JP2018122394A - 作業補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業性の低下を抑制し、作業者の肉体的負担を軽減できる作業補助具を提供する。
【解決手段】作業補助具は、作業者の背中に装着される本体部材と、連結機構を介して本体部材と連結され、第1回転軸を中心に回動可能な第1アーム部材と、作業者の腕の少なくとも一部を保持する保持部材と、第1アーム部材と保持部材との間に設けられ、第1回転軸と相対移動可能に保持部材を支持する移動機構と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、作業補助具に関する。
特許文献1に開示されているように、作業者の作業を支援する作業補助具が提案されている。作業補助具は、作業者に装着され、作業者の筋力を補助する。
独国特許出願公開第102009046068号
作業補助具の少なくとも一部は、作業者の腕に装着される。作業者が腕を動かしたとき、作業補助具と腕との摩擦が生じると、作業者は腕を円滑に動かすことが困難となる可能性がある。その結果、作業者の作業性が低下する可能性がある。
本発明の態様は、作業性の低下を抑制し、作業者の肉体的負担を軽減できる作業補助具を提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、作業者の背中に装着される本体部材と、連結機構を介して前記本体部材と連結され、第1回転軸を中心に回動可能な第1アーム部材と、前記作業者の腕の少なくとも一部を保持する保持部材と、前記第1アーム部材と前記保持部材との間に設けられ、前記第1回転軸と相対移動可能に前記保持部材を支持する移動機構と、を備える作業補助具が提供される。
本発明の態様によれば、作業性の低下を抑制し、作業者の肉体的負担を軽減できる作業補助具が提供される。
図1は、本実施形態に係る作業補助具の一例を示す斜視図である。 図2は、本実施形態に係る作業補助具の一例を示す側面図である。 図3は、本実施形態に係る作業補助具の一例を示す上面図である。 図4は、本実施形態に係る作業補助具の変形例を模式的に示す上面図である。 図5は、本実施形態に係る作業補助具の変形例を模式的に示す上面図である。 図6は、本実施形態に係る作業補助具の変形例を模式的に示す上面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、XYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸と平行な方向をX軸方向とする。X軸と直交する所定面内のY軸と平行な方向をY軸方向とする。所定面と直交するZ軸と平行な方向をZ軸方向とする。また、以下の説明においては、所定面をXY平面と称する。
また、以下の説明においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は作業者WMを基準とした相対位置又は方向を示す。本実施形態において、X軸方向は左右方向である。Y軸方向は前後方向である。Z軸方向は上下方向である。+X方向は右方向である。−X方向は左方向である。+Y方向は前方向である。−Y方向は後方向である。+Z方向は上方向である。−Z方向は下方向である。
[構造]
図1は、本実施形態に係る作業補助具1の一例を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る作業補助具1の一例を示す側面図である。図3は、本実施形態に係る作業補助具1の一例を示す上面図である。
図1、図2、及び図3に示すように、作業補助具1は、作業者WMの背中に装着される本体部材2と、連結機構10を介して本体部材2と連結され、第1回転軸AX1を中心に回動可能な第1アーム部材3と、作業者WMの腕の少なくとも一部を保持する保持部材4と、第1アーム部材3と保持部材4との間に設けられ、第1回転軸AX1と相対移動可能に保持部材4を支持する移動機構5とを備える。
また、作業補助具1は、第1アーム部材3の先端部3Tを上方に旋回させる力を発生する動力発生装置9と、動力発生装置9で発生した力を連結機構10の少なくとも一部に伝達する伝達機構91とを備える。
連結機構10は、第1回転軸AX1とは異なる方向に延在する第2回転軸AX2を中心に回動可能な第2アーム部材6と、第1アーム部材3の基端部3Bと第2アーム部材6の第1端部6Tとを連結する第1関節機構7と、第2アーム部材6の第2端部6Bと本体部材2とを連結する第2関節機構8とを含む。
本実施形態において、保持部材4は、作業者WMの右腕の少なくとも一部を保持することとする。また、本実施形態においては、XY平面が水平面と平行であり、第1回転軸AX1がXY平面と実質的に平行であり、第2回転軸AX2がXY平面と実質的に直交することとする。
<本体部材>
本体部材2は、ハーネスHSにより作業者WMの背中に装着される。ハーネスHSは、作業者WMの肩に取り付けられる肩ベルトHSaと、作業者WMの腰に取り付けられる腰ベルトHSbとを含む。
本体部材2は、フレーム状の部材である。本体部材2は、第1フレーム部材21と、第1フレーム部材21よりも下方に配置される第2フレーム部材22と、第1フレーム部材21及び第2フレーム部材22を支持する第3フレーム部材23と、第1フレーム部材21と第2フレーム部材22との間に配置される第1ガイド部材25及び第2ガイド部材26とを有する。
第1フレーム部材21は、左右方向に長いプレート状の部材である。XY平面内における第1フレーム部材21の外形は、長方形状である。第2フレーム部材22は、左右方向に長いプレート状の部材である。XY平面内における第2フレーム部材22の外形は、長方形状である。
第1フレーム部材21と第2フレーム部材22とは、上下方向に配置される。第1フレーム部材21と第2フレーム部材22とは、間隙を介して対向する。第1フレーム部材21と第2フレーム部材22とは、実質的に平行に配置される。ハーネスHSにより本体部材2が作業者WMに装着された状態において、第1フレーム部材21は、作業者WMの肩又は背中の上部に配置され、第2フレーム部材22は、作業者WMの背中の下部又は腰に配置される。
なお、XY平面内における第1フレーム部材21の外形及び第2フレーム部材22の外形の少なくとも一方が長方形状でなくてもよく、例えば6角形又は8角形のような多角形状でもよいし、楕円形状でもよい。また、第1フレーム部材21及び第2フレーム部材22の少なくとも一方はプレート状の部材でなくてもよく、例えばロッド状の部材でもよいし、ブロック状の部材でもよい。
第3フレーム部材23は、上下方向に長いロッド状の部材である。XY平面内における第3フレーム部材23の外形は、矩形状である。なお、XY平面内における第3フレーム部材23の外形は、例えば円形状でもよい。
第3フレーム部材23の少なくとも一部は、第1フレーム部材21と第2フレーム部材22との間に配置される。第3フレーム部材23の上端部は、第1フレーム部材21に固定される。第3フレーム部材23の下部は、第2フレーム部材22に固定される。第3フレーム部材23の下端部は、第2フレーム部材22よりも下方に突出する。なお、第3フレーム部材23の下端部は、第2フレーム部材22よりも下方に突出しなくてもよい。
左右方向において、第3フレーム部材23は、本体部材2の中心に配置される。左右方向における第1フレーム部材21の中心と第3フレーム部材23の上端部とが固定される。左右方向における第2フレーム部材22の中心と第3フレーム部材23の下部とが固定される。なお、左右方向において、第3フレーム部材23は、本体部材2の中心からずれた位置に配置されてもよい。
第1ガイド部材25は、上下方向に長いロッド状の部材である。XY平面内における第1ガイド部材25の外形は、円形状である。第2ガイド部材26は、上下方向に長いロッド状の部材である。XY平面内における第2ガイド部材26の外形は、円形状である。なお、XY平面内における第1ガイド部材25の外形及び第2ガイド部材26の外形の少なくとも一方が、例えば楕円形状でもよいし、多角形状でもよい。
第1ガイド部材25と第2ガイド部材26とは、左右方向に配置される。第1ガイド部材25と第2ガイド部材26とは、間隙を介して対向する。左右方向において、第1ガイド部材25は、本体部材2の中心よりも左側に配置される。左右方向において、第2ガイド部材26は、本体部材2の中心よりも右側に配置される。左右方向において、第3フレーム部材23は、第1ガイド部材25と第2ガイド部材26との間に配置される。
第1ガイド部材25及び第2ガイド部材26は、第1フレーム部材21と第2フレーム部材22との間に配置される。第1ガイド部材25の上端部は、第1フレーム部材21の左部に固定される。第2ガイド部材26の上端部は、第1フレーム部材21の右部に固定される。第1ガイド部材25の下端部は、第2フレーム部材22の左部に固定される。第2ガイド部材26の下端部は、第2フレーム部材22の右部に固定される。
第3フレーム部材23、第1ガイド部材25、及び第2ガイド部材26のそれぞれは、ストレート状の部材である。第3フレーム部材23と第1ガイド部材25と第2ガイド部材26とは、実質的に平行に配置される。
XY平面と平行な第3フレーム部材23の断面積は、第1ガイド部材25の断面積及び第2ガイド部材26の断面積よりも大きい。換言すれば、第3フレーム部材23は、第1ガイド部材25及び第2ガイド部材26よりも太くて高強度な部材である。
第1フレーム部材21、第2フレーム部材22、第3フレーム部材23、第1ガイド部材25、及び第2ガイド部材26はそれぞれ、金属製である。第1フレーム部材21と、第3フレーム部材23、第1ガイド部材25、及び第2ガイド部材26のそれぞれとは、溶接により固定されてもよいし、ボルトのような固定部材により固定されてもよい。第2フレーム部材22と、第3フレーム部材23、第1ガイド部材25、及び第2ガイド部材26のそれぞれとは、溶接により固定されてもよいし、ボルトのような固定部材により固定されてもよい。なお、第1フレーム部材21、第2フレーム部材22、第3フレーム部材23、第1ガイド部材25、及び第2ガイド部材26の少なくとも1つが合成樹脂製でもよいし、複合材料製でもよい。複合材料は、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)又はGFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics)のような繊維複合材料でもよいし、異なる材料を接着させた材料でもよい。
なお、本実施形態においては、第1ガイド部材25及び第2ガイド部材26の2つのガイド部材が設けられることとするが、ガイド部材は1つでもよい。
<第1アーム部材>
第1アーム部材3は、金属製のロッド状の部材である。なお、第1アーム部材3は、合成樹脂製の部材でもよいし、合成樹脂で覆われた板金製でもよい。第1アーム部材3は、ストレート状の部材である。
第1アーム部材3は、基端部3Bと先端部3Tとを有する。第1アーム部材3の基端部3Bは、連結機構10の第1関節機構7に接続される。第1アーム部材3の先端部3Tは、第1回転軸AX1の放射方向において基端部3Bよりも外側に配置される。
第1アーム部材3の断面は、長方形状である。第1アーム部材3は、上面31と、上面31の反対方向を向く下面32と、内面33と、内面33の反対方向を向く外面34とを含む。上面31、下面32、内面33、及び外面34のそれぞれは、平坦面である。上面31の外形、下面32の外形、内面33の外形、及び外面34の外形のそれぞれは、長方形状である。
図1に示すように、第1アーム部材3がY軸方向と実質的に平行に配置されている状態において、上面31は、上方を向き、下面32は、下方を向き、内面33は、左方を向き、外面34は、右方を向く。
内面33は、上面31の短手方向の一方の端部と下面32の短手方向の一方の端部とを結ぶように配置される。外面34は、上面31の短手方向の他方の端部と下面32の短手方向の他方の端部とを結ぶように配置される。
なお、第1アーム部材3は、ストレート状の部材でなくてもよい。例えば、第1アーム部材3の少なくとも一部が湾曲してもよい。
<保持部材>
保持部材4は、作業者WMの腕の少なくとも一部が載置されるプレート状の部材である。保持部材4には、作業者WMの上腕が載置される。なお、保持部材4には、作業者WMの肘が載置されてもよいし、前腕が載置されてもよい。
保持部材4は、第1アーム部材3に移動可能に支持される。保持部材4は、第1アーム部材3の長手方向に移動可能である。第1アーム部材3の長手方向において、保持部材4の寸法は、第1アーム部材3の寸法よりも小さい。
保持部材4は、金属製のプレート部材を曲げ加工することにより製造される。保持部材4は、作業者WMの腕の少なくとも一部が載置される載置面を有する平板部41と、曲折部を介して平板部41の一方の隣に配置される第1側板部42と、曲折部を介して平板部41の他方の隣に配置される第2側板部43とを含む。
第1側板部42と第2側板部43との距離は、平板部41の載置面の法線方向において平板部41から離れるほど大きくなる。平板部41の載置面と第1側板部42の内側面とがなす角度は、90[°]よりも大きい。平板部41の載置面と第2側板部43の内側面とがなす角度は、90[°]よりも大きい。なお、平板部41の載置面と第1側板部42の内側面とがなす角度は、90[°]でもよい。平板部41の載置面と第2側板部43の内側面とがなす角度は、90[°]でもよい。
図1に示すように、第1アーム部材3がY軸方向と実質的に平行に配置されている状態において、第1側板部42は、平板部41の右側に配置される。第2側板部43は、平板部41の左側に配置される。図1に示す状態において、平板部41の載置面は、XY平面と平行な上方を向く平坦面である。第1側板部42の内側面は、平板部41の載置面の右端部に接続される平坦面である。図1に示す状態において、第1側板部42の内側面は、右方に向かって上方に傾斜する。第2側板部43の内側面は、平板部41の載置面の左端部に接続される平坦面である。図1に示す状態において、第2側板部43の内側面は、左方に向かって上方に傾斜する。図1に示す状態において、平板部41の載置面、第1側板部42の内側面、及び第2側板部43の内側面はそれぞれ、XZ平面と直交する。
作業者WMは、保持部材4の上方から、腕を保持部材4に載置することができる。保持部材4に載置された腕と保持部材4とが、例えばハーネスにより固定されてもよい。
なお、保持部材4の載置面が曲面を含んでもよい。なお、保持部材4は、合成樹脂製でもよいし、上述のような複合材料製でもよい。
なお、保持部材4は、プレート状の部材でなくてもよい。保持部材4は、複数の部材を組み合わせることにより製造されてもよい。保持部材4は、作業者WMの腕を下方から支持する部位と側方から支持する部位とを有していればよい。なお、保持部材4において、作業者WMの腕と接触する部分にクッション材が配置されてもよい。
<移動機構>
移動機構5は、第1回転軸AX1と保持部材4とが相対移動するように、保持部材4を支持する。移動機構5の少なくとも一部は、第1アーム部材3と保持部材4との間に設けられる。保持部材4は、移動機構5を介して第1アーム部材3に移動可能に支持される。
移動機構5は、第1アーム部材3において保持部材4を移動可能に支持して、第1回転軸AX1と保持部材4との相対位置を調整する。第1回転軸AX1と保持部材4との相対位置は、第1アーム部材3の長手方向における第1回転軸AX1と保持部材4との相対距離を含む。
移動機構5は、リニアベアリングを有するリニアガイド機構を含む。移動機構5は、第1アーム部材3に設けられるガイド部材51と、保持部材4に接続されガイド部材51にガイドされる可動部材52とを含む。
ガイド部材51は、第1アーム部材3の上面31に設けられたストレート状のレール部材である。なお、ガイド部材51の少なくとも一部が湾曲してもよい。可動部材52は、ガイド部材51をスライド可能である。移動機構5は、ガイド部材51と可動部材52との間にボールが配置されるリニアボールベアリングを含む。なお、移動機構5は、ガイド部材51と可動部材52との間にローラが配置されるリニアローラベアリングを含んでもよい。なお、移動機構5は、リニアプレーンベアリングを含んでもよい。リニアプレーンベアリングはリニアボールベアリング及びリニアローラベアリングに比べて安価である。
保持部材4の少なくとも一部と可動部材52とが固定される。保持部材4は、第1アーム部材3の内面33と対向するように配置される。保持部材4の第1側板部42と可動部材52とが固定される。図1に示す状態において、保持部材4は、第1アーム部材3の左側に配置され、保持部材4の左端部と可動部材52とが固定される。
可動部材52がガイド部材51にガイドされて移動することにより、保持部材4は、第1アーム部材3の長手方向に移動する。保持部材4が第1アーム部材3の長手方向に移動することにより、第1回転軸AX1と保持部材4との相対位置が変化する。
<連結機構>
連結機構10は、第2アーム部材6と、第1関節機構7と、第2関節機構8とを含む。第2アーム部材6は、第1関節機構7を介して第1アーム部材3と連結される。第2アーム部材6は、第2関節機構8を介して本体部材2と連結される。
第2アーム部材6は、第1関節機構7に接続される第1端部6Tと、第2関節機構8に接続される第2端部6Bとを有する。
第2アーム部材6は、第1関節機構7に接続される第1部材61と、第1部材61及び第2関節機構8のそれぞれに接続される第2部材62とを含む。第1端部6Tは、第1部材61に配置される。第2端部6Bは、第2部材62に配置される。第1部材61と第2部材62とは固定される。
第1部材61は、第1関節機構7を介して、第1アーム部材3と連結される。第1部材61は、金属製のロッド状の部材である。第1部材61は、ストレート状の部材である。第1部材61の断面は、長方形状である。XY平面内において、第1部材61は、第1アーム部材3と平行に配置される。
第2部材62は、第2関節機構8を介して、本体部材2と連結される。第2部材62は、金属製のロッド状の部材である。第2部材62は、ストレート状の部材である。第2部材62の断面は、長方形状である。XY平面内において、第2部材62は、第1部材61と直交するように配置される。
第2部材62は、第1部材61の長手方向の中央部に固定される。第1部材61と第2部材62との接続部6Cは、第1部材61の長手方向において第1部材61の中央部に設けられる。なお、接続部6Cの位置は、例えば作業者WMの体格に合わせて調整可能である。
なお、第1部材61及び第2部材62の少なくとも一方が合成樹脂製の部材でもよいし、上述のような複合材料製でもよい。なお、第1部材61の少なくとも一部が湾曲してもよい。なお、第2部材62の少なくとも一部が湾曲してもよい。なお、第1部材61と第2部材62とは直交していなくてもよい。なお、第1部材61と第2部材62とは別々の部材でもよいし単一の部材でもよい。
第1関節機構7は、第1中心軸AX1を中心に第1アーム部材3と第2アーム部材6とを相対回転可能に支持する。第1アーム部材3の基端部3Bは、第1関節機構7に接続される。第2アーム部材6の第1端部6Tは、第1関節機構7に接続される。第1アーム部材3は、第1関節機構7を介して、第1回転軸AX1を中心に回動可能に第2アーム部材6に支持される。第1関節機構7は、第1アーム部材3の基端部3Bに接続されるプーリ71を含む。
第1関節機構7は、ローリングベアリングを含む。第1関節機構7は、第1アーム部材3及び第2アーム部材6の一方に設けられる外輪と、第1アーム部材3及び第2アーム部材6の他方に設けられる内輪と、外輪と内輪との間に設けられる転動体とを含む。第1関節機構7のローリングベアリングは、ボールベアリングでもよいし、ニードルベアリングのようなローラベアリングでもよいし、プレーンベアリングでもよい。
第1関節機構7は、第1アーム部材3の先端部3Tが第1回転軸AX1と直交する第1面と平行な方向に旋回するように第1アーム部材3を支持する。本実施形態において、XY平面は水平面と平行であり、第1回転軸AX1はXY平面と実質的に平行である。第1面は、XY平面と直交する。連結機構10の第1関節機構7は、第1アーム部材3の先端部3Tが上下方向に旋回するように、第1回転軸AX1を中心に回動可能に第1アーム部材3を支持する。
第2関節機構8は、第2中心軸AX2を中心に第2アーム部材6と本体部材2とを相対回転可能に支持する。第2アーム部材6の第2端部6Bは、第2関節機構8に接続される。第2アーム部材6は、第2関節機構8を介して、第2回転軸AX2を中心に回動可能に本体部材2に支持される。第2関節機構8は、第2アーム部材6の第2端部6Bに接続されるハウジング部材81を含む。
第2関節機構8は、ローリングベアリングを含む。第2関節機構8は、本体部材2に設けられる内輪と、第2アーム部材6に設けられる外輪と、外輪と内輪との間に設けられる転動体とを含む。第2関節機構8のローリングベアリングは、ボールベアリングでもよいし、ニードルベアリングのようなローラベアリングでもよいし、プレーンベアリングでもよい。
第2関節機構8は、第2アーム部材6の第1端部6Tが第1面と直交する第2面と平行な方向に旋回するように第2アーム部材6を支持する。本実施形態において、第1面は、XY平面と直交する。第2面は、XY平面と平行である。連結機構10の第2関節機構8は、第2アーム部材6の第1端部6Tが水平方向に旋回するように、第2回転軸AX2を中心に回動可能に第2アーム部材6を支持する。
第2関節機構8は、第2アーム部材6の第2端部6Bに接続されるハウジング部材81を含む。ハウジング部材81は、第2関節機構8のローリングベアリングの外輪を保持する。ハウジング部材81は、第2関節機構8のローリングベアリングの外輪と一緒に回転する。第2アーム部材6の第2端部6Bは、ハウジング部材81に固定される。
第2関節機構8は、本体部材2の上端部に設けられる。第2関節機構8は、第1フレーム部材21に設けられたガイド部材82に支持される。ガイド部材82は、第2関節機構8を左右方向にガイドする。ガイド部材82は、第2関節機構8をガイドするガイド溝82Gを有する。ガイド溝82Gは、左右方向に延在する。
作業補助具1は、左右方向における第2関節機構8の位置を調整可能である。第2関節機構8は、ボルトのような固定部材により、ガイド部材82に固定される。固定部材による固定が解除されると、第2関節機構8は、ガイド部材82にガイドされながら左右方向に移動可能である。左右方向において第2関節機構8が移動すると、第2アーム部材6、第1関節機構7、第1アーム部材3、及び保持部材4のそれぞれは、第2関節機構8と一緒に左右方向に移動する。左右方向における第2関節機構8の位置の調整は、左右方向における第2アーム部材6、第1関節機構7、第1アーム部材3、及び保持部材4のそれぞれの位置の調整を含む。例えば、作業者WMの体格に合わせて、ガイド部材82の左右方向の任意の位置に第2関節機構8が固定される。なお、第2関節機構8と固定部材とは分離されていてもよい。
なお、ガイド部材82が省略され、第2関節機構8をガイドするガイド溝が第1フレーム部材21に設けられてもよい。
第2回転軸AX2の放射方向において、第2回転軸AX2と第1回転軸AX1との距離は、第2回転軸AX2と接続部6Cとの距離よりも長い。第2回転軸AX2の放射方向において、第1回転軸AX1及び第1アーム部材3は、第2アーム部材6よりも外側に配置される。第2アーム部材6が第2回転軸AX2を中心に回動したとき、第1関節機構7及び第1アーム部材3は、第2回転軸AX2の周囲を旋回するように移動する。
図1及び図3に示すように、保持部材4が本体部材2よりも前方に配置されている状態において、第1回転軸AX1は、第2回転軸AX2よりも前方に配置される。また、第1回転軸AX1は、第2回転軸AX2よりも右方に配置される。
<動力発生装置>
動力発生装置9は、第1アーム部材3の先端部3Tを上方に旋回させる力を発生する。動力発生装置9は、本体部材2に支持される。動力発生装置9で発生した力は、伝達機構91を介して、連結機構10の第1関節機構7に伝達される。
動力発生装置9は、複数のばね92を含む。伝達機構91は、第1関節機構7のプーリ71に接続されるワイヤ部材93を含む。
本体部材2は、第1フレーム部材21と第2フレーム部材22との間において上下方向に移動可能な可動部材94を有する。可動部材94は、左右方向に長いプレート状の部材である。なお、可動部材94は、左右方向に長いロッド状の部材でもよいし、ブロック状の部材でもよい。
可動部材94は、第1ガイド部材25及び第2ガイド部材26に上下方向にガイドされる。可動部材94は、第1ガイド部材25が配置される第1開口94Aと、第2ガイド部材26が配置される第2開口94Bとを有する。
なお、可動部材94が第3フレーム部材23に上下方向にガイドされてもよい。例えば、第3フレーム部材23が上下方向に延在するガイド溝を有し、可動部材94の一部が第3フレーム部材23のガイド溝に配置されてもよい。可動部材94が第3フレーム部材23にガイドされる場合、第1ガイド部材25及び第2ガイド部材26の少なくとも一方が省略されてもよい。
可動部材94は、ワイヤ部材93を介して、第1関節機構7のプーリ71と連結される。ワイヤ部材93の一端部は、可動部材94の上面に固定される。ワイヤ部材93の他端部は、第1関節機構7のプーリ71に固定される。
プーリ71は、第1アーム部材3の基端部3Bに固定される。第1回転軸AX1を中心に第1アーム部材3が回動したとき、プーリ71は第1アーム部材3と一緒に回動する。
第2アーム部材6は、ワイヤ部材93の周囲に配置されるアウターケーブルを支持する支持部材95を有する。支持部材95は、第2アーム部材6の第1部材61の側面に設けられる。支持部材95により、ワイヤ部材93が垂れ下がったり、予期せぬ動きをしたりすることが抑制される。また、アウターケーブルが支持部材95に支持されることにより、アウターケーブルの移動が抑制され、プーリ71からワイヤ部材93が外れてしまうことが抑制される。これにより、動力発生装置9で発生した力は、ワイヤ部材93を介して第1関節機構7に十分に伝達される。
可動部材94は、第1アーム部材3及びプーリ71の回動と同期して、上下方向に移動する。第1アーム部材3の先端部3Tが上方に旋回するように第1アーム部材3及びプーリ71が回動したとき、可動部材94は下方に移動する。第1アーム部材3の先端部3Tが下方に旋回するように第1アーム部材3及びプーリ71が回動したとき、可動部材94は上方に移動する。
ばね92の上端部は、可動部材94の下面に固定される。ばね92の下端部は、第2フレーム部材22の上面に固定される。ばね92は、上下方向に伸縮する。可動部材94が上方に移動すると、ばね92は伸びる。可動部材94が下方に移動すると、ばね92は縮む。
可動部材94は、上下方向に規定された可動範囲を移動可能である。可動部材94の可動範囲を規定するストッパ部材が作業補助具1の少なくとも一部に設けられる。可動部材94が可動範囲の下端部に配置されるときにばね92が自然長になるように、可動部材94の可動範囲が規定される。なお、可動部材94が可動範囲の下端部に配置されるときにばね92が自然長よりも僅かに伸びてもよい。
可動部材94に外力が作用していないとき、ばね92の弾性力により、可動部材94は可動範囲の下端部に配置される。可動部材94に外力が作用して可動部材94が上方に移動すると、自然長からのばね92の伸び量が大きくなり、ばね92が発生する反力は増大する。可動部材94を上方に移動させる外力が可動部材94に作用したとき、ばね92は、可動部材94を上方に移動させる外力に抗って、可動部材94を下方に移動させる反力を発生する。
第1アーム部材3は、プーリ71及びワイヤ部材93を介して、可動部材94に外力を作用させることができる。ばね92は、ワイヤ部材93及びプーリ71を介して、第1アーム部材3に反力を作用させることができる。
図2に示すように、作業者WMの腕が保持部材4に載置されているとき、例えば腕の重みによる重力作用により、矢印Raで示すように、第1アーム部材3の先端部3Tが下方に旋回するように第1アーム部材3に外力が作用する。第1アーム部材3の先端部3Tが下方に旋回するように第1アーム部材3に外力が作用したとき、矢印Rbで示すように、可動部材94を上方に移動させる外力が可動部材94に作用する。可動部材94を上方に移動させる外力が可動部材94に作用したとき、ばね92は、可動部材94を上方に移動させる外力に抗って、可動部材94を下方に移動させる反力を発生する。すなわち、第1アーム部材3の先端部3Tが下方に旋回するように第1アーム部材3に外力が作用したとき、その外力に抗うように、ばね92は、第1アーム部材3の先端部3Tを上方に旋回させる反力を発生する。ばね92は、第1アーム部材3の先端部3Tを上方に旋回させる力を第1アーム部材3に作用させる。
第1アーム部材3に外力が作用していないとき、第1アーム部材3から可動部材94に外力は作用しない。第1アーム部材3に外力が作用していないとき、ばね92の弾性力により、可動部材94は、可動部材94の可動範囲の下端部に配置される。可動部材94が可動範囲の下端部に配置されたとき、第1アーム部材3の先端部3Tは、先端部3Tの可動範囲の上端部に配置される。
第1回転軸AX1を中心とする回転方向の第1アーム部材3の位置は、第1アーム部材3に作用する外力とばね92が発生する反力とに基づいて決定される。第1アーム部材3の先端部3Tを下方に旋回させる外力が第1アーム部材3に作用し、その第1アーム部材3に作用した外力が、ばね92が発生する反力よりも大きいとき、第1アーム部材3の先端部3Tが下方に旋回するように第1アーム部材3が回動する。第1アーム部材3の先端部3Tを下方に旋回させる外力が第1アーム部材3に作用し、その第1アーム部材3に作用した外力が、ばね92が発生する反力よりも小さいとき、第1アーム部材3の先端部3Tが上方に旋回するように第1アーム部材3が回動する。第1アーム部材3の先端部3Tを下方に旋回させる外力が第1アーム部材3に作用し、その第1アーム部材3に作用した外力と、ばね92が発生する反力とが均衡したとき、第1回転軸AX1を中心とする回転方向の第1アーム部材3の位置は、固定される。
本実施形態においては、保持部材4に腕を載置した作業者WMが腕を下ろそうとして腕に力を入れたとき、第1アーム部材3の先端部3Tが下方に旋回するように、ばね92の弾性力が定められる。また、保持部材4に腕を載置した作業者WMが腕に力を入れていないとき、第1アーム部材3の先端部3Tが上方に旋回するように、ばね92の弾性力が定められる。
作業者WMが腕を上げたいとき、保持部材4を介して第1アーム部材3に支持されている腕は、動力発生装置9が発生する力によって補助される。動力発生装置9が発生する力によって作業者WMの腕が上方に移動するので、腕の筋力が補助され、作業者WMの肉体的負担が軽減される。一方、作業者WMが腕を下ろしたいとき、作業者WMは腕を下ろすために力を入れることによって、保持部材4に載置させた状態で腕を下ろすことができる。
[動作]
次に、本実施形態に係る作業補助具1の動作の一例について説明する。作業者WMが腕を上下方向に移動させるとき、腕と第1アーム部材3との相対位置が変化する。
腕を保持する保持部材4は、第1回転軸AX1と相対移動可能に移動機構5に支持される。図2に示すように、作業者WMが腕を上げたとき、腕を保持する保持部材4は、第1回転軸AX1に接近するように、第1アーム部材3の長手方向に移動する。作業者WMが腕を下ろしたとき、腕を保持する保持部材4は、第1回転軸AX1から離れるように、第1アーム部材3の長手方向に移動する。図2に示す例では、作業者WMが腕を上げたとき、保持部材4は、第1アーム部材3の長手方向の位置PVaに配置される。作業者WMが腕を下ろしたとき、保持部材4は、第1アーム部材3の長手方向の位置PVbに配置される。第1回転軸AX1と直交する第1面内において、位置PVaと第1回転軸AX1との距離は、位置PVbと第1回転軸AX1との距離よりも短い。位置PVbは、位置PVaよりも第1アーム部材3の先端部3Tに近い位置である。位置PVaは、位置PVbよりも第1アーム部材3の基端部3Bに近い位置である。
このように、作業者WMが腕を上下方向に移動させたとき、腕を保持している保持部材4が第1アーム部材3に対して移動する。したがって、作業者WMが腕を上下方向に移動させたとき、腕と作業補助具1とに摩擦が生じることが抑制される。これにより、作業者WMの作業性の低下が抑制される。
また、図3の矢印Rcで示すように、作業者WMが腕を水平方向に移動したときにおいても、腕と第1アーム部材3との相対位置が変化する。
腕を保持する保持部材4は、第1回転軸AX1と相対移動可能に移動機構5に支持される。図3に示すように、作業者WMが腕を右方に移動させたとき、腕を保持する保持部材4は、第1回転軸AX1に接近するように、第1アーム部材3の長手方向に移動する。作業者WMが腕を前方に移動させたとき、腕を保持する保持部材4は、第1回転軸AX1から離れるように、第1アーム部材3の長手方向に移動する。図3に示す例では、作業者WMが腕を右方に移動させたとき、保持部材4は、第1アーム部材3の長手方向の位置PSaに配置される。作業者WMが腕を斜め前方に移動させたとき、保持部材4は、第1アーム部材3の長手方向の位置PSbに配置される。作業者WMが腕を前方に移動させたとき、保持部材4は、第1アーム部材3の長手方向の位置PScに配置される。第2回転軸AX2と直交する第2面内において、位置PSaと第1回転軸AX1との距離は、位置PSbと第1回転軸AX1との距離及び位置PScと第1回転軸AX1との距離よりも短い。第2回転軸AX2と直交する第2面内において、位置PSbと第1回転軸AX1との距離は、位置PScと第1回転軸AX1との距離よりも短い。位置PSa、位置PSb、及び位置PScのうち、位置PScは、第1アーム部材3の先端部3Tに最も近い位置である。位置PSbは、位置PScに次いで第1アーム部材3の先端部3Tに近い位置である。位置PSaは、第1アーム部材3の基端部3Bに最も近い位置である。
このように、作業者WMが腕を水平方向に移動させたときにおいても、腕を保持している保持部材4が第1アーム部材3に対して移動する。したがって、作業者WMが腕を水平方向に移動させたとき、腕と作業補助具1とに摩擦が生じることが抑制される。これにより、作業者WMの作業性の低下が抑制される。
[使用例]
次に、本実施形態に係る作業補助具1の使用例について説明する。作業者WMは、電動工具KDを用いて天井面のような高所を作業するとき、作業補助具1を装着する。作業者WMは、腕の少なくとも一部を保持部材4に載置する。保持部材4に載置された腕と保持部材4とがハーネスにより固定される。
図1及び図2に示すように、電動工具KDを用いて天井面を作業するとき、作業者WMは、手で電動工具KDを保持する。作業者WMは、電動工具KDで天井面を作業するために、手で電動工具KDを保持した状態で、腕を上げる。
作業補助具1は、第1アーム部材3の先端部3Tを上方に旋回させる力を発生する動力発生装置9を備える。そのため、保持部材4を介して第1アーム部材3に支持されている腕は、第1アーム部材3及び保持部材4によって、上方に移動するように補助される。第1アーム部材3及び保持部材4が発生する力によって作業者WMの右腕が上方に移動されるので、作業者WMの肉体的負担が軽減される。
例えば、電動工具KDがハンマードリルである場合、腕を長時間上げたままにした状態で、電動工具KDを天井面に押し付ける作業を実施しなければならない可能性がある。本実施形態においては、作業補助具1により作業者WMの腕の筋力が補助されるので、作業者WMの肉体的負担が効果的に軽減される。
また、上述のように、腕を上下方向及び水平方向の少なくとも一方に移動させるとき、腕と第1アーム部材3との相対位置が変化する。腕は、第1アーム部材3に対して相対移動可能な保持部材4に保持される。そのため、腕を移動させたとき、第1アーム部材3に対して保持部材4が移動する。したがって、腕を移動させたとき、腕と第1アーム部材3とに摩擦が生じることが抑制される。これにより、作業者WMの作業性の低下が抑制される。
[効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、作業補助具1は、作業者WMの背中に装着される本体部材2と、連結機構10を介して本体部材2と連結され、第1回転軸AX1を中心に回動可能な第1アーム部材3と、作業者WMの腕の少なくとも一部を保持する保持部材4と、第1アーム部材3と保持部材4との間に設けられ、第1回転軸AX1と相対移動可能に保持部材4を支持する移動機構5とを備える。これにより、作業者WMが腕を移動させたとき、腕を保持する保持部材4が第1回転軸AX1に対して相対移動するので、腕と作業補助具1とに摩擦が生じることが抑制される。したがって、作業者WMの作業性の低下が抑制される。
また、本実施形態によれば、保持部材4は、移動機構5を介して第1アーム部材3に移動可能に支持される。これにより、作業者WMが腕を移動させたときに発生する腕と第1アーム部材3との相対位置の変化に起因する摩擦は、第1アーム部材3に移動可能に支持される保持部材4によって効果的に抑制される。
また、本実施形態によれば、移動機構5は、第1アーム部材3に設けられるガイド部材51と、保持部材4に接続されガイド部材51にガイドされる可動部材52とを含む。これにより、保持部材4は、可動部材52を介して、ガイド部材51にガイドされながら円滑に移動することができる。
また、本実施形態によれば、第1アーム部材3の基端部3Bが連結機構10に接続され、連結機構10は、第1アーム部材3の先端部3Tが上下方向に旋回するように、第1回転軸AX1を中心に回動可能に第1アーム部材3を支持する。第1アーム部材3の先端部3Tが上下方向に移動することにより、作業者WMは、天井面のような高所を作業するとき、腕を円滑に上下方向に移動させることができる。
また、本実施形態においては、第1アーム部材3の先端部3Tを上方に旋回させる力を発生する動力発生装置9が設けられる。これにより、天井面のような高所を作業者WMが電動工具KDを使って作業するとき、作業者WMの腕の筋力は効果的に補助される。
また、本実施形態においては、動力発生装置9は、本体部材2に支持される。作業者WMの背中に装着される本体部材2に動力発生装置9が支持されることにより、作業者WMにおいて左右及び前後の重量バランスが良好に維持される。また、動力発生装置9の重量が大きくなっても、背中に装着される本体部材2に動力発生装置9が支持されることにより、作業者WMの負担が軽減される。
また、本実施形態においては、連結機構10は、第2回転軸AX2を中心に回動可能な第2アーム部材6と、第1アーム部材3の基端部3Bと第2アーム部材6の第1端部6Tとを連結する第1関節機構7と、第2アーム部材6の第2端部6Bと本体部材2とを連結する第2関節機構8とを含み、動力発生装置9で発生した力を第1関節機構7に伝達する伝達機構91が設けられる。これにより、動力発生装置9と第1関節機構7とが離れていても、動力発生装置9で発生した力は、伝達機構91を介して第1関節機構7に伝達される。
また、本実施形態においては、第1関節機構7は、第1アーム部材3の基端部3Bに接続されるプーリ71を含み、伝達機構91は、プーリ71に接続されるワイヤ部材93を含む。これにより、動力発生装置9で発生した力が小さくても、プーリ71の作用により、第1アーム部材3に大きい力が作用する。
また、本実施形態においては、第1関節機構7は、第1アーム部材3の先端部3Tが第1回転軸AX1と直交する第1面と平行な方向に旋回するように第1アーム部材3を支持する。第2関節機構8は、第2アーム部材6の第1端部6Tが第1面と直交する第2面と平行な方向に旋回するように第2アーム部材6を支持する。これにより、保持部材4は、第1面と平行な方向及び第2面と平行な方向のそれぞれに円滑に移動することができる。第2面が水平面と平行である場合、保持部材4は、上下方向及び水平方向のそれぞれに円滑に移動することができる。
また、本実施形態においては、第2関節機構8は、第2アーム部材6の第1端部6Tが水平方向に旋回するように、第2回転軸AX2を中心に回動可能に第2アーム部材6を支持する。保持部材4が本体部材2よりも前方に配置されている状態において、第1回転軸AX1は、第2回転軸AX2よりも前方に配置される。これにより、作業者WMは、保持部材4に保持された腕を第1面と平行な方向及び第2面と平行な方向のそれぞれに円滑に移動させることができる。
また、本実施形態においては、作業者WMの右腕が保持部材4に保持され、左腕は保持されない。換言すれば、作業補助具1は作業者WMの右腕の作業を支援し、作業者WMの左腕は作業補助具1に拘束されない。電動工具KDを用いる作業においては、作業者WMは右手で電動工具KDを保持し、右腕を上方に伸ばして作業する場合が多い。そのため、作業補助具1が、右腕用の連結機構10、第1アーム部材3、及び保持部材4を有することにより、電動工具KDを用いる作業者WMの作業は効果的に支援される。左腕は作業補助具1に拘束されないので、作業者WMは、電動工具KDを用いない作業を左腕で円滑に実施することができる。なお、作業補助具1が作業者WMの左腕の作業を支援し、作業者WMの右腕が作業補助具1に拘束されないようにしてもよい。作業者WMの利き腕に合わせて、右腕用の連結機構10、第1アーム部材3、及び保持部材4と、左腕用の連結機構10、第1アーム部材3、及び保持部材4とのいずれか一方が選択され、本体部材2に装着されてもよい。
[変形例]
図4は、本実施形態に係る作業補助具1Bの変形例を模式的に示す上面図である。上述の実施形態においては、保持部材4が本体部材2よりも前方に配置されている状態において、第1回転軸AX1は、第2回転軸AX2よりも前方に配置されることとした。図4に示すように、保持部材4が本体部材2よりも前方に配置されている状態において、第1回転軸AX1は、第2回転軸AX2よりも後方に配置されてもよい。
図5は、本実施形態に係る作業補助具1Cの変形例を模式的に示す上面図である。図5は、移動機構50の変形例を模式的に示す。図5に示すように、移動機構50がテレスコピック機構を含んでもよい。すなわち、第1アーム部材300が筒部材を含み、移動機構50が第1アーム部材300の内部に挿入され第1アーム部材300の軸方向に相対移動可能なロッド状のスライド部材53を含んでもよい。図5に示す例においても、移動機構50は、保持部材4と第1アーム部材300との間に設けられる。図5に示す例においては、保持部材4は、移動機構50のスライド部材53に支持される。
図6は、本実施形態に係る作業補助具1Dの変形例を模式的に示す上面図である。上述の実施形態においては、第1アーム部材3は、第2アーム部材6及び第2関節機構8を介して本体部材2と連結されることとした。図6に示すように、第1アーム部材300Dが関節機構7Dを介して本体部材2と連結され、第1回転軸AX1を中心に回動可能に本体部材2に支持されてもよい。図6に示す例において、第1アーム部材300Dは、関節機構7Dを介して本体部材2と連結される第3部材301と、関節機構8Dを介して第3部材301と連結される第4部材302とを含む。保持部材4は、移動機構5Dを介して第4部材302に支持される。第4部材302は、第2回転軸AX2を中心に回動可能に関節機構8Dを介して第3部材301に支持される。
なお、上述の実施形態においては、移動機構5のガイド部材51が第1アーム部材3の上面31に設けられたレール部材であることとした。レール部材は、下面32、内面33、及び外面34の少なくとも1つに設けられてもよい。また、ガイド部材51が、第1アーム部材3に設けられたガイド溝を含んでもよい。
なお、上述の実施形態においては、動力発生装置9がばね92を含むこととした。動力発生装置9は、例えばぜんまいばねを含んでもよい。動力発生装置9は、本体部材2に支持されるアクチュエータを含んでもよい。アクチュエータは、空気圧により作動する空圧アクチュエータでもよい。空圧アクチュエータは、例えばエアシリンダを含んでもよいし、人工筋肉を含んでもよい。また、アクチュエータは、バッテリから供給される電力により作動する電動アクチュエータでもよい。電動アクチュエータは、例えばサーボモータを含んでもよい。バッテリは、本体部材2に支持されてもよい。アクチュエータが発生する力が伝達機構91を介して連結機構10に伝達されることにより、第1アーム部材3は移動することができる。また、動力発生装置9がアクチュエータを含むことにより、上述の実施形態で説明した、第1ガイド部材25、第2ガイド部材26、及び可動部材94などを省略することができる。
なお、上述の実施形態において、第1関節機構7及び第2関節機構8の少なくとも一方がヒンジ機構を含んでもよい。また、第1関節機構7及び第2関節機構8の少なくとも一方が可撓性部材を含んでもよい。第1関節機構7の可撓性部材の可撓性によって、第1アーム部材3は第1回転軸AX1を中心に回動することができる。第2関節機構8の可撓性部材の可撓性によって、第2アーム部材6は第2回転軸AX2を中心に回動することができる。
なお、上述の実施形態においては、第1回転軸AX1がXY平面と実質的に平行であり、第2回転軸AX2がXY平面と実質的に直交することとした。第1回転軸AX1がXY平面に対して傾斜してもよいし、第2回転軸AX2がXY平面と直交しなくてもよい。また、上述の実施形態においては、第1アーム部材3の先端部3Tが第1回転軸AX1と直交する第1面と平行な方向に旋回し、第2アーム部材6の第1端部6Tが第1面と直交する第2面と平行な方向に旋回することとした。第1面と第2面とは直交しなくてもよい。
なお、上述の実施形態において、第2回転軸AX2が省略されてもよい。すなわち、第1アーム部材3は、第1回転軸AX1を中心に回動可能であればよく、第2回転軸AX2を中心に回動しなくてもよい。
なお、上述の実施形態においては、作業補助具1が作業者WMの右腕及び左腕のいずれか一方を支援することとした。作業補助具1は、右腕及び左腕の両方を支援してもよい。右腕用及び左腕用それぞれの連結機構10、第1アーム部材3、及び保持部材4が設けられることにより、作業補助具1は、作業者WMの右腕及び左腕の両方の筋力を補助することができる。
1…作業補助具、2…本体部材、3…第1アーム部材、3B…基端部、3T…先端部、4…保持部材、5…移動機構、6…第2アーム部材、6B…第2端部、6C…接続部、6T…第1端部、7…第1関節機構、8…第2関節機構、9…動力発生装置、10…連結機構、21…第1フレーム部材、22…第2フレーム部材、23…第3フレーム部材、25…第1ガイド部材、26…第2ガイド部材、31…上面、32…下面、33…内面、34…外面、41…平板部、42…第1側板部、43…第2側板部、51…ガイド部材、52…可動部材、53…スライド部材、61…第1部材、62…第2部材、71…プーリ、81…ハウジング部材、82…ガイド部材、82G…ガイド溝、91…伝達機構、92…ばね、93…ワイヤ部材、94…可動部材、94A…第1開口、94B…第2開口、95…支持部材、301…第3部材、302…第4部材、AX1…第1回転軸、AX2…第2回転軸、HS…ハーネス、HSa…肩ベルト、HSb…腰ベルト、KD…電動工具。

Claims (9)

  1. 作業者の背中に装着される本体部材と、
    連結機構を介して前記本体部材と連結され、第1回転軸を中心に回動可能な第1アーム部材と、
    前記作業者の腕の少なくとも一部を保持する保持部材と、
    前記第1アーム部材と前記保持部材との間に設けられ、前記第1回転軸と相対移動可能に前記保持部材を支持する移動機構と、
    を備える作業補助具。
  2. 前記保持部材は、前記移動機構を介して前記第1アーム部材に移動可能に支持される、
    請求項1に記載の作業補助具。
  3. 前記移動機構は、前記第1アーム部材に設けられるガイド部材と、前記保持部材に接続され前記ガイド部材にガイドされる可動部材とを含む、
    請求項1又は請求項2に記載の作業補助具。
  4. 前記第1アーム部材の基端部が前記連結機構に接続され、
    前記連結機構は、前記第1アーム部材の先端部が上下方向に旋回するように、前記第1回転軸を中心に回動可能に前記第1アーム部材を支持する、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の作業補助具。
  5. 前記第1アーム部材の先端部を上方に旋回させる力を発生する動力発生装置を備える、
    請求項4に記載の作業補助具。
  6. 前記動力発生装置は、前記本体部材に支持され、
    前記連結機構は、前記第1回転軸とは異なる方向に延在する第2回転軸を中心に回動可能な第2アーム部材と、前記第1アーム部材の基端部と前記第2アーム部材の第1端部とを連結する第1関節機構と、前記第2アーム部材の第2端部と前記本体部材とを連結する第2関節機構と、を含み、
    前記動力発生装置で発生した力を前記第1関節機構に伝達する伝達機構を備える、
    請求項5に記載の作業補助具。
  7. 前記第1関節機構は、前記第1アーム部材の基端部に接続されるプーリを含み、
    前記伝達機構は、前記プーリに接続されるワイヤ部材を含む、
    請求項6に記載の作業補助具。
  8. 前記第1関節機構は、前記第1アーム部材の先端部が前記第1回転軸と直交する第1面と平行な方向に旋回するように前記第1アーム部材を支持し、
    前記第2関節機構は、前記第2アーム部材の第1端部が前記第1面と交差する第2面と平行な方向に旋回するように前記第2アーム部材を支持する、
    請求項6又は請求項7に記載の作業補助具。
  9. 前記第2関節機構は、前記第2アーム部材の第1端部が水平方向に旋回するように、前記第2回転軸を中心に回動可能に前記第2アーム部材を支持し、
    前記保持部材が前記本体部材よりも前方に配置されている状態において、前記第1回転軸は、前記第2回転軸よりも前方に配置される、
    請求項8に記載の作業補助具。
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