JP2018123393A - 熱処理方法およびこれに用いる歪み抑制治具 - Google Patents
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Description
即ち、本発明の熱処理方法(請求項1)は、金属製で且つ少なくともリング状部を有する被処理製品を熱処理するための熱処理方法であって、前記リング状部の軸方向が垂直方向に沿った上記被処理製品を、該被処理製品を支持する支持手段の表面よりも上方に配置し、当該被処理製品の上記リング状部に生じ得る軸方向および径方向に沿った熱的変形を、前記リング状部の径方向に沿った単一の平面からなる円周面と、前記リング状部の軸方向に沿った円環形状の規制部とによって抑制する、ことを特徴とする。
(1)金属製で且つ少なくともリング状部を有する被処理製品を支持手段の表面よりも上方で支持し、前記リング状部の径方向に沿った単一の平面からなる円周面によって、上記リング状部に生じ得る軸方向に沿った熱的変形(歪み)を抑制できると共に、上記リング状部の軸方向に沿った円環形状の規制部によって、上記リング状部に生じ得る径方向に沿った熱的変形を抑制することもできる。従って、前記リング状部における軸方向および径方向の双方に沿った歪みが許容範囲内に容易且つ確実に納められる熱処理を提供することができる。
また、前記熱処理は、焼入れ、焼戻し、焼なまし、焼ならし、浸炭処理、窒化処理、溶体化処理、あるいは、これらの何れか2つ以上を組み合わせた処理の何れかである。換言すると、前記熱処理は、少なくとも、被処理製品を所要温度域に加熱する加熱ステップと、該加熱ステップの後で前記被処理製品を冷却する冷却ステップと、を含んでいる。
更に、前記被処理製品を構成する金属材料は、例えば、炭素鋼、機械構造用鋼、工具鋼などの特殊鋼、アルミニウムまたはその合金、あるいは、チタンまたはその合金などである。
また、前記被処理製品は、支持手段の表面上に載置され、バッチ式の熱処理炉、またはトンネル式の連続熱処理炉に装入されることで、前記熱処理を施される。
更に、前記支持手段は、通気構造のトレイ、ラック、または敷き板、通気構造の床部を有するパレット、あるいは横移動が可能なメッシュベルトなどである。
加えて、前記歪みとは、前記被処理製品の径方向および軸方向における少なくとも一部の寸法が許容範囲を逸脱することを指す。
前記歪み抑制治具によれば、以下の効果(2)を奏することが可能となる。
(2)比較的簡素な構造にて熱媒体や冷媒が通過し易く、且つ低コストにより制作可能な前記歪み抑制治具により、前記効果(1)を奏する熱処理を、多種多様な形態を備えた被処理製品に対し、確実に且つ効率良く施すことが可能となる。
また、前記歪み抑制治具における単一の平面からなる円周面は、平面視で半径が異なる2つの同心円の間に挟まれた円環状の平面である。
更に、前記歪み抑制治具における円環形状の規制部は、被処理製品のリング状部に対し最小限の隙間を介して、該リング状部における軸方向に沿った内周面あるいは外周面に近接するように配置される。
これによれば、前記効果(1)のうち、前記円環形状の規制部によって前記リング状部に生じ得る径方向に沿った熱的変形を容易に抑制できる熱処理を行えるので、前記効果(2)をより確実に奏することが可能となる。
尚、前記段部の水平面である径方向に沿った円環形の周面は、単一の平面からなり、且つ前記円周面をも兼ねている。即ち、前記被処理製品におけるリング状部の軸方向に沿った断面形状が単純な矩形(長方形あるいは正方形)状であっても、前記段部である円周面における径方向の外周側または内周側によって、上記リング状部の底面の少なくとも一部を下側から確実に支持することができる。
これによれば、以下の効果(3)を奏することが可能となる。
(3)前記被処理製品がそのリング状部の中心側に軸部を一体に併有している形態であっても、前記熱処理に伴う熱的履歴に伴って、前記軸部が上記リング状部に対して軸方向に歪んで変位する事態を確実に防止できるか、少なくとも許容範囲内に容易に納めることが可能となる。
尚、前記軸部は、例えば、軸受け孔を中心部に有するボスである。
また、前記支持部は、例えば、前記リング状部の軸方向に沿った先尖形状(円錐形状または多角錘形状)を有する支持片、該支持片を軸方向に沿って昇降可能とした形態、あるいは、上記リング状部と同心円で且つ小径の円筒体である。
これによれば、複数(n)の前記歪み抑制治具を、これらの間ごとに両端の管端部が係合する複数(n−1)あるいは1本の垂直管を係合して、軸方向に沿って接続でき、且つ通風性を有するため、前記効果(2)を一層効率良く得られる。
尚、前記複数の接続板は、平面視で円筒部の内周面から中空部の中心側に延びた3つ以上の接続板であり、且つ中心部で前記交差部を形成すると共に、該接続板は、前記中空部内において熱媒体または冷媒体の流通を妨げない姿勢とされる。
更に、前記垂直管は、その両端に3箇所以上の軸方向に沿った凹溝を、切り欠き加工により点対称に形成したもので、前記凹溝ごとに前記交差部の近傍に位置する複数の接続板を個別に挿入することによって、前記係合を可能としている。
図1は、本発明の熱処理方法に用いられる浸炭熱処理炉1を示す概略図である。
上記浸炭熱処理炉1は、図1に示すように、断熱材(図示せず)が敷設された床面B上に、図示の左側から右側に向かって、断熱材からなる側壁と天井板とからなる加熱室2、浸炭室3、および冷却室4を直線状に配置し、且つ外部との開口部および各室2〜4間を断熱ドアdにより開閉可能とされている。上記加熱室2内にはヒータhが配設され、浸炭室3内にはヒータhと浸炭性ガスの導入管3aの吐出側とが配設されていると共に、冷却室4内の天井側には複数の冷却ファンfが個別に配設され、窒素などの冷却用ガスを下向きに送風可能としている。
上記加熱室2、浸炭室3、および冷却室4内には、横移動可能なキャスターcが前記断熱ドアdを開閉することにより、順送りに挿入される。前記キャスターcは、上下に複数段の通気性(通気構造)を有するラック(支持手段)5を水平状の姿勢で併有しており、各ラック5の表面上には、次述する歪み抑制治具10aを介して歯車(被処理製品)W1が複数個ずつ載置されている。
また、被処理製品である前記歯車W1は、機械構造用鋼などからなり、図2(A),(B)に示すように、リング状部8と、その外周側に等間隔で形成された複数の歯7と、前記リング状部8の内周面における軸方向の中間から中心側に突出した円環形状の凸条9とを備えている。該凸条9は、上記リング状部8の一部であり、その上側および下側に軸方向に沿った周面9a,9bが位置している。
更に、歪み抑制治具10aは、前記同様の耐熱性の金属からなり、図2(A),(B)に示すように、前記ラック5の表面上に載置され、且つ内側に中空部13を有する円筒部12と、該円筒部12および中空部13の上端同士の間に位置する円周面11とを有している。該円周面11は、円筒部12および中空部13の軸方向と直交する単一の平面からなる。尚、次述するように、上記円周面11に隣接する上記円筒部12の外周面は、前記歯車W1の径方向に沿った歪みを抑制する規制部Kとなる。
上記隙間sは、前記リング状部8の径方向に沿った歪みを抑制し、且つ歯車W1が円筒部12の規制部Kにいわゆる焼き嵌め状態となって密嵌される事態を防ぐ目的で配置される。例えば、前記周面9bの内径が103mmの場合、上記円筒部12および規制部Kの外径は101mmに設定されているので、上記隙間sは、1mm(前記周面9bの内径の約1%)となる。
上記浸炭熱処理の過程において、複数の前記歯車W1は、加熱に伴う熱膨張、浸炭処理による歯7ごとの歯面の硬化、および冷却に伴う冷却収縮を受けている。
一方、上記歪み抑制治具10bは、図3(A)に示すように、比較的厚肉で且つ中空部13を有する円筒部12と、その上端に位置する前記同様の円周面11と、該円周面11に隣接する前記円筒部12の外周側に沿って形成され、且つ単一の平面からなる円環形状の段部(円周面)14とを備えている。尚、次述するように、前記段部14の上側に隣接する円筒部12の外周面が規制部Kとなる。
上記セット状態で、複数組の前記歯車W2および歪み抑制治具10bをラック5上ごとに載置した前記キャリアcを、前記浸炭熱処理炉1に装入し、前記同様の加熱、浸炭処理、および冷却からなる浸炭熱処理を行った。該処理過程において、上記歯車W2ごとのリング状部8は、前記歪み抑制治具10bの単一の平面からなる段部14により下側から支持され、且つ該リング状部8の内周面8aは、前記隙間sを介して上記歪み抑制治具10bの規制部Kに近接していた。
その結果、上記浸炭熱処理によって前記効果(1)が得られ、且つ上記歪み抑制治具10bによって前記効果(2)が得られたことが判明した。
上記歪み抑制治具10cは、図4(A)に示すように、比較的厚肉で且つ内側に中空部13を有する円筒部12と、その上端に位置する前記同様の円周面11と、該円周面11に隣接する前記円筒部12の内周側に沿って形成され、且つ単一の平面からなる円環形状の段部(円周面)15とを備えている。尚、次述するように、前記段部15の上側に隣接する円筒部12の内周面が規制部Kとなる。
図4(B)の垂直断面図で示すように、前記ラック5の表面上に前記歪み抑制治具10cを載置し、その段部15の外周側に内歯車(被処理製品)W3のリング状部8の底面における内周側を載置すると共に、前記リング状部8の外周面8bと、上記歪み抑制治具10cの段部15の上側に隣接する円筒部12の内周面である規制部Kとの間に沿って、前記同様の隙間sが位置するようにセットした。
上記浸炭熱処理の過程において、上記内歯車W3ごとのリング状部8は、前記歪み抑制治具10cの単一の平面からなる段部15により下側から支持され、且つ上記リング状部8の外周面8bは、前記隙間sを介して上記歪み抑制治具10cの規制部Kに近接していた。
その結果、上記浸炭熱処理によっても前記効果(1)が得られ、且つ上記歪み抑制治具10cによっても前記効果(2)が得られたことが判明した。
上記歯車(被処理製品)W4は、図5(A)に示すように、前記同様のリング状部8およびその外周面に位置する複数の歯7と、前記リング状部8の中心側に位置し且つ中心部を軸方向に沿って貫通する軸受孔19を有する軸部20と、該軸部20と上記リング状部8との間を接続する円盤状のウェブ(接続壁)18とを備えている。尚、該ウェブ18には、平面視で複数の貫通孔17が点対称に配設されている。
図示のように、ラック5の表面上に載置された上記歪み抑制治具10aの円周面11上に、上記歯車W4をそのウェブ18の下側面におけるリング状部8寄りの位置で支持するようにセットした状態で、前記と同じ浸炭熱処理を行った。
その結果、上記浸炭熱処理によっても前記効果(1)が得られ、且つ上記歯車W4を支持した上記歪み抑制治具10aによっても前記効果(2)が得られた。
上記歪み抑制治具10dは、図5(B)に示すように、前記歪み抑制治具10と同様の円周面11および中空部13を有する円筒部12と、該円筒部12の内周面から中空部13の中心に向かって求心状の延びた複数の支持腕21と、該複数の支持腕21の先端側が交差し且つ中空部13の中心側に位置する支持片(支持部)22とを備えている。該支持片22は、その上方側に円筒部12の軸方向に沿って上向きの先尖形状(円錐形状)部を有している。
図示のように、ラック5の表面上に前記歪み抑制治具10dを載置し、該歪み抑制治具10dの円周面11上に、前記歯車W4を前記と同様にセットした。
従って、前記歯車W4を歪み抑制治具10dと併せて行う前記浸炭熱処理および前記歪み抑制治具10dによって、前記効果(1)〜(3)が得られた。
尚、前記支持片22は、その上方側に位置する先尖形状部を別体とし、前記軸部20の軸方向の長さに応じて、取り替え可能とした形態としても良い。
上記歪み抑制治具10eは、図6(A)に示すように、前記同様の円周面11および中空部13を有する円筒部12と、複数の支持腕21と、該複数の支持腕21の中心側に固定されたナット体23と、該ナット体23の雌ネジ孔にネジ込まれたボルト25と、該ボルト25の上端に回転不能に配置され且つ上側に先尖形状部を有する支持片(支持部)24と、を備えている。尚、前記ボルト25の上端には、前記支持片24の内部に位置する抜け止め片が取り付けられている。
図6(A)に示すように、ラック5の表面上に前記歪み抑制治具10eを載置し、該治具10eの円周面11上に、前記歯車W4を前記と同様にセットした。
上記浸炭熱処理の過程においても、前記と同様に前記リング状部8の径方向および軸方向の歪みが抑制されると共に、前記軸部22が前記リング状部8に対して軸方向に歪んで変位する事態も確実に防止することができた。
従って、前記歯車W4を、歪み抑制治具10eを用いて行う前記浸炭熱処理および前記歪み抑制治具10dによっても、前記効果(1)〜(3)が得られた。
上記歪み抑制治具10fは、図6(B)に示すように、前記同様の円周面11および中空部13を有する円筒部12と、複数の支持腕21と、該支持腕21ごとの中心側に接続され且つ上記中空部13の径方向における中間に位置する内円筒部(支持部)26と、を備えている。該内円筒部26は、円筒部12と軸方向の長さがほぼ同じで且つ径寸法が小さく、上記円筒部12と同心状に配設されていると共に、内側に細径の中空部27を有している。
図6(B)に示すように、ラック5の表面上に前記歪み抑制治具10fを載置し、該治具10fの円周面11および内円筒部26の上端面の上に、前記歯車W4を前記同様にセットした。尚、該上端面も、単一の水平面(平面)からなる。
上記浸炭熱処理の過程においても、前記と同様に前記リング状部8の径方向および軸方向の歪みが抑制されると共に、前記軸部22が前記リング状部8に対して軸方向に歪んで変位する事態も確実に防止することができた。
従って、前記歯車W4を歪み抑制治具10fと併せて行う前記浸炭熱処理および前記歪み抑制治具10dによっても、前記効果(1)〜(3)が得られた。
上記歪み抑制治具10gは、図7(A)に示すように、前記歪み抑制治具10aと同様の円筒部12、円周面11、規制部K、および中空部13を有すると共に、該中空部13には、円筒部12から中心側に延びた複数の接続板28と、これらの中心部に位置し且つ平面視で十字形状を呈する交差部29とを有している。
一方、上記垂直管30は、前記同様の耐熱鋼などからなり、比較的細径の管本体31と、該管本体31の両管端ごとに軸方向に沿って対称に形成され、且つ平面視の円周方向に沿って互いに90度ずつずれた4つの凹溝33,34と、隣接する凹溝33,34同士間ごとに位置する円弧辺35と、を有している。
その結果、上記浸炭熱処理の過程においても、前記と同様に前記歯車W1ごとのリング状部8の径方向および軸方向の歪みが抑制することができた。
尚、前記記歪み抑制治具10gの接続板28と前記垂直管30の各管端ごとの凹溝33,34は、少なくとも3つずつ以上であれば、互いに点対称に配設した形態に限らず、例えば、平面視がT字形状の交差部29を形成する形態としても良い。
上記歪み抑制治具10hは、図8(A)に示すように、前記歪み抑制治具10bと同様の円筒部12、円周面11、中空部13、外周側の段部14、および規制部Kを有し、且つ前記中空部13内に前記同様である複数の接続板28および交差部29を有している。
図8(A)に示すように、ラック5の表面上に、上・下段となる歪み抑制治具10h同士を垂直管30を介して前記同様に接続した組物を載置すると共に、前記歪み抑制治具10hごとの段部(円周面)14上に前記歯車W2ごとのリング状部8の底面を支持すると共に、該リング状部8ごとの内周面8aと、上記治具10hごとの規制部Kとを隙間sを挟んで近接するようにセットした。かかるセット状態で、前記と同じ浸炭熱処理を行った。
その結果、上記浸炭熱処理の過程においても、前記と同様に前記歯車W2ごとのリング状部8の径方向および軸方向の歪みが抑制することができた。
上記歪み抑制治具10iは、図8(B)に示すように、前記歪み抑制治具10cと同様の円筒部12、円周面11、中空部13、内周側の段部15、および規制部Kを有し、更に外周側が幅狭の複数の接続板28aと交差部29とを有する。
その結果、上記浸炭熱処理の過程においても、前記と同様に前記内歯車W3ごとのリング状部8の径方向および軸方向の歪みが抑制することができた。
以上のような歯車W1,W2、内歯車W3の何れか1つを、前記歪み抑制治具10g〜10iの何れか1つを用いて行う前記浸炭熱処理、および上記歪み抑制治具10g〜10iによっても、前記効果(1)、(2)が得られた。
また、前記歪み抑制治具10a〜10c,10g〜10iは、例えば、アルミナ、ムライト、窒化アルミニウム、超硬などのセラミック製としても良い。
更に、前記歪み抑制治具10d〜10fは、前記円筒部12側や内円筒部26をセラミック製とし、且つその中空部13の内側に位置する支持腕21や支持片22,24など金属製とし、両素材を適宜連結した形態としても良い。
加えて、前記支持手段は、前記ラック5に限らず、比較的厚肉の金属板をプレスなどによる打ち抜き加工した多孔金属板、あるいは前記同様の金属板に千鳥状に多数のスリットを穿設した後、前記スリットごとの長辺と直交する平面方向に沿って引っ張って拡大したエキスパンドメタル板としても良い。
8…………………リング状部
10a〜10i…歪み抑制治具
11………………円周面
12………………円筒部
14,15………段部(円周面)
22,24………支持片(支持部)
26………………内円筒部(支持部)
28,28a……接続板
29………………交差部
30………………垂直管
33,34………凹溝
W1〜W4………歯車/内歯車(被処理製品)
K…………………規制部
Claims (5)
- 金属製で且つ少なくともリング状部を有する被処理製品を熱処理するための熱処理方法であって、
上記リング状部の軸方向が垂直方向に沿った上記被処理製品を、該被処理製品を支持する支持手段の表面よりも上方に配置し、当該被処理製品の上記リング状部に生じ得る軸方向および径方向に沿った熱的変形を、前記リング状部の径方向に沿った単一の平面からなる円周面と、前記リング状部の軸方向に沿った円環形状の規制部とによって抑制する、
ことを特徴とする熱処理方法。 - 金属製で且つ少なくともリング状部を有する被処理製品を熱処理する際に、該熱処理によって生じ得る歪みを抑制するための歪み抑制治具であって、
上記被処理製品を支持する支持手段の表面に載置される円筒部と、該円筒部の上端または該上端付近に位置し且つ上記被処理製品のリング状部を下側から支持して、該リング状部の軸方向に沿った熱的変形を抑制する単一の平面からなる円周面と、上記リング状部の径方向に沿った熱的変形を抑制する円環形状の規制部と、を備えている、
ことを特徴とする歪み抑制治具。 - 前記規制部は、前記円周面に隣接する前記円筒部の外周面または内周面であるか、あるいは、上記円周面に隣接する上記円筒部の外周側または内周側に沿った段部を有し、且つ該段部に隣接する上記円筒部の軸方向に沿った外周面または内周面である、
ことを特徴とする請求項2に記載の歪み抑制治具。 - 前記円筒部の中空部における中心側に、前記被処理製品のリング状部の中心側に位置する軸部あるいはその近傍を下側から支持する支持部を有している、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の歪み抑制治具。 - 前記円筒部の中空部に径方向に沿った複数の接続板を有し、かかる接続板同士が交差する中心側の交差部に、管端部に設けた複数の凹溝が係合する垂直管を介して、複数の歪み抑制治具をそれらの軸方向に沿って接続可能とされている、
ことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の歪み抑制治具。
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