JP2018138682A - 粘着テープ - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1及び2には、ダイシング用粘着テープに用いる紫外線硬化型アクリル粘着剤が開示されている。これらの紫外線硬化型アクリル粘着剤は、主鎖の末端又は側鎖に紫外線硬化が可能な不飽和結合を有しており、紫外線の照射により架橋反応を起こして硬化し、粘着力が低下する。特許文献1及び2では、半導体ウエハを加工している間は強力な粘着力でダイシング用粘着テープにより半導体ウエハを固定し、加工後に紫外線を照射してダイシング用粘着テープを剥離し、加工された半導体ウエハ又は半導体チップを得ている。
以下、本発明を詳述する。
しかしながら、フリーラジカル重合は、分子量及び分子量分布、共重合体組成等を充分に制御できず、低分子量成分が生成したり、共重合の場合であってもホモポリマーが生成したりするという欠点がある。本発明者らは、このような低分子量成分又はホモポリマーが糊残りの原因となっていると考えた。また、本発明者らは、フリーラジカル重合ポリマーにおいては、紫外線硬化が可能な重合性基を導入するための反応点となる官能基を有する(メタ)アクリルモノマーが、各ポリマー分子に均一に共重合されていないために、粘着剤層の紫外線硬化性が阻害され、糊残りが発生することを見出した。そこで、本発明者らは、フリーラジカル重合ではなく「リビングラジカル重合」により得られたポリマー(本明細書中「リビングラジカル重合ポリマー」ともいう)を用いることを検討した。
本発明者らは、特定範囲の分子量分布(Mw/Mn)のリビングラジカル重合ポリマーの側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基を導入した(メタ)アクリルポリマーを用いることにより、糊残りを低減しつつ被着体から容易に剥離することができる粘着テープが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。糊残りを低減できる理由としては、リビングラジカル重合によれば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、アミド基等の官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させることで、これらのモノマーを各ポリマー分子に均一に共重合させることができ、上記官能基を反応点として紫外線硬化が可能な重合性基を均一に導入することができるため、粘着剤層の紫外線硬化性を高め、被着体から剥離するときに粘着力を充分に低下させることができる点が挙げられる。
上記粘着剤層が上記リビングラジカル重合ポリマーの側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基を導入した(メタ)アクリルポリマーを含有することにより、本発明の粘着テープは、被着体から剥離するときに紫外線照射されるまでは、剥がれにくいものとなる。一方、本発明の粘着テープは、被着体から剥離するときには紫外線の照射により上記粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに架橋反応を起こして硬化し、粘着力が大きく低下し、糊残りを低減しつつ被着体から容易に剥離することができる。糊残りを低減できる理由としては、リビングラジカル重合によれば、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、アミド基等の官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させることで、これらのモノマーを各ポリマー分子に均一に共重合させることができ、上記官能基を反応点として紫外線硬化が可能な重合性基を均一に導入することができるため、粘着剤層の紫外線硬化性を高め、被着体から剥離するときに粘着力を充分に低下させることができる点が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
なお、上記官能基を有する(メタ)アクリルモノマーの官能基は、上記リビングラジカル重合ポリマーの側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基を導入するための反応点となる部分である。
上記ビニル化合物は特に限定されず、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−アクリロイルモルフォリン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらのビニル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、リビングラジカル重合ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記紫外線硬化が可能な重合性基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の炭素−炭素二重結合を有する基が挙げられる。上記紫外線硬化が可能な重合性基は、炭素−炭素三重結合を有する基であってもよい。
上記リビングラジカル重合により上記官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させることで、これらのモノマーを各ポリマー分子に均一に共重合させることができ、得られたリビングラジカル重合ポリマーは側鎖に上記官能基を有するものとなる。このようなリビングラジカル重合ポリマーに、上記官能基と反応可能であり、かつ、紫外線硬化が可能な重合性基を有する化合物を反応させることで、側鎖に重合性基を結合させる。
即ち、上記(メタ)アクリルポリマーは、上記リビングラジカル重合ポリマーに、上記官能基と反応可能であり、かつ、紫外線硬化が可能な重合性基を有する化合物を反応させて得られたものであることが好ましい。
(1)側鎖に水酸基を有するリビングラジカル重合ポリマーに対しては、アミド基、イソシアネート基、エポキシ基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1つを有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(2)側鎖にカルボキシル基を有するリビングラジカル重合ポリマーに対しては、エポキシ基又はイソシアネート基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(3)側鎖にエポキシ基を有するリビングラジカル重合ポリマーに対しては、カルボキシル基又はアミド基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(4)側鎖にアミノ基を有するリビングラジカル重合ポリマーに対しては、エポキシ基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着剤層が上記気体発生剤を含有することにより、被着体から剥離するとき、上記粘着剤層の粘着力が大きく低下することに加えて上記気体発生剤から気体が発生し、これにより、上記粘着剤層の剥離応力が発生するか、又は、被着体との接着面積が減少して、強く引き剥がさずとも剥離できる。
上記気体発生剤としては、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、テトラゾール化合物又はその塩、ビステトラゾール化合物等が挙げられる。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記光増感剤としては、例えば、アミノ系化合物、ニトロ化合物、キノン系化合物、キサントン系化合物、アンスロン化合物、ケトン系化合物等が挙げられる。
上記多環芳香族化合物は、アントラセン誘導体が好ましい。上記アルコキシ基は、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、紫外線の照射による上記粘着剤層の硬化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものがより好ましい。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン樹脂、不均化ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、水添ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記架橋剤の配合量は、上記(メタ)アクリルポリマー100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルムや、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルムや、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルムや、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
上記基材は、透明な樹脂からなる基材であってもよく、網目状の構造を有する基材であってもよく、孔が開けられた基材であってもよい。
また、本発明の粘着テープは、例えば、半導体ウエハに薬液処理、加熱処理又は発熱を伴う処理を施す際、或いは、半導体ウエハに電極を有する貫通孔を形成させる際に、半導体ウエハを保護する目的で支持板を貼り合わせる際に用いることができる。これらの処理を終えた後には、光を照射することにより容易に半導体ウエハから支持板を剥離することができる。
(リビングラジカル重合ポリマーの合成)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモ−イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
得られたリビングラジカル重合ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(フリーラジカル重合ポリマーの合成)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、表1に示すモノマーの合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、フリーラジカル重合ポリマー含有溶液を得た。合成1と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応容器を用意し、この反応容器内に、合成1又は2で得た固形分換算で100重量部のラジカル重合ポリマー含有溶液に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、ラジカル重合ポリマーの側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基を導入した(メタ)アクリルポリマー1又は2を含有する酢酸エチル溶液を得た。
更に、(メタ)アクリルポリマー1又は2を含有する酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、表2、表3に示す所定量の光重合開始剤(イルガキュア651、BASF社製)、架橋剤(IPDI:イソホロンジイソシアネート)を添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。このとき、実施例4〜6では、表3に示す所定量の気体発生剤(アゾジカルボンアミド)、光増感剤(9,10−ジグリシジルオキシアントラセン)を添加した。
厚み50μmの離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが50μmとなるように塗工した後、70℃で10分間乾燥させ、粘着テープを得た。なお、粘着剤層を保護するために粘着剤層のもう一方の面にも厚み50μmの離型処理したPETフィルムを積層した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
実施例、比較例で得られた粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表2、表3に示した。
幅20mm×50mmに切り出した粘着テープの片面の離型処理したPETフィルムを剥がし、コロナ処理した厚み50μmのPETフィルムで裏打ちした。この粘着テープのもう一方の離型処理したPETフィルムを剥がし、鋼板(SUS板)に貼り、23℃50%湿度で一晩養生した後、超高圧水銀灯を用いて365nmの紫外線を照射強度が40mW/cm2となるよう照度を調節して10秒間照射した。その後、粘着テープを23℃で90°の方向に引き剥がした。
◎:糊残りがまったく見られない
○:粘着テープを剥がした面にわずかに曇りが見られる
×:糊残りあり
Claims (3)
- 粘着剤層を有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のリビングラジカル重合ポリマーの側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基を導入した(メタ)アクリルポリマーを含有することを特徴とする粘着テープ。
- リビングラジカル重合ポリマーは、官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを含有するモノマー混合物を共重合させて得られたポリマーであり、
(メタ)アクリルポリマーは、前記リビングラジカル重合ポリマーに、前記官能基と反応可能であり、かつ、紫外線硬化が可能な重合性基を有する化合物を反応させて得られたものである
ことを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。 - 官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基又はアミド基を有する(メタ)アクリルモノマーであることを特徴とする請求項2記載の粘着テープ。
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