JP2550407B2 - グルタルアルデヒドの測定法 - Google Patents

グルタルアルデヒドの測定法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、蛋白質とグルタルアルデヒドとが混在する
蛋白質試料中に含有されるグルタルアルデヒドの測定法
に関する。
〔従来の技術〕
種々の物質に対して酵素処理を施すことによって、そ
の特性を改良したり新しい素材としての用途を開発する
ことが近年色々試みられている。
かかる酵素処理は、遊離の酵素を使用するいわゆるバ
ッチ方式によっても行われているが、工業的には担体に
固定化された酵素を使用するいわゆるバイオリアクター
システムが連続処理が可能で生産性が高い等の店から近
年多く採用されるようになってきている。
そして、バイオリアクターシステムでは酵素を担体に
固定化するための固定化剤(結合剤または架橋剤)が通
常使用されているが、そのような固定化剤の1種として
グルタルアルデヒドが汎用されている。
ところで、グルタルアルデヒドを固定化剤とした固定
化酵素を使用した場合には、生成物中にグルタルアルデ
ヒドが漏出してくることがあり、したがってそこで製造
された製品を特に食品や医薬等に用いる場合には、人体
等への影響等の点から生産物中のグルタルアルデヒドの
存在の有無を検査することが必要である。
食品中に含まれるグルタルアルデヒド量の測定法とし
ては、現在、Joint FAO/WHO Committeon Food Addition
(JECFA)による測定法が知られているが、これは固定
化グルコースイソメラーゼを用いて製造された異性化糖
中に含まれるグルタルアルデヒドを薄層クロマトグラフ
ィーで分離し、発色剤によって発色定量するものであ
る。しかしながら、この方法は、薄層クロマトグラフィ
ーを使用しているために定量性に劣り、しかもグルタル
アルデヒドの検出感度が悪いため低濃度のグルタルアル
デヒドの測定に対しては不適である。その上かかる方法
は蛋白質中に含有されるグルタルアルデヒドの測定に対
しては適用できない。その理由は蛋白質中に含まれるグ
ルタルアルデヒドの一部が蛋白質分子側鎖のアミノ基と
シッフ塩基を形成し、薄層クロマトグラフィーによって
は分離されず、そのためグルタルアルデヒドの測定が困
難であったからである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等はグルタルアルデヒドで固定化された固定
化酵素を備えたバイオリアクターを利用して、小麦グル
テン等の植物蛋白やカゼイン等の動物蛋白の加水分解等
について色々研究を続けてきた。この場合に、かかるバ
イオリアクター処理による生成物中に微量のグルタルア
ルデヒドが漏出してくる場合がありその量を測定するこ
とが必要であり、そこで蛋白質に混在しているグルタル
アルデヒドの効率の良い測定法が求められてきた。
〔発明の内容〕
本発明者等は、グルタルアルデヒドで固定化された固
定化酵素を利用して蛋白質を処理する際の上記した工程
管理、および得られた生成物の品質管理等の点から蛋白
質中に含まれるグルタルアルデヒド量の測定法について
種々研究を行ってきたが、蛋白質試料の水溶液が強酸性
になるようにpHを調整したのち更に特定の処理工程を施
して高速液体クロマトグラフィーで分析することによっ
て、蛋白質試料中に含まれるグルタルアルデヒド量を効
率良く、しかも定量的に測定できることを見出して本発
明を完成した。
すなわち、本発明は、蛋白質とグルタルアルデヒドと
が混在する蛋白質試料中のグルタルアルデヒドを測定す
るにあたって、 (a)蛋白質試料の水溶液が強酸性になるようにそのpH
を調整する、 (b)pH調整後の液を蒸留して留出液を回収する、 (c)回収した留出液を有機溶媒で洗浄して不純物を抽
出除去する、 (d)有機溶媒洗浄後の残留液に2,4−ジニトロフェニ
ルヒドラジンを添加してグルタルアルデヒドの2,4−ジ
ニトロフェニルヒドラゾン誘導体を形成させる、および (e)該誘導体を有機溶媒で抽出処理し、これを高速液
体クロマトグラフィーにかけて該誘導体の定量を行う 工程を含むことを特徴とする蛋白質試料中のグルタル
アルデヒドの測定法である。
本発明はグルテンやカゼインをグルタルアルデヒドで
固定化した酵素を使用して処理した際の生成物中のグル
タルアルデヒドの測定に限定されるものではなく、グル
タルアルデヒド含量の測定が必要とされる蛋白質含有試
料であればいずれのものも包含する。
本発明における「水溶液」は、溶質は必ずしも水に完
全に溶解している必要がなく一部分散していてもよい。
そして、水溶液中の蛋白質濃度は特に限定されない
が、通常、水溶液1当たり蛋白質が約50〜100g含まれ
るようにし、かつ1回の測定当たり水溶液を約20〜40ml
を採取して測定用の試料とするのが、操作のし易さ、グ
ルタルアルデヒドの回収率、測定精度等の点から好まし
い。
次に、本発明ではかかる水溶液が強酸性になるように
pHを調整する。その際のpHは約2以下、特に1.8以下に
調整するのがよい。pHが2より高くなると次の蒸留処理
におけるグルタルアルデヒドの回収率が低下し、結局グ
ルタルアルデヒドの測定精度が低くなる。pHを特に約0.
2〜1.0の範囲にするのがグルタルアルデヒドと蛋白質と
のシッフ塩基の解離が促進されて蒸留処理した時にグル
タルアルデヒドの回収率が高くなり、測定精度が向上す
るので好ましい。pHを調整するに際しては塩酸、硫酸ま
たはリン酸等の無機酸を使用するのが好ましく、そのう
ちでも特に塩酸および硫酸がグルタルアルデヒドの解離
および蒸留工程時のグルタルアルデヒドの回収率の点か
ら望ましい。pH調整用の酸として硝酸を使用した場合に
は蒸留工程中にキサントプロテイン反応が生じて液が黄
色に着色して液体クロマトグラフィーによる分析が困難
になる。
pHを調整した液を次いで蒸留処理して留出液を回収す
る。蒸留は、通常、大気圧下で蒸留フラスコを使用して
直火で行うのがよい。グルタルアルデヒドの回収率を高
めるためにかかる蒸留操作を複数回繰り返して行うのが
好ましく、その場合にはフラスコ中の残留液が少なくな
った時点で一旦火を止め純水や蒸留水等の精製水を添加
して再度蒸留を行って先の留出液と合わせて次の工程に
使用する。この蒸留操作は通常、最終フラスコ内の残留
液が約1〜2ml程度の量になるまで行う。
次に、回収した留出液を有機溶媒で洗浄することによ
って留出液中の不純物を有機溶媒中に抽出移行させて除
く。かかる有機溶媒による留出液の洗浄処理が本発明で
は重要である。すなわち、有機溶媒による洗浄を行わな
い場合には、高速液体クロマトグラフィーによる分析時
にグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒドラ
ゾン誘導体に基づくピークの近傍に多くの巨大なピーク
を生じたり、ベースラインの乱れが生じたりして該グル
タルアルデヒド誘導体に由来するピークの定性および定
量が困難になり目的を達成できない。有機溶媒としては
水に混じらない溶媒例えばクロロホルム、トルエン、ベ
ンゼン、エチルエーテル、石油エーテル等が使用できる
が、そのうちでもクロロホルムおよびトルエンによる洗
浄が不純物除去に有利である。洗浄用有機溶媒の量は特
に限定されないが、通常、蒸留による留出液1ml当たり
洗浄用有機溶媒約0.1〜0.3mlを混合して、室温で留出液
と有機溶媒との混合液を十分に振盪して洗浄するのがよ
い。
有機溶媒で洗浄後、該有機溶媒を分離除去し、残留す
る水溶液に2,4−ジニトロフェニルヒドラジンを添加し
てグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒドラ
ゾン誘導体を形成させる。2,4−ジニトロフェニルヒド
ラジンの添加量はグルタルアルデヒドの含有量に当然依
存するが、存在が予想されるグルタルアルデヒド量1μ
gにつき2,4−ジニトロフェニルヒドラジンを約3mg使用
すれば大過剰となり充分である。この2,4−ジニトロフ
ェニルヒドラジンの添加は通常、液温を室温に保って行
う。
次にグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒ
ドラゾン誘導体を含有する液に有機溶媒を加えて十分に
振盪して該誘導体を有機溶媒中に抽出移行させ、誘導体
を含有する該有機溶媒を分取する。その場合の抽出用有
機溶媒としては、トルエン、四塩化炭素、ベンゼン、塩
化メチレン等を使用するのがよく、1回の測定につき、
かかる有機溶媒を通常約1〜2ml使用するのがよい。
最後にグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフェニル
ヒドラゾン誘導体を含有する有機溶媒を高速液体クロマ
トグラフィーにかけて分析する。高速液体クロマトグラ
フィーに使用される吸着剤の種類、吸着剤の量、カラム
寸法、分離展開液の種類や流量、分離展開時の温度等の
諸条件は各々の状況に応じて適宜選択できる。例えば吸
着剤としてはオクタデシリル化シリカゲルを使用したIn
ertsil ODS(ガスクロ工業株式会社製)、μ−BONDAPAK
C18(ウオーターズ株式会社製)等が使用できる。
また、分離展開液としては、メタノール水溶液、アセ
トニトリル水溶液等が使用できる。
グルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフエニルヒドラ
ゾン誘導体の定量は、365nmの紫外線を使用してその吸
光度から求める。
そして、本発明はグルタルアルデヒドで固定化された
バイオリアクターを使用して蛋白質製品を製造する際の
工程管理および製品の品質管理に有効に使用できる。上
記の定量に際してはグルタルアルデヒドを含有しない蛋
白質試料中に既知量のグルタルアルデヒドを添加して上
記本発明と同様の方法でグルタルアルデヒドの2,4−ジ
ニトロフェニルヒドラゾン誘導体の回収率をあらかじめ
標準値(検量線等)として作成しておき、工程管理およ
び製品管理が必要な実際のバイオリアクター処理により
生成する流出液や製品に対して測定されたグルタルアル
デヒドの測定値をかかる標準値と対比することによっ
て、実際の蛋白質試料中のグルタルアルデヒド量を定量
することができる。
〔発明の効果〕
本発明では蛋白質試料中のグルタルアルデヒドが高収
率で留出液中に含有回収されるため、蛋白質試料中のグ
ルタルアルデヒド量の検出が能率よくかつ高精度で行え
る。
本発明では蒸留による留出液を有機溶媒で洗浄してか
らグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒドラ
ゾン誘導体を形成させているので後段の高速液体クロマ
トグラフィー分析時に不純物に起因するピークの発生を
抑制でき、該グルタルアルデヒド誘導体に基づくピーク
が明確に確認できる。
本発明では高速液体クロマトグラフィーを使用してグ
ルタルアルデヒド誘導体の測定を行っているために、薄
層クロマトグラフィーによる測定と比較して高い検出感
度でグルタルアルデヒドを定量的に測定できる。
本発明の測定法によるときは、グルタルアルデヒドと
シッフ塩基が形成されるために従来測定が困難であると
されてきた蛋白質中のグルタルアルデヒドの測定が可能
である。
以下に本発明を例により説明するが、本発明はそれら
の例に限定されない。
例 1 小麦グルテンを5重量%の割合で含有し、pH3.0に調
整されたグルテン水溶液500mlに固定化してない遊離の
ペプシン250mgを加え、温度40℃で5時間加水分解処理
した。加水分解生成物の溶液(加水分解グルテンを5重
量%含有、約pH4.0)500mlを得た。
pH約4.0の上記液各20mlにグルタルアルデヒド水溶液
(1μgグルタルアルデヒド/ml水溶液)5mlを添加し、
2時間放置した。その後、各々の液のpHを塩酸またはリ
ン酸で調整した後この試料溶液にシリコンオイル2〜3
滴および沸石5〜6個を加え、容量200mlの蒸留フラス
コに入れ留出液を回収しながら直火蒸留を行った。蒸留
フラスコ中の試料液量が少なくなった時点(約1〜2m
l)で火を止め、冷却した後蒸留水20mlを加え、再び蒸
留を行って留出液の合計回収量が約40mlになった時点で
蒸留を終了した。得られた留出液40mlに洗浄用クロロホ
ルム5mlを加えて約10分間振盪した後、水層を分取し、
これに2N塩酸1.0ml、2,4−ジニトロフェニルヒドラジン
溶液(2,4−ジニトロフェニルヒドラジン2g/200ml2N塩
酸水溶液)2.0mlを加えて振盪し、更にトルエン2.0mlを
加えて分液ロートで約10分振盪した。トルエン層を分取
し、下記の条件で高速液体クロマトグラフィーにかけて
分析を行った。
[分析条件] カラム:Inertsil ODS カラム寸法:長さ250mm、直径4.6mm 分離展開液:メタノール/水(容量比)=83/17溶液 分離展開液の流量:1.0ml/分 分離展開温度:30℃ 検出用紫外線波長:365nm その結果、グルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフェ
ニルヒドラゾン誘導体に基づくピークは分離展開開始後
11〜12分において確認測定された。この測定値からグル
タルアルデヒド量を算出し、グルタルアルデヒドの回収
率を下記の式により求めた。
この得られた結果を第1図に示す。第1図において、
横軸はグルタルアルデヒド添加後蒸留前の試料液のpH、
縦軸はグルタルアルデヒドの回収率、○は塩酸でpH調整
を行った場合、△はリン酸でpH調整を行った場合を示
す。
第1図の結果から、グルテンのグルタルアルデヒド含
有水溶液(蛋白質試料水溶液)のpHを約2以下、特にpH
0.2〜1.0に調整してからその後の操作を行ってグルタル
アルデヒドの測定を行うとグルタルアルデヒドの回収率
が高くなり、測定の精度があがることがわかる。
例 2 キトパールBCW3007(富士紡績社製)からなる担体8ml
にペプシン(天野製薬社製)150mgをグルタルアルデヒ
ドで架橋固定化した固定化ペプシンを直径16mmおよび高
さ200mmのカラムに充填してバイオリアクターを形成し
た。
このバイオリアクターに小麦グルテンを5重量%の割
合で含有し、塩酸でpH3.0に調整されたグルテン水溶液
を温度40℃、空間速度2hr-1で連続通塔してグルテン加
水分解物を製造した。
下記の表に示した時間毎に加水分解グルテン含有生成
液(pH4.0)を各々20mlずつ分取し、これに塩酸を添加
して各々の液のpHを1.0に調整した。次に上記例1と同
様にして蒸留、クロロホルム洗浄、2,4−ジニトロフェ
ニルヒドラゾン誘導体形成、トルエン抽出および高速液
体クロマトグラフィー分析によりグルタルアルデヒドの
2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体に基づくピー
クをそのフローチャートから確認測定して該誘導体の定
量を行ったところ下記の表に示す結果を得た。
また上記表のうちの100時間後の生成液中の該誘導体
含有量の算出のベースとなったフローチャートを参考と
して示すと第2図のとおりであり、該第2図からグルタ
ルアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン誘導
体に起因する11〜12分におけるピークが検出限界以下の
上記表に示した0.1ppmであることが明らかである。
そして、上記表および第2図に示した結果から、生成
液中の該誘導体含有量が、加水分解処理開始62時間後に
は許容量以下の0.5ppmにまで下がり、そして100時間後
には検出限界以下の0.1ppm以下にまで低下すること、し
たがって加水分解処理開始62時間以降の生成液(生成し
た加水分解物)ではグルタルアルデヒドの含有量が極め
て微量であり食品等の製造などに有効に使用し得ること
がかかる本発明の測定法により検知できることがわか
る。
例 3 固定化してない遊離のペプシンを使用して得られた上
記例1におけるpH4.0の加水分解グルテン含有液の一部
を分取し、それに5N水酸化ナトリウム水溶液を加えて液
のpHをほぼ7.0に調整した後、沈殿してきた固形物を除
き、その上澄液を噴霧乾燥して加水分解グルテン粉末を
調製した。
この粉末を蒸留水に添加して加水分解グルテンの5重
量%水溶液(pH7)を調製した。
この水溶液20mlに対して例1と同様にしてグルタルア
ルデヒドの添加、酸による液のpH調製、蒸留、クロロホ
ルム洗浄、2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体形
成、トルエン抽出および高速液体クロマトグラフィー分
析を順次行って、グルタルアルデヒドの回収率を求め
た。
得られた結果を第3図に示す。第3図において、横軸
はグルタルアルデヒド添加後蒸留前の液のpH、縦軸はグ
ルタルアルデヒドの回収率、○は塩酸でpH調整を行った
後、□は硫酸でpH調整を行った場合、△はリン酸でpH調
整を行った場合そして●は酢酸でpH調整を行った場合を
示す。
第3図の結果から、グルテンのグルタルアルデヒド含
有水溶液(蛋白質試料水溶液)のpH約2以下、特にpH0.
2〜1.0に調整してからその後の操作を行ってグルタルア
ルデヒドの測定を行うとグルタルアルデヒドの回収率が
高くなり、測定の精度があがることがわかる。
さらにこの例3の結果から、本発明はグルタルアルデ
ヒドで固定化された酵素を含むバイオリアクターによる
運転時の工程管理だけでなく、該バイオリアクターによ
って得られた蛋白質製品中に含まれるグルタルアルデヒ
ド量の測定による製品の品質管理にも応用できることが
わかる。
また、この例3ではグルタルアルデヒドの回収率が例
1に比べてやや低くなっているが、これはグルタルアル
デヒドを添加する際の加水分解グルテン含有液のpHが例
3ではほぼ7.0と、pH4.0の例1におけるよりも高く、そ
のために加水分解グルテンとグルタルアルデヒドとの間
のシッフ塩基形成が多くなり、液のpHを酸添加により低
下させた際のシッフ塩基の解離および蒸留時の回収が低
めになったためであると考えられる。
例 4 例1と同様にして固定化してない遊離のペプシンを使
用して得たpH4.0の加水分解グルテン含有液20mlにグル
タルアルデヒド水溶液(1μgグルタルアルデヒド/ml
水溶液)5mlを添加し、2時間放置した。この試料溶液
に5N塩酸を添加して液のpHを0.5に調整した後、例1と
同様にして蒸留を行って40mlの留出液を回収した。
この40mlの留出液から各々5mlずつの試料液を5個採
取し、その各々に蒸留水15mlずつを加えて各々20mlにし
た。
1つの溶液に対しては有機溶媒による洗浄処理を何ら
施さずにそのまま2N塩酸0.5mlによるpH調整、2,4−ジニ
トロフェニルヒドラジン溶液(2,4−ジニトロフェニル
ヒドラジン2g/200ml2N塩酸水溶液)1.0mlの添加および
トルエン1.0mlによる抽出を順次行い、分液ロートで約1
0分振盪し、次いでトルエン層を分取した後、このトル
エン層を分離展開液としてメタノール/水(容量比)82
/18溶液を使用した以外は例1と同様にして高速液体ク
ロマトグラフィーにかけて分析を行った。
残りの溶液の各々には、各々洗浄用の有機溶媒として
クロロホルム、トルエン、石油エーテルおよびベンゼン
の5mlを加えて約10分間振盪した後、水層を分取し、あ
とは上記と同様にして2,4−ジニトロフェニルヒドラゾ
ン誘導体形成および高速液体クロマトグラフィー分析を
行った。そこではグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロ
フニルヒドラゾン誘導体に基づくピークは分離展開開始
後12〜13分において確認された。
上記各々の操作で得られた高速液体クロマトグラフィ
ー分析結果のチャートを第4(A)〜第4(E)図とし
て示す。
ここで、第4(A)図は有機溶媒による洗浄処理を行
わなかった場合、第4(B)図はクロロホルムで洗浄し
た場合、第4(C)図はトルエンで洗浄した場合、第4
(D)図は石油エーテルで洗浄した場合および第4
(E)図はベンゼンで洗浄した場合のチャートである。
上記の結果から、有機溶媒による洗浄を行わなかった
第4(A)図ではグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロ
フェニルヒドラゾン誘導体に基づくピークが存在する12
〜13分近辺に不純物に起因する多数の大きなピークの存
在とベースラインに乱れがあり、グルタルアルデヒドの
2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン誘導体の測定が困難
であることがわかる。それに対して有機溶媒による洗浄
を行った第4(B)図〜第4(E)図では上記12〜13分
近傍に不純物に起因するピークやベースラインの乱れが
少なくグルタルアルデヒドの2,4−ジニトロフェニルヒ
ドラゾン誘導体の測定が円滑に行えることがわかる。し
かも上記の結果から、クロロホルムおよびトルエンを洗
浄用有機溶媒として使用した第4(B)図および第4
(C)図の場合により良好な結果が得られることがわか
る。
例 5 例1における加水分解グルテン含有溶液の代わりに加
水分解カゼインの5重量%水溶液を使用した外は例1と
同様にしてグルタルアルデヒドの回収率を測定した。
その結果を第5図に示す。第5図において、横軸はグ
ルタルアルデヒド添加後蒸留前の液のpH、縦軸はグルタ
ルアルデヒドの回収率、○は塩酸でpH調整を行った場
合、□は硫酸でpH調整を行った場合、△はリン酸でpH調
整を行った場合そして●は酢酸でpH調整を行った場合を
示す。
第5図の結果から、加水分解カゼインのグルタルアル
デヒド含有水溶液(蛋白質試料水溶液)のpHを約2以
下、特にpH0.2〜1.0に調整してからその後の操作を行っ
てグルタルアルデヒドの測定を行うとグルタルアルデヒ
ドの回収率が高くなり、測定の精度があがることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法および本発明以外の方法によっ
て加水分解グルテン含有水溶液中のグルタルアルデヒド
量を測定したときに得られた結果をグルタルアルデヒド
の回収率によって示した図である。 第2図はグルタルアルデヒドで固定化された固定化酵素
(バイオリアクター)を使用してグルテンを加水分解処
理した場合の流出液中へのグルタルアルデヒドの漏出
を、本発明の測定法を使用して検査した場合の高速液体
クロマトグラフィー分析によるチャートを示す図であ
る。 第3図は、本発明の方法および本発明以外の方法によっ
て加水分解グルテンのグルタルアルデヒド量を測定した
ときに得られた結果をグルタルアルデヒドの回収率によ
って示した図である。 第4(A)図、第4(B)図、第4(C)図、第4
(D)図および第4(E)図は洗浄用有機溶媒を使用せ
ずに、または洗浄用有機溶媒の種類を変えて加水分解グ
ルテン水溶液中のグルタルアルデヒドを測定した場合の
高速液体クロマトグラフィー分析によるチャートを示し
た図である。 第5図は本発明の方法および本発明以外の方法によって
加水分解カゼイン含有水溶液中のグルタルアルデヒド量
を測定したときに得られた結果をグルタルアルデヒドの
回収率によって示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 育夫 埼玉県浦和市北浦和5丁目15番19号 (72)発明者 山縣 孝樹 滋賀県長浜市南高田町672 コーポラス たかた105号 (72)発明者 田中 俊夫 滋賀県長浜市神前町10番52号 エクセレ ント神前105号 (72)発明者 中村 準 東京都世田谷区奥沢8丁目5番5号 (56)参考文献 特開 昭58−178257(JP,A) 特公 昭44−24877(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蛋白質とグルタルアルデヒドとが混在する
    蛋白質試料中のグルタルアルデヒドを測定するにあたっ
    て、 (a)蛋白質試料の水溶液が強酸性になるようにそのpH
    を調整する、 (b)pH調整後の液を蒸留して留出液を回収する、 (c)回収した留出液を有機溶媒で洗浄して不純物を抽
    出除去する、 (d)有機溶媒洗浄後の残留液に2,4−ジニトロフェニ
    ルヒドラジンを添加してグルタルアルデヒドの2,4−ジ
    ニトロフェニルヒドラゾン誘導体を形成させる、および (e)該誘導体を有機溶媒で抽出処理し、これを高速液
    体クロマトグラフィーにかけて該誘導体の定量を行う 工程を含むことを特徴とする蛋白質試料中のグルタルア
    ルデヒドの測定法。
JP1055072A 1989-03-09 1989-03-09 グルタルアルデヒドの測定法 Expired - Lifetime JP2550407B2 (ja)

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