JP2002096261A - 基板保持装置及び該基板保持装置を備えたポリッシング装置 - Google Patents

基板保持装置及び該基板保持装置を備えたポリッシング装置

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JP2002096261A JP2000280216A JP2000280216A JP2002096261A JP 2002096261 A JP2002096261 A JP 2002096261A JP 2000280216 A JP2000280216 A JP 2000280216A JP 2000280216 A JP2000280216 A JP 2000280216A JP 2002096261 A JP2002096261 A JP 2002096261A
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    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 研磨中においてリテーナリングの挙動の安定
性を得るとともにリテーナリングとポリッシング対象物
の周縁部(エッジ部)との距離を一定とし研磨の均一性
および安定性を得ることができるとともに、ポリッシン
グ対象物を搬送する際などにポリッシング対象物を変形
させることなく確実に保持する。 【解決手段】 半導体ウエハWを保持するトップリング
本体2と、トップリング本体2に固定されるか又は一体
に設けられ半導体ウエハWの外周縁を保持するリテーナ
リング3と、開口部4aを有した弾性膜4で覆われ流体
が供給されるトップリング本体2内に設けられた流体室
8と、弾性膜4の開口部4aに設けられるとともに連通
孔14hを有した吸着部14とを備え、流体室8内に加
圧流体を供給することにより半導体ウエハWを研磨面に
押圧し、吸着部14の連通孔14hを真空源25に連通
させることにより吸着部14により半導体ウエハWを吸
着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
基板を研磨して平坦化する際に基板を保持する基板保持
装置および該基板保持装置を具備したポリッシング装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスがますます微細化
され素子構造が複雑になり、またロジック系の多層配線
の層数が増えるに伴い、半導体デバイス表面はますます
凹凸が増え、段差が大きくなる傾向にある。半導体デバ
イスの製造では薄膜を形成し、パターニングや開孔を行
う微細加工の後、次の薄膜を積むという工程を何回も繰
り返すためである。表面の凹凸が増えると、薄膜形成時
に段差部での膜厚が薄くなったり、また配線の断線によ
るオープンや配線層間の絶縁不良によるショートが起こ
るため、良品が取れなかったり、歩留りが低下したりす
る。また初期的に正常動作しても、長時間の使用に対し
信頼性の問題が生じる。
【0003】表面凹凸のもう一つの大きな問題は、リソ
グラフィ工程である。露光時、照射表面に凹凸がある
と、露光系のレンズ焦点が部分的に合わなくなり微細パ
ターンの形成そのものが難しくなるためである。これら
の理由により、半導体デバイスの製造工程において、表
面の平坦化技術は、ますます重要になっている。この平
坦化技術のうち、最も重要な技術は、化学的機械的研磨
(CMP(Chemical Mechanical Polishing))であ
る。この化学的機械的研磨においては、ポリッシング装
置を用いて、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨
液を研磨パッド等の研磨面上に供給しつつ半導体ウエハ
を研磨面に摺接させて研磨を行うものである。
【0004】従来、この種のポリッシング装置は、研磨
パッドからなる研磨面を有した研磨テーブルと、半導体
ウエハを保持するためのトップリング又はキャリアヘッ
ド等と称される基板保持装置とを備えている。基板保持
装置は半導体ウエハを保持しつつ半導体ウエハを研磨テ
ーブルに対して所定の圧力で押圧し、かつ基板保持装置
と研磨テーブルとを相対運動させることにより半導体ウ
エハを研磨面に対して摺接させ、半導体ウエハの表面を
平坦かつ鏡面に研磨している。
【0005】上述したポリッシング装置において、研磨
中の半導体ウエハと研磨パッドの研磨面との間の相対的
な押圧力が半導体ウエハの全面に亘って均一でないと、
各部分の押圧力に応じて研磨不足や過研磨が生じてしま
う。そのため、基板保持装置の半導体ウエハ保持面をゴ
ム等の弾性材からなる弾性膜で形成し、弾性膜の裏面に
空気圧等の流体圧を加え、半導体ウエハに印加する押圧
力を全面に亘って均一化することも行われている。この
場合、半導体ウエハの周縁は研磨面との接触/非接触の
境界になっている。特に研磨パッドが弾性を有するた
め、半導体ウエハの周縁部に加わる研磨圧力が不均一に
なり、半導体ウエハの周縁のみが多く研磨され、いわゆ
る「縁だれ」を起こしてしまうという欠点があった。上
述した半導体ウエハの縁だれを防止するため、半導体ウ
エハの外周縁を保持するガイドリング又はリテーナリン
グにより半導体ウエハの外周側に位置する研磨面を押圧
する構造を有した基板保持装置も用いられている。この
装置においては、リテーナリングは空気圧等の流体圧に
よって研磨面に押圧されるようになっている。
【0006】図5は、上述した半導体ウエハを空気圧等
の流体圧で研磨面に押圧するとともにリテーナリングを
流体圧で研磨面に押圧する構造を有した基板保持装置の
模式図である。図5に示すように、基板保持装置を構成
するトップリング50は、内部に収容空間を有したトッ
プリング本体51と、トップリング本体51内に収容さ
れるとともに半導体ウエハWを研磨テーブル60上の研
磨面61に押圧するウエハ加圧機構52と、トップリン
グ本体51に対して上下動可能に設けられるとともに半
導体ウエハWの外周縁を保持するリテーナリング53
と、リテーナリング53を研磨面61に押圧するリテー
ナリング加圧機構54とから構成されている。
【0007】ウエハ加圧機構52は、詳細構造は図示さ
れていないが、トップリング本体51に連結されたゴム
等の弾性材からなる弾性膜で構成されており、弾性膜内
に加圧空気等の加圧流体が供給され、流体圧によって半
導体ウエハWを研磨面61に押圧するようになってい
る。またリテーナリング加圧機構54は、詳細構造は図
示されていないが、トップリング本体51に連結された
ゴム等の弾性材からなる弾性膜で構成されており、弾性
膜内に加圧空気等の加圧流体が供給され、流体圧によっ
てリテーナリング53を研磨面61に押圧するようにな
っている。トップリング本体51は駆動軸55に連結さ
れており、駆動軸55はエアシリンダ等の昇降機構によ
って昇降されるようになっている。
【0008】上述の構成において、駆動軸55に連結さ
れたエアシリンダ等の昇降機構を作動させトップリング
本体51の全体を研磨テーブル60に近接させて半導体
ウエハWを研磨面61に近接させた状態で、ウエハ加圧
機構52に所定圧力の加圧流体を供給して半導体ウエハ
Wを研磨テーブル60の研磨面61に押圧する。この場
合には、半導体ウエハWに加わる研磨圧力は、ウエハ加
圧機構52に供給される加圧流体の圧力を調整すること
により、所望の値に調整する。またリテーナリング加圧
機構54に所定圧力の加圧流体を供給してリテーナリン
グ53を研磨テーブル60の研磨面61に押圧する。
【0009】上述のように、流体圧によって半導体ウエ
ハWが研磨面61に押圧されるので、半導体ウエハWの
中央部から周縁部に至るまで全面に亘って均一な研磨圧
力を加えることができる。そのため、半導体ウエハWの
全面を均一に研磨できる。そして、半導体ウエハWに加
えられる研磨圧力と概略同一の押圧力がリテーナリング
加圧機構54を介してリテーナリング53に加えられる
ため、半導体ウエハWの周囲の研磨パッド等の研磨面が
半導体ウエハWと概略同一の圧力で押され、半導体ウエ
ハWの中心部から周縁部、さらには半導体ウエハWの外
側にあるリテーナリング53の外周部までの圧力分布が
連続かつ均一になる。そのため、ポリッシング対象物で
ある半導体ウエハWの周縁部における研磨量の過不足を
防止することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したような半導体
ウエハの押圧およびリテーナリングの押圧にいずれも流
体圧を使用した従来の基板保持装置においては、トップ
リング本体に対してリテーナリングは上下(垂直方向)
および左右(半径方向)に自由に動くことができるよう
に構成されている。即ち、リテーナリングはトップリン
グ本体に対して独立した動きができる構造になってお
り、そのため半導体ウエハの外周部の研磨均一性を左右
するリテーナリングの動きが、ウエハに対して、必要な
上下動のみならず左右にも動く現象がある。その結果、
リテーナリングと半導体ウエハの周縁部(エッジ部)と
の距離が一定にならず、半導体ウエハの外周部の研磨均
一性と安定性に問題が生じていた。
【0011】また従来のトップリングにおいては、半導
体ウエハを保持する部分が弾性膜で覆われているため、
半導体ウエハの搬送時には弾性膜に吸盤状の形状を作る
などの工夫により、半導体ウエハの保持を行う必要があ
った。その結果、半導体ウエハ自体に対して、反り(変
形)を与え、その反り(変形)のため、搬送中に半導体
ウエハが破損したり、あるいは半導体ウエハ上に形成さ
れているデバイス構造が損傷したりすることがあった。
また半導体ウエハの保持が弾性膜を介しての間接的な保
持であるため、搬送時に半導体ウエハの保持ミスなどが
起こり易く、装置の稼働率、半導体ウエハの歩留まりに
影響を与えていた。
【0012】また、このような砥液(スラリ)を用いた
化学的機械的研磨(CMP)における更なる問題点は、
凹凸パターンを有するデバイスウエハを研磨する際、研
磨初期は凸部が優先的に研磨されるが、次第に凹部も削
られるようになるため、凹凸の段差がなかなか解消され
ない点である。また、ウエハ上の凹凸パターンの疎密に
よっても、削れ方に差が出ていた。これは、研磨が比較
的柔らかい弾性を有する研磨パッドを用いて、且つ遊離
砥粒を多量に含むスラリ状の砥液により研磨を行うた
め、化学的機械的研磨が半導体ウェハ表面上の凸部のみ
ならず凹部にも作用するためである。
【0013】このため、最近、酸化セリウム(Ce
)等の砥粒を例えばフェノール樹脂等のバインダを
用いて固定した、いわゆる固定砥粒からなる研磨面を用
いた半導体ウエハの研磨が研究されている。このような
固定砥粒を用いた研磨では、研磨面が従来の化学的機械
的研磨の場合の研磨パッドと異なり硬質であるため、凹
凸の凸部を優先的に研磨し、凹部は研磨され難いため、
絶対的な平坦性が得やすいという利点がある。しかしな
がら、このような固定砥粒からなる硬質な研磨面に適す
るトップリングの開発はなされていなかった。
【0014】本発明は上述した事情に鑑みなされたもの
で、リテーナリングとトップリング本体との相対運動を
なくし、研磨中においてリテーナリングの挙動の安定性
を得るとともにリテーナリングとポリッシング対象物の
周縁部(エッジ部)との距離を一定とし研磨の均一性お
よび安定性を得ることができるとともに、ポリッシング
対象物を搬送する際などにポリッシング対象物を変形さ
せることなく確実に保持することができる基板保持装置
及び該基板保持装置を備えたポリッシング装置を提供す
ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため、本発明の基板保持装置の1態様は、ポリッシング
対象物である基板を保持して研磨テーブル上の研磨面に
押圧する基板保持装置において、前記基板を保持するト
ップリング本体と、前記トップリング本体に固定される
か又は一体に設けられ基板の外周縁を保持するリテーナ
リングと、開口部を有した弾性膜で覆われ流体が供給さ
れるトップリング本体内に設けられた流体室と、前記弾
性膜の開口部に設けられるとともに連通孔を有した吸着
部とを備え、前記流体室内に加圧流体を供給することに
より前記基板を前記研磨面に押圧し、前記トップリング
本体に押圧力を加えることにより前記リテーナリングを
前記研磨面に押圧し、前記吸着部の連通孔を真空源に連
通させることにより該吸着部により前記基板を吸着する
ようにしたことを特徴とするものである。
【0016】本発明によれば、リテーナリングを剛構造
のトップリング本体に一体構造として設け、トップリン
グ本体の上下動によりリテーナリングを上下動させる。
これにより、トップリング本体への押圧力をリテーナリ
ングへの押圧力として利用し、トップリング本体との一
体構造により不必要なリテーナリングの左右(半径方
向)の動きをなくすことができる。したがって、リテー
ナリングとポリッシング対象物である基板の周縁部(エ
ッジ部)との距離を常に最小に抑えることが可能にな
り、基板の外周部における研磨の均一性と研磨の安定性
の向上を図ることができる。
【0017】またリテーナリングをトップリング本体と
一体構造とすることにより、高剛性のリテーナリング構
造を可能にし、研磨中にリテーナリングの挙動の安定性
が得られる。そして、安定した高剛性のリテーナリング
構造の内側において、フローティング構造の基板保持加
圧機構が研磨面のうねり等に追従し、結果として、硬質
の研磨面においてリテーナリングの挙動が安定し、基板
の研磨の安定性が得られる。
【0018】また本発明においては、ポリッシング対象
物である基板を保持する部分にある弾性膜に開口部を形
成し、その開口部に基板を真空により直接的に保持する
機構を持つ吸着部が露出する構造になっている。この吸
着部により、ポリッシング対象物を真空吸着して保持す
るため、基板に反り(変形)を与えることがなく、基板
が破損したり、基板上のデバイス構造が損傷したりする
ことがない。また、弾性膜を介さないで基板を直接に保
持するため、基板の保持の安定性が飛躍的に高まる。結
果として、装置の稼働率を向上させることができ、また
製品の歩留まり向上を達成できる。
【0019】また本発明のポリッシング装置の1態様
は、研磨面を有する研磨テーブルと、ポリッシング対象
物である基板を保持して研磨テーブル上の研磨面に押圧
するトップリングとを備え、前記研磨面を硬質の研磨部
材で形成し、前記トップリング内に開口部を有した弾性
膜により形成された流体室を設け、かつ前記弾性膜の開
口部に連通孔を有した吸着部を設け、前記流体室内に加
圧流体を供給することにより前記基板を前記硬質の研磨
面に押圧し、前記吸着部の連通孔を真空源に連通させる
ことにより該吸着部により前記基板を吸着するようにし
たことを特徴とするものである。
【0020】本発明のトップリングは、硬質な研磨面を
構成する、特に圧縮弾性係数19.6MPa(200k
g/cm)以上の研磨部材との適合性に優れている。
本発明のトップリングによれば、高剛性のリテーナリン
グの内側で基板は弾性膜を介して流体圧により保持され
ているので、基板の裏面に加わる流体圧により、硬質の
研磨面の凹凸を吸収できる。したがって、硬質の研磨面
を用いる場合にも研磨性能がよく、またバッキングパッ
ドの真空吸着孔が基板に転写されることもない。なお、
弾性膜を省略して、基板を直接流体で押圧してもよい。
【0021】また本発明のポリッシング方法は、研磨面
を有する研磨テーブルとトップリングとを有し、トップ
リングによりポリッシング対象物である基板を保持して
研磨テーブル上の研磨面に押圧することによって基板を
研磨するポリッシング方法において、前記トップリング
内に弾性膜により形成された流体室に加圧流体を供給す
ることにより、前記基板を流体圧により硬質の研磨部材
で形成された研磨面に押圧して研磨し、前記基板を前記
研磨テーブルに搬出入する際に、前記弾性膜の開口部に
設けられた吸着部の連通孔を真空源に連通させ該吸着部
により前記基板を吸着することを特徴とするものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る基板保持装置
及び該基板保持装置を備えたポリッシング装置の実施の
形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本発明
の基板保持装置の実施形態を示す縦断面図であり、図2
は図1で示す基板保持装置の底面図であり、図3は図1
で示す基板保持装置の動作状態を示す縦断面図である。
基板保持装置は、ポリッシング対象物である半導体ウエ
ハ等の基板を保持して研磨テーブル上の研磨面に押圧す
る装置である。図1に示すように、基板保持装置を構成
するトップリング1は、内部に収容空間を有する円筒容
器状のトップリング本体2と、トップリング本体2の下
端に固定されたリテーナリング3とを備えている。トッ
プリング本体2は金属やセラミックス等の強度及び剛性
が高い材料からなり、トップリング本体2は円盤状の上
部板2Aと、上部板2Aより下方に延設された周壁部2
Bとから構成されている。前記リテーナリング3は周壁
部2Bの下端に固定されている。リテーナリング3は、
剛性が高い樹脂材から形成されている。なお、リテーナ
リング3はトップリング本体2と一体に形成してもよ
い。
【0023】トップリング本体2およびトップリング本
体2に一体に固定されたリテーナリング3の内部に画成
された空間内には、弾性膜4と、弾性膜4の外周部が保
持された概略円盤状の弾性膜支持部材5が収容されてい
る。そして、弾性膜支持部材5とトップリング本体2と
の間には弾性膜からなる加圧シート6が張設されてい
る。前記トップリング本体2と弾性膜4と加圧シート6
とにより流体室8が形成されている。弾性膜4および加
圧シート6は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、
ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度および耐久性
に優れたゴム材によって形成されている。そして、流体
室8にはチューブおよびコネクタ等からなる流体路10
を介して加圧空気等の加圧流体が供給されるようになっ
ている。流体室8に供給された加圧流体は弾性膜支持部
材5に設けられた貫通孔5hを介して弾性膜4の裏面に
供給され、弾性膜4の裏面に加圧流体の圧力が加えられ
る。流体室8に供給される加圧流体の圧力はレギュレー
タ等により可変になっている。弾性膜4の外周面とトッ
プリング本体2およびリテーナリング3との間には、わ
ずかな間隙があり、弾性膜4および弾性膜支持部材5
は、トップリング本体2およびリテーナリング3に対し
て上下方向に移動可能になっている。なお、より高い研
磨性能を得るためには、本実施例のように弾性膜により
流体室8を形成するのが望ましいが、弾性膜4を設けず
に、ポリッシング対象物を直接流体で押圧してもよい。
この場合は、トップリング本体2の内部空間と、ポリッ
シング対象物である半導体ウエハの裏面によって流体室
が形成されることになる。
【0024】前記トップリング本体2の上部板2Aに
は、サポート12を介して環状のストッパプレート13
が固定されている。ストッパプレート13の上端面13
aは所定高さ位置に設定されており、ストッパプレート
13は規制部材を構成している。そして、流体室8に加
圧空気等の加圧流体が供給された際に、弾性膜4および
弾性膜支持部材5は一体にトップリング本体2に対して
下方に移動することになるが、弾性膜支持部材5の上端
部5aがストッパプレート13の上端面13aと係合す
ることにより、この下方への移動が所定範囲に規制され
るようになっている。また弾性膜4には複数の開口部4
aが設けられ、この開口部4aに連通孔14hを有した
吸着部14が露出するように設けられている。複数の吸
着部14は弾性膜支持部材5の中央部側に設けられてい
る。この実施形態においては、吸着部14は弾性膜支持
部材5と一体に形成されているが、弾性膜支持部材5を
環状に形成し、複数の吸着部14を有した円盤状のチャ
ッキングプレートを弾性膜支持部材5の内側に固定して
もよい。
【0025】図2に示すように、弾性膜4の中央部には
5個の開口部4aが設けられ、各開口部4aに吸着部1
4が露出するように設けられている。図1に示すよう
に、各吸着部14の連通孔14hの下端は開口してお
り、各連通孔14hは弾性膜支持部材5内で合流し、こ
の合流した連通孔は流体室8内を通るチューブ11を介
して真空源に接続されるようになっている。そして、吸
着部14の連通孔14hが真空源に接続されると、連通
孔14hの開口端に負圧が形成され、吸着部14に半導
体ウエハWが吸着される。吸着部14は、図1に示すよ
うに、半導体ウエハWの研磨中には弾性膜4の下端面よ
り内方に位置して弾性膜4の下端面より突出することは
ない。そして、半導体ウエハWを吸着する際には、図3
に示すように、吸着部14の下端面は弾性膜4の下端面
と略同一面になる。吸着部14の下端面には薄いゴムシ
ート等からなる弾性シート15が貼着されており、吸着
部14は半導体ウエハWを柔軟に吸着保持するようにな
っている。
【0026】トップリング本体2の上部板2Aの上方に
はトップリング駆動軸18が配設されており、トップリ
ング本体2とトップリング駆動軸18とは自在継手部1
9により連結されている。トップリング駆動軸18から
トップリング本体2へ互いの傾動を許容しつつ押圧力及
び回転力を伝達する自在継手部19は、トップリング本
体2とトップリング駆動軸18の互いの傾動を可能とす
る球面軸受機構と、トップリング駆動軸18の回転をト
ップリング本体2に伝達する回転伝達機構とを有してい
る。球面軸受機構は、トップリング駆動軸18の下面の
中央に形成された球面状凹部18aと、上部板2Aの上
面の中央に形成された球面状凹部2aと、両凹部18
a,2a間に介装されたセラミックスのような高硬度材
料からなるベアリングボール21とから構成されてい
る。
【0027】回転伝達機構は、トップリング駆動軸18
に固定された駆動ピン(図示せず)と上部板2Aに固定
された被駆動ピン(図示せず)とから構成され、トップ
リング本体2が傾いても、被駆動ピンと駆動ピンは相対
的に上下方向に移動可能であるため、互いの接触点をず
らして係合し、トップリング駆動軸18の回転トルクを
トップリング本体2に確実に伝達する。
【0028】次に、前述のように構成されたトップリン
グ1の作用を説明する。トップリング1の全体を半導体
ウエハの移送位置に位置させ、吸着部14の連通孔14
hをチューブ11を介して真空源に接続することによ
り、図3に示すように、連通孔14hの吸引作用により
吸着部14の下端面に半導体ウエハWを真空吸着する。
このとき、弾性膜支持部材5および吸着部14が上昇し
ないように流体室8にはわずかな正圧が加えられ、弾性
膜支持部材5の上端部5aがストッパプレート13の上
端面13aに係合し、弾性膜支持部材5および吸着部1
4が所定の位置に保持されている。そして、半導体ウエ
ハWを吸着した状態でトップリング1を移動させ、トッ
プリング1の全体を研磨面(例えば研磨パッドからな
る)を有する研磨テーブル(図4の符号30)の上方に
位置させ、半導体ウエハWおよびリテーナリング3を研
磨面に押圧し研磨を開始する。半導体ウエハWの外周縁
はリテーナリング3によって保持され、半導体ウエハW
がトップリング1から飛び出さないようになっている。
【0029】半導体ウエハWを研磨する際には、トップ
リング駆動軸18に連結されたエアシリンダ(図4の符
号33)を作動させ、トップリング本体2の下端に固定
されたリテーナリング3を所定の押圧力で研磨テーブル
の研磨面に押圧する。この状態で、流体室8に所定圧力
の加圧流体を供給して半導体ウエハWを研磨テーブルの
研磨面に押圧する。半導体ウエハWに加わる研磨圧力
は、流体室8に加わる加圧流体の圧力を調整することに
より、所望の値に調整する。この場合、半導体ウエハW
には弾性膜4を介して流体から押圧力が加えられる部分
と、開口部4aの箇処のように、加圧流体の圧力そのも
のが半導体ウエハWに加わる部分とがあるが、これら両
方の部分に加えられる押圧力は同一圧力である。即ち、
流体室8内の流体から押圧力が半導体ウエハWの全面に
加えられるので、半導体ウエハWの厚みによらず、半導
体ウエハWの中央部から周縁部に至るまで全面に亘って
均一な研磨圧力を加えることができる。そのため、半導
体ウエハWの全面を均一に研磨できる。なお、研磨時に
開口部4aの周囲で、弾性膜4は半導体ウエハWの裏面
に密接するため、流体室8内の加圧流体が外部に漏れる
ことはほとんどない。
【0030】半導体ウエハWに加えられる研磨圧力と概
略同一又はそれより若干大きい押圧力がエアシリンダを
介してリテーナリング3に加えられるため、半導体ウエ
ハWの周囲の研磨面が半導体ウエハWと概略同一の圧力
で押圧され、半導体ウエハWの中心部から周縁部、さら
には半導体ウエハWの外側にあるリテーナリング3の外
周部までの圧力分布が連続かつ均一になる。そのため、
ポリッシング対象物である半導体ウエハWの周縁部にお
ける研磨量の過不足を防止することができる。
【0031】図1乃至図3に示す基板保持装置を構成す
るトップリングによれば、リテーナリング3を剛構造の
トップリング本体2に一体構造として設け、トップリン
グ本体2の上下動によりリテーナリング3を上下動させ
る。これにより、トップリング本体2への押圧力をリテ
ーナリング3への押圧力として利用し、トップリング本
体2との一体構造により不必要なリテーナリング3の左
右(半径方向)の動きをなくすことができる。したがっ
て、リテーナリング3と半導体ウエハWの周縁部(エッ
ジ部)との距離を常に最小に抑えることが可能になり、
半導体ウエハWの外周部における研磨の均一性と研磨の
安定性の向上を図ることができる。
【0032】またリテーナリング3をトップリング本体
2と一体構造とすることにより、高剛性のリテーナリン
グ構造を可能にし、研磨中にリテーナリングの挙動の安
定性が得られる。そして、安定した高剛性のリテーナリ
ング構造の内側において、フローティング構造のウエハ
保持加圧機構が研磨面のうねり等に追従し、結果として
硬質の研磨面においてリテーナリングの挙動が安定し、
半導体ウエハの研磨の安定性が得られる。
【0033】また、弾性膜4に複数の開口部4aを形成
して、これら開口部4aに連通孔14hを有した吸着部
14を設け、連通孔14hを真空源に連通させることに
より、半導体ウエハWを真空吸着する。即ち、半導体ウ
エハWの吸着時に、真空圧で吸着部14が直接に半導体
ウエハWを吸着するため、弾性膜4に吸盤作用をさせる
必要がなく、弾性膜4の物性変化が少なくなり、研磨均
一性の安定性が増す。
【0034】図4は、図1乃至図3に示す基板保持装置
を備えたポリッシング装置の全体構成を示す断面図であ
る。図中、符号1は基板保持装置を構成するトップリン
グであり、トップリング1の下方には、上面に研磨パッ
ド31を備えた研磨テーブル30が設置されている。前
記トップリング1は自在継手部19を介してトップリン
グ駆動軸18に接続されており、このトップリング駆動
軸18はトップリングヘッド32に固定されたトップリ
ング上下用エアシリンダ33に連結されており、このト
ップリング上下用エアシリンダ33によってトップリン
グ駆動軸18は上下動し、トップリング1の全体を昇降
させるとともにトップリング本体2の下端に固定された
リテーナリング3を研磨テーブル30に押圧するように
なっている。
【0035】また、トップリング駆動軸18はキー(図
示せず)を介して回転筒34に連結されており、この回
転筒34はその外周部にタイミングプーリ35を有して
いる。そして、タイミングプーリ35は、タイミングベ
ルト36を介して、トップリングヘッド32に固定され
たトップリング用モータ37に設けられたタイミングプ
ーリ38に接続されている。従って、トップリング用モ
ータ37を回転駆動することによってタイミングプーリ
38、タイミングベルト36およびタイミングプーリ3
5を介して回転筒34及びトップリング駆動軸18が一
体に回転し、トップリング1が回転する。トップリング
ヘッド32は、フレーム(図示せず)に固定支持された
トップリングヘッドシャフト39によって支持されてい
る。
【0036】トップリング上下用エアシリンダ33及び
流体室8は、それぞれレギュレータR1,R2を介して
圧縮空気源24に接続されている。そして、レギュレー
タR1によってトップリング上下用エアシリンダ33へ
供給する加圧空気の空気圧を調整することにより、リテ
ーナリング3が研磨パッド31を押圧する押圧力を調整
することができ、レギュレータR2によって流体室8へ
供給する加圧空気の空気圧を調整することにより、半導
体ウエハWを研磨パッド31に押圧する研磨圧力を調整
することができる。また吸着部14の連通孔14hはバ
ルブVを介して真空ポンプ等の真空源25に接続されて
いる。
【0037】また、研磨テーブル30の上方には研磨液
供給ノズル40が設置されており、研磨液供給ノズル4
0によって研磨テーブル30上の研磨パッド31上に研
磨液Qが供給されるようになっている。
【0038】上記構成のポリッシング装置において、半
導体ウエハWの搬送時には、吸着部14の連通孔14h
を真空源25に連通させて、吸着部14により半導体ウ
エハWを吸着する。そして、研磨時には、吸着部14に
よる半導体ウエハWの吸着を解除し、トップリング1の
弾性膜4の下面に半導体ウエハWを保持させ、トップリ
ング上下用エアシリンダ33を作動させてトップリング
1に一体に固定されたリテーナリング3を研磨テーブル
30に向かって押圧し、かつ流体室8へ加圧空気を供給
して回転している研磨テーブル30の上面の研磨パッド
31に半導体ウエハWを押圧する。一方、研磨液供給ノ
ズル40から研磨液Qを流すことにより、研磨パッド3
1に研磨液Qが保持されており、半導体ウエハWの研磨
される面(下面)と研磨パッド31の間に研磨液Qが存
在した状態で研磨が行われる。
【0039】トップリング上下用エアシリンダ33によ
るリテーナリング3の研磨パッド31への押圧力と、流
体室8に供給する加圧空気による半導体ウエハWの研磨
パッド31への押圧力とを適宜調整して半導体ウエハW
の研磨を行う。研磨中にレギュレータR2によって半導
体ウエハWを研磨テーブル30上の研磨パッド31に押
圧する押圧力を変更でき、レギュレータR1によってリ
テーナリング3が研磨パッド31を押圧する押圧力を変
更できる。従って、研磨中に、リテーナリング3が研磨
パッド31を押圧する押圧力と半導体ウエハWを研磨パ
ッド31に押圧する押圧力を適宜調整することにより、
半導体ウエハWの中心部から周縁部、さらには半導体ウ
エハWの外側にあるリテーナリング3の外周部までの研
磨圧力の分布が連続かつ均一になる。そのため、半導体
ウエハWの周縁部における研磨量の過不足を防止するこ
とができる。
【0040】本発明においては、研磨テーブル上に形成
される研磨面は、前述した研磨パッドにより形成しても
よく、又、固定砥粒により形成してもよい。研磨パッド
としては、市場で入手できるものとして、種々のものが
あり、例えば、ロデール社製のSUBA800,IC−
1000,IC−1000/SUBA400(二層クロ
ス)、フジミインコーポレイテッド社製のSurfin
xxx−5,Surfin 000等である。SUB
A800,Surfin xxx−5,Surfin
000は繊維をウレタン樹脂で固めた不織布であり、I
C−1000は硬質の発泡ポリウレタン(単層)であ
る。発泡ポリウレタンは、ポーラス(多孔質状)になっ
ており、その表面に多数の微細なへこみ又は孔を有して
いる。
【0041】固定砥粒は、砥粒をバインダ中に固定し板
状に形成されたものである。固定砥粒から自生した砥粒
により研磨が進行する。固定砥粒は砥粒とバインダと気
孔により構成されており、例えば砥粒には平均粒径0.
5μm以下の酸化セリウム(CeO)、バインダには
エポキシ樹脂を用いる。固定砥粒は硬質の研磨面を構成
する。固定砥粒には、前記板状のものの他に、薄い固定
砥粒層の下に弾性を有する研磨パッドを貼り付けて二層
構造とした固定砥粒パッドも含まれる。その他の硬質の
研磨面としては、前記IC−1000がある。
【0042】本発明のトップリングは、硬質な研磨面を
構成する、特に圧縮弾性係数19.6MPa(200k
g/cm)以上の研磨部材との適合性に優れている。
従来のトップリングの一例においては、剛体のトップリ
ング本体にバッキングパッドを介して半導体ウエハを保
持し、研磨パッドが弾性を有しているため、半導体ウエ
ハに対する衝撃を主に研磨パッド側で吸収していた。し
かし、研磨面が硬質の研磨面になった場合は、研磨面の
凹凸がそのまま半導体ウエハに転写され、影響してしま
う。また、トップリング側の半導体ウエハの真空吸着用
の孔が半導体ウエハ裏面に転写していた。しかしなが
ら、半導体ウエハを弾性膜を介して流体圧により保持す
るトップリングによれば、半導体ウエハの裏面に加わる
流体圧により、硬質の研磨面の凹凸を吸収できる。した
がって、硬質の研磨面を用いる場合にも研磨性能がよ
く、またバッキングパッドの真空吸着孔が半導体ウエハ
に転写されることもない。更に、本発明によれば、リテ
ーナリングがトップリング本体と一体に構成されている
ため、剛性が高く、リテーナリングの必要以上の不安定
な動きが抑制され、研磨性能が安定する。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、リテーナリングを剛構
造のトップリング本体に一体構造として設け、トップリ
ング本体の上下動によりリテーナリングを上下動させ
る。これにより、トップリング本体への押圧力をリテー
ナリングへの押圧力として利用し、トップリング本体と
の一体構造により不必要なリテーナリングの左右(半径
方向)の動きをなくすことができる。したがって、リテ
ーナリングとポリッシング対象物である基板の周縁部
(エッジ部)との距離を常に最小に抑えることが可能に
なり、基板の外周部における研磨の均一性と研磨の安定
性の向上を図ることができる。
【0044】またリテーナリングをトップリング本体と
一体構造とすることにより、高剛性のリテーナリング構
造を可能にし、研磨中にリテーナリングの挙動の安定性
が得られる。そして、安定した高剛性のリテーナリング
構造の内側において、フローティング構造の基板保持加
圧機構が研磨面のうねり等に追従し、結果として硬質の
研磨面においてリテーナリングの挙動が安定し、基板の
研磨の安定性が得られる。
【0045】また本発明においては、ポリッシング対象
物である基板を保持する部分にある弾性膜に開口部を形
成し、その開口部に基板を真空により直接的に保持する
機構を持つ吸着部が露出する構造になっている。この吸
着部により、ポリッシング対象物を真空吸着して保持す
るため、基板に反り(変形)を与えることがなく、基板
が破損したり、基板上のデバイス構造が損傷したりする
ことがない。また、弾性膜を介さないで基板を直接に保
持するため、基板の保持の安定性が飛躍的に高まる。結
果として、装置の稼働率を向上させることができ、また
製品の歩留まり向上を達成できる。
【0046】本発明のトップリングは、特に硬質な研磨
面、特に圧縮弾性係数19.6MPa(200kg/c
)以上の研磨面との適合性に優れている。本発明の
トップリングによれば、高剛性のリテーナリングの内側
で基板は弾性膜を介して流体圧により保持されているの
で、基板の裏面に加わる流体圧により、硬質の研磨面の
凹凸を吸収できる。したがって、硬質の研磨面を用いる
場合にも研磨性能がよく、またバッキングパッドの真空
吸着孔が基板に転写されることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板保持装置の実施形態を示す縦断面
図である。
【図2】図1で示す基板保持装置の底面図である。
【図3】図1で示す基板保持装置の動作状態を示す縦断
面図である。
【図4】図1乃至図3に示す基板保持装置を備えたポリ
ッシング装置の全体構成を示す断面図である。
【図5】半導体ウエハを空気圧等の流体圧で研磨面に押
圧するとともにリテーナリングを流体圧で研磨面に押圧
する構造を有した基板保持装置の模式図である。
【符号の説明】
1 トップリング 2 トップリング本体 2A 上部板 2B 周壁部 3,53 リテーナリング 4 弾性膜 4a 開口部 5 弾性膜支持部材 5a 上端部 5h 貫通孔 6 加圧シート 8 流体室 10 流体路 11 チューブ 12 サポート 13 ストッパプレート 13a 上端面 14 吸着部 14h 連通孔 18 トップリング駆動軸 19 自在継手部 21 ベアリングボール 24 圧縮空気源 25 真空源 30 研磨テーブル 31 研磨パッド 32 トップリングヘッド 33 トップリング上下用エアシリンダ 34 回転筒 35,38 タイミングプーリ 36 タイミングベルト 37 トップリング用モータ 39 トップリングヘッドシャフト 40 研磨液供給ノズル 52 ウエハ加圧機構 54 リテーナリング加圧機構 55 駆動軸 W 半導体ウエハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 並木 計介 東京都大田区羽田旭町11番1号 株式会社 荏原製作所内 Fターム(参考) 3C058 AA07 AA12 AB04 AC04 BA02 BA05 BC01 CB01 CB03 DA17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリッシング対象物である基板を保持し
    て研磨テーブル上の研磨面に押圧する基板保持装置にお
    いて、 前記基板を保持するトップリング本体と、前記トップリ
    ング本体に固定されるか又は一体に設けられ基板の外周
    縁を保持するリテーナリングと、開口部を有した弾性膜
    で覆われ流体が供給されるトップリング本体内に設けら
    れた流体室と、前記弾性膜の開口部に設けられるととも
    に連通孔を有した吸着部とを備え、前記流体室内に加圧
    流体を供給することにより前記基板を前記研磨面に押圧
    し、前記トップリング本体に押圧力を加えることにより
    前記リテーナリングを前記研磨面に押圧し、前記吸着部
    の連通孔を真空源に連通させることにより該吸着部によ
    り前記基板を吸着するようにしたことを特徴とする基板
    保持装置。
  2. 【請求項2】 前記流体室に供給する加圧流体の圧力を
    調整することにより基板に加わる研磨圧力を調整するこ
    とを特徴とする請求項1記載の基板保持装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性膜は支持部材によって前記トッ
    プリング本体内で上下動可能に支持され、前記支持部材
    の前記トップリング本体に対する上下方向位置は規制部
    材により規制されることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の基板保持装置。
  4. 【請求項4】 前記弾性膜は複数の開口部を有し、該複
    数の開口部に前記吸着部が設けられていることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板保持装
    置。
  5. 【請求項5】 前記吸着部は前記支持部材に設けられて
    いることを特徴とする請求項3記載の基板保持装置。
  6. 【請求項6】 前記トップリング本体に押圧力を加える
    手段は、トップリング本体を上下動させる機構からなる
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載
    の基板保持装置。
  7. 【請求項7】 研磨面を有する研磨テーブルと、ポリッ
    シング対象物である基板を保持して研磨テーブル上の研
    磨面に押圧するトップリングとを備え、前記研磨面を硬
    質の研磨部材で形成し、前記トップリング内に開口部を
    有した弾性膜により形成された流体室を設け、かつ前記
    弾性膜の開口部に連通孔を有した吸着部を設け、前記流
    体室内に加圧流体を供給することにより前記基板を前記
    硬質の研磨面に押圧し、前記吸着部の連通孔を真空源に
    連通させることにより該吸着部により前記基板を吸着す
    るようにしたことを特徴とするポリッシング装置。
  8. 【請求項8】 前記トップリングはトップリング本体に
    固定されるか又は一体に設けられ基板の外周縁を保持す
    るリテーナリングを備え、前記トップリング本体に押圧
    力を加えることにより前記リテーナリングを前記研磨面
    に押圧するようにしたことを特徴とする請求項7記載の
    ポリッシング装置。
  9. 【請求項9】 前記硬質の研磨部材は、19.6MPa
    (200kg/cm )以上の圧縮弾性係数を有するこ
    とを特徴とする請求項7記載のポリッシング装置。
  10. 【請求項10】 前記硬質の研磨部材は、砥粒をバイン
    ダ中に固定し板状に形成した固定砥粒により構成される
    ことを特徴とする請求項9記載のポリッシング装置。
  11. 【請求項11】 研磨面を有する研磨テーブルと、ポリ
    ッシング対象物である基板を保持して研磨テーブル上の
    研磨面に押圧する請求項1乃至6のいずれか1項に記載
    の基板保持装置とを備えたことを特徴とするポリッシン
    グ装置。
  12. 【請求項12】 研磨面を有する研磨テーブルとトップ
    リングとを有し、トップリングによりポリッシング対象
    物である基板を保持して研磨テーブル上の研磨面に押圧
    することによって基板を研磨するポリッシング方法にお
    いて、前記トップリング内に弾性膜により形成された流
    体室に加圧流体を供給することにより、前記基板を流体
    圧により硬質の研磨部材で形成された研磨面に押圧して
    研磨し、前記基板を前記研磨テーブルに搬出入する際
    に、前記弾性膜の開口部に設けられた吸着部の連通孔を
    真空源に連通させ該吸着部により前記基板を吸着するこ
    とを特徴とするポリッシング方法。
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