JP2018134572A - 燃焼排ガス処理装置及び処理方法並びに水銀吸着剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】石炭灰を有効利用しながらセメントキルン排ガス等の燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減する。【解決手段】石炭灰Cを灰分Aと未燃カーボンU1とに分離する分離装置4と、分離装置で分離された未燃カーボンU1を燃焼排ガスG2に吹き込む吹込装置と、燃焼排ガス中の水銀を吸着した未燃カーボンU2を回収する集塵装置6とを備える燃焼排ガス処理装置1等。石炭灰から分離した未燃カーボンを吹き込むため、未燃カーボンを含む石炭灰を吹き込むよりも、水銀と接触する未燃カーボンの表面積を大幅に増加させることができ、燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減することができる。燃焼排ガスはセメントキルン排ガスであって、吹込装置は、セメントキルン排ガスから集塵した後のガスに、分離装置からの未燃カーボンを吹き込むことができる。【選択図】図1
Description
本発明は、セメントキルン排ガス等の燃焼排ガスに含まれる水銀を吸着除去する技術に関する。
セメント製造のための原燃料である石灰石や石炭に水銀が含まれると共に、リサイクル資源として利用する飛灰、残土、汚泥等にも水銀が含まれているため、セメントキルンの排ガスには、上記物質に由来する微量の水銀が含まれている。セメントキルン排ガス中の水銀が増加すると大気汚染の原因となり、飛灰等のリサイクル資源利用拡大の阻害要因にもなる。そのため、セメントキルンの排ガスから水銀を効率よく除去するシステムの開発が推進されている。
そこで、活性炭をセメントキルン排ガスに吹き込んで燃焼排ガス中の水銀を吸着させ、水銀を吸着した活性炭を回収することも行われているが、活性炭が高価であるため、セメント製造原価が上昇する。
上記問題点に鑑み、本出願人は、特許文献1において、石炭灰が水銀の吸着能を有することに着目し、未燃カーボン含有率が1質量%以上の石炭灰を燃焼排ガスに吹き込むことで該燃焼排ガス中の水銀等を未燃カーボンに吸着させ、水銀等を吸着した未燃カーボンを含む石炭灰を回収する燃焼排ガス処理方法等を提案した。
上記特許文献1に記載の発明は有効であるが、近年の世界規模での水銀の管理強化に関する機運の高まりに鑑み、燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減することが求められていた。
そこで、本発明は、上記の状況下においてなされたものであって、石炭灰を有効に利用しながら、セメントキルン排ガス等の燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、燃焼排ガス処理装置であって、石炭灰を灰分と未燃カーボンとに分離する分離装置と、該分離装置で分離された未燃カーボンを燃焼排ガスに吹き込む吹込装置と、該燃焼排ガス中の水銀を吸着した未燃カーボンを回収する集塵装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、石炭灰から分離した未燃カーボンを吹き込むため、未燃カーボンを含む石炭灰を吹き込むよりも、水銀と接触する未燃カーボンの表面積を大幅に増加させることができ、セメントキルン排ガス等の燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減することができる。
上記燃焼排ガス処理装置において、前記燃焼排ガスをセメントキルン排ガスとし、前記吹込装置は、セメントキルン排ガスから集塵した後のガスに、前記分離装置からの未燃カーボンを吹き込むことができ、大気に放出する直前でセメントキルン排ガスの水銀濃度を低減することができる。
また、本発明は、燃焼排ガス処理方法であって、石炭灰を灰分と未燃カーボンとに分離し、該分離後の未燃カーボンを燃焼排ガスに吹き込んで該燃焼排ガス中の水銀を吸着させ、該水銀を吸着した未燃カーボンを回収することを特徴とする。本発明によれば、上記発明と同様に、石炭灰から分離した未燃カーボンを吹き込むため、未燃カーボンを含む石炭灰を吹き込むよりも、水銀と接触する未燃カーボンの表面積を大幅に増加させることができ、セメントキルン排ガス等の燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減することができる。
上記燃焼排ガス処理方法において、前記燃焼排ガスをセメントキルン排ガスとし、セメントキルン排ガスから集塵した後のガスに、前記分離後の未燃カーボンを吹き込むことができ、大気に放出する直前でセメントキルン排ガスの水銀濃度を低減することができる。
さらに、本発明の水銀吸着剤は、石炭灰から分離した未燃カーボンであって、燃焼排ガスに吹き込まれることで、該燃焼排ガス中の水銀を吸着することを特徴とする。本発明によれば、石炭灰と比較して露出する未燃カーボンの表面積を大幅に増加させることができ、吸着性能の高い水銀吸着剤を提供することができる。
以上のように、本発明によれば、石炭灰を有効に利用しながらセメントキルン排ガス等の燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減することが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。尚、以下の説明においては、本発明に係る燃焼排ガス処理装置によってセメントキルン燃焼排ガス(以下「キルン排ガス」という。)を処理する場合を例にとって説明する。
図1は、本発明に係る燃焼排ガス処理装置の一実施の形態を示し、この燃焼排ガス処理装置1は、キルン排ガスG1から集塵する集塵機2と、受け入れた未燃カーボンを含む石炭灰を一時的に貯蔵するタンク3と、タンク3から排出される石炭灰Cから未燃カーボンを分離する分離装置4と、集塵機2の排ガスG2に分離装置4で分離した未燃カーボンU1を添加した後集塵する集塵機6と、集塵機6の排ガスG4を大気へ放出する煙突7等で構成される。
集塵機2は、セメントキルンの燃焼排ガスであって、プレヒータや原料乾燥粉砕工程等を経た後のキルン排ガスG1を、煙突7の手前で集塵するために通常設置されているものであって、電気集塵機やバグフィルタである。
タンク3は、微粉炭焚きボイラー等より排出される未燃カーボンを含む石炭灰Cを一時的に貯蔵するために備えられる。
分離装置4は、石炭灰Cを灰分Aと未燃カーボンU1とに分離するために設けられ、湿式の浮遊選鉱法や、乾式の静電分離法等を利用するものである。分離装置4には、分離した未燃カーボンU1を一時的に貯蔵するためのタンク5と、タンク5の下方に未燃カーボンU1を2基の集塵機2、6の間のガスダクトに吹き込むための吹込装置(不図示)が付設される。
集塵機6は、集塵機2と同様、電気集塵機やバグフィルタであって、集塵した未燃カーボンU2の一部の未燃カーボンU4を集塵機6の上流側に戻す輸送経路を備える。
次に、上記構成を有する燃焼排ガス処理装置1の動作について、図1を参照しながら説明する。
まず、集塵機2において、キルン排ガスG1から集塵する。集塵したキルンダスト(以下「ダスト」という。)Dは、一般的なセメント製造工程で行われているように、セメント原料としてセメントキルンへ戻す。
一方、微粉炭焚きボイラー等より排出された石炭灰Cを、タンク3に貯留した後分離装置4に供給し、灰分Aと未燃カーボンU1とに分離する。次に、分離した未燃カーボンU1を一旦タンク5に収容した後、集塵機2、6の間のガスダクトに吹き込む。分離した灰分Aは、セメント原料として再利用する。
集塵機6において、キルン排ガスG3から水銀を吸着した未燃カーボンU2を回収する。回収された未燃カーボンU2は、水銀が吸着されているため、未燃カーボンU3として系外へ排出して適宜処理する。また、集塵機6の排ガスG4は煙突7を介して大気へ放出する。
集塵機6から排出された未燃カーボンU2の一部は、未燃カーボンU4として集塵機6の上流側に戻し、排ガスG3に含まれる水銀の吸着に再び使用する。
以上のように、本発明によれば、石炭灰Cから灰分Aを除いた未燃カーボンU1を吹き込むため、石炭灰Cを吹き込む場合と比較して水銀と接触する未燃カーボンU1の表面積を大幅に増加させることができ、セメントキルン排ガスG1等の燃焼排ガス中の水銀濃度をより効果的に低減することができる。
尚、上記実施の形態においては、煙突7の直前に設けられた集塵機6の上流側に未燃カーボンU1を吹き込んだが、集塵機2の上流側に吹き込み、水銀を吸着した未燃カーボンをダストD中に回収し、回収したダストDを加熱して水銀を揮発させてもよい。また、未燃カーボンU1を集塵機2、6の上流側に吹き込まず、セメント原料と共に原料ミルに供給し、セメント原料と共にプレヒータに供給してもよい。
また、本発明は、セメントキルン燃焼排ガス以外の他の燃焼炉等からの燃焼排ガスに適用することも可能であり、上記未燃カーボンU1を吸着性能の高い水銀吸着剤として用いることができる。
1 燃焼排ガス処理装置
2 集塵機
3 タンク
4 分離装置
5 タンク
6 集塵機
7 煙突
A 灰分
C 石炭灰
D ダスト
G1 セメントキルン燃焼排ガス(キルン排ガス)
G2〜G4 排ガス
U1〜U4 未燃カーボン
2 集塵機
3 タンク
4 分離装置
5 タンク
6 集塵機
7 煙突
A 灰分
C 石炭灰
D ダスト
G1 セメントキルン燃焼排ガス(キルン排ガス)
G2〜G4 排ガス
U1〜U4 未燃カーボン
Claims (5)
- 石炭灰を灰分と未燃カーボンとに分離する分離装置と、
該分離装置で分離された未燃カーボンを燃焼排ガスに吹き込む吹込装置と、
該燃焼排ガス中の水銀を吸着した未燃カーボンを回収する集塵装置とを備えることを特徴とする燃焼排ガス処理装置。 - 前記燃焼排ガスはセメントキルン排ガスであって、前記吹込装置は、セメントキルン排ガスから集塵した後のガスに、前記分離装置からの未燃カーボンを吹き込むことを特徴とする請求項1に記載の燃焼排ガス処理装置。
- 石炭灰を灰分と未燃カーボンとに分離し、
該分離後の未燃カーボンを燃焼排ガスに吹き込んで該燃焼排ガス中の水銀を吸着させ、
該水銀を吸着した未燃カーボンを回収することを特徴とする燃焼排ガス処理方法。 - 前記燃焼排ガスはセメントキルン排ガスであって、セメントキルン排ガスから集塵した後のガスに、前記分離後の未燃カーボンを吹き込むことを特徴とする請求項3に記載の燃焼排ガス処理方法。
- 石炭灰から分離された未燃カーボンであって、
燃焼排ガスに吹き込まれることで、該燃焼排ガス中の水銀を吸着することを特徴とする水銀吸着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017029601A JP2018134572A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 燃焼排ガス処理装置及び処理方法並びに水銀吸着剤 |
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JP2017029601A JP2018134572A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 燃焼排ガス処理装置及び処理方法並びに水銀吸着剤 |
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JP2018134572A true JP2018134572A (ja) | 2018-08-30 |
Family
ID=63366346
Family Applications (1)
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JP2017029601A Pending JP2018134572A (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | 燃焼排ガス処理装置及び処理方法並びに水銀吸着剤 |
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JP (1) | JP2018134572A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021187720A (ja) * | 2020-06-04 | 2021-12-13 | 三菱マテリアル株式会社 | セメント製造排ガス中のco2活用方法及びco2活用システム |
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2017
- 2017-02-21 JP JP2017029601A patent/JP2018134572A/ja active Pending
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JP2021187720A (ja) * | 2020-06-04 | 2021-12-13 | 三菱マテリアル株式会社 | セメント製造排ガス中のco2活用方法及びco2活用システム |
JP7215462B2 (ja) | 2020-06-04 | 2023-01-31 | 三菱マテリアル株式会社 | セメント製造排ガス中のco2活用方法及びco2活用システム |
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