JP2018131573A - ゴム組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
[2]アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液から分散媒を除去して前記乾燥固形物を調製する工程をさらに含む、[1]に記載のゴム組成物の製造方法。
[3]前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有する乾燥固形物が、アセチル基を有するセルロースナノファイバーの絶乾固形分に対して5〜50重量%の水溶性高分子を含む、[1]に記載のゴム組成物の製造方法。
[4]前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有する乾燥固形物が、アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液から分散媒をドラム乾燥機により除去して得られる、[1]又は[3]に記載のゴム組成物の製造方法。
[5]前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有する乾燥固形物が、アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液のpHを9〜11に調整した後に、分散媒を除去して得られる、[1]、[3]又は[4]のいずれか一項に記載のゴム組成物の製造方法。
[6]前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液が、アセチル基を有するセルロースナノファイバーの絶乾固形分に対して5〜50重量%の水溶性高分子を含む、[2]に記載のゴム組成物の製造方法。
[7]前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液が水溶性高分子を含み、前記調整工程において、当該アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液から分散媒をドラム乾燥機により除去する、[2]又は[6]に記載のゴム組成物の製造方法。
[8]前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液が水溶性高分子を含み、前記調製工程において、当該アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液のpHを9〜11に調整した後に、分散媒を除去する、[2]、[6]又は[7]のいずれか一項に記載のゴム組成物の製造方法。
[9]前記水溶性高分子がカルボキシメチルセルロース又はその塩である、[3]〜[8]のいずれか一項に記載のゴム組成物の製造方法。
本発明において、アセチル基を有するセルロースナノファイバーは、平均繊維径が2〜500nm 好ましくは2〜50nm、平均アスペクト比が10以上の微細繊維であり、アセチル基を有する化合物により化学変性されたセルロース原料を解繊することによって得ることができる。
アスペクト比=平均繊維長/平均繊維径
本発明において、セルロース原料としては、植物(例えば、木材、竹、麻、ジュート、ケナフ、農地残廃物、布、パルプ(針葉樹未漂白クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹未漂白サルファイトパルプ(NUSP)、針葉樹漂白サルファイトパルプ(NBSP)サーモメカニカルパルプ(TMP)、再生パルプ、古紙等)、動物(例えばホヤ類)、藻類、微生物(例えば酢酸菌(アセトバクター))、微生物産生物等を起源とするものが知られており、本発明ではそのいずれも使用できる。好ましくは植物又は微生物由来のセルロース繊維であり、より好ましくは植物由来のセルロース繊維である。
アセチル基を有する化合物による処理では、アセチル基を有する化合物によって、セルロースの水酸基の一部をアセチル基に化学修飾する。これにより、セルロース繊維間の結合力が弱まり、解繊性が向上する。アセチル基を有する化合物としては、無水酢酸、酢酸が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。上記アセチル基を有する化合物のうち、無水酢酸が好ましい。
本発明において、解繊する装置は特に限定されないが、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの装置を用いて前記水分散体に強力なせん断力を印加することが好ましい。特に、効率よく解繊するには、前記水分散体に50MPa以上の圧力を印加し、かつ強力なせん断力を印加できる湿式の高圧または超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。前記圧力は、より好ましくは100MPa以上であり、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊及び分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、撹拌、乳化、分散装置を用いて、上記のアセチル基を有するセルロースナノファイバーに予備処理を施すことも可能である。
本発明において、水溶性高分子とは水に溶解する高分子化合物をいい、例えば、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース)、キサンタンガム、キシログルカン、デキストリン、デキストラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、アルギン酸、アルギン酸塩、プルラン、澱粉、かたくり粉、クズ粉、陽性澱粉、燐酸化澱粉、コーンスターチ、アラビアガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、ゲランガム、ポリデキストロース、ペクチン、キチン、水溶性キチン、キトサン、カゼイン、アルブミン、大豆蛋白溶解物、ペプトン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミノ酸、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸、ポリグリセリン、ラテックス、ロジン系サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド・ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリアミン、植物ガム、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー、ポリアクリル酸塩、でんぷんポリアクリル酸共重合体、タマリンドガム、ジェランガム、ペクチン、グァーガム及びコロイダルシリカ並びにそれら1つ以上の混合物をいう。この中でも、カルボキシメチルセルロース又はその塩を用いることが親和性の点から好ましい。水溶性高分子としてのカルボキシメチルセルロースは、カルボキシメチル基が導入されたアセチル基を有するセルロースナノファイバーとは異なる。
本発明において、乾燥固形物とは、アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液から当該分散媒を除去して得られた固形物をいう。本発明において乾燥固形物とは、絶乾状態のものまたは湿潤状態のものをいい、固形物中に分散媒が12重量%以下存在するものをいう。具体的には、アセチル基を有するセルロースナノファイバー又はこれと前記量以下の分散媒からなる乾燥固形物、あるいはアセチル基を有するセルロースナノファイバーと水溶性高分子又はこれらと前記量以下の分散媒からなる乾燥固形物が挙げられる。分散媒としては水や水性有機溶媒が挙げられるが、水が好ましい。分散媒を除去するとは、分散液を脱水(脱分散媒)又は乾燥すること等により分散媒を除くことを意味する。
ゴム成分とはゴムの原料であって架橋してゴムとなるものをいう。天然ゴム用のゴム成分および合成ゴム用のゴム成分が存在するが、本発明においてはいずれを用いてもよく、また両者を組合せてもよい。便宜上、天然ゴム用等のゴム成分を「天然ゴムポリマー」等という。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分と前記乾燥固形物を混合したものから、ラテックス又は乾燥固形物に由来する水等を除去することで製造される。乾燥固形物が水以外の分散媒を含むときは、ゴム成分と前記乾燥固形物を混合したものから水及び当該分散媒を除去する。本発明において、水又は分散媒を「液状媒体」ともいう。液状媒体を除去する方法は特に制限されず、前記混合物をオーブンでそのまま乾燥してもよく、或いは凝固させてから脱水又は乾燥してもよい。また、この際にpHを2〜6に調整してもよい。
針葉樹由来の漂白済み未叩解クラフトパルプ(白色度85%)を酢酸中に分散して濾過する工程を3度行い、セルロース繊維原料中の水を酢酸に置換した。セルロース繊維1g(乾燥重量)に対して、酢酸20ml、無水酢酸10mlの割合でこれらを混合しておき、そこに上記の酢酸置換したセルロース繊維原料を添加した。その後、攪拌しながら115℃で5時間反応させることによりセルロース繊維をアセチル化処理した。反応後、反応液を濾過して、メタノール、脱塩水の順で洗浄し、アセチル基を有するセルロース繊維原料を得た。
洗浄後に得られたパルプにイオン交換水を添加した後、攪拌して、0.5%(w/v)のスラリーを得た。このパルプスラリーを、超高圧ホモジナイザー(20℃、150MPa)で3回処理して、アセチル基を有するセルロースナノファイバー分散液を得た。
上記のアセチル基を有するセルロースナノファイバーの0.5重量%水分散液にカルボキシメチルセルロース(商品名:F350HC−4)を、アセチル基を有するセルロースナノファイバーに対して30重量%添加し、TKホモミキサー(12,000rpm)で60分間撹拌した。この水分散液に、水酸化ナトリウム水溶液0.5重量%を加え、pHを9に調整した後、蒸気圧力0.5MPa.G、ドラム回転数2rpmのドラム乾燥機D0405(カツラギ工業)で乾燥し、水分量5重量%のアセチル基を有するセルロースナノファイバーとカルボキシメチルセルロースの混合乾燥固形物を得た。ゴムラテックス(商品名:HAラテックス、レヂテックス社、固形分濃度65重量%)100gの絶乾固形分に対して、前記混合乾燥固形物を絶乾相当で5重量%混合し、TKホモミキサー(8000rpm)で60分間撹拌して混合物を得た。当該混合物は全固形分濃度が68.25重量%と非常に高かった。この混合物を、70℃の加熱オーブン中で15時間乾燥させることにより、マスターバッチを得た。
アセチル基を有するセルロースナノファイバーの水分散液を乾燥する際に、カルボキシメチルセルロースを混合せずにアセチル基を有するセルロースナノファイバー単体で乾燥した以外は、実施例1と同様にして行った。
実施例1において、マスターバッチを得る際に、アセチル基を有するセルロースナノファイバーとカルボキシメチルセルロースの混合乾燥固形物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして行った。
アセチル基を有するセルロースナノファイバー乾燥固形物を用いる代わりに、アセチル基を有するセルロースナノファイバー水分散液(固形分濃度0.5重量%)を用いた以外は、実施例2と同様にして行った。ゴム成分に対するアセチル基を有するセルロースナノファイバーの量は実施例2と同じであった。
Claims (9)
- アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有するゴム組成物の製造方法であって、アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有する乾燥固形物と、ゴム成分を含有する水分散液を混合する工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
- アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液から分散媒を除去して前記乾燥固形物を調製する工程をさらに含む、請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有する乾燥固形物が、アセチル基を有するセルロースナノファイバーの絶乾固形分に対して5〜50重量%の水溶性高分子を含む、請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有する乾燥固形物が、アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液から分散媒をドラム乾燥機により除去して得られる、請求項1又は3に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーを含有する乾燥固形物が、アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液のpHを9〜11に調整した後に、分散媒を除去して得られる、請求項1、3又は4のいずれか一項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液が、アセチル基を有するセルロースナノファイバーの絶乾固形分に対して5〜50重量%の水溶性高分子を含む、請求項2に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液が水溶性高分子を含み、前記調整工程において、当該アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液から分散媒をドラム乾燥機により除去する、請求項2又は6に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記アセチル基を有するセルロースナノファイバーの分散液が水溶性高分子を含み、前記調製工程において、当該アセチル基を有するセルロースナノファイバー及び水溶性高分子を含有する分散液のpHを9〜11に調整した後に、分散媒を除去する、請求項2、6又は7のいずれか一項に記載のゴム組成物の製造方法。
- 前記水溶性高分子がカルボキシメチルセルロース又はその塩である、請求項3〜8のいずれか一項に記載のゴム組成物の製造方法。
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