以下、本明細書で開示する車両制御システムの好ましい一実施形態を、図を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図1は、本明細書に開示する車両制御システムの一実施形態を示す図である。
本明細書の車両制御システム1(以下、単にシステム1ともいう)は、搭乗者が運転操作することなく自動的に運転される自動運転モード、及び搭乗者の運転操作により操作される手動運転モードを有する車両の動作を制御する。本実施形態では、システム1は、4輪を有する車両に搭載される。
自動運転モードでは、車両の操舵、加速、制動を含む主制御系統の操作が自動で行われる。手動運転モードでは、車両の上述した主制御系統の操作は、運転席に着座した搭乗者により行われる。
自動運転モード及び手動運転モードは、車両を運転する搭乗者に対して、車両の操作が許容される操作範囲が異なっている。例えば、自動運転モードでは、搭乗者に対して、目的地の入力操作は許容されるが、車両の操舵、加速、制動を含む主制御系統の操作は許容されない。一方、手動運転モードでは、搭乗者に対して、主制御系統の操作も許容される。
システム1では、車両の運転席に着座する搭乗者が有する運転資格情報に基づいて、運転モードが決定される。車両は、決定された運転モードによって制御可能となる。
システム1は、車両制御装置10と、運転席着座情報取得部20と、搭乗者情報取得部30と、車載装置40を備える。また、システム1は、運転制御装置60と、車両状態センサ70を備える。
車両制御装置10は、運転席着座情報取得部20が取得した情報に基づいて、搭乗者が運転席に着座したことを検知する。また、車両制御装置10は、搭乗者情報取得部30が取得した搭乗者情報に基づいて、運転席に着座した搭乗者の運転資格情報を認識する。
車両制御装置10は、認識された運転資格情報に基づいて、運転席に着座した搭乗者(車両を操作する搭乗者)に対して許容される運転モードを決定する。
車両制御装置10は、車載装置40を用いて、目的地を入力すると共に、許容される運転モードにおいて許容される、現在から目的地までの経路を探索する。
車両制御装置10は、運転制御装置60に対して、車両の運転を制御させる。
車両制御装置10は、処理部11と、記憶部12と、通信部13を有する。
処理部11は、一つまたは複数のプロセッサと、周辺回路とを有する。処理部11は、記憶部12に予め記憶されている所定のプログラム12aに従い、車両制御装置10の各ハードウェア構成要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するために記憶部12を利用する。
図2(A)は、車両制御装置の処理部の機能ブロック図である。図2(B)は、記憶部を示す図である。
処理部11は、運転モード決定部11aと、経路決定部11bを有する。
処理部11が有するこれらの各部は、例えば、処理部11が有するプロセッサ上で動作するコンピュータプログラムにより実現される機能モジュールである。なお、処理部11が有するこれらの各部は、それぞれ、別個の回路として、車両制御装置10に実装されてもよい。各部の説明については後述する。
記憶部12は、ランダムアクセスメモリ(RAM)又はリードオンリーメモリ(ROM)等の半導体メモリ又は磁気ディスク又はフラッシュメモリを有していても良い。記憶部12は、所定のプログラム12aを記憶する記憶媒体を読み出し可能なドライブを有していても良い。
記憶部12は、所定のプログラム12aと、後述する免許証情報参照表12b、顔画像参照表12c、指紋画像参照表12d及び端末識別情報表12e等を記憶している。
通信部13は、運転席着座情報取得部20、搭乗者情報取得部30、車載装置40及び運転制御装置60との間で情報の送受信を行う。処理部11は、通信部13を用いて受信された情報に基づいて、各種の処理を行う。また、処理部11は、各種の処理を行った結果を、通信部13を用いて送信する。
また、通信部13は、無線通信を用いて、図示しないネットワークを介して、外部と通信可能であってもよい。通信部13は、送受信を行う通信回路及び通信線又はアンテナを有し得る。
運転席着座情報取得部20は、車両の運転席の着座状態を示す情報を取得して、着座の有無を示す情報を車両制御装置10へ送信する。運転席着座情報取得部20は、運転席荷重センサ21、シートベルト装着センサ22、及びカメラ23を備える。ただし、運転席着座情報取得部20は、これらの全てのセンサ等を有していなくてもよい。また、運転席着座情報取得部20は、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知する他の手段を有してもよい。
運転席荷重センサ21は、車両の運転席に所定の値以上の荷重を検知すると、検知したことを通知する信号を車両制御装置10へ送信する。
シートベルト装着センサ22は、車両の運転席に配置されたシートベルトが搭乗者に装着されたことを検知すると、検知したことを通知する信号を車両制御装置10へ送信する。
カメラ23は、車両の運転席を含む画像を撮影して、撮影した画像を車両制御装置10へ送信する。
搭乗者情報取得部30は、車両の運転席に着座した搭乗者を認識するための搭乗者情報を取得して、取得した搭乗者情報を車両制御装置10へ送信する。搭乗者情報は、搭乗者が有する運転資格情報を決定するために用いられる。搭乗者情報として、例えば、運転免許証が有する情報、搭乗者の顔の画像、搭乗者の指紋等の生体情報等が挙げられる。具体的には、搭乗者情報取得部30は、運転免許証リーダ31と、カメラ32と、指紋センサ33を備える。ただし、搭乗者情報取得部30は、これらの全てのセンサ等を有していなくてもよい。また、搭乗者情報取得部30は、搭乗者情報を取得する他の手段を有してもよい。
運転免許証リーダ31は、車両の運転席に着座した搭乗者のICカード型の運転免許証が有する情報を取得して、取得した情報を搭乗者情報として車両制御装置10へ送信する。運転免許証リーダ31は、例えば、車両の運転席の前方のダッシュボード下方に配置される。車両の運転席に着座した搭乗者は、携帯しているICカード型の運転免許証を、運転免許証リーダ31の近傍にかざすか又は接触させて、運転免許証が有する情報を読み取らせる。運転免許証リーダ31として、例えば、RFIDリーダを用いることができる。
運転免許証が有する情報としては、例えば、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)、普通自動車一種免許(オートマチック限定)、普通自動二輪免許等の運転免許資格及び年齢等がある。
カメラ32は、車両の運転席を含む画像を撮影して、撮影した画像を搭乗者情報として車両制御装置10へ送信する。カメラ32は、カメラ23と同じであってもよい。
指紋センサ33は、車両の運転席に着座した搭乗者の指の指紋の画像を取得して、取得した画像を搭乗者情報として車両制御装置10へ送信する。指紋センサ33としては、例えば、静電容量タイプを用いることができる。車両の運転席に着座した搭乗者は、例えば、指の指紋を指紋センサ33に読み取らせる。
車載装置40は、処理部41と、記憶部42と、表示部43と、操作部44と、音響出力部45と、通信部46を有する。車載装置40は、車両制御装置10により制御されて動作可能である。
処理部41は、一つまたは複数のプロセッサと、周辺回路とを有する。処理部41は、記憶部42に予め記憶されている所定のプログラムに従い、車載装置40の各ハードウェア構成要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するために記憶部42を利用する。
記憶部42は、ランダムアクセスメモリ(RAM)若しくはリードオンリーメモリ(ROM)等の半導体メモリ、又は磁気ディスク若しくはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを有していてもよい。また、記憶部42は、所定のプログラムを記憶する非一時的な記憶媒体を読み出し可能なドライブとして、ディスクドライブを用いてもよい。
表示部43は、センターコンソールに配置されており、処理部41に制御されて、車載装置40の動作に伴う各種の情報を表示可能である。表示部43として、例えば、液晶ディスプレイを用いることができる。また、表示部43は、車両制御装置10の処理においても、情報を表示するために使用される。
操作部44は、搭乗者により操作されて、操作を入力可能である。車載装置40は、操作部44として、例えば表示部43の画面上に配置されるタッチパネルを用いることができる。また、操作部44は、車両制御装置10の処理においても、操作を入力するために使用される。
音響出力部45は、図示しないスピーカを有しており、処理部41に制御されて、音響を出力する。音響出力部45は、車両制御装置10の処理においても、音響を出力するために使用される。
通信部46は、車両制御装置10、及び車両に搭載されている車内のネットワーク(Controller Area Network:CANに準拠)と通信する。また、通信部46は、無線通信を用いて、図示しないネットワークを介して、外部と通信可能であってもよい。通信部46は、送受信を行う通信回路及び通信線又はアンテナを有し得る。なお、通信部46は、通信部13と共用されてもよい。
また、車載装置40には、車両に搭載されたGPS情報受信部50から、車両の位置を示す位置情報が入力される。GPS情報受信部50は、GPS人工衛星が送信するGPS電波を受信して車両の位置を求め、車両の位置情報を車載装置40に出力する。
処理部41は、ナビゲーション機能を有する。ナビゲーション機能は、記憶部42に記憶されるプログラムの実行により、同じく記憶部42に記憶される地図データを用いて実現される機能モジュールであり、GPS情報受信部50から取得した車両の現在の位置に基づいて、目的地までの経路案内を行う。処理部41は、記憶部42に記憶された地図データと車両の位置とに基づき、車両の周辺の地図を示す地図画像及び音声案内情報を生成する。また、処理部41は、搭乗者により目的地が設定された場合には、現時点の車両の位置から目的地までの経路を導出し、当該経路を地図画像上に重畳する。処理部41が生成した地図画像は、表示部43に表示される。
記憶部42には、記憶されている地図データ上の道路と、自動運転による走行が可能な道路情報と、自動運転による走行が許可されていない道路情報とが関連づけられて記憶されている。例えば、高速道路は、自動運転による走行が許可されているが、一般の道路は、自動運転による走行が許可されていない場合があり得る。
車載装置40の処理部41は、車両制御装置10からの通知に基づいて、現時点の車両の位置から目的地までの経路を生成する。また、処理部41は、車両制御装置10からの通知に基づいて、自動運転による走行が可能な道路だけを経由する経路を生成可能である。車載装置40の処理部41は、複数の経路を導出して、搭乗者に選択された一の経路を経路として決定してもよい。
また、処理部41は、搭乗者により指定された地点又は道路を経由するように経路を導出してもよい。
運転制御装置60は、車両制御装置10に制御されて、車両の運転を、自動運転モードと手動運転モードとに切り替えて、車両の動作を制御する。運転制御装置60は、自動運転制御部61及び手動運転制御部62を有する。運転制御装置60は、自動運転モードでは、自動運転制御部61が生成する制御信号を、後述する操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73へ出力する。また、運転制御装置60は、手動運転モードでは、搭乗者による操作に基づいて、操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73へ出力する信号を生成する。
車両状態センサ70は、例えば、車速センサ、舵角センサ、横加速度センサ、ヨーレートセンサ、車輪速センサ及びエンジンの回転数センサ等の車両の状態を検出するセンサを有する。また、車両状態センサ70は、例えば、カメラ、レーダ等の車両の周囲の状況を検出するセンサを有する。車両状態センサ70が検出した情報は、運転制御装置60に出力される。
自動運転制御部61は、車両状態センサ70が検出した車速、横加速度、ヨーレート、カメラが撮影した画像、レーダにより測定された反射波等の情報に基づいて、後述する操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73を制御して、自動運転による車両の動作を制御する。また、自動運転制御部61には、車載装置40が生成した経路情報が、車両制御装置10を介して入力されて、進行方向が決定される。
手動運転制御部62は、図示しないステアリング、アクセルペダル又はブレーキペダル等に対する、運転席に着座した搭乗者による操作に基づき、後述する操舵装置71、駆動装置72及び制動装置73を制御して、手動運転による車両の動作を制御する。
操舵装置71は、自動運転制御部61又は手動運転制御部62の制御信号に基づいて車両の進行方向を決定する。
駆動装置72は、自動運転制御部61又は手動運転制御部62の制御信号に基づいて車両の駆動力を生成して、車両を加速する。駆動装置72は、例えば、内燃機関であるエンジン又は電気モータを有する。
制動装置73は、自動運転制御部61又は手動運転制御部62の制御信号に基づいて車両の制動力を生成する。制動装置73は、例えば、ブレーキディスク、ブレーキキャリパ及び油圧機構を有する。
システム1における車両制御装置10は、搭載されている車両に対して許可可能な運転モードとして、手動MT運転モードと、手動AT運転モードと、速度及び経路選択自動運転モードと、完全自動運転モードを有する。
手動MT運転モードは、手動運転モードの1つである。手動MT運転モードでは、搭乗者は、図示しないシフトレバー及びクラッチペダルの操作により、ギアチェンジを自ら操作して車両を手動運転する運転モードである。手動MT運転モードは、いわゆるマニュアル車の運転モードである。
手動AT運転モードは、手動運転モードの他の1つである。手動AT運転モードでは、ギアチェンジの操作は手動運転制御部62により制御されて、搭乗者が、車両を手動運転する運転モードである。手動AT運転モードは、いわゆるオートマチック自動車の運転モードである。
速度及び経路選択自動運転モードは、自動運転モードの1つである。速度及び経路選択自動運転モードでは、搭乗者に対して、目的地、経路の選択及び速度の設定操作が許容されて、車両を自動運転する運転モードである。ここで、速度選択は、制限速度以下の範囲において、車両が走行する速度を指定することを意味する。経路選択は、経路を導出する際に、搭乗者により指定された地点又は道路を経由するように経路を導出することを意味する。
完全自動運転モードは、自動運転モードの他の1つである。完全自動運転モードでは、搭乗者に対して、目的地の設定操作のみが許容されて、車両を自動運転する運転モードである。
次に、上述したシステム1の動作について、図面を参照しながら以下に説明する。
図3は、車両制御装置10が運転モードを決定する処理を説明するフローチャートである。
まず、ステップS301において、車両制御装置10の処理部11の運転モード決定部11aは、運転席着座情報取得部20からの情報に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知する。
運転モード決定部11aは、運転席荷重センサ21から送信された信号に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知してもよい。
また、運転モード決定部11aは、シートベルト装着センサ22から送信された信号に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知し得る。
更に、運転モード決定部11aは、カメラ23から送信された画像に基づいて、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知し得る。例えば、運転モード決定部11aは、サポートベクトルマシン又はadaBoostの識別器を用いて画像を解析し、車両の運転席に着座した搭乗者を検知してもよい。
運転モード決定部11aは、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知する際には、上述した複数の着座情報を取得する手段の内に1つ又は複数を用いてもよい。複数の手段を用いる場合には、多数決法を用いて、搭乗者が着座したことを検知してもよい。
次に、ステップS303において、車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知した運転モード決定部11aは、搭乗者情報取得部30が取得した搭乗者情報に基づいて、車両の運転席に着座した搭乗者の運転資格情報を認識する。
運転モード決定部11aは、運転免許証リーダ31が取得した運転免許証が有する搭乗者情報に基づいて、運転資格情報を得てもよい。車両制御装置10の記憶部12は、運転免許証が有する運転免許資格と、運転資格情報とが関連づけられて登録された免許証情報参照表12bを記憶している。運転モード決定部11aは、運転免許証が有する運転免許資格に基づいて、免許証情報参照表12bを参照して、搭乗者の運転資格情報を得る。免許証情報参照表12bに登録されている運転資格情報として、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)、普通自動車一種免許(オートマチック限定)、普通自動二輪免許等が挙げられる。このように、運転モード決定部11aは、公的な資格証である運転免許証に基づいて、自動的に車両の運転席に着座した搭乗者の運転資格情報を決定できる。
運転資格情報が普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)の場合には、運転モードとして、上述した4つの手動MT運転モード、手動AT運転モード、速度及び経路選択自動運転モード及び完全自動運転モードの内の何れのモードも搭乗者に対して許容される。
運転資格情報が、普通自動車一種免許(オートマチック限定)の場合には、運転モードとして、上述した4つの運転モードの内、手動AT運転モード、速度及び経路選択自動運転モード及び完全自動運転モードが搭乗者に対して許容される。
運転資格情報が、普通自動二輪免許の場合には、運転モードとして、上述した4つの運転モードの内、速度及び経路選択自動運転モード及び完全自動運転モードが搭乗者に対して許容される。普通自動二輪免許を有している搭乗者は、例えば、道路には制限速度があること、一方通行の道路では決められた方向にしか走行出来ないこと等の交通規則を把握していると考えられる。そこで、搭乗者に対して、速度及び経路選択の操作が許容される。しかし、普通自動二輪免許では、4輪を有する車両の手動運転は許容されないので、手動運転モードは搭乗者に対して許可されない。
上述した運転資格情報の説明は、後述する顔画像参照表12c及び指紋画像参照表12dに対しても適宜適用される。
また、運転モード決定部11aは、運転免許証リーダ31が取得した運転免許証が有する搭乗者情報の運転資格情報及び年齢に基づいて、運転資格情報を決定してもよい。例えば、搭乗者の年齢が所定の年以上の場合には、搭乗者が、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)又は普通自動車一種免許(オートマチック限定)を有していても、搭乗者に対して許容される運転モードを、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードだけに制限してもよい。安全な車両の走行を確保する観点から、高齢の搭乗者に対しては、手動運転が可能な運転資格情報を有していても、手動運転を許容しないようにしてもよい。
車両の運転席に搭乗者が着座したことを検知した後、所定の時間内に、運転免許証リーダ31が運転免許証から搭乗者情報を取得できない場合には、運転モード決定部11aは、搭乗者が運転免許証を有していないと判断する。即ち、運転モード決定部11aは、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
運転モード決定部11aは、搭乗者が運転資格を有していない場合には、運転モードとして、上述した4つの内、完全自動運転モードを搭乗者に対して許容するか、又は何れの運転モードも許容しないようにしてもよい。何れの運転モードも許容されない搭乗者に対しては、車両の車両を操作することはできない。
上述した運転資格情報と、許容される運転モードとの関係の説明は、他の運転資格情報を決定する方法の説明においても適宜適用される。
また、運転モード決定部11aは、カメラ32から送信された画像に基づいて、搭乗者情報として、車両の運転席に着座した搭乗者の顔の画像を得てもよい。車両制御装置10の記憶部12には、顔の画像情報と、運転資格情報とが関連づけられて登録された顔画像参照表12cを有している。運転モード決定部11aは、この顔画像参照表12cを参照して、搭乗者情報として取得された搭乗者の顔の画像と関連付けられている運転資格情報を得る。顔画像参照表12cに登録される運転資格情報は、免許証情報参照表12bと同じである。
運転モード決定部11aは、例えば、主成分分析を使った固有顔法、線形判別分析法、弾性バンチグラフマッチング法、隠れマルコフモデル法、ニューロン動機づけによるダイナミックリンク照合法等を用いて、搭乗者情報として取得された搭乗者の顔の画像を解析する。
もし、運転モード決定部11aが、搭乗者情報として取得された搭乗者の顔の画像に基づいて、運転資格情報を取得できない場合には、運転モード決定部11aは、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
また、運転モード決定部11aは、指紋センサ33から送信された画像に基づいて、搭乗者情報として、車両の運転席に着座した搭乗者の指の指紋の画像を得てもよい。車両制御装置10の記憶部12には、指の指紋の画像情報と、運転資格情報とが関連づけられて登録された指紋画像参照表12dを有している。運転モード決定部11aは、この指紋画像参照表12dを参照して、搭乗者情報として取得された搭乗者の指の指紋の画像情報と関連付けられている運転資格情報を得る。
運転モード決定部11aは、例えば、パターンマッチング又はマニューシャマッチング等を用いて、搭乗者情報として取得された搭乗者の指の指紋の画像を解析する。
もし、運転モード決定部11aが、搭乗者情報として取得された搭乗者の指の指紋の画像に基づいて、運転資格情報を取得できない場合には、運転モード決定部11aは、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断する。
運転モード決定部11aは、運転資格情報を取得する際に、上述した複数の搭乗者情報を取得する手段の内に1つ又は複数を用いてもよい。複数の搭乗者情報を取得する手段を用いる時に、取得された全ての運転資格情報が一致しない場合には、運転資格情報として、運転資格を有していないと判断してもよい。
例えば、運転モード決定部11aは、運転免許証リーダ31が取得した運転免許証が有する情報と、カメラ32から送信された搭乗者の顔の画像とに基づいて、運転資格情報を決定してもよい。ここで、車両の所有者の子供が、所有者の運転免許証を持ち出して、車両の運転席に着座したとする。運転免許証リーダ31が取得した搭乗者情報に基づいて得られる運転資格情報と、カメラ32から送信された搭乗者の顔の画像に基づいて得られる運転資格情報とは一致しない。このように、得られた複数の運転資格情報が一致しない場合、運転モード決定部11aは、搭乗者に対して、何れの運転モードも許容しないようにしてもよい。この場合、子供は、車両を操作することはできない。
なお、運転モード決定部11aは、運転席着座情報取得部20から送信される情報に基づいて、車両の運転席に着座していた搭乗者が脱座したことを検知した場合には、ステップS301及びS303の処理をあらためて行って、運転資格情報を再度取得することが好ましい。
次に、ステップS305において、図4に示すように、運転モード決定部11aは、車両において選択可能な全ての運転モードを、車載装置40の表示部43に表示する。車両の運転席に着座した搭乗者は、車載装置40の操作部44を用いて、表示部43に表示された運転モードの内の何れか1つのモードを選択する。そして、運転モード決定部11aは、搭乗者により選択された運転モードを入力する。なお、運転モード決定部11aは、搭乗者情報に基づいて、搭乗者に対して許容される運転モードだけを、表示部43に表示するようにしてもよい。
次に、ステップS307において、車両制御装置10の処理部11の経路決定部11bは、車載装置40の操作部44を用いて、運転席に着座した搭乗者が希望する目的地を入力する。
運転席に着座した搭乗者は、車載装置40の操作部44を用いて、目的地を入力する。また、速度及び経路選択自動運転モードを選択した搭乗者は、希望する速度又経路を、車載装置40の操作部44を用いて入力してもよい。
次に、ステップS309において、経路決定部11bは、車載装置40を用いて、現時点の車両の位置から目的地までの経路を導出する。経路決定部11bは、搭乗者により選択された運転モードが、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードの場合には、自動運転による走行が可能な道路だけを経由して経路を導出することを試みる。もし、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した経路を導出できない場合、又は目的地が自動運転による走行が可能な道路に接続していない場合には、自動運転による走行が許容されない道路を含んだ代替経路を導出する。
ここで、運転席に着座した搭乗者は、携帯する高機能携帯端末等の端末等(図示せず)を用いて、希望する目的地を、車両制御装置10へ入力してもよい。この場合、搭乗者の端末と、車両制御装置10の通信部13又は車載装置40の通信部46とが、有線により接続された場合だけ、目的地を車両制御装置10へ入力することが許容されるようにしてもよい。車両制御装置10の記憶部12には、端末を識別する端末識別情報が登録された端末識別情報表12eが記憶されている。搭乗者の端末と、車両制御装置10の通信部13又は車載装置40の通信部46との間の通信は、端末から送信される端末識別情報が、端末識別情報表12eに登録されている場合に許容される。
このようにして、目的地が、第3者によってシステム1に入力されることが防止される。特に、有線により接続された場合だけ、目的地を車両制御装置10へ入力することが許容されるようにすることにより、例えば、運転席に着座した搭乗者が車内で睡眠している間に、第3者が車外から目的地をシステム1に入力することは許容されないようになされている。
次に、ステップS311において、運転モード決定部11aは、運転資格情報に基づいて、導出された目的地までの経路に対して、選択された運転モードを許可可能か否かについて判断する。
図5は、ステップS311における運転モード決定部11aの処理を説明する図である。
まず、ステップS501において、運転モード決定部11aは、搭乗者により選択された運転モードが、運転資格情報に基づいて許容されるか否かを判断する。
例えば、運転資格情報として、普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)を有する搭乗者が、手動MT運転モードを選択した場合には、この選択は許容される(ステップS501においてYesの場合)。一方、運転資格情報として、普通自動車一種免許(オートマチック限定)を有する搭乗者が、手動MT運転モードを選択した場合には、この選択は許容されない(ステップS501においてNoの場合)。また、運転資格情報として、普通自動二輪免許を有する搭乗者が、速度及び経路選択自動運転モードを選択した場合には、この選択は許容される(ステップS501においてYesの場合)。一方、運転資格情報として、普通自動車一種免許(オートマチック限定)を有する搭乗者が、手動MT運転モード又は手動AT運転モードを選択した場合には、この選択は許容されない(ステップS501においてNoの場合)。更に、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、完全自動運転モードを選択した場合には、この選択は許容される(ステップS501においてYesの場合)。一方、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、手動MT運転モード、手動AT運転モード、又は速度及び経路選択自動運転モードを選択した場合には、この選択は許容されない(ステップS501においてNoの場合)。
次に、ステップS503において、運転モード決定部11aは、選択された運転モードで目的地まで移動可能か否かを判断する(ステップS501においてYesの場合)。
例えば、搭乗者に対して手動MT運転モード又は手動AT運転モードが許容されている場合には、運転モード決定部11aは、導出された経路を用いて移動可能であると判断する(ステップS503においてYesの場合)。経路が、自動運転による走行が許可されていない道路を含んでいるか、又は目的地が自動運転による走行が可能な道路に接続していなくても、手動運転による走行は可能であると考えられるためである。一方、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードが許容されていて、導出された経路が自動運転による走行が許可されていない道路を含んでいるか又は目的地が自動運転による走行が可能な道路に接続していない場合には、運転モード決定部11aは、選択された運転モードで目的地まで移動できないと判断する(ステップS503においてNoの場合)。このように、搭乗者の運転資格情報に基づいて、運転モードを決定すると共に、経路を決定することにより、経路上の道路を走行可能な運転モードに基づいた運転が確保される。具体的には、運転モードが速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードの時には、運転資格情報に基づいて、目的地までの経路が決定される。
ステップS505において、選択された運転モードを許可可能であると判断する(ステップS503においてYesの場合)。
次に、ステップS313(図3参照)において、運転モード決定部11aは、搭乗者に対して、搭乗者により選択された運転モードを、車両を制御する運転モードとして決定する。運転モード決定部11aは、運転制御装置60を、決定された運転モードで車両の動作を制御させる。
一方、ステップS507において、運転モード決定部11aは、選択された運転モードを許可できないと判断する(ステップS501又はステップS503においてNoの場合)。
次に、ステップS315において(ステップS311においてNoの場合)、運転モード決定部11aは、他の許可可能な運転モードの有無を判断する。
例えば、ステップS311において、運転資格情報として普通自動車一種免許(マニュアル、限定なし)を有する搭乗者が、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードを選択しており、自動運転による走行が許容されない道路を含んだ目的地までの代替経路が導出されているとする。この場合には、運転モード決定部11aは、搭乗者に対して許可可能な運転モードとして、手動MT運転モード及び手動AT運転モードが有ると判断する(ステップS315においてYesの場合)。これは、手動MT運転モード及び手動AT運転モードを有する運転資格情報を有する搭乗者であれば、手動運転により代替経路を走行して、目的地まで安全に運転できると考えられからである。
また、ステップS311において、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、速度及び経路選択自動運転モードを選択しており、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した目的地までの経路が導出されているとする。この場合には、運転モード決定部11aは、搭乗者に対して許可可能な運転モードとして、完全自動運転モードが有ると判断する(ステップS315においてYesの場合)。運転資格を有さない搭乗者に対しては、目的地を入力する操作だけを許容して、車両の安全な走行が確保される。
更に、ステップS311において、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、手動MT運転モード又は手動AT運転モードを選択しており、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した目的地までの経路を導出できた場合には、運転モード決定部11aは、搭乗者に対して許可可能な運転モードとして、完全自動運転モードが有ると判断する(ステップS315においてYesの場合)。運転資格を有さない搭乗者に対しては、目的地を入力する操作だけを許容して、車両の安全な走行が確保される。
一方、搭乗者が有する運転資格情報に対して許可可能な運転モードがない場合には、運転モード決定部11aは、他の許可可能な運転モードは無いと判断する(ステップS315においてNoの場合)。例えば、運転資格情報として運転資格を有さない搭乗者が、完全自動運転モードを選択しているが、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した目的地までの経路を導出できない場合がある。
ステップS317において、運転モード決定部11aは、搭乗者に対して、許可可能な運転モードを通知する(ステップS315においてYesの場合)。運転モード決定部11aは、例えば、車載装置40の表示部43に許可可能な運転モードを表示するか、又は、音響出力部45を用いて許可可能な運転モードを音声出力する。
次に、ステップS319において、運転モード決定部11aは、車載装置40の操作部44を用いて、搭乗者から許可可能な運転モードを入力する。なお、運転席に着座する搭乗者は、通知された許可可能な運転モードを選択しない場合には、操作部44を用いて、許可可能な運転モードを選択しない操作を行う(ステップS319においてNoの場合)。
次に、ステップS321において、運転モード決定部11aは、搭乗者に対して、搭乗者により入力された運転モードを、車両を制御する運転モードとして決定する。運転モード決定部11aは、運転制御装置60を、決定された運転モードで車両の動作を制御させる。
一方、ステップS323において、運転モード決定部11aは、車両を操作することが不可能であることを、搭乗者に通知する(ステップS315又はS319においてNoの場合)。運転モード決定部11aは、例えば、車載装置40の表示部43を用いて、車両を運転することが不可能であることを表示するか、又は、音響出力部45を用いて、その旨を音声出力する。
以上が、車両制御装置10が運転モードを決定する動作の説明である。
次に、車両が自動運転モードで走行中に、運転席に着座している搭乗者が、目的地を変更する場合の車両制御装置10の処理を、図6を参照しながら、以下に説明する。
まず、ステップS601では、車両が、速度及び経路選択自動運転モード又は完全自動運転モードにおいて走行している時に、運転席に着座している搭乗者は、車載装置40の操作部44を用いて、新たな目的地を入力する。車両で移動中の搭乗者は、何らかの理由により、目的地の変更を行う場合がある。車両制御装置10の処理部11の経路決定部11bは、車載装置40を介して、新たな目的地を入力する。
次に、ステップS603において、経路決定部11bは、車載装置40を用いて、現時点の車両の位置から新たな目的地までの経路を、自動運転による走行が可能な道路だけを経由して導出することを試みる。経路決定部11bは、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した経路を導出できない場合には、経路を導出できないと判断する。
次に、ステップS605において、経路決定部11bは、新たな目的地には、自動運転で移動可能か否かを判断する。経路決定部11bは、ステップS603において、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した経路を導出できた場合には、新たな目的地に自動運転で移動可能であると判断する(ステップS605においてYesの場合)。一方、そうでない場合には、経路決定部11bは、新たな目的地に自動運転で移動できないと判断する(ステップS605においてNoの場合)。
次に、ステップS607において、経路決定部11bは、経路の目的地を、新たな目的地に変更する。
次に、ステップS609において、経路決定部11bは、新たな目的地を受け付けたことを、車載装置40の表示部43又は音響出力部45を用いて、搭乗者に通知する。
一方、ステップS611において、経路決定部11bは、新たな目的地を受け付けないことを、車載装置40の表示部43又は音響出力部45を用いて、搭乗者に通知する(ステップS605においてNoの場合)。
次に、ステップS612において、経路決定部11bは、車両を安全な場所に駐車して、運転席に着座している搭乗者に対して、車載装置40の表示部43又は音響出力部45を用いて、他の目的地を入力するように搭乗者に通知する。経路決定部11bは、車載装置40の操作部44を用いて、運転席に着座した搭乗者が希望する他の目的地を入力する。そして、ステップS603の前に戻る。ここで、安全な場所として、車載装置40の記憶部52に記憶されている地図データに登録されており、現在の目的地への経路と接続している駐車場、駐車場を有する店舗等の施設、又は現在の目的地の周辺に位置する駐車場等が挙げられる。
以上が、車両が自動運転モードで走行中に、運転席に着座している搭乗者が、目的地を変更する場合の車両制御装置10の処理の説明である。
次に、車両が手動運転モードで走行中に、運転席に着座している搭乗者が、自動運転モードに変更する場合の車両制御装置10の処理を、図7を参照しながら、以下に説明する。
まず、ステップS701では、手動MT運転モード又は手動AT運転モードにおいて走行している車両において、運転席に着座している搭乗者は、車載装置40の操作部44を用いて、表示部43に表示されている目的地設定ボタン(図示せず)を操作する。
次に、ステップS703において、車両制御装置10の処理部11の運転モード決定部11aは、目的地設定ボタンが操作された操作情報を入力すると、車両の運転モードを、完全自動運転モードに切り替える。
次に、ステップS705において、経路決定部11bは、目的地が設定されているか否かを判断する。手動MT運転モード又は手動AT運転モードにおいて、車載装置40に対して目的地が設定されていた場合には、経路決定部11bは、目的地が設定されていると判断する(ステップS705においてYesの場合)。一方、手動MT運転モード又は手動AT運転モードにおいて、車載装置40に対して目的地が設定されていなかった場合には、経路決定部11bは、目的地は設定されていないと判断する(ステップS705においてNoの場合)。経路決定部11bは、目的地は設定されていないと判断した場合、仮の目的地として、上述した安全な場所を設定した上で、下記の処理を行ってもよい。
次に、ステップS707において、経路決定部11bは、車載装置40を用いて、現時点の車両の位置から目的地までの経路を、自動運転による走行が可能な道路だけを経由して導出することを試みる(ステップS705においてYesの場合)。経路決定部11bは、自動運転による走行が可能な道路だけを経由した経路を導出できない場合には、経路を導出できないと判断する。
次に、ステップS709において、経路決定部11bは、現在の目的地には、自動運転で移動可能か否かを判断する。経路決定部11bは、ステップS707において自動運転による走行が可能な道路だけを経由した経路を導出できた場合には、現在の目的地に自動運転で移動可能であると判断する(ステップS709においてYesの場合)。一方、そうでない場合には、経路決定部11bは、現在の目的地に自動運転で移動できないと判断する(ステップS709においてNoの場合)。
次に、ステップS711において、運転モード決定部11aは、運転制御装置60を用いて、自動運転モードで車両の動作を制御させて、車両を目的地まで走行させる。
一方、ステップS713において(ステップS705又はS709においてNoの場合)、経路決定部11bは、車両を安全な場所に駐車して、運転席に着座している搭乗者に対して、車載装置40の表示部43又は音響出力部45を用いて、目的地を入力するように搭乗者に通知する。経路決定部11bは、車載装置40の操作部44を用いて、運転席に着座した搭乗者が希望する目的地を入力する。そして、ステップS707の前に戻る。
以上が、車両が手動運転モードで走行中に、運転席に着座している搭乗者が、自動運転モードに変更する場合の車両制御装置10の動作の説明である。
上述した本実施形態のシステム1によれば、搭乗者が有する運転資格情報に基づいて、自動運転モードを有する車両の操作が許容される操作範囲が自動的に決定される。従って、搭乗者の運転資格情報に基づいて、車両が安全に運転されるようになされている。
また、システム1によれば、手動運転モードでは、運転席に着座する搭乗者の運転資格情報に基づいて、車両を操作する操作範囲が自動的に決定されるので、搭乗者の技能に対応する範囲で安全な車両の走行が確保される。
更に、システム1によれば、運転資格情報として、車両の運転資格を有さない搭乗者に対しては、目的地を入力する操作以外の操作が許容されないので、搭乗者の手動操作を防止して、自動運転モードによる車両の走行を確保できる。
本発明では、上述した実施形態の車両制御システム、車両制御装置及び車両制御方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、経路の導出は、車両制御装置10により制御されて車載装置40が行っていたが、経路の導出は、車両制御装置10が行ってもよい。
また、車両制御装置10の処理部11の運転モード決定部11aは、指紋センサ33から送信された画像が、事前に登録されている指紋の画像と一致する場合には、搭乗者に対して、事前に登録されている自動運転情報(時間帯及び経路等)に基づいた自動運転を行う自動運転モードを許容するようにしてもよい。記憶部12は、搭乗者情報として、事前に登録されている指紋の画像と関連付けられた運転資格情報に対して、自動運転情報(時間帯及び経路等)を有する完全自動運転モードが登録されている。この完全自動運転モードでは、事前に定められた時間帯において、事前に定められた経路を移動するように、車両が制御される。このような設定は、例えば、朝夕の子供の学校への送迎に車両を利用する場合に利用することができる。
なお、免許の種別や運転資格は、今後の交通ルールの改正等により変動する可能性がある。たとえば、運転操作は出来なくても交通ルール等に一定の知識が要求される「自動運転免許」が創設されるかもしれず、そのような場合、完全自動運転であっても何等かの運転資格者が乗車していないと、走行が許容されなくなる可能性もある。したがって、変形例に係る車両制御装置10はそうした交通ルール改正等に対応できるよう、記憶部12に記憶されている免許証情報参照表12bを更新することができる。具体的には改正により追加や変更になった免許の種別・運転資格情報を、図示しない入力部を使ってユーザが入力できるようにしたり、図示しない読み取り部によって情報媒体(CD−ROM、USBメモリ等)から読み込んでもよいし、図示しない無線通信部によって車両外部のサーバから取得してもよい。このようにすることによって、将来的に交通ルール等が変わっても、搭乗者が有する運転資格情報に基づいて、自動運転モードを有する車両の操作が許容される操作範囲を適切に決定できる。