JP2018133757A - 無線受信機能付電気接続箱 - Google Patents

無線受信機能付電気接続箱 Download PDF

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Abstract

【課題】無線受信機を含む全体の大型化を回避しつつ、必要な長さを有するアンテナを内部に収容配置することができる新規な構造を備えた無線受信機能付電気接続箱を提供すること。【解決手段】ケース12,14内に無線受信回路16が収容されてなる無線受信機能付電気接続箱10において、被覆電線40によって構成されて一端部が無線受信回路16に接続されたアンテナ38と、複数の樹脂突起34a,34bを含んで構成されたアンテナ保持部36とを備え、アンテナ保持部36の樹脂突起34a,34bにアンテナ38を構成する被覆電線40が巻き付けられて湾曲状態で設置固定されているようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車用の電気接続箱に係り、特に、無線受信機能を有する無線受信機能付電気接続箱に関するものである。
近年、自動車のドアの解錠および施錠を、キー穴にキーを差し込むことなく行えるリモートキーレスエントリシステムが広く採用されている。かかるシステムは、乗員が携帯する送信用のリモートキーや送受信用のスマートキーを用い、これらのキーから送信する信号を無線受信回路にアンテナが接続されて構成された無線受信機で受信し、受信した信号を無線受信機に接続された、ドアロック制御部を含むボディ用電子制御ユニットに送信して、ボディ用電子制御ユニットでドアロック機構を自動制御することにより、ドアの解錠および施錠を行っている。
このようなシステムを構成する1つの要素として、無線受信機能付電気接続箱が用いられており、例えば、特許第5044695号公報(特許文献1)の図12に記載されているように、アンテナを備えた無線受信機が電気接続箱上に搭載されたものや、同じ特許文献1の図13に記載されているように、アンテナを備えた無線受信回路が電気接続箱内に収容されたものが知られている。このようなシステムでは、アンテナの長さは、受信電波の波長λの少なくともλ/4以上(約20〜25cm)は必要であることから、無線受信機能付電気接続箱の大型化は避けられず、広い搭載スペースが必要とされていた。
そこで、かかる電気接続箱の大型化を回避するために、特許文献1の図1および図2に記載されているように、電気接続箱に収容する電子制御用基板の側縁の一部にアンテナを配置するのではなく、該基板の無線受信回路に一端部を接続した金属棒またはバスバーでアンテナを形成し、電気接続箱のケース外周壁の内面に沿ってアンテナを配置することにより、アンテナ長さを確保する構成が提案されている。かかる構成によれば、ケースの内面に沿った部位はデッドスペースとなっている場合が多いことから、電気接続箱の大型化を回避しつつ、他の基板の搭載部品との離隔距離を容易に確保することが可能となっていた。
しかしながら、最近では、より小型化への要求が強まっており、リモートキーレスエントリシステム用のアンテナを金属棒やバスバーを用いて構成することが困難となる場合もあった。それゆえ、かかるアンテナを、電気接続箱の内部にコンパクトに収容配置することができる電気接続箱を実現可能な新たな方法が求められている。
特許第5044695号公報
本発明は、上述の如き事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、無線受信機を含む全体の大型化を回避しつつ、必要な長さを有するアンテナを内部に収容配置することができる新規な構造を備えた無線受信機能付電気接続箱を提供することにある。
本発明の第一の態様は、ケース内に無線受信回路が収容されてなる無線受信機能付電気接続箱において、被覆電線によって構成されて一端部が前記無線受信回路に接続されたアンテナと、複数の樹脂突起を含んで構成されたアンテナ保持部とを備え、前記アンテナ保持部の前記樹脂突起に前記アンテナを構成する前記被覆電線が巻き付けられて湾曲状態で設置固定されていることを特徴とする。
本態様によれば、被覆電線によってアンテナが構成されており、アンテナ保持部を構成する複数の樹脂突起にアンテナを構成する被覆電線を巻き付けて湾曲状態で設置固定することによりアンテナが形成されている。それゆえ、従来の如き金属棒やバスバーを用いてアンテナを形成した場合に比して、被覆電線によってアンテナが形成されていることから、アンテナを構成する部材間あるいは他部材との間の絶縁を考慮して隙間を確保する必要がなく、かつ屈曲自在で任意の湾曲状態で、アンテナ保持部を構成する複数の樹脂突起に巻き付けて保持することが可能であることから、アンテナをコンパクトに収容することが可能となって、電気接続箱の大型化を回避しつつ、必要な長さを有するアンテナを電気接続箱の内部に収容配置することを有利に実現することが可能となっている。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、布線絶縁板を有し、該布線絶縁板に形成された前記複数の樹脂突起によって前記アンテナ保持部が構成されているものである。
本態様によれば、アンテナ保持部を構成する複数の樹脂突起が、布線絶縁板に形成された樹脂突起を用いて構成することができる。このような従来から被覆電線の布線に用いられている布線絶縁板を用いることにより、アンテナ保持部を有利に構成することができる。さらに、電気接続箱内に布線回路が収容されており既に布線絶縁板を備えている場合には、かかる布線絶縁板の一部を利用してアンテナを形成することにより、無線機能付電気接続箱の一層の小型化を有利に実現することが可能となる。
本発明の第三の態様は、前記第一または第二の態様に記載のものにおいて、前記アンテナ保持部が前記ケースの内面に形成されているものである。
本態様によれば、アンテナ保持部が電気接続箱のケースの内面に形成されている。このように既存の電気接続箱のケースの内面にアンテナ保持部を形成することにより、新たにアンテナ保持部を形成する部材を必要とせず、しかも一般に使われていないケースの内面を有効利用することにより、電気接続箱の一層の小型化をより有利に実現することが可能となっている。
本発明の第四の態様は、前記第一乃至第三の何れか一つの態様に記載のものにおいて、前記無線受信回路がプリント基板に設けられており、該プリント基板上に前記アンテナ保持部が形成された前記布線絶縁板が積層配置されているものである。
本態様によれば、無線受信回路が設けられたプリント基板上に、アンテナ保持部が形成された布線絶縁板を積層配置して組み付けることができ、高密度な状態でケース内に収容配置することができ、電気接続箱の小型化に寄与できる。
本発明の第五の態様は、前記第一乃至第四の何れか一つの態様に記載のものにおいて、前記アンテナの前記一端部にプレスフィット端子が設けられている一方、前記無線受信回路が前記プリント基板に設けられており、前記無線受信回路に接続されたスルーホールに対して前記プレスフィット端子が圧入されて接続されているものである。
本態様によれば、アンテナの一端部にプレスフィット端子が設けられていることから、プリント基板に設けられた無線受信回路に対して、無線受信回路に接続されたスルーホールにプレスフィット端子を圧入するだけで、無線受信回路にアンテナを接続することが可能となる。これにより半田付けが困難な場合であっても容易にアンテナと無線受信回路の接続が可能となる。
本発明の第六の態様は、前記第一乃至第五の何れか一つの態様に記載のものにおいて、前記アンテナを構成する前記被覆電線がジグザグ状に屈曲された状態で前記アンテナ保持部に保持されており、前記アンテナの形状がメアンダ型とされているものである。
本態様によれば、アンテナの形状がメアンダ型とされている。かかるメアンダ型のアンテナは、被覆電線をジグザグ状に蛇行配線した形状を有しており、それゆえ狭い配設スペースにおいて、アンテナ全体の長さを稼ぐことができるようになっている。その結果、アンテナの配設スペースを減らして電気接続箱を小型化できるようになっている。
本発明によれば、被覆電線によってアンテナが構成されており、アンテナ保持部を構成する複数の樹脂突起にアンテナを構成する被覆電線を巻き付けて湾曲状態で設置固定することによりアンテナが形成されている。それゆえ、従来の如き金属棒やバスバーを用いてアンテナを形成した場合に比して、アンテナを構成する部材間あるいは他部材との間の絶縁を考慮して隙間を確保する必要がなく、かつ屈曲自在で任意の湾曲状態でアンテナ保持部に巻き付けて保持できることから、電気接続箱の大型化を回避しつつ、必要な長さを有するアンテナを電気接続箱の内部に収容配置することを有利に実現できる。
本発明の第一の実施形態としての無線受信機能付電気接続箱を示す斜視図であって、ケースのみを上下方向に分解した図。 図1におけるケースを組み付けた状態を示す全体斜視図。 図1におけるIII−III断面要部拡大図。 図1に示す布線絶縁板の底面図。 本発明の第二の実施形態としての無線受信機能付電気接続箱を示す斜視図であって、図1に相当する図。 本発明の第三の実施形態としての無線受信機能付電気接続箱を示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1〜4には、本発明の第一の実施形態としての無線受信機能付電気接続箱10が、示されている。図1に示されているように、無線受信機能付電気接続箱10は、例えばポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフタルアミド(PPA)等の合成樹脂により射出成形等によって形成されたケースであるアッパケース12とロアケース14の間に、無線受信回路16が設けられたプリント基板18が収容されてなる構造とされている。なお、以下の説明において、特に断りの無い限り、上方とは、図1〜3中の上方、下方とは、図1〜3中の下方、前方とは、図1〜2中の左方、後方とは、図1〜2中の右方を言うものとする。また、理解を容易とするため、図1〜2では後述するプレスフィット端子42を、また図2ではアッパケース12とロアケース14を、さらに図4では後述する被覆電線40を、それぞれ仮想線で記載している。
図1〜2に示されているように、アッパケース12およびロアケース14は、互いに相手側に向けて開口する略矩形浅底の箱体形状を有している。そして、アッパケース12とロアケース14は、例えば、アッパケース12に設けられた図示しない係止爪が、ロアケース14の対応する箇所に設けられた図示しない係合枠に挿通されて係合されることにより、相互に組み付けられるようになっている。また、アッパケース12あるいはロアケース14の周壁には、周方向に離隔した適所に図示しないブラケット装着部が設けられており、車体側に設けられた図示しないブラケットが装着されて、無線受信機能付電気接続箱10が車両の適所に装着固定されるようになっている。
一方、プリント基板18は、図1に示されているように、ガラスエポキシ樹脂などの公知の絶縁材料で形成された略矩形の平板形状を有しており、プリント基板18の後方側(図1中、右側)の略中央部には、ドアロック制御部20を構成するICチップ22が実装されている。ドアロック制御部20はまた、図示しないリモートキーやスマートキーからの信号を受信するための無線受信回路16を備えている。無線受信回路16はプリント配線によって構成されており、一端側がICチップ22に接続されかつ他端側がプリント基板18の後方手前側に設けられたスルーホール24に接続されている。かかるスルーホール24は、プリント基板18に対して略円形断面形状で貫通形成されており、スルーホール24の内周面には全面に亘って図示しないめっき層が形成されていると共に、スルーホール24の開口部の周囲にはフランジ状のランド部28が設けられている。そして、無線受信回路16が他端側においてランド部28に接続されることにより、スルーホール24の内周面に施された図示しないめっき層と無線受信回路16が相互に接続されるようになっている。
加えて、図1〜2に示されているように、無線受信機能付電気接続箱10は、アッパケース12とロアケース14の間に、布線絶縁板30を有して構成されている。布線絶縁板30は、略矩形平板形状とされており、電気絶縁性を備えた合成樹脂材料で形成されている。また、図4に示されているように、布線絶縁板30の底面32の一部の領域には、下方(図4中、紙面に垂直方向上方)に向かって略円形断面形状で突出する複数(本実施形態では28個)の樹脂突起34aと略凸の字断面形状で突出する一対の樹脂突起34b,34bが一体的に形成されている。そして、複数(本実施形態では28個)の樹脂突起34aが、布線絶縁板30の底面32の後方手前側(図4中、右方下側)において、所定距離を離隔した状態で略10行3列に整列して配設されている一方、後端部の手前側(図4中、右方下端側)において、一対の樹脂突起34b,34bが所定距離を離隔した状態で対向配置されることにより、樹脂突起34a,34bが10行3列に整列して配設されて、アンテナ保持部36が構成されている。なお、図示は省略するが、布線絶縁板30の底面32の他の領域や表面37には多数の樹脂突起が突設されて被覆電線40が任意の回路形状に巻き付けられて布線回路が構成されている。かかる布線回路の任意の部位には、プリント基板18やアッパケース12,ロアケース14を貫通してコネクタ等を構成する外部接続端子が圧接保持されるようになっている。
より詳細には、アンテナ保持部36において、前後方向(図4中、上下方向)において隣接する樹脂突起34a,34a、34a,34b、34b,34b間の離隔距離は、略一定寸法:aとされている。そして、図4に示されているように、アンテナ保持部36におけるかかる前後方向に隣接する樹脂突起34a,34a、34a,34b、34b,34b間の隙間に対して、アンテナ38を構成する被覆電線40をジグザグ状に屈曲された状態でアンテナ保持部36に保持することにより、被覆電線40によってメアンダ型のアンテナ38が構成されるようになっている。また、ここで、隣接する樹脂突起34a,34a、34a,34b、34b,34b間の離隔距離:aは、被覆電線40の外径寸法:bよりも若干小さくなるように形成されていることから、かかる被覆電線40は、樹脂突起34a,34bに巻き付けられて湾曲状態で設置固定されるようになっている。
ところで、メアンダ型のアンテナ38は、下記の数1を満たすように構成されるようになっている。すなわち、数1より、アンテナ折り曲げ回数:nを大きくすることによりアンテナ幅:Wもしくはアンテナ折り曲げ時の長さ:Lを小さくすることが可能となることが分かる。それゆえ、被覆電線40をジグザグ状に蛇行配線した形状によってアンテナ38を構成しているアンテナ保持部36の面積を狭くすることができるようになっているのである。
Figure 2018133757
さらに、図1〜4に示されているように、アンテナ保持部36の一対の樹脂突起34b,34b(図4参照)に対して、上方(図4中、紙面に垂直方向下方)からプレスフィット端子42が取り付けられている(図1〜2参照)。かかるプレスフィット端子42は、銅合金等の導電性に優れた金属材料で形成された略平板状の端子金具であって、先端部分が例えばニードルアイ型のプレスフィット部44とされている一方、基端部分が圧接部46とされている。より詳細には、プレスフィット部44の幅方向の中央部には長手方向(図1〜2中、上下方向)に延びるニードルアイ状の貫通孔48が設けられることにより、幅方向に対するばねが形成されるようになっている。一方、圧接部46は、基端部分が二股に分岐されると共に端部が外方に向かって鉤状に屈曲されていることから、布線絶縁板30の表面37に形成された略矩形断面形状の貫通孔50を挿通されて、一対の樹脂突起34b,34b間の隙間に配設されかつ固定されるようになっている(図3参照)。図3に示されているように、かかる状態において、圧接部46の基端部分の二股に分岐された対向部分が、一対の樹脂突起34b,34b間の隙間に露出していると共に、対向部分以外の部分は一対の樹脂突起34b,34b内に収容されている。
そして、図3〜4に示されているように、このようにして圧接部46が配設された一対の樹脂突起34b,34b間の隙間に対して、アンテナ38を構成する被覆電線40の一端部が押し込まれている。被覆電線40は、銅等の導電性金属材料で形成された芯線52の外周面を軟質ポリ塩化ビニル等の絶縁被覆53で被覆した電線である。かかる被覆電線40は、二股に分岐したプレスフィット端子42の基端部分に形成された圧接部46内に嵌め込まれることによって部分的に絶縁被覆53が剥がされて、プレスフィット端子42の圧接部46に対して圧接接続されるようになっているのである。それゆえ、アンテナ38を構成する被覆電線40の一端部に芯線52と圧接部46が電気的に接続され、アンテナ38の一端部にプレスフィット端子42が設けられているのである。
このように被覆電線40が布線されかつ被覆電線40の一端部にプレスフィット端子42が接続されている布線絶縁板30に対して、図1に示されているように、上方から無線受信回路16が設けられているプリント基板18を載置する。より詳細には、無線受信回路16の他端側に接続されているスルーホール24に対して、布線絶縁板30の貫通孔50を通して突出するプレスフィット端子42の先端部分に形成されたプレスフィット部44が圧入されて接続されるようになっているのである。
図1〜2に示されているように、このようにプリント基板18が載置された布線絶縁板30を、アッパケース12とロアケース14の間に、収容配置することにより、本発明の無線受信機能付電気接続箱10が完成される。より詳細には、先ず、上方に向かって開口するロアケース14内にプリント基板18が載置された布線絶縁板30を収容配置する。布線絶縁板30は必要に応じてねじ留め等の図示しない固定手段によってロアケース14に対して固定されるようになっている。続いて、かかるロアケース14の開口部をアッパケース12によって覆蓋し、アッパケース12とロアケース14が図示しない係合手段によって相互に組み付けられるようになっている。
このような構造とされた本実施形態の無線受信機能付電気接続箱10によれば、布線絶縁板30の底面32に形成されたアンテナ保持部36において、樹脂突起34a,34bに対して被覆電線40を巻き付けて湾曲状態で設置固定することによりアンテナ38が構成されている。このように被覆電線40によってアンテナ38が構成されていることから、従来の如き金属棒やバスバーを用いてアンテナを形成した場合に比して、アンテナ38を構成する部材間や他部材との間の絶縁を考慮して隙間を確保する必要がない。また、アンテナ38を構成する被覆電線40は屈曲自在であることから、アンテナ保持部36を構成する樹脂突起34a,34bに対して任意の湾曲状態で巻き付けて設置固定することが可能となっている。それゆえ、アンテナ38をコンパクトに形成することが可能となることから、無線受信機能付電気接続箱10の大型化を回避しつつ、必要な長さを有するアンテナ38を無線受信機能付電気接続箱10の内部に収容配置することを有利に実現することができるようになっている。
さらに、本実施形態では、アンテナ38を構成する被覆電線40を巻き付けて設置固定するためのアンテナ保持部36が、既存の布線回路を構成する布線絶縁板30に設けられている。すなわち、従来から被覆電線40の布線に用いられている布線絶縁板30を用いることによって、アンテナ保持部36を有利に構成することができるようになっている。しかも、本実施形態においては、無線受信機能付電気接続箱10の内部に予め布線絶縁板30が備えられていることから、かかる布線絶縁板30の一部をアンテナ保持部36としてアンテナ38を構成することにより、無線受信機能付電気接続箱10の一層の小型化を有利に実現することが可能となっている。
加えて、本実施形態では、アンテナ38の形状がメアンダ型とされており、被覆電線40をジグザグ状に蛇行配線した形状によってアンテナ38が構成されている。それゆえ、アンテナ38を被覆電線40によって構成した利点を生かしつつ、アンテナ38を配設するアンテナ保持部36の面積を狭くすることができ、無線受信機能付電気接続箱10のさらなる小型化を有利に実現することが可能となっている。また、アンテナ38の一端部にプレスフィット端子42が設けられており、かかるプレスフィット端子42をプリント基板18に設けられたスルーホール24に圧入して接続することにより、スルーホール24を介して無線受信回路16に対してアンテナ38を接続することができるようになっている。それゆえ、たとえ半田付けが困難な場合であっても、容易に無線受信回路16に対してアンテナ38を接続できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでない。例えば、上記第一の実施形態では、無線受信機能付電気接続箱10内に既にある布線絶縁板30の一部の領域をアンテナ保持部36として利用することによりアンテナ38が構成されていたが、図5に示す本発明の第二の実施形態としての無線受信機能付電気接続箱54のように既存の布線絶縁板30がない場合には、新たに布線絶縁板56を設けてもよい。すなわち、新たに設けられた布線絶縁板56は、上記第一の実施形態における布線絶縁板30のアンテナ保持部36の部分だけを切り出したものに相当し、底面32ではなく表面58にアンテナ保持部60が設けられている。なお、アンテナ保持部60では、一対の樹脂突起34b,34bが後方手前側に形成されている。また、本実施形態では、理解を容易とするため、樹脂突起34a,34bを2列で記載している一方、アンテナ38を構成する被覆電線40を線状の仮想線で記載している。
本実施形態においても、上記第一の実施形態と同様にして、被覆電線40が布線されかつ被覆電線40の一端部にプレスフィット端子42が接続されている布線絶縁板56を構成することができる。そして、かかる布線絶縁板56を上方からプリント基板18に載置することにより、無線受信回路16の他端側に接続されているスルーホール24に対してプレスフィット端子42の先端部分に形成されたプレスフィット部44を圧入して接続することができるようになっている。この結果、プリント基板18上にアンテナ保持部60が表面58に形成された布線絶縁板56が積層配置されるようになっているのである。そして、このように布線絶縁板56が載置されたプリント基板18を、アッパケース12とロアケース14の間に、収容配置することにより、本発明の無線受信機能付電気接続箱54が完成されるようになっているのである。本実施形態においても、無線受信回路16が設けられたプリント基板18上に、アンテナ保持部60が形成された布線絶縁板56を積層配置して組み付けることができることから、それらを高密度な状態でアッパケース12とロアケース14の間に収容配置することができ、無線受信機能付電気接続箱54の小型化に寄与できる。
また、上記第一の実施形態では、無線受信機能付電気接続箱10内に既にある布線絶縁板30の一部をアンテナ保持部36として利用することによりアンテナ38が構成されていたが、図6に示す本発明の第三の実施形態としての無線受信機能付電気接続箱62のように既存の布線絶縁板30がない場合には、ロアケース14の内面64にアンテナ保持部66を形成してもよい。すなわち、本実施形態では、プレスフィット端子42が設けられていないことから、アンテナ保持部66が樹脂突起34aのみによって構成されている一方、アンテナ38を構成する被覆電線40と無線受信回路16との接続は、無線受信回路16の他端側に接続されているパッド部68に被覆電線40の図示しない芯線を半田付けすることにより行われている。なお、本実施形態においても、理解を容易とするため、樹脂突起34aを2列で記載している一方、アンテナ38を構成する被覆電線40を線状の仮想線で記載している。
本実施形態では、無線受信回路16が設けられたプリント基板18を、内面64にアンテナ保持部66が設けられかつアンテナ保持部66に被覆電線40が布線されたロアケース14に収容し、開口部をアッパケース12によって覆蓋することにより、本発明の無線受信機能付電気接続箱62が完成されるようになっている。本実施形態においては、既存のロアケース14の内面64にアンテナ保持部66を形成することにより、新たにアンテナ保持部66を形成する部材を必要とせず、しかも一般に使われていないロアケース14の内面64を有効利用していることから、無線受信機能付電気接続箱62のさらなる小型化をより有利に実現することが可能となっている。なお、同様の構成をアッパケース12の内面に設けることが可能であることは言うまでもない。また、既存の布線絶縁板30がある場合には、ロアケース14の内面64のみならず既存の布線絶縁板30にもアンテナ保持部を形成してもよい。これにより、無線受信機能付電気接続箱の内部に必要な長さを有するアンテナ38をより一層コンパクトに収容配置することが可能となる。
加えて、上記実施形態では、アンテナ38の形状は、被覆電線40をジグザグ状に蛇行配線した形状を有するメアンダ型とされていたが、線状のダイポールアンテナやループ状のループアンテナ等の公知の任意の形状のアンテナが採用可能である。また、上記第一〜第二の実施形態では、無線受信回路16とアンテナ38が、プレスフィット端子42を用いることによってハンダレスで接続されていたが、プレスフィット端子42を半田付けすることによって無線受信回路16とアンテナ38を接続するようにしてもよい。また、アンテナ38を構成する被覆電線40の一端部に設けられるプレスフィット端子42は、例示の実施形態のように圧接部46を介して接続してもよく、あるいはプレスフィット端子の端部に芯線圧着部を設け芯線圧着部に被覆電線40の芯線52を圧着して接続するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、リモートキーレスエントリシステムに用いられるリモートキーやスマートキーからの無線信号を受信可能な無線受信機能付電気接続箱10,54,62を例示して説明を行ったが、本発明は、この他に例えばタイヤの空気圧センサからの無線信号等、任意の無線信号を受信可能な無線受信機能付電気接続箱として提供し得ることは勿論である。
10,54,62:無線受信機能付電気接続箱、12:アッパケース(ケース)、14:ロアケース(ケース)、16:無線受信回路、18:プリント基板、24:スルーホール、30,56:布線絶縁板、34a,b:樹脂突起、36,60,66:アンテナ保持部、38:アンテナ、40:被覆電線、42:プレスフィット端子、64:内面

Claims (6)

  1. ケース内に無線受信回路が収容されてなる無線受信機能付電気接続箱において、
    被覆電線によって構成されて一端部が前記無線受信回路に接続されたアンテナと、
    複数の樹脂突起を含んで構成されたアンテナ保持部とを備え、
    前記アンテナ保持部の前記樹脂突起に前記アンテナを構成する前記被覆電線が巻き付けられて湾曲状態で設置固定されている
    ことを特徴とする無線受信機能付電気接続箱。
  2. 布線絶縁板を有し、該布線絶縁板に形成された前記複数の樹脂突起によって前記アンテナ保持部が構成されている請求項1に記載の無線受信機能付電気接続箱。
  3. 前記アンテナ保持部が前記ケースの内面に形成されている請求項1または2に記載の無線受信機能付電気接続箱。
  4. 前記無線受信回路がプリント基板に設けられており、該プリント基板上に前記アンテナ保持部が形成された前記布線絶縁板が積層配置されている請求項1〜3の何れか1項に記載の無線受信機能付電気接続箱。
  5. 前記アンテナの前記一端部にプレスフィット端子が設けられている一方、前記無線受信回路が前記プリント基板に設けられており、前記無線受信回路に接続されたスルーホールに対して前記プレスフィット端子が圧入されて接続されている請求項1〜4の何れか1項に記載の無線受信機能付電気接続箱。
  6. 前記アンテナを構成する前記被覆電線がジグザグ状に屈曲された状態で前記アンテナ保持部に保持されており、前記アンテナの形状がメアンダ型とされている請求項1〜5の何れか1項に記載の無線受信機能付電気接続箱。
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