JP2018135282A - ベンゾトリアゾール誘導体化合物及びそれらの重合体 - Google Patents

ベンゾトリアゾール誘導体化合物及びそれらの重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】340nm付近の紫外線を強く吸収して410nm付近で強い青色発光を示す、優れた波長変換性を示す波長変換材料を提供する。
【解決手段】下記一般式で表される新規のベンゾトリアゾール誘導体化合物。
Figure 2018135282

[式中、好ましくはRがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であるか、Rがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基である]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらの重合体に関し、さらに、これらを含有する波長変換材料、及びそれを用いた農業用波長変換フィルムと太陽電池用波長変換フィルムに関する。さらに詳しくは、340nm付近の紫外線を強く吸収して410nm付近で強い青色発光を示す、優れた波長変換性を示す波長変換材料、及びそれを用いた農業用波長変換フィルムと太陽電池用波長変換フィルムに関する。
波長変換材料は照射された特定の波長の光を吸収して別の波長の光を放出する材料であり、単体、有機溶媒中、樹脂中などで用いられ、幅広い分野で使用されている。
波長変換材料を含有したフィルムを農作物の周辺に設置することで、特定の波長の光をより多く農作物に当て、農作物の生育を促進させることが実施されている。また、太陽電池は一般的に紫外域の感度が低く、太陽光に含まれる紫外線を十分活用できていないため、紫外線を可視光に変換することができる波長変換材料を含有したフィルムを太陽電池表面に取り付けることで、感度が高い可視光域の光をより多く取り入れて、太陽電池の効率を向上させることが実施されている。
上記の各用途で使用される波長変換材料には、紫外線を十分吸収して強い可視光を発する優れた波長変換性があることが求められている。すなわち、物質が光を吸収する程度を示す指標であるモル吸光係数が高く、吸収された光子数に対する放出された光子数の比で表される蛍光量子効率が高い波長変換材料が求められており、モル吸光係数及び蛍光量子効率が高いほど優れた波長変換材料となる。
波長変換フィルムの波長変換性は、物体に特定の波長の光を当てたときに吸収される光の程度を示す吸光度と、蛍光量子効率で評価することができ、吸光度及び蛍光量子効率が高いほど優れた波長変換フィルムとなる。
波長変換材料はフィルム等の樹脂中で使用されることが多く、固体状態で波長変換性が優れていることが求められており、さらに、波長変換材料自体のブリードが起こらないような、樹脂との相溶性が高い波長変換材料が求められている。また、波長変換材料は、フィルムの表面に成膜して使用されることが多く、成膜時に有機溶媒に溶解させる必要があり、有機溶媒に溶解しやすい波長変換材料が求められている。
これまで各種の波長変換材料が提案されており、それを用いたフィルムを取り付けることで、植物の生育促進や太陽電池の効率向上が示されている。しかしながら、モル吸光係数及び蛍光量子効率ともに優れた波長変換材料や、吸光度及び蛍光量子効率ともに優れた波長変換フィルムは少なく、特に紫外線を410nm付近の青色光に効率よく変換する波長変換材料や波長変換フィルムはほとんどない。
波長変換材料としては一般的に有機蛍光色素が用いられており、例えば非特許文献1に記載されているように、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体等が提案されている。しかし、これらの化合物のモル吸光係数及び蛍光量子効率はすべてが十分大きいと言えず、特に青色蛍光色素フィルムの蛍光量子効率が不十分であり、波長変換性が高いとは言えない。
農業用及び太陽電池用の波長変換フィルムでは、例えば特許文献1〜4に記載されているように、フェナジン誘導体、オキサゾール誘導体、ベンゾ複素環誘導体、キノリノール誘導体の金属錯体、ベンゾチアジアゾール誘導体等を波長変換材料として使用することが提案されており、それらを添加した波長変換フィルムを用いることで、植物の生育促進及び太陽電池の効率向上が示されている。しかしながら、これら波長変換材料のモル吸光係数や、波長変換フィルムの吸光度の記載がない。
特許文献5〜6では、本発明でも用いられているベンゾトリアゾール誘導体が提案されており、最大発光波長440〜460nm程度の化合物が示されている。これらを波長変換材料として使用することは可能であるが、農作物の生育促進や太陽電池の効率向上に最適な波長は、農作物や太陽電池の種類によって異なっており、410nm付近で発光する波長変換材料も必要である。
特開2010−88420号公報 特開2014−98156号公報 特開2012−188473号公報 特開2014−237792号公報 特開2014−144931号公報 特開2014−144932号公報
ファインケミカル2011年2月号 vol.40 No.2 p52
このような状況下、本発明における課題は、溶液中、又はフィルム状態において、紫外線を410nm付近の青色光に効率よく変換する優れた波長変換性を示す波長変換材料を提供することにある。
本発明では、下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体を、波長変換材料、農業用波長変換フィルム、及び太陽電池用波長変換フィルムに用いることを上記課題の主要な解決手段とする。
Figure 2018135282
一般式(1)
[式中Rは、炭素数1〜18のアルキル基、アルキル炭素数1〜7のカルボキシアルキル基、各アルキルの炭素数の合計が2〜15のアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、各アルキルの炭素数の合計が2〜15のアルキルカルボニルオキシアルキル基、ホルミル基、アルキル炭素数1〜7のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基またはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、トリル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基またはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基であり、
かつ、Rがアクリロイル基、メタクリロイル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基であるか、および/またはRがアルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基である]
上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール誘導体化合物は、好ましくは、Rが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であり、Rが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基である化合物であり、
かつ、Rがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜2メタクリロイルオキシアルキル基であるか、および/またはRがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基である。
本発明の一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体は、340nm付近の紫外線を強く吸収して410nm付近で強い青色発光を示し、溶液のモル吸光係数が約30000で蛍光量子効率が約70%であり、フィルム状態で高い吸光度を示して蛍光量子効率は53〜60%であることから、紫外線を青色光に変換する波長変換性が高く、従来技術の課題を解決し得る波長変換材料、農業用波長変換フィルム、及び太陽電池用波長変換フィルムとして有用である。
以下に本発明につき詳細に説明する。本発明は波長変換材料、及び波長変換フィルムとして、下記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体を用いたものである。以下に下記一般式(1)において表される化合物について説明する。
Figure 2018135282
一般式(1)
一般式(1)中、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基;カルボキシエチル基、カルボキシヘプチル基等のアルキル炭素数1〜7のカルボキシアルキル基;メトキシカルボニルエチル基、オクチルオキシカルボニルヘプチル基等の各アルキルの炭素数の合計が2〜15のアルキルオキシカルボニルアルキル基;ヒドロキシエチル基、ヒドロキシオクチル基等の炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基;メチルカルボニルオキシエチル基、ヘプチルカルボニルオキシオクチル基等の各アルキルの炭素数の合計が2〜15のアルキルカルボニルオキシアルキル基;ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基等のアルキル炭素数1〜7の直鎖又は分岐のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基;トルオイル基;アクリロイル基;メタクリロイル基;アクリロイルオキシエチル基、アクリロイルオキシブチル基等のアルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基;アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基等のアルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基;メタクリロイルオキシエチル基、メタクリロイルオキシブチル基等のアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基;メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基等のアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基が挙げられ、Rは水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜18の直鎖または分岐のアルキル基;フェニル基;トリル基;アクリロイルオキシエチル基、アクリロイルオキシブチル基等のアルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基;アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基等のアルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基;メタクリロイルオキシエチル基、メタクリロイルオキシブチル基等のアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基;メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基等のアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基が挙げられ、
かつ、Rがアクリロイル基、メタクリロイル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基であるか、および/またはRがアルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基である。
上記一般式(1)で示されるベンゾトリアゾール誘導体化合物は、好ましくは、Rが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2メタクリロイルオキシアルキル基であり、Rが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であり、
かつ、Rがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜2メタクリロイルオキシアルキル基であるか、および/またはRがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基である化合物である。
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)としては、例えば、次に示すものを挙げることができる。
2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−メトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−アセトキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−メタクリロイルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、2−メタクリロイルオキシエチル 2−[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、4−メタクリロイルオキシブチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、2−アクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、オクチル 2−[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、メチル 2−[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、オクチル 2−[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート。
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物一般式(1)を合成する方法に特に限定はなく、従来公知の反応原理を広く用いることができ、たとえば、下記(化2〜化9)に示した反応式を経て合成することができる。ただし、Xはハロゲン原子を表す。
Figure 2018135282
Figure 2018135282
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Figure 2018135282
Figure 2018135282
Figure 2018135282
Figure 2018135282
Figure 2018135282
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の重合体は、単独重合体であれば一般式(1)におけるRが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であり、Rが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、又はアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であるとともに、Rがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜2メタクリロイルオキシアルキル基であるか、および/またはRがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であるベンゾトリアゾール誘導体化合物の単独重合体である。また共重合体であれば前記ベンゾトリアゾール誘導体化合物と(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基といったラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物との共重合体である。
共重合体とする場合の共重合対象となる化合物は、具体的には、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有の不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、N‐イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、N,N'−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール、(4−ビニルフェニル)−ジフェニルアミン等の含窒素不飽和単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン元素含有の不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族不飽和単量体;酢酸ビニル等のビニルエステル;ビニルエーテル;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和シアン化合物単量体;4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6− テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の光安定性単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有不飽和単量体;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリレート等のスルホン酸基含有不飽和単量体;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−クロロプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルフェニルリン酸等の酸性リン酸エステル系不飽和単量体等が挙げられるが、特に限定されるものではなく、共重合体に要求される種々の物性を付与し、必要な物性を損なわない化合物であればよい。また、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
重合体を得る際の重合方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の重合方法、例えば、ラジカル重合、イオン重合による連鎖重合反応を用いた溶液重合法、塊状(バルク)重合法、懸濁(パール)重合法、光重合法等を採用することができる。
溶液重合法を採用して重合体を得る場合において用いることができる溶媒としては、具体的には、例えば、トルエン、キシレン、その他の高沸点の芳香族系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら溶媒は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、溶媒の使用量は、特に限定されるものではない。
塊状(バルク)重合法を採用して重合体を得る場合において用いることができる重合開始剤としては、後述に列記する重合開始剤が挙げられる。
懸濁(パール)重合法を採用して重合体を得る場合において用いることができる分散剤としては、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、 ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩、スチレンとマレイン酸共重合体の塩、α−メチルスチレンとアクリル酸共重合体の塩、ポリビニルピロリドン、ポリ(メタ)アクリルアミド、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギン酸またはその塩等の高分子界面活性剤;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリオキシアルキレン系分散剤;ポリオキシエチレン−アルキルエーテル、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール、ポリオキシエチレン−多価アルコールエステル、多価アルコールと脂肪酸とのエステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロック縮合物等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。また、これら分散剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、分散剤の使用量は、特に限定されるものではない。
また、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法を採用して重合体を得る際には、重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としては、具体的には、例えば、 2,2'−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル) 、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’ −アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t− ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の油溶性のラジカル重合開始剤;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]・二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]・二硫酸・二水和物、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)・二塩酸塩 、2,2−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}・二塩酸塩、2,2−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−エチルプロパン)・二塩酸塩、2、2−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2−アゾビス(N−ヒドロキシエチルイソブチルアミド)、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等の水溶性のラジカル重合開始剤;過硫酸塩類や有機過酸化物類の重合開始剤にナトリウムスルホオキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、過酸化水素、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、およびその塩、第一銅塩、第一鉄塩などの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いるレドックス系開始剤;ベンゾフェノン、N,N′−テトラアルキル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパノン−1、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等の芳香族ケトン類、アルキルアントラキノン、フェナントレンキノン等のキノン類、ベンゾイン、アルキルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンゾインアルキルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物、ベンジルジメチルケタール等のベンジル誘導体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、N−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン誘導体、9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]等のオキシムエステル類、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン等のクマリン系化合物、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系化合物等の光(主として紫外線)開裂型ラジカル重合開始剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、これら重合開始剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。また、重合開始剤の使用量は、特に限定されるものではない。
反応温度は、特に限定されるものではないが、室温〜200℃の範囲が好ましく、50℃〜150℃の範囲がより好ましい。尚、反応時間は、反応温度、或いは、用いる単量体組成物の組成や重合開始剤の種類等に応じて、重合反応が完結するように、適宜設定すればよい。
光重合法を採用して重合体を得る場合において共重合対象となる化合物は、前述の他に分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドまたはε−カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、または2種以上を組わせて用いてもよい。
光重合法を採用して重合体を得る場合において用いる光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射によって光重合開始作用を示す公知の光重合開始剤のいずれもが使用できる。例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどを挙げることができ、また、ベンゾフェノンおよび/または2−イソプロピルチオキサントンと重合促進剤の2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートおよび/またはエチル−4−ジメチルアミノベンゾエートといった組み合わせも使用できる。本発明で、これらの光重合開始剤を単独で用いてもよいし、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
そのうちでも、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンおよび/または2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンが、硬化膜の黄変が少なく、表面硬化性に優れる点から好ましく用いられる。
波長変換材料はフィルムに配合したり、フィルムの表面又は中間層に成膜して、波長変換フィルムとして使用されることが多く、本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体も同様に、波長変換フィルムに使用できる。本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体を使用できるフィルムの樹脂素材は特に限定されるわけではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポリ-3−メチルブチレン、ポリメチルペンテンなどのα−オレフィン重合体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ臭化ビニル、ポリフッ化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、臭素化ポリエチレン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル三元共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑性ポリ塩化ビニルなどの含ハロゲン合成樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、スチレンと他の単量体(無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、アクリル樹脂、メタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリオキシベンゾイル、ポリイミド、ポリマレイミド、ポリアミドイミド、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、水溶性樹脂、粉体塗料用樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体を波長変換フィルムに使用する場合、波長変換材料としては本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体のみ、あるいは他の波長変換材料と組合せて使用できる。本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体以外の波長変換機能を有する化合物としては、一般に市場で入手できるもので紫外線領域に励起帯を有し可視光領域に発光ピークを有するものあれば特に限定されない。例えば、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、有機金属錯体、ピラン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、オキサゾン誘導体、キナクリドン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ナフタルイミド誘導体等、一般的な低分子蛍光材料、低分子リン光材料、ポリマー発光材料等が用いられる。これらの波長変換材料は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体をフィルムに配合する場合、樹脂に対して少なすぎると十分な発光が得られず、また、多すぎると濃度消光が起こるため、0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜10重量%の範囲で使用されることが好ましい。
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体をフィルムに成膜する方法として、例えば、湿式塗布法が挙げられる。湿式塗布法は複雑な工程を必要とせず、製造コストが低く、大面積化が容易という利点があり、湿式塗布法として、例えば、インクジェット法、スピンコート法、キャスト法やディップコート法がある。湿式塗布法を行うには波長変換材料を有機溶媒に溶解させる必要があり、有機溶媒に溶解しやすい波長変換材料を用いることが望ましい。本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体は、有機溶媒に溶解しやすく、例えばキャスト法によって、波長変換膜を形成することができる。
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体を湿式塗布法によりフィルムに成膜する際、ベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びそれらを有する重合体を溶解させる有機溶媒として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素;石油エーテル、石油ベンジン等の石油系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素;エチルエーテル、イソプロピルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、イソフォロン等のケトン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド;アセトニトリル;ジメチルスルフォキシド;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化ベンゼン等が挙げられる。これらは一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物を有する重合体は、単独で波長変換フィルムにすることができる。例えば、フィルムや硝子板の表面に成膜し、波長変換フィルムを剥がし取ることで得られる。
以下に本発明で実施したベンゾトリアゾール誘導体化合物、及びその重合体の合成法と特性を示す。ただし、合成方法はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
[中間体;5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール]の合成
Figure 2018135282
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、水400ml、炭酸ナトリウム25.6g(0.242モル)、4−アミノ−3−ニトロ安息香酸78.6g(0.432モル)を入れて溶解させ、36%亜硝酸ナトリウム水溶液89.2g(0.465モル)を加えた。この溶液を2000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、水400ml、62.5%硫酸168.8g(1.076モル)を入れて混合し、3〜7℃に冷却したものに滴下し、同温度で2時間撹拌してジアゾニウム塩水溶液を得た。3000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、水880ml、水酸化ナトリウム19.5g(0.488モル)、炭酸ナトリウム42.6g(0.402モル)、4−ヒドロキシ安息香酸61.4g(0.445モル)を入れて混合し、ジアゾニウム塩水溶液を3〜7℃で滴下し、同温度で4時間撹拌した。生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥し、4−(4−カルボキシ−2−ニトロフェニルアゾ)フェノールを111.6g得た。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、4−(4−カルボキシ−2−ニトロフェニルアゾ)フェノールを111.6g(0.389モル)、イソプロピルアルコール250ml、水200ml、水酸化ナトリウム24.7g(0.618モル)、ハイドロキノン0.6gを入れて溶解させ、60%ヒドラジン一水和物19.8g(0.237モル)を60〜65℃で1時間で滴下し、同温度で2時間撹拌させ、62.5%硫酸でpH4に調整し、生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥し、5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール N−オキシドを87.0g得た。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール N−オキシドを87.0g(0.321モル)、イソプロピルアルコール350ml、水350ml、水酸化ナトリウム57.6g(1.440モル)を入れて溶解させ、亜鉛末31.4g(0.480モル)を60〜65℃で30分で添加し、同温度で1時間撹拌させ、同温度でろ過して固形分を取り除き、ろ液を62.5%硫酸でpH4に調整し、生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥して粗結晶を得た。この粗結晶をイソプロピルアルコールで再結晶して、5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを37.5g得た。収率34%(4−アミノ−3−ニトロ−安息香酸から)であった。
(実施例2)
[化合物(a);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートの合成]
Figure 2018135282
化合物(a)
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを22.3g(0.087モル)、N,N−ジメチルホルムアミド45ml、炭酸ナトリウム9.5g(0.090モル)、ヨウ化カリ1.3g、オクチルクロライド24.2g(0.163モル)を仕込み、120〜130℃で2時間還流撹拌した。メチルイソブチルケトン150ml、酢酸20ml、水200mlを仕込み、70℃で下層の水層を分液して取り除いた。減圧で溶媒を回収し、イソプロピルアルコール100mlを加えて、生成した沈殿物をろ過、洗浄、乾燥して粗結晶を得た。この粗結晶をイソプロピルアルコールで再結晶して、オクチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを23.2g得た。
500mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、オクチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを13.8g(0.029モル)、イソプロピルアルコール140ml、水140ml、水酸化ナトリウム4.5g(0.113モル)を仕込んで75℃で2時間撹拌させ、62.5%硫酸でpH4に調整し、生成した沈殿物をろ過、水洗、乾燥して粗結晶を得た。この粗結晶をメチルイソブチルケトンで再結晶して、5−カルボキシ −2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを9.2g得た。
300mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−カルボキシ −2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを7.6g(0.021モル)、トルエン40ml、塩化チオニル3.8g(0.032モル)、N,N−ジメチルホルムアミド0.4mlを仕込み、65℃で1時間撹拌した。減圧で溶媒を回収し、トルエン100ml、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル13.3g(0.102モル)を仕込み、115℃で4時間還流撹拌した。水100mlを仕込んで、70℃で下層の水層を分液して取り除き、さらに水100mlを仕込んで、70℃で下層の水層を分液して取り除いた。減圧でトルエンを回収し、イソプロピルアルコール75mlを加えて、生成した沈殿物をろ過、洗浄、乾燥して、粗結晶を7.9g得た。この粗結晶をイソプロピルアルコールで再結晶して、化合物(a)を6.7g得た。収率33%(5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから)であった。融点83℃。
また、HPLC分析により、化合物(a)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:SUMIPAX ODS A−212 6.0×150mm 5μm
カラム温度:40℃
移動相: メタノール/水=99/1
流速:1.0ml/min
検出:UV250nm
<測定結果>
HPLC面百純度99.0%
また、化合物(a)のNMR測定を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:JEOL−ECX400
共振周波数:400MHz(1H−NMR)
溶媒:クロロホルム−d
1H−NMRの内部標準物質として、テトラメチルシランを用い、ケミカルシフト値はδ値(ppm)、カップリング定数はHertzで示した。またsはsinglet、dはdoublet、tはtriplet、mはmultipletの略とする。以下の実施例3においても同様である。得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
σ=8.71(s,1H,benzotriazole−H),8.28(m,2H,benzotriazole−H),8.05(d,1H,J=8.0Hz,benzene−H),7.95(d,1H,J=8.0Hz,benzene−H),7.06(m,2H,benzene−H),6.17(s,1H,C=CH−H),5.61(s,1H,C=CH−H),4.64(t,2H,benzotriazole−CO−O−CH−H),4.54(t,2H,methacryloyl−O−CH−H),4.05(t,2H,benzene−O−CH−H),1.97(s,3H,CH−C−CH−H),1.83(m,2H,O−CH−CH−H),1.48(m,2H,O−CH−CH−CH−H),1.33(m,8H,(CH)4−H),0.89(t,3H,CH−H)
(実施例3)
[化合物(b);メチル 2−[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートの合成]
Figure 2018135282
化合物(b)
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを15.0g(0.059モル)、N,N−ジメチルホルムアミド250ml、炭酸カリウム16.3g(0.118モル)、ヨウ化メチル8.4g(0.059モル)を仕込み、19〜20℃で5時間撹拌した。トルエン500ml、酢酸30ml、水100mlを仕込み、60℃で下層の水層を分液して取り除いた。減圧で溶媒を回収し、イソプロピルアルコール250mlを加えて、生成した沈殿物をろ過、洗浄、乾燥して、メチル 2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを8.5g得た。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、メチル 2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを7.6g(0.028モル)、N,N−ジメチルホルムアミド160ml、炭酸ナトリウム6.0g(0.057モル)、2−クロロエタノール7.9g(0.098モル)、ヨウ化カリウム0.8g(0.005モル)を仕込み、140℃で24時間還流撹拌した。トルエン200ml、酢酸12ml、水80mlを仕込み、70℃で下層の水層を分液して取り除いた。減圧で溶媒を回収し、イソプロピルアルコール400mlを加えて、生成した沈殿物をろ過、洗浄、乾燥して、メチル 2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを6.8g得た。
1000mlの4つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、メチル 2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを6.8g(0.022モル)、トルエン200ml、メタクリル酸2.0g(0.023モル)、メタンスルホン酸0.6g(0.006モル)を仕込み、110〜113℃で8時間還流脱水した。水80ml、炭酸ナトリウム4.0g(0.038モル)を仕込んで60℃で下層を分液した後、水80ml、酢酸8mlを仕込んで60℃で下層を分液した。減圧で溶媒を回収し、メチルアルコール800mlを加えて、生成した沈殿物をろ過、洗浄、乾燥して、粗結晶を4.0g得た。この粗結晶をメチルアルコールで再結晶して、化合物(b)を3.0g得た。収率15%(5−カルボキシ −2−(4−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールから)であった。融点123℃。
また、HPLC分析により、化合物(b)の純度を測定した。
<測定条件>
装置:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ製)
使用カラム:SUMIPAX ODS A−212 6.0×150mm 5μm
カラム温度:40℃
移動相: メタノール/水=95/5
流速:1.0ml/min
検出:UV250nm
<測定結果>
HPLC面百純度99.8%
また、化合物(b)のNMR測定を行った結果、上記構造を支持する結果が得られた。測定条件は次のとおりである。
<測定条件>
装置:JEOL−ECX400
共振周波数:400MHz(1H−NMR)
溶媒:DMSO−d
得られたNMRスペクトルの内容は以下のとおりである。
σ=8.65(s,1H,benzotriazole−H),8.27(m,2H,benzotriazole−H),8.14(d,1H,J=9.2Hz,benzene−H),8.01(d,1H,J=1.2Hz,benzene−H),7.25(m,2H,benzene−H),6.06(s,1H,C=CH−H),5.71(s,1H,C=CH−H),4.49(t,2H,methacryloyl−O−CH−H),4.39(t,2H,benzene−O−CH−H),3.93(s,3H,benzotriazole−CO−O−CH−H),1.89(s,3H,CH−C−CH−H)
(実施例4)
[重合体(a);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを有する重合体の合成]
100ml4つ口フラスコにジムロート冷却器、水銀温度計、窒素ガス吹き込み管、撹拌装置を取り付け、重合性化合物としての化合物(a);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを0.125g、メチルメタクリレート(以下、「MMA」と記す。)を4.875g、および、溶媒としてのトルエン10g、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)を10g、および、重合開始剤としての1,1’−アゾビス(シクロヘシサン−1−カルボニトリル)(以下、「ACN」と記す。)を0.1g仕込み、撹拌しながら窒素ガス流量5ml/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に昇温を行い、反応液温度88〜91℃で10時間還流状態にて重合反応を行い、重合体(a)の溶液25.1gを得た。
(実施例5)
[重合体(b);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを有する重合体の合成
100ml4つ口フラスコにジムロート冷却器、水銀温度計、窒素ガス吹き込み管、撹拌装置を取り付け、重合性化合物としての化合物(a);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを0.125g、MMAを1.875g、シクロヘシキルメタクリレート(以下、「CHMA」と記す。)2.0g、スチレン1.0g、および、溶媒としてのトルエン10g、MEKを10g、および、重合開始剤としてのACNを0.05g仕込み、撹拌しながら窒素ガス流量5ml/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に昇温を行い、反応液温度88〜91℃で10時間還流状態にて重合反応を行い、重合体(b)の溶液25.05gを得た。
(実施例6)
[重合体(c);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを有する重合体の合成
100ml4つ口フラスコにジムロート冷却器、水銀温度計、窒素ガス吹き込み管、撹拌装置を取り付け、重合性化合物としての化合物(a);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを0.125g、MMAを2.125g、CHMAを2.25g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、「HEMA」と記す。)0.5g、および、溶媒としてのトルエン10g、MEKを10g、および、重合開始剤としてのACNを0.1g仕込み、撹拌しながら窒素ガス流量5ml/minで1時間フラスコ内を窒素置換後に昇温を行い、反応液温度88〜91℃で10時間還流状態にて重合反応を行い、重合体(c)の溶液25.1gを得た。
[重合体の分子量]
上記の実施例4〜6により得られた重合体(a)〜(c)の合成処方仕込み量と分子量を表1に示す。共重合体の分子量はGPCシステムHLC−8320GPC EcoSEC(東ソー株式会社)を用い、溶離液をテトラヒドロフラン、分離カラムをTSKgelGMHXL−L(東ソー株式会社)として、ポリスチレン検量線を用いたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、多分散度(Mw/Mn)を測定した。
Figure 2018135282
(比較例)
従来に提案されているベンゾトリアゾール誘導体化合物であり、一般式(1)と異なる構造である、化合物(c);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(3−メトキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレート、化合物(d);2−メタクリロイルオキシエチル 2−(3,5−ジメトキシ−4−オクチルオキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシレートを比較例として合成した。また、従来の一般的な青色発光材料であり、ナフタルイミド誘導体である化合物(e);N−[2−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン−6−イル]アセトアミドを比較例として合成した。
[溶液の吸収及び発光特性]
上記の実施例及び比較例で得られた化合物(a)〜(e)のクロロホルム中での吸収及び発光特性を表2に示す。
Figure 2018135282
[波長変換フィルムの作製]
上記の比較例で得られた化合物(e)を0.05g、ポリメタクリル酸メチル1.95g、メチルエチルケトン4.00g、トルエン4.00gを混合し、波長変換材料を有した樹脂組成物の溶液を得た。得られた波長変換材料を有した樹脂組成物の溶液、及び実施例4〜6で得られた重合体(a)、(b)、(c)の溶液を、バーコーターNo.20を用いてガラス板(セントラル社製「フロートガラス板」、厚み=2mm)に塗布し、加熱乾燥90℃を2分、120℃を3分の順で行った後、減圧乾燥40℃を24時間実施して溶媒を除去、波長変換材料が2.5%添加された膜厚4μmのフィルムを得た。
[フィルムの吸収及び発光特性]
上記で得られた化合物(e)、重合体(a)、(b)、(c)のフィルムでの吸収及び発光特性を表3に示す。
Figure 2018135282
表2より、本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物の溶液は、約30000のモル吸光係数及び約70%の蛍光量子効率であり、従来の一般的な青色発光材料である化合物(e)よりはるかに高いモル吸光係数及び蛍光量子効率を示している。さらに表3より、本発明品を用いたフィルムは、従来の一般的な波長変換材料である化合物(e)を用いたフィルムよりはるかに高い吸光度を示しており、蛍光量子効率は53〜60%で従来品より高い値を示していることから、優れた波長変換性をもつと言え、有用な波長変換材料及び波長変換フィルムであることがわかる。また、表2より、従来に提案されているベンゾトリアゾール誘導体化合物である化合物(c)、(d)は、440〜460nm程度に最大発光波長を示すが、本発明品は約410nmに最大発光波長を示すことから、本発明品は、410nm付近の光で生育が促進される農作物や、410nm付近の光の感度が高い太陽電池に最適に使用できることがわかる。なお、実施例1〜6及び比較例により得られた化合物(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、重合体(a)、(b)、(c)及びそれらを用いたフィルムの吸収スペクトル、発光スペクトル、励起スペクトル、蛍光量子効率の測定条件は次の通りである。
<溶液の吸収スペクトル測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜 500nm
溶媒:クロロホルム
濃度:10ppm
セル:1cm石英
<フィルムの吸収スペクトル測定条件>
装置: U−3900H((株)日立ハイテクサイエンス製)
測定波長:310〜510nm
<溶液の発光スペクトル、励起スペクトル及び蛍光量子効率測定条件>
装置:FP−8500(日本分光(株)製)
測定波長:200〜850nm
溶媒:クロロホルム
濃度:10ppm
セル:1cm石英
<フィルムの発光スペクトル、励起スペクトル及び蛍光量子効率測定条件>
装置:FP−8500(日本分光(株)製)
測定波長:200〜 850nm
本発明のベンゾトリアゾール誘導体化合物は、モル吸光係数及び蛍光量子効率が従来品より大きく、さらに本発明品のベンゾトリアゾール誘導体化合物を用いた波長変換フィルムは、吸光度及び蛍光量子効率が従来品より大きく、優れた波長変換性を示すことから、波長変換材料及び波長変換フィルムとして、好適に利用できる。さらに、従来品にない約410nmで最大発光波長を示すことから、410nm付近の光で生育が促進される農作物や、410nm付近の光の感度が高い太陽電池に最適に利用できる。

Claims (8)

  1. 下記の一般式(1)で表されることを特徴とするベンゾトリアゾール誘導体化合物。
    Figure 2018135282
    一般式(1)
    [式中Rは、炭素数1〜18のアルキル基、アルキル炭素数1〜7のカルボキシアルキル基、各アルキルの炭素数の合計が2〜15のアルキルオキシカルボニルアルキル基、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基、各アルキルの炭素数の合計が2〜15のアルキルカルボニルオキシアルキル基、ホルミル基、アルキル炭素数1〜7のアルキルカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基またはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基を表し、Rは、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、フェニル基、トリル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基またはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基であり、
    かつ、Rがアクリロイル基、メタクリロイル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基であるか、および/またはRがアルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のアクリロイルオキシヒドロキシアルキル基、アルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜4のメタクリロイルオキシヒドロキシアルキル基である]
  2. 上記一般式(1)におけるRが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であり、Rが炭素数1〜8のアルキル基、アルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、またはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基であり、
    かつ、Rがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基もしくはアルキル炭素数1〜2メタクリロイルオキシアルキル基であるか、および/またはRがアルキル炭素数1〜2のアクリロイルオキシアルキル基、もしくはアルキル炭素数1〜2のメタクリロイルオキシアルキル基である請求項1記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物。
  3. 請求項2に記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物を重合して得られる単重合体。
  4. 請求項2に記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物とラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物とを重合して得られる共重合体。
  5. 前記ラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物が、(メタ)アクリロイル基を有する化合物である請求項4に記載の共重合体。
  6. 請求項1〜2のいずれかの項に記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物または請求項3〜5のいずれかの項に記載の(共)重合体を含む波長変換材料。
  7. 請求項6に記載の波長変換材料を用いた農業用波長変換フィルム。
  8. 請求項6に記載の波長変換材料を用いた太陽電池用波長変換フィルム。
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