JP2018120082A - シュリンクラベルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、製造コスト増を殆ど招くことなく、ラベルの色調を変えることが可能なシュリンクラベルを提供することを目的としている。
さらに、製造コスト増を殆ど招くことなく、シュリンクラベルが装着された被包体の出所を表示し、シュリンクラベルが装着された被包体の模造品の出現防止に寄与する偽造防止機能を、持たせることが可能なシュリンクラベルを提供することを目的としている。
また、活性エネルギー線硬化型インキが存在する領域以外のフィルム体は、熱収縮しやすく高密度熱収縮部となり、高密度熱収縮部の、活性エネルギー線硬化型インキが存在する領域の主面は、略平坦状面となる。更に、熱収縮部は、薄く呈色し、高密度熱収縮部は、濃く呈色する。これにより、製造コスト増を殆ど招くことなく、触感や耐久性を大きく向上させることができるとともに、視認性を大きく向上させることが可能なシュリンクラベルおよびその製造方法を提供できる。
さらに、熱収縮部あるいは高密度熱収縮部は、シュリンクラベルが密着する被包体の出所を示す偽造防止用標章の形状となるように形成することが可能である。これにより、製造コスト増を殆ど招くことなく、触感や耐久性を大きく向上させることができるとともに、被包体の出所を示す情報を浮き彫り状に表示可能であるため、悪意ある第三者に、被包体の模造品製造を断念させる偽造防止機能を、製造コスト増を殆ど招くことなく、提供できる。
シュリンクラベル100は、加熱により収縮するフィルム体102と、前記フィルム体の一方の主面に密着され、表示すべき情報が印刷された印刷層104と、前記印刷層の前記フィルム体とは反対側の主面に密着された、被包体である容器300への装着を容易にするための保護インキ層106と、前記保護インキ層の前記印刷層とは反対側の主面の所要の領域、すなわち凹凸部を形成すべき領域に、活性エネルギー線照射により硬化する活性エネルギー線硬化型インキを印刷してなる凹凸部形成部108とを備える。
シュリンクラベル100は、活性エネルギー線照射により、活性エネルギー線硬化型インキを硬化させ、凹凸部形成部108とした後、前記凹凸部形成部が被覆すべき容器に対向する状態で加熱を行うことにより、収縮し、前記容器に密着する。
なお、活性エネルギー線の照射は、その際に発生する熱でフィルム体102,印刷層104,保護インキ層106を収縮させないが、活性エネルギー線硬化型インキは硬化できる条件で実施する。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、アクリル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選択される1種単独又は2種以上の混合物からなるフィルムが例示できる。これらのうち、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂から構成される樹脂フィルムが好ましく、特にポリエステル系樹脂が好ましい。
フィルム体102の厚みは、特に限定されないが、好ましくは10μm〜100μm、より好ましくは15μm〜80μm、特に好ましくは20μm〜60μmである。
具体例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、イソシアネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、セルロース系樹脂、アミド系樹脂、ロジン樹脂等が挙げられる。プライマリー層は、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版輪転印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の汎用印刷法や、バーコーター、コンマコーター、スプレーコーター等の従来公知の汎用コーターを用いた塗工法により、これらの樹脂を含有するアンカーコート剤をフィルム体102上に塗布し、乾燥固化して形成することができる。上記プライマリー層を形成するアンカーコート剤には、市販品を用いることができる。
プライマリー層の厚みは、特に限定されないが、フィルム体102より薄い0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜3μmがより好ましい。
背景印刷層を含まない表示印刷層からなるトナー印刷層104を形成する場合、背景印刷をしないということも考えられるが、背景印刷として、トナー印刷層と異なる背景印刷層、例えば、グラビア印刷により設けられた背景印刷層、を形成してもよく、保護インキ層106に白色顔料等を添加して背景印刷層兼保護コーティング層を形成してもよい。
着色剤には、溶剤に溶ける染料と、溶剤には溶けない顔料とがあり、グラビアインキでは顔料を使用する。顔料は、無機顔料と有機顔料とに分けられる。無機顔料としては、酸化チタン(白色)、カーボンブラック(黒色)、アルミ粉末(金銀色)などがあり、有機顔料としては、アゾ系のものを好適に使用することができる。印刷層104の厚み(この厚みは、インキ乾燥後の値である)は特に限定されないが、フィルム体102の厚みより薄い0.1μm〜15μmが好ましく、0.2μm〜10μmがより好ましい。
本実施形態では、印刷層104よりも全周において大きな領域に、印刷層104よりも大面積で、且つプライマリー層よりも全周において小さな領域に、プライマリー層よりも小面積の保護インキ層106が形成されている。プライマリー層及び印刷層104は、上記のように、平面視略矩形状に形成されており、保護インキ層106も平面視略矩形状に形成されている(図1参照)。
即ち、保護インキ層106は、大部分が印刷層104上に形成され、一部が印刷層104のないプライマリー層上に形成されている。そして、保護インキ層106の端部は、プライマリー層と印刷層104との間に位置している。これにより、印刷層104は、その端部まで保護インキ層106によって覆われる。なお、保護インキ層106とフィルム体102との密着性が良好である場合には、保護インキ層106は、プライマリー層が形成されていない領域(印刷層104も設けられていない領域)に、フィルム体102上に直接形成されてもよい。
なお、アクリル系樹脂は、水溶性樹脂(水性)であることが好ましく、ウレタン系樹脂及びアミド系樹脂は、水溶性樹脂であってもよいが、水には溶解し難く有機溶剤に溶解し易い油性であることが好適である。また、保護インキ層106は、滑り性を改良する滑剤を含有することが好適である。また、本発明の目的を損なわない範囲で、可塑剤、沈降防止剤、分散剤、安定剤、硬化剤、消泡剤などの添加剤を含有していてもよい。
凹凸部形成部108は、図2にその一例を示すように、保護インキ層106の、印刷層104が印刷された側とは反対側の主面の中央に、平面視略矩形状に印刷される。この活性エネルギー線硬化型インキ印刷部Pの幅(紙面縦方向の長さ)は、保護インキ層106の幅(紙面縦方向の長さ)と等しい。また、この矩形領域の両側の領域は、いずれも活性エネルギー線硬化型インキが印刷されない活性エネルギー線硬化型インキ非印刷部NPとなっている。
本発明にかかるシュリンクラベルの製造方法の一例は、加熱により収縮するフィルム体102の一方の主面に、表示すべき情報を印刷した印刷層104を形成する工程(印刷層形成工程)と、前記印刷層の前記フィルム層とは反対側の主面に、被包体への装着を容易にするための保護インキ層106を形成する工程(保護インキ層形成工程)と、前記保護インキ層の前記印刷層とは反対側の主面の所要の領域、すなわち、凹凸部形成部108を形成すべき領域に、活性エネルギー線硬化型インキを印刷する工程(活性エネルギー線硬化型インキ印刷工程)と、前記活性エネルギー線硬化型インキに活性エネルギー線を照射し、硬化させることで、フィルム体の少なくとも表面をシュリンクラベルの厚み方向に凹凸が形成された凹凸部とする工程(凹凸部形成工程)とを含み、前記凹凸部形成部が被覆すべき被包体に対向する状態で加熱を行うことにより、シュリンクラベルが収縮し、前記容器に密着する、というものである。
フィルム体102は、長尺状の長手方向(以下、「MD方向」という)に対して1.01〜2倍程度の延伸倍率で延伸されてもよい。延伸処理は、例えば、70℃〜100℃の温度で、ロール方式、テンター方式、チューブ方式等を用いて行うことができる。フィルム体102は、TD方向が主延伸方向、即ち主収縮方向となる。なお、帯状ラベルを容器に巻き付けて装着することで筒状体を形成する場合(巻付方式の筒状体の場合)には、MD方向が主収縮方向となるフィルム体102を用いる。
保護インキ層106は、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版輪転印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等の従来公知の汎用印刷法や、バーコーター、コンマコーター、スプレーコーター等の従来公知の汎用コーターを用いた塗工法により、上記の保護インキ層106を形成する成分が溶融又は分散されたインキを塗工・乾燥固化して形成することができる。保護インキ層106は、グラビア印刷又はフレキソ印刷により形成することが好適である。
その際、人手作業で容器300を収容する場合は、円筒形に丸めたシュリンクラベルの直径dは、容器300の長径よりも2〜3%大きなものとする。また、機械作業で容器300を収容する場合は、円筒形に丸めたシュリンクラベルの直径dは、容器300の長径よりも3〜4%大きなものとする。
上述の製造方法により完成した、図3に示す円筒型シュリンクラベルを、凹凸部形成部108を容器300の正面部の表面に対向するようにしてその空洞内に容器300が収容されるように、容器300に被せる。保護インキ層106は、容器300の左右の角部及び容器300の背面部に位置する。その際、円筒形に丸めたシュリンクラベルの直径dは、容器300の長径よりも3%大きなものとした。その際、保護インキ層106が存在することで、容器に対する滑り性が向上する。このため、円筒型シュリンクラベルに引っかかることなく、容器を円滑に収容できる。
また、シュリンクラベル全体が同一色に着色されているとすると、活性エネルギー線硬化型インキ印刷部に該当するフィルム体は、低密度に熱収縮するために、薄く呈色する。これに対し、活性エネルギー線硬化型インキ非印刷部に該当するフィルム体は、高密度に熱収縮するために、濃く呈色する。
この実施例は、フィルム体が、市販のフィルム体として、例えば、グンゼ株式会社製HGL40μm(40μm厚のハイブリッド延伸ポリスチレンフィルム)で、印刷層が、プライマリー層にトナー粒子を含むことで、活性エネルギー線硬化型インキとしての紫外線硬化型インキが、例えばDIC株式会社製のエポキシ・アクリレート系インキで、保護インキ層が、上述のように、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアミド系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を主成分とする樹脂で、それぞれ構成される。
まず、フィルム体102の裏面側に、上述のように電子写真方式等により印刷層104を形成する。
次に、印刷層104を覆うように保護インキ層106を、上述のように、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアミド系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を樹脂の主成分として構成する。
更に、保護インキ層106上の、凹凸部を形成すべき領域に、紫外線硬化型インキ108を印刷し、その後紫外線を照射して硬化させることで、硬化した紫外線硬化型インキ108を容器に密着させた際に凹凸部を形成できるシュリンクラベルが完成する。
図2は、この発明の一実施例による、シュリンクラベルの紫外線硬化型インキ108の印刷パターンを示す。
また、図4(B)は、この容器に収縮貼付けするシュリンクラベルを示す。
この実施例では、シュリンクラベルに印刷されたメーカーのロゴLを囲繞する領域は、凹凸部形成部108が形成されていない。このためメーカーのロゴLを囲繞する領域は、凹凸部とはならず、略平坦状面となっている。
このため、メーカーのロゴを囲繞する領域に浮き彫り感が生じ、商品の高級感を使用者に訴える広告宣伝機能や、品質等保証機能を持たせることができる。
併せて、このような浮き彫り感を有するロゴの模倣、再現は困難であり、模造品の製造を試みる者に対し、シュリンクラベルに、これが装着された被包体の出所を顕示する自他商品識別機能を持たせることができ、シュリンクラベルが装着された被包体の模造品の出現防止に寄与する偽造防止機能の役割を果たす。しかも、これらの機能を、コストアップを招くことなく実現できる。
なお、容器の底部付近では、シュリンクラベルが容器底面の一部に回り込んでいるため気密が維持される。
また、図5(B)に示すように、メーカーのロゴ(偽造防止用標章)Lを、シュリンクラベル100の幅方向、すなわち、円筒型容器の高さ方向に沿って、横置きに小さく印刷し、そのロゴを囲繞する領域には、凹凸部形成部108を形成せず、略平坦状面としている。
これにより、その模倣、再現がより困難となり、シュリンクラベルが装着された被包体の模造品の出現防止に寄与する偽造防止機能の役割をより果たすことが可能となる。しかも、この機能を、コストアップを招くことなく実現できる。
また、収縮前のシュリンクラベルは、容器の胴部を覆うようにしたが、図6(a)に示すように、シュリンクラベルが円筒状あるいは楕円柱状等の容器全体を覆うように、収縮させてもよく、あるいはさらに、図6(b)に示すように、円筒状の容器本体に半球状のキャップを被せた容器全体を覆うように収縮したシュリンクラベルに付されたミシン目に沿って、容器頭部に密着する部分を切り取ることで、収縮したシュリンクラベルが容器の胴部のみを覆うようにすることも可能である。
また、インキの塗布を、印刷により行うようにしたが、他の手法により塗布してもよい。
さらに、偽造防止用標章を、容器に充填された商品のメーカー名のロゴとしたが、これは、商品の商品名や愛称のロゴ、あるいは、商品の機能、効能等を示唆するシンボルマーク等、商品の偽造、複製防止を期待できるものであれば、他の形状のものであってもよい。
また、偽造防止用標章を紫外線硬化型インキ非印刷部とし、偽造防止用標章を囲繞する領域を紫外線硬化型インキ印刷部としたが、これとは逆に、造防止用標章を紫外線硬化型インキ印刷部とし、偽造防止用標章を囲繞する領域を紫外線硬化型インキ非印刷部としてもよい。
さらに、フィルム体を、主面の面方向に沿って収縮するものとし、その一例として、長手方向、あるいは幅方向に一軸収縮するものを使用したが、幅方向、長手方向の二軸方向に収縮するものを使用してもよい。
また、被包体は、容器に限るものではない。
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置又は配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
102,202 フィルム体
104,204 印刷層
106,206 保護インキ層
108 凹凸部形成部
110 紫外線硬化型インキ非印刷部
208 紫外線硬化型インキ層
300,400 容器
P 活性エネルギー線硬化型インキ印刷部
NP 活性エネルギー線硬化型インキ非印刷部
L ロゴ
Claims (6)
- 一方の主面と他方の主面とを有し、加熱により主面の面方向に沿って収縮するフィルム体と、
前記フィルム体の、凹凸部となるべき領域に該当する一方の主面の領域に、活性エネルギー線照射により硬化する活性エネルギー線硬化型インキを塗布し、活性エネルギー線照射により硬化してなる凹凸部形成部とを備え、
前記凹凸部形成部が被覆すべき被包体に対向する状態で加熱を行うことにより、収縮し、前記被包体に密着して貼付けられた前記フィルム体は、
前記凹凸部形成部が存在する領域が、前記加熱により熱収縮し、該熱収縮部における前記フィルム体の少なくとも他方の主面は、シュリンクラベルの厚み方向に凹凸となる前記凹凸部が形成された、ことを特徴とするシュリンクラベル。 - 前記凹凸部形成部は、前記活性エネルギー線硬化型インキを、2μm以上10μm以下の厚みとなるように塗布してなる、請求項1に記載のシュリンクラベル。
- 前記フィルム体は、前記凹凸部形成部が存在する領域以外の領域において、前記加熱により高密度に熱収縮し、該高密度熱収縮部における前記フィルム体の少なくとも他方の主面は、略平坦状である、請求項2に記載のシュリンクラベル。
- 全領域を同一色に着色した前記フィルム体は、前記高密度熱収縮部では濃く呈色し、前記熱収縮部では薄く呈色する、請求項3に記載のシュリンクラベル。
- 前記熱収縮部、あるいは、前記高密度熱収縮部は、本シュリンクラベルが密着する被包体の出所を示す偽造防止用標章を示す形状に形成されている、請求項3に記載のシュリンクラベル。
- 一方の主面と他方の主面とを有し、加熱により主面の面方向に沿って収縮するフィルム体の、凹凸部となるべき領域に該当する一方の主面の領域に、活性エネルギー線硬化型インキを塗布する工程と、
前記活性エネルギー線硬化型インキに活性エネルギー線を照射し、硬化させ、該硬化した活性エネルギー線硬化型インキが存在する領域における前記フィルム体の少なくとも他方の主面を、シュリンクラベルの厚み方向に凹凸が形成された凹凸部とするための凹凸部形成部を形成する工程とを含み、
前記フィルム体は、前記凹凸部形成部が被覆すべき被包体に対向する状態で加熱を行うことにより、収縮し、前記被包体に密着するとともに、前記凹凸部形成部が存在する領域が、前記加熱により熱収縮し、該熱収縮部における前記フィルム体の少なくとも他方の主面は、前記フィルム体の厚み方向に凹凸となる前記凹凸部が形成される、シュリンクラベルの製造方法。
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