JP2018123261A - 樹脂および樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素樹脂等の表面自由エネルギーが小さくメッキ層との密着性に乏しい樹脂にメッキ法を適用しても、樹脂とメッキ層との間に十分な密着力を確保できる樹脂の製造技術の提供。【解決手段】高周波減圧プラズマ装置のチャンバ内にアミノ基を含む材料ガスを供給して1〜100000Paの減圧下でプラズマを発生させる高周波減圧プラズマ処理を行って、チャンバ内にセットされた樹脂の表面の炭素骨格にアミノ基を導入、付与するアミノ基付与工程を備えている樹脂の製造方法。及び表面の炭素骨格にアミノ基が導入、付与されている樹脂。前記アミノ基を付与された樹脂表面に金属触媒液(Pd)をさせ、金属触媒をアミノ基を介して樹脂表面に付与し、無電解メッキにより銅メッキ層を形成し、電解メッキにより無電解銅メッキの上に所定の厚さの銅メッキ層を形成する、樹脂の製造方法。【選択図】図3A

Description

本発明は、プリント回路やデバイス回路の形成などに際して用いられる樹脂とその製造方法に関する。
フッ素樹脂は、低誘電率で高周波特性に優れると共に耐熱性および耐電性に優れているため、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂と共に、プリント回路やデバイス回路が設けられて、産業機械、自動車、通信機器、家電など様々な電気電子機器に搭載される回路基板だけでなく、今後更に多くの市場で用いられていくことが期待されている。
そして、これらの樹脂用面への導体層の形成方法としては、従来、以下に示すような方法が提案されている。即ち、表面を粗化させたCu箔を熱圧延により樹脂基板に貼り合わせる圧延貼り合わせ法(例えば特許文献1参照)、真空プラズマ成膜技術を用いてCu層を形成させる銅スパッタ法(例えば特許文献2参照)である。
特開2014−198885号公報 特開2012−169412号公報
しかしながら、圧延貼り合わせ法は高価なCu箔を用いるため、材料コストが高くなる。また、Cu箔は基板メーカーが自社生産することが難しく、必要なタイミングで必要な量を調達するのに適しているとは言えない。
また、銅スパッタ法は、スパッタのターゲットに高純度銅を用い、高真空度プラズマによって銅の成膜を行うため、ターゲットおよびプラズマ設備のコストが高額になる。
そこで、圧延貼り合わせ法や銅スパッタ法に替えて、コストが掛からないメッキ法の採用が考えられる。しかしエポキシ樹脂やポリオレフィン樹脂の基板に対してはアンカー効果を利用することによりメッキ法が適用可能であるが、フッ素樹脂の基板へメッキ法を適用しようとすると、フッ素樹脂は、化学的安定性が高い(表面自由エネルギーが小さい)ためアンカー効果を利用してもメッキ層を形成させることができない。
一方、電子機器や半導体装置などの小型化、高性能化がユーザーから益々強くなっていることに加えて、電気信号の高速伝送化(高周波化)が可能な回路基板の開発が要望されており、高周波化に伴うノイズの発生を抑制するために樹脂と金属との界面を平坦化させた基板材料が要望されている。また、高周波化により、基板材料として、耐熱性、絶縁性の高いフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂を適用することが期待されている。しかし、金属との界面が平坦化されたフッ素樹脂では、メッキ層を形成させることができない。
また、ポリイミド樹脂およびポリエステル樹脂は、メッキ層の形成は可能であるものの、樹脂が吸水しやすくアルカリ性に弱いため、メッキ液によりダメージを受ける。このため、これらの樹脂においてもメッキ法を採用することができない。
このような状況下、これらの樹脂、特に耐熱性、絶縁性(高周波特性)の高いフッ素樹脂は、今後通信、車載回路基板、レーダー等の信頼性の高い製品では必要となる基板材料として、特に、期待されている。また、このような通信関係以外の分野でも、耐熱性の面からフッ素樹脂が期待されている。
しかし、フッ素樹脂は、上記したように、表面自由エネルギーが小さくメッキ層(導体層)との密着性に乏しいため、本質的に、樹脂とメッキ層との間で十分な密着力を得ることが難しい。
そこで、本発明は、フッ素樹脂等の表面自由エネルギーが小さくメッキ層との密着性に乏しい樹脂にメッキ法を適用しても、樹脂とメッキ層との間に十分な密着力を確保することができる樹脂の製造技術を提供することを課題とする。
エポキシ樹脂等の表面へのメッキ法を用いたメッキ層の形成は、一般的に以下の方法で行われる。即ち、まず、触媒吸着法を用いて、樹脂の表面に耐酸化性に優れるパラジウム(Pd)を吸着させる。その後、銅(Cu)の無電解メッキあるいは電解メッキを行うと、Pdが核となって触媒として働くことによりCuが析出され、所定の厚みのメッキ層が形成される。
前記したように、金属との界面が平坦化されたフッ素樹脂は、アンカー効果を利用することができず、また、表面自由エネルギーが小さいために親水性に乏しくメッキ液に対する濡れ性が悪いため、フッ素樹脂とメッキ層の界面はミクロなレベルでは十分に密着していない。
そこで、本発明者は、フッ素樹脂の表面自由エネルギーを大きくさせれば、メッキ液との濡れ性を向上させることができてメッキ法を適用することが可能になり、さらに、フッ素樹脂とパラジウムを密着させる官能基を樹脂表面に付与することができれば、フッ素樹脂とメッキ層との間に十分な密着力を確保することができると考え、その手段として、樹脂の表面に親水性の官能基を導入する樹脂の表面改質に想い至った。即ち、親水性の官能基をフッ素樹脂に導入することによってメッキ層形成の核となるPdとフッ素樹脂との密着力が増大し、樹脂基板との密着力を向上させたメッキ層(導体層)を形成できると考えた。
そして、種々の実験と検討の結果、フッ素樹脂の表面に親水性の官能基としてアミノ基を導入した場合、メッキ層との密着力が顕著に向上することが分かった。そして、アミノ基の導入に高周波減圧プラズマを用いた場合、例えばフッ素樹脂では、骨格となる炭素(C)原子に繋がったフッ素原子(F)がアミノ基で置換されて、十分に多くのアミノ基を導入できることが分かった。そして、十分多くのアミノ基を導入できるため、フッ素樹脂の表面自由エネルギーが大きくなり、フッ素樹脂を触媒溶液に対して親水化することができる。さらに、アミノ基がパラジウム等の金属触媒と結合することで密着力が十分に向上することが分かった。また、このアミノ基の導入は、高真空を必要とせず中程度の真空度の下に実施することができるため、コスト面でも好適であることが分かった。そして、この方法は、上記したフッ素樹脂のみならず、前記した種々の樹脂の全てに同様に適用できることが分かり、本発明を完成するに至った。そして、この方法はドライプロセスであり、廃液を処理する必要もないため、十分な生産性でコストを低減することができる。
即ち、本発明は、
高周波減圧プラズマ装置のチャンバ内にアミノ基を含む材料ガスを供給して1〜100000Paの減圧下でプラズマを発生させる高周波減圧プラズマ処理を行って、前記チャンバ内にセットされた樹脂の表面の炭素骨格に前記アミノ基を導入、付与するアミノ基付与工程を備えている樹脂の製造方法である。
また、本発明は、
表面の炭素骨格にアミノ基が導入、付与されている樹脂である。
本発明によれば、フッ素樹脂等の表面自由エネルギーが小さくメッキ層との密着性に乏しい樹脂にメッキ法を適用しても、樹脂とメッキ層との間に十分な密着力を確保することができる樹脂の製造技術を提供することができる。
樹脂基板の製造工程を示す図である。 フッ素樹脂における炭素骨格およびポリマー鎖を示す概念図である。 アミノ基付与の反応機構を示す概念図である。 高周波プラズマ装置の一例を示す模式図である。 高周波プラズマ装置の一例を示す模式図である。 高周波プラズマ装置の一例を示す模式図である。 Pdの析出状態(上段)および無電解メッキによるCuの析出機構(下段)を示す概念図である。 樹脂基板上に形成されたメッキ層の構成を示す概念図である。 メッキ強度ピール試験の試験方法を示す斜視図である。 樹脂基板とCuメッキ層との界面部分のSEM画像である。 樹脂基板とCuメッキ層との界面部分のSEM画像である。 樹脂基板とCuメッキ層との界面部分のSEM画像である。 樹脂基板とCuメッキ層との界面部分のSEM画像である。 樹脂基板とCuメッキ層との界面部分のSEM画像である。 メッキ強度ピール試験の試験結果を示す図である。 樹脂基板のCu側剥離面とPTFE側剥離面のSEM画像である。 樹脂基板のCu側剥離面とPTFE側剥離面のXPSスペクトルである。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施の形態の内容を列記して説明する。なお、以下においては、回路基板の作製を例に挙げて具体的な説明を行っている。
(1)本発明は、
高周波減圧プラズマ装置のチャンバ内にアミノ基を含む材料ガスを供給して1〜100000Paの減圧下でプラズマを発生させる高周波減圧プラズマ処理を行って、前記チャンバ内にセットされた樹脂の表面の炭素骨格に前記アミノ基を導入、付与するアミノ基付与工程を備えている樹脂の製造方法である。
前記した通り、樹脂の表面に親水性の官能基としてアミノ基を導入した場合、密着力が顕著に向上する。そして、アミノ基の導入に高周波減圧プラズマを用いた場合、例えばフッ素樹脂では、骨格となる炭素(C)原子に繋がったフッ素原子(F)がアミノ基で置換されて、十分に多くのアミノ基を導入することができるため、樹脂の表面自由エネルギーが大きくなり、密着力が十分に向上する。この結果、フッ素樹脂等の表面自由エネルギーが小さく導体層との密着性に乏しい樹脂にメッキ法を適用しても、樹脂の表面がメッキ液に対して親水化されているため金属触媒、例えば、パラジウムが樹脂表面に付与される。さらに、アミノ基がパラジウムと結合することで密着力が増加するため、樹脂とメッキ層(導体層)との間に十分な密着力を確保して、電気信号の高速伝送(高周波化)が可能な回路基板を製造することができる。
なお、アミノ基を導入する技術としては、上記した高周波減圧プラズマ以外に、金属Naとアンモニアによるウエット処理があるが、高周波減圧プラズマは廃液が生成しないドライプロセスで処理できるため、より簡単なプロセスで、かつ低コストで処理することができ好ましい。
(2)そして、本発明においては、前記高周波減圧プラズマ処理が、1〜1000Paの減圧下でプラズマを発生させる前記高周波減圧プラズマ処理であることが好ましい。
上記の範囲の減圧下でプラズマを発生することにより、樹脂とメッキ層(導体層)との間により十分な密着力を確保して、電気信号の高速伝送(高周波化)が可能な回路基板を製造することができる。
(3)そして、本発明においては、前記アミノ基付与工程において、前記アミノ基を含む材料ガスとして、アンモニアまたは気体状のヒドラジンを用いることが好ましい。
これらのガスは、分子構造中にアミノ基を持つ構造であるため、材料ガスにこれらのガスを用いた場合、プラズマ放電中で電離して反応活性の高いアミノ基を樹脂表面へ供給することができ好ましい。なお、これらのガスの内でも、取り扱いの容易さから、アンモニアが特に好ましい。
(4)また、本発明においては、前記アミノ基が付与された前記樹脂基板の表面に触媒液を接触させ、銅メッキが成長するための金属触媒をアミノ基を介して前記樹脂基板の表面へ付与させる工程を備えていることが好ましい。
高周波減圧プラズマを利用してアミノ基を付与した樹脂表面にさらに金属触媒を付与した場合、その後の銅メッキ工程において、金属触媒が触媒としての機能を発揮するため、樹脂に対して十分な密着力を有する銅メッキ層を導電層として形成することができる。
好ましい金属触媒としては、電気を使わず酸化還元反応によりメッキ成長を促す自己触媒能力を特性として有する金属触媒を挙げることができ、具体的には、パラジウム、ニッケル、亜鉛等を挙げることができる。
(5)また、本発明においては、前記金属触媒が、パラジウムであることが好ましい。
金属触媒が、パラジウムの場合、樹脂に対してより十分な密着力を有する銅メッキ層を導電層として形成することができる。
(6)また、本発明においては、無電解メッキ層を形成し、さらに、前記無電解メッキ層の上に電解メッキを用いて所定の厚みの電解銅メッキ層を形成する銅メッキ工程を備えていることが好ましい。
前記したように、パラジウムの表面に無電解銅メッキを行った場合、パラジウムが樹脂上のアミノ基と密着するため、無電解銅メッキとの間で十分な密着性を発揮する。この結果、所定の厚みの銅メッキ層を導電層として、樹脂基板上に十分な密着性で効率的に形成することができる。
パラジウムの表面に銅メッキ層を形成させる技術としては、従来、フッ素樹脂に別の樹脂を成長させることにより銅メッキ層との密着性を改善するグラフト法(佐藤悠他、「大気圧開放型プラズマ処理と高分子グラフト重合による表面改質―フッ素樹脂へのAg膜の形成―」、2014年07月04日発行、精密工学会関西地方定期学術講演会講演論文集 巻:2014 ページ:18−19参照)や、パラジウム上に直接電解銅メッキを行うダイレクトメッキ法(特開2007−16283号公報参照)がある。
しかしながら、グラフト法は、2工程を必要とするため簡易な方法とは言えない。これに対して、無電解メッキや電解メッキは1工程で銅層を形成することができ好ましい。
また、ダイレクトメッキ法は、パラジウムのみで導電層を形成するためコストが高くなる問題がある。これに対して、本実施の形態に係る技術は最小限のパラジウムを使用し、安価な銅メッキ工程でメッキ形成することができ好ましい。
即ち、Pdは触媒作用、耐酸化性に優れているが、高価であり、導電性も銅に比べて劣っている。このため、パラジウムの使用量はできるだけ少なくして、その上に導電性に優れた銅メッキ層を形成することが好ましく、上記のようにすることにより、Pdの使用量を少なくして材料コストを抑えると共に、より薄い銅メッキ厚で所定の導電率を有する導体層を形成することができる。
(7)また、本発明において、前記銅メッキ工程は、
前記金属触媒に無電解メッキを用いて銅メッキ層を形成する無電解メッキ工程と、
無電解メッキにより析出させた銅メッキ層上に電解メッキを用いて銅メッキ層を形成する電解メッキ工程とを有していることが好ましい。
パラジウムに銅メッキ層を形成する場合、直接電解銅メッキで必要な厚みの銅メッキを行うことができれば最も効率良くメッキ形成ができるが、実際はパラジウムを多く吸着させて電流を流せるほどのパラジウムメッキ層を形成することは高価なパラジウムの使用量が多くなり高コストになってしまう。
そのため、必要最小限のパラジウムを樹脂表面へ吸着させ、そのパラジウムから無電解銅メッキを成長させることで導電性が得られる厚さまで無電解メッキを行い、その後は電解メッキに切り替えてメッキを行うことで、効率的に銅メッキ層を形成させる方法がコスト面から回路形成に好ましい。また、メッキ処理後、加熱処理を施すと、メッキが安定するため好ましい。
(8)また、本発明において、前記樹脂は、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびエポキシ樹脂からなる群から選択された一つ以上の樹脂であることが好ましい。
これらの樹脂は、低誘電率で耐熱性、耐電性に優れているため、プリント基板の電気絶縁性基板として好適であり、これらの内でも、フッ素樹脂が特に好ましい。
(9)また、本発明において、前記樹脂は、表面粗さが、JIS B 0601−1982に規定される算術平均粗さRaで1μm以下であることが好ましい。
表面粗さRaが1μm以下に平滑化処理されている樹脂を基板として用いることにより、高速伝送(GHz帯)にも十分に適応可能な回路基板を製造することができる。
(10)本発明は、
上記した樹脂の製造方法により作製された樹脂を用いて回路基板を作製する回路基板の製造方法である。
上記した樹脂の製造方法により作製された樹脂基板を用いて回路基板を作製することにより、低誘電率で耐熱性、耐電性に優れた回路基板を作製して、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を提供することができる。
(11)本発明は、
表面の炭素骨格にアミノ基が導入、付与されている樹脂である。
表面の炭素骨格にアミノ基が導入、付与されている樹脂は、前記したように、表面自由エネルギーが大きくなり、導電層(銅メッキ層)との密着力が十分に向上する。このため、樹脂の表面にミクロなレベルで隙間なく導電層(銅メッキ層)を密着させて形成することができ、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を作製する樹脂として好ましい。
(12)そして、本発明においては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびエポキシ樹脂からなる群から選択された一つ以上の樹脂であることが好ましい。
前記した通り、これらの樹脂は、低誘電率で耐熱性、耐電性に優れているため、プリント基板の電気絶縁性基板用の樹脂として好適である。
(13)また、本発明においては、前記アミノ基上に金属触媒が付与されていることが好ましい。
前記した通り、金属触媒が付与されていることにより、銅メッキに際して、金属触媒に触媒としての機能を発揮させて、十分な密着性を有するメッキ層を導電層として形成させることができる。
(14)また、本発明においては、前記金属触媒が、パラジウムであることが好ましい。
パラジウムが付与されていることにより、銅メッキに際して、パラジウムに触媒としての機能を発揮させて、より十分な密着性を有するメッキ層を導電層として形成させることができる。
(15)また、本発明においては、前記パラジウムに所定の厚みの銅メッキ層が形成されていることが好ましい。
前記した通り、パラジウムに所定の厚みで銅メッキ層を形成した場合、Pdが触媒となってその機能を発揮し、所定の厚みの銅メッキ層を導電層として、樹脂基板に十分な密着性で効率的に形成することができる。そして、Pdの使用量を少なくして、材料コストを抑えると共に、無電解銅メッキ上に所定の導電率を有する電解銅メッキ層を形成することができ、樹脂の表面にミクロなレベルで隙間なく銅メッキ層(導電層)を密着させて形成することができる。
(16)本発明は、
前記樹脂を用いて作製された回路基板である。
本実施の形態に係る樹脂は、十分な密着性で銅メッキ層を導電層として形成させることができるため、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を提供することができる。
(17)本発明は、
前記樹脂の表面に形成された銅メッキ層を用いて、回路パターンが形成されている回路基板である。
樹脂基板上に十分な密着性を有する導電層として形成された銅メッキ層を用いて、回路パターンを形成することにより、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を提供することができる。
[本発明の実施形態の詳細]
次に本発明の実施形態の詳細について、回路基板の作製を例に挙げて説明する。なお、以下では金属触媒としてパラジウムを用いて説明するが、これに限定されない。
1.回路基板の製造工程の概要
はじめに、回路基板の製造工程の概要について説明する。図1は回路基板の製造工程を示す図である。図1に示すように、回路基板の製造は、先ず、基板状に成形した樹脂(樹脂基板)の表面に、高周波減圧プラズマ処理によりアミノ基を付与して、樹脂基板の表面改質処理を行う。次に、触媒吸着により、アミノ基が付与された樹脂基板の表面にPdを付与させる。次に、表面にPdを付与させた樹脂基板を、希硫酸(HSO)溶液に浸漬して、Pdを活性化させる。最後に、無電解メッキあるいは無電解メッキと電解メッキとの併用により、樹脂基板の表面にCuメッキ層を形成させる。
2.回路基板の製造の詳細
次に、回路基板の製造の詳細について工程順に説明する。
(1)樹脂基板の表面改質(アミノ基付与)工程
(a)樹脂基板の準備
最初に樹脂基板を準備する。
樹脂基板としては、プリント回路やデバイス回路の作製に従来より用いられている樹脂基板、または今後利用が検討されている樹脂基板を用いることができる。
具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂基板、芳香族ポリイミド(PI)樹脂などのポリイミド樹脂基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル樹脂基板、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン樹脂基板、エポキシ樹脂基板などから選択して使用することができる。
このとき、アミノ基が付与される側の表面には、予め、表面粗さRaが1μm以下となるように、平滑化処理を施しておくことが好ましい。このように、樹脂基板の表面が平滑化処理されていることにより、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を製造することができる。
(b)高周波減圧プラズマ処理(アミノ基付与)工程
本工程では、高周波減圧プラズマ処理により、アミノ基のプラズマを生成させ、生成させたプラズマを用いて、樹脂基板表面の炭素骨格にフッ素と置換する形でアミノ基を導入、付与する。図2Aはフッ素樹脂のポリマー鎖を示す概念図であり、図2Bはアミノ基付与の反応機構を示す概念図である。
図2Aに示すように、フッ素樹脂では炭素骨格にフッ素が結合されているが、図2Bに示すように、アンモニアガスを導入して高周波減圧プラズマ処理によってアミノ基のプラズマ(NH−)を生成させた場合、炭素骨格に結合されていたフッ素が置換されて炭素骨格にアミノ基が導入されて付与される(フッ素はHFとなって炭素骨格から離脱)。
なお、上記において、アミノ基のプラズマは、1sccm(standard cm/min)以上の流量でアンモニアガスを導入し、プロセス圧力を1〜1,000Paに維持する雰囲気下、1〜100MHzの高周波を0.01〜3W/cmのパワー密度で印加して高周波減圧プラズマ処理することにより、生成される。
高周波プラズマ処理装置には、1度のプラズマ処理で複数枚の樹脂基板を同時に処理することができる高周波プラズマ処理装置が好ましく用いられる。図3A、図3B、図3Cは高周波プラズマ装置の一例を示す模式図である。図3A、図3Bにおいて、1は高周波プラズマ装置であり、2は高周波電力供給装置であり、3は真空チャンバであり、4はプロセスガス供給装置であり、5は真空排気装置であり、6はプラズマ処理対象物の樹脂基板である。
図3A、図3Bに示すように、高周波プラズマ装置は、少なくともプラズマモードとしてプラズマ処理対象物である樹脂基板6をカソード側に配置するRIEモードを有する。真空チャンバ3には、プロセスガス供給装置4により希ガスとアミノ基含有ガス(例えば、上記したアンモニアガス)との混合ガスの導入が可能であり、この混合ガスの雰囲気下、プラズマが形成される。
高周波プラズマ装置1は、前記したように、1sccm以上の流量でアンモニアガスを導入し、プロセス圧力を1〜1,000Paに維持する雰囲気下、1〜100MHzの高周波を0.01〜3W/cmのパワー密度で印加して高周波減圧プラズマ処理することにより、アミノ基のプラズマを発生させることができる。マイクロ波に比べて周波数が低い高周波を印加しているため活性種(プラズマ)が加速されやすく、活性種の運動エネルギーが大きくなり、プラズマ処理対象物である樹脂基板6に対して平均自由工程の長い活性種を照射することができる。
特に、RIEモードの場合、PEモードとは異なり、高周波プラズマに曝される樹脂基板6を樹脂基板の耐熱温度以下に維持し、活性種(アミノ基)が垂直方向に振動するシース層で表面処理することができるため、アミノ基を効率良く炭素骨格に導入、付与することができる。
このとき、ガス圧力Pは、少なくとも1〜1,000Paの範囲で調整し、プラズマ電力密度Wは、少なくとも0.01〜3W/cmの範囲で調整する。
(2)Pdの付与(Pdの析出)およびPdの活性化工程
本工程においては、上記において表面にアミノ基が付与された樹脂基板の表面にPdを析出させる。
Pdの付与には公知の触媒吸着が用いられる。具体的には、例えば、キャタリスト−アクセラレーション法を用いてナノメートルサイズのPd−Snコロイド粒子(ナノ粒子)を吸着させることによりPdを付与する方法を挙げることができる。
図4の上段はPdの析出状態を示す概念図である。図4の上段に示すように、このナノ粒子はSnにより強固にアミノ基に吸着されている。
次に、希硫酸などの活性液に浸漬して表面側のSnを溶出させ、Pdを露出させてCuを無電解メッキするための触媒としての機能を活性化させる。これにより、図4の下段に示すように理想に近い薄さのPdが被メッキ面に強固に密着した状態で形成される。
(3)Cuメッキ層の形成工程
本工程では、上記において表面が活性化された樹脂基板の表面にCuメッキ層を形成させる。なお、このCuメッキ層の形成は、無電解メッキあるいは無電解メッキと電解メッキとの併用により行われる。
(a)無電解メッキ
Cuの無電解メッキは公知のメッキ法を用いて行われる。具体的には例えば還元剤にホルムアルデヒドを用いたアルカリ浴で、ロッシェル塩、錯化剤としてEDTAを含有し、NaOHでpH調整されたメッキ浴を用い、例えば浴温度10〜80℃でメッキする。これにより、図4の下段に示すようにPdを核としてCuが析出し、Pd−Cuメッキ層が形成される。なお、図4は無電解メッキによるCuの析出機構を示す概念図である。
(b)電解メッキ
必要に応じて、次に、Pd−Cuメッキ層上に電解メッキを用いてCuメッキを行う。Cuの電解メッキは公知のメッキ法を用いて行われる。例えば無電解(化学)メッキ上へのストライクメッキとして一般的に使用されているメッキ法、具体的には硫酸銅を含有する酸性のメッキ浴を用い、浴温度15〜30℃で、電流密度3〜6A/dmでメッキする。これにより、図5に示すように、PTFE樹脂基板上にPdを介して無電解Cuメッキ層、Cuメッキ層が順に形成された樹脂基板が得られる。なお、図5は樹脂基板上に形成されたメッキ層の構成を示す概念図である。
3.回路基板の製造
上記で得られた樹脂基板上に形成された導電層(銅メッキ層)に対して、エッチングなどの方法を施すことにより、回路パターンを形成させて回路基板を製造する。このとき、導電層は樹脂基板に対して十分な密着性を有しているため、精度高く回路パターンを形成することができ、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を提供することができる。
以下、実施例に基づき、本発明をより具体的に説明する。
1.実験1
本実験においては、表面粗さRaが0.5μmのPTFE製樹脂基板上に上記したメッキ法を用いて厚み30μmのCuめっき層を形成させた樹脂基板を作製し、メッキピール強度を測定すると共に、樹脂基板とメッキ層の界面部分の断面を観察して密着の程度を調べた。
[1]樹脂基板の作製
図1に示す各工程に従って、以下の手順により、導電層が形成された樹脂基板を製造した。
(1)樹脂基板の準備
まず、樹脂基板として、予め、表面粗さRaが0.5μmに平滑化処理されたPTFE樹脂製の樹脂基板を準備した。
(2)樹脂基板の表面改質(アミノ基付与)工程
次に、表1に示すプラズマ処理条件の下、高周波減圧プラズマ処理により樹脂基板の表面にアミノ基を付与して、樹脂基板の表面改質処理を行った。
(3)Pdの形成(Pdの析出)
次に、アミノ基が付与された各樹脂基板の表面に、触媒吸着によりPdを析出させた。
(4)希硫酸浸漬活性化工程
その後、表面にPdを析出させた樹脂基板を、希硫酸(HSO)溶液に浸漬することにより、Pdを活性化させた。なお、ここでは、Sn−Pdコロイドメッキによって触媒吸着を行った。
(5)Cuメッキ層の形成工程
最後に、無電解メッキにより、樹脂基板の表面にCuメッキ層を形成させた。
なお、表2に、Pdの無電解メッキ(Sn−Pdコロイドメッキ:パラジウム触媒吸着)およびCuの無電解メッキ、電解メッキの手順を示す。
[2]試験方法および結果
(1)密着の程度
樹脂基板とCuメッキ層の界面部分のSEM画像を図7A〜図7Eに示す。図7A〜図7Eより、樹脂基板とCuメッキ層とがミクロなレベルで隙間なく密着していることが確認された。
なお、図7Bは、図7Aの領域Bの部分を3000倍に拡大したSEM画像であり、図7Cは、図7Aの領域Bの部分を8000倍に拡大したSEM画像である。また、図7Dは、図7Aの領域Aの部分を3000倍に拡大したSEM画像であり、図7Eは、図7Aの領域Aの部分を8000倍に拡大したSEM画像である。
(2)メッキピール強度
メッキピール強度試験は、JIS Z 0237−2009に準拠して、図6に示すように各々の試験サンプルSを試験装置8の水平なテーブル上に固定した後、メッキ層に所定の間隔(試験片幅)で平行な2本の切り込みを入れ、切り込みで挟まれたメッキ層の一端をチャックで挟み上方に向けて引っ張って行った。具体的な試験条件を表3に示す。
ピール強度試験の結果、従来メッキ法により樹脂基板を作製することができなかったのに対して、本発明に従えば、メッキ法により樹脂基板を作製することができ、さらに、ピール強度が3.0N/cmであることが分かった。そして、樹脂基板とCuメッキ層とがミクロなレベルで隙間なく密着していることが確認された。
2.実験2
[1]樹脂基板の作製
実験1の結果を受け、プラズマ処理の条件出しを実施した。具体的には処理圧力、処理パワーをそれぞれ30〜70Pa、500〜1000Wまで拡げてプラズマ処理を行い、樹脂基板を作製した。
具体的には、処理圧力30Paで処理パワー500W(0.13W/cm)としたこと以外は表1のプラズマ処理条件と同様にして樹脂基板を作製した。また、処理圧力50Paでそれぞれ処理パワー500W(0.13W/cm)、750W(0.16W/cm)、1000W(0.26W/cm)としたこと以外は表1のプラズマ処理条件と同様にして樹脂基板を作製した。また、処理圧力70Paでそれぞれ処理パワー500W(0.13W/cm)、750W(0.16W/cm)、1000W(0.26W/cm)としたこと以外は表1のプラズマ処理条件と同様にして樹脂基板を作製した。
[2]試験方法および試験結果
ピール強度試験の結果を実験1の結果と併せて図8に示す。図8より、ピール強度は1.0N/cm以上であり、3.0N/cmで頭打ちになっていることが分かった。次に、剥離面を観察し、樹脂基板とメッキ層の剥離の機構を調べた。
図9、図10はそれぞれ樹脂基板のCu側剥離面とPTFE側剥離面のSEM画像およびXPSスペクトルである。図9、図10はCu側剥離面にCF(凝集破壊)が存在していることが確認された。この結果は、剥離時にはPTFEが破断したことを示しており、この結果から樹脂基板とCuメッキ層は、樹脂基板の破断強度を超える強度で密着しているにも拘わらず樹脂基板が破断するためにピール強度が頭打ちになっていることが分かった。
3.実験3
一方、プリント基板の場合には、一般的に6.5N/cm以上のピール強度が好ましい。そこで、より強度の強いPFA製の樹脂基板を使用して樹脂基板を作製し、ピール強度を調べた。具体的には、表面粗さRaが0.2μmのPFA製樹脂基板に実験1に記載したメッキ法を用いて厚み30μmのCuめっき層を形成させた樹脂基板を作製し、メッキピール強度を測定した。
[1]樹脂基板の作製
表4にプラズマ処理条件を示す。
表5に、Pdの形成(Sn−Pdコロイド:パラジウム触媒吸着)およびCuの無電解メッキ、電解メッキの手順を示す。
[2]試験方法および結果
サンプル数を3とし、実験1と同じ方法でメッキピール強度試験を実施した。なお、試験片幅は5mm幅とした。試験結果を表6に示す。なお試験結果は1cm幅に換算して表記した。
表6より、本発明に従えば、プリント基板で好ましい6.5N/cmを確実にクリアーするピール強度でメッキされた樹脂基板が得られることが分った。
4.実験4
本実験では、前記した実験1〜3で得られた結果を基に、表7に示す各種樹脂基板上に銅メッキ層が形成された樹脂基板における樹脂基板と銅メッキ層との密着性を調べた。なお、各樹脂基板における表面粗さRaは0.2μm、メッキ層の厚みは30μmと同じに設定した。
[1]樹脂基板の作製
表8に示す処理条件の下、高周波減圧プラズマ処理により準備した各樹脂基板の表面にアミノ基を付与して、各樹脂基板の表面改質処理を行った。
そして、アミノ基の付与により樹脂が親水化されたことを確認するために、各樹脂における処理の前後での接触角の変化を測定した。結果を表9に示す。
表9より、いずれの樹脂においてもプラズマ処理後は接触角が小さくなっており、親水性が向上している(表面自由エネルギーが大きくなっている)ことが分かる。
次に、表10に示す手順に従って、Pdの付与および活性化、無電解Cuメッキ層の形成を行った。
[2]試験方法および試験結果
作製したサンプルの銅メッキ層が形成された側の面を観察し、Cuが着床していない欠損箇所の有無を調べることにより、樹脂基板と無電解銅メッキ層との密着性を評価した。欠損箇所がない場合を良とした。
また、テープ剥離法にて密着の強さ(テープ剥離)を評価した。具体的には、メッキ層にセロハンテープを押し付けて貼り付けた後、引き剥がして、そのとき、メッキが剥離するか否かを調べることにより、密着の強さを評価した。剥離しない場合を良とした。
試験結果を表11に示す。
表11より、PTFE、FEP、PI、PET、PEN、PPのいずれの樹脂においても、密着性、テープ剥離ともに良好であることが分かり、これらの樹脂基板においても、実験1〜3と同様の結果が期待でき、これらの樹脂基板を用いることにより、無電解銅メッキにおいて、樹脂基板とメッキ層の密着性に優れる高品質の樹脂基板を提供でき、高速伝送にも十分に適応可能な回路基板を提供できる。
なお、イミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂、の場合は、フッ素樹脂と比較して吸水率が高く、酸またはアルカリと加水分解反応を起こしてメッキ後に剥離する場合があるため、フッ素樹脂以外の樹脂では、無電解メッキ及び電解メッキ後に、乾燥除水処理を施して密着強度を確保することによって、より望ましい結果を得ることができる。
5.実験5
本実験では、上記した実験4におけるポリイミド樹脂をメッキ後に加熱乾燥した場合に密着力(ピール強度)がどのように向上するかを実験した。加熱乾燥を行う以外の実験条件等は上記実験4と同一である。
(1)加熱乾燥の条件
加熱乾燥 :無電解メッキ後と電解メッキ後の2回実施
加熱乾燥条件:120℃30分オーブン処理
(2)評価結果
表12に評価結果を示す。なお、単位はN/cmである。
表12より、ポリイミド樹脂においてメッキ後加熱乾燥をしなかった場合、樹脂が吸水して界面に剥離が生じたためにピール強度が0N/cmであったのに対して、メッキ後加熱乾燥した場合には、このような吸水による剥離が生じないため、ピール強度は1.8と向上していることが分かり、ポリイミド樹脂においては、電解メッキ後の加熱乾燥が必要であることが確認できた。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態に示す樹脂基板の製造技術は、高速伝送に適応するプリント基板で、樹脂基板とメッキ層の密着性に優れる高品質の樹脂基板の提供を可能にする技術であり、より一層高品質の回路基板の実用化に大きく寄与することができる。
1 高周波プラズマ装置
2 高周波電力供給装置
3 真空チャンバ
4 プロセスガス供給装置
5 真空排気装置
6 樹脂基板
8 試験装置
A、B 領域
S 試験サンプル

Claims (17)

  1. 高周波減圧プラズマ装置のチャンバ内にアミノ基を含む材料ガスを供給して1〜100000Paの減圧下でプラズマを発生させる高周波減圧プラズマ処理を行って、前記チャンバ内にセットされた樹脂の表面の炭素骨格に前記アミノ基を導入、付与するアミノ基付与工程を備えている樹脂の製造方法。
  2. 前記高周波減圧プラズマ処理が、1〜1000Paの減圧下でプラズマを発生させる高周波減圧プラズマ処理である請求項1に記載の樹脂の製造方法。
  3. 前記アミノ基付与工程において、前記アミノ基を含む材料ガスとして、アンモニアまたは気体状のヒドラジンを用いる請求項1または請求項2に記載の樹脂の製造方法。
  4. 前記アミノ基が付与された前記樹脂基板の表面に触媒液を接触させ、銅メッキが成長するための金属触媒をアミノ基を介して前記樹脂基板の表面へ付与させる工程を備えている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
  5. 前記金属触媒が、パラジウムである請求項4に記載の樹脂の製造方法。
  6. 無電解メッキ層を形成し、さらに、前記無電解メッキ層の上に電解メッキを用いて所定の厚みの電解銅メッキ層を形成する銅メッキ工程を備えている請求項4または請求項5に記載の樹脂の製造方法。
  7. 前記金属触媒に無電解メッキを用いて銅メッキ層を形成する無電解メッキ工程と、
    無電解メッキにより析出させた銅メッキ層上に電解メッキを用いて銅メッキ層を形成する電解メッキ工程とを有している請求項6に記載の樹脂の製造方法。
  8. 前記樹脂が、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびエポキシ樹脂からなる群から選択された一つ以上の樹脂である請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
  9. 前記樹脂は、表面粗さが、JIS B 0601−1982に規定される算術平均粗さRaで1μm以下である請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法により作製された樹脂を用いて回路基板を製造する回路基板の製造方法。
  11. 表面の炭素骨格にアミノ基が導入、付与されている樹脂。
  12. フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂およびエポキシ樹脂からなる群から選択された一つ以上の樹脂である請求項11に記載の樹脂。
  13. 前記アミノ基上に金属触媒が付与されている請求項11または請求項12に記載の樹脂。
  14. 前記金属触媒が、パラジウムである請求項13に記載の樹脂。
  15. 前記パラジウムに所定の厚みの銅メッキ層が形成されている請求項14に記載の樹脂。
  16. 請求項11ないし請求項15のいずれか1項に記載の樹脂を用いて作製された回路基板。
  17. 前記樹脂の表面に形成された銅メッキ層を用いて、回路パターンが形成されている請求項16に記載の回路基板。
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