JP2010044737A - 情報端末装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】子供の危険を事前に察知し通報すること。
【解決手段】情報端末A1は、他の情報端末B2からの「存在確認信号」を受信できなくなったことにより「Aくん」が1人になったと判断した場合、その旨を、回線4を介して、遠隔にいる「Aくん」の親が有する情報端末C3に対して送信する。これにより、情報端末C3を有する「Aくん」の親は、「Aくん」がまだ犯罪に遭遇してはいないかもしれないが、1人になったので危険が増したと判断できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、子供に対する防犯を目的にした情報端末装置に関するものである。
近年、治安の悪化に伴い、犯罪件数が年々増加している。特に、小学生以下の子供に対する犯罪件数の増加は顕著で、重大な結果を引き起こす場合も多い。このような中で、子供に携帯電話や防犯ブザーを持たせる親も増えている。
防犯ブザーは、ボタンその他の操作により、大音響の吹鳴が開始され、周囲の人に危険を知らせると共に、犯人に対しての威嚇の効果がある。一方、子供用の携帯電話(キッズ携帯)は、防犯ブザーの機能を兼ねそろえているのみならず、GPS機能を搭載して、遠隔から親が子供の現在位置を把握できたり、予め決められた時間毎に現在位置を親の携帯にメールで知らせたりする機能が備わっているものもある。また、携帯電話の電源が切られた場合であっても、内部では動作を継続し、現在位置を親の携帯に知らせる機能を有するものもある。
例えば、下記特許文献では、子供が有する携帯電話端末とアクセサリ端末間で定期的に通信を行い、通信不能となった場合にはGPS衛星や基地局が携帯電話端末の現在位置と現在時刻を一定時間毎に取得して管理サーバに送信する。管理サーバはそれらの情報をもとに子供の居場所や移動ルートを描画し、親や警察がそれらの情報をもとに子供の存在箇所を知ることができるもので、例えば子供が誘拐された場合等に、子供の存在場所を知ることが可能になるものである。
特開2007−150904号公報
しかしながら、上記従来のシステムでは、以下のような課題がある。第1に、防犯ブザーの場合、子供が意図的に押下(もしくは引っ張る)しないといけない点である。つまり、犯罪者に遭遇した場合、子供が意図的に操作できるかというと疑問が残る。第2に、犯罪に遭遇した後でないと分からない点である。すなわち、GPS機能や基地局からの情報で携帯電話端末の位置が遠隔から把握できるといっても、実際に不審者による連れ去りが発生(アクセサリ端末との通信不能状態が発生)した後になっての捜索を容易にするもので、発生前の異変を検知することはできない。また、子供が携帯電話端末とアクセサリ端末と共に連れ去られた場合は、異変を察知することもできない。
子供がこのような犯罪に巻き込まれる可能性が高いのは、子供が集団登下校で複数で行動している時よりも、子供が1人でいる場合である。しかしながら、従来のシステムにおいては、子供が複数で行動しているか、1人で行動しているかを把握することはできず、前述のように犯罪が発生した後でないと、遠隔にいる親は異変を察知することができない。従来のシステムにはこのような課題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、現状の基地局を使ったり特別に基地局を増設しなくても、またアクセサリ等の備品を追加せずとも、子供が1人になったことを検知し、遠隔に通報できる情報端末装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の情報端末装置は、周囲に位置する複数の情報端末間
で無線通信によりデータ信号を送受信する情報端末装置であって、周囲に位置する他の情報端末から送信されるデータ信号を送信または受信する無線送受信手段と、回線を利用して前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対してデータ信号を送信する情報送信手段とを備え、前記情報送信手段は、前記周囲に位置する情報端末から所定の期間データ信号を受信できない場合、前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対して、周囲に情報端末が存在しないことを示す信号を送信する構成としたものである。
そして、犯罪が発生する前の、犯罪が発生しやすい子供が1人になったことを検知した時点で、遠隔に通報することで、犯罪の発生を未然に防ぐことができ、また、遠隔からの警戒を強化することができるようになり、子供の安全確保に大いに効果がある。
本発明の情報端末装置は、子供が集団で登下校している場合等に、特別な装置を設けなくとも子供が1人になったことをいち早く検知し通報することができるようになるので、犯罪の発生を未然に防ぐことができ、また、遠隔からの警戒を強化することができるようになり、子供の安全確保が実現できる。また、通報するしないのスケジューリングも任意に設定できる為、平日の集団登下校時のみ1人になったことを通報するように設定することもでき、利用者の利用形態に合わせた最適な通報を実現することができるとともに、誤動作を避け、信頼性の高いシステムを実現することができる。これにより、本装置の普及拡大に大いに貢献することが可能となる。
第1の発明は、周囲に位置する複数の情報端末間で無線通信によりデータ信号を送受信する情報端末装置であって、周囲に位置する他の情報端末から送信されるデータ信号を送信または受信する無線送受信手段と、回線を利用して前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対してデータ信号を送信する情報送信手段とを備え、前記情報送信手段は、前記周囲に位置する情報端末から所定の期間データ信号を受信できない場合、前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対して、周囲に情報端末が存在しないことを示す信号を送信する情報端末装置である。
そして、現状の基地局を使ったり特別に基地局を増設しなくても、またアクセサリ等の備品を追加せずとも、子供が1人になったことを検知し、遠隔に通報できる為、犯罪の発生を未然に防ぐことができ、また、遠隔からの警戒を強化することができるようになり、子供の安全確保が実現できる。
第2の発明は、無線送受信手段により受信するデータ信号の受信電界強度を測定する電界強度測定手段を備え、前記情報送信手段は、前記電界強度測定手段により測定された電界強度が予め決められた基準値を上回らない場合、前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対して、周囲に情報端末が存在しないことを示す信号を送信する情報端末装置である。
そして、周囲に位置する情報端末から所定の期間データ信号を受信できない場合のみならず、データ信号を受信できたとしても当該データ信号の受信電界強度が予め決められた基準値を上回らない場合は1人になったと検知して遠隔に通報する為、周囲や情報端末装置を所有する子供自身の動作により電波環境が変化しても確実に1人になったことを検知できる為、本装置の信頼性を高めることができる。また、予め決められた基準値を任意に設定できるようにすることで、1人になったことの検知範囲を任意に決めることが可能となり、通学路環境や子供の年齢/行動等に応じて利用者に適した最適なシステムを作ることができる。
第3の発明は、日付や時刻を管理するカレンダー手段を備え、情報送信手段は、周囲に位置する情報端末から所定の期間データ信号を受信できない場合、または電界強度測定手段により測定された電界強度が予め決められた基準値を上回らない場合であっても、前記カレンダー手段により特定される日付や時刻であれば、周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対して、周囲に情報端末が存在しないことを示す信号を送信しない情報端末装置である。
そして、子供が1人になっても、通報する/しないをスケジューリング設定できるので、例えば平日の登下校時間帯のみ1人になった場合に通報するとか、休日であっても必要な場合は通報するとか、利用者に応じた最適な通報設定が実現でき、本システムの普及拡大が可能となる。
第4の発明は、カレンダー手段が管理する日付や時刻を、周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末から前記回線を経由して変更することを可能にした情報端末装置である。
そして、通報する/しないのスケジューリング設定を遠隔から実現できる為、親が自らの情報端末で子供の情報端末の通報スケジューリング設定を容易に実現でき、本システムの利便性を多いに向上させることができる。
第5の発明は、第1の発明〜第4の発明の情報端末装置の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラムとする。そして、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、等のハードリソースを協働させて本発明の少なくとも一部を簡単なハードウェアで実現できる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に、本発明のシステム構成図を示す。図1において、1は情報端末Aである。2は情報端末Bである。3は情報端末Cである。4は回線である。
図1において、情報端末A1と情報端末B2の違いは特になく、本実施の形態で中心に説明する情報端末を情報端末A1とし、それ以外を情報端末B2とするものである。
図1において、保育園や小学校等に通園・通学する子供たちは、各人が情報端末A1もしくは情報端末B2を有する。ここで、情報端末A1や情報端末B2は、携帯電話に代表されるような情報端末であり、子供たち各人が所有する場合もあれば、ランドセル等に内蔵されている場合もある。近年、このような情報端末は、安全上、各人の親が子供に買い与える場合も増えているが、防犯ブザーのように自治体や学校単位で子供に持たせる場合もある。いずれにしろ、通信機能を有するものが情報端末である。
ここで、ある特定の家庭の子供(ここでは「Aくん」とする)が有する情報端末を情報端末A1とし、それ以外の子供が有する情報端末を情報端末B2とする。そして、「Aくん」を含む情報端末を有する子供たちは、集団で登下校するものとする。すなわち、「Aくん」を含む子供たちは、登下校に際し、近距離にて行動を共にする。
次に、図2において、情報端末A1や情報端末B2の内部ブロック図を示す。図2において、5はアンテナAである。6はアンテナBである。7は無線送受信手段である。8は情報送信手段である。アンテナA5、アンテナB6、無線送受信手段7、情報送信手段8
は、情報端末A1もしくは情報端末B2の内部、もしくは情報端末A1もしくは情報端末B2に接続されている。
図1及び図2において、情報端末A1や情報端末B2は、予め決められた間隔で「存在確認信号」を送信する。この「存在確認信号」は無線送受信手段7からアンテナ5を介して送信される。一方、情報端末A1や情報端末B2は、「存在確認信号」を送信するのみならず、周囲の情報端末A1や情報端末B2が送信した「存在確認信号」を受信する機能も有する。この「存在確認信号」の受信は、アンテナ5を介して無線送受信手段7で受信される。
ここで、この「存在確認信号」の送受信は、例えば、400MHz帯に代表されるような特定小電力無線を用いて送信される。なお、この「存在確認信号」の送受信は、特定小電力無線に限らず、赤外線、無線LAN、bluetooth(商標登録)、zigbee(商標登録)といったような通信媒体を用いてもよい。
次に、情報端末A1や情報端末B2のもう1つの動きについて説明する。情報端末A1や情報端末B2は、前述のように、例えば、携帯電話のような端末である。よって、図1に示すように、回線を介して、遠隔に存在する他の情報端末と通信を行う機能を有する。ここで、図1における情報端末C3は、例えば、情報端末A1を有する子供の親が有するものである。すなわち、親の持つ携帯電話である。そして、情報端末A1と情報端末C3は、回線4を介して、通話やメールをはじめとする各種通信機能が実現される。
例えば、情報端末A1から情報端末C5に対して情報を送信する場合、情報端末A1は、図2に示す情報送信手段8からアンテナ6を介して回線4に対して情報が送信される。ここで、携帯電話を例に取ると、具体的には、情報端末A1のアンテナ6から送信されたデータは、回線事業者が設置した情報端末A1近傍の基地局(図示せず)で受信され、その後、通話の場合には回線事業者の設置した回線交換機(図示せず)、データの場合には回線事業者の設置したサーバ(図示せず)を介して、情報端末C3近傍の基地局(図示せず)から情報端末C3へ送られる。なお、本実施の形態では、図1の回線4は、これら基地局、回線交換機、サーバの一連の流れを総称したものと定義する。
以上、情報端末A1と情報端末C3の通信の流れを説明したが、これは、情報端末B2に関しても同様である。また、情報端末A1と情報端末C3の通信の流れについて、携帯電話を例に説明を行ったが、携帯電話に限らず無線LANやWiMAX、広域無線、衛星通信等の各種媒体を用いたものでもよい。
次に、情報端末A1と情報端末B2間の通信について、図3のシーケンス図を用いて詳細に説明する。
図3において、「Aくん」が有する情報端末A1の近傍には、複数の情報端末B2が存在する。この状態は、「Aくん」が集団で登下校している状況を表している。ここで、情報端末A1は、予め決められたタイミング「T1」毎に存在確認信号を無線送信する。この情報端末A1が無線送信した「存在確認信号」は、「Aくん」の近傍にある情報端末B2で受信される。一方、「Aくん」の近傍に存在する複数の情報端末B2も、予め決められたタイミング(「T2」〜「Tn」)で存在確認信号を無線送信し、これらの存在確認信号は、その近傍の情報端末A1や情報端末B2にて受信される。
なお、T1、T2、・・・、Tnは全て同一のタイミングでもよいし、それぞれ異なるタイミングでもよい。また、各情報端末が「存在確認信号」を送信する間隔についても、常に一定としてもよいし、都度可変としてもよい。また、外部から変更できるようにする
ことも可能であるし、電波環境を学習して、輻輳を避けるタイミングに自動可変する方法でもよい。また、「存在確認信号」の無線送信周波数についても、衝突その他を考慮して都度可変させてもよい。
ここで、前述のように、「Aくん」が集団登下校をしており、近傍に他の子供たちがいる場合、「Aくん」が有する情報端末A1は、ある期間内に必ず他の情報端末B2からの「存在確認信号」を受信することができる。逆に言えば、「Aくん」が有する情報端末A1は、ある期間内に他の情報端末B2からの「存在確認信号」を受信することができれば、「Aくん」は1人ではなく、情報端末B2を有する複数人で行動していることとなる。この場合、情報端末A1は、現在の動作を継続するのみで、特に新たな動作は行わない。
一方、「Aくん」が有する情報端末A1が、ある期間内に他の情報端末B2からの「存在確認信号」を全く受信できない場合、「Aくん」の周囲には情報端末B2を有する人が全くいないこととなる。つまり、「Aくん」は登下校時において、1人となったと判断できる。このように1人になることは、別に特別なことではなく、毎日発生する。つまり、例えば、集団下校の場合、自分の家の近辺にきたら、1人ずつ、集団から離れる為、1人になる。また、最も学校から家が遠い子供の場合、必ず最後には1人になり、自宅に帰る。
前述のように、子供が犯罪に合う確率は、1人の場合が圧倒的に高い。すなわち、犯罪者にとって、1人の子供は、人目につきにくい形で犯罪を実行できる。よって、子供が1人になることは、危険の予兆と言える。
情報端末A1は、他の情報端末B2からの「存在確認信号」を受信できなくなったことにより「Aくん」が1人になったと判断した場合、その旨を、回線4を介して、遠隔にいる「Aくん」の親が有する情報端末C3に対して送信する。これにより、情報端末C3を有する「Aくん」の親は、「Aくん」がまだ犯罪に遭遇してはいないかもしれないが、1人になったので危険が増したと判断できる。
ここで、情報端末C3を有する「Aくん」の親は、「Aくん」が有する情報端末A1にGPS機能がついている場合、例えば、GPS機能を使って「Aくん」の現在位置を調べ、監視を開始することができる。「Aくん」の集団下校パターンは通常決まっており、だいたいどの場所で1人になるかは予め把握できるので、「Aくん」が1人になった場所が通常の場所か否かをチェックすることができる。また、「Aくん」が1人になった後の自宅までの継続的な位置確認を開始することも可能である。そして、子供の挙動が不審になったと思った場合には、「Aくん」に電話やメールしたり、警察をはじめとする関係機関に通報したりすることが可能となる。
また、情報端末C3を有する「Aくん」の親は、「Aくん」が1人になった時点を把握できる為、その時の「Aくん」の現在位置が普段どおりであったとしても、その時点で「Aくん」に電話やメールして、「気をつけなさい!」といった指示を与えることもできる。現在普及している携帯電話のGPS機能では、前述のように携帯電話の位置確認が遠隔から可能であるが、監視側から能動的に操作を行わないと位置確認ができない。つまり、子供登下校中の安全を監視したい場合、極端な話、登下校中継続して能動的に監視する必要があり、監視者(例えば親)の負担が強いられる。最近は、予め設定しておけば、決められた時間毎に現在位置を遠隔へ自動通報する携帯電話もあるが、通報された時点ですでに子供が犯罪に巻き込まれてしまっている場合もあり、その場合事後に異変が分かることとなる。
最近は、子供の防犯の為の見守りシステム、といった商品もでてきており、この中には
、街中に「ゲート」を設け、「タグ」と呼ばれる端末(携帯電話内蔵のものもある)を所持した子供がゲートを通過した場合に「ゲート」が「タグ」の内容を読み取り、子供の行動予定から、特定の時間帯に特定の「ゲート」を通過しない場合に異変と察知して、遠隔に通報する。このシステムにおいても、前述と同様、通報された時点ですでに子供が犯罪に巻き込まれてしまっている場合もあり、その場合事後に異変が分かることとなる。また、「ゲート」と呼ばれるものを設置せねばならず、その設置費用や監視システム構築等で工数がかかる。さらに、「ゲート」の設置場所で監視範囲が限定されるといった課題もある。
一方、本実施の形態の情報端末を使った通報においては、子供が犯罪に巻き込まれる可能性の高い「1人」になった時点で遠隔に通報する為、事前に危険度が増したことを親は知ることができる。これにより、子供に対しての注意喚起、といったアクションをとることも可能である。また、新規に「ゲート」のようなものを設置する必要がなく、情報端末間同士で「1人検知」を実現できる為、システムの導入や運用ハードルを下げることができる。さらに、「1人検知」はどこでも可能であり、遠隔への通報も、例えば既存の携帯電話網を利用するので、広範囲をカバーすることが可能である。
なお、上記実施の形態では、「Aくん」が1人になったことを検知する為の判断として、情報端末A1が、ある期間内に他の情報端末B2からの「存在確認信号」を全く受信できない場合を想定したが、この手法を応用して、大人数から「2人」や「3人」といった「複数人」の少人数になったことを検知して通報することも可能である。この場合の「複数人」であるが、情報端末B2を有する不特定多数の「複数人」とすることもできるし、情報端末B2を有する予め決められた特定人物の中からの「複数人」とすることもできる。さらに、「1人」や「複数人」でなくても、情報端末B2を有する予め決められた特定人物が、情報端末A1を有する「Aくん」の周囲からいなくなった場合に通報することも可能である。これにより、集団登下校では、通常上級生がリーダーの役目を果たすことが多いが、リーダーがいなくなると、下級生ばかりとなる場合もある。このリーダーを特定人物とすることで、リーダーがいなくなったら危険度が増したと判断し、通報することが可能となる。
一方、情報端末A1の通報先について、上記実施の形態では、遠隔にいる「Aくん」の親としたが、警察やセキュリティ会社とすることもできる。また、自治会長や近所の人、祖父母とすることもできる。これにより、親に代わって、第三者が子供の危険予知を知ることができ、親の都合(携帯電話の電波が届かない場所にいる場合等)にも本システムの効果を発揮できる。さらに、第一通報先への通報に失敗した場合に、通報の再送や、予め登録されているこれら第三者への通報を行うことも可能で、本システムの信頼性を高めることができる。
(実施の形態2)
図4に、本発明の実施の形態2の情報端末A1もしくは情報端末B2のブロック図を示す。図4において、9は電界強度測定手段である。
図4において、実施の形態1と同様の動作を行うものについては、説明を省略する。図4において、電界強度測定手段9はアンテナ5から受信した電波の受信電界強度を測定する。ここで、電界強度測定手段9には、予め定められた電界強度閾値が設定されている。そして、アンテナ5から受信した情報端末A1の周囲の情報端末B2が送信した「存在確認信号」の受信電界強度と、予め定められた電界強度閾値を比較し、受信電界強度の方が小さい場合には、無線送受信手段7が「存在確認信号」を受信しないように制御する。もしくは、無線送受信手段7が「存在確認信号」を正常受信した場合であっても、受信失敗として取り扱う。そして、実施の形態1のように、情報端末A1は、他の情報端末B2か
らの「存在確認信号」を受信できなくなったことにより「Aくん」が1人になったと判断し、その旨を、回線4を介して、遠隔にいる「Aくん」の親が有する情報端末C3に対して送信する。
このようにすることで、以下のメリットがある。すなわち、情報端末A1、情報端末B2間において無線送受信される「存在確認信号」は、出力に応じてある程度の距離を伝搬する。例えば、10mW出力の特定小電力無線の場合、見通し距離で数百m伝搬する。ここで、防犯の目的で子供の集団下校において1人になったことを検知する場合、通常数m以内の距離に他の子供がいる場合は、1人になったとはみなさない。しかしながら、数百mの電波伝搬が可能とすると、「Aくん」が有する情報端末A1は、集団下校ですでに分かれてしまった子供が有する情報端末B2からの「存在確認信号」をも受信できてしまう恐れがあり、正確な1人検知ができない。
この課題に対応する為、情報端末A1の電界強度測定手段9は、情報端末B2からの「存在確認信号」の受信電界強度が閾値を下回っている場合には受信失敗とみなす。これにより、より正確な1人検知を実現することができる。
ここで、電界強度測定手段9が比較する電界強度閾値は、前述のように周囲の情報端末B2との距離検知の役目を果たす。すなわち、電界強度閾値を高く設定すれば、1人検知の範囲を狭くすることができるし、電界強度閾値を低く設定すれば、1人検知の範囲を広くすることができる。
電波は、自由空間での伝搬距離が理想値であるが、実環境においては、地面があり、周囲に建物があり、これらは遮蔽物となり減衰する。人や車の往来もあり、これによりフェージング(時間や場所による電力変動)が発生する。また、受信機(ここでは「Aくん」が有する情報端末A1)を有する子供自体も静止しているわけではない。また、「Aくん」が情報端末A1をどのように所有しているかによっても伝搬状況が変わる。例えば、ランドセル内に情報端末A1がある場合には、手で直接情報端末A1を有している場合に比べ、ランドセルの材質や体との位置による伝搬変動が発生する。
よって、これらの状況を鑑みて、1人検知するのに最適な電界強度閾値を決めることができれば、より最適で確実な1人検知を実現することが可能となる。場合によっては、電界強度閾値は固定ではなく、子供の位置(例えば、情報端末A1がGPS機能付の携帯電話の場合、GPSによる子供の位置や周囲環境が把握できる)に応じて可変させたりすることで、1人検知の確実性が上がる。また、この「Aくん」が有する情報端末A1の電界強度閾値を、遠隔の情報端末C3から変更することができれば、子供の見守りをする側の者が、最適な閾値を自由に設定することも可能となる。
(実施の形態3)
図5に、本発明の実施の形態2の情報端末A1もしくは情報端末B2のブロック図を示す。図5において、10はカレンダー手段である。
図5において、実施の形態1、実施の形態2と同様の動作を行うものについては、説明を省略する。図5において、情報端末A1が情報端末B2から「存在確認信号」を正常受信できないと判断した場合、情報送信手段8は回線4を介して情報端末C3に対してその旨を通知しようとするが、その前にカレンダー手段10を確認する。ここで、カレンダー手段10は、日付や時刻を管理する機能を有していると共に、予め設定された「通知可能日付、時間」が登録されている。そして、情報送信手段8は回線4を介して情報端末C3に対して通知する場合に、現在の日付、時間を確認し、「通知可能日付、時間」内であれば、回線4を介して情報端末C3に対して通知を行う。一方、現在の日付、時間が、「通
知可能日付、時間」外であった場合には、情報端末C3に対する通知を行わない。
これは、以下の理由によるものである。すなわち、本システムの目的は、登下校時の子供の1人検知による防犯である。通常、週末(土曜日、日曜日)は学校は休みであり、子供は自宅で家族と暮らしている。また、平日(月曜〜金曜)であっても、登下校時以外は、子供は、昼間は学校の教室で勉強し、夜は家で家族と過ごした後、就寝する。また、学校や家にいる時、子供が必ず情報端末A1を身につけているとも限らないし、情報端末B2を有する他の子供が周囲にいるとも限らない。
このような場合に、子供が1人になったと検知(情報端末A1の周囲に情報端末B2が存在しない)し回線4を介して親が有する情報端末C3へ通知が来ると、必要時以外でも頻繁に通知が発生し、使い勝手が非常に悪い。また、通知の度に回線4を介すので、不必要に回線4の使用量も発生し、問題である。
そこで、本システムの利用者は、予め情報端末A1のカレンダー手段10に、「通知可能日付、時間」を設定しておく。例えば、子供の下校時間に合わせて、「月〜金の15:00〜15:30」と設定しておく。そうすれば、「月〜金の15:00〜15:30」間に「Aくん」が1人になった場合のみ、回線4を介して情報端末C3に通知が来ることとなる。これで、本当に必要な時のみ確実に通知が来ることなり、本システム利便性が大いに向上する。また、登下校時に限らず、休日に子供だけで外出する場合においても、子供が情報端末A1や情報端末B2を身につけていれば1人検知が可能となり、本システムの利用シーンが増え、使い勝手が向上する。
また、情報端末A1のカレンダー手段10への「通知可能日付、時間」の設定を、例えば情報端末C3が有するインターフェースから行うことができれば、親がいつでもどこでも自由に設定することができ、システムの利便性が大いに高まる。さらに、情報端末C3からのみならず、パソコンその他のネットワーク機器からの設定も可能とすることで、利便性の向上が図れる。そして、例えば、情報端末A1や情報端末B2を有する子供に対しての一括設定も可能となり、システムの普及拡大が実現できる。
本実施の形態で説明した内容は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
本発明の情報端末装置、及びプログラムによれば、特別な基地局を新設せずに確実な1人検知を実現することができる。
そして、犯罪発生後ではなく、犯罪発生前の危険予知が容易に実現でき、悲惨な事件を防ぎ安心な社会を構築することができる。また、必要な時だけの検知を用意に確実にできることで、システムの信頼性を高めることができる。これにより、防犯分野の新商品として、非常に有効となりうる。
本発明のシステム構成図 本発明の実施の形態1の情報端末装置のブロック図 本発明の実施の形態1の情報端末装置間の通信シーケンス図 本発明の実施の形態2の情報端末装置のブロック図 本発明の実施の形態3の情報端末装置のブロック図
1 情報端末A
2 情報端末B
3 情報端末C
4 回線
5 アンテナA
6 アンテナB
7 無線送受信手段
8 情報送信手段
9 電界強度測定手段
10 カレンダー手段

Claims (5)

  1. 周囲に位置する複数の情報端末間で無線通信によりデータ信号を送受信する情報端末装置であって、
    周囲に位置する他の情報端末から送信されるデータ信号を送信または受信する無線送受信手段と、回線を利用して前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対してデータ信号を送信する情報送信手段とを備え、
    前記情報送信手段は、前記周囲に位置する情報端末から所定の期間データ信号を受信できない場合、前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対して、周囲に情報端末が存在しないことを示す信号を送信する情報端末装置。
  2. 前記情報端末装置は、前記無線送受信手段により受信するデータ信号の受信電界強度を測定する電界強度測定手段を備え、
    前記情報送信手段は、前記電界強度測定手段により測定された電界強度が予め決められた基準値を上回らない場合、前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対して、周囲に情報端末が存在しないことを示す信号を送信する請求項1記載の情報端末装置。
  3. 前記情報端末装置は、日付や時刻を管理するカレンダー手段を備え、前記情報送信手段は、前記周囲に位置する情報端末から所定の期間データ信号を受信できない場合、または前記電界強度測定手段により測定された電界強度が予め決められた基準値を上回らない場合であっても、前記カレンダー手段により特定される日付や時刻であれば、前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末に対して、周囲に情報端末が存在しないことを示す信号を送信しない請求項1または請求項2記載の情報端末装置。
  4. 前記カレンダー手段が管理する日付や時刻を、前記周囲に位置する他の情報端末以外の情報端末から前記回線を経由して変更することを可能にした請求項3記載の情報端末装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の情報端末装置の少なくとも一部をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017033072A (ja) * 2015-07-29 2017-02-09 株式会社Nttドコモ グループ監視システム及び監視装置
JP2017134648A (ja) * 2016-01-28 2017-08-03 Kddi株式会社 通信端末、通信システム及び通信方法
JP2019057183A (ja) * 2017-09-22 2019-04-11 カシオ計算機株式会社 同行者判定装置、同行者判定システム、同行者判定方法及びプログラム

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