JP2018131589A - 未加硫ゴム組成物、これを用いた空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents

未加硫ゴム組成物、これを用いた空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加硫時における、未加硫ゴム組成物に含まれる架橋剤の拡散を抑制し、未加硫ゴム組成物を用いた再生タイヤの耐亀裂性能を向上させる、未加硫ゴム組成物を提供する。【解決手段】 ゴム成分100質量部に対して下記式(I):(式中、xは平均2〜24の整数であり、yは2〜4の整数である。)を0.5質量部以上10質量部以下を含み、加硫ゴムに隣接して加硫される、未加硫ゴム組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、未加硫ゴム組成物、これを用いた空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法に関する。
使用済みタイヤから再生タイヤを製造する場合、まず摩耗した使用済みタイヤのトレッド面をバフし、トレッド面が削り落とされた台タイヤの上に、未加硫のトレッドゴムを載せてモールド加硫するホット(HOT)方式や、台タイヤの上に予め加硫させた再生トレッドゴム部(以下「プレキュアトレッド」ともいう)を貼り付ける方法(コールド(COLD)方式、またはプレキュア方式ともいう)などが知られている。
ここで、コールド方式は、台タイヤとプレキュアトレッドを接着させるために、台タイヤの上に未加硫のクッションゴムが貼られ、さらにクッションゴムの上に、プレキュアトレッドが貼り付けられた上で、例えば110〜140℃、2〜3時間加熱して加硫させる方式である。
前記未加硫のクッションゴムは、台タイヤとバフ目に流し込み、接着面を平滑化するとともに、台タイヤとプレキュアトレッド双方と共加硫することによって、プレキュアトレッドと台タイヤの接着性を確保するものである。
そして、クッションゴムは、台タイヤとプレキュアゴムとの間に位置し、応力が集中しやすい部位である。実際の再生タイヤの使用時には、クッションゴムの部分の接着性や抗破壊性(以下「TB」ともいう)が、再生タイヤの耐久性、例えばプレキュアタイヤが台タイヤから剥離しないことに繋がる。
そこで、例えば、特許文献1には、クッションゴムの配合組成を改良することにより、抗破壊性を低下させることなく、ゴムの加硫速度を2倍以上に挙げて、再生タイヤの耐久性と生産性の両立を図るため、ゴム成分100重量部に対し、チウラム類化合物及びジチオカルバミン酸塩化合物よりなる群から選択された化合物のうち少なくとも1つを0.1重量部〜1.0重量部配合すると共に、1,6−ヘキサメチレン−ジチオ硫酸ナトリウム・2水和物を0.5重量部〜2.0重量部配合したゴム組成物が提案されている。
特開2002−69236号公報
ところで、未加硫のクッションゴムを介して、台タイヤとプレキュアトレッドを加硫により接着させる場合、台タイヤが複数回更生を繰り返す場合、未加硫のクッションゴムの架橋剤(例えば、硫黄)が台タイヤ側に移行して、台タイヤの硬化が進んでしまう。
さらに詳細に説明すると、未加硫のクッションゴムに含まれる架橋剤は、従来は主に硫黄であり、この硫黄は分子が小さいために、特に、加硫時に未加硫のクッションゴムから台タイヤに硫黄が移行して浸透する場合、タイヤが過度に硬化してしまい、亀裂の可能性が有る。
本発明は、この着目点からなされたものであり、加硫時における、未加硫ゴム組成物に含まれる架橋剤の拡散を抑制し、未加硫ゴム組成物を用いた再生タイヤの耐亀裂性能を向上させる、未加硫ゴム組成物、これを用いた空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、未加硫のクッションゴムに含まれる架橋剤として、従来の架橋剤に比べ分子量の大きい架橋剤を用い、加硫時の架橋剤の拡散を界面付近に留めることにより、その課題を解決し得るゴム組成物が得られることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
[1] ゴム成分100質量部に対して下記式(I):

(式中、xは平均2〜24の整数であり、yは2〜4の整数である。)
を0.5質量部以上10質量部以下を含み、加硫ゴムに隣接して加硫される、未加硫ゴム組成物、
[2] ゴム成分が天然ゴムを含む、請求項1に記載の未加硫ゴム組成物、
[3] [1]又は[2]に記載の未加硫ゴム組成物が、台タイヤとプレキュアトレッドを接着するクッションゴムを形成するゴム部材又は加硫ゴム製品の補修用ゴム組成物として用いられる、空気入りタイヤ、
[4] [1]又は[2]に記載の未加硫ゴム組成物が、台タイヤとプレキュアトレッドを接着するクッションゴムを形成するゴム部材又は加硫ゴム製品の補修用ゴム組成物として用いられる、空気入りタイヤの製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、加硫時における、未加硫ゴム組成物に含まれる架橋剤の拡散を抑制し、未加硫ゴム組成物を用いた再生タイヤの耐亀裂性能を向上させる、未加硫ゴム組成物、これを用いた空気入りタイヤ、及び空気入りタイヤの製造方法を提供することを提供することができる。
まず、本発明の未加硫ゴム組成物について説明する。
なお、本明細書において「〜」という記載は、その前後の数値の下限以上、上限以下を意味する。
[未加硫ゴム組成物]
本発明の未加硫ゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対して下記式(I):

(式中、xは平均2〜24の整数であり、yは2〜4の整数である。)
を0.5質量部以上10質量部以下を含み、加硫ゴムに隣接して加硫される。
また、上記式(I)のC2xは、置換もしくは非置換のC〜C24のアルキレン基、好ましくは置換もしくは非置換のC〜C20のアルキレン基、更に好ましくはC〜C16のアルキレン基又は芳香族アルキレン基である。
<架橋剤>
本発明における架橋剤は、上記式(I)で表される環状アルキルスルフィド化合物である。
本発明の上記(I)の環状アルキルスルフィド化合物としては、再生タイヤの耐亀裂性能の向上の観点から、下記の構造を有する環状アルキルスルフィド化合物が好ましい。
さらに、本発明の架橋剤としては、隣接部材への過剰な拡散の抑制及び再生タイヤの耐亀裂性の観点から、上記(I−3)で表される環状アルキルスルフィド化合物がより好ましい。
本発明の環状アルキルスルフィド化合物は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部以上、10質量部以下であり、耐亀裂性の観点から、1.0質量部以上、8質量部以下が好ましく、1.0質量部以上、5質量部以下がより好ましく、1.5質量部以上、3質量部以下であることが更に好ましい。
環状アルキルスルフィド化合物は、下記のように、ジクロライドと多硫酸ソーダの水溶液をトルエン及び水の混合非相溶性溶媒中で反応して製造することができる。なお、環状アルキルスルフィド化合物として、他の製造方法を用いてもよく、例えば、特開2005−247704号公報に記載の製造方法を用いてもよい。
<ゴム成分>
本発明のゴム組成物に用いるゴム成分は特に限定されず、天然ゴムや合成ジエン系ゴムが挙げられる。合成ジエン系ゴムとしては、例えばポリイソプレン合成ゴム(IR)、シス−1,4−ポリブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。これらのゴムは、一種でも二種以上のブレンドでもよい。本発明では、破壊強度の観点から、天然ゴムがより好ましい。
本発明の未加硫ゴム組成物は、前記ゴム成分に加えて、カーボンブラック、シリカなどの充填材(フィラー)、各種オイル、老化防止剤、可塑性剤、各種加硫促進剤、シランカップリング剤、軟化剤、粘着付与剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
<加硫促進剤>
本発明では、たとえば、上記のような反応熱量と反応開始温度を有するゴム組成物を得るために、加硫剤の硫黄の配合量を増量したり、加硫促進剤としてチウラム系化合物を使用したりすることが考えられる。
本発明のゴム組成物には、加硫中にゴム組成物をより発熱させるという観点から、加硫促進剤としてチウラム系化合物を配合することも考えられる。チウラム系化合物としては、テトラキス(2−エチルヘキシル)チラウムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
<充填剤>
本発明では、充填剤を添加してもよく、充填剤としては、例えば、カーボンブラック、シリカ等が挙げられ、好ましくはカーボンブラックである。
カーボンブラックとしては、得られるゴム組成物の加硫ゴム物性の観点から、例えば、SAF、HAF、ISAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを単独に又は混合して使用することができる。
シリカは特に限定されないが、湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカが好ましい。これらは単独に又は混合して使用することができる。
また、充填剤は、ゴム成分100質量部に対して45質量部以下で含まれることが好ましく、40質量部以下で含まれることがより好ましい。
[未加硫ゴム組成物の製造方法]
本発明の未加硫ゴム組成物の製造方法において、通常、未加硫ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー、ニーダー、二軸押出機等が用いられる。
[空気入りタイヤ及びその製造方法]
本発明のタイヤにおいて、前記未加硫ゴム組成物は、加硫ゴムに隣接して配置され、その後に加硫されて得られるゴム部材として、台タイヤとプレキュアトレッドを接着するクッションゴムとして配置される。
上記ゴム組成物を適用するゴム部材としては、タイヤ各内部を形成するゴム部材、例えば、少なくとも2つのベルト層からなるベルト、カーカスプライ、トレッドベースゴム、ビード部におけるスティフナーゴム、ベルト層間のゴム、トレッドとベルトとの間のクッションゴム、ベルトとカーカスプライとの間のゴム等や、再生タイヤ用のクッションゴム、加硫ゴム製品の補修用ゴム等が挙げられる。
前記未加硫ゴム組成物と隣接する加硫ゴムは、同時に加硫され、その際の加硫の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、温度120℃〜200℃、加温時間1分間〜600分間が好ましい。
また、本発明のタイヤは、常法によってロールなどの開放式混練機やバンバリーミキサーなどの密閉式混練機等の混練り機械を用いて混練りすることによって得られた前記未加硫ゴム組成物を台タイヤとプレキュアトレッドを接着するクッションゴムとして配置した、加硫前の更生タイヤを成型し、加硫を行なうことで得ることができる。
本発明のタイヤにおいては、加硫時に熱を発生する前記未加硫ゴム組成物を用いたゴム部材を台タイヤとプレキュアトレッドの間に配置することによって、加硫時間が短縮され生産性が向上し、さらにプレキュアトレッドに接着される台タイヤの境界面の過加硫が抑制されて、タイヤ性能の低下を防ぐことができる。
また、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。また、表中の添加量の記載は、いずれも「質量部」である。なお、各種の測定及び評価法は下記の
方法に基づいて行った。
(1)未加硫ゴム組成物の加硫後の弾性率(100%Mod.)
各実施例及び比較例で得られた加硫ゴム組成物の、加硫前に未加硫ゴム組成物であった部分をサンプルとして、JIS3号ダンベル試験片をチャックで挟み、JIS K 6251:2004に準拠して、25℃で300mm/minで一軸引張りを行う。100%変形時の強力をMod[MPa]とし、比較例1のMod[MPa]を100としたときの指数値として表示し、大きすぎる場合には、ゴムの弾性が失われ、少なすぎると可塑変形してしまい元の形に戻らない。評価結果を表1に示す。指数で表示する。
引張試験を行った。
(2)耐亀裂成長性(定歪)
各実施例及び比較例で得られた加硫ゴム組成物のサンプルについて、JIS3号試験片中心部に0.5mmの亀裂を入れ、室温で0〜50%の一定歪みで繰り返し疲労を与え、サンプルが切断するまでの回数を測定し、評価を行った。
表1では、以下の指標で評価した。
◎: 比較例の4倍以上
○: 比較例の2倍以上
△: 比較例同等
×: 500回未満
(3)未加硫ゴム組成物と隣接する既加硫ゴムの加硫前後の弾性率(100%Mod.)の変化率
各実施例及び比較例で得られた加硫ゴム組成物において、加硫前に未加硫ゴム組成物と隣接する既に加硫済みの加硫ゴム(本明細書では「既加硫ゴム」ともいう)であった部分を、タイヤより切り出し、JIS7号ダンベル試験片を作製し、JIS K6301(ダンベル7号)に準拠して、25℃で300mm/minで一軸引張りを行う(加硫後の弾性率の測定)。
一方、未加硫ゴム組成物が配置される前の該当個所の既加硫ゴムを、タイヤより切り出し、JIS7号ダンベル試験片を作製し、JIS K6301(ダンベル7号)に準拠して、25℃で300mm/minで一軸引張りを行う(加硫前の弾性率の測定)。
そして、各実施例及び比較例において、それぞれ、加硫前後における既加硫ゴムの弾性率の変化率を以下の指標に則り、評価した。
◎:弾性率の変化率が25%以下である。
○:弾性率の変化率が25%を超えるが、50%以下である。
×:弾性率の変化率が50%を超える。
<実施例1〜6、比較例1〜7>
混練の第一段階において、バンバリーミキサーを用い、表1に示す配合量に基づきゴム成分、架橋剤、カーボンブラック、アロマティックオイル、ステアリン酸、亜鉛華、老化防止剤6PPDを、最高温度は150℃として混練し、十分冷ました後、加硫促進剤、架橋剤とともに、最高温度は90℃として混練することで、未加硫ゴム組成物を得た。
次に、既に加硫済みの加硫ゴムの表面をバフがけなどで粗面化して、その後に、表1に示す各未加硫ゴム組成物を隣接して配置して、最高温度が160℃になるように調整した。
得られた加硫ゴム組成物について、上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
[注]
※1: ポリイソプレンゴム: 天然ゴム(TSR)、インドネシア産、商品名「SIR20」
※2: カーボンブラック: 旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
※3: アロマティックオイル: 富士興産株式会社製、商品名「アロマックス#3」
※4:老化防止剤6PPD: N−フェニル−N'−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社)製、商品名「ノクラック6C」
※5: 加硫促進剤CBS: N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学(株)製、商品名「ノクセラーCZ−G」
※6: 架橋剤HTS:ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物)、イーストマン・ケミカル社製、商品名「HTS」
※7: 架橋剤−1:後述する製造方法により得られた、式(I−3)で表される環状アルキルスルフィド化合物。
<式(I−3)で表される環状アルキルスルフィド化合物の製造例>
コンデンサーと温度計付きの三つ口フラスコに、窒素雰囲気下、30%(質量)トルエン分散金属ナトリウム10g(0.13mol)、硫黄8.3g(0.26mol)及びジメトキシエタン30gを入れて、80℃で1時間反応させ、次いでこれに温度80℃で1,6−ジクロロヘキサン10.1g(0.065mol)のジメトキシエタン20g溶液を2時間滴下し、同温度でさらに2時間反応させた。反応終了後、有機相の塩又は不溶部を濾別し、塩又は不溶部をトルエン20gで洗い出してから有機相を減圧下90℃で濃縮した後、式(I−3)で示される環状アルキルスルフィド化合物49.9g(収率73%)を得た。
比較例1の結果から、硫黄(S8)を架橋剤として使用すると、複数回再生(「更生」ともいう)した再生タイヤのプレキュアトレッドと隣接する台タイヤの隣接部材に、硫黄が浸透するため、既に加硫済みの加硫ゴム部分の弾性率が上昇し、加硫ゴム組成物の硬度が上昇する。
比較例2の結果から、単純に硫黄の配合量を下げても、既に加硫済みの加硫ゴム部分の弾性率が上昇し、また未加硫ゴム組成物の加硫後の弾性率も低下する。
比較例3の結果から、未加硫ゴム組成物の加硫後の弾性率の低下を抑制するために、加硫促進剤CBSを多めに配合して補完したとしても、所望の耐亀裂成長性を得ることができない。
一方、比較例5の結果から、硫黄以外の架橋剤として、硫黄の代わりに架橋助剤(例えば、「HTS」(ヘキサメチレンビスチオサルフェート2ナトリウム塩2水和物)、イーストマン・ケミカル社製)を全置換して用いることは、加硫速度、物性的に現実的でない。
また、比較例4の結果から、硫黄の代わりに「HTS」を部分置換して用いた場合、未加硫ゴム組成物が隣接する既加硫ゴムの硬化抑制には寄与しないことが判明した。
一方、実施例1と比較例1との対比の結果から、隣接部材の硬化抑制には、硫黄の代わりに、式(I−3)に記載の環状アルキルスルフィド化合物による全置換が有効であることが判明した。
さらに、実施例2〜5は、比較例7〜8との対比の結果から、式(I−3)に記載の環状アルキルスルフィド化合物と加硫促進剤とを好適な範囲で増減することにより、未加硫ゴム組成物が隣接する既加硫ゴムの加硫前後の弾性率の低下を抑制することができ、また、本未加硫ゴム組成物を加硫した後の加硫ゴムも、良好な弾性率が得られることが分った。
本発明の未加硫ゴム組成物は、タイヤ、台タイヤとプレキュアトレッドを接着するクッションゴムを形成するゴム部材又は加硫ゴム製品の補修用ゴム組成物に好適に用いられる。

Claims (4)

  1. ゴム成分100質量部に対して下記式(I):

    (式中、xは平均2〜24の整数であり、yは2〜4の整数である。)
    を0.5質量部以上10質量部以下を含み、加硫ゴムに隣接して加硫される、未加硫ゴム組成物。
  2. ゴム成分が天然ゴムを含む、請求項1に記載の未加硫ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の未加硫ゴム組成物が、台タイヤとプレキュアトレッドを接着するクッションゴムを形成するゴム部材又は加硫ゴム製品の補修用ゴム組成物として用いられる、空気入りタイヤ。
  4. 請求項1又は2に記載の未加硫ゴム組成物が、台タイヤとプレキュアトレッドを接着するクッションゴムを形成するゴム部材又は加硫ゴム製品の補修用ゴム組成物として用いられる、空気入りタイヤの製造方法。
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