JP2018137276A - プリント回路板およびその製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

プリント回路板およびその製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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邦彦 峰岸
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光利 長谷川
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Abstract

【課題】接合信頼性が高く、熱変形が小さくローコストなプリント回路板およびその製造方法、並びにプリント回路板を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】プリント配線板の搭載面上に電子部品を搭載し、該電子部品の底面に設けられた複数の第1ランドと、該複数の第1のランドと対応するように該プリント配線板の搭載面上に形成されたソルダーレジストの開口部に設けられた複数の第2のランドを、はんだで接合するプリント回路板の製造方法であって、前記はんだペーストから分離した前記熱硬化性樹脂を、金属部材と接触させた状態で硬化させる樹脂硬化加熱工程をさらに含むことを特徴とするプリント回路板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント回路板およびその製造方法、並びに電子機器に関する。
近年、電子機器の小型化および高性能化に伴い、電子機器に用いられるプリント配線板に搭載される電子部品もまた小型化、高性能化している。モバイル機器、デジタルカメラ等の電子機器に用いられる電子部品には、小型化および端子数の増加が可能な、BGA(Ball Grid Array)、LGA(Land Grid Array)等のパッケージが多く使用されている。BGAおよびLGAは、パッケージの底面に電極を設ける構造を有しているため、リード端子が不要であり、小型化が可能となる。また、パッケージ底面の電極のピッチ小さくすることにより、パッケージを大型化することなく信号、電源等の端子数を増加させることができる。そのため、高性能化への対応も可能となる。
一方、BGA、LGA等のパッケージの電極の端子数を増加させるためには、パッケージとプリント配線板との間のはんだ接合部を微細化する必要がある。この場合、はんだ接合部の強度の確保が課題となり得る。具体的には、電子機器の落下時の衝撃等によりはんだ接合部に断線が生じる場合がある。
また、電子部品の高性能化により、動作時の発熱量が増大し、熱膨張による変形量が大きくなっているため、熱変形によりはんだ接合部に断線が生じる場合もある。
このはんだ接合部の断線を抑制するため、アンダーフィルではんだ接合部を補強する方法が用いられることがある。しかし、アンダーフィルによる補強は、電子部品をはんだ接合した後に電子部品とプリント配線板との間にアンダーフィルを充填する工程、さらにアンダーフィルを加熱し硬化する工程が必要であり、製造コストを上昇させるという問題がある。
このように、電子部品の小型化および高性能化に伴って、パッケージとプリント配線板の間のはんだ接合部の接合信頼性を確保しつつ、製造コストを抑制させることが課題となっている。
この課題に対し、図9に示すように特許文献1では、はんだ粉末と熱硬化性のエポキシ樹脂を混合した熱硬化性樹脂入りはんだペーストと、この熱硬化性樹脂入りはんだペーストを用いて電子部品100の第1のランド101とプリント配線板200の第2のランド202とを接合し、プリント回路板(半導体装置)500を製造する方法が開示されている。熱硬化性樹脂入りはんだペーストは、リフローはんだ付け(以下、「リフロー」ともいう。)工程で、はんだ融点以上ではんだと熱硬化性樹脂が分離し、はんだ接合部302の周囲のソルダーレジスト201の表面に熱硬化性樹脂がぬれ広がり、硬化することで、電子部品100とプリント配線板200を接着し、補強樹脂401として機能する材料である。熱硬化性樹脂入りはんだペーストを用いれば、リフロー工程ではんだ接合とはんだ接合部302の補強を同時に行うことができるため、アンダーフィル工程で必要であった補強樹脂の充填工程と硬化工程が不要となり、はんだ接合の信頼性をローコストで確保することができる。
特開2002−283098号公報
リフロー工程において、熱硬化性樹脂がはんだの溶融より前に硬化すると、はんだの接合を阻害し接合不良の原因となるため、はんだの溶融および接合の後に熱硬化性樹脂の硬化が開始するように、反応速度の遅い樹脂が使用されている。反応速度の遅い熱硬化性樹脂を用いることによって、リフロー時にはんだが溶融し、電子部品の端子とプリント配線板のランドがはんだ接合された後に、熱硬化樹脂の硬化が開始するため、はんだ接合の阻害を抑制できる。
熱硬化性樹脂をプリント回路板のはんだ接合部の補強樹脂として機能させるためには、はんだ接合完了後も加熱を行い、十分に熱硬化性樹脂を硬化させる必要がある。そして、反応速度の遅い熱硬化性樹脂を十分に硬化させるには、リフロー温度を高温のまま保持するか、あるいは、はんだ接合が完了した後に加熱温度を低下させ低温で長時間加熱を行う必要がある。
しかし、リフローの温度を高温のまま保持することは、電子部品やプリント配線板が高温に曝される時間が長くなることによる熱ダメージによって、製造されるプリント回路板の品質を低下させる可能性があるため好ましくない。さらに、電子部品や基板の熱変形が大きい状態で熱硬化性樹脂が硬化するので、完成したプリント回路板が大きく変形することがある。この場合、小型化されプリント回路板の搭載スペースが制限された電子機器内に、変形したプリント回路板が収まりきらず搭載できないというリスクが発生する。このリスクを回避するには、プリント回路板の搭載スペースを大きくする設計する必要があり、結果として電子機器の小型化を妨げることになる。また、電子部品がCCD(Charge Couplde Device)やCMOS(Complemetary Metal Oxide Semicodcutor)センサーを搭載した撮像装置の場合、変形が大きいとその光学性能を低下する。そのため、撮像装置に搭載するプリント回路板は、熱変形を抑制した状態で樹脂を硬化させる必要がある。
一方、リフロー時に、はんだ接合の完了後に加熱温度を低下させ、加熱時間を長くすることで熱硬化性樹脂を硬化させる方法では、プリント回路板の製造タクトが長くなるため、熱硬化性樹脂入りはんだペーストを用いたプリント回路板の製造コスト低減効果が薄れてしまうという問題がある。つまり、熱硬化性樹脂入りはんだペーストを用いて電子部品をプリント配線板に実装するプリント回路板の製造工程において、熱硬化性樹脂を低温かつ短時間で硬化させることが求められている。特にLGAタイプの電子部品をプリント配線板に実装する場合、はんだボールを用いないため電子部品とプリント配線板の間隔が狭くなり、熱硬化性樹脂がぬれ広がることで、熱硬化性樹脂のはんだからの距離が遠くなる部分が生じる。はんだには熱硬化性樹脂の硬化を促進する触媒としての作用があるため、LGAタイプの電子部品でははんだから離れた熱硬化性樹脂が硬化しにくいという問題も生じる。
そこで本発明は上記の課題を鑑み、高品質で接合信頼性が高く、電子機器の小型化が可能なローコストなプリント回路板の製造方法、およびそのプリント回路板を備えた電子機器を提供することを目的としている。
本発明の一実施形態に係るプリント回路板の製造方法は、プリント配線板の搭載面上に電子部品を搭載し、該電子部品の底面に設けられた複数の第1のランドと、該複数の第1のランドと対応するように該プリント配線板の搭載面上に形成されたソルダーレジストの開口部に設けられた複数の第2のランドを、はんだで接合するプリント回路板の製造方法であって、前記複数の第2のランドに、はんだ粉末および熱硬化性樹脂を含有するはんだペーストを供給する供給工程と、前記プリント配線板上に前記電子部品を搭載する搭載工程と、前記はんだペーストを前記はんだ粉末の融点より高い温度に加熱することにより、前記はんだ粉末を溶融し、分離した前記はんだで前記複数の第1のランドと対応する前記第2のランドをはんだで接合するはんだ接合加熱工程と、を含み、前記第1のランドの半径をR2、前記第2のランドの半径をR、前記はんだペーストのはんだ体積含有率をW[vol%]としたとき、前記はんだペーストから分離した前記熱硬化性樹脂を、前記はんだおよび前記プリント配線板の搭載面上に形成されたソルダーレジストの開口部に、第2のランドの中心から、√{(R +R+R )/3(W/100)}以内かつ前記第2のランドに接しない範囲に設けられた金属部材と接触した状態で硬化させる樹脂硬化加熱工程をさらに含むことを特徴とするプリント回路板の製造方法である。
また、本発明の一実施形態に係るプリント回路板は、プリント配線板の搭載面上に電子部品を搭載し、該電子部品の底面に複数の第1のランドが設けられ、該複数の第1のランドと対応するように該プリント配線板の搭載面上に形成されたソルダーレジストの開口部に複数の第2のランドが設けられ、前記複数の第1のランドと対応する前記複数の第2のランドとが、それぞれはんだで接合されたはんだ接合部を有するプリント回路板であって、前記はんだ接合部が補強樹脂で補強されており、前記第1のランドの半径をR2、前記第2のランドの半径をR、前記はんだ接合部の体積と前記補強樹脂の体積の和に対する前記はんだ接合部の体積含有率がW[vol%]であるとき、前記プリント配線板の前記第2のランドの周囲の搭載面の、前記第2のランドの中心から、√{(R +R+R )/3(W/100)}以内かつ前記第2のランドに接しない距離に、金属部材が設けられていることを特徴とするプリント回路板である。
さらに、本発明の一実施形態に係る電子機器は、前記プリント回路板を備えることを特徴とする電子機器である。
本発明の熱硬化性樹脂入りはんだペーストを用いたプリント回路板の製造方法によれば、プリント配線板のランドの周囲に金属部材が備えられる。
金属部材とランドの中心からの距離は、熱硬化性樹脂入りはんだペーストに含まれるはんだ体積含有率をW[vol%]、プリント配線板のランドの半径をR、電子部品のランドの半径をRとしたときに、√{(R +R+R )/3(W/100)}以下となる。
そのため、熱硬化性樹脂入りはんだペーストが溶融しはんだと分離した熱硬化性樹脂がぬれ広がり、金属部材と接触する。はんだと金属部材が熱硬化性樹脂の硬化を促進する触媒として作用するため、熱硬化性樹脂を低温かつ短時間で硬化させることが可能になる。これにより、電子部品やプリント配線板を高温にさらす時間が短くなり、プリント回路板の品質低下を防止することができる。
また、電子部品やプリント配線板の熱変形を抑制した状態で補強樹脂が硬化するため、プリント回路板の変形量を小さくすることができる。さらに、低温でも補強樹脂の硬化時間を短くすることができるため、製造コストの上昇を抑えることができ、ローコストで製造でき、接合信頼性の高いプリント回路板を提供することができる。
本発明のプリント回路板の製造方法における一端子のはんだ接合部近傍の断面図である。 本発明のプリント回路板の製造方法および製造されたプリント回路板を示す断面図である。 本発明に係るプリント回路板の製造方法で用いるプリント配線板の上視図である。 本発明のプリント回路板の製造方法および製造されたプリント回路板を示す断面図である。 本発明のプリント回路板の製造方法および製造されたプリント回路板を示す断面図である。 本発明の電子機器の一例の概略構成を示す図である。 金属部品の有無による熱硬化性樹脂硬化性を調べる方法を示す断面図である。 本発明のプリント回路板の製造方法に係る加熱温度プロファイルである。 従来の方法で熱硬化性樹脂入りはんだペーストを使用して製造されたプリント回路板を示す断面図である。
[はんだ接合部]
図1(a)および図1(b)は、本発明のプリント回路板の製造工程における、一端子のはんだ接合部の断面図を示す。
以下、図1(a)および図1(b)を用いて、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aに含まれる熱硬化性樹脂を、金属部材に接触させるプリント回路板の製造方法を説明する。
図1(a)は、プリント配線板200の搭載面上に形成されたソルダーレジスト201の開口部に設けられた半径Rの第2のランド202上に、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが供給され、半径Rの第1のランド101を有する電子部品100が搭載された状態の一端子を拡大した断面図である。
このとき、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aの供給体積をV、高さをHとする。
図1(b)は、電子部品100が搭載されたプリント配線板200を加熱し、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが溶融し、溶融はんだ301と熱硬化性樹脂400に分離した状態を示している。
熱硬化性樹脂入りはんだペースト300a中のはんだ粉末が溶融すると、第1のランド101と第2のランド202の間に凝集し、溶融はんだ301となる。同時に、熱硬化性樹脂400が第1のランド101と第2のランド202の間からぬれ広がることで、高さHはHへと減少する。そのため、熱硬化性樹脂400は、溶融はんだ301の外周を覆いつつ、電子部品100とプリント配線板200の間に、第2のランド202の中心からLの距離までぬれ広がる。
ここで、溶融はんだ301の体積Vと熱硬化性樹脂400の体積Vを足し合わせると、分離前の熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aの体積:Vと等しくなるため、以下の式で表すことができる。
=V+V
熱硬化性樹脂入りはんだペーストの体積:V[mm
溶融はんだの体積:V[mm
熱硬化性樹脂の体積:V[mm
つまり、熱硬化性樹脂400がぬれ広がる距離Lは、体積Vの熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが高さHからHに変化した時に押しつぶされて広がった距離と等しくなる。
第1のランド101の半径Rと第2のランド202の半径Rが等しいとき、溶融はんだ301と熱硬化性樹脂400は、高さの等しい円柱に近似した形状となる。そのため、溶融はんだ301の体積Vと熱硬化性樹脂400の体積Vから、溶融はんだ301からなる円柱の底面の半径と、溶融はんだ301と熱硬化性樹脂400からなる円柱の底面の半径を求めることができる。溶融はんだ301からなる円柱の底面の半径は、溶融はんだ301がぬれ広がる距離Lであり、第2のランド202の半径Rに等しい。
溶融はんだ301と熱硬化性樹脂400からなる円柱の底面の半径は、第2のランド202の中心から熱硬化性樹脂400がぬれ広がる距離Lであり、上述のように熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが潰れて広がる距離と等しいため、体積Vの円柱の底面の半径R=Lから求めることができる。
つまり、第2のランド202の中心から熱硬化性樹脂400のぬれ広がる距離Lは、Lに(熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aの体積V/溶融はんだ301の体積V)の平方根を乗じた値になることから、以下の式で表すことができる。
=R×√(V/V
ここで、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aに占めるはんだ体積含有率をW[vol%]とすると、
/V=W
であるから、
=R×√{1/(W/100)}
と表すことができる。
つまり、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aに占めるはんだ体積含有率W[vol%]を測定することで、第2のランド202の中心から熱硬化性樹脂400のぬれ広がる距離Lを求めることができる。
が求まることにより、図1(b)のように第2のランド202の中心からL以内の距離にソルダーレジスト201を介して金属部材210を設置することで、熱硬化性樹脂400を金属部材210と接触させることができる。熱硬化性樹脂400と金属部材210が接触した状態で加熱を行うことで、熱硬化性樹脂400の硬化速度を速めることができる。
また、第2のランド202の半径Rと、第1のランド101の半径Rが異なる場合、Lは以下の式で表すことができる。
=√{(R +R+R )/3(W/100)}
例えば、電子部品100の第1のランド101、プリント配線板200の第2のランド202がそれぞれφ1.0[mm]であり、はんだ体積含有率Wが40[vol%]の熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aを供給する場合、Lは以下のように求まる。
=√{(0.5+0.5×0.5+0.5)/3×(40/100)}=0.79[mm]
上述の結果から、第2のランド202の中心から0.79[mm]以内の距離かつ第2のランド202と接しない範囲に金属部材210を設置すればよいことがわかる。
第2のランド202の中心から熱硬化性樹脂400がぬれ広がる距離Lに金属部材210を設けることで、加熱時に金属部材210が触媒として作用し、熱硬化性樹脂400の硬化を促進し、低温でも短時間で硬化させることが可能になる。
そのため、プリント回路板500の製造工程において、プリント回路板の熱変形を抑制しつつ、製造コストの抑制が可能になる。
[プリント回路板の製造]
以下、本発明のプリント回路板の製造方法の第1の態様を、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本方法で使用される熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aについて説明する。
熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aは、少なくともはんだ粉末および熱硬化性樹脂を含有するはんだペーストであり、はんだ付に必要なフラックス成分をさらに含有していてもよい。
熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aは、通常のはんだペーストと同様、スクリーン印刷やディスペンサーなどで供給が可能であり、リフロー等の加熱ではんだ接合することができる。
しかしながら、リフロー加熱時にはんだ粉末が溶融すると、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aより熱硬化性樹脂400が分離し、熱硬化性樹脂400が溶融はんだ301とその周囲で硬化し、接着することにより補強樹脂として機能する点が通常のはんだペーストと異なる。
そのため、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aを用いることにより、電子部品100とプリント配線板200との接合が補強され、プリント回路板500の接合信頼性を向上させることができる。
図2(a)乃至図2(d)は、図1(a)および(b)に示したプリント回路板500の製造工程を示す断面図である。
図2(a)は、プリント配線板200に形成された第2のランド202上に熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aを供給する供給工程を示す図である。
熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aは前述のとおり、スクリーン印刷やディスペンサーで供給することができる。
図2(a)に示すように、第2のランド202の周囲には、ソルダーレジスト201を介して金属部材210が、設置されている。
本発明のプリント回路板の製造方法では、第2のランド202の中心から金属部材210の距離は、第2のランド202の中心から熱硬化性樹脂400がぬれ広がる距離Lであり、第1のランド101の半径をR、第2のランド202の半径R、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aのはんだ体積含有率Wとした時に、
=√{(R +R+R )/3(W/100)}
で求まるL以内の距離かつ金属部材210が第2のランド202と接しない範囲となる。
図2(b)は、マウンターを用いて、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが供給されたプリント配線板200の上にLGAタイプの電子部品100を搭載する搭載工程を示す図である。
電子部品100は半導体素子102を搭載し、電子部品100の底面には複数の第1のランド101が設けられている。
このとき、電子部品100の第1のランド101は、接合されるプリント配線板200の第2のランド202と対向する位置に合わせて搭載される。
図2(c)は、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aを溶融・接合させるはんだ接合加熱工程と、はんだ接合完了後に熱硬化性樹脂400を硬化させる樹脂硬化加熱工程を示す図である。
はんだ接合加熱工程は、リフロー炉で行うことができ、樹脂硬化加熱工程はそのままリフロー炉内で継続して加熱してもよい。
リフロー炉のサイズが小さく、樹脂硬化加熱工程の時間が十分に取れない場合は、リフロー後に加熱炉などで樹脂硬化加熱工程を行ってもよい。
まず、はんだ接合加熱工程で、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが溶融し、溶融はんだ301と熱硬化性樹脂400とに分離し、溶融はんだ301が電子部品100の第1のランド101とプリント配線板200の第2のランド202とを接合する。このとき分離した熱硬化性樹脂400は、電子部品100の底面およびプリント配線板200に形成されたソルダーレジスト201の表面にぬれ広がり、プリント配線板200上に形成された金属部材210に接触する。金属部材210は、熱硬化性樹脂400の硬化反応において触媒として作用し、硬化を促進するため、金属部材210と接した熱硬化性樹脂400の硬化時間を短くすることができる。また金属部材210は、樹脂を主成分とするソルダーレジスト201より熱伝導率が高く、加熱時の昇温速度が速く短時間で高温になるため、熱硬化性樹脂400の硬化時間が短くなる。このとき、金属部材210は、プリント配線板200のグラウンド配線(不図示)に電気的に接続されていてもよい。グラウンド配線は導体面積が大きいため、加熱時により昇温速度がより向上し、熱硬化性樹脂400の硬化時間を、より短くすることができる。
樹脂硬化加熱工程は、はんだ接合加熱工程より低い温度で行うことで、プリント配線板200や電子部品100への熱ダメージや、それぞれ熱変形量を抑制することができる。
図2(d)は、完成したプリント回路板500を示す図である。
プリント回路板500は、プリント配線板200の搭載面上に電子部品100が搭載されており、はんだ接合部302とその周囲は、熱硬化性樹脂400が硬化した補強樹脂401によって周囲が接着・補強され、プリント回路板500の接合信頼性が高くなる。
電子部品100はLGAに限られず、例えばBGAでも同様の効果を得ることができる。
図3(a)および(b)は、図1(a)および(b)に示したプリント回路板500に使用されるプリント配線板200を示す平面図であり、電子部品搭載領域110内のソルダーレジスト201の開口部に、それぞれ形状の異なる金属部材210が複数個設けられている。
複数の金属部材210は、第2のランド202の中心からの距離L=√{(R +R+R )/3(W/100)}以内かつ第2のランド202に接しない位置に、設けられている。
図3(a)のように、複数の金属部材210を第2のランド202の周囲に配置することで、熱硬化性樹脂400が金属部材210に接触する確率や面積を大きくすることができる。
また、図3(b)のように、金属部材210で第2のランド202の外周を囲うことで、熱硬化性樹脂400を金属部材210に確実に接触させることができる。
また、金属部材210の形状は、図3(a)の丸型や図3(b)の円形だけでなく、上記距離の条件を満たせば、矩形や三角形などの形状でも同様の効果を得ることができる。
図4(a)乃至図4(d)は、本発明のプリント回路板の製造方法の第2の態様に係るプリント回路板500の製造工程を示す断面図である。
図4(a)乃至図4(d)が、本発明のプリント回路板の製造方法の第1の態様と異なる箇所は、金属部材211が、金属部材210b上に形成された第2のはんだである点である。金属部材211である第2のはんだは、はんだめっき、あるいはプリコートなどで予め金属部材210b上に形成しておく。図4(a)における金属部材210bは、実質的にはプリント配線板200に設置された第3のランドである。
図4(a)の熱硬化性樹脂入りはんだペースト供給工程において、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aは、スクリーン印刷で供給できるが、金属部材211の高さによって印刷性が悪化する場合は、ディスペンスで供給してもよい。
図4(c)は、はんだ接合加熱工程と、樹脂硬化加熱工程を示す図であるが、樹脂硬化加熱工程において金属部材211の第2のはんだは、固体または溶融状態のどちらの状態でも熱硬化性樹脂400の硬化を促進する作用を発揮する。
その他の点は本発明のプリント回路板の製造方法の第1の態様と同じである。本態様の利点は、金属部材211を第2のはんだで立体化することによって、プリント配線板200と電子部品100との間にできる空間の容積が小さくなることである。この利点によって、プリント配線板200と電子部品100との間の熱硬化性樹脂400の充填率が高まり、図4(d)に示すようにプリント回路板500における補強樹脂401が電子部品100の底面と接着する面積が大きくなる。
この作用により、本発明のプリント回路板の製造方法の第1の態様と比較して、得られるプリント回路板500の接合信頼性をさらに高めることができる。
図5(a)乃至図5(d)は、本発明のプリント回路板の製造方法の第3の態様に係るプリント回路板500の製造工程を示す断面図である。
図5(a)乃至図5(d)が、本発明のプリント回路板の製造方法の第1の態様および第2の態様と異なる箇所は、金属部材212が金属部材210b、すなわち第3のランド上に供給された熱硬化性樹脂入りはんだペースト300bから溶融し分離した第2のはんだで形成される点である。
金属部材212の供給源となる熱硬化性樹脂入りはんだペースト300bは、図5(a)の熱硬化性樹脂入りはんだペースト供給工程で、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aと同時に供給することができる。これによって、めっきやプリコートで予め金属部材212を形成する必要がないため、第2の態様におけるプリント回路板の製造工程より工数を削減できる。
さらに、図5(c)に示すように、接合加熱工程において、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aと同様に、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300bからも熱硬化性樹脂400が分離するため、電子部品100とプリント配線板200を接着する補強樹脂401の体積が増加する。補強樹脂401が増加すると、図5(d)に示すようにプリント回路板500における、補強樹脂401による電子部品100とプリント配線板200との接着面積がさらに大きくなり、他の態様と比較して、プリント回路板500の接合信頼性をさらに高める効果を得ることができる。
[電子機器]
図6は、本発明の電子機器の一例であるデジタルカメラ600の概略構成を示す図である。
デジタルカメラ600は、レンズ交換式のデジタルカメラであり、本体部601とレンズユニット602とからなり、レンズユニット602が着脱可能である。本体部601は、本発明のプリント回路板の製造方法の第1の態様乃至第3の態様のいずれかで製造されたプリント回路板520および530を含む。
プリント回路板520は、プリント配線板220の上に半導体装置の一例である撮像装置120が搭載された構造を有する。撮像装置120は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサまたはCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。プリント回路板520は、レンズユニット602を介して入射した光を電気信号に変換する機能を有する。
プリント回路板530は、プリント配線板230の上に半導体装置の一例である画像処理装置130が搭載された構造を有する。画像処理装置130は、例えば、デジタルシグナルプロセッサである。プリント回路板530は、プリント回路板520で得られた電気信号に補正等の信号処理を行い、画像データを生成する機能を有する。
本発明のプリント回路板の製造方法で製造されたプリント回路板520、530は、接合信頼性が向上されている。したがって、本実施形態によれば、信頼性が向上されたデジタルカメラ600等の電子機器を提供することができる。また、プリント回路板520、530は、本発明のプリント回路板の製造方法により製造され得るため、コストが低減されたデジタルカメラ600等の電子機器を提供することができる。
(熱硬化性樹脂入りはんだペースト中のはんだ体積含有率の測定)
熱硬化性樹脂入りはんだペースト中のはんだ体積含有率W[vol%]を測定するため、以下の実験を行った。
実験には2種類の熱硬化性樹脂入りはんだペーストA(以下、「ペーストA」と表記する)を用いた。ペーストAは、熱硬化性樹脂としてビスフェノールA型のエポキシ樹脂と、これと反応する硬化剤を含んでいる。ペーストAのはんだ粉末の合金組成は、融点139[℃]のスズ−ビスマスを42:58の質量比で含む共晶組成であり、はんだ粉末の平均粒径は40[μm]である。
このペーストAのはんだ体積含有率W[vol%]を以下の方法で測定した。
(1)はんだペースト密度[g/cm]の測定
(i)比重びんの重量a[g]を測定する。
(ii)比重びんに純水を充填した重量b[g]を測定する。
(iii)(b[g]−a[g])÷純水の密度[g/cm]=比重びんの容積c[cm]が求まる。
(iv)比重びんを乾燥後、はんだペーストを充填した該比重びんの重量d[g]を測定する。
(v)d[g]−a[g]=はんだペースト重量e[g]が求まる。
(vi)次式より、はんだペースト密度[g/cm]を算出する。
はんだペースト密度[g/cm]=e[g]÷c[cm
(2)はんだペースト中のはんだ合金重量含有率[wt%]の測定
(i)るつぼの重量f[g]を測定する。
(ii)るつぼに熱硬化性樹脂入りはんだペーストをいれた重量g[g]を測定する。
(iii)はんだペーストをいれたるつぼをはんだ融点以上まで加熱し、はんだを溶融・凝集し熱硬化性樹脂成分と完全に分離する。
(iv)るつぼを冷却後に凝集したはんだ周囲の樹脂分を洗浄・除去し、はんだ合金の重量h[g]を測定する。
(v)次式より、はんだペースト中のはんだ重量含有率[wt%]を算出する。
はんだ合金重量含有率[wt%]=h[g]÷(g[g]−f[g])×100
(3)以下の式から、はんだペースト中のはんだ体積含有率Wを算出する。
はんだ体積含有率W[vol%]=はんだペースト密度[g/cm]×はんだ合金重量含有率[wt%]÷はんだ密度[g/cm
ここで、はんだ密度は8.6[g/cm]である。
表1に、ペースト中のはんだ体積含有率測定結果を示す。
Figure 2018137276
(金属部材の熱硬化性樹脂の硬化促進)
熱硬化性樹脂入りはんだペーストの熱硬化性樹脂の金属部材による硬化促進効果について図7を参照し説明する。
熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aとプリント配線板200を用いて、金属部材210の有無による補強樹脂の硬化状態の差を確認した。
熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aとして、表1に示したペーストAを用いた。プリント配線板200は、金属部材の熱硬化性樹脂の硬化を促進する触媒作用を実験するためのものであり、ソルダーレジスト201の開口部には銅製の第2のランド202aと銅製の第2のランド202bがそれぞれ設けられている。図7に示すように、第2のランド202aの周囲には、ソルダーレジスト201を介しランドとして銅製の金属部材210が設けられている。一方、第2のランド202bの周囲には金属部材210は設けられていない。
図7(a)に示すように、版厚200[μm]の印刷版を用いたスクリーン印刷によって、第2のランド202aおよび202b上に、それぞれ熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aをそれぞれ供給した。
次に図7(b)に示すように、加熱によって熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aを中のはんだを溶融させ、溶融はんだ301aおよび301bと熱硬化性樹脂400aおよび400bにそれぞれ分離させるとともに熱硬化性樹脂400aおよび400bを硬化させた。このとき、第2のランド202a上に供給した熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aから分離した熱硬化性樹脂400aの端部は、金属部材210までぬれ広がり、金属部材210に接触した状態で加熱された。
図7(c)は、冷却後にはんだ接合部となるはんだ302aおよび302bが凝固し、補強樹脂となる樹脂401aおよび401bの硬化が終了した状態を示している。以下、ここでは便宜的に、はんだ接合部となるはんだ302aおよび302bをはんだ302aおよび302bといい、補強樹脂となる樹脂401aおよび402bを補強樹脂401aおよび402bという。この状態の補強樹脂401aおよび401bの硬化状態を比較するため、それぞれの硬度をビッカーズ硬度計で測定した。
Figure 2018137276
補強樹脂401aの硬度は、はんだ302aの上および第2のランド202a周囲の硬度が、共に14[HV]以上の硬度であった。これらの硬度から、はんだから距離が離れた箇所の補強樹脂401aも硬化が進行していることが分かり、溶融はんだ301a、金属部材210が熱硬化性樹脂400aの硬化を促進させる触媒として作用したと考えられる。
一方、補強樹脂401bは、はんだ302b上では14[HV]以上の硬度を示したが、はんだ302bから距離が離れると補強樹脂401bの硬度にばらつきが生じた。さらに場所によっては、熱硬化性樹脂400bがほぼ未硬化の箇所もあった。これは、ソルダーレジスト201には熱硬化性樹脂の硬化を促進する作用が無いため、はんだ302bから離れた熱硬化性樹脂400bの硬化が不十分であったことを示している。
この実験により、熱硬化性樹脂をはんだや銅といった金属と接触させた状態で加熱することにより、熱硬化性樹脂の硬化が促進され、硬化時間が短縮される効果があることを明らかにした。
(プリント回路板の製造方法)
本実施例のプリント回路板の製造方法を、図2(a)乃至図2(d)および図3(a)を参照し、具体的に説明する。
熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aとして、上述のペーストAを用いた。
電子部品100として、APS−CサイズのCMOSイメージセンサを搭載した撮像装置であり、外形サイズは上面視で約35.0[mm]×28.0[mm]のLGAタイプのものを用いた。電子部品100の底面に設けられた外部端子である第1のランド101の直径はφ1.0[mm]であり、2.0[mm]ピッチでグリッド状に配置されている。ここで、電子部品100の底面の材質はアルミナセラミックであり、第1のランド101はタングステン製の配線層のうえに、Ni/Auめっき層が形成されている。
プリント配線板200として、FR−4(Flam Retardant Type 4)を基材とする、外形サイズが上面視で50.0×50.0[mm]のものを用いた。プリント配線板200の表面にはソルダーレジスト201が設けられており、開口部には直径φ1.0[mm]の第2のランド202が複数個設けられている。第2のランド202の周囲には、図3(a)で示される直径がφ0.2[mm]の銅製の円形の金属部材210が、銅製の第2のランド202の中心から放射状に複数個設けられている。
第2のランド202の中心から金属部材210の第2のランド202側のエッジまでの距離が、第2のランド202の中心からペーストAがぬれ広がる距離より短くなるように金属部材210を設置した。
すなわち、式L=√{(R +R+R )/3(W/100)}
より
=√{(0.5+0.5×0.5+0.5)/3×(38.8/100)}
=0.803
となるため、金属部材210のエッジと第2のランド202の中心からの距離が0.70[mm]となるように、金属部材210の中心を第2のランド202の中心から0.8[mm]の位置に設置した。
プリント回路板は、以下に示すように製造した。
図2(a)のはんだペースト供給工程に示すように、版厚200[μm]の印刷版を用いたスクリーン印刷により、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aをプリント配線板200の複数の第2のランド202へ供給した。
そして、図2(b)の搭載工程に示すように、マウンターを用いて、電子部品100をプリント配線板200上に、電子部品100の第1のランド101とプリント配線板200の第2のランド202とが互いに対向する位置に搭載した。このとき、電子部品100の第1のランド101と熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが接触するよう、また隣接する熱硬化性樹脂入りはんだペースト300a同士が接触しない程度の圧力で搭載した。
次に、熱硬化性樹脂がはんだ溶融前に硬化することを防止するため、図8に示す加熱温度プロファイルで、前段で予備加熱を行わずはんだ融点である139[℃]以上まで昇温し、はんだ接合を完了させた。このとき、図2(c)の加熱工程に示すように、熱硬化性樹脂入りはんだペースト300aが分離した後、溶融はんだ301が第1のランド101および第2のランド202にぬれ広がり、また、分離した熱硬化性樹脂400もぬれ広がることで金属部材210に接触した。
続いて、図2(d)の樹脂硬化加熱工程において、はんだ融点以下である130[℃]程度まで降温し、はんだ接合部302が凝固した状態で熱硬化性樹脂400を加熱し硬化させ、補強樹脂401ではんだ接合部302の周囲を補強し、プリント回路板500を製造した。
上述の製造方法で得たプリント回路板500は、電子部品100の複数の第1のランド101とプリント配線板200の複数の第2のランド202が、複数のはんだ接合部302によって接合され、はんだ接合部302とその周囲は、電子部品100の底面およびソルダーレジスト201と接触した補強樹脂401によって補強され、はんだ接合部302の強度が向上していた。
(プリント回路板の評価)
上記で製造されたプリント回路板500について、X線透過観察装置ではんだ接合部302の検査を行った結果、隣接するはんだ接合部302同士のはんだブリッジなどの接合不良はみられなかった。また、電気チェックによるはんだ接合部302の検査においても導通不良は確認されなかった。
樹脂硬化加熱工程をはんだ融点以下である130[℃]の低温で行ったため、電子部品100として搭載された撮像装置の熱変形量は少なく、内蔵するCMOSイメージセンサの光学性能は、十分に保証できるものであった。
次に、電子部品100とプリント配線板200を引きはがし、はんだ接合部302と、補強樹脂401の状態を確認した。はんだ接合部302は、電子部品100の第1のランド101およびプリント配線板200の第2のランド202にぬれ広がった状態で接合されており、熱硬化性樹脂400がはんだの接合を阻害した形跡は確認されなかった。
続いて、剥離後の補強樹脂401の状態を目視により確認した。補強樹脂401は、金属部材210と接触した状態で硬化していた。また補強樹脂401は、計算で求めたLより長い距離をぬれ広がっていた。これは、実際の溶融はんだ301が横に膨らむことで理想の円柱より高さが低くなり、電子部品100とプリント配線板200の間隔が狭くなるため、補強樹脂401がLよりぬれ広がったと考えられる。このことから、Lが、熱硬化性樹脂400と金属部材210を接触させるための距離として十分な距離であることがわかった。
さらに、ソルダーレジスト201と補強樹脂401との接着部は大部分が剥離せず、ソルダーレジスト201とプリント配線板200とが剥離していたことから、補強樹脂401が十分に硬化し、ソルダーレジスト201と強い接着力で接着されていることが確認できた。
つぎに、プリント配線板200から剥離し、補強樹脂401と接着したソルダーレジスト201を削ぎ落とし、ビッカーズ硬度計で硬度を測定した。その結果、補強樹脂401は、表2に示した補強樹脂401aとほぼ同等の硬度を示し、補強樹脂401が十分に硬化していることがわかった。
(その他実施形態)
上述の実施形態および実施例は、本発明を適用しうるいくつかの態様を例示したものに過ぎない。即ち、本発明は、上述の説明した実施形態および実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜修正や変形を行うことができる。
上述の実施形態では、電子部品の例として撮像装置および画像処理用半導体装置について例示しているが、その他の電子部品、例えばメモリIC(Integrated Circuit)や電源ICなどにも適用可能である。また、LGAの外部端子を有していれば、半導体装置以外の電子部品にも適宜使用可能である。
さらに、電子機器の一例としてデジタルカメラ600を例示しているが、これに限定するものではなく、その他モバイル通信機器などのあらゆる電子機器に適用可能である。
100 電子部品
101 第1のランド
102 半導体素子
110 電子部品搭載領域
120 撮像装置
130 画像処理装置
200 プリント配線板
201 ソルダーレジスト
202、202a、202b 第2のランド
210 金属部材
210b 金属部材(第3のランド)
211 金属部材(第2のはんだ)
212 金属部材(熱硬化性樹脂入りはんだペーストから分離した第2のはんだ)
220 プリント配線板
230 プリント配線板
300a、300b 熱硬化性樹脂入りはんだペースト
301 溶融はんだ
302 はんだ接合部
400、400a、400b 熱硬化性樹脂
401、401a、401b 補強樹脂(硬化後の熱硬化性樹脂)
500 プリント回路板
520 プリント回路板
530 プリント回路板
600 デジタルカメラ
601 本体部
602 レンズユニット

Claims (12)

  1. プリント配線板の搭載面上に電子部品を搭載し、該電子部品の底面に設けられた複数の第1のランドと、該複数の第1のランドと対応するように該プリント配線板の搭載面上に形成されたソルダーレジストの開口部に設けられた複数の第2のランドを、はんだで接合するプリント回路板の製造方法であって、
    前記複数の第2のランドに、はんだ粉末および熱硬化性樹脂を含有するはんだペーストを供給する供給工程と、
    前記プリント配線板の上に前記電子部品を搭載する搭載工程と、
    前記はんだペーストを前記はんだ粉末の融点より高い温度に加熱することにより、前記はんだ粉末を溶融し、分離した前記はんだで前記複数の第1のランドと対応する前記第2のランドを接合するはんだ接合加熱工程と、を含み、
    前記第1のランドの半径をR2、前記第2のランドの半径をR、前記はんだペーストのはんだ体積含有率をW[vol%]としたとき、
    前記はんだペーストから分離した前記熱硬化性樹脂を、前記はんだおよび前記プリント配線板の搭載面上に形成されたソルダーレジストの開口部に、前記第2のランドの中心から√{(R +R+R )/3(W/100)}以内の距離かつ前記第2のランドに接しない範囲に設けられた金属部材と接触した状態で硬化させる樹脂硬化加熱工程をさらに含むことを特徴とするプリント回路板の製造方法。
  2. 前記金属部材は、前記プリント配線板のグラウンド配線に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント回路板の製造方法。
  3. 前記金属部材は、前記第2のランドの周囲に複数個設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載のプリント回路板の製造方法。
  4. 前記金属部材は、前記第2のランドの周囲を囲うように設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のプリント回路板の製造方法。
  5. 前記金属部材は、第3のランド上に設けられた第2のはんだであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のプリント回路板の製造方法。
  6. 前記第2のはんだは、前記はんだペースト供給工程において、前記第3のランド上に供給されたはんだペースト中のはんだ粉末が、前記はんだ接合加熱工程で溶融することにより形成されることを特徴とする請求項5に記載のプリント回路板の製造方法。
  7. プリント配線板の搭載面上に電子部品を搭載し、該電子部品の底面に複数の第1ランドが設けられ、該複数の第1のランドと対応するように該プリント配線板の搭載面上に形成されたソルダーレジストの開口部に複数の第2のランドが設けられ、前記複数の第1のランドと対応する前記複数の第2のランドとが、それぞれはんだで接合されたはんだ接合部を有するプリント回路板であって、
    前記はんだ接合部が補強樹脂で補強されており、
    前記第1のランドの半径をR2、前記第2のランドの半径をR、前記はんだ接合部の体積と前記補強樹脂の体積の和に対する前記はんだ接合部の体積含有率がW[vol%]であるとき、
    前記プリント配線板の前記第2のランドの周囲に、前記第2のランドの中心から、√{(R +R+R )/3(W/100)}以内の距離かつ前記第2のランドに接しない範囲に設けられ金属部材を有することを特徴とするプリント回路板。
  8. 前記金属部材は、前記プリント配線板のグラウンド配線に電気的に接続されていることを特徴とする請求項7に記載のプリント回路板。
  9. 前記金属部材は、前記第2のランドの周囲に複数個設けられていることを特徴とする、請求項7または8に記載のプリント回路板。
  10. 前記金属部材は、前記第2のランドの周囲を囲うように設けられていることを特徴とする、請求項9に記載のプリント回路板。
  11. 前記金属部材は、第3のランド上に設けられた第2のはんだであることを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のプリント回路板。
  12. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のプリント回路板を備えることを特徴とする電子機器。
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