以下、本明細書で開示する車両制御ネットワークシステムの好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図1は、本明細書に開示する車両制御ネットワークシステムの一実施形態を示す図である。図2は、本明細書に開示する車両制御ネットワークシステムが備える車両制御システムを示す図である。
本実施形態の車両制御ネットワークシステム100(以下、単にシステム100ともいう)は、車両制御システム1(以下、単にシステム1ともいう)と、システム1とネットワークNを介して通信可能に接続されたサーバ110を備える。
システム1は、搭乗者が運転操作することなく自動的に運転される自動運転モード、及び搭乗者の運転操作により操作される手動運転モードを有する車両の動作を制御する。本実施形態では、システム1は、4輪を有する車両に搭載される。
自動運転モードでは、車両の操舵、加速、制動を含む主制御系統の操作が自動で行われる。手動運転モードでは、車両の上述した主制御系統の操作は、運転席に着座した搭乗者により行われる。
自動運転モード及び手動運転モードは、車両を運転する搭乗者に対して、車両の操作が許容される操作範囲が異なっている。例えば、自動運転モードでは、搭乗者に対して、目的地の入力操作は許容されるが、車両の操舵、加速、制動を含む主制御系統の操作は許容されない。一方、手動運転モードでは、搭乗者に対して、主制御系統の操作も許容される。
システム1は、サーバ110から取得した車両の運転席に着座し得る搭乗者が有する運転資格情報に基づいて、運転モードが決定される。車両は、決定された運転モードによって制御可能となる。
システム1は、車両の運転席に着座した搭乗者から操作される場合と、車両の外部にいる搭乗者から通信により操作される場合とがある。
サーバ110は、運転席に着座し得る搭乗者の搭乗者情報と関連づけられた運転資格情報が登録された運転資格情報表等を記憶する記憶部112を有する。
サーバ110は、警察又は公安委員会等の公的機関のサーバ120と、ネットワークNを介して通信可能に接続し得る。サーバ110は、運転席に着座し得る搭乗者が有する運転資格情報及び運転資格情報に関連する運転資格関連情報を、公的機関のサーバ120から取得して、運転資格関連情報を更新し得る。例えば、サーバ110は、搭乗者の運転免許が失効している場合には、運転資格情報として、運転資格を有さないことが更新される。
また、システム1は、車両の運転席に着座し得る搭乗者の搭乗者情報と関連付けられた車両設定情報、経路履歴情報及び自動運転履歴情報を、サーバ110から取得して、これらの情報に基づいて車両を制御する。車両設定情報、経路履歴情報及び自動運転履歴情報の説明は後述される。
システム1では、車両設定情報、経路履歴情報及び自動運転履歴情報に基づいて、同じ搭乗者が、異なる車両に搭乗する場合でも、搭乗者の情報に基づいて、各車両が搭乗者に対応するように制御される。また、システム100では、車両設定情報、経路履歴情報及び自動運転履歴情報に基づいて、異なる搭乗者が、同じ車両に搭乗する場合でも、各搭乗者の情報に基づいて、同じ車両が各搭乗者に対応するように制御される。
システム1は、運転席に着座し得る搭乗者が有する高機能携帯端末等の端末130と、ネットワークNを介して通信可能に接続する。運転席に着座し得る搭乗者は、端末130を用いて、車両の外部からシステム1と通信可能である。
次に、システム1について、以下に詳述する。
システム1は、車両制御装置10と、運転席着座情報取得部20と、搭乗者情報取得部30と、車載装置40を備える。また、システム1は、運転制御装置60と、車両状態センサ70と、車両設定制御部80を備える。
次に、車両制御装置10について、以下に詳述する。
車両制御装置10は、運転席着座情報取得部20が取得した情報に基づいて、搭乗者が運転席に着座したことを検知する。また、車両制御装置10は、搭乗者情報取得部30が取得した搭乗者情報を、ネットワークNを介してサーバ110へ送信し、サーバ110から搭乗者情報と関連付けられた運転資格情報を受信する。
車両制御装置10は、受信した運転資格情報に基づいて、運転席に着座し得る搭乗者(車両を操作する搭乗者)に対して許容される運転モードを決定する。
車両制御装置10は、車載装置40を用いて、目的地を入力すると共に、許容される運転モードにおいて許容される、現在から目的地までの経路を探索する。
車両制御装置10は、運転制御装置60に対して、車両の運転を制御させる。
また、車両制御装置10は、搭乗者の車両設定情報に基づいて、車両設定制御部80に対して、搭乗者に対応するようにドライブポジションを調整させ、また車載装置40を制御させる。
車両制御装置10は、処理部11と、記憶部12と、通信部13を有する。
処理部11は、一つまたは複数のプロセッサと、周辺回路とを有する。処理部11は、記憶部12に予め記憶されている所定のプログラム12aに従い、車両制御装置10の各ハードウェア構成要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するために記憶部12を利用する。
図3は、車両制御装置の処理部の機能ブロック図である。図4は、記憶部を説明する図である。
処理部11は、運転資格情報取得部11aと、運転モード決定部11bと、経路決定部11cと、情報更新部11dと、電子決済部11eを有する。
処理部11が有するこれらの各部は、例えば、処理部11が有するプロセッサ上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。なお、処理部11が有するこれらの各部は、それぞれ、別個の回路として、車両制御装置10に実装されてもよい。各部の説明については後述する。
記憶部12は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又はリードオンリーメモリ(ROM)等の半導体メモリ又は磁気ディスク又はフラッシュメモリを有していても良い。記憶部12は、所定のプログラム12aを記憶する記憶媒体を読み出し可能なドライブを有していても良い。
記憶部12は、所定のプログラム12aと、車両設定表12bと、経路履歴表12cと、手動運転履歴表12dと、自動運転履歴表12e等を記憶している。車両設定表12bと、経路履歴表12cと、手動運転履歴表12dと、自動運転履歴表12eについては、後述する。
通信部13は、無線通信を用いて、ネットワークNを介して、サーバ110との間で情報の送受信を行う。通信部13は、例えば、3GPP(Third Generation Partnership Project)又はLTE(Long Term Evolution)等の所定の通信規格に準拠して、基地局を介して、ネットワークNと接続する。また、通信部13は、運転席着座情報取得部20、搭乗者情報取得部30、車載装置40、運転制御装置60及び車両設定制御部80との間で情報の送受信を行う。処理部11は、通信部13を用いて受信された情報に基づいて、各種の処理を行う。また、処理部11は、各種の処理を行った結果を、通信部13を用いて送信する。通信部13は、送受信を行う通信回路及び通信線又はアンテナを有し得る。
また、通信部13は、有料道路の料金所に配置された無線通信装置との間で、無線による通信が可能である。更に、通信部13は、搭乗者が有する端末130との間で、無線による通信が可能である。
次に、運転席着座情報取得部20について、以下に詳述する。
運転席着座情報取得部20は、車両の運転席の着座状態を示す情報を取得して、着座の有無を示す情報を車両制御装置10へ送信する。運転席着座情報取得部20は、運転席荷重センサ21、シートベルト装着センサ22、及びカメラ23を備える。ただし、運転席着座情報取得部20は、これらの全てのセンサ等を有していなくてもよい。また、運転席着座情報取得部20は、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知する他の手段を有してもよい。
運転席荷重センサ21は、車両の運転席に所定の値以上の荷重を検知すると、検知したことを通知する信号を車両制御装置10へ送信する。
シートベルト装着センサ22は、車両の運転席に配置されたシートベルトが搭乗者に装着されたことを検知すると、検知したことを通知する信号を車両制御装置10へ送信する。
カメラ23は、車両の運転席を含む画像を撮影して、撮影した画像を車両制御装置10へ送信する。
次に、搭乗者情報取得部30について、以下に詳述する。
搭乗者情報取得部30は、車両の運転席に着座した搭乗者を認識するための搭乗者情報を取得して、取得した搭乗者情報を車両制御装置10へ送信する。搭乗者情報は、サーバ110において搭乗者が有する運転資格情報を決定するために用いられる。搭乗者情報として、例えば、運転免許証が有する情報、搭乗者の顔の画像、搭乗者の生体情報等が挙げられる。具体的には、搭乗者情報取得部30は、運転免許証リーダ31と、カメラ32と、生体情報センサ33を備える。ただし、搭乗者情報取得部30は、これらの全てのセンサ等を有していなくてもよい。また、搭乗者情報取得部30は、搭乗者情報を取得する他の手段を有してもよい。
運転免許証リーダ31は、車両の運転席に着座した搭乗者のICカード型の運転免許証が有する情報を取得して、取得した情報を搭乗者情報として車両制御装置10へ送信する。運転免許証リーダ31は、例えば、車両の運転席の前方のダッシュボード下方に配置される。車両の運転席に着座した搭乗者は、携帯しているICカード型の運転免許証を、運転免許証リーダ31の近傍にかざすか又は接触させて、運転免許証が有する情報を読み取らせる。運転免許証リーダ31として、例えば、RFIDリーダを用いることができる。運転免許証が有する情報として、免許証の番号及び生年月日が挙げられる。
カメラ32は、車両の運転席を含む画像を撮影し、撮影した画像を搭乗者情報として車両制御装置10へ送信する。カメラ32は、カメラ23と同じであってもよい。
生体情報センサ33は、車両の運転席に着座した搭乗者の生体情報を取得し、取得した生体情報を搭乗者情報として車両制御装置10へ送信する。生体情報として、指の指紋の画像、声紋、静脈パターン等が挙げられる。生体情報として、指の指紋の画像を用いる場合には、生体情報センサ33としては、例えば、静電容量タイプを用いることができる。車両の運転席に着座した搭乗者は、例えば、指の指紋を指紋センサである生体情報センサ33に読み取らせる。
次に、車載装置40について、以下に詳述する。
車載装置40は、処理部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、音響出力部45と、通信部46を有する。車載装置40は、車両制御装置10により制御されて動作可能である。
処理部41は、一つまたは複数のプロセッサと、周辺回路とを有する。処理部41は、記憶部42に予め記憶されている所定のプログラムに従い、車載装置40の各ハードウェア構成要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するために記憶部42を利用する。
記憶部42は、ランダムアクセスメモリ(RAM)若しくはリードオンリーメモリ(ROM)等の半導体メモリ、又は磁気ディスク若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有していてもよい。また、記憶部42は、所定のプログラムを記憶する非一時的な記憶媒体を読み出し可能なドライブとして、ディスクドライブを用いてもよい。
表示部43は、センターコンソールに配置されており、処理部41に制御されて、車載装置40の動作に伴う各種の情報を表示可能である。表示部43として、例えば、液晶ディスプレイを用いることができる。また、表示部43は、車両制御装置10の処理においても、情報を表示するために使用される。
操作部44は、搭乗者により操作されて、操作を入力可能である。車載装置40は、操作部44として、例えば表示部43の画面上に配置されるタッチパネルを用いることができる。また、操作部44は、車両制御装置10の処理においても、操作を入力するために使用される。
音響出力部45は、図示しないスピーカを有しており、処理部41に制御されて、音響を出力する。音響出力部45は、車両制御装置10の処理においても、音響を出力するために使用される。音響出力部45は、イコライザ機能等の音響出力の設定機能を有している。
車両制御装置10は、サーバ110から搭乗者の音響出力部45等の車載装置40の設定情報を含む車両設定情報を取得し、取得した車両設定情報を車載装置40に通知する。車載装置40は、通知された車両設定情報に基づいて、音響出力部45のイコライザ機能等の音響出力の設定を調節する。
これにより、同じ搭乗者が、異なる車両に搭乗する場合でも、搭乗者の車両設定情報に基づいて、各車両の音響出力の設定が搭乗者に対応するように調節される。また、異なる搭乗者が、同じ車両に搭乗する場合でも、各搭乗者の車両設定情報に基づいて、同じ車両の音響出力の設定が各搭乗者に対応するように調節される。
通信部46は、車両制御装置10、及び車両に搭載されている車内のネットワーク(Controller Area Network:CANに準拠)と通信する。また、通信部46は、無線通信を用いて、ネットワークNを介して、外部と通信可能であってもよい。通信部46は、送受信を行う通信回路及び通信線又はアンテナを有し得る。なお、通信部46は、通信部13と共用されてもよい。
また、車載装置40には、車両に搭載されたGPS情報受信部50から、車両の位置を示す位置情報が入力される。GPS情報受信部50は、GPS人工衛星が送信するGPS電波を受信して車両の位置を求め、車両の位置情報を車載装置40に出力する。
処理部41は、ナビゲーション機能を有する。ナビゲーション機能は、記憶部42に記憶されるプログラムの実行により、同じく記憶部42に記憶される地図データを用いて実現される機能モジュールであり、GPS情報受信部50から取得した車両の現在の位置に基づいて、目的地までの経路案内を行う。処理部41は、記憶部42に記憶された地図データと車両の位置とに基づき、車両の周辺の地図を示す地図画像及び音声案内情報を生成する。また、処理部41は、搭乗者により目的地が設定された場合には、現時点の車両の位置から目的地までの経路を導出し、当該経路を地図画像上に重畳する。処理部41が生成した地図画像は、表示部43に表示される。
記憶部42には、記憶されている地図データ上の道路と、自動運転による走行が可能な道路情報と、自動運転による走行が許可されていない道路情報とが関連づけられて記憶されている。例えば、高速道路は、自動運転による走行が許可されているが、一般の道路は、自動運転による走行が許可されていない場合があり得る。
車載装置40の処理部41は、車両制御装置10からの通知に基づいて、現時点の車両の位置から目的地までの経路を生成する。また、処理部41は、車両制御装置10からの通知に基づいて、自動運転による走行が可能な道路だけを経由する経路を生成可能である。車載装置40の処理部41は、複数の経路を導出して、搭乗者に選択された一の経路を経路として決定してもよい。
また、処理部41は、搭乗者により指定された地点又は道路を経由するように経路を導出してもよい。
次に、運転制御装置60について、以下に詳述する。
運転制御装置60は、車両制御装置10に制御されて、車両の運転を、自動運転モードと手動運転モードとに切り替えて、車両の動作を制御する。運転制御装置60は、自動運転制御部61及び手動運転制御部62を有する。運転制御装置60は、自動運転モードでは、自動運転制御部61が生成する制御信号を、後述する操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73へ出力する。また、運転制御装置60は、手動運転モードでは、搭乗者による操作に基づいて、操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73へ出力する信号を生成する。
車両状態センサ70は、例えば、車速センサ、舵角センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサ、車輪速センサ及びエンジンの回転数センサ等の車両の状態を検出するセンサを有する。また、車両状態センサ70は、例えば、カメラ、レーダ等の車両の周囲の状況を検出するセンサを有する。車両状態センサ70が検出した情報は、運転制御装置60に出力される。
自動運転制御部61は、車両状態センサ70が検出した車速、横加速度、ヨーレート、カメラが撮影した画像、レーダにより測定された反射波等の情報に基づいて、後述する操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73を制御して、自動運転による車両の動作を制御する。また、自動運転制御部61には、車載装置40が生成した経路情報が、車両制御装置10を介して入力されて、進行方向が決定される。
手動運転制御部62は、図示しないステアリング、アクセルペダル又はブレーキペダル等に対する、運転席に着座した搭乗者による操作に基づき、後述する操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73を制御して、手動運転による車両の動作を制御する。
操舵装置71は、自動運転制御部61又は手動運転制御部62の制御信号に基づいて車両の進行方向を決定する。
駆動装置72は、自動運転制御部61又は手動運転制御部62の制御信号に基づいて車両の駆動力を生成して、車両を加速する。駆動装置72は、例えば、内燃機関であるエンジン又は電気モータを有する。
制動装置73は、自動運転制御部61又は手動運転制御部62の制御信号に基づいて車両の制動力を生成する。制動装置73は、例えば、ブレーキディスク、ブレーキキャリパ及び油圧機構を有する。
次に、車両設定制御部80について、以下に詳述する。
車両設定制御部80は、車両制御装置10に制御されて、図示しないシート、ステアリング、ルームミラー等を駆動する位置調整駆動部(図示せず)を駆動して、シート、ステアリング、ルームミラー等のドライビングポジションを制御する。
車両制御装置10は、サーバ110から搭乗者のドライビングポジションの情報を有する車両設定情報を取得し、取得した車両設定情報を車両設定制御部80に通知する。車両設定制御部80は、通知された車両設定情報に基づいて、位置調整駆動部(図示せず)を用いて、シート、ステアリング、ルームミラー等(図示せず)の位置を調節する。
これにより、同じ搭乗者が、異なる車両に搭乗する場合でも、搭乗者の車両設定情報に基づいて、各車両のドライビングポジションが搭乗者に対応するように調節される。また、異なる搭乗者が、同じ車両に搭乗する場合でも、各搭乗者の車両設定情報に基づいて、同じ車両のドライビングポジションが各搭乗者に対応するように調節される。
次に、サーバ110について、以下に詳述する。
サーバ110は、処理部111と、記憶部112と、通信部113を有する。
処理部111は、一つまたは複数のプロセッサと、周辺回路とを有する。処理部111は、記憶部112に予め記憶されている所定のプログラムに従い、サーバ110の各ハードウェア構成要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するために記憶部112を利用する。なお、サーバは、一台でなくてもよい。サーバの動作は、ネットワークNを介して通信可能に接続された複数のサーバが協働して実現されてもよい。
サーバ110は、車両の運転席に着座し得る搭乗者の運転資格情報を管理する。運転資格情報は、車両制御装置10が、搭乗者に対して許容される運転モードを決定するために用いられる情報である。搭乗者の運転資格情報等の情報は、記憶部112に記憶される。図5は、記憶部を説明する図である。
記憶部112は、ランダムアクセスメモリ(RAM)若しくはリードオンリーメモリ(ROM)等の半導体メモリ、又は磁気ディスク若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有していてもよい。また、記憶部112は、所定のプログラムを記憶する非一時的な記憶媒体を読み出し可能なドライブとして、ディスクドライブを用いてもよい。記憶部112は、運転資格情報表112aと、免許証情報参照表112bと、顔画像参照表112cと、生体情報参照表112dと、端末参照表112eと、サーバ車両設定表112fと、サーバ経路履歴表112gと、サーバ手動運転履歴表112hと、サーバ自動運転履歴表112iを記憶する。
運転資格情報表112aには、車両の運転席に着座し得る搭乗者を識別する搭乗者識別情報と、搭乗者の運転資格情報とが関連づけられて登録される。図6は、運転資格情報表を示す図である。運転資格情報表600は、搭乗者識別情報が登録される搭乗者識別情報欄601と、搭乗者の運転資格情報が登録される運転資格情報欄602と、搭乗者の運転資格関連情報が登録される運転資格関連情報欄603を有する。
サーバ110は、搭乗者識別情報欄601に登録される搭乗者識別情報を、免許証情報参照表112b又は顔画像参照表112c又は生体情報参照表112d又は端末参照表112eを参照して、車両制御装置10から送信される搭乗者情報に基づいて取得する。
運転資格情報欄602には、搭乗者識別情報と関連付けられた運転資格情報が登録される。運転資格情報欄602に登録される運転資格情報として、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)、普通自動車一種免許(オートマチック限定)、普通自動二輪免許等が挙げられる。このように、運転資格情報表600には、公的な資格証である運転免許証に登録される運転資格に基づいて、車両の運転席に着座し得る搭乗者の運転資格情報が登録されている。また、運転免許証を有さない、即ち運転資格を有さない、車両の運転席に着座し得る搭乗者の運転資格情報欄602には、運転資格を有していないことが登録される。
通信部113は、ネットワークNを介して、車両制御装置10及び公的なサーバ120との間で情報の送受信を行う。処理部111は、通信部113を用いて受信された情報に基づいて、各種の処理を行う。また、処理部111は、各種の処理を行った結果を、通信部113を用いて送信する。通信部113は、送受信を行う通信回路及び通信線又はアンテナを有し得る。
サーバ110は、運転免許証の番号と関連付けられた運転免許証の有効及び失効の情報を、ネットワークNを介して、公的機関のサーバ120から取得して、免許証情報参照表112bを参照して、運転資格情報欄602の運転資格情報を更新するようにしてもよい。例えば、運転免許証が失効している場合には、運転資格情報として、運転資格を有さないに更新される。
運転資格関連情報欄603に登録される運転資格関連情報には、例えば、搭乗者の運転免許の停止の有無等の理由により、運転資格が無効であることを示す無効情報が含まれる。また、搭乗者の運転資格関連情報には、搭乗者識別情報と関連付けられている運転免許証が盗難されている等の理由により、運転資格が無効であることを示す無効情報が含まれる。更に、運転資格関連情報には、搭乗者識別情報と関連付けられている運転免許証が偽造されたもの等の理由により、運転資格が無効であることを示す無効情報が含まれる。運転資格関連情報は、サーバ110が、ネットワークNを介して、公的機関のサーバ120から取得し得る。搭乗者の運転資格関連情報が無効情報を含む時には、サーバ110は、運転資格情報欄602に登録されている情報に関わらず、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
免許証情報参照表112bには、運転免許証が有する情報と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。運転免許証が有する情報として、運転免許証の番号を用いてもよい。また、運転免許証が有する情報として、運転免許証の番号と共に、生年月日を用いてもよい。
顔画像参照表112cには、搭乗者の顔の画像と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。
生体情報参照表112dには、搭乗者の生体情報と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。搭乗者の生体情報としては、例えば、指の指紋の画像、声紋、静脈パターン等が挙げられる。
端末参照表112eには、搭乗者が有する端末130を識別する端末識別情報と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。
サーバ車両設定表112fには、車載装置40の設定情報及びドライビングポジションの情報等の車両設定情報と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。
サーバ経路履歴表112hには、搭乗者が過去に利用した道路、搭乗者が過去に駐車した施設、搭乗者が過去に連続して運転した運転時間等の経路履歴情報と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。搭乗者が過去に利用した道路としては、例えば、搭乗者が目的地までの経路に含むように選択した道路(有料道路、一般道路等)が挙げられる。システム1は、目的地までの経路を導出する際に、搭乗者が過去に利用した道路を含むようにしてもよい。搭乗者が過去に駐車した施設としては、例えば、コンビニエンスストア等の商業施設が挙げられる。システム1は、目的地までの経路を導出する際に、搭乗者が過去に駐車した施設が経路に接続している場合には、施設を利用する提案を搭乗者に通知してもよい。また、システム1は、搭乗者が過去に連続して運転した運転時間に基づいて、搭乗者に対して、車両を駐車して休憩を取る提案を搭乗者に通知してもよい。
サーバ手動運転履歴表112hには、搭乗者が過去に手動運転モードで車両を運転した時の手動運転情報と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。手動運転情報としては、例えば、車両の速度、制動、加速、車間距離、車線切り替え、追い越し、クラクション等の操作特性がある。搭乗者の手動運転情報は、自動運転モードで走行する車両を制御する制御情報として用いられる。例えば、車両制御装置10は、搭乗者の手動運転情報に基づいて、燃費を抑制して走行するエコパターン、目的地までの到着時間の低減を図るタイムパターン、特に安全な運転を行うセーパターン等の自動運転パターンを生成して、これらのパターに基づいて運転制御装置60を制御してもよい。
サーバ自動運転履歴表112jには、搭乗者が過去に自動運転モードで車両に搭乗した時にシステム1へフィードバックした自動運転評価情報と、搭乗者識別情報とが関連づけられて登録される。自動運転評価情報として、車両の速度、制動、加速、車間距離、車線切り替え、追い越し、クラクションの特性がある。搭乗者の自動運転評価情報は、自動運転モードで走行する車両を制御する制御情報として用いられる。
システム1における車両制御装置10は、搭載されている車両に対して許可可能な運転モードとして、手動MT運転モードと、手動AT運転モードと、速度及び経路選択自動運転モードと、完全自動運転モードを有する。
手動MT運転モードは、手動運転モードの1つである。手動MT運転モードでは、搭乗者は、図示しないシフトレバー及びクラッチペダルの操作により、ギアチェンジを自ら操作して車両を手動運転する運転モードである。手動MT運転モードは、いわゆるマニュアル車の運転モードである。
手動AT運転モードは、手動運転モードの他の1つである。手動AT運転モードでは、ギアチェンジの操作は手動運転制御部62により制御されて、搭乗者が、車両を手動運転する運転モードである。手動AT運転モードは、いわゆるオートマチック自動車の運転モードである。
速度及び経路選択自動運転モードは、自動運転モードの1つである。速度及び経路選択自動運転モードでは、搭乗者に対して、目的地、経路の選択及び速度の設定操作が許容されて、車両を自動運転する運転モードである。ここで、速度選択は、制限速度以下の範囲において、車両が走行する速度を指定することを意味する。経路選択は、経路を導出する際に、搭乗者により指定された地点又は道路を経由するように経路を導出することを意味する。
完全自動運転モードは、自動運転モードの他の1つである。完全自動運転モードでは、搭乗者に対して、目的地の設定操作のみが許容されて、車両を自動運転する運転モードである。
運転資格情報が普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)の場合には、運転モードとして、上述した4つの手動MT運転モード、手動AT運転モード、速度及び経路選択自動運転モード及び完全自動運転モードの内の何れのモードも搭乗者に対して許容される。
運転資格情報が、普通自動車一種免許(オートマチック限定)の場合には、運転モードとして、上述した4つの運転モードの内、手動AT運転モード、速度及び経路選択自動運転モード及び完全自動運転モードが搭乗者に対して許容される。
運転資格情報が、普通自動二輪免許の場合には、運転モードとして、上述した4つの運転モードの内、速度及び経路選択自動運転モード及び完全自動運転モードが搭乗者に対して許容される。普通自動二輪免許を有している搭乗者は、例えば、道路の走行には制限速度があること、一方通行の道路では決められた方向にしか走行出来ないこと等の交通規則を把握していると考えられる。そこで、搭乗者に対して、速度及び経路選択の操作が許容される。しかし、普通自動二輪免許では、4輪を有する車両の手動運転は許容されないので、手動運転モードは搭乗者に対して許可されない。
次に、上述したシステム100の動作について、図面を参照しながら以下に説明する。
図7は、車両制御装置10が運転モードを決定する処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS701において、車両制御装置10の処理部11の運転資格情報取得部11aは、運転席着座情報取得部20からの情報に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知する。
運転資格情報取得部11aは、運転席荷重センサ21から送信された信号に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知してもよい。
また、運転資格情報取得部11aは、シートベルト装着センサ22から送信された信号に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知し得る。
更に、運転資格情報取得部11aは、カメラ23から送信された画像に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知し得る。例えば、運転資格情報取得部11aは、サポートベクトルマシン又はadaBoostの識別器を用いて画像を解析し、車両の運転席に着座した搭乗者を検知してもよい。
運転資格情報取得部11aは、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知する際には、上述した複数の着座情報を取得する手段の内に1つ又は複数を用いてもよい。複数の手段を用いる場合には、多数決法を用いて、搭乗者が着座したことを検知してもよい。
次に、ステップS703において、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知した運転資格情報取得部11aは、搭乗者情報取得部30が取得した搭乗者情報を、ネットワークNを介してサーバ110へ送信する。そして、運転資格情報取得部11aは、サーバ110から送信された搭乗者の運転資格情報を得る。
なお、運転資格情報取得部11aは、搭乗者が有する端末130の端末識別情報を、搭乗者情報として、ネットワークNを介してサーバ110へ送信してもよい。例えば、車両の運転席に着座し得る搭乗者が、車両の外部におり、端末130を用いて、車両制御装置10の通信部13と通信する場合もあるからである。この場合、運転資格情報取得部11aは、端末130から端末識別情報を取得する。
ステップS703の処理を、図8を参照しながら、以下に説明する。
まず、ステップS801において、車両制御装置10の処理部11の運転資格情報取得部11aは、搭乗者情報取得部30が取得した搭乗者情報を受信する。運転資格情報取得部11aは、搭乗者情報として、運転免許証が有する情報、車両の運転席に着座した搭乗者の顔の画像、車両の運転席に着座した搭乗者の生体情報及び端末識別情報の内の1つ又は複数の情報を受信し得る。
なお、運転資格情報取得部11aは、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知した後、所定の時間内に、運転免許証リーダ31が運転免許証から情報を取得できない場合には、運転資格情報取得部11aは、搭乗者が運転免許証を有していないと判断する。
次に、ステップS803において、運転資格情報取得部11aは、搭乗者情報を、ネットワークNを介してサーバ110へ送信する。
次に、ステップS805において、サーバ110は、搭乗者情報を受信する。
次に、ステップS807において、サーバ110は、記憶部112を参照して、受信した搭乗者情報に基づいて、車両の運転席に着座した搭乗者の運転資格情報を取得する。
具体的には、サーバ110は、まず、受信した搭乗者情報に基づいて、搭乗者情報と関連付けられている搭乗者識別情報を取得し、次に、搭乗者識別情報に基づいて、搭乗者識別情報と関連付けられている運転資格情報を取得する。
サーバ110は、搭乗者情報として、運転免許証リーダ31が取得した運転免許証が有する情報を受信した場合、記憶部112が記憶する免許証情報参照表112bを参照して、搭乗者識別情報を取得する。例えば、サーバ110は、免許証情報参照表112bを参照して、搭乗者情報と一致する運転免許証の番号と関連付けられている搭乗者識別情報を取得する。
サーバ110は、免許証情報参照表112bを参照して、運転資格情報を取得できない場合、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。運転免許証が有する情報が、免許証情報参照表112bに登録されていない場合もあるからである。
また、サーバ110は、運転免許証が有する搭乗者情報である免許証の番号及び年齢に基づいて、運転資格情報を決定してもよい。例えば、搭乗者の年齢が所定の年以上の場合には、搭乗者が、免許証情報参照表112bに登録された運転資格情報として、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)又は普通自動車一種免許(オートマチック限定)を有していても、搭乗者に対して許容される運転資格情報を、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードだけに制限してもよい。安全な車両の走行を確保する観点から、高齢の搭乗者に対しては、手動運転が可能な運転資格情報を有していても、手動運転を許容しないようにしてもよい。
サーバ110は、搭乗者情報として、車両の運転席に着座した搭乗者の顔の画像を受信した場合、記憶部112が記憶する顔画像参照表112cを参照して、搭乗者識別情報を取得してもよい。具体的には、サーバ110は、顔画像参照表112cを参照して、搭乗者情報として取得された搭乗者の顔の画像と関連付けられている搭乗者識別情報を取得する。
サーバ110は、例えば、主成分分析を使った固有顔法、線形判別分析法、弾性バンチグラフマッチング法、隠れマルコフモデル法、ニューロン動機づけによるダイナミックリンク照合法等を用いて、搭乗者情報として取得された搭乗者の顔の画像を解析する。
もし、サーバ110が、搭乗者情報として取得された搭乗者の顔の画像に基づいて、搭乗者識別情報を取得できない場合には、サーバ110は、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
また、サーバ110は、搭乗者情報として、車両の運転席に着座した搭乗者の生体情報を受信した場合、記憶部112が記憶する生体情報参照表112dを参照して、搭乗者識別情報を取得してもよい。
例えば、サーバ110は、生体情報参照表112dを参照して、搭乗者情報として受信した搭乗者の指の指紋の画像情報と関連付けられている搭乗者識別情報を得る。運転モード決定部11bは、例えば、パターンマッチング又はマニューシャマッチング等を用いて、搭乗者情報として取得された搭乗者の指の指紋の画像を解析する。
もし、サーバ110が、搭乗者情報として取得された搭乗者の生体情報に基づいて、搭乗者識別情報を取得できない場合には、サーバ110は、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
更に、サーバ110は、搭乗者情報として、車両の運転席に着座し得る搭乗者の端末識別情報を受信した場合、記憶部112が記憶する端末参照表112eを参照して、搭乗者識別情報を取得してもよい。
もし、サーバ110が、搭乗者情報として取得された搭乗者の端末識別情報に基づいて、搭乗者識別情報を取得できない場合には、サーバ110は、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
次に、ステップS809において、サーバ110は、取得した搭乗者識別情報に基づいて、記憶部112が記憶する運転資格情報表112aを参照して、運転資格情報を取得する。
ここで、サーバ110は、受信した複数の搭乗者情報を用いて運転資格情報を決定する時に、取得された全ての運転資格情報が一致しない場合には、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断してもよい。
例えば、サーバ110は、運転免許証が有する情報と、搭乗者の顔の画像とに基づいて、運転資格情報を決定してもよい。ここで、車両の所有者の子供が、所有者の運転免許証を持ち出して、車両の運転席に着座したとする。運転免許証が有する情報に基づいて得られる運転資格情報と、カメラ32により撮影された搭乗者の顔の画像に基づいて得られる運転資格情報とは一致しない。このように、得られた複数の運転資格情報が一致しない場合、サーバ110は、搭乗者に対して、何れの運転モードも許容しないようにしてもよい。この場合、子供は、車両を操作することはできない。
また、サーバ110は、取得した搭乗者識別情報に基づいて、記憶部112が記憶するサーバ車両設定表112fを参照して、搭乗者識別情報と関連付けられている車両設定情報を取得する。また、サーバ110は、取得した搭乗者識別情報に基づいて、記憶部112が記憶するサーバ経路履歴表112gを参照して、搭乗者識別情報と関連付けられている経路履歴情報を取得する。また、また、サーバ110は、取得した搭乗者識別情報に基づいて、記憶部112が記憶するサーバ手動運転履歴表112hを参照して、搭乗者識別情報と関連付けられている手動運転履歴情報を取得する。更に、サーバ110は、取得した搭乗者識別情報に基づいて、記憶部112が記憶するサーバ自動運転履歴表112jを参照して、搭乗者識別情報と関連付けられている自動運転履歴情報を取得する。
次に、ステップS811において、サーバ110は、運転資格情報と、車両設定情報と、経路履歴情報と、手動運転履歴情報と、自動運転履歴情報を、ネットワークNを介して車両制御装置10へ送信する。
次に、ステップS813において、運転資格情報取得部11aは、運転資格情報と、車両設定情報と、経路履歴情報と、手動運転履歴情報と、自動運転履歴情報を受信する。運転資格情報取得部11aは、搭乗者の運転資格情報として、例えば、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)、普通自動車一種免許(オートマチック限定)、普通自動二輪免許又は免許資格を有していないという情報を得る。このように、システム100では、サーバ110において管理及び更新される搭乗者の運転資格情報が、システム1において取得される。
次に、ステップS815において、運転資格情報取得部11aは、受信した車両設定情報を、記憶部12に記憶された車両設定表12bに登録する。車両制御装置10は、車両設定表12bに登録された車両設定情報に基づいて、搭乗者に対応するように、車載装置40の音響出力部45の設定を調節する。また、車両制御装置10は、車両設定表12bに登録された車両設定情報に基づいて、車両設定制御部80を制御して、搭乗者に対応するようにドライビングポジションを調節する。
また、運転資格情報取得部11aは、受信した経路履歴情報を、記憶部12に記憶された経路履歴表12cに登録し、受信した手動運転履歴情報を、記憶部12に記憶された手動運転履歴表12dに登録する。また、運転資格情報取得部11aは、受信した自動運転履歴情報を、記憶部12に記憶された自動運転履歴表12eに登録する。
なお、運転資格情報取得部11aは、運転席着座情報取得部20から送信される情報に基づいて、車両の運転席に着座していた搭乗者が脱座したことを検知した場合には、ステップS701及びS703の処理をあらためて行って、運転資格情報を再度取得することが好ましい。
以上が、ステップS703の説明である。
次に、ステップS705において、図9に示すように、運転モード決定部11bは、車両において選択可能な全ての運転モードを、車載装置40の表示部43に表示する。車両の運転席に着座した搭乗者は、車載装置40の操作部44を用いて、表示部43に表示された運転モードの内の何れか1つのモードを選択する。そして、運転モード決定部11bは、搭乗者により選択された運転モードを入力する。なお、運転モード決定部11bは、搭乗者情報に基づいて、搭乗者に対して許容される運転モードだけを、表示部43に表示するようにしてもよい。
次に、ステップS707において、車両制御装置10の処理部11の経路決定部11cは、車載装置40の操作部44を用いて、運転席に着座した搭乗者が希望する目的地を入力する。
運転席に着座した搭乗者は、車載装置40の操作部44を用いて、目的地を入力する。また、速度及び経路選択自動運転モードを選択した搭乗者は、希望する速度又経路を、車載装置40の操作部44を用いて入力してもよい。
次に、ステップS709において、経路決定部11cは、車載装置40を用いて、現時点の車両の位置から目的地までの経路を導出する。経路決定部11cは、搭乗者により選択された運転モードが、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードの場合には、自動運転による走行が可能な道路だけを経由して経路を導出することを試みる。もし、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した経路を導出できない場合、又は目的地が自動運転による走行が可能な道路に接続していない場合には、自動運転による走行が許容されない道路を含んだ代替経路を導出する。経路決定部11cは、記憶部12に記憶された経路履歴表12cに登録されている経路履歴情報を参照して、搭乗者に対応した経路を導出してもよい。
次に、ステップS711において、運転モード決定部11bは、運転資格情報に基づいて、導出された目的地までの経路に対して、選択された運転モードを許可可能か否かについて判断する。
図10は、ステップS711における運転モード決定部11bの処理を説明する図である。
まず、ステップS1001において、運転モード決定部11bは、搭乗者により選択された運転モードが、運転資格情報に基づいて許容されるか否かを判断する。
例えば、運転資格情報として、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)を有する搭乗者が、手動MT運転モードを選択した場合には、この選択は許容される(ステップS1001においてYesの場合)。一方、運転資格情報として、普通自動車一種免許(オートマチック限定)を有する搭乗者が、手動MT運転モードを選択した場合には、この選択は許容されない(ステップS1001においてNoの場合)。また、運転資格情報として、普通自動二輪免許を有する搭乗者が、速度及び経路選択自動運転モードを選択した場合には、この選択は許容される(ステップS1001においてYesの場合)。一方、運転資格情報として、普通自動車一種免許(オートマチック限定)を有する搭乗者が、手動MT運転モード又は手動AT運転モードを選択した場合には、この選択は許容されない(ステップS1001においてNoの場合)。更に、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、完全自動運転モードを選択した場合には、この選択は許容される(ステップS1001においてYesの場合)。一方、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、手動MT運転モード、手動AT運転モード、又は速度及び経路選択自動運転モードを選択した場合には、この選択は許容されない(ステップS1001においてNoの場合)。
運転モード決定部11bは、運転資格情報として搭乗者が運転資格を有していない場合には、運転モードとして、上述した4つの内、完全自動運転モードを搭乗者に対して許容するか、又は何れの運転モードも許容しないようにしてもよい。何れの運転モードも許容されない搭乗者に対しては、車両の車両を操作することはできない。
次に、ステップS1003において、運転モード決定部11bは、選択された運転モードで目的地まで移動可能か否かを判断する(ステップS1001においてYesの場合)。
例えば、搭乗者に対して手動MT運転モード又は手動AT運転モードが許容されている場合には、運転モード決定部11bは、導出された経路を用いて移動可能であると判断する(ステップS1003においてYesの場合)。経路が、自動運転による走行が許可されていない道路を含んでいるか、又は目的地が自動運転による走行が可能な道路に接続していなくても、手動運転による走行は可能であると考えられるためである。一方、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードが許容されていて、導出された経路が自動運転による走行が許可されていない道路を含んでいるか又は目的地が自動運転による走行が可能な道路に接続していない場合には、運転モード決定部11bは、選択された運転モードで目的地まで移動できないと判断する(ステップS1003においてNoの場合)。このように、搭乗者の運転資格情報に基づいて、運転モードを決定すると共に、経路を決定することにより、経路上の道路を走行可能な運転モードに基づいた運転が確保される。具体的には、運転モードが速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードの時には、運転資格情報に基づいて、目的地までの経路が決定される。
ステップS1005において、選択された運転モードを許可可能であると判断する(ステップS1003においてYesの場合)。
次に、ステップS713(図7参照)において、運転モード決定部11bは、搭乗者に対して、搭乗者により選択された運転モードを、車両を制御する運転モードとして決定する。運転モード決定部11bは、運転制御装置60を、決定された運転モードで車両の動作を制御させる。
手動MT運転モード又は手動AT運転モードが許可された場合には、車両の手動運転中に、車両制御装置10の処理部11の情報更新部11dは、運転制御装置60から搭乗者の操作情報を取得して、手動運転履歴表12dを更新する。
図11は、手動運転履歴表の例を示す図である。
手動運転履歴表1100は、速度欄1101と、制動欄1102と、加速欄1103と、車間距離欄1104と、車線切り替え欄1104と、追い越し欄1106と、クラクション欄1107を有する。
情報更新部11dは、車両の走行に基づいて、車両の速度を所定の範囲で数値化した値を速度欄1101に更新する。情報更新部11dは、搭乗者の操作情報に基づいて、ブレーキ操作の頻度を所定の範囲で数値化した値を制動欄1102に更新する。情報更新部11dは、搭乗者の操作情報に基づいて、アクセル操作の頻度を所定の範囲で数値化した値を加速欄1103に更新する。情報更新部11dは、車両の走行に基づいて、車間距離を所定の範囲で数値化した値を車間距離欄1104に更新する。情報更新部11dは、車両の走行及び搭乗者の操作情報に基づいて、車線切り替えの頻度を所定の範囲で数値化した値を車線切り替え欄1104に更新する。情報更新部11dは、車両の走行及び搭乗者の操作情報に基づいて、追い越しの頻度を所定の範囲で数値化した値を追い越し欄1106に更新する。情報更新部11dは、搭乗者の操作情報に基づいて、クラクション鳴動の頻度を所定の範囲で数値化した値をクラクション欄1107に更新する。
一方、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードが許可された場合には、車両の自動運転中に、車両制御装置10の処理部11の情報更新部11dは、自動運転モードで車両に搭乗している搭乗者からの自動運転評価情報を取得する。
図12は、自動運転評価情報を取得する際の表示部の画面を示す図である。
情報更新部11dは、車載装置40の表示部43に、自動運転評価項目である車両の速度、制動、加速、車間距離、車線切り替え、追い越し、クラクションと共に、各項目を評価する評価情報を表示する。
搭乗者は、車載装置40の操作部44を用いて、各自動運転評価項目を評価する評価情報を選択する。
搭乗者は、速度の評価情報として、速い又は遅いを選択する。搭乗者は、制動の評価情報として、強い又は弱いを選択する。搭乗者は、加速の評価情報として、強い又は弱いを選択する。搭乗者は、車間距離の評価情報として、近い又は遠いを選択する。搭乗者は、車線切り替えの評価情報として、多い又は少ないを選択する。搭乗者は、追い越しの評価情報として、多い又は少ないを選択する。搭乗者は、クラクション鳴動の評価情報として、多い又は少ないを選択する。
情報更新部11dは、操作部44を用いて、各自動運転評価項目に対する搭乗者の評価情報を取得する。
情報更新部11dは、取得した自動運転評価情報に基づいて、記憶部12に記憶した自動運転履歴表12eに更新する。
情報更新部11dは、手動運転履歴表12dに登録された手動運転情報と共に、自動運転履歴表12eに登録された自動運転評価情報に基づいて、運転制御装置60の自動運転を制御する。また、搭乗者が、車載装置40の音響出力部45の設定を変更するか、又はドライビングポジションの設定を変更した時には、情報更新部11dは、記憶部12の車両設定表12bの情報を更新する。
以上が、ステップS713の説明である。
一方、ステップS1007において、運転モード決定部11bは、選択された運転モードを許可できないと判断する(ステップS1001又はステップS1003においてNoの場合)。
次に、ステップS715において(ステップS711においてNoの場合)、運転モード決定部11bは、他の許可可能な運転モードの有無を判断する。
例えば、ステップS711において、運転資格情報として普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)を有する搭乗者が、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードを選択しており、自動運転による走行が許容されない道路を含んだ目的地までの代替経路が導出されているとする。この場合には、運転モード決定部11bは、搭乗者に対して許可可能な運転モードとして、手動MT運転モード及び手動AT運転モードが有ると判断する(ステップS715においてYesの場合)。これは、手動MT運転モード及び手動AT運転モードを有する運転資格情報を有する搭乗者であれば、手動運転により代替経路を走行して、目的地まで安全に運転できると考えられからである。
また、ステップS711において、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、速度及び経路選択自動運転モードを選択しており、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した目的地までの経路が導出されているとする。この場合には、運転モード決定部11bは、搭乗者に対して許可可能な運転モードとして、完全自動運転モードが有ると判断する(ステップS715においてYesの場合)。運転資格を有さない搭乗者に対しては、目的地を入力する操作だけを許容して、車両の安全な走行が確保される。
更に、ステップS711において、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、手動MT運転モード又は手動AT運転モードを選択しており、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した目的地までの経路を導出できた場合には、運転モード決定部11bは、搭乗者に対して許可可能な運転モードとして、完全自動運転モードが有ると判断する(ステップS715においてYesの場合)。運転資格を有さない搭乗者に対しては、目的地を入力する操作だけを許容して、車両の安全な走行が確保される。
一方、搭乗者が有する運転資格情報に対して許可可能な運転モードがない場合には、運転モード決定部11bは、他の許可可能な運転モードは無いと判断する(ステップS715においてNoの場合)。例えば、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、完全自動運転モードを選択しているが、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した目的地までの経路を導出できない場合がある。
ステップS717において、運転モード決定部11bは、搭乗者に対して、許可可能な運転モードを通知する(ステップS715においてYesの場合)。運転モード決定部11bは、例えば、車載装置40の表示部43に許可可能な運転モードを表示するか、又は、音響出力部45を用いて許可可能な運転モードを音声出力する。
次に、ステップS719において、運転モード決定部11bは、車載装置40の操作部44を用いて、搭乗者から許可可能な運転モードを入力する。なお、運転席に着座する搭乗者は、通知された許可可能な運転モードを選択しない場合には、操作部44を用いて、許可可能な運転モードを選択しない操作を行う(ステップS719においてNoの場合)。
次に、ステップS721において、運転モード決定部11bは、搭乗者に対して、搭乗者により入力された運転モードを、車両を制御する運転モードとして決定する。運転モード決定部11bは、運転制御装置60を、決定された運転モードで車両の動作を制御させる。
一方、ステップS723において、運転モード決定部11bは、車両を操作することが不可能であることを、搭乗者に通知する(ステップS715又はS719においてNoの場合)。運転モード決定部11bは、例えば、車載装置40の表示部43を用いて、車両を運転することが不可能であることを表示するか、又は、音響出力部45を用いて、その旨を音声出力する。
以上が、車両制御装置10が運転モードを決定する動作の説明である。
車両制御装置10は、搭乗者の運転モードを決定した後も、例えば所定の間隔で、ネットワークNを介して、サーバ110と通信する。車両制御装置10は、記憶部12に記憶されている車両設定表12b、経路履歴表12c、手動運転履歴表12d及び自動運転履歴表12eに登録されている情報を、搭乗者情報と共に、サーバ110へ送信する。サーバ110は、搭乗者情報に基づいて搭乗者識別情報を取得し、搭乗者識別情報と関連づけて、受信した各情報を、記憶部112のサーバ車両設定表112f、サーバ経路履歴表112g、サーバ手動運転履歴表112h及びサーバ自動運転履歴表112iに登録する。もし、車両制御装置10は、サーバ110との通信が切断した場合には、ステップS701及びS703の処理を繰り返して、搭乗者の運転資格情報を取得する。以下、手動運転中にサーバ110との通信が切断した場合の車両制御装置10の動作を、図13を参照しながら、以下に説明する。
まず、ステップS1301において、搭乗者が運転する車両が手動運転モードで走行中に、車両制御装置10とサーバ110との間の通信が切断したとする。
次に、ステップS1303において、サーバ110との間の通信が接続した後、運転資格情報取得部11aは、搭乗者情報を、ネットワークNを介してサーバ110へ送信する。
次に、ステップS1305において、サーバ110は、搭乗者情報を受信する。
次に、ステップS1307において、サーバ110は、記憶部112を参照して、受信した搭乗者情報に基づいて、車両の運転席に着座した搭乗者の運転資格情報を取得する。
次に、ステップS1309において、サーバ110は、取得した搭乗者識別情報に基づいて、記憶部112が記憶する運転資格情報表112aを参照して、運転資格情報を取得する。
ここで、運転資格情報表112aには、搭乗者識別情報と関連付けられて登録されている運転資格関連情報が無効情報を有しているとする。これは、通信が切断されている間に、サーバ110が公的な機関のサーバ120から運転資格関連情報を取得して、運転資格情報表112aが更新されたことにより、運転資格関連情報として無効情報が登録されたことによる。例えば、搭乗者識別情報と関連付けられている運転免許証が盗難されている等の理由により、運転資格関連情報として無効情報が登録されることが考えられる。
次に、ステップS1311において、サーバ110は、搭乗者の運転資格関連情報が無効情報を含む時には、運転資格情報として登録されている情報に関わらず、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
次に、ステップS1313において、サーバ110は、運転資格情報を、ネットワークNを介して車両制御装置10へ送信する。
次に、ステップS1315において、運転資格情報取得部11aは、運転資格情報を受信する。
次に、ステップS1317において、運転資格情報取得部11aは、受信した運転資格情報が、通信が切断前の運転資格情報とは異なると判断すると、車両の運転モードを、自動運転モードに変更して、車両を安全な場所で停止させる。その後、車両制御装置10は、搭乗者から目的地を取得して、自動運転モードで目的地へ移動してもよい。
以上が、手動運転中にサーバ110との通信が切断した場合の車両制御装置10の動作の説明である。
車両の運転席に着座し得る搭乗者は、車両から離れた場所において車両を利用したい場合もある。例えば、搭乗者は、車両を搭乗者がいる現在の位置まで移動させた上で、車両に搭乗して目的地まで移動することがある。
ここで、搭乗者の運転資格情報として、自動運転モードだけが許容される場合には、現在の位置から目的地まで移動できない場合がある。これは、目的地までの導出された経路が自動運転による走行が許可されていない道路を含んでいるか又は目的地が自動運転による走行が可能な道路に接続していない場合には、自動運転では、目的地まで移動できないためである。
以下、車外にいる搭乗者が、車両を現在の位置まで移動させた上で、車両に搭乗して目的地まで移動する場合の車両制御装置10の動作を、図14及び図15を参照しながら、以下に説明する。
まず、ステップS1401において、車外にいる搭乗者は、端末130を用いて、搭乗者情報としての端末識別情報及び現在の位置情報を、ネットワークNを介して、車両制御装置10へ送信する。
次に、ステップS1403において、車両制御装置10は、搭乗者情報としての端末識別情報及び現在の位置情報を受信する。
次に、ステップS1405において、車両制御装置10の処理部11の運転資格情報取得部11aは、搭乗者情報としての端末識別情報をサーバ110へ送信して、運転資格情報を取得する。
次に、ステップS1407において、車両制御装置10の処理部11の運転モード決定部11b及び経路決定部11cは、運転モード選択要求及び目的地要求を、ネットワークNを介して、端末130へ送信する。
次に、ステップS1409において、端末130は、運転モード選択要求及び目的地要求を受信する。
次に、ステップS1411において、車外にいる搭乗者は、端末130を用いて、選択する運転モード及び目的地を、ネットワークNを介して、車両制御装置10へ送信する。
次に、ステップS1413において、車両制御装置10は、運転モード及び目的地を受信する。
次に、ステップS1415において、車両制御装置10の経路決定部11cは、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置までの経路を、自動運転による走行が可能な道路だけを経由して導出することを試みる。また、経路決定部11cは、搭乗者の現在の位置から目的地までの経路を導出する。
次に、ステップS1415において、車両制御装置10の運転モード決定部11bは、自動運転により、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置まで移動可能か否かを判断する。運転モード決定部11bは、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置までの経路を、自動運転により走行可能であれば、移動可能であると判断する。そうでない場合には、運転モード決定部11bは、移動不可能であると判断する。
また、運転モード決定部11bは、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置まで移動可能な場合には、搭乗者の運転資格情報に基づいて、搭乗者の現在の位置から目的地までの経路に対して、選択された運転モードで移動可能か否かについて判断する。
そして、運転モード決定部11bは、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置まで移動可能か否かの判断結果と、搭乗者の現在の位置から目的地まで選択された運転モードで移動可能か否かの判断結果を、ネットワークNを介して、端末130へ送信する。運転モード決定部11bは、搭乗者の現在の位置から目的地まで選択された運転モードで移動不可能な場合には、判断結果と共に、搭乗者の現在の位置から目的地までの経路においてどこまで移動可能かを示す移動可能情報を送信する。
なお、車両が、自動運転により、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置まで移動不可能な場合には、搭乗者の現在の位置から目的地まで選択された運転モードで移動可能か否かの判断結果は、端末130には送信されない。
ここでは、車両が、自動運転により、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置まで移動可能であるとして、以下の説明を行う。
次に、ステップS1419において、端末130は、車両の現在の位置から搭乗者の現在の位置まで移動可能か否かの判断結果と、搭乗者の現在の位置から目的地まで選択された運転モードで移動可能か否かの判断結果を受信する。
車外にいる搭乗者は、搭乗者の現在の位置から目的地まで選択された運転モードで移動可能か否かの判断結果に基づいて、車両を搭乗者がいる現在の位置まで移動させるか否かを判断する。
例えば、車外にいる搭乗者は、運転資格情報として、運転資格を有していないとする。そして、車外にいる搭乗者は、搭乗者の現在の位置から目的地まで選択された運転モードで移動不可能なことを通知する判断結果を受信したとする。車外にいる搭乗者は、判断結果と共に受信した移動可能情報に基づいて、搭乗者の現在の位置から目的地までの経路においてどこまで移動可能であるかという情報を得る。車外にいる搭乗者は、移動可能情報に基づいて、車両を利用するか、又は、電車若しくはタクシー等の公共の交通機関を利用して目的地まで移動するかを判断することができる。自動運転の車両を利用した場合、目的地まで移動できなくとも、目的地の近傍まで移動できるのであれば、車両を利用することを選択した方がよい場合がある。一方、自動運転の車両を利用して移動できる位置が、目的地から遠い場合には、公共の交通機関を利用することを選択した方がよい場合もある。ここでは、車外にいる搭乗者は、車両を利用して移動することを選択したとして、以下の説明を行う。
次に、ステップS1501において、車外にいる搭乗者は、端末130を用いて、車両を搭乗者がいる現在の位置まで移動することを要求する移動要求を、ネットワークNを介して車両制御装置10へ送信する。
次に、ステップS1503において、車両制御装置10は、移動要求を受信する。
次に、ステップS1505において、車両制御装置10は、自動運転モードで、車外にいる搭乗者の位置まで、車両を移動させる。
以上が、車外にいる搭乗者が、車両を現在の位置まで移動させた上で、車両に搭乗して目的地まで移動場合の車両制御装置10の動作の説明である。
次に、車両制御装置10の処理部11の電子決済部11eの動作について、以下に説明する。
システム1では、車両が有料道路を走行する際には、電子決済部11eが、通信部13を用いて、料金所に配置された無線通信装置と無線による通信を行うことにより、料金の支払いを電子決済できる。例えば、車両が、自動運転モードで有料道路を走行する時には、電子決済部11eが料金の支払い処理を行うので、搭乗者は、料金の支払い手続きを行わなくて済むようになされている。
また、車両は、自動運転モードにおいてタクシーとして利用されてもよい。タクシーの利用者である搭乗者は、目的地をシステム1に入力することにより、自動運転で目的地まで移動することができる。この場合、電子決済部11eが、搭乗者からの利用料金の支払いを電子決済できるようになされている。例えば、搭乗者は、搭乗者識別情報と関連づけられたプリペイド型のタクシーチケットをウェブ上で購入してもよい。この場合、搭乗者は、事前に購入したタクシーチケットの金額の範囲内でタクシーを利用することができる。また、搭乗者は、サーバ110の記憶部112の運転資格情報表112aにおいて、同乗者識別情報と関連づけて、搭乗者のクレジットカードの番号を登録してもよい。搭乗者は、端末130を用いて、タクシーの予約及び目的地の通知をシステム1に対して行うことができる。電子決済部11eは、搭乗者がタクシーを利用した後に、タクシーの利用料金を搭乗者のクレジットカードの番号に基づいて電子決済する。
上述した本実施形態のシステム100によれば、外部のサーバから取得された、車両を運転する搭乗者が有する運転資格情報に基づいて、自動運転モードを有する車両の操作が許容される操作範囲を決定できる。
サーバ110は、搭乗者の運転資格情報を、運転資格関連情報と共に更新するので、正確な運転資格情報及び運転資格関連情報が取得されて、搭乗者に許容される運転モードが決定される。
また、システム100によれば、手動運転モードでは、車両を運転する搭乗者の運転資格情報に基づいて、車両を操作する操作範囲が自動的に決定されるので、搭乗者の技能に対応する範囲で安全な車両の走行が確保される。
更に、システム100によれば、運転資格情報として、車両の運転資格を有さない搭乗者に対しては、目的地を入力する操作以外の操作が許容されないので、搭乗者の手動操作を防止して、自動運転モードによる車両の走行を確保できる。
本発明では、上述した実施形態の車両制御ネットワークシステム、車両制御システム、車両制御装置及び車両制御方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、経路の導出は、車両制御装置10により制御されて車載装置40が行っていたが、経路の導出は、車両制御装置10が行ってもよい。
また、システム100では、同乗者識別情報と関連づけて、事前に登録されている自動運転情報(時間帯及び経路等)に基づいた自動運転を行う自動運転モードを許容するようにしてもよい。例えば、サーバ110の記憶部112の運転資格情報表112aには、搭乗者識別情報と関連づけられて、自動運転情報(時間帯及び経路等)を有する完全自動運転モードを登録してもよい。この完全自動運転モードでは、事前に定められた時間帯において、事前に定められた経路を移動するように、車両が制御される。このような設定は、例えば、朝夕の子供の学校への送迎に車両を利用する場合に利用することができる。これにより、搭乗者は、運転免許証を、運転免許証リーダ31に読み取らすことにより、目的地へ移動することができる。
なお、免許の種別や運転資格は、今後の交通ルールの改正等により変動する可能性がある。たとえば、運転操作は出来なくても交通ルール等に一定の知識が要求される「自動運転免許」が創設されるかもしれず、そのような場合、完全自動運転であっても何等かの運転資格者が乗車していないと、走行が許容されなくなる可能性もある。したがって、変形例に係るサーバ110はそうした交通ルール改正等に対応できるよう、記憶部112に記憶されている免許証情報参照表112bを更新することができる。具体的には改正により追加や変更になった免許の種別・運転資格情報を、図示しない入力部を使ってサーバ管理者等が入力できるようにしたり、図示しない読み取り部によって情報媒体(CD−ROM、USBメモリ等)から読み込んでもよいし、ネットワークNを介して公的なサーバ120から取得してもよい。このようにすることによって、将来的に交通ルール等が変わっても、搭乗者が有する運転資格情報に基づいて、自動運転モードを有する車両の操作が許容される操作範囲を適切に決定できる。