JP2018122795A - 内装部品用基材、内装部品及びこれらの製造方法 - Google Patents

内装部品用基材、内装部品及びこれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来ない構成及び方法より、機械強度向上を実現できる内装部品用基材及びその製造方法、並びに、この内装部品用基材を用いた内装部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本内装部品用基材11は、補強繊維131及び補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂133、を含んだ基層13と、基層13の一面13aとその対面13bに貫通して縫製された縫製糸15と、を有し、縫製糸15は、第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155を形成しており、第1縫製パターン153は、所定方向に配向された複数条の縫製パターンを有し、第2縫製パターン155は、第1縫製パターンに交差された複数条の縫製パターンを有する。本内装部品1は、内装部品用基材11と、内装部品用基材11の一面側及び/又は対面側に積層された表皮層と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内装部品用基材、内装部品及びこれらの製造方法に関する。更に詳しくは、熱可塑性樹脂を用いて補強繊維を結着してなる内装部品用基材及びその製造方法、並びに、この内装部品用基材を用いた内装部品及びその製造方法に関する。
ドアトリムやインストルメントパネル等のような内装部品には、その基材として、補強繊維を熱可塑性樹脂により結着した内装部品用基材を利用できる。この内装部品用基材には、多くの特性が要求される。例えば、軽量であること、薄くできること、賦形性を有すること、薄く軽量でありながら高い機械強度を有すること、表皮を貼り付けられること、表皮の意匠性を阻害しないこと、植物繊維を補強繊維として利用できること等の特性が挙げられる。このような特性をバランスすることにより、例えば、内装部品としての意匠性を実現しつつ、構造部品としての強度を備え、尚且つ、カーボンニュートラルに対応し得る環境特性を併せ有する内装部品を得ることができる。
尚、内装部品に対して縫製を行う技術としては、下記特許文献1及び下記特許文献2が知られている。
特開2015−160484号公報 特開2015−093601号公報
従来、内装部品用基材は、例えば、補強繊維の種類の選択、補強繊維を結着する熱可塑性樹脂の種類の選択、熱可塑性樹脂の化学構造の変更による結着力の強化などにより、機械強度の向上がなされてきた。しかしながら、これらの各種選択肢の操作により、これ以上の飛躍的な機能向上が得られ難い状況になっている。しかしながら、更なる機械強度向上は求められており、上述した各種特性をバランスしつつも、従来に無い観点からの機械的強度の向上が求められている。
上記特許文献1及び特許文献2は、意匠模様として縫製によるステッチを利用する技術であるが、機械強度向上を実現し得る構成ではなく、また、そのような着眼も無く、効果が認められるものでもない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、従来ない構成及び方法より、機械強度向上を実現できる内装部品用基材及びその製造方法、並びに、この内装部品用基材を用いた内装部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]請求項1に記載の内装部品用基材は、補強繊維及び前記補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂、を含んだ基層と、
前記基層の一面とその対面に貫通して縫製された縫製糸と、を有し、
前記縫製糸は、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを形成しており、
前記第1縫製パターンは、所定方向に配向された複数条の縫製パターンを有し、
前記第2縫製パターンは、前記第1縫製パターンに交差された複数条の縫製パターンを有することを要旨とする。
[2]請求項2に記載の内装部品用基材は、請求項1に記載の内装部品用基材において、前記基層は、前記縫製糸が挿通された針孔を有し、
前記針孔は、前記基層の前記一面側及び前記対面側の少なくとも一方の側の開口部で閉塞されていることを要旨とする。
[3]請求項3に記載の内装部品用基材は、請求項2に記載の内装部品用基材において、前記針孔を閉塞している閉塞部は、縫製時に縫針が前記基層を貫通して形成されたバリが、前記針孔の前記開口部に埋め戻されてなることを要旨とする。
[4]請求項4に記載の内装部品用基材は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の内装部品用基材において、前記縫製糸は、第2熱可塑性樹脂を含み、
前記基層は、前記縫製糸が挿通された針孔を有し、
前記針孔は、前記孔内で閉塞されており、
前記針孔を閉塞している閉塞部は、前記第2熱可塑性樹脂が、前記孔内で溶融固化されてなることを要旨とする。
[5]請求項5に記載の内装部品用基材は、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の内装部品用基材において、前記縫製糸の繊度が、500dtex以上1300dtex以下であることを要旨とする。
[6]請求項6に記載の内装部品は、請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の内装部品用基材と、
前記内装部品用基材の一面側及び/又は対面側に積層された表皮層と、を有することを要旨とする。
[7]請求項7に記載の内装部品用基材の製造方法は、請求項1に記載の内装部品用基材の製造方法であって、
前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、を備えることを要旨とする。
[8]請求項8に記載の内装部品用基材の製造方法は、請求項2に記載の内装部品用基材の製造方法であって、
前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、
前記縫製工程において形成された前記針孔の前記開口部を閉塞する閉塞工程と、を備えることを要旨とする。
[9]請求項9に記載の内装部品用基材の製造方法は、請求項8に記載の内装部品用基材の製造方法であって、前記縫製工程において、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫針によって前記針孔の前記開口部にバリが形成されており、
前記閉塞工程は、前記バリを加熱軟化して前記開口部に埋め戻す工程であることを要旨とする。
[10]請求項10に記載の内装部品用基材の製造方法は、請求項4に記載の内装部品用基材の製造方法であって、
前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、
前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンをなしている前記縫製糸に含まれた前記第2熱可塑性樹脂を、前記針孔内で溶融固化させて、前記閉塞部を形成する閉塞工程と、を備えることを要旨とする。
[11]請求項11に記載の内装部品の製造方法は、請求項6に記載の内装部品の製造方法であって、
前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、
前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンが形成された前記繊維補強ボードの一面側及び/又は対面側に前記表皮層を積層する表皮層積層工程と、を備えることを要旨とする。
本発明の内装部品用基材は、第1縫製パターン及び第2縫製パターンである互いに交差された複数条の縫製パターンを有する。
これにより、機械強度向上を実現できる。即ち、各特性が巧く発現されるようバランスされた内装部品用基材の構成変更(例えば、補強繊維の変更、結着樹脂の変更等)を行うことなく、又は、これらの構成変更とは別個に、第1縫製パターン及び第2縫製パターンによって機械強度補強を行うことができる。
本内装部品用基材において、基層が、縫製糸が挿通された針孔を有し、この針孔が、基層の一面側及び対面側の少なくとも一方の側の開口部で閉塞されている場合には、閉塞されていない内装部品用基材に比べて機械的強度を大きくすることができる。
本発明の内装部品は、本内装部品用基材と、この内装部品用基材の一面側及び/又は対面側に積層された表皮層と、を有する。これにより、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを備えない内装部品用基材を用いた従来の内装部品に比べて、より高い機械強度を得ることができる。
本発明の内装部品用基材の製造方法(第1の製法)は、補強繊維と第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、賦形された繊維補強ボードに、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを形成する縫製工程と、を備える。
これにより、本発明の内装部品用基材を得ることができる。即ち、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを有さない従来の内装部品用基材に比べて機械強度が向上された内装部品用基材を得ることができ、また、各特性が巧く発現されるようバランスされた内装部品用基材の構成変更(例えば、補強繊維の変更、結着樹脂の変更等)を行うことなく、又は、これらの構成変更とは別個に、内装部品用基材の機械強度を補強することができる。
本発明の内装部品用基材の製造方法(第2の製法)は、補強繊維と第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、賦形された繊維補強ボードに、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを形成する縫製工程と、縫製工程において形成された針孔の開口部を閉塞する閉塞工程と、を備える。
これにより、本発明の内装部品用基材のうち、縫製糸が挿通された針孔を有して、この針孔が基層の一面側及び対面側の少なくとも一方の側の開口部で閉塞された内装部品用基材を製造できる。即ち、各特性が巧く発現されるようバランスされた内装部品用基材の構成変更(例えば、補強繊維の変更、結着樹脂の変更等)を行うことなく、又は、これらの構成変更とは別個に、パターン縫製及び針孔閉塞によって、内装部品用基材の機械強度を補強することができる。そして、このように製造された内装部品用基材は、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを有さない従来の内装部品用基材に比べて機械強度が向上されることに加え、針孔の開口部が閉塞されていない内装部品用基材に比べて、更に機械強度が向上された内装部品用基材とすることができる。
本発明の内装部品用基材の製造方法(第3の製法)は、補強繊維と第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、賦形された繊維補強ボードに、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを形成する縫製工程と、第1縫製パターン及び第2縫製パターンをなしている縫製糸に含まれた第2熱可塑性樹脂を、針孔内で溶融固化させて、閉塞部を形成する閉塞工程と、を備える。
これにより、本発明の内装部品用基材のうち、縫製糸が挿通された針孔を有して、この針孔が、縫製糸に含まれた第2熱可塑性樹脂が溶融固化されてなる閉塞部によって、その孔内で閉塞された内装部品用基材を製造できる。即ち、各特性が巧く発現されるようバランスされた内装部品用基材の構成変更(例えば、補強繊維の変更、結着樹脂の変更等)を行うことなく、又は、これらの構成変更とは別個に、パターン縫製及び針孔閉塞によって、内装部品用基材の機械強度を補強することができる。そして、このように製造された内装部品用基材は、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを有さない従来の内装部品用基材に比べて機械強度が向上されることに加え、針孔の孔内が閉塞されていない内装部品用基材に比べて、更に機械強度が向上された内装部品用基材とすることができる。
本発明の内装部品の製造方法は、補強繊維と第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、賦形された繊維補強ボードに、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを形成する縫製工程と、第1縫製パターン及び第2縫製パターンが形成された繊維補強ボードの一面側及び/又は対面側に表皮層を積層する表皮層積層工程と、を備える。
これにより、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを備えない内装部品用基材を用いた従来の内装部品に比べて、より高い機械強度を有する内装部品を製造できる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部位を示す。
本内装部品用基材の一例を説明する説明図である。 本内装部品用基材の他例を説明する説明図である。 本内装部品用基材の他例を説明する説明図である。 縫製パターンの一例を説明する説明図である。 縫製パターンの他例を説明する平面図である。 縫製パターンの他例を説明する説明図である。 縫製パターンの他例を説明する平面図である。 縫製パターンの他例を説明する平面図である。 本内装部品用基材の一例を模式的に示す部分的な断面図である。 本内装部品用基材の他例を模式的に示す部分的な断面図である。 本内装部品の一例を模式的に示す部分的な断面図である。 本内装部品用基材の製造方法の一例を説明する説明図である。 本内装部品用基材の製造方法における閉塞工程を説明する説明図である。 本発明の内装部品の製造方法における表皮層積層工程を説明する説明図である。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
尚、図1において、(a)図は、基層13の一面13a側の平面図である。また、(b)図は、(a)図内のZ−Z’における断面図である。(c)図は、(b)図の針孔14近傍を拡大して示す部分拡大図である。また、(d)図は、基層13を構成する補強繊維131と第1熱可塑性樹脂133とを模式的に示す拡大図である。
この図1に示す内装部品用基材11は、針孔14が閉塞されていない形態を例示するものである。
図2において、(a)図は、基層13の一面13a側の平面図である。また、(b)図は、(a)図内のZ−Z’における断面図である。(c)図は、(b)図の針孔14近傍を拡大して示す部分拡大図であり、針孔14がその開口部で閉塞部145によって閉塞された形態を例示している。また、(d)図は、基層13を構成する補強繊維131と第1熱可塑性樹脂133とを模式的に示す拡大図である。
この図2に示す内装部品用基材11は、針孔14が閉塞された形態を例示するものである。
図3において、(a)図は、基層13の一面13a側の平面図である。また、(b)図は、(a)図内のZ−Z’における断面図である。(c)図は、(b)図の針孔14近傍を拡大して示す部分拡大図であり、針孔14がその孔内で閉塞部145によって閉塞された形態を例示している。また、(d)図は、基層13を構成する補強繊維131と第1熱可塑性樹脂133とを模式的に示す拡大図である。
この図3に示す内装部品用基材11は、針孔14が閉塞された形態を例示するものであり、図2に示す内装部品用基材11と、図3に示す内装部品用基材11とは、閉塞形態が異なっている。
また、図4において、(a)図は、縫製パターンの一例を説明する平面図であり、(b)図は、(a)図の縫製パターンのうち第1縫製パターン153の変形例を、第1縫製パターン153のみを抜き出して示した平面図である。
また、図6において、(a)図は、縫製パターンの他例を説明する平面図であり、(b)図は、(a)図の縫製パターンのうち第1縫製パターンのみを抜き出して示した平面図であり、(c)図は、(a)図の縫製パターンのうち第2縫製パターンのみを抜き出して示した平面図である。
[1]内装部品用基材
本発明の内装部品用基材(11)(図1〜図3参照)は、補強繊維(131)及び補強繊維(131)同士を結着している第1熱可塑性樹脂(133)、を含んだ基層(13)をと、
基層(13)の一面(13a)とその対面(13b)に貫通して縫製された縫製糸(15)と、を有し、
縫製糸(15)は、第1縫製パターン(153)及び第2縫製パターン(155)を形成しており、
第1縫製パターン(153)は、所定方向に配向された複数条の縫製パターンを有し、
第2縫製パターン(155)は、第1縫製パターン(153)に交差された複数条の縫製パターンを有する。
基層13の形態は限定されないが、板状をなすことができる。即ち、全体として略一様な厚みを有する層であり、必要に応じて凹凸形状を付与できる。
基層13は、例えば、補強繊維131と、第1熱可塑性樹脂133から形成された繊維(樹脂繊維)との混繊物(繊維同士の混合物)を、加熱圧縮して得ることができる。より具体的には、例えば、補強繊維131と第1熱可塑性樹脂繊維との混繊物を加熱圧縮した繊維補強ボード13s(基層13の前駆体)を得た後、必要な加工を行い、再度、第1熱可塑性樹脂133(又は第1熱可塑性樹脂繊維)を加熱軟化させ(図11のPR1参照)、必要な場合には上記の凹凸形状を付与しながら賦形する(図11のPR2参照)ことで基層13を得ることができる。このような基層13では、補強繊維131のスプリングバック作用により、プレボード内で固化されていた第1熱可塑性樹脂133(第1熱可塑性樹脂繊維)による補強繊維131に対する拘束が緩み、プレボードの当初の厚みよりも全体としてより厚くなる。この際に、所望により厚みの異なる領域を形成できる。こうして得られる基層13では、厚みの小さい箇所と、厚みの大きい箇所とを比較すると、厚みの大きい箇所の密度が、厚みの小さい箇所の密度よりも小さくなる。即ち、厚みの大きい箇所は密度が低く、縫製し易い領域となる。従って、必要に応じて、後述する縫製パターンを施す箇所(領域)を、他部よりも厚く低密度に形成することもできる。
基層13を構成する補強繊維131の種類は限定されず、無機繊維(ガラス繊維等)や有機繊維(植物繊維、動物繊維等の天然繊維)を利用できる。これらは1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
これらのうちでは、有機繊維が好ましく、更には天然繊維が好ましく、特に植物繊維が好ましい。植物繊維は、植物に由来する繊維であり、植物から取り出した繊維や、これを加工した繊維が含まれる。植物性繊維には、葉脈系植物繊維、靭皮系植物繊維、木質系植物繊維、その他の植物繊維が含まれる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち、葉脈系植物繊維としては、アバカ、サイザル、アガベ等が挙げられる。また、靭皮系植物繊維としては、フラックス、ジュート、ヘンプ、ケナフ、ラミー等が挙げられる。更に、木質系植物繊維としては、広葉樹及び針葉樹等から採取された植物繊維が挙げられる。その他の植物繊維としては、ココヤシ殻繊維、オイルパーム空果房繊維、稲わら繊維、麦わら繊維、タケ繊維、綿等が挙げられる。これらのなかでは、葉脈系植物繊維、靭皮系植物繊維及びその他の植物繊維が好ましい。
補強繊維の繊維長は特に限定されないが、平均繊維長が10〜200mm(更に20〜170mm、特に30〜150mm)とすることができる。この平均繊維長は、JIS L1015に準拠して、直接法にて無作為に単繊維を1本ずつ取り出し、伸張させずに真っ直ぐに伸ばし、置尺上で繊維長を測定し、合計200本について測定した値の平均値である。
第1熱可塑性樹脂133の種類は限定されず、各種の熱可塑性樹脂を利用できる。具体的には、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂及びABS樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記のなかでも、第1熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂が好ましい。ポリオレフィン樹脂を構成するオレフィン単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
即ち、ポリオレフィン樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等のポリエチレン樹脂が挙げられる。これらのポリエチレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がエチレンに由来する単位の樹脂である。更に、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体等)、プロピレン・1−ブテン共重合体等のポリプロピレン樹脂が挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は、全構成単位数のうちの50%以上がプロピレンに由来する単位の樹脂である。
第1熱可塑性樹脂は、非変性の熱可塑性樹脂のみであってもよいが、極性基を導入して変性された熱可塑性樹脂を含んでもよい。極性基としては、無水カルボン酸基(−CO−O−OC−)、カルボン酸基(−COOH)、カルボニル基(−CO−)、ヒドロキシル基(−OH)、アミノ基(−NH)、ニトロ基(−NO)、ニトリル基(−CN)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
基層13に含まれる補強繊維131と第1熱可塑性樹脂133との割合は限定されないが、補強繊維131と第1熱可塑性樹脂133との合計を100質量%とした場合に、補強繊維131の割合は、10質量%以上90質量%以下とすることができ、15質量%以上85質量%以下が好ましく、15質量%以上85質量%以下がより好ましく、20質量%以上80質量%以下が更に好ましく、25質量%以上75質量%以下がより更に好ましく、30質量%以上70質量%以下が特に好ましく、35質量%以上65質量%以下がより特に好ましく、40質量%以上60質量%以下がとりわけ好ましい。
縫製糸15は、所定方向に配向された複数条の縫製パターンである第1縫製パターン153と、この第1縫製パターン153に交差された複数条の縫製パターンである第2縫製パターン155と、を形成している。
尚、基層13の一面13aと対面13bとに「貫通して縫製」するのは、実際には、縫針であるため、1本の縫製糸15が単独で基層13を貫通しているか否かは問わない。例えば、上糸15a及び下糸15bを利用する場合、図9〜図11に示すように、基層13の一面13a側に上糸15aが設けられ、対面13b側に下糸15bが設けられている場合、上糸15aは一面13aから針孔14内へ引き込まれて基層13を貫通せず、下糸15bと交絡して一面13a側へ引き出され、同様に、下糸15bは対面13bから針孔14内へ引き込まれて基層13を貫通せず、上糸15aと交絡して対面13b側へ引き出されて、上糸15a及び下糸15bの各々単独では基層13を貫通していないものの、縫製糸15全体としては、基層13を貫通している状態とすることができる。
縫製糸15は、1本のみであってもよく、複数本であってもよいが、通常、複数本を用いる。具体的には、例えば、上糸15aと下糸15bとの2本を用いることができる(図9〜図11参照)。また、例えば、第1縫製パターンをなす縫製糸と、第2縫製パターンをなす縫製糸と、を有することができる。更に、例えば、第1縫製パターンを複数本の縫製糸から形成し、且つ、第2縫製パターンを複数本の縫製糸から形成した場合には、より多くの本数の縫製糸を用いることができる。即ち、縫製糸15は、縫製形態や、縫製パターンによって、適宜選択される好適な本数を利用することができる。
縫製糸15は、長繊維構造(連続した長繊維である)を有するフィラメントヤーンであってもよく、短繊維を撚り合わせた構造のスパンヤーンであってもよく、これらを併用してもよい。これらのうちでは、強度の観点からフィラメントヤーンが好ましい。
また、縫製糸15は、モノフィラメントであってもよく、マルチフィラメントであってもよく、更には、これらを併用してもよい。これらのうちでは、柔軟性の観点からマルチフィラメントを利用することが好ましい。
更に、縫製糸15は、撚糸であってもよく、非撚糸であってもよく、これらを併用してもよい。
縫製糸15を構成する材料は限定されず、樹脂繊維、炭素繊維、金属繊維等を利用できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、柔軟性及び強度の観点から、樹脂繊維が好ましい。即ち、樹脂繊維では優れた柔軟性と優れた強度とを両立させることができる。
樹脂繊維を構成する樹脂の種類は限定されない。例えば、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、熱可塑性樹脂フッ素樹脂等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記のうち、ポリエステル樹脂としては、ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等)、ポリアルキレンナフフタレート、液晶ポリマー(エチレンテレフタレートとパラヒドロキシ安息香酸との重縮合樹脂、フェノール及びフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合樹脂、2,6−ヒドロキシナフトエ酸とパラヒドロキシ安息香酸との重縮合樹脂等)、ポリアリレート(2価フェノールと2塩基酸(フタル酸、カルボン酸等)との重縮合樹脂)などが挙げられる。
また、ポリアミド樹脂としては、脂肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂等が挙げられる。このうち、脂肪族ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11等が挙げられる。一方、芳香族ポリアミド樹脂としては、アラミド樹脂が挙げられる。更に、アラミド樹脂としては、パラ型アラミド樹脂(コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタラミド、ポリパラフェニレンテレフタラミド等)、メタ型アラミド樹脂(ポリメタフェニレンイソフタラミド)が挙げられる。
更に、ポリエーテルケトン樹脂としては、芳香族ポリエーテルケトン樹脂が挙げられる。より具体的には、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)等が挙げられる。
また、ポリオレフィン樹脂としては、高強力ポリエチレン樹脂等が挙げられる。更に、熱可塑性樹脂フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
これらの各樹脂は、これらは各々、1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
より具体的には、商品名「ザイロン」(登録商標/東洋紡株式会社)等のポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、商品名「ケブラー」(登録商標/イー・アイ・デュポン・ド・ヌムール・アンド・カンパニー)、商品名「テクノーラ」(登録商標/帝人株式会社)、商品名「トワロン」(登録商標/帝人株式会社)等のパラ系アラミド繊維、商品名「コーネックス」(登録商標/帝人株式会社)等のメタ系アラミド繊維、商品名「ベクトラン」(登録商標/株式会社クラレ)等のポリアリレート繊維等が挙げられる。
縫製糸15は、特に、高弾性な糸であり、破断強度が大きい糸であることが好ましい。具体的な破断強度は限定されないが、例えば、30cN/dtex以上であることが好ましく、更には、40cN/dtex以上200cN/dtex以下がより好ましく、50cN/dtex以上200cN/dtex以下が更に好ましく、70cN/dtex以上200cN/dtex以下が特に好ましい。この破断強度は、JIS L1013の引張強さ(標準時試験)に基づく。
また、縫製糸15の繊度は限定されないが、例えば、500dtex以上1300dtex以下とすることができる。更に、570dtex以上1250dtex以下とすることができ、更に、640dtex以上1230dtex以下とすることができる。
また、縫製糸15を、上糸15a及び下糸15bに分けて用いる場合、上糸15a及び下糸15bは、同じ繊度を用いてもよく、異なる繊度を用いてもよい。異なる繊度を用いる場合、上糸15aの繊度を下糸15bの繊度よりも大きくすることが好ましい。この場合、上糸15aの繊度は、850dtex以上1300dtex以下が好ましく、900dtex以上1250dtex以下がより好ましく、950dtex以上1200dtex以下が特に好ましい。一方、下糸15bの繊度は、500dtex以上850dtex未満が好ましく、550dtex以上825dtex以下がより好ましく、600dtex以上800dtex以下が特に好ましい。
尚、縫製糸15として上糸15aと下糸15bとを用いる場合において、後述するように、第2熱可塑性樹脂を含んだ糸を用いる場合には、上糸15aには第2熱可塑性樹脂が含まれず、下糸15bのみに第2熱可塑性樹脂が含まれた形態として用いることができる。
また、本内装部品用基材11は、縫製糸15によって形成された第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155を有する。このうち、第1縫製パターン153は、所定方向に配向された複数条の縫製パターンからなる。一方、第2縫製パターン155は、第1縫製パターン153に交差された複数条の縫製パターンからなる。
通常、基層13に対して縫製ラインを設けると、貫通された針孔が縫製ラインに沿って連続的に配置されるため、この針孔が破壊起点となると、縫製ラインに沿って低強度化されかねない。しかしながら、本内装部品用基材11では、互いに交差された縫製パターン(第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155)を有するで、寧ろ、強度向上されている。また、少なくとも第1縫製パターン153が配向されることで、第2縫製パターンの配向の有無に係らず、交差ポイントが分散され易く、得られる本内装部品用基材11における補強の片寄りが抑制されているものと考えられる。
当然ながら、これらの縫製パターン(第1縫製パターン及び第2縫製パターン等)は、内装部品用基材11の一部のみに施されてもよいし、内装部品用基材11の全部(全面)に施されてもよい。また、内装部品用基材11の1箇所にのみに施されてもよいし、内装部品用基材11の複数箇所に施されてもよいし、
尚、本明細書では、第1縫製パターン152と第2縫製パターン155とを併せて、単に「縫製パターン」(151)ともいう。
第1縫製パターン153は、所定方向に配向された複数条の縫製パターンである。配向とは、略均等な間隔を保った(平行ライン、同心円ライン等)少なくとも2本の縫製ライン153x(例えば、図2参照)、又は、縫製ライン153xを構成するライン部同士(例えば、図6(b)参照)を有することを意味する。第1縫製パターン153は、1本の縫製ライン153xから形成されてもよいし、2本以上の縫製ライン153xから形成されてもよい。
尚、第1縫製パターン153は、その全体がすべて配向された縫製ライン153xのみから形成されてもよいが、それ以外の形態であってもよい。即ち、第1縫製パターン153は、縫製ライン153xが配向された領域を有していればよく、第1縫製パターン153の全体がすべて配向された縫製ライン153xのみから形成されている必要はなく、非配向な関係にある縫製ライン153xを含んでいてもよい(図4(b)参照)。
また、第1縫製パターン153は、1本の縫製糸から形成されてもよいし、複数本の縫製糸から形成されてもよい。更に、第1縫製パターン153を形成している縫製糸と、第2縫製パターン155を形成している縫製糸と、は同じ1本の縫製糸であってもよいし、異なる縫製糸であってもよい。
一方、第2縫製パターン155は、第1縫製パターン153と交差されていればよく、第2縫製パターン155を構成する縫製ライン155y同士の配向の有無は問わない。即ち、第2縫製パターン155は、所定方向に配向していてもよいが、配向していなくともよい。
尚、第2縫製パターン155は、1本の縫製ライン155yから形成されてもよいし、2本以上の縫製ライン155yから形成されてもよい。
また、第2縫製パターン155は、1本の縫製糸から形成されてもよいし、複数本の縫製糸から形成されてもよい。更に、第2縫製パターン155を形成している縫製糸と、第1縫製パターン153を形成している縫製糸と、は同じ1本の縫製糸であってもよいし、異なる縫製糸であってもよい。
また、第1縫製パターン153を構成する縫製ライン153xであるか、第2縫製パターン155を構成する縫製ライン155yであるか、又は、それ以外の縫製ラインであるかを問わず、縫製ラインは、縫製糸15の縫製によって形成される糸条である。この縫製ラインは、基層13の表面に連続的に現れるラインであってもよいし、点線のように断続的に現れるが全体としてラインを形成するものであってもよい。更に、縫製ラインは、直線状であってもよいし、曲線状であってもよいし、その他の形状であってもよい。また、縫製ラインは、1本の糸条から形成されていてもよいし、2本以上(複数本)の並列された糸条によって、全体として縫製ラインとなるように形成されてもよい。
具体的な縫製パターンとしては、例えば、図4〜図8に示す縫製パターンが挙げられる。これら縫製パターンは、本内装部品用基材11に1種のみ有してもよいし2種以上を同時に有してもよい。
図4(a)に示す縫製パターンは、縦配向(縦方向に平行に配置)された複数条の縫製ライン153xの集合体として形成された第1縫製パターン153と、この第1縫製パターン153を構成する縫製ライン153xに各々交差された縫製ライン155yの集合体によって形成された第2縫製パターン155と、からなる縫製パターンである。
この図4(a)の縫製パターンでは、第2縫製パターン155が、横配向(横方向に平行に配置)された複数条の縫製ライン155yの集合体によって形成されたているため、図4(a)の縫製パターンは、どちらのパターンを第1縫製パターン153とし、どちらのパターンを第2縫製パターン155としてもよい形態である。
また、図4(a)では、第1縫製パターン153は、互いに配向された縫製ライン153xのみから形成されているが、第1縫製パターン153は、非配向な部位を含むことができる。即ち、図4(b)に示す第1縫製パターン153は、図4(a)に示す第1縫製パターン153と置換可能なパターンであり、縫製ライン153xが互いに配向されている領域Aと、縫製ライン153xが互いに配向されていない領域Bと、を有している。このように、第1縫製パターン153は、その少なくも一部に配向領域Aを有していればよい。尚、このように第1縫製パターン153は、非配向な部位を含むことができるのは、当然ながら、他図面の例示パターンにおいても同様である。
図5に示す縫製パターンは、同心円配向(同心円状に配置)された複数条の縫製ライン153xの集合体として形成された第1縫製パターン153と、この第1縫製パターン153を構成する縫製ライン153xに各々交差された縫製ライン155yの集合体によって形成された第2縫製パターン155と、からなる縫製パターンである。
この図5の縫製パターンでは、第2縫製パターン155が、同心円配向(同心円状に配置)された複数条の縫製ライン155yの集合体によって形成されたているため、図5の縫製パターンは、どちらのパターンを第1縫製パターン153とし、どちらのパターンを第2縫製パターン155としてもよい形態である。
図6(a)に示す縫製パターンは、つづら折れ状に形成されることで配向領域Aを有した1本の連続した縫製ライン153xとしてなる第1縫製パターン153と、この第1縫製パターン153をなす縫製ライン153xに交差された1本の連続した縫製ライン155yとしてなる第2縫製パターン155と、からなる縫製パターンである。この第2縫製パターン155も、第1縫製パターン153と同様に1本の連続した縫製ライン155yから形成されているものの、つづら折れ状に形成されることで配向領域Aを有している。即ち、図6(a)に示す縫製パターンは、図6(b)に示す第1縫製パターン153と、図6(c)に示す第2縫製パターン155と、から形成されている。
この図6(a)の縫製パターンでは、どちらのパターンを第1縫製パターン153とし、どちらのパターンを第2縫製パターン155としてもよい形態である。
更に、図6(b)に示す第1縫製パターン153の端点P153と、図6(c)に示す第2縫製パターン155の端点P155と、を繋ぐように連続縫製した場合には、第1縫製パターン153と第2縫製パターン155とが連続された1本の縫製ラインによって形成されることとなる。即ち、本内装部品用基材11が有する縫製パターンは、1本の縫製ラインによって形成することもできる。
図7に示す縫製パターンは、同心円配向(同心円状に配置)された複数条の縫製ライン153xの集合体として形成された第1縫製パターン153と、この第1縫製パターン153を構成する縫製ライン153xに各々交差された縫製ライン155yの集合体によって形成された第2縫製パターン155と、からなる縫製パターンである。
図4〜図6の縫製パターンを構成する第2縫製パターン155と異なり、図7の縫製パターンを構成する第2縫製パターン155は、配向されていない。しかしながら、第1縫製パターン153が配向されている(即ち、配向領域を有する)ため、第1縫製パターン153との交差ポイントは、縫製パターン上で良好に分散されている。
本内装部品用基材11が有する縫製パターンは、上述した第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155の2つの縫製パターン以外に、他の縫製パターンを有することができる。他の縫製パターンは、1つのみを備えてもよく、複数備えてもよい。より多くの異なる縫製ライン群を備えることで、交差ポイントをより多く得ることができる。
例えば、図8に示す縫製パターンは、他の縫製パターンを備える例である。即ち、第1縫製パターン153、第2縫製パターン155、第3縫製パターン157の3種の縫製ライン群を有する縫製パターンである。より詳しくは、縦配向(縦方向に平行に配置)された複数条の縫製ライン153xの集合体として形成された第1縫製パターン153と、斜配向(縫製ライン153xに対して傾斜して平行に配置)された複数条の縫製ライン155yの集合体として形成された第2縫製パターン155と、斜配向(縫製ライン153xに対して傾斜し、155yとは逆傾斜して平行に配置)された複数条の縫製ライン157zの集合体として形成された第3縫製パターン157と、からなる縫製パターンである。
そして、これら第1縫製パターン153と、第2縫製パターン155と、第3縫製パターン157と、は互いに交差されている。即ち、第1縫製パターン153は、第2縫製パターン155及び第3縫製パターン157と交差され、第2縫製パターン155は、第1縫製パターン153及び第3縫製パターン157と交差され、第3縫製パターン157は、第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155と交差されている。従って、この図8の縫製パターンでは、どのパターンを第1縫製パターン153とし、どのパターンを第2縫製パターン155とし、どのパターンを第3縫製パターン157としてもよい形態となっている。
各縫製ラインにおいて、その縫製ピッチは限定されないが、1mm以上30mm以下とすることができる。この縫製ピッチは、特に、2mm以上20mm以下が好ましく、3mm以上10mm以下がより好ましく、3.5mm以上9mm以下が特に好ましい。この縫製ピッチの大小によっても、得られる機械強度の特性を所望により変化させることもできる。
尚、縫製ピッチは、1本の縫製ライン上に並んだ針孔14のうち、隣り合った2つの針孔を無作為に20箇所を選択し、その隣り合った2つの針孔の中心間距離を測定し、得られた20箇所の中心間距離の平均値であるものとする。
更に、縫製ライン同士を配向させる場合には、各縫製ライン同士の間隔(ライン間隔)は特に限定されないが、5mm以上100mm以下とすることができる。このライン間隔は、特に、6mm以上70mm以下が好ましく、7mm以上40mm以下がより好ましく、8mm以上30mm以下が特に好ましい。このライン間隔の大小によっても、得られる機械強度の特性を所望により変化させることもできる。
尚、ライン間隔は、略均等な幅を保って隣り合った2本の縫製ライン上から、無作為に10箇所を選択し、そのライン間隔を測定し、得られた10箇所のライン間隔の平均値であるものとする。また、2本以上の縫製ラインが略均等な幅を保って配向されている場合には、各隣り合った2本の縫製ライン同士の各々のライン間隔を第1平均として算出し、この第1平均同士の平均値(第2平均)をその縫製パターン全体のライン間隔とする。
本内装部品用基材11では、縫製パターンを設ける際に、縫製糸15を伴った縫針が、基層13の一面13aと対面13bとの間を貫通するため、基層13の一面13aから対面13bまでを貫通した貫通孔である針孔14が形成される。この針孔14は、閉塞することができる(図2、図3、図9及び図10参照)。閉塞により、閉塞しない場合に比べて、得られる内装部品用基材11の強度を向上させることができる。
針孔14は、どのように閉塞してもよいが、開口部141及び孔内142のうちの少なくとも一方で閉塞することができる。また、開口部141で閉塞する場合には、基層13の一面13a側及び対面13b側の少なくとも一方の側の開口部141で閉塞できる。
尚、本明細書では、閉塞前の針孔と、閉塞後の針孔と、を区別して記載することが煩雑であるため、必要な場合を除き、これらを区別することなく、針孔14と記載する。必要な場合には、閉塞前の針孔を「針孔14’」とし、閉塞後の針孔を「針孔14」とする。
前述のように、基層13に対して縫製ラインを設けると、貫通された針孔14が縫製ラインに沿って連続的に配置されるため、縫製ラインに沿って低強度化を生じかねない。しかしながら、本内装部品用基材11では、互いに交差された縫製パターンを有するで、寧ろ、強度向上される。そのうえで、更に、針孔14を閉塞すると、針孔14が破壊起点となることまで防止され、得られる内装部品用基材11の強度を著しく向上させるこができる。
針孔14を、その開口部141で閉塞する場合(図2及び図9参照)は、針孔14を閉塞する閉塞部145は、縫製パターンの形成時に縫針が基層13を貫通し、基層13の一面13a上及び対面13b上のうちの少なくとも一方に形成されたバリ137を、針孔14の開口部141に埋め戻して閉塞することができる(図13参照)。即ち、針孔14を閉塞している閉塞部145は、縫製時に縫針が基層13を貫通して形成されたバリ137が、針孔14の開口部141に埋め戻されてなる閉塞部145とすることができる。
バリ137は、上述のように、縫製時に縫針が基層13を貫通して形成される。従って、バリ137は、例えば、基層13の一面13a側から対面13b側へ向かって縫針が挿通された際や、基層13に縫針が刺し込まれた後、対面13b側から一面13a側へ引き抜かれた際など、に一面13a上や対面13b上に突出するように形成される。
バリ137の大きさ及び形状等は特に限定されないが、バリ137は、基層13を構成した一部であり、基層13を構成している補強繊維131及び第1熱可塑性樹脂133を含む。そして、通常、バリ137は、一面13a上や対面13b上に突出されていたとしても、一部で基層13と接続された状態となっている。
このようなバリ137を開口部141へ埋め戻して加熱すると、バリ137や開口部141を構成する第1熱可塑性樹脂133が溶融された後、固化され、開口部141の内側に閉塞部145が形成されることとなる。閉塞部145の形成には、上述のように、第1熱可塑性樹脂133の溶融・固化を伴うため、開口部141と閉塞部145とは、第1熱可塑性樹脂133を介して、一体的に接合された状態となる。但し、閉塞部145による閉塞状態は特に限定されず、例えば、針孔14の一面13a側の開口部141と、対面13b側の開口部と、の間で、光の通過及び通気が遮断されない程度に閉塞されてもよいし、光の通過は遮断されるが通気は遮断されない程度に閉塞されてもよいし、光の通過及び通気の両方が遮断されるように閉塞してもよい。
また、針孔14は、第2熱可塑性樹脂159を含んだ縫製糸15を用いて、縫製パターンを縫製した後、縫製糸15に含まれた第2熱可塑性樹脂159のうちの少なくとも一部を溶融固化することによって、針孔14の孔内142に閉塞部145を形成することができる(図3及び図10参照)。
即ち、内装部品用基材11は、縫製パターンの少なくとも一部が、第2熱可塑性樹脂159を含んだ縫製糸15を用いて縫製されている場合には、この縫製糸15の挿通によって形成された針孔14であって、第2熱可塑性樹脂159が孔内142で溶融固化されてなる閉塞部145によって閉塞された針孔14を有することができる。
即ち、予め縫製前に、縫製糸15に第2熱可塑性樹脂159を配合しておくことで、縫製後の縫製糸15の一部を溶融固化することができる。そして、この溶融固化された第2熱可塑性樹脂159によって、閉塞部145を孔内142に形成できる。
この場合、第1熱可塑性樹脂133と、第2熱可塑性樹脂159とは、同じ熱可塑性樹脂であってもよいし、異なる熱可塑性樹脂であってもよい。より具体的には、組成が同じ熱可塑性樹脂であってもよいし、組成が異なる熱可塑性樹脂であってもよい。また、組成は同じであるが、融点(融点が不明な場合には溶融開始温度)が異なる熱可塑性樹脂であってもよい。
特に、第1熱可塑性樹脂133の融点(融点が不明な場合は溶融開始温度、単位「℃」)をTとし、第2熱可塑性樹脂159の融点(融点が不明な場合は溶融開始温度、単位「℃」)をTとした場合、−20≦T−T≦35であることが好ましく、5≦T−T≦35であることがより好ましい。特に、−20≦T−T≦35である場合、とりわけ、−10≦T−T≦10であれば、第1熱可塑性樹脂133と、第2熱可塑性樹脂159と、を共に溶融させることが可能となる。このため、基層13を構成する第1熱可塑性樹脂133と、縫製糸15を構成する第2熱可塑性樹脂159と、を孔内142で融合させることができる。この場合には、第1熱可塑性樹脂133と、第2熱可塑性樹脂159と、が共に溶融された閉塞部145を得ることもできる。
また、(T−T)>35℃である場合には、第1熱可塑性樹脂を溶融させることなく、第2熱可塑性樹脂のみを溶融させ易くすることができるため、基層13に影響を与えることなく、第2熱可塑性樹脂のみを溶融させることができる。
更には、前述のように、バリ137の埋め戻しによる閉塞と、縫製糸15に含まれる第2熱可塑性樹脂159の溶融固化による閉塞と、を共に行い、より強固な閉塞を実現することもできる。即ち、基層13の一面13a上及び/又は対面13b上に生じたバリが針孔14の開口部141に埋め戻されてなる閉塞部145と、第2熱可塑性樹脂159が、孔内142で溶融固化されてなる閉塞部145と、の両方を有する針孔14(図11に示す内装部品1を構成する内装部品用基材11に相当する)とすることができる。
前述のように、第2熱可塑性樹脂159を含む縫製糸15は、その全体が第2熱可塑性樹脂159のみからなってもよいが、通常、構造繊維(第2熱可塑性樹脂の溶融時にも溶融・分解されず、糸の構造を維持できる繊維)と、第2熱可塑性樹脂とを含む。
この第2熱可塑性樹脂は、縫製糸15内にどのように含まれてもよい。例えば、構造繊維と共に、第2熱可塑性樹脂159からなる熱可塑性樹脂繊維が、含まれた縫製糸15とすることができる。具体的には、複数本の構造繊維糸と、複数本の第2熱可塑性樹脂繊維糸と、が混撚された縫製糸15が挙げられる。この場合、第2熱可塑性樹脂繊維糸は、構造繊維糸と共に分散配置することもできるが、構造繊維糸の外側を囲むように配置することができる。
また、縫製糸15は、芯鞘構造とすることができる。具体的には、1本の構造繊維糸(モノフィラメントであってもよいし、マルチフィラメントであってもよい)を芯材として、その外周に第2熱可塑性樹脂159からなる鞘材を配置した芯鞘構造の縫製糸15とすることができる。
更に、当然ながら、構造繊維と第2熱可塑性樹脂159とを含んだ縫製糸15では、加熱によって、第2熱可塑性樹脂159(その全部又は一部)のみが溶融し、構造繊維は溶融又は分解されないことが好ましい。従って、構造繊維を熱可塑性樹脂から形成する場合、構造繊維を構成する熱可塑性樹脂(第3熱可塑性樹脂)は、第2熱可塑性樹脂よりも融点の高い熱可塑性樹脂であることが好ましい。
尚、図2(c)は、針孔14の開口部141で閉塞された内装部品用基材11を例示しているのに対し、図3(c)は、縫製糸15に含まれた第2熱可塑性樹脂159が孔内142で溶融固化されて閉塞された内装部品用基材11を例示している。そして、図3(c)では、針孔14の開口部141で閉塞されていないため、針孔14の開口部141に形成されたバリ137を図示している。このバリ137を加熱軟化して開口部141に埋め戻すことにより、図2(c)に示すと同様に閉塞部145を形成できる。即ち、針孔14の開口部141周辺のバリ137が埋め戻すことで、針孔14の開口部141で閉塞され、且つ、針孔14の孔内142で閉塞された内装部品用基材11とすることができる(即ち、図11に示す内装部品1に用いられた内装部品用基材11と同じ)。
上記形態以外に、例えば、別体の熱可塑性樹脂シートを、基層13と共に縫製糸15により、基層13に対して縫い込みながら、縫製パターンを形成し、縫製パターンが形成された後に、上記熱可塑性樹脂ソートを溶融固化させることで、針孔14の開口部141を閉塞することができる。このような熱可塑性樹脂シートを用いる場合には、前述のバリ137の埋め戻しと共に閉塞を行うこともできる。熱可塑性樹脂シートを構成する熱可塑性樹脂は限定されないが、前述の縫製糸15を構成する第2熱可塑性樹脂159をそのまま適用できる。
本内装部品用基材11の形状、大きさ及び厚さ等の寸法も特に限定されず、その用途も特に限定されない。また、本内装部品用基材11及びその製造方法は、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築等の各種分野における内装部品に用いられる基材及びその製造方法として広く利用される。
具体的には、車両用内装部品用基材としては、自動車のドアトリム、アームレスト、アッパートリム、加飾パネル、オーナメントパネル、ロアトリム、ポケット(ドアトリムポケット)、クォータートリム等のトリム系部品の基材;ピラーガーニッシュ;カウルサイドガーニッシュ(カウルサイドトリム);サイドエアバッグ周辺部品等のシート系部品の基材;センタークラスター、レジスター、センターボックス(ドア)、グラブドア、エアバッグ周辺部品等のインストルメントパネル系部品の基材;センターコンソールの基材;オーバヘッドコンソールの基材;サンバイザーの基材;デッキボード(ラゲージボード)、アンダートレイ等の基材;パッケージトレイの基材;CRSカバーの基材;シートサイドガーニッシュの基材;アシストグリップの基材;パッシングライトレバーの基材等が挙げられる。
また、建築用内装部品用基材としては、ドア部材の基材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥等)の基材、収容体(トレイ等)の基材、保護用部材の基材及びパーティション部材の基材等が挙げられる。
[2]内装部品
本発明の内装部品(1)は、本内装部品用基材(11)と、内装部品用基材(11)の一面(11a)側及び/又は対面(11b)側に積層された表皮層(12)と、を有する。
表皮層12は、内装部品用基材11の一面11a側及び/又は対面11b側に積層された層であり、その外表面が、本内装部品1の意匠面12aとなる(図11参照)。即ち、通常、表皮層12は、内装部品1の意匠面を付与する層である。内装部品用基材11が凹凸形状に有する場合には、この凹凸形状に追従して内装部品用基材11の表面に積層される。
表皮層12の構成は、特に限定されず、1層のみからなってもよく、2層以上からなってもよい。2層以上からなる場合、例えば、意匠面12aを有する表層(例えば、合成皮革や織物等)と、クッション層(表皮層12の非意匠面側に配置される)と、を備えた積層体を、表皮層12とすることができる。クッション層は、弾性を有する層である。クッション層を有することで、表皮層12の意匠面12a側からの触感に対して弾力感を与えることができる。クッション層を構成する材料は限定されないが、例えば、軟質ポリウレタンフォームを用いることができる。その他、十分なクッション性を有する限り、他の軟質樹脂フォームや不織布シート等を用いることもできる。その他、必要に応じて、不織布層、通気止層等が設けることもできる。
また、上述の表層及びクッション層以外にも、他層を備えることができる。他層としては、表層及びクッション層等の層間を接合する各種の接合用層を介することができる。接合用層としては、接着剤や、接合用の熱可塑性樹脂層等が例示される。また、内装部品1の積層方向への通気を抑制する通気抑制層等も例示される。これらの層は、1層のみを用いてもよく2層以上を併用してもよい。
本内装部品1の形状、大きさ及び厚さ等の寸法も特に限定されず、その用途も特に限定されない。また、本内装部品1及びその製造方法は、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築等の各種分野における内装部品及びその製造方法として広く利用される。
具体的には、車両用内装部品としては、自動車のドアトリム、アームレスト、アッパートリム、加飾パネル、オーナメントパネル、ロアトリム、ポケット(ドアトリムポケット)、クォータートリム等のトリム系部品;ピラーガーニッシュ;カウルサイドガーニッシュ(カウルサイドトリム);サイドエアバッグ周辺部品等のシート系部品;センタークラスター、レジスター、センターボックス(ドア)、グラブドア、エアバッグ周辺部品等のインストルメントパネル系部品;センターコンソール;オーバヘッドコンソール;サンバイザー;デッキボード(ラゲージボード)、アンダートレイ;パッケージトレイ;CRSカバー;シートサイドガーニッシュ;アシストグリップ;パッシングライトレバー等が挙げられる。
また、建築用内装部品としては、ドア部材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥等)、収容体(トレイ等)、保護用部材及びパーティション部材等が挙げられる。
[3]内装部品用基材の製造方法
〈1〉第1の製法
本発明の内装部品用基材(11)(図1参照)の製造方法(第1の製法)は、補強繊維(131)と第1熱可塑性樹脂(133)とを含んで圧縮された繊維補強ボード(13s)を加熱して、第1熱可塑性樹脂(133)を軟化させる加熱工程(PR1)と、
第1熱可塑性樹脂(133)が軟化された繊維補強ボード(13s)を賦形する賦形工程(PR2)と、
賦形された繊維補強ボード(13s)(この時点で基層13となっていてもよい)に、第1縫製パターン(153)及び第2縫製パターン(155)を形成する縫製工程(PR3)と、を備える。
加熱工程(PR1)は、繊維補強ボード13sを加熱して、繊維補強ボード13sに含まれる第1熱可塑性樹脂133を軟化させる工程である。この工程で用いる繊維補強ボード13sは、内装部品用基材11において基層13となる前駆体である。繊維補強ボード13sは、通常、補強繊維131と第1熱可塑性樹脂133とを含んで圧縮された板状体(平板形状)である。繊維補強ボード13sの厚さ(加熱工程前における厚さ)は、例えば、1mm以上10mm以下とすることができる。
加熱工程PR1において、繊維補強ボード13sは、どのようにして、加熱してもよいが、加熱によって圧縮が過度に開放されないように、圧力を加えながら加熱を行うことが好ましい。このような観点から、ホットプレス機51(図12参照)を用いて加熱することが好ましい。
繊維補強ボード13sの加熱条件等は、その構成材料等により適宜設定できる。具体的には、例えば、含まれる第1熱可塑性樹脂133がポリオレフィンである場合には、70℃以上(繊維補強ボード13sの内部の温度)にまで加熱することが好ましい。この加熱温度は、更に、80℃以上150℃以下とすることが好ましく、85℃以上130℃以下とすることがより好ましく、90℃以上120℃以下とすることが特に好ましい。
賦形工程(PR2)は、第1熱可塑性樹脂133が軟化された繊維補強ボード13sを賦形する工程である。通常、この工程により基層13が得られる。
この工程は、例えば、コールドプレス機52(図12参照)を用いて行うことができる。そして、賦形厚さは、キャビティのクリアランスを変化させることで制御できる。即ち、クリアランスが大きい領域では、第1熱可塑性樹脂133による補強繊維に対する拘束がより多く解放されることで、圧縮開放され、厚く形成できる。
コールドプレス成形時の成形条件は、特に限定されないが、例えば、成形時の型温度は、20℃以上60℃以下にすることができる。また、型締め時間は30秒以上60秒以下とすることができる。
縫製工程(PR3)は、賦形された繊維補強ボード13s(基層13であってもよい)に、第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155を形成する工程である。
この工程は、従来公知の方法を用いて行うことができる。即ち、必要に応じた各種のミシン等を利用できる。また、縫製は、縫製糸15を基層13に直接縫製して行ってもよいし、予め基層13に針孔14となる予備孔を設けてから縫製を行うこともできる。
また、この工程PR3では、基層13を縫針が貫通するよう、基層13の一面13aと対面13bとの間で、縫針を貫通させて縫製を行うが、この際、縫製糸15の全体としては、基層13の一面13aと対面13bとの間で貫通されているものの、1本の縫製糸15が単独で貫通されているか否かを問わない。即ち、前述のように、上糸15a及び下糸15bを利用する場合には、上糸15aは単独で、基層13を貫通している必要はなく、同様に、下糸15bも単独で、基層13を貫通している必要はない。
〈2〉第2の製法
本発明の内装部品用基材(11)の製造方法(第2の製法)は、縫製糸15が挿通された針孔14が、基層13の一面13a側及び対面13b側の少なくとも一方の側の開口部141で閉塞された内装部品用基材11(図2及び図9)を製造する方法である。
即ち、補強繊維(131)と第1熱可塑性樹脂(133)とを含んで圧縮された繊維補強ボード(13s)を加熱して、第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程(PR1)と、
第1熱可塑性樹脂(133)が軟化された繊維補強ボード(13s)を賦形する賦形工程(PR2)と、
賦形された繊維補強ボード(13s)に、第1縫製パターン(153)及び第2縫製パターン(155)を形成する縫製工程(PR3)と、
縫製工程(PR3)において形成された針孔(14)の開口部(141)を閉塞する閉塞工程(PR4)と、を備える。
即ち、この第2の製法は、第1の製法に対して、閉塞工程PR4を備える点で異なる。この閉塞工程PR4は、針孔14の開口部141を閉塞する工程である。針孔14の開口部141の閉塞はどのように行ってもよいが、この第2の製法では、縫製工程PR3において、縫製パターン(第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155)を形成する際の縫針によって針孔14の開口部141にバリ137が形成されている場合には、バリ137を加熱軟化して、開口部141に埋め戻すことにより、開口部141を閉塞することができる。即ち、開口部141に閉塞部145を形成できる。
更に、この場合、図13に示すように、加熱軟化させたバリ137を、押圧ローラー5を用いて、押圧することにより、開口部141内へ埋め戻すことができる。押圧ローラー5は、一方へのみ動かしてもよいが、針孔14が羅列された領域にそって往復運動させることで、より確実にバリ137を埋め戻すことができる。
また、バリ137の加熱は、基層13の全部を加熱してもよいが、バリ137のみが軟化すればよいため、基層13の表面のみ加熱することもできる。
〈3〉第3の製法
本発明の内装部品用基材(11)の製造方法(第3の製法)は、縫製糸15は、第2熱可塑性樹脂159を含み、基層13は、縫製糸15が挿通された針孔14を有し、針孔14は、孔内142で閉塞されており、針孔14を閉塞している閉塞部145は、第2熱可塑性樹脂159が、孔内142で溶融固化されてなる内装部品用基材11(図3及び図10)を製造する方法である。
即ち、補強繊維(131)と第1熱可塑性樹脂(133)とを含んで圧縮された繊維補強ボード(13s)を加熱して、第1熱可塑性樹脂(133)を軟化させる加熱工程(PR1)と、第1熱可塑性樹脂(133)が軟化された繊維補強ボード(13s)を賦形する賦形工程(PR2)と、賦形された繊維補強ボード(13s)に、第1縫製パターン(153)及び第2縫製パターン(155)を形成する縫製工程(PR3)と、第1縫製パターン(153)及び第2縫製パターン(155)をなしている縫製糸(15)に含まれた第2熱可塑性樹脂(159)を、針孔(14)内で溶融固化させて、閉塞部(145)を形成する閉塞工程(PR4)と、を備える。
[4]内装部品の製造方法
本発明の内装部品(1)の製造方法は、補強繊維(131)と第1熱可塑性樹脂(133)とを含んで圧縮された繊維補強ボード(13s)を加熱して、第1熱可塑性樹脂(133)を軟化させる加熱工程(PR1)と、
第1熱可塑性樹脂(133)が軟化された繊維補強ボード(13s)を賦形する賦形工程(PR2)と、
賦形された繊維補強ボード(13s)に、第1縫製パターン(153)及び第2縫製パターン(155)を形成する縫製工程(PR3)と、
第1縫製パターン(153)及び第2縫製パターン(155)が形成された繊維補強ボード(13s)の一面側及び/又は対面側に表皮層(12)を積層する表皮層積層工程(PR5)と、を備える(図14参照)。
即ち、本内装部品1の製造方法は、前述した内装部品用基材11の製造方法に対して、表皮層積層工程PR5を備える点で異なる。この表皮層積層工程PR5は、得られた内装部品用基材11の一面11a側及び/又は対面11b側に表皮層12sを接合し、内装部品用基材11に表皮層12を積層して内装部品1を得る工程である。この表皮層積層工程PR5で積層する表皮層12sは、内装部品1の表皮層12となる前駆体(前駆表皮層)である。
表皮層積層工程PR5は、図14に示すように、内装部品用基材11を、吸引テーブル53上にセットし、内装部品用基材11の一面11a又は対面11b側から吸引しながら、前駆表皮層12sを他面(吸引面が一面11aである場合には他面は対面11bであり、吸引面が対面11bである場合には他面は一面11aである)に吸着させ、加熱することにより、積層(接合)することができる。内装部品用基材11は、補強繊維131を第1熱可塑性樹脂133で結着したものであるために多孔性を呈する。従って、上述のような吸引が可能となる。
接合時には、内装部品用基材11及び前駆表皮層12sの各々に熱可塑性樹脂が含まれる場合には、これらの熱可塑性樹脂を軟化・溶融させることで、両者の熱可塑性樹脂を利用して積層と同時に接合することもできる。また、熱可塑性樹脂とは別に、接着剤を単独又は併用することもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]内装部品用基材の作成
(1)実施例1の内装部品用基材
補強繊維と熱可塑性樹脂繊維とを質量比50:50で混繊した後、圧縮して得られた、厚さ2mmの繊維補強ボード13sを用意した{補強繊維は、平均繊維長70mmのケナフ繊維であり、熱可塑性樹脂繊維は、ポリプロピレン(非変性:変性=95質量%:5質量%の混合樹脂)を紡糸した合成繊維(6dtex、平均繊維長51mm)である}。
この繊維補強ボード13sを、ホットプレス機51(ヒータを備えた油圧プレス装置)に挟んで加熱圧締して、温度210℃に加熱された繊維補強ボード13sを得た(加熱工程PR1)。
次いで、加熱された状態の繊維補強ボード13sを、コールドプレス機52に供給し、20〜60℃で30〜60秒間成形(平板成形、図12参照)し、厚さ2.6mm(密度は0.65g/cm)の平板状の基層13を得た(賦形工程PR2)。
上糸15aとして繊度1180dtex(糸5番手)のポリエステル糸を用い、下糸15bとして、繊度740dtex(糸8番手)のポリエステル糸とし、上記で得られた基層13に、24番手の縫針を利用したミシン掛けにより、第1縫製パターン153及び第2縫製パターン155を設け、図4(a)に示す格子状の縫製パターンを形成(縫製工程PR3)して、実施例1の内装部品用基材を得た。更に、その後、図13に示す閉塞工程PR4を行い、各針孔14の開口部141を閉塞した。
第1縫製パターン153をなす縫製ライン153xの縫製ピッチは4.3mmとした。同様に、第2縫製パターン155をなす縫製ライン155yの縫製ピッチも4.3mmとした。更に、縫製ライン153x同士は20mmの間隔で平行配置し、縫製ライン155y同士も20mmの間隔で平行配置にした。即ち、以下の通りである。
(2)実施例2の内装部品用基材
下記構成を変更した以外、実施例1と同様にして実施例2の内装部品用基材を得た。
縫製ライン153xの縫製ピッチ:6.0mm
縫製ライン155yの縫製ピッチ:6.0mm
(3)実施例3の内装部品用基材
下記構成を変更した以外、実施例1と同様にして実施例3の内装部品用基材を得た。
上糸15aの材質:ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
下糸15bの材質:ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
尚、上記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを用いた縫製糸15は、商品名「ザイロン」である。
(4)実施例4の内装部品用基材
下記構成を変更した以外、実施例1と同様にして実施例4の内装部品用基材を得た。
上糸15aの材質:ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
下糸15bの材質:ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール
縫製ライン153xの縫製ピッチ:6.0mm
縫製ライン155yの縫製ピッチ:6.0mm
尚、上記ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾールを用いた縫製糸15は、商品名「ザイロン」である。
(5)比較例の内装部品用基材
実施例1と同様にして得た基層13(縫製パターンを設けていない)を比較例1の内装部品用基材とした。
得られた各内装部品用基材から、試験片の切断面に対して各縫製ラインが略直角となるように、150mm×50mmの長方形に切り出して、実施例1〜4及び比較例の試験片を得た。
次いで、JIS K7171に準じ、曲げ弾性率を測定した。この測定に際しては、試験片を支点間距離100mmとした2つの支点(曲率半径5.0mm)で支持しながら、支点間中心に配置した作用点(曲率半径3.2mm)から速度50mm/分にて荷重の負荷を行って測定を行った。その結果を、表1に示した。
Figure 2018122795
表1の結果から、基層13に対して縫製パターンを設けることにより、優れた機械的強度を付与することができることが分かる。各特性が巧く発現されるようバランスされた現状の内装部品用基材の構成変更を行うことなく、これらの構成変更とは別個に、縫製パターンによって機械強度補強を行うことができることが分かる。しかも、比較例1に対し、実施例1〜4の内装部品用基材の曲げ弾性率は、1.25〜2.24倍もの大きさに向上されている。とりわけ、高強度な縫製糸を用いた実施例3〜4では、比較例1に対して曲げ弾性率は、1.83〜2.24倍と極めて顕著な向上が認められる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲又は精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。
1;内装部品、
11;内装部品用基材、11a;内装部品用基材の一面、11b;内装部品用基材の一面、
12;表皮層、12a;表皮層の意匠面、12s;前駆表皮層、
13;基層、13a;基層の一面、13b;基層の対面、13s;繊維補強ボード、
131;補強繊維、133;第1熱可塑性樹脂、137;バリ、
14;針孔、141;開口部、142;孔内、145;閉塞部、
15;縫製糸、15a;上糸、15b;下糸、
151;縫製パターン(第1及び第2の両縫製パターンを含むパターン)
153;第1縫製パターン、153x;縫製ライン、
155;第2縫製パターン、155y;縫製ライン、
157;第3縫製パターン、157z;縫製ライン、
159;第2熱可塑性樹脂、
5:押圧ローラー、
51;ホットプレス機、
52;コールドプレス機、
53;吸引テーブル、
A;配向領域、B;非配向領域、
153;端点、P155;端点、
PR1;加熱工程、
PR2;賦形工程、
PR3;縫製工程、
PR4;閉塞工程、
PR5;表皮層積層工程。

Claims (11)

  1. 補強繊維及び前記補強繊維同士を結着している第1熱可塑性樹脂、を含んだ基層と、
    前記基層の一面とその対面に貫通して縫製された縫製糸と、を有し、
    前記縫製糸は、第1縫製パターン及び第2縫製パターンを形成しており、
    前記第1縫製パターンは、所定方向に配向された複数条の縫製パターンを有し、
    前記第2縫製パターンは、前記第1縫製パターンに交差された複数条の縫製パターンを有することを特徴とする内装部品用基材。
  2. 前記基層は、前記縫製糸が挿通された針孔を有し、
    前記針孔は、前記基層の前記一面側及び前記対面側の少なくとも一方の側の開口部で閉塞されている請求項1に記載の内装部品用基材。
  3. 前記針孔を閉塞している閉塞部は、縫製時に縫針が前記基層を貫通して形成されたバリが、前記針孔の前記開口部に埋め戻されてなる請求項2に記載の内装部品用基材。
  4. 前記縫製糸は、第2熱可塑性樹脂を含み、
    前記基層は、前記縫製糸が挿通された針孔を有し、
    前記針孔は、前記孔内で閉塞されており、
    前記針孔を閉塞している閉塞部は、前記第2熱可塑性樹脂が、前記孔内で溶融固化されてなる請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の内装部品用基材。
  5. 前記縫製糸の繊度が、500dtex以上1300dtex以下である請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の内装部品用基材。
  6. 請求項1乃至5のうちのいずれかに記載の内装部品用基材と、
    前記内装部品用基材の一面側及び/又は対面側に積層された表皮層と、を有することを特徴とする内装部品。
  7. 請求項1に記載の内装部品用基材の製造方法であって、
    前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
    前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
    賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、を備えることを特徴とする内装部品用基材の製造方法。
  8. 請求項2に記載の内装部品用基材の製造方法であって、
    前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
    前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
    賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、
    前記縫製工程において形成された前記針孔の前記開口部を閉塞する閉塞工程と、を備えることを特徴とする内装部品用基材の製造方法。
  9. 前記縫製工程において、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫針によって前記針孔の前記開口部にバリが形成されており、
    前記閉塞工程は、前記バリを加熱軟化して前記開口部に埋め戻す工程である請求項8に記載の内装部品用基材の製造方法。
  10. 請求項4に記載の内装部品用基材の製造方法であって、
    前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
    前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
    賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、
    前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンをなしている前記縫製糸に含まれた前記第2熱可塑性樹脂を、前記針孔内で溶融固化させて、前記閉塞部を形成する閉塞工程と、を備えることを特徴とする内装部品用基材の製造方法。
  11. 請求項6に記載の内装部品の製造方法であって、
    前記補強繊維と前記第1熱可塑性樹脂とを含んで圧縮された繊維補強ボードを加熱して、前記第1熱可塑性樹脂を軟化させる加熱工程と、
    前記第1熱可塑性樹脂が軟化された繊維補強ボードを賦形する賦形工程と、
    賦形された前記繊維補強ボードに、前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンを形成する縫製工程と、
    前記第1縫製パターン及び前記第2縫製パターンが形成された前記繊維補強ボードの一面側及び/又は対面側に前記表皮層を積層する表皮層積層工程と、を備えることを特徴とする内装部品の製造方法。
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