以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(無線通信システム100)
図1は、無線通信システム100の概略的な構成を示した説明図である。図1に示すように、無線通信システム100は、無線端末110と、通信端末112と、ゲートウェイ機器114と、ネットワーク116と、センター装置118と、移動端末120とを含んで構成される。
無線端末110は、移動(携帯)可能な装置であり、他の無線端末110およびゲートウェイ機器114と無線通信を行うことができる。かかる無線端末110は、単体で移動することもできるが、他の物に内蔵させたり、付設させることができる。ここで、他の物としては、鍵210、財布、定期入れや後述する移動端末120等、様々な携行品や、自転車212、モータバイク、車等、移動可能な様々な物を適用することができる。
本実施形態では、無線端末110同士および無線端末110とゲートウェイ機器114との間の通信として、RIT(Receiver Initiated Transmission)方式を通じた無線通信を例に挙げて説明する。RIT方式は、例えば、無線端末(ノード)110間においてリレー方式でデータを送受信し、電波状況に応じて経由する端末の経路を変更可能なマルチホップ通信に用いられ、通信規格IEEE802.15.4/4eに準拠し低消費電力を実現する通信方式である。RIT方式については後程詳述する。
通信端末112は、ゲートウェイ機器114と、無線または有線により通信を行うことができる。ここでは、通信端末112として、スピーカ214、扉216、給湯器218、スマートメータ(ガスメータ)220等の居住者宅に設置された装置を想定する。スピーカ214は音声を出力する。扉216は居住者宅への居住者の出入りに用いられる。給湯器218はガスにより湯を供給する。スマートメータ220は、例えば、ガス事業者から居住者にガスを供給する場合に用いられ、ガスの使用量を自動検針する。
なお、ここでは、スマートメータ220に通信端末112が組み込まれ、ゲートウェイ機器114を通じて、ガスの使用に関する情報をセンター装置118に伝送する例を挙げて説明するが、かかる場合に限らず、スマートメータ220に、ゲートウェイ機器114を組み込んで、ガスの使用に関する情報をセンター装置118に直接伝送することもできる。なお、この場合、スマートメータ220が下記のゲートウェイ機器114の機能を有することになる。
ゲートウェイ機器114は、例えば、居住者宅に対応して設置され、無線端末110や通信端末112のデータを収集し、また、無線端末110や通信端末112に対してデータを配信する。したがって、ゲートウェイ機器114の通信対象となる無線端末110および通信端末112は、居住者の所有物であるとする。また、ゲートウェイ機器114は、センター装置118との通信も確立できる。
ネットワーク116は、携帯電話網やPHS(Personal Handyphone System)網等を含む通信網であり、ゲートウェイ機器114とセンター装置118との通信や、センター装置118と移動端末120との通信を確立する。センター装置118は、コンピュータ等で構成され、ガス事業者や電力事業者といった無線通信システム100の管理者側に属する機器で、ゲートウェイ機器114からデータを収集し、また、ゲートウェイ機器114に対してデータを配信する。移動端末120は、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等の無線により通信が可能な電子機器であり、センター装置118と通信を確立することができる。
(無線端末110)
図2は、無線端末110の概略的な構成を示した機能ブロック図である。無線端末110は、無線通信部150と、無線記憶部152と、バッテリ154と、無線中央制御部156とを含んで構成される。無線通信部150は、ゲートウェイ機器114や他の無線端末110と無線通信を確立する。無線記憶部152は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、無線端末110に用いられるプログラムや各種データを記憶する。バッテリ154は、電気エネルギーを蓄積し、少なくとも無線通信部150に電力を供給する。
無線中央制御部156は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)で構成され、無線記憶部152に格納されたプログラムを用い、無線端末110全体を制御する。また、無線中央制御部156は、無線通信制御部160、無線記憶制御部162、報知制御部164、バッテリ判定部166としても機能する。
無線通信制御部160は、無線通信部150を制御し、ゲートウェイ機器114や他の無線端末110とRIT方式の通信を遂行する。無線記憶制御部162は、ゲートウェイ機器114や他の無線端末110から送信されたデータや、自機および自機に属する装置で生成されたデータを無線記憶部152に記憶させる。報知制御部164は、音、光、および、振動のいずれかを発生させる。バッテリ判定部166は、電波強度やバッテリ154の電圧に基づいてバッテリ154の残容量を検知する。かかるバッテリ154の残容量の検知方法は、既存の様々な技術を適用可能なので、ここではその説明を省略する。
このように、無線端末110は、他の無線端末110やゲートウェイ機器114から受信したデータを記憶するとともに、無線記憶部152に記憶されたデータを、必要に応じて他の無線端末110やゲートウェイ機器114に送信する。以下、このような送信対象となるデータを対象データと称する。
(ゲートウェイ機器114)
図3は、ゲートウェイ機器114の概略的な構成を示した機能ブロック図である。ゲートウェイ機器114は、ゲート通信部170と、ゲート記憶部172と、ゲート中央制御部174とを含んで構成される。ゲート通信部170は、センター装置118とネットワーク116を通じた無線通信を確立し、無線端末110とRIT方式の無線通信を確立し、また、通信端末112と無線または有線による通信を確立する。ゲート記憶部172は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、HDD等で構成され、ゲートウェイ機器114に用いられるプログラムや各種データを記憶する。
ゲート中央制御部174は、CPUやDSPで構成され、ゲート記憶部172に格納されたプログラムを用い、ゲートウェイ機器114全体を制御する。また、ゲート中央制御部174は、ゲート通信制御部180、ゲート記憶制御部182、通信判定部184、開錠報知部186、ガス報知部188としても機能する。
ゲート通信制御部180は、ゲート通信部170を制御し、無線端末110とRIT方式の通信を遂行するとともに、通信端末112と既存の方式で通信を遂行する。ゲート記憶制御部182は、無線端末110や通信端末112から送信されたデータや、自機および自機に属する装置で生成されたデータをゲート記憶部172に記憶させる。通信判定部184は、無線端末110との通信確立の可否を判定する。開錠報知部186は、扉216の鍵が開錠状態であることを報知する。ガス報知部188は、ガスが使用状態であることを報知する。以下、無線端末110同士および無線端末110とゲートウェイ機器114との間で遂行されるRIT方式の通信について詳述する。
(RIT方式の通信)
図4は、RIT方式における通信の待受態様について説明するための説明図である。ここでは、2つの無線端末110a、110b同士が、RIT方式の無線通信を行う場合について説明する。図4に示すように、無線端末110aおよび無線端末110bは、それぞれ、予め設定された間欠動作間隔(MAC RIT Period)おきに(周期的に)、RIT Data Request Frame(図4中、フレームRFa、フレームRFbで示す)を送信する。RIT Data Request Frameは、通信規格IEEE802.15.4のMAC部と同様のフレーム構成である。
具体的には、無線端末110a、110bが送信するフレームRFa、RFbには、例えば、自機(無線端末110a、110b)のネットワークID(PANID:Personal Area Network ID、自機が加わっているPANを識別する情報)とアドレス情報(無線通信システム100に含まれる個々の無線端末110を識別する識別情報)等が含まれる。また、無線端末110a、110bは、自機に対して対象データを送信する他の無線端末110に関するネットワークIDとアドレス情報を無線記憶部152に記憶しており、フレームRFa、RFbには、このネットワークIDとアドレス情報についても含まれている。
そして、無線端末110a、110bそれぞれは、フレームRFa、RFbの送信後、予め設定された所定期間WD(RIT Data Wait Duration)、第1受信待受状態となる。第1受信待受状態は、無線中央制御部156が、対象データの受信に必要な機能が有効となるように無線通信部150を制御している状態である。
図5は、RIT方式におけるデータの送信態様について説明するための説明図である。図5に示すように、無線端末110aにおいて、送信すべき対象データTDFaが生じると(外部から取得もしくは内部で生成すると)、無線端末110aは、図5中、ハッチングで示すように第2受信待受状態となる。第2受信待受状態は、無線中央制御部156が、フレームRFbの受信に必要な機能が有効となるように無線通信部150を制御している状態である。
そして、無線端末110aは、無線端末110bが送信したフレームRFbを受信する。このフレームRFbに含まれるネットワークIDとアドレス情報が自機を示すものであれば、無線端末110aは、対象データTDFaを無線端末110bに送信する。
無線端末110bは、フレームRFbを送信した後、所定期間WD、第1受信待受状態となっていることから、無線端末110aが送信した対象データTDFaを受信することが可能となる。
このように、RIT方式は、無線端末110bがフレームRFbを間欠送信することで、対象データTDFaの受信を可能としている。そのため、例えば、無線端末の送信機能、がWakeup Sequenceと呼ばれるWakeup Frameの連続送信を行って、他の無線端末の受信機能に対し、受信を促すCSL(Coordinated Sampled Listening)方式に比べ、消費電力を大幅に削減することができる。
かかるRIT方式を採用することで、連続して電波を出力し続ける時間を大幅に削減できる。また、その電波強度を抑えることで、長時間の低消費電力動作が可能となる。その反面、RIT方式では、その通信範囲が限られる。例えば、図1のように、居住者宅において無線端末110を利用する場合、無線端末110の通信可能範囲200が、実線の円で示される、ゲートウェイ機器114から所定の距離範囲に限られる。ここでは、このように、通信範囲が限定されることを利用して、当該RIT方式による通信を様々なアプリケーションに応用する。
(第1の実施形態:所在確認)
図6は、第1の実施形態における無線通信システム100の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、移動端末120を通じて居住者宅内に携行品である鍵210が存在するか否か確認する例を挙げて説明する。なお、ここでは携行品として鍵210を挙げているが、財布や定期入れ等、移動可能な様々な物を採用できるのは言うまでもない。
図6の例では、鍵210に無線端末110が内蔵されている。したがって、ゲートウェイ機器114は、鍵210の位置が通信可能範囲200内であれば、すなわち、居住者宅内であれば、鍵210に内蔵された無線端末110とRIT方式による無線通信を確立することができる。一方、鍵210の位置が通信可能範囲200外となってしまうと、ゲートウェイ機器114と鍵210に内蔵された無線端末110とはRIT方式による無線通信を確立することができなくなる。
具体的に、例えば、居住者10が外出先で鍵210を携帯していないことに気付いたとする。ここで、居住者10は、鍵210が居住者宅内に存在するか否か確認すべく、移動端末120の所定のアプリケーションを通じて、センター装置118から鍵210の所在確認を行う。
ゲートウェイ機器(基準端末)114のゲート通信部(基準通信部)170では、無線端末110とのRIT方式による通信を試みる。センター装置118から所在確認の指令を受信すると、ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、所在確認の指令を受ける直前までの所定期間(例えばMAC RIT Period)内に、鍵210に内蔵された無線端末110からRIT Data Request Frameが受信されているか否か判定し、RIT Data Request Frameが受信されていれば、当該無線端末110との通信が可能であると判断する。ここでは、RIT方式において定期的に出力されるRIT Data Request Frameを、データの送受信のためだけでなく、位置関係の導出にも利用する。
そして、通信判定部184は、その判定結果を、センター装置118を通じて移動端末120に伝達する。こうして、居住者10は、移動端末120を通じて、無線端末110とゲートウェイ機器114との距離が通信可能範囲200内であるか否か、すなわち、鍵210が居住者宅内に存在するか否かを確認することが可能となる。
なお、居住者宅において複数に区分された複数の部屋それぞれにゲートウェイ機器114や他の無線端末110が配置されている場合、無線端末110が、複数のゲートウェイ機器114から受信した信号の電波強度を比較し、その電波強度から、いずれのゲートウェイ機器114が近いかを検知することで、その無線端末110が、複数の部屋のいずれに位置しているかを把握することもできる。かかる構成を用いることで、居住者10は、鍵210がいずれの部屋に位置するかを確認することが可能となる。
図7は、第1の実施形態における無線通信システム100の他の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、移動端末120を通じて、居住者宅内の鍵210の位置を確認する例を挙げて説明する。また、鍵210に無線端末110および振動部210aが内蔵され、両者が接続されている例を挙げる。
例えば、居住者宅内において、居住者10が鍵210の位置が分からなくなったとする。ここで、居住者10は、鍵210の位置を確認すべく、移動端末120の所定のアプリケーションを通じて、センター装置118から鍵210の位置確認を行う。
センター装置118から鍵210の位置確認の指令を受信すると、ゲートウェイ機器(基準端末)114のゲート通信部(基準通信部)170は、鍵210に内蔵された無線端末110に、振動を発生させる対象データを送信する。そして、無線端末110の報知制御部164は、対象データに基づき、同じく鍵210に内蔵された振動部210aを通じて振動を発生させる。ここでは、報知制御部164が振動部210aを通じて振動を発生させる例を挙げているが、かかる場合に限らず、音や光を発生させてもよい。
こうして、居住者10は、鍵210(正確には鍵210に内蔵された振動部210a)が振動していることに基づいて、鍵210の位置を知ることができる。
また、このとき、ゲートウェイ機器114の通信判定部184が、所定期間内に、鍵210に内蔵された無線端末110からRIT Data Request Frameが受信されているか否か判定し、その判定結果を、センター装置118を通じて移動端末120に伝達してもよい。こうして、鍵210の詳細な位置が分からなかったとしても、居住者10は、移動端末120を通じて、少なくとも、無線端末110とゲートウェイ機器114との距離が通信可能範囲200内であるか否か、すなわち、鍵210が居住者宅内に存在するか否かを確認することが可能となる。
ここでは、RIT方式による通信の通信範囲が限られることを利用して、無線端末110の消費電力を低減しつつ、端末同士(ゲートウェイ機器114および無線端末110)の位置関係を把握することが可能となる。
なお、ここでは、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110と通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110と通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110の通信可能範囲が広がることとなる。
(第2の実施形態:電池残量検知)
図8は、第2の実施形態における無線通信システム100の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者宅内に存在する鍵210に内蔵された無線端末110のバッテリ154の残容量を確認する例を挙げて説明する。なお、ここでも携行品として鍵210を挙げているが、財布や定期入れ等、移動可能な様々な物を採用できるのは言うまでもない。
図8の例では、鍵210に無線端末110が内蔵されている。したがって、ゲートウェイ機器114は、鍵210の位置が通信可能範囲200内であれば、すなわち、居住者宅内であれば、鍵210に内蔵された無線端末110とRIT方式による無線通信を確立することができる。このように無線通信が確立されると、ゲートウェイ機器114は、無線端末110のバッテリ154の残容量を確認することができる。
具体的に、例えば、無線端末110のバッテリ判定部166は、所定周期(例えば1日)毎に、バッテリ154の残容量を検知する。そして、バッテリ154の残容量が予め定められた閾値以下となると、バッテリ判定部166は、その旨をゲートウェイ機器(基準端末)114に送信する。
ゲートウェイ機器114のゲート通信制御部180は、かかるバッテリ154の残容量が閾値以下になったことを把握すると、ゲート通信部(基準通信部)170を通じて、音を発生させる対象データを、スピーカ214に内蔵された通信端末112に送信する。通信端末112は、対象データに基づき、スピーカ214を通じて音を発生させる。ここでは、スピーカ214を通じて音を発生させる例を挙げているが、かかる場合に限らず、光や振動を発生させてもよい。
また、このとき、バッテリ154の残容量が少なくなった無線端末110や、それが内蔵された携行品を特定できる態様、例えば、「鍵の電池が少なくなっています。」という音声によって、バッテリ154の残容量が閾値以下になったことを報知するとしてもよい。
このような鍵210等に内蔵された無線端末110は、その残容量が把握されない状態で放置されることが多い。したがって、第1の実施形態で示した手段により鍵210の位置を探そうとしても、そのときには既にバッテリ154の残容量がなく、無線端末110が使用不能となっている場合がある。この場合、第1の実施形態で示した手段では、鍵210が居住者宅に存在しないことになってしまう。
ここでは、無線端末110のバッテリ154の残容量が閾値以下になったタイミングで、スピーカ214を通じてその旨報知されるので、居住者10は、最適なタイミングでバッテリ154を交換することができる。また、RIT方式では、このようにバッテリ154の残容量を検知するための消費電力を抑えることが可能なので、バッテリ154の残容量を検知するためにバッテリ154の残容量がなくなるといった本末転倒な事態が生じることなく、RIT方式の低消費電力および長時間駆動といった利点を活かすことができる。こうして、バッテリ154の残容量がないことにより無線端末110が利用できない問題を回避することが可能となる。
かかるバッテリ154の残容量が少なくなったことを報知する構成を第1の実施形態に適用することで、バッテリ154の残容量がなくなってしまい、鍵210が居住者宅に存在しているにも拘わらず、存在しないことになる事態を回避することが可能となる。
また、ここでは、バッテリ判定部166が、バッテリ154の残容量が閾値以下となると、その旨を、スピーカ214を通じて報知する例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、無線端末110同様、鍵210に他のスピーカが内蔵されている場合、例えば、ビープ音等により、鍵210自体において、バッテリ154の残容量が閾値以下となったことが他のスピーカから報知されるとしてもよい。
図9は、第2の実施形態における無線通信システム100の他の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、移動端末120を通じて、鍵210に内蔵された無線端末110のバッテリ154の残容量を確認する例を挙げて説明する。
例えば、居住者宅内において、居住者10が鍵210に内蔵された無線端末110のバッテリ154の残容量を確認しようと試みたとする。ここで、居住者10は、移動端末120の所定のアプリケーションを通じて、センター装置118から、鍵210に内蔵された無線端末110のバッテリ154の残容量確認を行う。
センター装置118から残容量確認の指令を受けると、ゲートウェイ機器114のゲート通信部170は、鍵210に内蔵された無線端末110に、バッテリ154の残容量を問う対象データを送信する。そして、無線端末110のバッテリ判定部166は、対象データに基づき、その時点のバッテリ154の残容量を検知し、検知したバッテリ154の残容量を、無線通信部150を通じてゲートウェイ機器114に送信する。そして、ゲートウェイ機器114は、そのバッテリ154の残容量を、センター装置118を通じて移動端末120に伝達する。
こうして、居住者10は、鍵210に内蔵された無線端末110のバッテリ154の残容量を確認することが可能となる。
また、かかるバッテリ154の残容量を確認する構成を第1の実施形態に適用することで、バッテリ154の残容量がなくなってしまい、鍵210が居住者宅に存在しているにも拘わらず、存在しないことになる事態を回避することが可能となる。
また、このとき、ゲートウェイ機器114の通信判定部184が、所定期間内に、鍵210に内蔵された無線端末110からRIT Data Request Frameが受信されているか否か判定し、その判定結果を、センター装置118を通じて移動端末120に伝達してもよい。こうして、居住者10は、移動端末120を通じて、少なくとも、無線端末110とゲートウェイ機器114との距離が通信可能範囲200内であるか否か、すなわち、鍵210が居住者宅内に存在するか否かを確認することが可能となる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110と通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110と通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110の通信可能範囲が広がることとなる。
(第3の実施形態:紛失検知)
図10は、第3の実施形態における無線通信システム100の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、自転車212が居住者宅から持ち去られたことを報知する例を挙げて説明する。なお、ここではその対象として自転車212を挙げているが、モータバイク、車等、移動可能な様々な物を採用できるのは言うまでもない。また、自ら移動するペットや子供にも適用することができる。
図10の例では、自転車212に無線端末110が内蔵されている。したがって、ゲートウェイ機器114や他の無線端末110は、自転車212の位置が通信可能範囲200内であれば、すなわち、居住者宅内であれば、自転車212に内蔵された無線端末110とRIT方式による無線通信を確立することができる。一方、自転車212の位置が通信可能範囲200外となってしまうと、自転車212に内蔵された無線端末110とRIT方式による無線通信を確立することができなくなる。
具体的に、ゲートウェイ機器114(基準端末)のゲート通信部(基準通信部)170では、無線端末110とのRIT方式による通信を試みる。ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、所定期間内に、自転車212に内蔵された無線端末110からRIT Data Request Frameが受信されているか否か判定し、RIT Data Request Frameが受信されていれば、当該無線端末110との通信が可能であると判断する。
ここで、例えば、自転車212が居住者宅内から第三者に持ち去られた(盗難された)とする。こうして、RIT Data Request Frameが所定期間内に受信されなくなると(途切れると)、通信判定部184は、当該無線端末110との通信が不可能であると判断し、ゲート通信部170を通じて、音を発生させる対象データを、スピーカ214に内蔵された通信端末112に送信する。通信端末112は、対象データに基づき、スピーカ214を通じて音を発生させる。こうして、居住者10は、自転車212が持ち去られたことを早期に把握することができる。
ここでは、スピーカ214を通じて音を発生させる例を挙げているが、かかる場合に限らず、光や振動を発生させてもよい。また、このとき、通信が不可能となった無線端末110や、それが内蔵された物を特定できる態様、例えば、「自転車が盗難に遭いました。」という音声によって、居住者宅から自転車212が離隔したことを報知するとしてもよい。また、ここでは、通信判定部184が、任意の時点に、無線端末110との通信が不可能であると判断したことにより、その旨報知する例を挙げているが、かかる場合に限らず、無線端末110との通信が可能な状態から不可能な状態に変化したことを契機に(その通信履歴に応じて)、その旨報知するとしてもよい。
また、通信判定部184は、当該無線端末110との通信が不可能であることの判定結果を、センター装置118を通じて移動端末120に伝達してもよい。こうして、居住者10は、移動端末120を通じて、無線端末110とゲートウェイ機器114との距離が通信可能範囲200より遠くなったこと、すなわち、自転車212が居住者宅外に持ち去れたことを把握することが可能となる。
また、無線端末110をペットや子供に装着させることで、意図せず居住者宅から離れた場合であっても、移動端末120を通じて、そのことが早期に知らされるので、ペットや子供が行方不明になる等の事故を未然に防ぐことが可能となる。
また、第2の実施形態において図9を用いて説明したように、無線端末110のバッテリ154の残容量が閾値以下になったタイミングで、スピーカ214を通じてその旨報知するとしてもよい。また、第2の実施形態において説明したように、移動端末120を通じて、鍵210に内蔵された無線端末110のバッテリ154の残容量を確認することもできる。こうして、居住者10は、最適なタイミングでバッテリ154を交換することができ、バッテリ154の残容量がないことにより無線端末110が利用できない問題を回避することが可能となる。
ここでは、RIT方式による通信の通信範囲が限られることを利用して、無線端末110の消費電力を低減しつつ、端末同士(ゲートウェイ機器114および無線端末110)の位置関係を把握することが可能となる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110と通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110と通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110の通信可能範囲が広がることとなる。
(第4の実施形態:施錠確認)
図11は、第4の実施形態における無線通信システム100の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者宅内に居住者10が居るときに、扉が開錠状態である場合に、その旨報知する例を挙げて説明する。なお、ここでは移動端末120に無線端末110が内蔵されている例を挙げているが、両者が別体で存在するのを拒むものではない。
具体的に、扉216に装着された鍵センサ216aは、居住者宅の扉216の鍵の開閉状態を検知する。そして、扉216に内蔵された通信端末112が、鍵センサ216aを通じて、鍵の開閉状態を監視し、鍵が開錠状態であれば、その旨、ゲートウェイ機器114に伝達する。
ここで、居住者10が外出先から帰宅して居住者宅内に入り、居住者10が有する移動端末120も居住者宅内に入ったとする。そうすると、移動端末120に内蔵された無線端末110がゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれることとなり、ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、無線端末110との通信を確立する(RIT Data Request Frameを受信する)。そして、ゲートウェイ機器114の開錠報知部186は、鍵センサ216aから開閉状態を受信していることを条件に、通信判定部184が無線端末110との通信を確立したときから計時を開始する。そして、計時を開始してから所定時間(例えば10分間)に亘って、鍵センサ216aが検知する鍵の開閉状態が開錠状態であると、開錠報知部186は、センター装置118を通じて移動端末120にその旨報知する。
こうして、居住者10は、移動端末120を通じて、扉216が開錠していることを把握することが可能となる。ここでは、扉216の開錠状態を常に報知するのではなく、居住者宅内に入ったあと、所定時間経過した場合にのみ、すなわち、帰宅後に扉216の鍵を閉め忘れている場合にのみ、その旨報知するので、施錠や開錠の不要かつ高頻度な報知を受けることなく、本来報知が必要な場合のみ報知されることとなる。したがって、居住者10が、開錠状態の報知頻度が高すぎて、その報知自体を軽視することもなくなる。
また、計時を開始してから所定時間に亘って、鍵センサ216aが検知する鍵の開閉状態が開錠状態である場合にのみ報知することで、所定時間の間に訪問者が訪れ、鍵の開閉状態を変化させた場合等、鍵が開錠となっていることに特定の事情があるときにまで無駄に開錠報知することがなくなる。
また、通信判定部184は、居住者宅内に居る居住者10の移動端末120のみならず、居住者宅外に出ている居住者10、例えば、保護者等の移動端末120にも扉の鍵が開錠状態であることを報知してもよい。こうして、居住者宅外に出ていた場合であっても、保護者は、扉216が開錠していることを把握することが可能となる。また、この場合、保護者は、移動端末120を用い、センター装置118およびゲートウェイ機器114を通じて(遠隔操作を行い)、鍵を施錠状態に移行させることができるとしてもよい。こうして、保護者は、居住者宅外であっても、居住者宅の扉216の鍵の開閉状態を操作し、安全な状態にすることが可能となる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110と通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110と通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110の通信可能範囲が広がることとなる。
また、ここでは、在宅検知部として、通信判定部184を挙げ、移動端末120に内蔵された無線端末110がゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれ、通信判定部184が無線端末110との通信を確立する(RIT Data Request Frameを受信する)ことで居住者10の在宅を検知した。しかし、かかる場合に限らず、スマートメータ220、給湯器218、ガスコンロ等が使用されたことを検知したり、人感センサ等により人を検知したり、GPS(Global Positioning System)等の位置検出装置により居住者宅内に存在することを検知したりする等、居住者宅に居住者10が在宅する在宅状態を検知する様々な手段を用いることができる。
図12は、第4の実施形態における無線通信システム100の他の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者宅内において居住者10が入浴しているときに、扉216が開錠状態である場合に、その旨報知する例を挙げて説明する。
具体的に、扉216に内蔵された鍵センサ216aは、居住者宅の扉216の鍵の開閉状態を検知する。そして、扉216に内蔵された通信端末112が、鍵センサ216aを通じて、鍵の開閉状態を監視し、鍵が開錠状態であれば、その旨、ゲートウェイ機器114に伝達する。また、給湯器218に内蔵されたガスセンサ218aは、給湯器218におけるガスの使用を検知する。そして、給湯器218に内蔵された通信端末112が、ガスセンサ218aを通じて、給湯器218を監視し、給湯器218が使用状態であれば、その旨、ゲートウェイ機器114に伝達する。
ここで、居住者10が居住者宅内において入浴する場合、浴室に対応する給湯器218が使用状態となる。ゲートウェイ機器114の開錠報知部186は、鍵センサ216aから開閉状態を受信し、かつ、給湯器218の使用状態を受信すると、センター装置118を通じて移動端末120にその旨報知する。
こうして、居住者10は、移動端末120を通じて、入浴前や入浴中に扉216が開錠していることを把握することが可能となる。ここでは、扉216の開錠状態を常に報知するのではなく、扉216の鍵を閉め忘れている状態で入浴しようとしたり、入浴したときのみ、その旨報知するので、施錠や開錠の不要かつ高頻度な報知を受けることなく、本来報知が必要な場合のみ報知されることとなる。したがって、居住者10が、開錠状態の報知頻度が高すぎて、その報知自体を軽視することもなくなる。
また、通信判定部184は、居住者宅内に居る居住者10の移動端末120のみならず、居住者宅外に出ている居住者10、例えば、保護者等の移動端末120にも扉216の鍵が開錠状態であることを報知してもよい。こうして、居住者宅外に出ていた場合であっても、保護者は、扉216が開錠していることを把握することが可能となる。また、この場合、保護者は、移動端末120を用い、センター装置118およびゲートウェイ機器114を通じて(遠隔操作を行い)、鍵を施錠状態に移行させることができるとしてもよい。こうして、保護者は、居住者宅外であっても、居住者宅の扉216の鍵の開閉状態を操作し、安全な状態にすることが可能となる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110と通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110と通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110の通信可能範囲が広がることとなる。
また、ここでは、居住者10が入浴することを検知し、そのことに基づいて鍵の開錠状態を報知する例を挙げて説明したが、報知の対象となるのは居住者10の入浴前や入浴中に限らず、トイレに入っているとき(人感センサ反応)や調理中(ガスコンロ使用)等、不法侵入者に即時に対応できない状態にある場合を対象とすることができる。
図13は、第4の実施形態における無線通信システム100の他の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者宅外から居住者10が帰宅したときに、扉216がすでに開錠状態である場合に、その旨報知する例を挙げて説明する。なお、ここでは移動端末120に無線端末110が内蔵されている例を挙げているが、両者が別体で存在するのを拒むものではない。
具体的に、扉216に内蔵された鍵センサ216aは、居住者宅の扉の鍵の開閉状態を検知する。そして、扉216に内蔵された通信端末112が、鍵センサ216aを通じて、鍵の開閉状態を監視し、鍵が開錠状態であれば、その旨、ゲートウェイ機器114に伝達する。
ここで、居住者10が外出先から帰宅しようとしたとする。そうすると、移動端末120に内蔵された無線端末110がゲートウェイ機器114の通信可能範囲202(上述した通信可能範囲200より広い範囲)に含まれることとなり、ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、無線端末110との通信を確立する(RIT Data Request Frameを受信する)。このとき、鍵センサ216aから開閉状態を受信していた場合、ゲートウェイ機器114の開錠報知部186は、センター装置118を通じて移動端末120にその旨報知する。
なお、ここでは、理解を容易にするため、第4の実施形態におけるゲートウェイ機器114の通信可能範囲202は、他の実施形態におけるゲートウェイ機器114の通信可能範囲200より広いとした。しかし、通信可能範囲200、202は、ゲートウェイ機器114および無線端末110の電波強度により調整することが可能であり、通信可能範囲200が通信可能範囲202と同等に広いとしても問題ない。
ここで、居住者10は、移動端末120を通じて、居住者宅に到着する前に、扉216が開錠していることを把握することが可能となる。こうして、居住者10は、不法侵入者が存在する可能性を把握でき、扉216を開ける前に、警察に連絡する等、不法侵入者に対応することができる。ここでは、扉216の開錠状態を常に報知するのではなく、移動端末120がゲートウェイ機器114の通信可能範囲202に入った場合にのみ、その旨報知するので、施錠や開錠の不要かつ高頻度な報知を受けることなく、本来報知が必要な場合のみ報知されることとなる。したがって、居住者10が、開錠状態の報知頻度が高すぎて、その報知自体を軽視することもなくなる。
図14は、第4の実施形態における無線通信システム100の他の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者10が外出したとき、扉216が施錠されていなかった場合に、その旨報知する例を挙げて説明する。なお、ここでは移動端末120に無線端末110が内蔵されている例を挙げているが、両者が別体で存在するのを拒むものではない。
具体的に、扉216に内蔵された鍵センサ216aは、居住者宅の扉216の鍵の開閉状態を検知する。そして、扉216に内蔵された通信端末112が、鍵センサ216aを通じて、鍵の開閉状態を監視し、鍵が開錠状態であれば、その旨、ゲートウェイ機器114に伝達する。
ここで、居住者10が外出しようとしたとする。そうすると、移動端末120に内蔵された無線端末110がゲートウェイ機器114の通信可能範囲202から外れることとなり、ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、無線端末110との通信を解除する(RIT Data Request Frameが受信できなくなる)。このとき、鍵センサ216aから開閉状態を受信していた場合、ゲートウェイ機器114の開錠報知部186は、センター装置118を通じて移動端末120にその旨報知する。
ここで、居住者10は、移動端末120を通じて、居住者宅から遠ざかる前に、扉216が開錠していることを把握することが可能となる。こうして、居住者10は、施錠を忘れたことを把握でき、扉216の鍵を施錠状態にすべく、居住者宅に一旦帰宅することができる。ここでは、扉216の開錠状態を常に報知するのではなく、移動端末120がゲートウェイ機器114の通信可能範囲202から外れた場合にのみ、その旨報知するので、施錠や開錠の不要かつ高頻度な報知を受けることなく、本来報知が必要な場合のみ報知されることとなる。したがって、居住者10が、開錠状態の報知頻度が高すぎて、その報知自体を軽視することもなくなる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110と通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110と通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110の通信可能範囲が広がることとなる。
また、ここでは、距離検知部として、通信判定部184を挙げ、移動端末120に内蔵された無線端末110がゲートウェイ機器114の通信可能範囲202に含まれ、通信判定部184が無線端末110との通信を確立する(RIT Data Request Frameを受信する)ことで居住者10の帰宅を検知した。しかし、かかる場合に限らず、GPS等の位置検出装置により、居住者10が居住者宅に近づいたことを検知したり等、無線端末110との距離が所定範囲内となったことを検知する様々な手段を用いることができる。
また、ここでは、鍵が開錠状態であることを契機に移動端末120に報知する例を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、居住者宅内においてガスが長時間使用されていたり、ガスの圧力が低下したり、何らかの異常があった場合に、移動端末120を通じて、その旨、扉216を開ける前に予め報知するとしてもよい。
(第5の実施形態:帰宅検知)
図15は、第5の実施形態における無線通信システム100の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者宅内に子供や老人といった被保護者12が居る場合に、その旨、子供の親や老人の子供といった保護者14に報知する例を挙げて説明する。なお、ここでは移動端末120に無線端末110bが内蔵されている例を挙げているが、両者が別体で存在するのを拒むものではない。
ここで、被保護者12が外出先から帰宅して居住者宅内に入り、被保護者12が有する鍵210も居住者宅内に入ったとする。そうすると、鍵210に内蔵された無線端末(第1無線端末)110aがゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれることとなり、ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、無線端末110aとの通信を確立する。こうして通信判定部184は、無線端末110aが通信可能範囲200に含まれると判定する。また、通信判定部184は、保護者14が有する移動端末120に内蔵された無線端末(第2無線端末)110bとの通信も確立する。ただし、ここでは、保護者14が外出しているので、移動端末120は居住者宅に存在せず、通信判定部184は、無線端末110bが通信可能範囲200に含まれないと判定する。ここでは、無線端末110a、110bがそれぞれ被保護者12、保護者14に対応付けられ、それぞれが識別できるように構成されている。
そして、通信判定部184は、無線端末110bと通信を確立していない状態で、無線端末110aとの通信を確立すると、すなわち、保護者14が不在中に、被保護者12が在宅になると、センター装置118を通じて保護者14の移動端末120にその旨報知する。
こうして、保護者14は、移動端末120を通じて、被保護者12が在宅していることを把握することが可能となり、被保護者12に連絡したり、早期に帰宅する準備をしたりすることができる。
ここでは、保護者14が在宅してない間に被保護者12が在宅となった場合にのみ、その旨報知するので、在宅状態の不要かつ高頻度な報知を受けることなく、本来報知が必要な場合のみ報知されることとなる。したがって、保護者14が、被保護者12の在宅状態の報知頻度が高すぎて、その報知自体を軽視することもなくなる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110a、110bと通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110a、110bと通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110a、110bの通信可能範囲が広がることとなる。
また、ここでは、距離検知部として、通信判定部184を挙げ、被保護者12が有する鍵210に内蔵された無線端末110aや、保護者14が有する移動端末120に内蔵された無線端末110bがゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれ、通信判定部184が無線端末110aや無線端末110bとの通信を確立する(RIT Data Request Frameを受信する)ことで被保護者12や保護者14の在宅有無を検知したが、かかる場合に限らず、GPS等の位置検出装置により被保護者12や保護者14の在宅有無を検知したり等、居住者宅に被保護者12や保護者14が在宅する在宅状態を検知する様々な手段を用いることができる。
図16は、第5の実施形態における無線通信システム100の他の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者宅内に子供や老人といった被保護者12が居るときに、扉216が開錠状態であった場合に、その旨、子供の親や老人の子供といった保護者14に報知する例を挙げて説明する。なお、ここでも移動端末120に無線端末110bが内蔵されている例を挙げているが、両者が別体で存在するのを拒むものではない。
具体的に、扉216に内蔵された鍵センサ216aは、居住者宅の扉216の鍵の開閉状態を検知する。そして、扉216に内蔵された通信端末112が、鍵センサ216aを通じて、鍵の開閉状態を監視し、鍵が開錠状態であれば、その旨、ゲートウェイ機器114に伝達する。
ここで、被保護者12が外出先から帰宅して居住者宅内に入り、被保護者12が有する鍵210も居住者宅内に入ったとする。そうすると、鍵210に内蔵された無線端末110aがゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれることとなり、ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、無線端末110aとの通信を確立する。こうして通信判定部184は、無線端末110aが通信可能範囲200に含まれると判定する。また、通信判定部184は、保護者14が有する移動端末120に内蔵された無線端末110bとの通信も確立する。ただし、ここでは、保護者14が外出しているので、移動端末120は居住者宅に存在せず、通信判定部184は、無線端末110bが通信可能範囲200に含まれないと判定する。ここでは、無線端末110a、110bがそれぞれ被保護者12、保護者14に対応付けられ、それぞれが識別できるように構成されている。
そして、ゲートウェイ機器114の開錠報知部186は、鍵センサ216aから開閉状態を受信するとともに、通信判定部184が無線端末110bと通信を確立していない状態で、無線端末110aとの通信を確立したときから計時を開始する。すなわち、保護者14が不在中に、被保護者12が在宅しており、かつ、扉216が開錠状態である時間を計時することとなる。そして、計時を開始してから所定時間に亘って、鍵センサ216aが検知する鍵の開閉状態が開錠状態であると、センター装置118を通じて保護者14の移動端末120にその旨報知する。
こうして、保護者14は、移動端末120を通じて、被保護者12が在宅しているのに扉216が開錠していることを把握することが可能となり、扉216が開錠状態であることを被保護者12に連絡したり、早期に帰宅する準備をしたりすることができる。
ここでは、扉216の開錠状態を常に報知するのではなく、保護者14が在宅してない間に被保護者12が在宅となったあと、所定時間経過した場合にのみ、その旨報知するので、施錠や開錠の不要かつ高頻度な報知を受けることなく、本来報知が必要な場合のみ報知されることとなる。したがって、保護者14が、開錠状態の報知頻度が高すぎて、その報知自体を軽視することもなくなる。
また、計時を開始してから所定時間に亘って、鍵センサ216aが検知する鍵の開閉状態が開錠状態である場合にのみ報知することで、所定時間の間に訪問者が訪れ、鍵の開閉状態を変化させた場合等、鍵が開錠となっていることに特定の事情があるときにまで無駄に開錠報知することがなくなる。
また、保護者14は、移動端末120を用い、センター装置118およびゲートウェイ機器114を通じて(遠隔操作を行い)、鍵を施錠状態に移行させることができるとしてもよい。こうして、保護者14は、居住者宅外であっても、居住者宅の扉216の鍵の開閉状態を操作し、安全な状態にすることが可能となる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110a、110bと通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110a、110bと通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110a、110bの通信可能範囲が広がることとなる。
また、ここでは、距離検知部として、通信判定部184を挙げ、被保護者12が有する鍵210に内蔵された無線端末110aや、保護者14が有する移動端末120に内蔵された無線端末110bがゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれ、通信判定部184が無線端末110aや無線端末110bとの通信を確立することで被保護者12や保護者14の在宅有無を検知したが、かかる場合に限らず、GPS等の位置検出装置により被保護者12や保護者14の在宅有無を検知したり等、居住者宅に被保護者12や保護者14が在宅する在宅状態を検知する様々な手段を用いることができる。
(第6の実施形態:ガス使用検知)
図17は、第6の実施形態における無線通信システム100の概略的な構成を示した説明図である。ここでは、居住者宅内に被保護者12が居るときに、ガス機器(給湯器218、ガスコンロ等)が利用されている場合に、その旨、保護者14に報知する例を挙げて説明する。なお、ここでは移動端末120に無線端末110bが内蔵されている例を挙げているが、両者が別体で存在するのを拒むものではない。
具体的に、スマートメータ220に内蔵されたガスセンサ220aは、居住者宅内におけるガスの使用を検知する。そして、ガスセンサ220aが、ガスが使用状態であることを検知していれば、スマートメータ220に内蔵された通信端末112は、その旨、ゲートウェイ機器114に伝達する。ここで、ガスセンサ220aは、ガスが使用状態であるか否かを、例えば、ガスの使用変化量が、主要なガス機器(給湯器218、ガスコンロ等)の最低使用量を超えているか否かによって検知することができる。
ここで、被保護者12が在宅で、被保護者12が有する鍵210も居住者宅内にあるとする。そうすると、鍵210に内蔵された無線端末(第1無線端末)110aがゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれることとなり、ゲートウェイ機器114の通信判定部184は、無線端末110aとの通信を確立する。こうして通信判定部184は、無線端末110aが通信可能範囲200に含まれると判定する。また、通信判定部184は、保護者14が有する移動端末120に内蔵された無線端末(第2無線端末)110bとの通信も確立する。ただし、ここでは、保護者14が外出しているので、移動端末120は居住者宅に存在せず、通信判定部184は、無線端末110bが通信可能範囲200に含まれないと判定する。
そして、ゲートウェイ機器114のガス報知部188は、通信判定部184が無線端末110bと通信を確立していない状態で、無線端末110aとの通信を確立し、かつ、ガスセンサ220aからガスの使用状態を受信したか否か、すなわち、保護者14が不在中に、被保護者12が在宅しており、かつ、ガスが使用されたかを判定する。そして、ガス報知部188は、通信判定部184が無線端末110bと通信を確立していない状態で、無線端末110aとの通信を確立し、かつ、ガスセンサ220aからガスの使用状態を受信すると、センター装置118を通じて保護者14の移動端末120にその旨報知する。
こうして、保護者14は、移動端末120を通じて、被保護者12が在宅し、かつ、ガスが使用されていることを把握することが可能となり、ガスコンロや浴室で、ガスが使用されていることを被保護者12に連絡したり、早期に帰宅する準備をしたりすることができる。
ここでは、ガスの使用状態を常に報知するのではなく、保護者14が在宅してない間に被保護者12が在宅となったあと、ガスが使用された場合にのみ、その旨報知するので、ガスを使用したことの不要かつ高頻度な報知を受けることなく、本来報知が必要な場合のみ報知されることとなる。したがって、保護者14が、ガスの使用状態の報知頻度が高すぎて、その報知自体を軽視することもなくなる。
また、保護者14は、移動端末120を用い、センター装置118およびゲートウェイ機器114を通じて(遠隔操作を行い)、ガスの使用を中止させることができるとしてもよい。こうして、保護者14は、居住者宅外であっても、居住者宅のガスの使用状態を操作し、安全な状態にすることが可能となる。
なお、ここでも、基準端末としてゲートウェイ機器114を挙げ、基準通信部としてゲート通信部170を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、ゲートウェイ機器114に加え、または、代えて、無線端末110a、110bと通信可能な他の無線端末110を基準端末としてもよい。この場合、他の無線端末110がゲートウェイ機器114の機能の一部を担うことができる。また、かかる構成では、無線端末110a、110bと通信できる基準端末は、ゲートウェイ機器114と、その他の無線端末110となるので、無線端末110a、110bの通信可能範囲が広がることとなる。
また、ここでは、距離検知部として、通信判定部184を挙げ、被保護者12が有する鍵210に内蔵された無線端末110aや、保護者14が有する移動端末120に内蔵された無線端末110bがゲートウェイ機器114の通信可能範囲200に含まれ、通信判定部184が無線端末110aや無線端末110bとの通信を確立する(RIT Data Request Frameを受信する)ことで被保護者12や保護者14の在宅有無を検知したが、かかる場合に限らず、GPS等の位置検出装置により被保護者12や保護者14の在宅有無を検知したり等、居住者宅に被保護者12や保護者14が在宅する在宅状態を検知する様々な手段を用いることができる。
また、ここでは、ガスが使用されたことを契機に移動端末120に報知する例を挙げて説明しているが、何らかの理由で被保護者12が通常の生活をできなくなり、ガスが所定期間(例えば1週間)連続して使用されていない場合や、被保護者12がお湯を流し続けることで、ガスが連続して所定量使用されている場合等を契機に、移動端末120に報知することもできる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、無線端末110同士および無線端末110とゲートウェイ機器114との間の通信として、RIT方式を例に挙げて説明したが、かかる場合に限らず、既存の様々な通信方式を適用することができる。
また、上述した実施形態では、1のゲートウェイ機器114と複数の無線端末110とがRIT方式の無線通信を行う例を挙げて説明した。しかし、かかる場合に限らず、例えば、図18に示すように、居住者宅内の例えば複数の部屋毎にゲートウェイ機器114が複数設置され、それぞれと複数の無線端末110とが無線通信を行うとしてもよい。この場合、複数のゲートウェイ機器114同士は、例えば、920MHz帯を利用するスマートメータ用無線システム(U−Bus Air)を通じたマルチホップの無線通信を行うとしてもよい。
また、図19に示すように、複数の居住者宅のスマートメータ220それぞれにゲートウェイ機器114を内蔵させ、そのゲートウェイ機器114と複数の無線端末110とでRIT方式の無線通信を行わせるとともに、複数の居住者宅に設けられた各スマートメータ220のゲートウェイ機器114同士でスマートメータ用無線システムの無線通信を行うとしてもよい。
また、上記では、実施形態毎に必要な構成要素を挙げ、その作用と効果を説明したが、実施形態を跨いで、例えば、無線端末110、通信端末112、移動端末120をそれぞれ組み合わせたり、移動端末120に報知する代わりに、スピーカ214を通じて報知したり、各構成要素を様々に組み合わせることもできる。
また、上述した実施形態では、各機能部、例えば、無線通信制御部160、無線記憶制御部162、報知制御部164、バッテリ判定部166が無線端末110に含まれ、ゲート通信制御部180、ゲート記憶制御部182、通信判定部184、開錠報知部186、ガス報知部188がゲートウェイ機器114に含まれる例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、各機能部が、その機能を果たしさえすれば、無線通信システム100のいずれかの装置に含まれていてもよい。
また、コンピュータを上記無線端末110やゲートウェイ機器114として機能させるプログラムや、当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。