する焦点測定の解決策が考案されることが必要である。
[00123] 前述のとおり、図7bに示すDBFターゲット715は、特定の設計ルールのパターン密度要件を満たさないことがある。パターン密度を増加させるために、ターゲット設計は、ターゲット内で、ベースピッチを低減させる、またはダミーフィーチャを追加することによって変化し得る。ただし、ベースピッチを低減させることは実行可能でないと考えられる。というのは、このことによって、メトロロジツールによって使用される回折次数が現在の光学系の解像度を超えて拡大することになるからである。このことに対処するために、上述のとおり、DBF構造720間にさらなる構造(図8の第1構造810など)を設けることが提案される。ただし、非対称レジストプロファイルを生成する高解像度フィーチャ725は第1構造についてのパターニングデバイス上で利用可能な空間を限定するので、これらの第1構造を印刷することも困難である。したがって、メトロロジツールによって捕捉されたピッチでのパターンプロファイル非対称性および必要とされるパターン密度の両方を含むターゲットを印刷するための別の方法が望ましい。
[00124] したがって、第2パターニングデバイスまたは第2パターニングデバイスパターンを必要とせずに、2つの別個の露光において第2構造720および第1構造810を生成することが提案される。この方法が図14aおよび図14bに示されている。
[00125] 図14aは、パターニングデバイス1400の領域を示しており、この領域は、主製品エリア1405と、主製品エリア1405の周囲のスクライブエリア1410とを含む(理解しやすいように、スクライブエリア1410は、実際より、主製品エリア1405に対して大きく示されている)。スクライブエリア1410において、主製品エリアの一方側に、第2構造1415が存在する。また、第2構造1415’および構造1420の詳細が示されており、これらは、第2構造1415の露光に続いて、基板上に実際に印刷されることになる。スクライブエリア1410では、主製品エリア1405の他方側で第2構造1415のちょうど反対側に第1構造1425が存在する。また、第1構造1425’および構造1430の詳細が示されており、これらは、第1構造1425の露光に続いて、基板上に実際に印刷されることになる。
[00126] 図14bは、完全な構造がどのように印刷されるかを示している。この図は、基板上での露光の位置におけるパターニングデバイス1400の領域を示している。また、本露光の直前の露光についての相対的に先行する位置におけるパターニングデバイス1400’領域を(点線で)示している。製品を基板上に露光する際に、製品エリアの一方側のスクライブラインエリア1410が先行する露光の製品エリアの反対側のスクライブラインエリア1410に重なるように露光が行われる。ただし、第2構造1415および第1構造1425がパターニングデバイスパターン上の製品エリアの両側に、(y軸のみについて)互いにちょうど反対側に正確に位置決めされるのであれば、それらのエリアは、(同列上で)各露光の対の間、重なる1440。もちろん、第2構造1415および第1構造1425は、個別の構造が重なり1440のエリアにおいて交互に並ぶように位置決めされる必要があり、それによって結果として得られる印刷された構造1445は、第2構造1415および第1構造1425が交互配置された正常な形態をとる。
[00127] なお、そのような方法には図に示すような暗視野(負)露光が関連している(ここで暗いエリアはレジストを示し、結果として得られるターゲットはトレンチ型ターゲットである)。第2構造を形成するための、従来のターゲットの第1露光後に基板上で構造と構造との間に残存するレジストがないからである。
[00128] 図14aおよび図14bは、対称および非対称構造の交互配置、特に、図8(b)に示す形態の構造を示している。ただし、この方法は、本明細書に開示したあらゆるターゲット構造を印刷するために使用され得る。さらに、同一の方法を使用して他のフィーチャおよび/またはより小さいフィーチャのアレイを交互配置することも可能である。
[00129] 別の実施形態において、第1構造はダミー構造であり得る。そのような構成において、ダミー構造は、上述のようにCoGシフトを生成するために使用されず、焦点測定値は、第2構造のみの非対称性から得られる。結果として得られる印刷された構造は、そのようなダミー構造とともに、メトロロジツールの捕捉ウィンドウ内のピッチで、必要とされるパターン密度および非対称プロファイルの両方を含むことになる。ダミー構造は、任意の形態(例えば、第2構造の各対の間の非常に高い解像度を有する複数のライン)をとり得る。
[00130] パターン密度を増加させるためのこの方法を使用することはDBFメトロロジに制限されないが、パターン密度を増加させるあらゆるメトロロジフィーチャ、例えば、緩和したピッチで印刷された特定の結像効果を利用するあらゆるメトロロジフィーチャに適用することができる。原則として、第3および第4構造の配置は、第1および第2構造の配置と異なり得る。
[00131] このセクションは、最も広く解釈すると、1つ以上のパターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンを介して複合構造を印刷する方法を開示し、該方法は、
第1露光を基板上に行うことであって、第1露光は、第1パターニングデバイスまたは第1パターニングデバイスパターン上に位置付けられる第1パターニングデバイス構造から第1印刷構造を印刷することと、
第2露光を基板上に行うことであって、第2露光は第1露光に隣接し、基板上に第1露光と第2露光の重なりの領域が存在し、重なりの領域は第1印刷構造を含むことと、を含み、
第2露光は、基板上の重なりの領域において、第1パターニングデバイスまたは第1パターニングデバイスパターン上、あるいは第2パターニングデバイスまたは第2パターニングデバイスパターン上に位置付けられた第2パターニングデバイス構造から第2印刷構造を印刷し、それによって複合構造を形成することを含む。
[00132] パターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンは、製品エリアと、製品エリアの周囲にスクライブラインエリアを含んでよく、第1パターニングデバイス構造および第2パターニングデバイス構造は、パターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンのスクライブラインエリア、あるいは、別のパターニングデバイスまたはパターニングデバイスパターンのスクライブラインエリアに位置付けられてよい。第1パターニングデバイス構造は、スクライブラインエリアの第1側に位置付けられてよく、第2パターニングデバイス構造は、製品エリアの第1側の反対側に位置付けられてよく、第1パターニングデバイス構造は(単一の軸に対して)第2パターニングデバイス構造の正反対に位置付けられるようにする。
[00133] 製品エリアと、製品エリアの周囲にスクライブラインエリアとを備えるパターニングデバイスが開示され、パターニングデバイスは、パターニングデバイスのスクライブラインエリア内に位置付けられた第1パターニングデバイス構造と第2パターニングデバイス構造とをさらに備え、第1パターニングデバイス構造は、スクライブラインエリアの第1側に位置付けられ、第2パターニングデバイス構造は、製品エリアの第1側の反対側に位置付けられ、第1パターニングデバイス構造は(単一の軸に対して)第2パターニングデバイス構造の正反対に位置付けられるようにする。
[00134] さらなる実施形態は、以降の番号が付けられた条項において開示される:
1. リソグラフィプロセスに関する焦点情報を得る方法であって、
第1ターゲットを照明することであって、前記第1ターゲットは交互に並ぶ第1および第2構造を備え、前記第2構造の形態は、前記第1ターゲットを形成するために使用されるパターン形成ビームの焦点に依存するように焦点依存性を有し、前記第1構造の形態は、前記第2構造の焦点依存性と同一の焦点依存性を有しない、照明することと、
前記第1ターゲットによって散乱した放射を検出して、前記第1ターゲットについて、前記第1ターゲットの全体的な非対称性を表す非対称性測定値を得ることであって、前記非対称性測定値は、前記第1ターゲットを形成する際に前記パターン形成ビームの焦点を示す、検出することと、を含む、
方法。
2. 前記第1構造の前記形態は、前記第1ターゲットを形成する際に前記パターン形成ビームの焦点に対して故意の依存性を有しない、条項1に記載の方法。
3. 前記第1構造の前記形態は、前記第1ターゲットを形成する際に前記パターン形成ビームの焦点に対して依存性を有し、前記焦点依存性は、前記第2構造の前記焦点依存性と異なる、条項1に記載の方法。
4. 前記焦点依存性は、焦点シフトが反対方向に存在する前記第1構造および前記第2構造の重心のシフトを引き起こすように、前記第1および第2構造について異なる、条項3に記載の方法。
5. 前記パターン形成ビームを生成するためにパターニングデバイスが使用され、前記パターニングデバイスは、前記第1構造を形成する第1構造フィーチャと前記第2構造を形成する第2構造フィーチャとを備え、
前記第1構造フィーチャおよび前記第2構造フィーチャの両方は、低解像度サブ構造を形成する低解像度サブ構造フィーチャを備え、
前記第2構造フィーチャおよび、前記第1構造の前記形態が焦点依存性を有する場合、前記第1構造フィーチャは、前記第1ターゲットの高解像度サブ構造の数および/またはサイズが第1ターゲットを形成する際に前記パターン形成ビームの焦点に依存するように、高解像度サブ構造を形成する高解像度サブ構造フィーチャを備える、条項2乃至4のいずれかに記載の方法。
6. 前記低解像度サブ構造のライン幅は、前記高解像度サブ構造のライン幅より10nm〜50nm大きい、条項5に記載の方法。
7. 前記高解像度サブ構造は、前記低解像度サブ構造の方向に垂直な方向に延在する複数の矩形の高解像度サブ構造を含む、条項5または条項6に記載の方法。
8. 前記高解像度サブ構造は、前記低解像度サブ構造に平行に配置された複数の矩形の高解像度サブ構造を含む、条項5または条項6に記載の方法。
9. 前記高解像度サブ構造は、高解像度サブ構造の2次元アレイを含む、条項5または条項6に記載の方法。
10. 前記高解像度サブ構造は、別々のライン幅を有する高解像度サブ構造を含む、条項5乃至9のいずれかに記載の方法。
11. 前記高解像度サブ構造は、前記低解像度サブ構造からライン幅が減少する順に配置される、条項10に記載の方法。
12. 前記高解像度サブ構造の各々は、50nm未満のライン幅を有する、条項5乃至11のいずれかに記載の方法。
13. 前記パターニングデバイスは、前記第1ターゲットが前記パターニングデバイス上の製品フィーチャについての最良焦点からオフセットされる最良焦点で形成されるように、3次元マスク効果を生じさせるマスク効果フィーチャを備える、条項5乃至12のいずれかに記載の方法。
14. 前記マスク効果フィーチャは、前記高解像度サブ構造のうちの1つ以上を備える、条項13に記載の方法。
15. 前記第1ターゲットは、前記非対称性測定値が前記第1構造と前記第2構造との間の重心シフトから得られる第1非対称性成分と、前記第2構造のプロファイルの非対称性から得られる第2非対称性成分とを備えるように構成され、前記第1ターゲットは、前記パターニングデバイス上の製品フィーチャについての最良焦点からオフセットされる最良焦点で形成され、前記最良焦点オフセットは、前記第2非対称性成分から得られる、条項5乃至12のいずれかに記載の方法。
16. 前記第2構造プロファイルの変化および前記第1構造および前記第2構造の相対的な配置を介して前記最良焦点オフセットを最適化することをさらに含む、条項15に記載の方法。
17. 少なくとも第2ターゲットを照明することをさらに含み、前記第2ターゲットは、第3および第4構造を備え、前記第4構造は、前記第2構造と異なる少なくとも1つのパラメータを有する、条項1乃至16のいずれかに記載の方法。
18. 前記第2ターゲットでの前記第4構造に対する前記第3構造の配置は、前記第1ターゲットでの前記第2構造に対する前記第1構造の配置に類似している、条項17に記載の方法。
19. 前記第2ターゲットによって散乱した放射を検出して、前記第2ターゲットについて、第2非対称性測定値を得ることと、
前記第2非対称性測定値と前記第1ターゲットに由来する前記非対称性測定値の差を決定することと、
前記差を使用して焦点決定の符号を決定することと、をさらに含む、条項17または条項18に記載の方法。
20. 前記第1および第2ターゲットの多変量焦点モデルを構築することと、
前記モデルを使用して焦点決定の符号および/または値を決定することと、をさらに含む、条項17または条項18に記載の方法。
21. 少なくとも2つの露光において前記第1ターゲットを形成することをさらに含み、前記形成することは、
第1露光を基板に対して実行することであって、前記第1露光は、前記第1構造または前記第2構造を形成する、実行することと、
第2露光を前記基板上に実行することであって、前記第2露光は前記第1露光に隣接し、前記基板上に前記第1露光と前記第2露光の重なりの領域が存在し、前記重なりの領域は前記形成された第1構造または形成された第2構造を備える、実行することと、を含み、
前記第2露光は、前記基板上の前記重なりの領域に、前記第1構造または前記第2構造の他方を形成することを含み、それによって前記第1ターゲットを形成する、条項5乃至20のいずれかに記載の方法。
22. 前記第1および第2構造は、フォトレジストにトレンチを備える、条項21に記載の方法。
23. 前記パターニングデバイスは、製品エリアと、前記製品エリアの周囲にスクライブラインエリアとを備え、前記第1構造フィーチャおよび前記第2構造フィーチャは、前記スクライブラインエリアに位置付けられる、条項21または条項22に記載の方法。
24. 前記第1構造フィーチャは、前記スクライブラインエリアの第1側に位置付けられ、かつ、前記第2構造フィーチャは、前記製品エリアの前記第1側の反対側に位置付けられ、前記第1構造フィーチャは、単一の軸に対して前記第2構造フィーチャの正反対に位置付けられるようにする、条項23に記載の方法。
25. 前記非対称性測定値を使用して、前記ターゲットを形成するために使用される前記パターン形成ビームの焦点を決定することをさらに含む、条項1乃至24のいずれかに記載の方法。
26. 較正プロセスと監視および制御プロセスとを実行することをさらに含む、条項1乃至25のいずれかに記載の方法。
27. 該方法は、前記較正プロセス中、前記パターン形成ビームを使用して、焦点および露光オフセットの複数の組合せを用いて較正基板を露光することによって前記第1ターゲットを形成することを含み、前記照明することおよび検出することは、前記較正基板に対して実行され、かつ、焦点の関数として複数の前記非対称性測定値を得ることを含み、該方法は、前記複数の前記非対称性測定値および対応する焦点オフセットから焦点較正曲線を計算することをさらに含む、条項26に記載の方法。
28. 該方法は、前記監視および制御プロセス中、前記パターン形成ビームを使用して、監視基板を露光することによって前記第1ターゲットを形成することを含み、前記照明することおよび検出することは、前記監視基板に対して実行され、該方法は、前記焦点較正曲線を使用して前記非対称性測定値を焦点測定値に変換することをさらに含む、条項27に記載の方法。
29. 前記監視基板は、前記焦点測定値のすべてが前記焦点較正曲線のピークの一方側に存在する程度に十分な故意の焦点オフセットを用いて露光され、該方法は、前記焦点較正曲線を用いて得られた前記焦点測定値と前記故意の焦点オフセットの差として、実際の焦点測定値を計算することをさらに含む、条項28に記載の方法。
30. 前記焦点測定値は、後続のリソグラフィプロセス中、焦点設定を最適化するために使用される、条項28または条項29に記載の方法。
31. 前記非対称性測定値は、検出された正および負の高次の回折次数の差を計算することを含む、条項1乃至30のいずれかに記載の方法。
32. 前記パターン形成ビームは、5nm〜20nmの範囲内の波長を有する、条項1乃至31のいずれかに記載の方法。
33. パターン形成ビームを使用して、リソグラフィプロセスの一部として前記ターゲットを形成することをさらに含む、条項1乃至32のいずれかに記載の方法。
34. ビームにパターン形成して交互に並ぶ第1および第2構造を備える第1ターゲットを形成するための第1パターンを備えるパターニングデバイスであって、該パターニングデバイスは、
前記第1構造を形成する第1構造フィーチャと、
前記第2構造を形成する第2構造フィーチャと、を備え、
前記第2構造フィーチャは、前記第2構造の形態が、前記第1ターゲットを形成する際に、前記パターン形成ビームの焦点に依存するように焦点依存性を有するように構成され、前記第1構造フィーチャは、前記第1構造の形態が前記第2構造の焦点依存性と同一の焦点依存性を有しないように構成される、パターニングデバイス。
35. 前記第1構造フィーチャは、前記第1構造の前記形態が、前記第1ターゲットを形成する際に、前記パターン形成ビームの焦点に対して故意の依存性を有しないように構成される、条項34に記載のパターニングデバイス。
36. 前記第1構造は、前記第1構造の前記形態が、前記第1ターゲットを形成する際に、前記パターン形成ビームの焦点に対して依存性を有し、前記焦点依存性は、前記第2構造の前記焦点依存性と異なる、条項34に記載のパターニングデバイス。
37. 前記第1構造フィーチャは、焦点シフトが反対方向に存在する前記第1構造および前記第2構造の重心シフトを生じさせるように、前記第1および第2構造について前記焦点依存性が異なるように構成される、条項36に記載のパターニングデバイス。
38. 前記第1構造フィーチャおよび前記第2構造フィーチャの両方は、低解像度サブ構造を形成する低解像度サブ構造フィーチャを備え、
前記第2構造フィーチャおよび、前記第1構造の前記形態が焦点依存性を有する場合、前記第1構造フィーチャは、前記第1ターゲットの高解像度サブ構造の数および/またはサイズが第1ターゲットを形成する際に前記パターン形成ビームの焦点に依存するように、高解像度サブ構造を形成する高解像度サブ構造フィーチャを備える、条項35乃至37のいずれかに記載のパターニングデバイス。
39. 前記高解像度サブ構造フィーチャは、前記低解像度サブ構造フィーチャの方向に垂直な方向に延在する複数の矩形の高解像度サブ構造フィーチャを含む、条項38に記載のパターニングデバイス。
40. 前記高解像度サブ構造フィーチャは、前記低解像度サブ構造フィーチャに平行に配置された複数の矩形の高解像度サブ構造フィーチャを含む、条項38に記載のパターニングデバイス。
41. 前記高解像度サブ構造フィーチャは、高解像度サブ構造フィーチャの2次元アレイを含む、条項38に記載のパターニングデバイス。
42. 前記複数の高解像度サブ構造フィーチャは、別々のライン幅を有する高解像度サブ構造フィーチャを含む、条項38乃至41のいずれかに記載のパターニングデバイス。
43. 前記複数の高解像度サブ構造フィーチャは、前記低解像度サブ構造フィーチャからライン幅が減少する順に配置される、条項42に記載のパターニングデバイス。
44. 前記高解像度サブ構造フィーチャの各々は、50nm未満のライン幅を有する、条項38乃至43のいずれかに記載のパターニングデバイス。
45. 製品フィーチャとマスク効果フィーチャとを備え、前記マスク効果フィーチャは、前記第1ターゲットが前記製品フィーチャについての最良焦点からオフセットされる最良焦点で形成されるように3次元マスク効果を生じさせる、条項38乃至44のいずれかに記載のパターニングデバイス。
46. 前記マスク効果フィーチャは、前記高解像度サブ構造のうちの1つ以上を備える、条項45に記載のパターニングデバイス。
47. リソグラフィプロセスに従ってビームにパターン形成して前記第1ターゲットを形成するように動作可能である、条項38乃至46のいずれかに記載のパターニングデバイス。
48. 前記パターニングデバイスは、製品エリアと、前記製品エリアの周囲にスクライブラインエリアとを備え、前記第1構造フィーチャおよび前記第2構造フィーチャは、前記スクライブラインエリアに位置付けられ、前記第1構造フィーチャは、前記スクライブラインエリアの第1側に位置付けられ、かつ、前記第2構造フィーチャは、前記製品エリアの前記第1側の反対側に位置付けられ、前記第1構造フィーチャは、単一の軸に対して前記第2構造フィーチャの正反対に位置付けられるようにする、条項38乃至47のいずれかに記載のパターニングデバイス。
49. 前記パターニングデバイスは、ビームにパターン形成して第2ターゲットを形成するための第2パターンを備え、前記第2パターンは、第3および第4構造フィーチャを備え、前記第4構造フィーチャは、前記第2構造フィーチャと異なる少なくとも1つのパラメータを有する、条項48に記載のパターニングデバイス。
50. 前記第2パターンでの前記第4構造フィーチャに対する前記第3構造フィーチャの配置は、前記第1パターンでの前記第2構造フィーチャに対する前記第1構造フィーチャの配置に類似している、条項49に記載のパターニングデバイス。
51. 交互に並ぶ第1および第2構造を有する第1ターゲットを備える基板であって、
前記第1構造および前記第2構造の両方は、低解像度サブ構造を備え、
少なくとも前記第2構造は、高解像度サブ構造を備え、前記第1ターゲットの高解像度サブ構造の数および/またはサイズは、前記第1ターゲットを形成するために使用されるパターン形成ビームの焦点によって決定されている、基板。
52. 前記高解像度サブ構造は、前記低解像度サブ構造の方向に垂直な方向に延在する複数の矩形の高解像度サブ構造を備える、条項51に記載の基板。
53. 前記高解像度サブ構造は、前記低解像度サブ構造に平行に配置された複数の矩形の高解像度サブ構造を備える、条項51に記載の基板。
54. 前記高解像度サブ構造は、高解像度サブ構造の2次元アレイを備える、条項51に記載の基板。
55. 前記高解像度サブ構造は、別々のライン幅を有する高解像度サブ構造を備える、条項51乃至54のいずれかに記載の基板。
56. 前記高解像度サブ構造は、前記低解像度サブ構造からライン幅が減少する順に配置される、条項55に記載の基板。
57. 前記高解像度サブ構造の各々は、50nm未満のライン幅を有する、条項41乃至56のいずれかに記載の基板。
58. 前記第1ターゲットは、条項34乃至50のいずれかに記載のパターニングデバイスを使用して形成される、条項51乃至57のいずれかに記載の基板。
59. 前記リソグラフィプロセスを監視する監視基板を備える、条項41乃至58のいずれかに記載の基板。
60. 少なくとも第2ターゲットをさらに備え、前記第2ターゲットは、第3および第4構造を備え、前記第4構造は、前記第2構造と異なる少なくとも1つのパラメータを有する、条項51乃至59のいずれかに記載の基板。
61. 前記第2ターゲットでの前記第4構造に対する前記第3構造の配置は、前記第1ターゲットでの前記第2構造に対する前記第1構造の配置に類似している、条項60に記載の基板。
62. 条項1乃至33のいずれかに記載の方法を実行するように動作可能であるリソグラフィ装置。
63. 条項1乃至33のいずれかに記載の方法を表す機械読取可能命令のシーケンスを備えるコンピュータプログラム。
[00135] 64. 条項63に記載のコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体。
[00136] EUVリソグラフィとの関係で実施形態を説明しているが、本明細書に記載の実施形態は、他の(例えば、より長い)波長の、例えば193nmの放射を使用するリソグラフィプロセスに適用可能である。
[00137] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジツール、および/またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[00138] 光リソグラフィの関連での本発明の実施形態の使用について上述のとおり具体的な言及がなされたが、当然のことながら、本発明は、他の用途、例えば、インプリントリソグラフィに使われてもよく、さらに状況が許すのであれば、光リソグラフィに限定されることはない。インプリントリソグラフィにおいては、パターニングデバイス内のトポグラフィによって、基板上に創出されるパターンが定義される。パターニングデバイスのトポグラフィは、基板に供給されたレジスト層の中にプレス加工され、基板上では、電磁放射、熱、圧力、またはそれらの組合せによってレジストは硬化される。パターニングデバイスは、レジストが硬化した後、レジスト内にパターンを残してレジストの外へ移動される。
[00139] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長、またはおよそこれらの値の波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[00140] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、および静電型光学コンポーネントを含む様々な種類の光学コンポーネントのいずれか1つまたはこれらの組合せを指すことができる。
[00141] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。例えば、本発明は、上記に開示した方法を表す1つ以上の機械読取可能命令のシーケンスを含むコンピュータプログラムの形態、またはこのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記憶媒体(例えば、半導体メモリ、磁気ディスクまたは光学ディスク)の形態であってもよい。
[00142] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。