JP2018136347A - アミノ酸の由来判別方法 - Google Patents

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政春 田中
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洋一 八津川
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和浩 小林
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創一 田辺
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Abstract

【課題】本発明は、試料中のグルタミン酸の由来を判別する方法に関し、より広義にはアミノ酸の由来を判別する方法に関するものである。【解決手段】本発明の完成によりアミノ酸のδ13CをEA-IRMSにより測定し、且つδ15NをGC-IRMSにより測定することで、従来の方法と比べて格段に確度の高いアミノ酸の安定同位体比の測定が可能となった。また、由来が明確なアミノ酸の安定同位体比と、由来が不明確なアミノ酸の安定同位体比を比較することで、アミノ酸の由来を判別を可能とした。【選択図】図1

Description

本発明は、試料中のグルタミン酸の由来を判別する方法に関し、より広義にはアミノ酸の由来を判別する方法に関するものである。
アミノ酸は、アミノ基とカルボキシル基の両者を同一分子内に持つ有機化合物の一種であり、多くの食品に含まれている。中でもグルタミン酸やアスパラギン酸の塩は代表的な旨味成分として知られており、特にグルタミン酸塩は日本食の広がりと共に、世界中で加工食品に使用されるようになっている。
グルタミン酸塩の工業的な生産方法としては、さとうきびの糖蜜や澱粉等を発酵させてグルタミン酸を製造し、これを水に溶けやすくするためグルタミン酸ナトリウム(MSG)として結晶化する発酵法が一般的である。なお、MSGと、昆布等に含まれる蛋白質を加水分解して得られるグルタミン酸塩とでは、後者がナトリウム以外のミネラル(カルシウム、カリウム等)を含むのに対し、前者(MSG)はナトリウム以外のミネラルをほとんど含まないという相違点がある。
ところで、近年、食品のトレーサビリティ(追跡可能性)が重要視されており、アミノ酸についても、宗教上の理由から畜肉由来のアミノ酸を排除したいという要請がある。また、上記の通りMSGにはナトリウム以外のミネラルがほとんど含まれておらず、ナトリウムを過剰摂取しやすい。このため、MSG等の工業製品の使用量を抑制したいという要請がある。
食品の由来(原料、原産地等)を判別する方法としては、元素分析−同位体比質量分析計(EA-IRMS)によりグルコサミンの由来を判別する方法が開示されている(特許文献1)。ところが、この方法は、アミノ酸のようなアミノ基とカルボキシル基の両者を同一分子内に持つ有機化合物を分析することを想定していない。このため、試料の精製工程について開示されておらず、アミノ酸の安定同位比を正確に測定することは困難である。
また、アミノ酸の安定同位体比を測定する方法として、アミノ酸をピバロイル/イソプロピルエステル誘導体化し、ガスクロマトグラフ−同位体比質量分析計(GC-IRMS)によりアミノ酸の安定同位体比を測定する方法が開示されている(非特許文献1、特許文献2)。この方法は、複数のアミノ酸の同位体比を一度に測定することができ、且つその確度が高いため、非常に優れた方法である。
しかしながら、この方法では、誘導体化の過程で(アミノ酸に由来しない)ピバロイルクロライドとイソプロパノールに由来する炭素が導入されてしまう。このため、炭素安定同位体比を正確に測定することができなかった。
特開2012−251899号公報 特開2010−216892号公報
Res. Org. Geochem, 25, 61-79(2009) 「アミノ酸(ピバロイル/イソプロピルエステル誘導体)のGC/MSによる解析」 Res. Org. GeoChem., 23/24, 99-122(2008) 「ガスクロマトグラフ/同位体比質量分析計による分子レベル安定同位体比分析法」 Res. Org. GeoChem., 26, 81-93(2010) 「微量湿式分析による分子レベル同対比の品質管理と確度工場;特に天然物存在比の正確な評価とStable Isotope Probing(SIP)法の適用に向けて」
本発明は、トレーサビリティ重要性に鑑み、アミノ酸の由来を判別する方法、およびその測定方法を提供するものである。
本発明者らは、アミノ酸の炭素安定同位体比(以下、「δ13C」と称する)を元素分析−安定同位体比質量分析計(以下、「EA-IRMS」と称する)により測定し、窒素安定同位体比(以下、「δ15N」と称する)をガスクロマトグラフ−安定同位体比質量分析計(以下、「GC-IRMS」と称する)により測定することで、従来の方法と比べて格段に確度の高いアミノ酸の安定同位体比の測定を可能にし、且つアミノ酸の由来を判別することを可能にした。
本発明によれば、アミノ酸の安定同位体比を正確に測定し、且つアミノ酸の由来を判別することが可能となる。
図1は、由来が明確な試料に含まれるグルタミン酸の安定同位体比をプロットしたものである。 図2は、図1に、由来が不明確な試料に含まれるグルタミン酸の安定同位体比をプロットしたものである。
本発明は、アミノ酸のδ13CをEA-IRMSにより測定し、且つδ15NをGC-IRMSにより測定することで、従来の方法と比べて格段に確度の高いアミノ酸の安定同位体比を測定可能にするものである。また、由来が明確なアミノ酸の安定同位体比と、由来が不明確なアミノ酸の安定同位体比を比較することで、アミノ酸の由来を判別するものである。
本明細書において「アミノ酸」とは、アミノ基とカルボキシル基の両方の可能基を持つ有機化合物の一種であり、具体的には、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等が挙げられる。また、本発明のアミノ酸には、特に断らない限りアミノ酸塩も含むものとする。具体的には、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カルシウム、グルタミン酸カリウム等は、アミノ酸として取り扱う。
本発明では、δ13Cを元素分析−安定同位体比質量分析計(EA-IRMS)、δ15Nをガスクロマトグラフ−安定同位体比質量分析計(GC-IRMS)により測定することが特徴である。以下、δ13Cおよびδ15Nの具体的な測定法について説明する。
(試料)
本発明の試料は、アミノ酸を含む食品(うまみ調味料、試薬等含む)である。試料に含まれるタンパク質がアミノ酸に分解されていない場合には、予めタンパク質を加水分解する前処理が必要である。タンパク質を加水分解する方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができるが、例えば、試料に適量の塩酸を加えて加熱し、タンパク質をアミノ酸に分解する方法などを用いることができる。
(安定同位体比の計算法について)
試料中の安定同位体比は下記式1に示した国際標準物質の安定同位体比に対する千分率偏差(δ値、単位:‰(パーミル))で定義される。
式1: δ値=[(R試料/R国際標準化物質)−1]×1000(‰)
標準物質としては、炭素では白亜紀Peedee層ペルムナイト炭酸塩、窒素では大気中の窒素ガスを用い、δ値はそれぞれδ13C、δ15Nと表記する。
(窒素安定同位体比(δ15N)の測定)
前述した通り、アミノ酸のδ15Nはガスクロマトグラフ−安定同位体比質量分析計(GC-IRMS)により測定することができる(非特許文献1、非特許文献2参照)。GC-IRMSによる測定は、複数のアミノ酸の安定同位体比を一度に測定することができ、且つその確度が高いため非常に有用な方法である。
δ15Nの測定は(A1)抽出工程、(A2)脱脂工程、(A3)陽イオン交換工程、(A4)誘導体化工程および(A5)GC-IRMS工程を経ることが好ましい。ただし、(A1)抽出工程及び(A2)脱脂工程は必須の工程ではない。例えば、脂質をほとんど含まない試料であれば(A2)脱脂工程は不要である。
先ず、(A1)抽出工程について説明する。抽出工程とは、試料に塩酸水等を加えて撹拌し、遠心分離後に沈殿した不溶成分を除去する工程である。試料が多量に不溶成分を含む場合、後工程でカラムの目詰まり等のトラブルを引き起こす可能性がある。このため遠心分離により大部分の不溶成分を予め除去しておくことが好ましい。
次に、(A2)脱脂工程とは、試料を水と有機溶媒(例えば「ジクロロロメタン/n-ヘキサン」など)により液−液抽出することで脱脂する工程である。
次に、(A3)陽イオン交換工程について説明する。陽イオン交換工程とは、試料中のアミノ酸を陽イオン交換カラムに吸着させ、カラムに吸着しない成分(不純物)を洗い流し、最後にカラムからアミノ酸を脱離させて回収する工程である。陽イオン交換カラム(カラム状)を、陽イオン交換樹脂(未定型)や陽イオン交換膜(膜状)で代用することも可能である。
(A3)陽イオン交換工程についてより詳細に説明する。先ず、試料に塩酸等を加えてアミノ酸をカチオン化する。次いで、試料(カチオン化されたアミノ酸を含む)を陽イオン交換カラムに通すと、カチオン化されたアミノ酸はカラムに吸着するが、カチオン化されていない成分(糖質等)はカラムに吸着しない。このため、カラムに吸着していない成分は、蒸留水等を通すことで除去することができる。
次に、弱塩基性のアンモニア水を加えて、アミノ酸をカラムから脱離させて回収する。この際、アミノ酸はアンモニア水に溶けているので、アンモニア水を除去するため窒素吹付高速濃縮等の既知の方法で乾固させる。
次に、(A4)誘導体化工程について説明する。一般的に、ガスクロマトグラフィー(GC)を用いて正確な測定を行うためには、試料を300℃程度以下で気化し、且つ熱分解しない誘導体に変換することが必要である。この点アミノ酸は、アミノ基とカルボキシル基の両者を同一分子内に持つ有機化合物であるため、イオン結合力が強く、揮発性が低い。このため、GC-IRMSを用いて正確なデータを得るには、アミノ酸を誘導体化して揮発性を高める必要がある。
誘導体化の方法としては、例えばtert-ブチルジメチルシリル誘導体法、トリフルオロアシル/イソプロピルエステル誘導体法、ペンタフルオロアシル/イソプロピルエステル誘導体法、ピバロイル/イソプロピルエステル誘導体法、エトキシカルボニル/エチルエステル誘導体法等が知られている。
本発明においては、これら誘導体化法の中でもピバロイル/イソプロピルエステル誘導体法が好ましい。ピバロイル/イソプロピルエステル誘導体法は、誘導体基にケイ素やフッ素等を含まず、且つ炭素数が比較的多いため誘導体化したアミノ酸が比較的安定であり、熱分解しにくいためガスクロマトグラフィーを用いた測定に好適である。
最後に、(A5)GC-IRMS工程について説明する。なお、ここでは代表的なGC-IRMSの仕様および測定手法を説明するが、これに限定されるものではない。まず、前述のアミノ酸誘導体をジクロロメタン等で好適な濃度調整し、キャリアガス(例えばヘリウムガス)とともにカラムに注入する。アミノ酸誘導体は、キャリアガスとともにカラム内を運ばれるが、その移動速度は化合物ごとに異なる。このため、カラムの出口では、それぞれの成分(例えばグルタミン酸誘導体とアスパラギン酸誘導体)の到着時間に差が生じて分離される。分離されたアミノ酸誘導体は、カラムと直結した反応炉(燃焼炉・還元炉)に連続的に導入される。
導入されたアミノ酸誘導体はそれぞれ、燃焼炉(温度800〜1150℃)でN2、NxOy(窒素酸化物)、H2O、CO2に酸化分解され、さらにNxOyは還元炉(温度:550〜650℃)で窒素ガス(N2)に還元される。さらに、透水フィルターでH2Oを除去し、液体窒素トラップでCO2除去した後、キャリアガスと共にN2がIRMSに導入され、N2の同位体比が測定される。なお、CO2はイオン化されるとCO(m/z28)を生成するため、測定前に除去する必要がある。
なお、アミノ酸誘導体の酸化と還元を同時に実現する反応炉を用いても良い。この場合の反応炉の温度(リアクター温度)は、800〜1150℃程度である。
正確な同位体比を測定する観点から燃焼炉の温度は950〜1050℃が好ましい。不十分な酸化はN2ガスと同質量のCOガスの発生原因となり、正確な同位体比を測定する障害となる。一方、過酸化はN2以外の窒素酸化物の発生率を上げるため、還元炉において過酸化物を還元しきれない可能性が生じ、正確な同位体比を測定する障害となる。
(炭素安定同位体比(δ13C)の測定)
前述の通り、アミノ酸のδ15NはGC-IRMSにより測定することができる。しかし、GC-IRMSを用いてアミノ酸の安定同位体比を測定するには、アミノ酸の誘導体化が必要であり、誘導体化試薬に由来する炭素(ピバロイル基等)を導入する必要がある。このため、δ13Cについては、誘導体化試薬に由来する炭素の影響で測定結果の確度が低下する。確度の低下は分子量の大きな誘導体化試薬を用いるほど顕著であり、言い換えると、アミノ酸誘導体を熱的に安定化させようとすればするほど確度が低下する。このため、GC-IRMSではδ13Cの正確な測定を行うことができない。
以上の理由から、本発明では、アミノ酸のδ13Cを元素分析−安定同位体比質量分析計(EA-IRMS)により測定することが必要である。以下、EA-IRMSによる測定について詳細を説明する。
GC-IRMSによる測定では、試料に300℃程度で揮発しない不純物が含まれていても同位体分析には影響せず、且つガスクロマトグラフィー(GC)により特定のアミノ酸(グルタミン酸等)を分離できるため、試料を精製する負担は少ない。
一方、EA-IRMSによる測定では、1000℃程度で燃焼する不純物や、測定の対象となるアミノ酸(例えばグルタミン酸)以外のアミノ酸も測定に大きな影響を与える。このため、特定のアミノ酸についてEA-IRMSによりδ13Cを測定するには(B1)抽出工程、(B2)脱脂工程、(B3)カラムによる精製工程、(B4)陽イオン交換工程、(B5)分離工程および(B6)EA-IRMS工程を経ることが好ましい。
先ず、(B1)抽出工程について説明する。抽出工程とは、試料に塩酸水等を加えて撹拌し、遠心分離後に沈殿した不溶成分を除去する工程である。試料が多量に不溶成分を含む場合、後工程でカラムの目詰まり等のトラブルを引き起こす可能性がある。このため遠心分離により大部分の不溶成分を予め除去しておくことが好ましい。
次に、(B2)脱脂工程について説明する。脱脂工程とは、試料を水と有機溶媒(例えば「ジクロロロメタン/n-ヘキサン」など)により液−液抽出することで脱脂する工程である。
次に、(B3)カラムによる精製工程について説明する。(B3)カラムによる精製工程は、(B3−1)逆相クロマトグラフィーによる精製工程と、(B3−2)脱色工程から構成される。
(B3−1)逆相クロマトグラフィーによる精製工程とは、逆相クロマトグラフィーにより、脂質等の低極性物質を分離する工程である。脂質はグルタミン酸よりも極性が低いため、(高極性のものほど溶出が速くなる)逆相グロマトグラフィーを用いれば効率よく脂質を分離することができる。なお、逆相クロマトグラフィーの条件としては、固定相としてはODSカラム、移動相としては水、アルコール等を例示することができる。
次に、(B3−2)脱色工程とは、溶液化した試料を活性炭に通すことで、試料に含まれる色素等の環状構造を有する化合物を除去する工程である。なお、環状構造を有する化合物は有色である場合が多いため“脱色”と記載したが、無色であっても環状構造を有する化合物は本工程により除去される。活性炭の形状(無定形、カラム状、膜状等)には特に制限はないが、作業性などを考慮するとカラム状が好ましい。
次に、(B4)陽イオン交換工程について説明する。(B4)陽イオン交換工程は、試料中のアミノ酸を陽イオン交換カラムに吸着させ、カラムに吸着しない不純物を洗い流し、最後にカラムからアミノ酸を脱離させて回収する精製工程である。具体的な精製方法は、「(A3)陽イオン交換工程」に記載した通りである。
次に、(B5)分離工程について説明する。(B5)分離工程とは、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)により、脱脂・抽出を済ませた試料から特定のアミノ酸のみを分離精製する工程である。アミノ酸は極性が高すぎるため逆相クロマトグラフィーでは分離精製することが困難である。このため、HILICを用いて特定のアミノ酸を分離精製することが好ましい。なお、HILICの条件としては、固定相にはポリマーにアミノ基を結合したゲル、移動相には炭酸水素アンモニウム水溶液/メタノール混合溶液等を例示することができる。
最後に、(B6)EA-IRMS工程について説明する。ここでは代表的なEA-IRMSの仕様および測定方法を説明するが、これに限定されるものではない。
繰り返しになるがEA-IRMSにはアミノ酸を分離する機構が備わっていないため、試料から予め分離精製した特定のアミノ酸を測定に用いる必要がある。以下の(B6)EA-IRMS工程の説明では、EA-IRMSに使用するアミノ酸及びアミノ酸塩を総称して「アミノ酸試料」という。
元素分析装置(EA)に導入されたアミノ酸試料は、燃焼炉でN2、NxOy(窒素酸化物)、H2O、CO2に酸化分解され、さらにNxOyは還元炉(温度:550〜700℃)で窒素ガス(N2)に還元される。水トラップ(Mg(ClO4)2)でH2Oを除去した後、キャリアガスと共にCO2とN2がIRMSに導入され、CO2の安定同位体比が測定される。
ここで、GC-IRMSによってδ13Cの正確な測定ができない理由、およびEA-IRMSによってδ15Nの正確な測定ができない理由についてまとめて説明する。
(GC-IRMSによってδ13Cの正確な測定ができない理由)
前記の通りGC-IRMSを用いてアミノ酸の安定同位体比を測定するには、アミノ酸を誘導体化する必要があり、アミノ酸に誘導化試薬に由来する炭素原子(ピバロイル基等)が導入される。このため、GC-IRMSによってアミノ酸のδ13Cを測定する場合には、補正計算が必要であり、正確性が低下してしまう。また、誘導体化やGCカラムにおける分離の際にδ13Cの同位体分別が起こる可能性がある。
(EA-IRMSによってδ15Nの正確な測定ができない理由)
前処理工程で得られたアミノ酸結晶のカルボキシル基に、移動相として使用された炭酸水素アンモニウムに由来するアンモニアが付加して塩となり窒素原子が導入される。このため、補正計算が必要となり正確性が低下してしまう。また、前処理工程の逆相クロマトグラフィーによる精製やHILICを用いた分離工程において、δ15Nの同位体分別が起こる可能性がある。
同位体分別とは化学的または物理的なプロセスを通して安定同位体比が変化することである。試料の安定同位体比を正確に分析するためには、同位体分別ができるだけ少ない前処理方法である必要がある。
(由来判別手順)
アミノ酸の由来を判別する手順を、グルタミン酸を例に説明する。グルタミン酸の由来は、(1)由来の明確なグルタミン酸の安定同位体比(δ13Cおよびδ15N)を測定し、次いで(2)由来の不明確な試料に含まれるグルタミン酸の安定同位体比を測定し、最後に(3)両試料の安定同位体比を比較することにより判別することができる。産地や原料によって同位体比は変わるため、由来の明確なグルタミン酸のデータをできるかぎり蓄積することが好ましい。
以下、アミノ酸の安定同位体比測定および由来判別についてグルタミン酸を例に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
<精製方法>
(1)試料の加水分解
試料に蒸留水と12M塩酸を添加し、110℃で12〜24時間処理することで、試料に含まれるタンパク質をアミノ酸へ分解した。続いて、試料を遠心分離し、上澄みを分取した。なお、試料、蒸留水および塩酸の量は、試料から分離精製できるグルタミン酸の量に合わせて適宜変更した。
(2)窒素安定同位体比(δ15N)の測定
グルタミン酸の窒素安定同位体比(δ15N)を測定する工程は以下の通りである。
(A1)抽出工程
試料に蒸留水と1M塩酸を加え、10分間撹拌後、遠心分離して沈殿した不溶成分を除去した。
(A2)脱脂工程
不溶成分を除去した水溶液にジクロロロメタン/n-ヘキサン混合溶媒加えて、液−液抽出を行った。このとき、アミノ酸は水層、油脂は有機層に選択的に溶けるため、水層のみを回収して油脂を除去した。
(A3)陽イオン交換工程
以下の条件でアミノ酸を抽出した。
試料のカチオン化剤:塩酸
固定相:バイオラッド社製「AG50W-X8 200-400 mesh Resin」
移動相:不純物を除去する際には蒸留水、アミノ酸を回収する際には10%アンモニア水
(A4)誘導体化工程
試料に2−プロパノール/塩化チオニル(4:1)を加え、110℃で2時間加熱することでアミノ酸のカルボニル基をエステル化した。次いで、塩化ピバロイル/ジクロロメタン(1:4)を加えて、110℃で2時間加熱することでアミノ基をピバロイル化し、アミノ酸誘導体を得た。
(A5)GC-IRMS工程
アミノ酸誘導体にGC-IRMSに導入し、δ15Nを測定した。なおGC-IRMS(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)の仕様及び測定条件は表1の通りである。
Figure 2018136347
(3)炭素安定同位体比(δ13C)の測定
以下の手順で試料に含まれるグルタミン酸の炭素安定同位体比(δ13C)を測定した。
(B1)抽出工程
試料に蒸留水と1M塩酸を加え、10分間撹拌後、遠心分離して沈殿した不溶成分を除去した。
(B2)脱脂工程
不溶成分を除去した水溶液にジクロロロメタン/n-ヘキサン混合溶媒加えて、液−液抽出を行った。このとき、アミノ酸は水層、油脂は有機層に選択的に溶けるため、水層のみを回収して油脂を除去した。
(B3)カラムによる精製工程
本発明においては、精製工程を簡略化するため、(B3−1)逆相クロマトグラフィー工程と、(B3−2)脱色工程をまとめて実施した。具体的には、ポリプロピレン製のクロマトカラムに、オクタデシルシリル基で表面修飾された多孔性球状シリカゲルを投入して、シリカゲル界面が水平になるまで慣らす。次いで、カラム用の活性炭を投入して精製用のカラムを準備した。
このカラムに、試料を加え、更に移動相として水を加えることで、脂質や色素を除去した。
(B4)陽イオン交換工程
以下の条件でアミノ酸を抽出した。
試料のカチオン化剤:塩酸
固定相:ダウ・ケミカル社製「アンバーライトIR120BH」、
移動相:不純物を除去する際には蒸留水、アミノ酸を回収する際には10%アンモニア水
得られた抽出物は減圧濃縮(60℃)し、更に蒸留水/メタノール混合溶液に溶解させたうえで、遠心分離と親水性PTEEフィルター(ミリポア社製「Millex-LH」)により清澄化した。
(B5)分離工程
親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)により、グルタミン酸アンモニウムのみを分離精製した。HILICの条件は以下の通りである。
装置:島津製作所製「LC20AP」
固定相:昭和電工製「AsahipakNH2P」
移動相:炭酸水素アンモニウム水溶液/メタノール
(B6)EA-IRMS工程
グルタミン酸アンモニウムを錫箔に0.5mg取り分け、EA-IRMSによりδ13Cを測定した。EA-IRMS(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)の仕様及び測定条件は表2の通りである。
Figure 2018136347
<分析例1〜34>
表3、4、5に示す条件に従って試料1〜34に含まれるグルタミン酸のδ13Cおよびδ15Nを測定した。
先ず、試料1〜13について説明する。MSG1〜4はサトウキビに含まれる糖質を発酵させて製造されたグルタミン酸ナトリウム(MSG)であり、日本、ブラジルで入手したものである。同様にMSG5〜10はトウモロコシを原料とし、ブラジル、中国、台湾、タイで入手したもの、MSG11〜13はタピオカを原料としインド、ベトナム、タイで入手したものである。
試料1〜13は分離精製されたグルタミン酸ナトリウム(MSG)であるため、改めて精製する必要はなかった。さらに、グルタミン酸アンモニウムとは異なり、測定の際にアンモニアによる確度低下の恐れもない。したがって、試料1〜13のδ13Cおよびδ15Nについては、EA-IRMSによる測定のみを実施した。
Figure 2018136347
次に、試料14〜22について説明する。試料14〜22は食品に含まれるタンパク質を加水分解して得られたグルタミン酸塩含有の調味料である。調味料1〜3はトウモロコシ、調味料4〜6は大豆、調味料7は小麦、調味料8はテンサイ、調味料9はカツオを原料とする調味料である。加水分解済みであるため、改めて加水分解は実施していない。
Figure 2018136347
最後に、試料23〜34について説明する。試料23〜34は、トマト、白菜、ブロッコリー、干椎茸、豚肉、昆布、チーズ、鶏肉、イワシ、ホタテ貝柱である。脂質の量ごとに脱脂工程の有無を変更している。
Figure 2018136347
図1には分析例1〜34の測定結果を示した(縦軸:δ13C(‰)、横軸:δ15N(‰))。
図1において、“○”はサトウキビに含まれる糖質を発酵させて製造されたグルタミン酸ナトリウム(MSG)、“△”はトウモロコシに含まれる糖質を発酵させて製造されたMSG、“□”はタピオカに含まれる糖質を発酵させて製造されたMSG、“▲”はトウモロコシに含まれるタンパク質を加水分解して得られたグルタミン酸塩、“■”は大豆、小麦等に含まれるタンパク質を加水分解して得られたグルタミン酸塩、“◆”は昆布に含まれるタンパク質を加水分解して得られたグルタミン酸塩、“●”は魚介類に含まれるタンパク質を加水分解して得られたグルタミン酸塩、“×”は畜肉に含まれるタンパク質を加水分解して得られたグルタミン酸塩、“*”はその他食品に含まれるタンパク質を加水分解して得られたグルタミン酸塩を示している。
測定例を分析した結果、(1)C3植物(タピオカ、小麦等)由来の糖質を発酵して得られるグルタミン酸、(2)C4植物(サトウキビ、トウモロコシ等)由来の糖質を発酵して得られるグルタミン酸、(3)C3植物に含まれるタンパク質を加水分解して得られるグルタミン酸、(4)C4植物に含まれるタンパク質を加水分解して得られるグルタミン酸又はC4植物を飼料とする畜肉、(5)昆布に含まれるタンパク質を加水分解して得られるグルタミン酸、(6)魚介類に含まれるタンパク質を加水分解して得られるグルタミン酸、に大別することができた。
<実施例1〜13>
原料の由来が不明確な試料101〜113について、グルタミン酸のδ13Cおよびδ15Nを測定した。なお、分析例1〜34の場合と異なり、試料101〜113に含まれる不純物(脂質、グルタミン酸以外のアミノ酸等)は明らかではないため、全て精製工程を実施した。
図2においては、由来が不明確な試料を“×”で、安定同位体比の由来が明確な試料を“■”で示した。
分析例1〜34との対比から予想される実施例1〜13の由来は以下の通りである。
Figure 2018136347
一般的に食物連鎖の上位である大型魚介類はδ15Nが高くなる傾向があるため、実施例4は貝やイワシのような小型の魚介類、実施例8はカツオやマグロのような大型の魚介類に由来するグルタミン酸だと推定される。
実施例11については、δ15Nが−3.5〜5‰であり、且つδ13Cが−15‰以上なので、MSGではなく、C4植物(トウモロコシ、サトウキビ等)又は畜肉に由来するグルタミン酸だと推定される。畜産業ではトウモロコシを飼料として使用することが多いため、畜肉はC4植物に近い同位体比となりやすく、両者の分別は困難だと思われる。
(確度の確認)
(B1)〜(B5)の精製工程におけるδ13Cの同位体分別を以下の通り確認した。
表7は、試薬としてL(+)−グルタミン酸ナトリウム−水和物(和光純薬工業社製、98-102%)を用い、精製しない場合、(B1)抽出工程のみを実施した場合、(B2)脱脂工程のみを実施した場合、(B3)カラムによる精製工程のみを実施した場合、(B4)陽イオン交換工程のみを実施した場合、(B5)分離工程のみを実施した場合、および全精製工程を実施した場合に、EA-IRMSによってδ13Cを測定した結果である。
Figure 2018136347
表7よれば、炭素の同位体分別は、(B1)抽出工程、(B2)脱脂工程、(B3)カラムによる精製工程、(B5)分離工程および全精製工程を実施した場合には起こりにくい。このため、「液−液抽出」、「逆相クロマトグラフィーによる油脂成分の除去」、「活性炭カラムによる色素成分の除去」、「親水性相互作用クロマトグラフィーによるアミノ酸の分離精製」については、同位体分別が起こりにくい精製方法であり、任意に組み合せてアミノ酸の精製に適用することができる。
一方、炭素の同位体分別は、陽イオン交換工程で起こりやすい。このため、陽イオン交換工程は、単独では実施せず、他の精製工程と組み合わせて実施することが好ましい。
なお、窒素の同位体分別は、陽イオン交換工程では起こりにくい(非特許文献3)ため、δ15N測定時においては、陽イオン交換による同位体分別に留意する必要はない。

Claims (12)

  1. 安定同位体比質量分析により、グルタミン酸の由来を判別する方法。
  2. 由来が明確な試料に含まれるグルタミン酸の安定同位体比と、由来が不明確な試料に含まれるグルタミン酸の安定同位体比とを比較することで、由来が不明確なグルタミン酸の由来を判別する方法。
  3. 由来が明確な試料に含まれるグルタミン酸の炭素安定同位体比(δ13C)および窒素安定同位体比(δ15N)と、由来が不明確な試料に含まれるグルタミン酸の炭素安定同位体比(δ13C)および窒素安定同位体比(δ15N)とを比較することで、由来が不明確なグルタミン酸の由来を判別する方法。
  4. 由来が不明確な試料に含まれるアミノ酸の炭素安定同位体比(δ13C)を元素分析−安定同位体比質量分析計(EA-IRMS)により測定し、且つ窒素安定同位体比(δ15N)をガスクロマトグラフ−安定同位体比質量分析計(GC-IRMS)により測定することを特徴とする請求項3記載のグルタミン酸の由来を判別する方法。
  5. 炭素安定同位体比(δ13C)を測定する前処理として、親水性相互作用クロマトグラフィーによりアミノ酸を分離精製する工程を含むことを特徴とする請求項4記載のグルタミン酸の由来を判別する方法。
  6. 炭素安定同位体比(δ13C)を測定する前処理として、逆相クロマトグラフィーにより油脂成分を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4又は5記載のグルタミン酸の由来を判別する方法。
  7. 炭素安定同位体比(δ13C)を測定する前の処理として、活性炭カラムを使用して色素成分を除去する工程を含むことを特徴とする請求項4〜6いずれか記載のグルタミン酸安定同位体比の測定方法。
  8. 試料に含まれるアミノ酸の炭素安定同位体比(δ13C)を元素分析−安定同位体比質量分析計(EA-IRMS)により測定し、且つ窒素安定同位体比(δ15N)をガスクロマトグラフ−安定同位体比質量分析計(GC-IRMS)により測定することを特徴とするアミノ酸安定同位体比の測定方法。
  9. δ13Cを測定する前処理として、親水性相互作用クロマトグラフィーによりアミノ酸を分離精製する工程を含むことを特徴とする請求項8記載のアミノ酸安定同位体比の測定方法。
  10. δ13Cを測定する前処理として、逆相クロマトグラフィーにより油脂成分を除去する工程を含むことを特徴とする請求項8又は9記載のアミノ酸安定同位体比の測定方法。
  11. δ13Cを測定する前の処理として、活性炭カラムを使用して色素成分を除去する工程を含むことを特徴とする請求項8〜10いずれか記載のアミノ酸安定同位体比の測定方法。
  12. 由来が明確な試料に含まれるアミノ酸の炭素安定同位体比(δ13C)および窒素安定同位体比(δ15N)と、由来が不明確な試料に含まれるアミノ酸の炭素安定同位体比(δ13C)および窒素安定同位体比(δ15N)とを比較することで、由来が不明確なアミノ酸の由来を判別する方法。
    ただし、由来が不明確な試料に含まれるアミノ酸の炭素安定同位体比(δ13C)および窒素安定同位体比(δ15N)は、請求項8〜11に記載の方法により測定されることを特徴とする。
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