JP2018126084A - 食肉用品質改良剤、保温用食品およびその製造方法 - Google Patents

食肉用品質改良剤、保温用食品およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保温時の食肉に対する保水効果が高く、乾燥を防ぎ、食感を維持することができる食肉用品質改良剤、ならびに、保温時の食肉の乾燥が防止され、食感が保持される保温用食品およびその製造方法を提供する。【解決手段】食肉用品質改良剤は、粒径が25μm以下の澱粉と、食用油脂とを有している。さらに乳化機能を有する添加物を有していてもよい。この食肉用品質改良剤を、タンブリング処理またはインジェクション処理により食肉に添加して保温用食品を製造する。【選択図】図1

Description

本発明は、食肉用品質改良剤、保温用食品およびその製造方法に関する。
従来、畜肉や魚肉などの食肉の保水性を高め、歩留りを向上させるために、アルカリ性の保水剤やリン酸塩を含む製剤が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−42849号公報
しかしながら、アルカリ性の保水剤や、特許文献1に記載のようなリン酸塩を含む製剤では、温めて保存した状態の保温用食品に含まれる食肉に対する保水効果が低く、保温時に水分が蒸発して食肉が乾燥してしまい、食感が悪くなるという課題があった。例えば、コンビニエンスストアなどでは、ウォーマーで、保温用食品を60〜80℃で4時間保温する場合があるが、保温中に水分が蒸発し、固くなり、パサついてしまう。このため、ウォーマーに入れた直後と、4時間の保温後では、全く異なるものになっている。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、保温時の食肉に対する保水効果が高く、乾燥を防ぎ、食感を維持することができる食肉用品質改良剤、ならびに、保温時の食肉の乾燥が防止され、食感が保持される保温用食品およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る食肉用品質改良剤は、粒径が25μm以下の澱粉と、食用油脂とを有することを特徴とする。
本発明に係る食肉用品質改良剤は、食肉に添加して使用される。食肉は、畜肉、鶏肉、魚肉のほか、その他の食肉であってもよい。食肉に添加する際には、タンブリング処理またはインジェクション処理により添加することが好ましい。本発明に係る食肉用品質改良剤は、食肉に添加されたとき、粒径が25μm以下の澱粉および食用油脂が、食肉の繊維の隙間に入り込みやすい。この状態で保温すると、その温度で澱粉が膨潤し、食肉の繊維の隙間から澱粉や食用油脂が抜け出るのを防ぐことができる。このように、本発明に係る食肉用品質改良剤は、保温時の食肉に対する保水効果が高く、保温時の食肉の乾燥を防ぎ、食感を維持することができる。
本発明に係る食肉用品質改良剤は、加熱調理され、温めて保存される食品(保温用食品)に用いられる食肉に使用されると効果的であり、その中でも、揚げ物に使用されると特に効果的である。また、本発明に係る食肉用品質改良剤は、アルカリ剤やリン酸塩を含まないことが好ましい。
本発明に係る食肉用品質改良剤で、粒径が25μm以下の澱粉としては、米澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、および、米澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチまたはコーンスターチを原料とした加工澱粉のうちの1種または2種以上の組み合わせから成ることが好ましい。
また、本発明に係る食肉用品質改良剤は、さらに乳化機能を有する添加物を有していてもよい。この場合、乳化機能を有する添加物の乳化作用により、食用油脂の粒径を小さくすることができ、食用油脂を食肉の繊維の隙間にさらに入り込みやすくすることができる。乳化機能を有する添加物の範疇には、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、カゼインナトリウムなどの一般的な乳化剤のほか、キサンタンガム、アラビアガムのように増粘安定剤として一般的に知られるが乳化機能を有するものや、他の用途が一般的でも乳化機能を有するものが含まれる。乳化機能を有する添加物は、例えば、キサンタンガム、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、アラビアガム、タマリンドシードガム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンのうちの1種または2種以上の組み合わせから成ることが好ましく、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムまたはキサンタンガムであることが特に好ましい。
本発明に係る保温用食品は、本発明に係る食肉用品質改良剤を含む食肉を有することを特徴とする。本発明に係る保温用食品の製造方法は、タンブリング処理またはインジェクション処理により、本発明に係る食肉用品質改良剤を食肉に添加することを特徴とする。
本発明に係る保温用食品の製造方法は、タンブリング処理またはインジェクション処理により、本発明に係る食肉用品質改良剤に含まれる澱粉や食用油脂を、食肉の繊維の隙間に効率良く入り込ませることができる。これにより、本発明に係る保温用食品は、保温時の食肉の乾燥が防止され、食感が保持される。食肉は、加熱調理されたものが好ましく、特に揚げ物が好ましい。本発明に係る保温用食品としては、例えば、唐揚げ、フライドチキン、揚げ鶏、フランクフルト、春巻き、メンチカツ、餃子、ハンバーグ弁当、唐揚げ弁当などが挙げられる。
本発明によれば、保温時の食肉に対する保水効果が高く、乾燥を防ぎ、食感を維持することができる食肉用品質改良剤、ならびに、保温時の食肉の乾燥が防止され、食感が保持される保温用食品およびその製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤を添加したグリルチキンの、4時間保温後の歩留りを示すグラフである。 本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤を添加したグリルチキンの、4時間保温後の官能評価の結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤に関し、水と食用油脂とオクテニルコハク酸デンプンナトリウムとを、ハンドミキサーおよびホモミキサーで撹拌したときの油滴の観察結果を示す顕微鏡写真である。 本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤に関し、水と油と乳化機能を有する添加物とを撹拌したときの乳化液に含まれる油の粒度分布を示すグラフである。 本発明の実施の形態の保温用食品であるメンチカツの、保温後の油染みの状態を示す、吸水シートの平面図である。
以下、各種の試験および実施例に基づいて、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤は、澱粉と食用油脂とを含んでいる。また、乳化機能を有する添加物を含んでいてもよい。本発明の実施の形態の保温用食品は、本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤を含む食肉を有している。
以下に、本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤、保温用食品およびその製造方法について、効果的な構成を調べるために、各種の試験を行った。
[試験1:澱粉の糊化温度と粒径の確認]
本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤に含まれる澱粉について検討するために、様々な澱粉の糊化温度および粒径を確認する試験を行った。試験では、甘藷澱粉、小麦澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、タピオカ澱粉を原料とした酢酸澱粉(タピオカ酢酸でんぷん)、馬鈴薯澱粉、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチの8種類の澱粉について調べた。
糊化温度は、各澱粉の40%水溶液 約0.1 gを、25〜40℃のとき8℃/min、40〜85℃のとき4℃/min で、25℃から85℃まで昇温し、そのときの吸熱ピークを測定して求めた。吸熱ピークの測定には、示差走査熱量計「DSC-60Plus(株式会社島津製作所社製)」を使用した。また、粒径は、デジタルマイクロスコープ「VHX-2000(株式会社キーエンス社製)を使用して、各澱粉水溶液中の澱粉の粒径を観察して求めた。その結果を、表1に示す。
表1の結果から、以下の試験2には、表2に示す6つの澱粉を用いた。
[試験2:4時間保温後の歩留と官能評価]
表2に示す各澱粉を使用して、表3に示す配合で試験溶液を製造した。この試験溶液を使用してグリルチキンを作成し、ウォーマーにて4時間保管し、歩留の確認と官能評価とを行った。試験では、まず、解凍した鶏もも肉をテンダリングした後、2等分にカットし、カットした肉と試験溶液とを合わせ、タンブリング(30分×2回)を行った。その後、焼成(220℃で10分間)し、凍結、解凍してから、ウォーマー(70〜80℃)で4時間保管した。4時間の保管後の肉(グリルチキン)をカットして、官能評価を行った。なお、歩留りは、各段階で重量を測定し、計算した。また、比較例として、表3に示す配合で澱粉を添加しない溶液を製造し、同様の試験を行った。
官能評価は、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉を添加したグリルチキン、澱粉無添加のグリルチキンの5種で行った。官能評価では、1人のパネルに5種類のグリルチキンを与え、澱粉無添加を0点として各澱粉を添加したものを比較し、−5点〜+5点の評価尺度で評価した。パネルは10名で、固さ、ジューシー感、好みの3つの項目について評価を行った。歩留りの試験結果を表4および図1に、官能評価の結果を、図2に示す。
歩留りに最も影響する工程は、焼成とウォーマー保管であり、この時にいかに歩留りの低下を防ぐことができるかが重要となる。表4および図1に示すように、ワキシーコーンスターチやタピオカ澱粉を使用したものが、高い歩留りを示すことが確認された。表1を参照すると、歩留りを向上させるためには、糊化温度が60度以上の澱粉が良いとも考えられるが、馬鈴薯澱粉では、糊化温度が高いにも関わらず、歩留りがやや低下している。これは、馬鈴薯澱粉の粒子が大きすぎるためであると考えられることから、歩留り向上には糊化温度よりも粒径による影響の方が大きいと考えられる。粒径は、ワキシーコーンスターチやタピオカ澱粉程度に小さい方が良く、20〜25μm以下が良いと考えられる。
官能評価では、図2に示すように、「固さ」では、ワキシーコーンスターチのものが最も柔らかく感じ(1%水準で有意差あり)、小麦澱粉のものは無添加よりも固く感じる人が多かった(有意傾向)。また、「ジューシー感」では、ワキシーコーンスターチとタピオカ澱粉のものを、無添加よりもジューシーに感じる人が多かった(ワキシーコーンスターチは5%水準で有意差あり、タピオカ澱粉は有意傾向)。小麦澱粉のものは、無添加よりもパサパサしていると感じている人が多かった(5%水準で有意差あり)。また、「好み」では、タピオカ澱粉のものが最も良く(1%水準で有意差あり)、次いでワキシーコーンスターチ(有意傾向あり)、次に馬鈴薯澱粉と無添加であった。小麦澱粉のものは、無添加より好ましくないものであった(有意傾向)。このことから、好みには、固さよりもジューシー感が関与していると考えられる。このように、図2に示す官能評価の結果も、粒径が小さいタピオカ澱粉およびワキシーコーンスターチが良いことが確認された。
[試験3:乳化機能を有する添加物を併用したときの歩留および水分量の比較]
本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤に乳化機能を有する添加物を添加したときの、歩留および水分量の比較を行った。乳化機能を有する添加物としては、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム(試験区2)およびキサンタン(試験区3)を使用して、表5に示す配合で試験溶液を製造した。また、比較例として、表5に示す配合で、乳化機能を有する添加物を添加しない溶液(試験区1)を製造した。なお、澱粉としては、タピオカ澱粉を使用している。
試験では、まず、解凍した鶏もも肉をテンダリングした後、2等分にカットし、カットした肉と各試験溶液とを合わせ、タンブリング(30分×2回)を行った。その後、焼成(220℃で10分間)し、凍結、解凍してから、水分を均一にするために、一旦パックを開封した後、再度、真空引きを行った。さらに、より水分を均一にするために、一日冷蔵保管した後、ウォーマー(70〜80℃)で4時間保管した。このとき、熱のかかり方を一定にするために、1時間おきに場所を入れ替えた。以上の各段階で重量を測定し、歩留りを計算した。
また、水分量の測定は、ウォーマーで保管する前後で、3gのサンプルをそれぞれ4つ取り出して行った。水分量の測定は、常圧加熱乾燥法を用い、まず、各サンプルを105℃で4時間加熱し、デシケーターで冷却(常温30分)して乾燥させた後、重量の測定を行った。水分量は、測定された重量から求めた。歩留りの試験結果を表6に、水分量の測定結果を表7に示す。なお、各歩留りの計算には、表4に示す式を用いた。また、水分量は、各サンプルの平均値とした。
表6に示すように、無添加のものと比べて、乳化機能を有する添加物を添加しても、歩留りには、ほぼ変化が見られないが、表7に示すように、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムの添加により、水分量が保持されていることが確認された。これは、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムの乳化作用により、水分量が維持できているためであると考えられる。
[試験4:乳化機能を有する添加物を併用したときの、過酷な条件での歩留りの比較]
試験3よりも過酷な条件でウォーマーでの保管を行い、ウォーマー前後の歩留りの比較を行った。乳化機能を有する添加物は、試験3と同じ、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム(試験区2)およびキサンタン(試験区3)を使用し、表8に示す配合で試験溶液を製造した。また、比較例として、表8に示す配合で、乳化機能を有する添加物を添加しない溶液(試験区1)を製造した。なお、澱粉としては、タピオカ澱粉を使用している。
試験方法は、ウォーマーでの保管を、最大温度85℃で5時間保管した他は、試験3と同じである。ウォーマー前後の歩留りの計算結果を、表9に示す。表9に示すように、ウォーマー前後での歩留りは、無添加のものと比べ、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムの添加で8%増加し、キサンタンの添加で5%増加しており、これらの乳化機能を有する添加物の添加により、歩留りの向上が確認された。
[試験5:乳化後の油滴の観察]
水と油に、乳化機能を有する添加物としてオクテニルコハク酸デンプンナトリウムを添加したときの、油および水の乳化状態の観察を行った。試験では、表10に示す2種類の配合で、水と食用油脂とオクテニルコハク酸デンプンナトリウムとを混合し、ハンドミキサーにより最高速で5分間撹拌したとき、および、ホモミキサーにより 5000rpmで5分間撹拌したときについて、撹拌後の状態を観察した。観察には、デジタルマイクロスコープを使用した。
観察結果を、図3に示す。図3に示すように、オクテニルコハク酸デンプンナトリウムを添加し、撹拌することで、油滴が細かくなることが確認された。
[試験6:乳化液の油の粒度分布測定]
水と油に、乳化機能を有する添加物を添加したときの、乳化液に含まれる油の粒度分布の測定を行った。試験では、水 100g、食用油脂 33μl、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム 0.10g、キサンタン 0.05gを混合し、ホモミキサーにより 5000rpmで5分間撹拌した。撹拌後の乳化液について、レーザー回析式粒度分布測定装置「SALD-300V(株式会社島津製作所社製)」で粒度分布を測定した。
粒度分布の測定結果を、図4に示す。図4に示すように、すべての油の粒子が50μm以下になっているわけではないが、全粒子の50%を占める粒子の大きさが35.937μm以下であり、全粒子の74%が50μm以下になっていることが確認された。
[試験7:インジェクションでの効果確認]
試験2〜4では、タンブリング処理で食肉に各材料を添加していたが、ここでは、各材料を含みあらかじめ乳化させた溶液を、インジェクション処理で食肉に添加したときの効果を調べる試験を行った。本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤を含む試験溶液を、表11に示す配合で製造し、その試験溶液を、タンブリング処理およびインジェクション処理でそれぞれ食肉に添加し、歩留りおよび食感の官能評価について比較を行った。
試験では、まず、解凍した鶏もも肉をテンダリングした後、2等分にカットした。タンブリング処理を行うもの(試験区1)では、カットした肉と試験溶液とを合わせ、タンブリング(30分×2回)を行った。また、インジェクション処理を行うもの(試験区2)では、ホモミキサーにより5000rpmで10分間撹拌した試験溶液を、カットした肉に25%の割合でインジェクションした。試験区1、試験区2ともに、冷蔵で一晩静置した。その後、各処理後の肉を、焼成(220℃で10分間)し、凍結、解凍してから、ウォーマー(70〜80℃)で4時間保管した。保管後の肉を用いて、食感の官能評価を行った。なお、歩留りは、各段階で重量を測定し、計算した。歩留りの試験結果を表12に示す。
表12に示すように、歩留りは、タンブリング処理したもの(試験区1)とインジェクション処理したもの(試験区2)とで、ほぼ同じ結果であった。食感は、ウォーマー前では、タンブリング処理したもの(試験区1)およびインジェクション処理したもの(試験区2)ともに、やわらかくしっとりした食感であった。また、ウォーマー後では、タンブリング処理したもの(試験区1)およびインジェクション処理したもの(試験区2)ともに、やや固くなるものの、やわらかさが残っていた。このように、表12に示す歩留りおよび食感の官能評価の結果から、インジェクション処理であっても、タンブリング処理と同じ歩留向上効果および食感維持効果が得られることが確認された。
メンチカツとして、表13に示す配合で、本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤を含むもの(本発明1、2)および含まないもの(比較例)を製造した。
メンチカツは、以下のようにして製造された。まず、表13に示す配合で、各材料を混合し、約45gで成型してから凍結した。「バッターミックス T−123(昭和産業株式会社製)」を使用して衣付けを行い、再び凍結した。その後、油ちょうし(油で揚げ;165℃で9分間)、30〜40℃で保温機にて保温した(20時間)。なお、保温中には、吸水シート上にメンチカツを載せ、ドリップを確認した。油ちょう前後の歩留り、保温中のドリップ量、保温中の蒸発率を測定し、その結果を表14に示す。また、保温後の吸水シートの油染みの状態を、図5に示す。
表14および図5に示すように、油ちょう時の歩留りにはほとんど差がないが、保温中の油分の流出量は、比較例に比べて、本発明1および2の方が少なく、特に、本発明2では、比較例の約半分となっていることが確認された。保温後のメンチカツは、比較例ではパサついた食感であったが、本発明1および2ではジューシー感が保持されており、特に、本発明2のシューシー感が高かった。
唐揚げとして、表15に示す配合で、本発明の実施の形態の食肉用品質改良剤を含むもの(本発明1、2)および含まないもの(比較例)を製造した。
唐揚げは、以下のようにして製造された。まず、とりももをテンダリングして、20〜30gずつにカットし、表15に示す配合で、各材料を混合してタンブリング(30分×2回)した。その肉に、衣を付けて油ちょうし(170℃で4分半)、凍結した。その後、レンジで加熱し、再油ちょうした(160℃で6分間)。タンブリング前後、油ちょう後、レンジ加熱前後、再油ちょう後の歩留りを測定し、その結果を表16に示す。
表16に示すように、油ちょう時、レンジアップ時、再油ちょう時の歩留りは、比較例に比べて、本発明1および2の方が高く、油分を多く含むことが確認された。

Claims (6)

  1. 粒径が25μm以下の澱粉と、食用油脂とを有することを特徴とする食肉用品質改良剤。
  2. 前記澱粉は、米澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチ、コーンスターチ、および、米澱粉、タピオカ澱粉、ワキシーコーンスターチまたはコーンスターチを原料とした加工澱粉のうちの1種または2種以上の組み合わせから成ることを特徴とする請求項1記載の食肉用品質改良剤。
  3. さらに乳化機能を有する添加物を有することを特徴とする請求項1または2記載の食肉用品質改良剤。
  4. 前記乳化機能を有する添加物は、キサンタンガム、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、アラビアガム、タマリンドシードガム、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンのうちの1種または2種以上の組み合わせから成ることを特徴とする請求項3記載の食肉用品質改良剤。
  5. 請求項1、2、3または4記載の食肉用品質改良剤を含む食肉を有することを特徴とする保温用食品。
  6. タンブリング処理またはインジェクション処理により、請求項1、2、3または4記載の食肉用品質改良剤を食肉に添加することを特徴とする保温用食品の製造方法。
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