JP2018138648A - 低不飽和大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴム及びその部品を有するタイヤ - Google Patents

低不飽和大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴム及びその部品を有するタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】低不飽和含有大豆油を含む特殊大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴムの製造法、及び前記スチレン/ブタジエンゴムを含有するゴム組成物及びその部品を有するタイヤを提供する。【解決手段】特殊な大豆トリグリセリド油を、有機溶媒とスチレン/ブタジエンゴムを含むセメントとブレンドし、そして前記特殊大豆油とSSBRを含む前記セメントから複合材料を回収することを含み、前記特殊大豆油は、飽和及び不飽和脂肪酸エステルの混合物を含み、前記特殊大豆油の不飽和エステル部分は、少なくとも65パーセントのオレイン酸エステルを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、低不飽和大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴムに関する。この大豆油は高含量のオレイン酸エステルを含有するがゆえに低不飽和大豆油である。本発明は、そのような特殊大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴムの製造、製造されたゴム組成物及びその部品を有するタイヤに関する。そのようなスチレン/ブタジエンゴムは、有機溶媒溶液重合調製スチレン/ブタジエンエラストマーを含む。
スチレン/ブタジエンコポリマーのエラストマー、特に高粘度すなわち高ムーニー(ML1+4)(100℃)粘度を有するエラストマーは、石油系ゴムプロセスオイルで伸展されることがある。
“伸展”という用語は、石油系ゴムプロセスオイルを、低粘度セメント、すなわちスチレン/ブタジエンゴム(SSBR)と有機溶媒(溶媒溶液中でのスチレンと1,3−ブタジエンモノマーの組合せの重合から得られる)を含む低粘度セメントとプレブレンドすることを言うのに使用され、そこからスチレン/ブタジエンゴムと石油系プロセスオイルを含む複合材料が回収される。この複合材料を様々なゴム配合成分とブレンドすることによりゴム組成物が製造される。
ゴムセメントベースのこのようなプレブレンドゴム伸展は、例えば高粘度SSBRのような高粘度(高ムーニー粘度)ゴムを伸展するのに特に有益である。そうでなければ、高粘度ゴムは高粘度のために石油プロセスオイルとブレンドするのは困難であろう。
ゴム(例えばSSBR)のこのような低粘度プレブレンド方式の“伸展”は、石油プロセスオイルを固体ゴムとゴムミキサー内でただ単純にブレンドするのとは非常に異なることを認識しておくのは重要である。
上述のように、高粘度SSBRエラストマーの合理的な加工を可能にするために、そのような高粘度SSBRエラストマーは、SSBR製造施設で石油系オイルとブレンドされることがある。これは、石油系オイルを、スチレンと1,3−ブタジエンモノマーの高粘度SSBR重合生成物の低粘度溶媒セメントと混合することによって行われ、高粘度SSBRエラストマーはその後セメントから回収される。このようなセメントは重合物と呼ばれることもある。
得られた高粘度SSBRと石油系オイルとの複合材料は、その後セメントから回収される。このゴム複合材料は、高粘度ゴムより著しく低粘度であるので、ゴム加工装置での加工がより容易になる。従って、ゴム複合材料は、適切な成分とブレンドすることにより、ゴム組成物の製造に使用することができる。
そのような石油系ゴムプロセスオイルの例は、例えば、芳香族系油、ナフテン系油及びパラフィン系油、特にそれらの混合物である。
一側面において、エラストマー、特に高粘度エラストマーのそのようなプレブレンド式伸展は、大豆油などの植物トリグリセリド油を用いて教示及び/又は実践されている。
大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油である。
従来の大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含むと理解されている。大豆油の不飽和エステル含量は、従来、オレイン酸ベースのエステルの形態の最低限量のモノ不飽和トリグリセリドエステル含量(例えば、大豆油の不飽和脂肪酸エステル成分の約20〜約35パーセント)を含み、ゆえに大豆油の不飽和エステルの主含量は、約70〜約80パーセントの、主に二官能性リノール酸エステルと三官能性リノレン酸エステルを含有するポリ不飽和エステルを含むと理解されている。
トリグリセリドベース大豆油のモノ不飽和オレイン酸エステル成分が著しく増大した、ゆえに大豆油の不飽和含量が著しく減少した特殊な大豆油によるSSBRの大豆油伸展を評価することが求められる。そのような特殊大豆油は、交配大豆植物から得られた天然植物油として入手される。
一態様において、特殊大豆油の不飽和脂肪酸エステルの少なくとも約65、あるいは約75〜約95パーセントはモノ不飽和オレイン酸エステルを含み(飽和及び不飽和脂肪酸を合わせると、約65〜約90パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステルを含む)、残りの不飽和脂肪酸エステルはポリ不飽和脂肪酸エステルを含む。
このような評価のために、そのような特殊大豆油は相当程度のモノ不飽和(オレイン酸エステル由来)を含有し、明らかに直鎖又は芳香族石油系オイルではないという意味において、トリグリセリドエステルベースの特殊大豆油は、石油(炭化水素)ベースのオイルとは化学的に区別されることを認識しておくのは重要である。
従って、トリグリセリドベースの特殊大豆油は、非常に高含量のトリグリセリドエステルのモノ不飽和オレイン脂肪酸エステル成分と、低含量のトリグリセリドのジ不飽和リノール酸エステル及びトリ不飽和リノレン酸エステル成分を含有している。さらに、トリグリセリドエステルベースの特殊大豆油の脂肪酸エステル成分のそのように高いモノ不飽和含量は、より従来的な大豆油には存在しないと考えられている。
より従来的な大豆油とは対照的に特殊大豆油でSSBRエラストマーを伸展してその複合材料を製造し、その後そのような複合材料を含有するゴム組成物を製造するという挑戦的課題について評価する。結果はそのような評価が行われるまでは未知である。
実施において、大豆油の化学組成は、例えば、ASTM D5974に従って、ガスクロマトグラフィー(GC)分析により決定できる。ガスクロマトグラフィー分析(GC分析)の場合、大豆油のトリグリセリドは、GC分析前に、酸性メタノール−トルエン共沸混合物中での還流により脂肪酸メチルエステルに変換される。脂肪酸メチルエステルのガスクロマトグラフィー分析は、トリグリセリドエステルをベースにした特殊大豆油の高度のモノ不飽和を示すことができる。
歴史的には、例えば大豆油(soybean oil又はsoy oil)などの植物油は、エラストマーの製造時における大豆油伸展というよりは、ゴム組成物への自由なオイル添加により、様々なゴム組成物と混合するために使用されてきた。例えば、制限するつもりはないが、米国特許第7,919,553号、8,100,157号及び8,022,136号参照。
しかしながら、上述のように、有機溶媒溶液重合調製スチレン/ブタジエンコポリマーのエラストマー(SSBR)、特に高粘度SSBRの伸展に特殊大豆油を使用することについて評価することが求められている。
本発明の記載において、“配合された”ゴム組成物及び“コンパウンド”という用語は、使用される場合、適切なゴム配合成分と配合又はブレンドされているゴム組成物のことを言う。“ゴム”及び“エラストマー”という用語は、別途記載のない限り、互換的に使用されうる。材料の量は、通常、ゴム100重量部あたりの材料の部(phr)で表される。
米国特許第7,919,553号 米国特許第8,100,157号 米国特許第8,022,136号
本発明は、スチレン/ブタジエンエラストマー(SSBR)を、その溶媒含有重合セメント中で、従ってSSBRをそのセメントから回収する前に、特殊なトリグリセリド大豆植物油で伸展することに向けられる。セメントは、溶媒溶液中のスチレンと1,3−ブタジエンモノマーの重合生成物である。
方法は、特殊な大豆トリグリセリド油を、有機溶媒とスチレン/ブタジエンゴムを含むセメントとブレンドし、そして前記特殊大豆油とSSBRを含む前記セメントから複合材料を回収することを含む大豆油伸展スチレン/ブタジエンゴム(SSBR)の製造に関し、前記大豆油は、飽和及び不飽和脂肪酸エステルを含み、前記不飽和脂肪酸エステルは、少なくとも65パーセント、あるいは約75〜約95パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステルを含み、残りの不飽和エステルは主にリノール酸エステルとリノレン酸エステルを含ポリ不飽和酸エステルを含む。
本発明に従って、トリグリセリド植物油伸展有機溶液重合調製スチレン/ブタジエンエラストマーの製造法を提供する。該方法は、100重量部のエラストマーあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)有機溶媒溶液中で、スチレン及び1,3−ブタジエンを含むモノマーのアニオン開始重合により、合成スチレン/ブタジエンエラストマー(SSBR)を、前記SSBRと溶媒を含むセメント中に含有される形で形成させ;
(B)前記セメント中の前記モノマーの前記重合を停止させ;
(C)約5〜約60、あるいは約10〜約40phrの特殊大豆油を前記セメントとブレンドし、そして
(D)前記SSBRを、前記SSBRと前記トリグリセリド植物油を含む複合材料として回収する
ことを含み、
前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和脂肪酸エステル含量は、少なくとも約65パーセント、あるいは約75〜約95パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含み、残りの不飽和エステルは主にジ不飽和リノール酸エステルとトリ不飽和リノレン酸エステルを含ポリ不飽和酸エステルを含む。
一態様において、前記高オレイン酸ベースエステル含量が特殊な大豆油は、最低約1パーセント、及び一般的には約1.5〜約5パーセントの範囲のトリ不飽和リノレン酸エステルを含有する。
一態様において、前記特殊大豆油は、可塑化デンプン含有大豆油を除く。
さらに本発明に従って、特殊大豆油で伸展されたSSBRの複合材料を提供する。
一態様において、そのようなSSBRは、スズ又はケイ素結合SSBRとして提供される。
一態様において、そのようなSSBRは、沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する少なくとも一つの官能基(例えば、アミン、シロキシ、チオール及びカルボキシル基の少なくとも一つ)を含有する官能化SSBRとして提供される。
さらに本発明に従って、特殊大豆油伸展SSBRを含有するゴム組成物を提供する。
さらに本発明に従って、前記特殊大豆油伸展SSBRを含有し、さらにトリグリセリド植物油及び石油系オイルの少なくとも一つを含むゴム組成物への添加剤(特殊大豆油伸展SSBR中に含有される特殊大豆油のほかに)も含有するゴム組成物を提供する。従って、そのような追加のトリグリセリド油及び/又は石油系オイルはゴム組成物自体に添加される。そのような追加の植物トリグリセリド油の代表は、例えば、大豆油、ヒマワリ油、コーン油、菜種油、キャノーラ油及び追加の大豆油(前記追加の大豆油は、オレイン酸エステル含量が例えば約15〜約30パーセントの範囲である)の少なくとも一つを含みうる。
一態様において、特殊大豆油は、その他の植物トリグリセリド油を除外し、それとは異なることは理解されるべきである(たとえその他の植物トリグリセリド油が高モノ不飽和オレイン酸エステル含量を有していたとしても、特殊大豆油と比べてその他の不一致を有しうるため)。
さらに本発明に従って、そのようなゴム組成物を含む部品を有する製品、例えばタイヤを提供する。
実施において、有機溶媒溶液中でのそのようなSSBRの製造に使用されるアニオン重合は、典型的には、スチレン及び1,3−ブタジエンモノマーを含有する有機溶液重合媒体に有機リチウム開始剤を添加することによって開始される。そのような重合は、典型的には、連続又はバッチ重合技術を利用して実施される。そのような連続重合では、モノマー及び開始剤は、有機溶媒の重合媒体に連続的に添加され、合成されたゴム状スチレン/ブタジエンエラストマー(SSBR)は、その有機溶媒溶液中にそのセメントとして連続的に取り出される。そのような連続重合は、典型的には複数の反応器系で実施される。
適切な重合法は当該技術分野において公知である。例えば、制限するつもりはないが、一つ又は複数の米国特許第4,843,120号;5,137,998号;5,047,483号;5,272,220号;5,239,009号;5,061,765号;5,405,927号;5,654,384号;5,620,939号;5,627,237号;5,677,402号;6,103,842号;及び6,559,240号に開示されているような方法である。これらの特許はすべて、引用により本明細書に完全に組み込まれる。
そのようなアニオン開始重合は、典型的には、有機アルカリ金属化合物、通常有機モノリチウム化合物を開始剤として使用することを含む。方法の第一工程は、通常、重合されるスチレンと1,3−ブタジエンモノマーの組合せを、不活性希釈剤、又は溶媒の存在下で、有機モノリチウム化合物(開始剤)と接触させ、それによって、単純化された構造A−Liを有するリビングポリマー化合物を形成させることを含む。モノマーは、スチレンなどのビニル芳香族炭化水素及び1,3−ブタジエンなどの共役ジエンでありうる。スチレンは好適なビニル芳香族炭化水素であり、好適なジエンは1,3−ブタジエンである。
不活性希釈剤、又は溶媒は、芳香族又はナフテン系炭化水素、例えばベンゼン又はシクロヘキサンでありうる。これらはペンテン又はペンタンなどのアルケン又はアルカンの存在によって変性されていてもよい。その他の適切な希釈剤の具体例は、n−ペンタン、ヘキサン、例えばn−ヘキサン、イソオクタン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレンなどでありうる。本発明における重合可能添加剤と反応させる有機モノリチウム化合物(開始剤)は、式RLiによって表され、Rは、好ましくは1分子あたり2〜20個の炭素原子を含有する脂肪族、脂環式、又は芳香族基、又はそれらの組合せである。これらの有機モノリチウム化合物の例は、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tertオクチルリチウム、n−デシルリチウム、n−エイコシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、4−ブチルフェニルリチウム、4−トリルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、3,5−ジ−n−ヘプチルシクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルブチル−リチウムなどである。本発明による使用の場合、アルキルリチウム化合物、特にアルキル基が3〜10個の炭素原子を含有するものが好適である。非常に好適な開始剤はn−ブチルリチウムである。
アニオン開始重合を実行するための有機リチウム開始剤の量は、重合されるモノマー及び合成されるポリマーに所望される分子量によって変動する。しかしながら、一般的に、0.01〜1phm(100重量部のモノマーあたりの部)の有機リチウム開始剤が利用されることが多い。多くの場合、0.01〜0.1phmの有機リチウム開始剤が利用され、0.025〜0.07phmの有機リチウム開始剤を利用するのがより望ましいことが多い。
利用される重合温度は、例えば約−20℃〜約180℃などの広い範囲で変動しうる。しかしながら、多くの場合、約30℃〜約125℃の範囲内の重合温度が望ましい。多くの場合、典型的には、重合温度は、約45℃〜約100℃のより狭い範囲内、又は約60℃〜約85℃の範囲内であることが望ましい。重合反応に使用される圧力は、適用される場合、通常、重合反応の条件下で実質的に液相を維持するのに十分な圧力である。
アニオン開始重合によって有機溶液中に製造されるSSBRは、適切なカップリング剤、例えばハロゲン化スズ又はハロゲン化ケイ素を用いてスズ又はケイ素結合されてもよい。それは、それらの分子量を増大させることにより、そしてそれに伴ってそれらの粘度(例えば、未硬化SSBRのムーニー粘度)も通常増大することにより、所望の物理的性質を改良するためである。スズ結合スチレン/ブタジエンポリマーは、タイヤトレッドゴムに使用されると、タイヤのトレッド摩耗を改良し、タイヤの転がり抵抗を低減することが観察されている。そのようなスズ結合SSBRは、典型的には、SSBRを、SSBRの合成に使用される重合の終了時又は終了付近でスズカップリング剤とカップリングさせることによって製造される。カップリング工程においては、生きている(live)ポリマー鎖末端がスズカップリング剤と反応することにより、SSBRがカップリングされる。例えば、4個までの生きている鎖末端は四塩化スズなどの四ハロゲン化スズと反応でき、それによってポリマー鎖が一緒にカップリングされる。
スズカップリング剤のカップリング効率は、カップリングに利用できる生きている鎖末端の量及び重合に使用される極性変性剤がある場合はその量及び種類など、数多くの因子に左右される。例えば、スズカップリング剤は、一般的に、極性変性剤の存在下ではそれほど有効でない。しかしながら、テトラメチルエチレンジアミンなどの極性変性剤は、ゴムのガラス転移温度を上げて特性を改良するために、例えばタイヤトレッドコンパウンドのトラクション特性を改良するために頻繁に使用される。極性変性剤の存在下で実施されるカップリング反応は、典型的には、バッチ工程で約50〜60パーセントのカップリング効率を有する。
SSBRが主にカーボンブラック補強剤を添加されたゴム組成物に使用される場合、エラストマーを製造するためのカップリング剤はハロゲン化スズであろう。ハロゲン化スズは通常、四塩化スズ、四臭化スズ、四フッ化スズ又は四ヨウ化スズなどの四ハロゲン化スズである。しかしながら、モノアルキル三ハロゲン化スズも任意に使用することができる。モノアルキル三ハロゲン化スズでカップリングされたポリマーは最大3本のアームを持つ。これは、当然ながら、四ハロゲン化スズでカップリングされた最大4本のアームを持つSSBRとは対照的である。より高レベルの枝分かれを誘導するために、通常四ハロゲン化スズが好適である。原則として、四塩化スズが通常最も好適である。
SSBRが高レベルのシリカを添加されたコンパウンドに使用される場合、SSBRを製造するためのカップリング剤はハロゲン化ケイ素であろう。使用できるケイ素カップリング剤は通常、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素、四フッ化ケイ素又は四ヨウ化ケイ素などの四ハロゲン化ケイ素である。しかしながら、モノアルキル三ハロゲン化ケイ素も任意に使用することができる。三ハロゲン化ケイ素でカップリングされたSSBRは最大3本のアームを持つ。これは、当然ながら、製造中に四ハロゲン化ケイ素でカップリングされた最大4本のアームを持つSSBRとは対照的である。製造中、SSBRのより高レベルの枝分かれを誘導するのが所望であれば、通常四ハロゲン化ケイ素が好適である。一般に、四塩化ケイ素が通常そのような目的にとって最も望ましいケイ素カップリング剤である。
一態様において、様々な有機溶媒が重合媒体として使用できる。これらは、重合反応に対して比較的不活性な、例えば、上述のn−ペンタン、n−ヘキサン、イソオクタン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレンなどである(当然ながら、水ベースの乳化剤含有液体媒体は除く)。重合物、又はセメントからの溶媒除去は、当該技術分野で公知の方法の一つ又は複数、例えば、これらに制限されないが、沈殿、水蒸気ストリッピング、ろ過、遠心分離、乾燥などを用いて達成できる。
回収された特殊大豆油伸展SSBRの複合材料は、加硫可能(硫黄加硫可能)ゴム組成物に配合(ブレンド)できる。当業者には周知の通り、このゴム組成物には、通常、その他のエラストマー、特に硫黄硬化可能ジエン系エラストマーが含まれうる。“硫黄硬化可能ゴム”又は“ジエン系エラストマー”などのエラストマーという語句は、天然ゴム及びその各種未加工形及び再生形、ならびに本発明の実施に使用されるSSBRを含む各種合成ゴムのどちらも含むものとする。
さらに本発明に従って、前記特殊大豆油伸展SSBRを含むゴム組成物を提供する。
さらに本発明に従って、ゴム組成物を提供する。該ゴム組成物は、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含む共役ジエン系エラストマー:
(1)約50〜約100、あるいは約50〜約80phrの、特殊大豆油伸展SSBR(本発明に従って特殊大豆油で伸展されたSSBRのSSBR成分)、及び、それに応じて
(2)約0〜約50、あるいは約20〜約50phrの、イソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つのポリマー、及び、スチレンとイソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つとのコポリマーの少なくとも一つを含む少なくとも一つの追加のエラストマー(前記トリグリセリド油伸展SSBRのほかに、従って前記トリグリセリド油伸展SSBR以外);
(B)約40〜約110、あるいは約50〜約80phrの下記を含む補強フィラー:
(1)アモルファス合成シリカ(例えば沈降シリカ)、又は
(2)ゴム補強カーボンブラック、又は
(3)沈降シリカとゴム補強カーボンブラックの組合せ(例えば、シリカ豊富補強フィラーの場合、約20〜約99重量パーセントの沈降シリカ、あるいは約55〜約99重量パーセントの沈降シリカ、あるいはカーボンブラック豊富補強フィラーの場合、約20〜約45重量パーセントの沈降シリカを含有する);
(C)シリカカップリング剤(前記補強フィラーが沈降シリカを含有する場合、前記沈降シリカのための)であって、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基(例えばシラノール基)と反応する部分と前記共役ジエン系エラストマー(前記SSBRを含む)の炭素炭素二重結合と相互作用する別の異なる部分とを有するシリカカップリング剤
を含む。
さらに本発明に従って、前記ゴム組成物を含む少なくとも一つの部品を含有するタイヤを提供する。
前記追加のゴム、又はエラストマーの代表例は、例えば、シス1,4−ポリイソプレン、シス1,4−ポリブタジエン、イソプレン/ブタジエン、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエン、及びスチレン/イソプレン/ブタジエンエラストマーである。使用できるエラストマーの追加例は、3,4−ポリイソプレンゴム、カルボキシル化ゴム、ケイ素結合及びスズ結合星状枝分れエラストマーなどである。多くの場合、所望のゴム又はエラストマーは、シス1,4−ポリブタジエン、スチレン/ブタジエンゴム及びシス1,4−ポリイソプレンゴムである。
そのような沈降シリカは、例えば、窒素ガスを用いて測定されたBET表面積が、1グラムあたり例えば約40〜約600平方メートルの範囲、より通常的には約50〜約300平方メートルの範囲であることを特徴としうる。表面積を測定するBET法は、例えば、Journal of the American Chemical Society、第60巻、ならびにASTM D3037に記載されている。
そのような沈降シリカは、例えば、約100〜約400cc/100gの範囲、より通常的には約150〜約300cc/100gの範囲のジブチルフタレート(DBP)吸収値を有することも特徴としうる。
様々な市販の沈降シリカが使用できる。例えば、本明細書における単なる例として及び制限なしに挙げると、PPG Industries社より商標Hi−Sil、表示名210、243などとして入手できるシリカ;Rhodia社より例えば表示名Z1165MP及びZ165GRとして入手できるシリカ;Evonic社より例えば表示名VN2及びVN3として入手できるシリカ、及び例えばPPG社のAgilonTM 400などの化学処理(予備疎水化)された沈降シリカなどである。
ゴム補強カーボンブラックの代表例は、例えば、制限するつもりはないが、N110、N121、N220、N231、N234、N242、N293、N299、S315、N326、N330、N332、N339、N343、N347、N351、N358、N375、N539、N550、N582、N630、N642、N650、N683、N754、N762、N765、N774、N787、N907、N908、N990及びN991のASTM規格を有するものである。そのようなゴム補強カーボンブラックは、例えば9〜145g/kgの範囲のヨウ素吸収及び34〜150cc/100gの範囲のDBP数を有しうる。
その他のフィラーも加硫可能ゴム組成物に使用できる。例えば、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を含む粒子状フィラー;米国特許第6,242,534号;6,207,757号;6,133,364号;6,372,857号;5,395,891号;又は6,127,488号に開示されているような粒子状ポリマーゲル、及び米国特許第5,672,639号に開示されているような可塑化デンプン複合フィラーなどであるが、これらに限定されない。一つ又は複数のその他のフィラーは、約1〜約20phrの範囲の量で使用されうる。
沈降シリカ含有ゴム組成物は、シリカのためのシリカカップリング剤を含有するのが望ましいであろう。該シリカカップリング剤は、例えば、
(A)ビス(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィド(その連結ブリッジ中に平均約2〜約4個の範囲の硫黄原子を含有する)、又は
(B)有機アルコキシメルカプトシラン、又は
(C)それらの組合せ
を含む。
そのようなビス(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドの代表は、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドを含む。
当業者であれば、加硫可能ゴム組成物は、ゴム配合分野で一般的に知られている方法によって配合されるであろうことは容易に分かるはずである。例えば、様々な追加の硫黄加硫可能エラストマーを、前記SSBR複合材料及び様々な一般的に使用されている添加剤材料、例えば、硫黄及び硫黄供与体の硬化剤、硫黄加硫硬化補助剤、例えば、活性化剤及び遅延剤及び加工添加剤、粘着付与樹脂を含む樹脂及び可塑剤、石油系又は石油由来プロセスオイルならびに前記トリグリセリド伸展SSBR以外のトリグリセリド、ゴム補強フィラーなどのフィラー、顔料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、抗酸化剤及びオゾン劣化防止剤及びしゃく解剤などと混合するなどの方法である。当業者には分かる通り、硫黄加硫可能材料及び加硫した材料(ゴム)の使用目的に応じて、上記添加剤は選択され、従来量で一般的に使用される。硫黄供与体の代表例は、元素硫黄(遊離硫黄)、アミンジスルフィド、ポリマー性ポリスルフィド及び硫黄オレフィン付加物などである。通常、硫黄加硫剤は元素硫黄であるのが望ましい。硫黄加硫剤は、例えば約0.5〜8phrの範囲の量で使用できるが、1.5〜6phrの範囲が好適であることが多い。粘着付与樹脂の典型的な量は、使用される場合、例えば約0.5〜約10phr、通常約1〜約5phrを含みうる。加工助剤の典型的な量は約1〜約50phrを含む。追加のプロセスオイルが所望される場合、加硫可能ゴム組成物への配合中に、特殊大豆油伸展SSBR中に含有される伸展用特殊大豆油のほかに、添加されてもよい。追加の石油系又は石油由来オイルは、例えば芳香族系油、パラフィン系油、ナフテン系油、及び低PCA油、例えばMEW油、TDAE油及び重ナフテン系油などでありうるが、低PCA油が好適であろう。抗酸化剤の典型的な量は例えば約1〜約5phrを含む。代表的抗酸化剤は、例えばジフェニル−p−フェニレンジアミン及びその他、例えばThe Vanderbilt Rubber Handbook(1978),344〜346ページに開示されているものであろう。オゾン劣化防止剤の典型的な量は例えば約1〜5phrを含む。脂肪酸の典型的な量は、使用される場合、ステアリン酸などでありうるが、約0.5〜約3phrを含む。酸化亜鉛の典型的な量は例えば約2〜約5phrを含む。ワックスの典型的な量は約1〜約5phrを含む。微晶質ワックスが使用されることが多い。しゃく解剤の典型的な量は、使用される場合、例えば約0.1〜約1phrの量で使用されうる。典型的なしゃく解剤は、例えば、ペンタクロロチオフェノール及びジベンズアミドジフェニルジスルフィドであろう。
硫黄加硫促進剤は、加硫に要する時間及び/又は温度を制御するため、及び加硫物の性質を改良するために使用される。一態様において、単一促進剤系、すなわち一次促進剤が使用されうる。一次促進剤(一つ又は複数)は、例えば約0.5〜約4、時に望ましくは約0.8〜約1.5phrの範囲の総量で使用されうる。別の態様では、活性化及び加硫物の性質を改良するために、一次及び二次促進剤の組合せが使用されうる。その場合、二次促進剤は少量、例えば約0.05〜約3phrの量で使用される。これらの促進剤の組合せは、最終性質に対して相乗効果をもたらすことが期待され、いずれかの促進剤を単独で使用して製造されたものよりも多少良好である。さらに、標準的な加工温度には影響されないが、通常の加硫温度で満足のいく硬化をもたらす遅延作用促進剤を使用することもできる。加硫遅延剤も使用できる。本発明に使用されうる適切なタイプの促進剤は、アミン、ジスルフィド、グアニジン、チオウレア、チアゾール、チウラム、スルフェンアミド、ジチオカルバメート及びキサンテートである。多くの場合、望ましくは一次促進剤はスルフェンアミドである。二次促進剤を使用する場合、二次促進剤は、多くの場合、望ましくはグアニジン、例えばジフェニルグアニジン、ジチオカルバメート又はチウラム化合物である。
加硫可能ゴム組成物の混合は、ゴム混合分野の当業者に公知の方法によって達成できる。例えば、成分は典型的には少なくとも二つの段階、すなわち、少なくとも一つのノンプロダクティブ段階とそれに続くプロダクティブ混合段階で混合される。硫黄加硫剤を含む最終硬化剤は典型的には最終段階で混合される。この段階は従来、“プロダクティブ”混合段階と呼ばれ、そこでは混合が典型的にはその前のノンプロダクティブ混合段階(一つ又は複数)の混合温度より低い温度、又は極限温度(ultimate temperature)で行われる。“ノンプロダクティブ”及び“プロダクティブ”混合段階という用語は、ゴム混合分野の当業者には周知である。ゴム組成物は、熱機械的混合工程に付されてもよい。熱機械的混合工程は、一般的に、140℃〜190℃のゴム温度を生ずるために適切な時間、ミキサー又は押出機内での機械的作業を含む。熱機械的作業の適切な時間は、運転条件、ならびに成分の容量及び性質に応じて変動する。例えば、熱機械的作業は1〜20分であろう。
トリグリセリド油伸展SSBRを含有する加硫可能ゴム組成物は、製品の様々なゴム部品、例えばタイヤに組み込むことができる。例えば、タイヤのゴム部品は、トレッド(トレッドキャップ及びトレッドベースの一つ又は複数を含む)、サイドウォール、アペックス、チェーファー、サイドウォールインサート、ワイヤコート、又はインナーライナーでありうる。
本発明の空気入りタイヤの加硫は、一般的に、例えば約140℃〜200℃の範囲の従来温度で実施される。多くの場合、加硫は約150℃〜180℃の範囲の温度で実施されるのが望ましい。プレス機又は金型内での加熱、過熱蒸気又は熱風による加熱といった通常の加硫法のいずれが使用されてもよい。そのようなタイヤは、当業者に公知の、そして容易に明らかな様々な方法によって構築、付形、成型及び硬化できる。
以下の実施例は、本発明を説明する目的のために提示されるのであって、制限を目的としたものではない。すべての部及びパーセンテージは、特に明記されない限り、重量部、通常ゴム100重量部あたりの重量部(phr)である。
実施例I
本実施例において、有機溶液アニオン重合されたスチレン及び1,3−ブタジエンモノマー(SSBR)を、植物トリグリセリド大豆油として高モノ不飽和オレイン酸エステル成分を有する特殊大豆油で伸展することの効果を評価し、著しく低いオレイン酸エステル成分含量を含有するより従来的な大豆油と比較する。
実験は、SSBRの伸展に特殊大豆油を使用することの効果を評価するために実施された。用語“伸展”又は“伸展された”とは、大豆油を、大豆油の低粘度重合溶媒セメントに添加してそれと混合し、その後、SSBRエラストマーと大豆油の複合材料をセメントから回収することを意味する。複合材料は、次いで、ゴム組成物を製造するためにゴム配合成分とブレンドされる。これは、SSBR及び大豆油をゴム配合成分とゴムミキサー内で単に混合してゴム組成物を製造するのとは対照的である。
対照ゴムサンプルAは、より従来的な大豆油で伸展されたSSBRを含有していた(大豆油をSSBRセメントとプレブレンドしてその複合材料を形成)。
実験ゴムサンプルBは、特殊大豆油で伸展されたSSBRを含有していた(大豆油をSSBRセメントとプレブレンドしてその複合材料を形成)。
ゴムサンプルは、エラストマーを、沈降シリカを含まないゴム補強カーボンブラックの補強フィラーと共に、密閉式ゴムミキサー内での第一のノンプロダクティブ混合段階(NP1)にて、約4分間、約160℃の温度になるまで混合することによって製造した。得られた混合物は、その後、密閉式ゴムミキサー内での第二の連続したノンプロダクティブ混合段階(NP2)にて、約160℃の温度になるまで、追加成分の添加なしに混合した。ゴム組成物は、次に密閉式ゴムミキサー内でのプロダクティブ混合段階(P)にて、硫黄硬化パッケージ、すなわち硫黄及び硫黄硬化促進剤と、約2分間、約115℃の温度になるまで混合した。ゴム組成物は、各混合工程後、密閉式ミキサーから取り出され、それぞれ個々のノンプロダクティブ混合段階の合間及び最終のプロダクティブ混合段階の前に40℃未満に冷却された。
従来大豆油伸展SSBRを用いた対照ゴムサンプルA及び特殊大豆油伸展SSBRを用いた実験ゴムサンプルBの基本的配合を以下の表1に示す。別途記載のない限り、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)で表記されている。
Figure 2018138648
溶液重合調製スチレン/ブタジエンゴム(SSBR)の複合材料で、約−18℃のTg、30パーセントの結合スチレン、そのブタジエン部分に関して41パーセントのビニル含量を有し、本実施例では100部のSSBRあたり37.5部の従来大豆油で伸展されている(従って含有している)。従来大豆油は、Cargill Dressings社製の大豆植物由来のトリグリセリド油で、飽和及び不飽和脂肪酸エステルを含み、その不飽和脂肪酸エステルの少量部分がモノ不飽和オレイン脂肪酸エステルで、約32パーセントのオレイン酸エステル、約68パーセントのポリ不飽和脂肪酸エステル、例えばリノール酸エステル及びリノレン酸エステルを含む。飽和脂肪酸エステルは、例えばパルミチン酸エステル及びステアリン酸エステルである。
溶液重合調製スチレン/ブタジエンゴム(SSBR)の複合材料で、約−18℃のTg、約30パーセントの結合スチレン、そのブタジエン部分に関して41パーセントのビニル含量を有し、本実施例では100部のSSBRあたり37.5部の特殊大豆油で伸展されている(従って含有している)。特殊大豆油は、DuPont社からPlenishTM大豆油として入手した飽和及び不飽和脂肪酸エステルのブレンドである大豆油で、不飽和脂肪酸エステルは、約89パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステル含量、約8パーセントのジ不飽和リノール酸エステル含量及び約3パーセントのトリ不飽和リノレン酸エステル含量を有する。
シス1,4−ポリブタジエンゴムとして、The Goodyear Tire & Rubber Company社製BUD1207TM
N330ゴム補強カーボンブラック、ASTM識別
主に、ステアリン酸、パルミチン酸及びオレイン酸を含む
スルフェンアミド及びジフェニルグアニジン促進剤
以下の表2に、表1の基本的配合に基づくゴム組成物の硬化挙動及び様々な物理的性質を示し、ここに対照ゴムサンプルA及び実験ゴムサンプルBとして報告する。応力−歪、ホットリバウンド及び硬度値など、硬化ゴムサンプルが試験される場合、ゴムサンプルは約14分間、約160℃の温度で硬化された。
Figure 2018138648
ラバー・プロセス・アナライザー(RPA)装置
表2において、高オレイン酸エステル成分含量(70パーセント)を含有し、ゆえに著しく低不飽和の特殊大豆油で伸展されたSSBRの複合材料を含有する実験ゴムサンプルBは、剛性値(硬化ゴムの貯蔵弾性率G’値)が、例えば、15パーセント歪で1224kPaのゴム組成物をもたらしたことが分かる。これは、低オレイン酸エステル成分含量を含有し、ゆえに著しく高不飽和大豆油である従来的な大豆油で伸展されたSSBRの複合材料を含有する対照ゴムサンプルAの1140kPaという値に比べて、剛性値(弾性率G’)の有益な増大であった。
表2において、低不飽和特殊大豆油を含有する実験ゴムサンプルBは、タンデルタ値が、例えば、15パーセント歪で0.22を有するゴム組成物をもたらしたことも分かる。これは、著しく高不飽和の従来大豆油を含有する対照ゴムサンプルAの0.23という値からの有益な低下である。従って、実験ゴムサンプルBのゴム組成物は、対照ゴムサンプルAのゴム組成物より、有益に低いヒステリシス予測、ひいてはゴム組成物の動的使用中(用役中)の有益に低い内部発熱予測及びそのようなゴム組成物のトレッドを有するタイヤの有益に低い転がり抵抗(エネルギー節約増大)予測を示すゴム組成物であった。
メカニズムが十分に理解されているわけではないが、不飽和脂肪酸エステルのオレイン酸エステル含量が著しく低い(約30パーセント)従来的な大豆油と比べて、高オレイン酸エステル含量(その不飽和脂肪酸含量の89パーセント)の特殊大豆油によるSSBRの大豆油伸展に関して有意義かつ有益な発見がなされたと結論付けられる。そのような発見は、特殊大豆油の不飽和エステル部分の高オレイン酸エステル含量及び/又はそれに応じた特殊大豆油の不飽和エステル部分の低不飽和含量の結果であろう。
主題発明を例示する目的で一定の代表的態様及び詳細を示してきたが、主題発明の範囲から逸脱することなく、その中で多様な変更及び修正が可能であることは当業者には明らかであろう。
[発明の態様]
1.油展スチレン/ブタジエンゴム(SSBR)の製造法であって、特殊な大豆トリグリセリド油を、有機溶媒とスチレン/ブタジエンゴムを含むセメントとブレンドし、そして前記特殊大豆油とSSBRを含む前記セメントから複合材料を回収することを含み、前記特殊大豆油は、飽和及び不飽和脂肪酸エステルの混合物を含み、前記特殊大豆油の不飽和エステル部分は、少なくとも65パーセントのオレイン酸エステルを含む方法。
2.トリグリセリド植物油伸展有機溶液重合調製スチレン/ブタジエンエラストマーの製造法であって、100重量部のエラストマーあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)有機溶媒溶液中で、スチレン及び1,3−ブタジエンを含むモノマーのアニオン開始重合により、合成スチレン/ブタジエンエラストマー(SSBR)を、前記SSBRと前記溶媒を含むセメント中に含有される形で形成させ;
(B)前記セメント中の前記モノマーの前記重合を停止させ;
(C)約5〜約60phrの特殊大豆油を前記セメントとブレンドし、そして
(D)前記SSBRを、前記SSBRと前記特殊大豆油を含む複合材料として回収する
ことを含み、
前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、少なくとも約65パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含む、1記載の方法。
3.前記特殊大豆油の前記不飽和エステル部分が、約75〜約95パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステル成分と、少なくとも1パーセントのリノレン酸エステル成分を含有する、1記載の方法。
4.前記特殊大豆油の前記不飽和エステル部分が、約75〜約95パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステルと、約1.5〜約5パーセントのリノレン酸エステル成分を含有する、1記載の方法。
5.前記SSBRがスズ又はケイ素結合SSBRである、1記載の方法。
6.前記SSBRが、アミン、シロキシ、カルボキシル及びヒドロキシル基の少なくとも一つを含む少なくとも一つの官能基を含有する官能化SSBRである、1記載の方法。
7.前記SSBRがスズ又はケイ素結合SSBRである、6記載の方法。
8.前記SSBRが、不活性溶媒の存在下でn−ブチルリチウムを開始剤として使用するスチレンと1,3−ブタジエンのアニオン開始重合の生成物である、2記載の方法。
9.特殊大豆油で伸展された前記SSBRの複合材料であって、前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、少なくとも約65パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含む複合材料。
10.特殊大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴム(SSBR)を含有する、9記載のゴム組成物。
11.前記SSBRがスチレンと1,3−ブタジエンモノマーのアニオン開始重合生成物である、10記載のゴム組成物。
12.前記ゴム組成物が、ヒマワリ油、菜種油、コーン油、キャノーラ油及び追加の大豆油(前記追加の大豆油の不飽和エステルは、約15〜約30パーセントの範囲のモノ不飽和オレイン酸エステル含量を有する)の少なくとも一つを含む少なくとも一つの追加の植物トリグリセリド油を含有する、10記載のゴム組成物。
13.10記載のゴム組成物を含む部品を有するタイヤ。
14.11記載のゴム組成物を含む部品を有するタイヤ。
15.12記載のゴム組成物を含む部品を有するタイヤ。
16.ゴム組成物であって、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
(A)下記を含む共役ジエン系エラストマー:
(1)約50〜約100phrの、10記載の特殊大豆油伸展SSBR複合材料、及び、それに応じて
(2)約0〜約50phrの、イソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つのポリマー、及び、スチレンとイソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つとのコポリマーの少なくとも一つを含む少なくとも一つの追加のエラストマー;
(B)約40〜約110phrの下記を含む補強フィラー:
(1)アモルファス合成シリカ(例えば沈降シリカ)、又は
(2)ゴム補強カーボンブラック、又は
(3)沈降シリカとゴム補強カーボンブラックの組合せ;
(C)シリカカップリング剤(前記補強フィラーが沈降シリカを含有する場合、前記沈降シリカのための)であって、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分と前記共役ジエン系エラストマーの炭素炭素二重結合と相互作用する別の異なる部分とを有するシリカカップリング剤
を含み、
前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、少なくとも約65パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含むゴム組成物。
17.前記補強フィラーがゴム補強カーボンブラックである、16記載のゴム組成物の部品を有するタイヤ。
18.前記補強フィラーが、ゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの組合せであって、約20〜約99重量パーセントの前記沈降シリカを含有する、16記載のゴム組成物の部品を有するタイヤ。
19.前記補強フィラーが、ゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの組合せであって、約20〜約45重量パーセントの前記沈降シリカを含有する、16記載のゴム組成物の部品を有するタイヤ。
20.9記載の特殊大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴム(SSBR)を含有するゴム組成物であって、
前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、約75〜約95パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含み、飽和及び不飽和脂肪酸を合わせると、約65〜約90パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステルを含み、残りの不飽和脂肪酸エステルはポリ不飽和脂肪酸エステルを含むゴム組成物。

Claims (20)

  1. 油展スチレン/ブタジエンゴム(SSBR)の製造法であって、特殊な大豆トリグリセリド油を、有機溶媒とスチレン/ブタジエンゴムを含むセメントとブレンドし、そして前記特殊大豆油とSSBRを含む前記セメントから複合材料を回収することを含み、前記特殊大豆油は、飽和及び不飽和脂肪酸エステルの混合物を含み、前記特殊大豆油の不飽和エステル部分は、少なくとも65パーセントのオレイン酸エステルを含むことを特徴とする方法。
  2. トリグリセリド植物油伸展有機溶液重合調製スチレン/ブタジエンエラストマーの製造法であって、100重量部のエラストマーあたりの重量部(phr)を基にして、
    (A)有機溶媒溶液中で、スチレン及び1,3−ブタジエンを含むモノマーのアニオン開始重合により、合成スチレン/ブタジエンエラストマー(SSBR)を、前記SSBRと前記溶媒を含むセメント中に含有される形で形成させ;
    (B)前記セメント中の前記モノマーの前記重合を停止させ;
    (C)5〜60phrの特殊大豆油を前記セメントとブレンドし、そして
    (D)前記SSBRを、前記SSBRと前記特殊大豆油を含む複合材料として回収する
    ことを含み、
    前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、少なくとも65パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記特殊大豆油の前記不飽和エステル部分が、75〜95パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステル成分と、少なくとも1パーセントのリノレン酸エステル成分を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記特殊大豆油の前記不飽和エステル部分が、75〜95パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステルと、1.5〜5パーセントのリノレン酸エステル成分を含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記SSBRがスズ又はケイ素結合SSBRであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記SSBRが、アミン、シロキシ、カルボキシル及びヒドロキシル基の少なくとも一つを含む少なくとも一つの官能基を含有する官能化SSBRであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 前記SSBRがスズ又はケイ素結合SSBRであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 前記SSBRが、不活性溶媒の存在下でn−ブチルリチウムを開始剤として使用するスチレンと1,3−ブタジエンのアニオン開始重合の生成物であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  9. 特殊大豆油で伸展された前記SSBRの複合材料であって、前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、少なくとも65パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含むことを特徴とする複合材料。
  10. 特殊大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴム(SSBR)を含有することを特徴とする、請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 前記SSBRがスチレンと1,3−ブタジエンモノマーのアニオン開始重合生成物であることを特徴とする、前記請求項10に記載のゴム組成物。
  12. 前記ゴム組成物が、ヒマワリ油、菜種油、コーン油、キャノーラ油及び追加の大豆油(前記追加の大豆油の不飽和エステルは、15〜30パーセントの範囲のモノ不飽和オレイン酸エステル含量を有する)の少なくとも一つを含む少なくとも一つの追加の植物トリグリセリド油を含有する、請求項10に記載のゴム組成物。
  13. 請求項10に記載のゴム組成物を含むことを特徴とする部品を有するタイヤ。
  14. 請求項11に記載のゴム組成物を含むことを特徴とする部品を有するタイヤ。
  15. 請求項12に記載のゴム組成物を含むことを特徴とする部品を有するタイヤ。
  16. ゴム組成物であって、100重量部のゴムあたりの重量部(phr)を基にして、
    (A)下記を含む共役ジエン系エラストマー:
    (1)50〜100phrの、請求項10に記載の特殊大豆油伸展SSBR複合材料、及び、それに応じて
    (2)0〜50phrの、イソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つのポリマー、及び、スチレンとイソプレン及び1,3−ブタジエンの少なくとも一つとのコポリマーの少なくとも一つを含む少なくとも一つの追加のエラストマー;
    (B)40〜110phrの下記を含む補強フィラー:
    (1)アモルファス合成シリカ(例えば沈降シリカ)、又は
    (2)ゴム補強カーボンブラック、又は
    (3)沈降シリカとゴム補強カーボンブラックの組合せ;
    (C)前記補強フィラーが沈降シリカを含有する場合における、前記沈降シリカのためのシリカカップリング剤であって、前記沈降シリカ上のヒドロキシル基と反応する部分と前記共役ジエン系エラストマーの炭素炭素二重結合と相互作用する別の異なる部分とを有するシリカカップリング剤
    を含み、
    前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、少なくとも65パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含むことを特徴とするゴム組成物。
  17. 前記補強フィラーがゴム補強カーボンブラックであることを特徴とする、請求項16に記載のゴム組成物の部品を有するタイヤ。
  18. 前記補強フィラーが、ゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの組合せであって、20〜99重量パーセントの前記沈降シリカを含有することを特徴とする、請求項16に記載のゴム組成物の部品を有するタイヤ。
  19. 前記補強フィラーが、ゴム補強カーボンブラックと沈降シリカの組合せであって、20〜45重量パーセントの前記沈降シリカを含有することを特徴とする、請求項16に記載のゴム組成物の部品を有するタイヤ。
  20. 請求項9に記載の特殊大豆油で伸展されたスチレン/ブタジエンゴム(SSBR)を含有するゴム組成物であって、
    前記特殊大豆油は、脂肪酸の飽和、モノ不飽和及びポリ不飽和トリグリセリドエステルの混合物を含む植物トリグリセリド油であり、その不飽和エステル含量は、75〜95パーセントのモノ不飽和オレイン酸を含み、飽和及び不飽和脂肪酸を合わせると、65〜90パーセントのモノ不飽和オレイン酸エステルを含み、残りの不飽和脂肪酸エステルはポリ不飽和脂肪酸エステルを含むことを特徴とするゴム組成物。
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