JP2018133510A - ウェハ吸着装置及びcmp装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェハを強固に吸着保持することができるウェハ吸着装置及びCMP装置を提供する。【解決手段】吸着面50aと被吸着面Waとの間に、吸着水が存在する領域と吸着水が存在しない領域とが混在した状態で、ウェハWを吸着部材50に接近させると、吸着水が吸着面50aと被吸着面Waとの間に薄く拡散することにより、吸着水の表面張力によって、吸着部材50が被吸着面Waの凹凸にならうように弾性変形し、吸着面50aと被吸着面Waとの接触面積が増し、ウェハWが吸着部材50に隙間なく強固に吸着される。【選択図】図5

Description

本発明はウェハを吸着保持するウェハ吸着装置及び該ウェハ吸着装置を適用したCMP装置に関するものである。
半導体製造分野では、シリコンウェハ等の半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)を平坦化するウェハ研磨装置が知られている。
特許文献1記載の研磨装置は、化学的機械的研磨、いわゆるCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術を適用した研磨装置である。この研磨装置の研磨ヘッドでは、キャリアとバッキングフィルムとの間に形成されたエア室にエアが導入されると共に、キャリアの下面に配置された複数のエアバッグにエアがそれぞれ独立して導入される。エアバッグに供給されるエアの圧力に応じたエアバッグの膨張量により、バッキングフィルムがウェハを押圧する押圧力が局所的に調整され、ウェハを押圧するバッキングフィルム上にエアバッグの配置に応じた圧力分布を形成することができる。
上述したCMP装置では、バッキングフィルムの表面を滑りやすく形成しており、ウェハは、研磨加工中において、研磨ヘッドに対して相対的に回転すると共にリテーナリングホルダ内を自由に移動するようになっている。
特許第3683149号公報
しかしながら、上述したように、ウェハがリテーナリングホルダ内を自由に移動することにより、研磨加工中にウェハがウェハの外周に設けられたリテーナリングホルダに接触している。したがって、低剛性のウェハを加工する場合には、ウェハが割れないように低圧低速でCMP研磨を行わざるを得なかった。
低剛性のウェハを高圧高速でCMP研磨するために、ウェハをバッキングフィルムに押し付けて固定させることも考えられるが、ウェハをバッキングフィルムに押し付けただけでは、低剛性のウェハを高圧高速で加工できる程度の吸着力を得ることは難しいという問題がある。
そこで、ウェハを強固に吸着保持するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置であって、前記ウェハの被吸着面に吸着面を密着させて前記ウェハを保持する吸着部材と、前記吸着面に吸着水を供給する吸着水供給手段と、を備え、前記吸着部材は、前記吸着面のうねりの凹部に局在する前記吸着水を介して前記ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置を提供する。
この構成によれば、吸着水が吸着部材のうねりの凹部に局在しており、吸着面には、吸着水が存在する領域と吸着水が存在しない領域とが一様に存在するため、吸着面と被吸着面とを接近させると、吸着水が吸着面と被吸着面と隙間に拡散する。そして、吸着水の表面張力によって、吸着面と被吸着面との間が空気を押し出されて負圧になることにより、吸着部材が被吸着面の凹凸にならうように弾性変形して、被吸着面の全面が吸着面に密着するため、ウェハを吸着部材に吸着させることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記吸着水供給手段は、下方に向けられた前記吸着面に向かって前記吸着水を供給するウェハ吸着装置を提供する。
この構成によれば、吸着面が下を向いた状態で吸着水が供給されることにより、吸着面に付着した余剰の吸着水が重力で滴り落ちるため、被吸着面の全面が吸着面に密着されて、ウェハを吸着部材に吸着させることができる。
請求項3記載の発明は、ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置であって、前記ウェハの被吸着面に吸着面を密着させて前記ウェハを保持する吸着部材と、前記被吸着面に所定間隔をあけて吸着水を供給する吸着水供給手段と、を備え、前記吸着部材は、前記吸着水を介して前記ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置を提供する。
この構成によれば、吸着水が被吸着面上に所定間隔をあけて存在しており、吸着面には、吸着水が存在する領域と吸着水が存在しない領域とが一様に存在するため、吸着面と被吸着面とを接近させると、吸着水が吸着面と被吸着面と隙間に拡散する。そして、吸着水の表面張力によって、吸着面と被吸着面との間が空気を押し出されて負圧になることにより、吸着部材が被吸着面の凹凸にならうように弾性変形して、被吸着面の全面が吸着面に密着するため、ウェハを吸着部材に吸着させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成に加えて、前記吸着水供給手段は、含水したブラシが周設され、前記被吸着面上を転動して前記被吸着面に前記吸着水を供給するローラであるウェハ吸着装置を提供する。
この構成によれば、ローラを被吸着面上で転動させるだけで、被吸着面に所定間隔をあけて吸着水を塗布することができる。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明の構成に加えて、前記吸着水供給手段は、下方に向けられた前記被吸着面に向かって前記吸着水を供給するウェハ吸着装置を提供する。
この構成によれば、被吸着面が下を向いた状態で吸着水が供給されることにより、被吸着面に付着した余剰の吸着水が滴り落ちるため、被吸着面の全面が吸着面に密着されて、ウェハを吸着部材に吸着させることができる。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項記載の発明の構成に加えて、前記吸着部材は、撥水性を有するウェハ吸着装置を提供する。
この構成によれば、吸着部材が撥水性を有することにより、吸着水は吸着面又は被吸着面上で表面積が小さく蒸発速度が遅い水玉状に留まり、安定した水分量が維持されるため、ウェハを吸着部材に確実に吸着させることができる。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項記載のウェハ吸着装置を備えているCMP装置を提供する。
この構成によれば、密着水の表面張力によって、吸着部材が被吸着面の凹凸にならうように弾性変形し、被吸着面の全面が吸着面に密着して、ウェハを吸着部材に吸着するため、低剛性のウェハであっても高圧高速で研磨することができる。
本発明は、吸着面と被吸着面とを接近させると、吸着水が吸着面と被吸着面との隙間に拡散する。そして、吸着水の表面張力によって、吸着面と被吸着面との間が空気を押し出されて負圧になることにより、吸着部材が被吸着面の凹凸にならうように弾性変形して、被吸着面の全面が吸着面に密着するため、ウェハを吸着部材に吸着させることができる。
本発明の一実施例に係るウェハ吸着装置を適用したウェハ研磨装置を模式的に示す斜視図。 研磨ヘッドの要部を模式的に示す縦断面図。 ブラシで密着液をウェハに塗付する様子を示す図及び密着液の塗布エリアを示す平面図。 従来のバッキングフィルムの構造を示す縦断面及び本発明で用いる吸着部材の構造を示す縦断面図。 密着液を介在させた状態で吸着部材とウェハとを密着させた様子を示す模式図。 多量な密着液を介在させた状態で吸着部材とウェハとを密着させた様子を示す模式図。 密着液を介在させずに吸着部材とウェハとを密着させた様子を示す模式図。 ウェハ研磨装置の研磨レートを示すグラフ。
本発明は、ウェハを強固に吸着保持するという目的を達成するために、ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置であって、ウェハの被吸着面に吸着面を密着させてウェハを保持する吸着部材と、吸着面に吸着水を供給する吸着水供給手段と、を備え、吸着部材は、吸着面のうねりの凹部に局在する吸着水を介してウェハを吸着保持することにより実現した。
また、本発明は、ウェハを強固に吸着保持するという目的を達成するために、ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置であって、ウェハの被吸着面に吸着面を密着させてウェハを保持する吸着部材と、被吸着面に所定間隔をあけて吸着水を供給する吸着水供給手段と、を備え、吸着部材は、吸着水を介してウェハを吸着保持することにより実現した。
以下、本発明の一実施例に係るウェハ研磨装置1について、図面に基づいて説明する。なお、以下の実施例において、構成要素の数、数値、量、範囲等に言及する場合、特に明示した場合及び原理的に明らかに特定の数に限定される場合を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも構わない。
また、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、断面図では、構成要素の断面構造を分かり易くするために、一部の構成要素のハッチングを省略することがある。
また、以下の説明において、上下や左右等の方向を示す表現は、絶対的なものではなく、本発明の搬送保持装置の各部が描かれている姿勢である場合に適切であるが、その姿勢が変化した場合には姿勢の変化に応じて変更して解釈されるべきものである。
図1は、本発明の一実施例に係るウェハ吸着装置を適用したウェハ研磨装置1を模式的に示す斜視図である。ウェハ研磨装置1は、CMP装置であり、ウェハWを平坦に研磨する。ウェハ研磨装置1は、プラテン2と、研磨ヘッド10と、を備えている。
プラテン2は、円盤状に形成されており、プラテン2の下方に配置された回転軸3に連結されている。回転軸3がモータ4の駆動によって回転することにより、プラテン2は図1中の矢印D1の方向に回転する。プラテン2の上面には、研磨パッド5が貼付されており、研磨パッド5上に図示しないノズルから研磨剤と化学薬品との混合物であるCMPスラリーが供給される。
研磨ヘッド10は、プラテン2より小径の円盤状に形成されており、研磨ヘッド10の上方に配置された回転軸10aに連結されている。回転軸10aが図示しないモータの駆動によって回転することにより、研磨ヘッド10は、図1中の矢印D2の方向に回転する。研磨ヘッド10は、図示しない昇降装置によって垂直方向Vに昇降自在である。研磨ヘッド10は、ウェハWを研磨する際に下降して研磨パッド5にウェハWを押圧する。研磨ヘッド10が研磨するウェハWは、図示しないウェハ搬送機構によって受け渡される。
ウェハ研磨装置1の動作は、図示しない制御手段によって制御される。制御手段は、ウェハ研磨装置1を構成する構成要素をそれぞれ制御するものである。制御手段は、例えばコンピュータであり、CPU、メモリ等により構成される。なお、制御手段の機能は、ソフトウェアを用いて制御することにより実現されても良く、ハードウェアを用いて動作するものにより実現されても良い。
次に、研磨ヘッド10について説明する。図2は、研磨ヘッド10の要部を模式的に示す縦断面図である。
研磨ヘッド10は、ヘッド本体20と、キャリア30と、リテーナリング40と、吸着部材50と、を備えている。
ヘッド本体20は、回転軸10aに接続されており、回転軸10aと共に回転する。ヘッド本体20は、回転部21を介してヘッド本体20の下方に配置されたキャリア30に連結されており、ヘッド本体20及びキャリア30は連動して回転する。
キャリア30には、キャリア30の周縁に等間隔に離間して配置されたエアライン31が設けられている。エアライン31の下端は、キャリア30の下面30aと吸着部材50との間に形成されたエア室Aに開口している。エアライン31は、図示しないエア供給手段としてのエア供給源に接続されており、エア室Aには、エアライン31を介してエアが導入される。エアライン31に供給されるエアの圧力は、図示しないレギュレータによって調整される。
ヘッド本体20とキャリア30との間には、キャリア押圧手段32が設けられている。キャリア押圧手段32は、図示しないエア供給源から供給されるエアによって膨張するエアバッグ等である。エア供給源から供給されるエアの圧力は、図示しないレギュレータによって調整される。キャリア押圧手段32は、供給されるエアの圧力に応じて、キャリア30を介してウェハWを研磨パッド5に押圧する。
リテーナリング40は、キャリア30の周囲を囲むように配置されている。リテーナリング40は、リテーナリングホルダ41と図示しないボルトで固着されている。リテーナリングホルダ41の内周に吸着部材50の外周が接着されている。リテーナリングホルダ41は、スナップリング42を介してリテーナ押圧部材43に取り付けられている。ヘッド本体20とリテーナ押圧部材43との間には、リテーナ押圧手段44が設けられている。なお、符号45は、スナップリング42の上方を覆うカバーである。
リテーナ押圧手段44は、図示しないエア供給源から供給されるエアによって膨張するエアバッグ等である。エア供給源から供給されるエアの圧力は、図示しないレギュレータによって調整される。リテーナ押圧手段44は、供給されるエアの圧力に応じて、リテーナ押圧部材44を介してリテーナリング40を研磨パッド5に押圧する。
吸着部材50は、キャリア30の下面30aに対向するように配置されている。吸着部材50の詳細については後述する。
キャリア30の下面30aには、同軸上に配置された図示しない複数の弾性押圧部材が設けられている。また、複数の押圧部材は、それぞれ径の異なる円環状に形成されている。弾性押圧部材は、キャリア30の下面30aに固着されており、2液性エポキシ樹脂接着剤等でキャリア30に着脱自在に貼着されている。弾性押圧部材は、研磨ヘッド10の回転軸と同軸上に配置されており、エア室Aを区画する。
次に、ウェハ吸着装置の構成について説明する。図3(a)は、ブラシ61で密着液をウェハWに塗付する様子を示す図である。図3(b)は、密着液の塗布エリアを示す平面図である。図4(a)は、従来のバッキングフィルムの構造を示す縦断面である。図4(b)は、吸着部材50の構造を示す縦断面図である。
ウェハ吸着装置は、密着水供給手段60と、吸着部材50と、を備えている。
密着水供給手段は、吸着部材50のウェハWに対向する吸着面50a又はウェハの吸着部材50に対向する被吸着面Waに吸着水を供給する。密着水供給手段は、例えば、吸着面50a又は被吸着面Waに向かって吸着水を噴射する図示しないノズルや、図3(a)に示すように、ブラシ61が周設されたローラである。ローラ60は、ポリビニルアルコール(PVA)等の親水性を有する樹脂製である。ブラシ60に吸着水を含水させて、ローラ60をウェハWの被吸着面Wa上を転動させることにより、ブラシ61が接触した領域(図3(b)中の白い丸で囲った部分)に吸着水が塗布される。吸着水は、例えば脱イオン水(DIW)等である。
吸着部材50は、スキン層51を有するナップフィルムであり、例えばフジボウ愛媛株式会社製のバッキングフィルム(型番:BPX222)等である。従来のバッキングフィルム70は、図4(a)に示すように、スキン層が削られており、ボア71が露出している。これにより、バッキングフィルム71とウェハWとの接触面積が小さく、ウェハWがバッキングフィルム71に対して相対的に回転しやすくなっている。一方、吸着部材50は、図4(b)に示すように、スキン層51全面でウェハWに接触するようになっている。
次に、ウェハ吸着装置の作用について説明する。図5(a)は、適量の密着液を吸着部材50の吸着面50aに塗付した状態を示す模式図である。図5(b)は、図5(a)の状態で吸着部材50とウェハWとを密着させた様子を示す模式図である。図6(a)は、過剰な密着液を吸着部材50の表面に塗付した状態を示す模式図である。図6(b)は、図6(a)の状態で吸着部材50とウェハWとを密着させた様子を示す模式図である。図7(a)は、密着液が吸着部材50の表面に塗付されない状態を示す模式図である。図7(b)は、図7(a)の状態で吸着部材50とウェハWとを密着させた様子を示す模式図である。
まず、図5(a)に示すように、吸着部材50の吸着面50aに吸着水を供給する。吸着面50aにはうねりが存在するため、吸着面50aの全面に吸着水を供給した場合であっても、吸着水は、吸着部材50のうねりの凹部に局在するようになっている。すなわち、吸着面50aには、吸着水が存在する領域と吸着水が存在しない領域とが一様に存在している。また、吸着面50aが下を向いた状態で吸着水が供給されることにより、余剰の吸着水が重力で滴り落ちるようになっている。また、吸着部材50が撥水性を有する樹脂シートであれば、吸着水は表面積が小さく蒸発速度が遅い水玉状に留まるため、安定した水分量を維持することができる。
次に、図5(b)に示すように、吸着部材50の吸着面50aとウェハWの被吸着面Waとを接近させると、吸着水が吸着面50aと被吸着面Waとの間の隙間に拡散する。すなわち、吸着面50aと被吸着面Waとの間に、吸着水が存在する領域と吸着水が存在しない領域とが混在した状態で、ウェハWを吸着部材50に接近させると、吸着水が吸着面50aと被吸着面Waとの間に薄く拡散する。そして、吸着水の表面張力によって、吸着面50aと被吸着面Waとの間が空気を押し出されて負圧になり、ウェハWに比べて十分に柔らかい吸着部材50が被吸着面Waの凹凸にならうように弾性変形することにより、吸着面50aと被吸着面Waとの接触面積が増し、ウェハWが吸着部材50に隙間なく強固に吸着される。
なお、図6(a)に示すように、吸着部材50の吸着面50aに過剰な吸着水が存在すると、図6(b)に示すように、吸着面50aのうねりや被吸着面Waの凹凸に比べて十分に厚い吸着水の層が形成されるため、吸着面50aと被吸着面Waとが直接接触しないため、ウェハWと吸着部材50とを接近させる表面張力が作用せず、ウェハWが吸着部材50に吸着されない。
また、図7(a)に示すように、吸着部材50の吸着面50aに吸着水が存在しないと、図7(b)に示すように、ウェハWと吸着部材50とを接近させても、ウェハWと吸着部材50とを接近させる吸着水の表面張力が作用せず、吸着部材50が被吸着面Waの凹凸にならうように弾性変形せず、ウェハWが吸着部材50に隙間なく密着されない。
吸着水の水量は、例えば4inchのウェハWであれば、好ましくは30mg未満であり、さらに好ましくは、5〜10mgである。
なお、本実施例では、吸着部材50の吸着面50aに吸着水を供給した場合を例に説明したが、ウェハの被吸着面Waに吸着水を供給しても同様である。上述したようなローラ62を用いて、隙間をあけて吸着水が被吸着面Waに塗付されることにより、図5(b)と同様に、吸着部材50の吸着面50aとウェハWの被吸着面Waとを接近させると、吸着水が吸着面50aと被吸着面Waとの間の隙間に拡散し、吸着水の表面張力によって、ウェハWに比べて十分に柔らかい吸着部材50が被吸着面Waの凹凸にならうように弾性変形することにより、吸着面50aと被吸着面Waとの接触面積が増し、ウェハWが吸着部材50に隙間なく強固に吸着される。
次に、ウェハ吸着装置を適用したウェハ研磨装置1及び従来のウェハ研磨装置の各研磨レートを図8に示す。図8は、脆性ウェハをCMP研磨した際の研磨レートを示すグラフである。ここでは、研磨パッドにはスウェードパッド、研磨剤にシリカスラリーを用いて、4inchのタンタル酸リチウム基板(厚み:200μm)にCMP研磨を行った。
従来のウェハ研磨装置において、研磨条件を研磨圧力3psi、プラテン回転数60rpm、キャリア回転数63rpm、スラリー流量100cc/minでCMP研磨すると、研磨レート0.26μm/minが限界であり、研磨レートをこれ以上大きくするとリテーナリングホルダと接触するウェハWがスラスト方向の負荷に耐えられず割れてしまう。
一方、ウェハ研磨装置1において、研磨条件をプラテン回転数117rpm、キャリア回転数120rpm、スラリー流量100cc/minに設定し、圧力で変えてCMP研磨を行ったところ、ウェハWが吸着部材50に吸着されることにより、3psi以上の高圧に研磨圧力を設定可能であり研磨レートを増大させることができる。本実施例では、研磨圧力16psiで研磨レート1.5μm/minを得ることができた。
このようにして、本実施例に係るウェハ吸着装置は、吸着面50aと被吸着面Waとを接近させると、吸着水が吸着面50aと被吸着面Waとの隙間に拡散する。そして、吸着水の表面張力によって、吸着面50aと被吸着面Waとの間が空気を押し出されて負圧になることにより、吸着部材50が被吸着面Waの凹凸にならうように弾性変形して、被吸着面Waの全面が吸着面50aに密着するため、ウェハWを吸着部材50に吸着させることができる。これにより、脆性のウェハWであっても高圧高速でCMP研磨を行うことができる。
なお、上述した実施例では、ウェハ吸着装置を適用したウェハ研磨装置について説明したが、ウェハ吸着装置は、ウェハ研磨装置の他、例えばウェハ搬送装置等に適用可能なことは言うまでもない。このようなウェハ搬送装置としては、例えば、搬送アームの先端に吸着面を下に向けて吸着部材を設け、吸着面に吸着水を供給し、吸着面にウェハを密着させるように構成することが考えられる。
また、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り、上記以外にも種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
1 ・・・ ウェハ研磨装置(CMP装置)
2 ・・・ プラテン
3 ・・・ 回転軸
4 ・・・ モータ
5 ・・・ 研磨パッド
10・・・ 研磨ヘッド
10a・・ 回転軸
20・・・ ヘッド本体
21・・・ 回転部
30・・・ キャリア
30a・・・(キャリアの)下面
31・・・ エアライン
32・・・ キャリア押圧手段
33・・・ リム
40・・・ リテーナリング
41・・・ リテーナリングホルダ
42・・・ スナップリング
43・・・ リテーナ押圧部材
44・・・ リテーナ押圧手段
50・・・ 吸着部材
50a・・・吸着面
51・・・ スキン層
60・・・ ローラ(吸着水供給手段)
61・・・ ブラシ
A ・・・ エア室
V ・・・ 垂直方向
W ・・・ ウェハ
Wa・・・ 被吸着面

Claims (7)

  1. ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置であって、
    前記ウェハの被吸着面に吸着面を密着させて前記ウェハを保持する吸着部材と、
    前記吸着面に吸着水を供給する吸着水供給手段と、
    を備え、
    前記吸着部材は、前記吸着面のうねりの凹部に局在する前記吸着水を介して前記ウェハを吸着保持することを特徴とするウェハ吸着装置。
  2. 前記吸着水供給手段は、下方に向けられた前記吸着面に向かって前記吸着水を供給することを特徴とする請求項1記載のウェハ吸着装置。
  3. ウェハを吸着保持するウェハ吸着装置であって、
    前記ウェハの被吸着面に吸着面を密着させて前記ウェハを保持する吸着部材と、
    前記被吸着面に所定間隔をあけて吸着水を供給する吸着水供給手段と、
    を備え、
    前記吸着部材は、前記吸着水を介して前記ウェハを吸着保持することを特徴とするウェハ吸着装置。
  4. 前記吸着水供給手段は、含水したブラシが周設され、前記被吸着面上を転動して前記被吸着面に前記吸着水を供給するローラであることを特徴とする請求項3記載のウェハ吸着装置。
  5. 前記吸着水供給手段は、下方に向けられた前記被吸着面に向かって前記吸着水を供給することを特徴とする請求項3又は4記載のウェハ吸着装置。
  6. 前記吸着部材は、撥水性を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載のウェハ吸着装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項記載のウェハ吸着装置を備えていることを特徴とするCMP装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7166730B2 (ja) 2018-12-11 2022-11-08 株式会社ディスコ 被加工物の加工方法
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