JP6427251B2 - 粘着テープ - Google Patents
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Description
半導体ウエハの高温の加工工程においては200℃以上にも及ぶ高温に部品が晒されるため、このような過酷な環境に耐え、加工工程中は強力な粘着力を発揮しつつ、加工後には容易に剥離することができる粘着テープが望まれている。
しかしながら、近年の部品の小型化、薄化又は軽量化、或いは、省資源化へのニーズの増大に従って、従来よりも薄い粘着テープが望まれており、特許文献1に記載された接着剤組成物では、粘着テープを薄くすると高温に晒されたときに剥がれやすくなるという問題点があった。
特許文献2には、有機テルル化合物を重合開始剤として用いてリビングラジカル重合法によりモノマーを共重合して得られた共重合体を含有する粘着剤が記載されている。
しかしながら、このような粘着剤であっても、粘着テープを薄くすると高温に晒されたときに剥がれやすくなるという問題点を解決することはできていなかった。
以下、本発明を詳述する。
粘着テープが高温に晒されても剥がれにくい理由としては、リビングラジカル重合によれば、低分子量成分の生成及び共重合せずに生じるホモポリマーの生成を抑え、高温に晒されたときの剥がれの原因となる加熱重量減少量を抑えることができる点、カルボキシル基含有モノマー及び/又は水酸基含有モノマーを各ポリマー分子に特定範囲の割合で均一に共重合させることができる点が挙げられる。
上記粘着剤層が上記(メタ)アクリルポリマーを含有することにより、本発明の粘着テープは、薄い粘着テープでありながら、高温に晒されても剥がれにくいものとなる。
粘着テープが高温に晒されても剥がれにくい理由としては、リビングラジカル重合によれば、低分子量成分の生成及び共重合せずに生じるホモポリマーの生成を抑え、高温に晒されたときの剥がれの原因となる加熱重量減少量を抑えることができる点、カルボキシル基含有モノマー及び/又は水酸基含有モノマーを各ポリマー分子に特定範囲の割合で均一に共重合させることができる点が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
上記分子量分布が2.5を超えると、上記リビングラジカル重合において生成した低分子量成分等が増えるため、高温に晒されたときに粘着テープが剥がれやすくなる。上記分子量分布の好ましい上限は2.0であり、より好ましい上限は1.8である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、(メタ)アクリルポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
なお、カルボキシル基含有モノマー由来の成分0.1〜10重量%及び/又は水酸基含有モノマー由来の成分0.1〜1重量%を含有するとは、カルボキシル基含有モノマー由来の成分のみを上記範囲で含有するか、水酸基含有モノマー由来の成分のみを上記範囲で含有するか、これらの両方をそれぞれ上記範囲で含有するかのいずれかであることを意味する。
ただし、上記(メタ)アクリルポリマーにおけるカルボキシル基含有モノマー由来の成分、又は、水酸基含有モノマー由来の成分は、リビングラジカル重合におけるモノマー由来の成分である。従って、本明細書において、上記官能基と反応可能であり、かつ、紫外線硬化が可能な重合性基を有する化合物は、カルボキシル基又は水酸基を有する場合であっても、上記(メタ)アクリルポリマーにおけるカルボキシル基含有モノマー由来の成分、又は、水酸基含有モノマー由来の成分には該当しない。
また、カルボキシル基又は水酸基が、上記官能基と反応可能であり、かつ、紫外線硬化が可能な重合性基を有する化合物と反応することにより消費される場合は、反応により消費されるカルボキシル基又は水酸基の濃度を考慮して、上記(メタ)アクリルポリマーにおけるカルボキシル基含有モノマー由来の成分、又は、水酸基含有モノマー由来の成分の割合が上記範囲となるように調整しておくことが好ましい。
上記(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記(メタ)アクリルポリマーの側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基が導入されていることにより、被着体から剥離するときには紫外線の照射により上記粘着剤層の全体が均一にかつ速やかに架橋反応を起こして硬化し、粘着力が大きく低下し、被着体から容易に剥離することができる。
上記紫外線硬化が可能な重合性基としては、例えば、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基等の炭素−炭素二重結合を有する基が挙げられる。上記紫外線硬化が可能な重合性基は、炭素−炭素三重結合を有する基であってもよい。
上記リビングラジカル重合によりカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、アミド基等の官能基を有するモノマーを共重合させることで、これらのモノマーを各ポリマー分子に均一に共重合させることができ、得られた(メタ)アクリルポリマーは側鎖に上記官能基を有するものとなる。このような(メタ)アクリルポリマーに、上記官能基と反応可能であり、かつ、紫外線硬化が可能な重合性基を有する化合物を反応させることで、側鎖に重合性基を結合させる。
なお、カルボキシル基又は水酸基に、これらの官能基と反応可能であり、かつ、紫外線硬化が可能な重合性基を有する化合物を反応させる場合は、反応により消費されるカルボキシル基又は水酸基の濃度を考慮して、上記(メタ)アクリルポリマーにおけるカルボキシル基含有モノマー由来の成分、又は、水酸基含有モノマー由来の成分の割合が上記範囲となるように調整しておくことが好ましい。
(1)側鎖に水酸基を有する(メタ)アクリルポリマーに対しては、アミド基、イソシアネート基、エポキシ基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1つを有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(2)側鎖にカルボキシル基を有する(メタ)アクリルポリマーに対しては、エポキシ基又はイソシアネート基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(3)側鎖にエポキシ基を有する(メタ)アクリルポリマーに対しては、カルボキシル基又はアミド基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
(4)側鎖にアミノ基を有する(メタ)アクリルポリマーに対しては、エポキシ基を有し、かつ、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させればよい。
上述したように、リビングラジカル重合によれば、低分子量成分の生成及び共重合せずに生じるホモポリマーの生成を抑え、高温に晒されたときの剥がれの原因となる加熱重量減少量を抑えることができる。これにより、本発明の粘着テープは、薄い粘着テープでありながら、高温に晒されても剥がれにくいものとなる。
上記加熱重量減少量は5重量%以下であることが好ましい。
上記粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン樹脂、不均化ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、水添ロジン樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着剤層が上記気体発生剤を含有することにより、被着体から剥離するとき、上記粘着剤層の粘着力が大きく低下することに加えて上記気体発生剤から気体が発生し、これにより、上記粘着剤層の剥離応力が発生するか、又は、被着体との接着面積が減少して、強く引き剥がさずとも剥離できる。
上記気体発生剤としては、例えば、アゾ化合物、アジド化合物、テトラゾール化合物又はその塩、ビステトラゾール化合物等が挙げられる。
上記光増感剤は、上記気体発生剤への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。
上記光増感剤としては、例えば、アミノ系化合物、ニトロ化合物、キノン系化合物、キサントン系化合物、アンスロン化合物、ケトン系化合物等が挙げられる。
上記多環芳香族化合物は、アントラセン誘導体が好ましい。上記アルコキシ基は、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。
上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、紫外線の照射による上記粘着剤層の硬化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものがより好ましい。
また、上記ゲル分率の下限は特に限定されないが、好ましい下限は1重量%である。上記ゲル分率が1重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、耐熱性が低下することがある。上記ゲル分率のより好ましい下限は5重量%である。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
上記架橋剤の配合量は、上記(メタ)アクリルポリマー100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
上記粘着剤層の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、好ましい下限が1μm、好ましい上限が100μmである。上記厚みが1μm未満であると、粘着テープが剥がれやすくなることがある。上記厚みが100μmを超えると、薄い粘着テープが得られないことがある。上記厚みのより好ましい下限は25μm、より好ましい上限は75μmである。
上記樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルムや、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルムや、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルムや、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。
上記樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。上記ヤーンクロス布としては、例えば、ポリエチレンフラットヤーンを織ったものや、その表面に樹脂フィルムをラミネートしたもの等が挙げられる。
上記基材は、透明な樹脂からなる基材であってもよく、網目状の構造を有する基材であってもよく、孔が開けられた基材であってもよい。
特にディスプレイモジュールの組み立てにおいて用いられる両面テープの場合には、光透過防止のために黒色印刷された基材、光反射性向上のために白色印刷された基材、金属蒸着されたフィルム基材等も用いることができる。
また、本発明の粘着テープは、例えば、半導体ウエハに薬液処理、加熱処理又は発熱を伴う処理を施す際、或いは、半導体ウエハに電極を有する貫通孔を形成させる際に、半導体ウエハを保護する目的で支持板を貼り合わせる際に用いることができる。
本発明の粘着テープは高温に晒されても剥がれにくいため、200℃以上にも及ぶ高温に部品が晒されるような加工工程においても好適に用いることができる。更に、上記(メタ)アクリルポリマーの側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基を導入することにより、加工工程を終えた後には、光を照射することにより容易に半導体ウエハから支持板を剥離することができる。
(リビングラジカル重合ポリマーの合成)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモ−イソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
得られたリビングラジカル重合ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定して、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(フリーラジカル重合ポリマーの合成)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル50gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、表1に示すモノマーの合計100gを2時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、フリーラジカル重合ポリマー含有溶液を得た。合成1と同様にして、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を求めた。
(側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基が導入されたリビングラジカル重合ポリマーの合成)
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応容器を用意し、この反応容器内に、合成1、6又は7で得た固形分換算で100重量部のリビングラジカル重合ポリマー含有溶液に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基が導入されたリビングラジカル重合ポリマー(それぞれ合成8、9又は10とする)を含有する酢酸エチル溶液を得た。
合成1〜10で得た固形分換算で100重量部の(メタ)アクリルポリマー(リビングラジカル重合ポリマー、フリーラジカル重合ポリマー、又は、側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基が導入されたリビングラジカル重合ポリマー)含有溶液に対して、表2、表3に示す所定量の架橋剤(IPDI:イソホロンジイソシアネート、TETRAD−X:三菱ガス化学社製)を添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。このとき、実施例7〜12では、表3に示す所定量の光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)、気体発生剤(アゾジカルボンアミド)、光増感剤(9,10−ジグリシジルオキシアントラセン)を添加した。
厚み50μmの離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後の粘着剤層の厚みが50μmとなるように塗工した後、70℃で10分間乾燥させ、粘着テープを得た。なお、粘着剤層を保護するために粘着剤層のもう一方の面にも厚み50μmの離型処理したPETフィルムを積層した。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0)/(W1−W0) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量)
実施例、比較例で得られた粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表2、表3に示した。
示差熱熱重量同時測定装置(SII社製、TG/DTA6200)のアルミパンに、粘着テープの粘着剤層を5〜10mg秤量し、空気雰囲気中(流量200mL/分)、昇温速度5℃/分の条件で0℃から350℃まで昇温したときの300℃での重量減少量を測定した。
直径20cmの円形状に切り出した粘着テープの片面の離型処理したPETフィルムを剥がし、コロナ処理した厚み50μmのPETフィルムで裏打ちした。この粘着テープのもう一方の離型処理したPETフィルムを剥がし、直径20cm、厚み約750μmのシリコンウエハに貼り付けた。この積層体を、300℃、1時間加熱した後、室温に戻した。加熱後の積層体の表面を目視にて観察して、剥離が認められた面積が全体の5%以下であった場合を「○」と、5%を超えて10%以下であった場合を「△」と、10%を超えた場合を「×」と評価した。
Claims (8)
- 200℃以上に部品が晒される加工工程において用いられる、粘着剤層を有する粘着テープであって、
前記粘着剤層は、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5の(メタ)アクリルポリマーを含有し、
前記(メタ)アクリルポリマーは、カルボキシル基含有モノマー由来の成分0.1〜10重量%及び/又は水酸基含有モノマー由来の成分0.1〜1重量%を含有し、示差熱熱重量同時測定装置を用いて昇温速度5℃/分で測定した300℃での前記粘着剤層の加熱重量減少量が10重量%以下である
ことを特徴とする粘着テープ。 - 前記粘着剤層のゲル分率が70重量%以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層は、紫外線により気体を発生する気体発生剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
- 前記気体発生剤の含有量が、(メタ)アクリルポリマー100重量部に対して5重量部以上、50重量部以下であることを特徴とする請求項3記載の粘着テープ。
- 前記(メタ)アクリルポリマーは、側鎖に紫外線硬化が可能な重合性基が導入されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の粘着テープ。
- 前記(メタ)アクリルポリマーは、重量平均分子量が10万以上、200万以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の粘着テープ。
- 前記粘着剤層の厚みが1μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の粘着テープ。
- 半導体ウエハを加工するために用いられることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の粘着テープ。
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