JP2018119127A - 樹脂組成物、ガスバリアフィルム、包装材料、容器 - Google Patents

樹脂組成物、ガスバリアフィルム、包装材料、容器 Download PDF

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Abstract

【課題】ガスバリア性、耐熱性に優れ、PET、ポリスチレン等の透明基材への接着性が良好であり、透明性に優れたガスバリア層を得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含むガスバリアフィルム、包装材料及び容器を提供する。【解決手段】ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を含有し、前記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)及びポリビニルアルコールブロック(B)を含み、前記ポリビニルアルコールブロック(B)の含有量に対する前記ポリスチレンブロック(A)の含有量の割合が、モル比で5/100〜30/100である樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ガスバリア性、耐熱性に優れ、PET、ポリスチレン等の透明基材への接着性が良好であり、透明性に優れたガスバリア層を得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含むガスバリアフィルム、包装材料及び容器に関する。
近年、食品用のラミネート包装やチューブ容器、ガソリンタンク等、ガスバリア性を要求される容器として、ガラス容器、金属容器に代わって、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)をはじめとするガスバリア材料を用いた包装材料や容器が用いられている。
このような包装材料や容器では、PVA等のガスバリア材料が単独で用いられるのではなく、ポリエチレンやポリプロピレンなどのフィルムと共押し出しによって成形された積層フィルムやシートとして用いられている。
食品用容器では、PVA等のガスバリア材料は、主に酸素の透過を防ぐことを目的として用いられており、内容物の酸化を効果的に抑制することができる。
既存のガスバリア材料として用いられるポリマー材料のなかでは、PVAが酸素バリア性に特に優れていることが知られている。しかしながら、PVAは水に可溶な樹脂であるため、高湿度下で膨潤し、ガスバリア性が低下してしまうという問題があった。
そこで、例えば、特許文献1では、PVAの耐湿性を向上させるために、エチレンとビニルアルコールを共重合させたエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)を用いることが提案されている。
EVOHは硬く脆いという問題があるため、通常、ポリオレフィン、ナイロン、PET等の樹脂とともに、三層構造の積層体とした積層フィルム、シートとして用いられる。
このような積層フィルムの酸素バリア性は、EVOH中のエチレン含有量に大きく依存し、エチレン含有量が多くなると酸素透過量が急激に増加し、また、エチレン含有量が少なくなると低温低湿時での脆さが顕著となるうえ、熱分解開始温度と押出成形時の温度が近くなり、押出成形による成膜が困難となるという問題があった。
また、食品用容器では、食品を包装した後、加熱殺菌が必要となるが、EVOHは高温下でガスバリア性が低下してしまい、耐湿性も不充分となるという問題があった。
そこで、特許文献2では、ガスバリア性と耐熱性とを両立させるために、EVOHに無機フィラーを添加することが提案されている。
しかしながら、無機フィラーの添加に伴い、基材樹脂との接着性が悪化して、成形性が低下するという問題があった。
また、自動車においては、軽量化を目的として、ガソリンタンクの樹脂化が進められており、ガソリンに含まれる低分子の有毒な炭化水素ガスの排出を防ぐために、EVOH等のガスバリア材料が用いられている。特許文献3には、特定の官能基を有する重合体を含むガソリンタンクが提案されている。このようなガソリンタンクでは、ポリエチレン等の基材とEVOH等の積層体が用いられているが、EVOHはポリエチレンとの接着性が不充分であり、接着層を設ける必要があり、生産性を悪化したり、重量の増加に繋がる等の問題があった。
更に、非特許文献1では、耐湿性向上のために、エチレンをブロック化させたブロック共重合体も検討されている。しかしながら、非特許文献1では硫黄を有する化合物を用いてブロック共重合体の合成が検討されており、このような合成は溶液重合により行われるため、重合反応の際にラジカル解離が引き起こされ、狙い通りのブロック共重合体が得られないという問題があった。
特許第1335021号公報 特許第3400131号公報 特許第5280275号公報
高分子論文集 vol.40 No.1 pp583−588
本発明は、ガスバリア性、耐熱性に優れ、PET、ポリスチレン等の透明基材への接着性が良好であり、透明性に優れたガスバリア層を得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含むガスバリアフィルム、包装材料及び容器を提供することを目的とする。
本発明は、ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を含有し、前記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)及びポリビニルアルコールブロック(B)を含み、前記ポリビニルアルコールブロック(B)の含有量に対する前記ポリスチレンブロック(A)の含有量の割合が、モル比で5/100〜30/100である樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ポリビニルアルコールブロックに対して所定量のポリスチレンブロックを含有する共重合体を含む樹脂組成物は、優れたガスバリア性及び耐熱性を両立することができ、更に、基材への接着性及び透明性も良好であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の樹脂組成物は、ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を含有する。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とを含む。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)が非相溶の成分であるため、得られた樹脂組成物は相分離構造を有する。ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが反発する斥力により、それぞれのブロックにより形成される相の密度が高まり、ガス透過の原因となる分子間の隙間が小さくなり、ガスバリア性を向上させることができる。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有することが好ましい。なお、上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが、1つの硫黄元素を介して結合した構造であってもよく、2つ以上の硫黄元素を介して結合した構造を有するものであってもよい。また、2つ以上の硫黄元素を介して結合した構造を有する場合、硫黄元素同士が隣り合った構造であってもよく、硫黄元素の間にアルキレン基、遷移金属原子又はアルカリ金属原子を有する構造であってもよい。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体が、このような構造を有することにより、相分離構造がより形成しやすいものとして、ガスバリア性を更に向上させることができる。
上記硫黄元素は、スルフィド基を有する化合物によって導入されたものであることが好ましい。なお、スルフィド基を有する化合物によって導入された硫黄元素とは、ポリスチレンブロック(A)又はポリビニルアルコールブロック(B)の分子末端にスルフィド基を有する化合物によって導入されたスルフィド結合が切断されることによって導入された硫黄元素をいう。
また、上記スルフィド基を有する化合物は、スルフィド結合を有する化合物であることが好ましく、分子中にポリスルフィド結合を有するポリスルフィド化合物であることがより好ましい。
上記ポリスルフィド化合物は、ポリスルフィド結合を構成する硫黄元素数が2〜4であることが好ましく、硫黄元素数が2であるジスルフィド化合物であることがより好ましい。
上記ポリスルフィド化合物とは、分子中にポリスルフィド結合(−S−S−、−S−S−S−等)を有する有機硫黄化合物に加えて、上記ポリスルフィド結合を構成する硫黄元素の間にアルキレン基、遷移金属原子又はアルカリ金属原子を有する構造を有する有機硫黄化合物を含む。具体的には、−S−X−S−、−S−S−X−S−等(Xはアルキレン基、遷移金属原子又はアルカリ金属原子を表す)を有する有機硫黄化合物も含む。上記ポリスルフィド結合としては、例えば、ジスルフィド結合、トリスルフィド結合、テトラスルフィド結合等が挙げられる。
上記スルフィド基を有する化合物は、スルフィド基を有する結合を構成する硫黄元素数が2〜4であることが好ましく、硫黄元素数が2であるジスルフィド化合物であることがより好ましい。
また、上記スルフィド基を有する化合物は、下記式(1)〜(4)で表される構造を有することが好ましい。
Figure 2018119127
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数3〜17のアルキル基、炭素数1〜17のアルコキシ基、炭素数1〜17のチオアルコキシ基、又は、下記式(2)で表される構造を表す。上記アルキル基、上記アルコキシ基、及び、上記チオアルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよく、環状でもよい。
Figure 2018119127
上記式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数2〜13のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、又は、炭素数1〜13のチオアルコキシ基を表す。上記アルキル基、上記アルコキシ基、及び、上記チオアルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよく、環状でもよい。
Figure 2018119127
上記式(3)中、Xは、炭素数1〜6のアルキレン基、遷移金属又はアルカリ金属を表し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数2〜17のアルキル基、炭素数1〜17のアルコキシ基、炭素数1〜17のチオアルコキシ基、又は、上記式(2)で表される構造を表す。上記アルキレン基、上記アルキル基、上記アルコキシ基、及び、上記チオアルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよく、環状でもよい。
Figure 2018119127
上記式(4)中、R〜R10は、それぞれ独立して、炭素数2〜17のアルキル基、炭素数1〜13のアルコキシ基、炭素数1〜13のチオアルコキシ基、又は、上記式(2)で表される構造を表す。上記アルキル基、上記アルコキシ基、及び、上記チオアルコキシ基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよく、環状でもよい。
上記スルフィド基を有する化合物としては、具体的には、チウラム系有機硫黄化合物、チアゾール系有機硫黄化合物、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲンスルフィド誘導体等が挙げられる。
上記チウラム系有機硫黄化合物としては、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド等のチウラム系ジスルフィド材料、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系テトラスルフィド材料等が挙げられる。
上記チアゾール系有機硫黄化合物としては、2,2’−ジベンゾチアゾリルジスルフィド、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等が挙げられる。
上記ジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、Nエチル−Nフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記キサントゲンスルフィド誘導体としては、ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジブチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ビス(メチルチオキサントゲン)ジスルフィド等が挙げられる。
なかでも、チウラム系ジスルフィド材料、チウラム系テトラスルフィド材料等のチウラム系有機硫黄化合物、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲンスルフィド誘導体が好ましく、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、ビス(メチルチオキサントゲン)ジスルフィドがより好ましい。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のブロック形状は、特に限定されず、(A)−(B)ジブロック型、(A)−(B)−(A)のトリブロック型、マルチブロック型、ランダムブロック型等の線状ブロック型、分岐状ブロック型等が挙げられる。なかでも、上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、共重合体の片末端にポリスチレンブロック(A)を有し、他の末端にポリビニルアルコールブロック(B)を有する構造であることが好ましく、(A)−(B)ジブロック型がより好ましい。
なお、本明細書中、ポリスチレンブロック(A)とは、スチレン骨格を有するスチレンモノマー由来の構成成分を有するブロックを意味する。
上記ポリスチレンブロック(A)を構成するスチレンモノマーとしては、スチレン及びその誘導体;例えばスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン等のアルキルスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン等のハロゲン化スチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。これらが単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記ポリスチレンブロック(A)は、ポリビニルアルコールブロック(A)との斥力を発揮し、相分離構造が形成される範囲で、上記スチレンモノマー成分以外の他のモノマー成分を含んでいてもよい。
上記ポリスチレンブロック(A)は、スチレンモノマー成分のみからなるものであってもよく、上記スチレンモノマーとは異なる他のモノマー成分を含有するものであってもよい。
また、上記ポリスチレンブロック(A)が他のモノマー成分を含有する場合、上記ポリスチレンブロック(A)は、上記スチレンモノマーと他のモノマーとがランダムに重合したランダム構造を有するものでもよく、スチレンモノマー成分からなるブロックと他のモノマー成分からなるブロックとが共重合したブロック構造を有するものでもよい。
上記他のモノマー成分としては、例えば、エポキシ基含有ビニルモノマー、アミノ基含有ビニルモノマー、イミノ基含有ビニルモノマー、イソシアネート基含有ビニルモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー等の架橋性基を有するビニルモノマーが好ましい。
上記架橋性基を有するビニルモノマーとスチレンモノマーとを共重合させることにより、PET等の基材フィルムとの接着性を大幅に向上させることができる。また、高温・高湿度条件下でのガスバリア性の悪化を防止することができる。
上記エポキシ基含有ビニルモノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン等の脂肪族エポキシ基を有するビニルモノマー、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキシド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキシド、3−ビニルシクロヘキセンオキシド等の脂環式エポキシ基を有するビニルモノマー等が挙げられる。
上記アミノ基含有ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
上記イミノ基含有ビニルモノマーとしては、イミノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記イソシアネート基含有ビニルモノマーとしては、イソシアネート(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、イソシアネート基をアルコールや三級アミン等でキャッピングしたイソシアネート化合物等が挙げられる。
上記カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、無水フマル酸等が挙げられる。
上記ポリスチレンブロック(A)における架橋性基を有するビニルモノマー成分の含有量(以下、架橋モノマー含有量ともいう)は、好ましい下限が0.2モル%、好ましい上限が10モル%である。
上記架橋モノマー含有量が0.2モル%以上であると、基材フィルムとの接着性を充分に向上させることができる。上記架橋モノマー含有量が10モル%以下であると、耐湿性に優れたフィルムを得ることができる。
上記架橋モノマー含有量は、より好ましい下限が1モル%、より好ましい上限が7モル%である。
上記ポリスチレンブロック(A)における架橋性基を有するビニルモノマー成分の含有量は、例えば、FT−IRや熱分解GCMS等により測定することができる。
上記ポリスチレンブロック(A)におけるスチレンモノマー成分の含有量(以下、スチレン含有量ともいう)は、好ましい下限が90モル%、より好ましい下限が93モル%、好ましい上限が99モル%、より好ましい上限が99.8モル%である。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体において、上記ポリビニルアルコールブロック(B)の含有量に対する上記ポリスチレンブロック(A)の含有量の割合は、モル比で、下限が5/100、上限が30/100である。
上記ポリスチレンブロック(A)の含有割合が5/100以上であると、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)との斥力を充分に発揮させて、ガスバリア性を向上させることができる。上記ポリスチレンブロック(A)の含有割合が30/100以下であると、連続相としてのポリビニルアルコールブロック(B)を含む相と、分散相としてのポリスチレンブロック(A)を含む相とが、相分離構造を形成して、ガスバリア性を向上させることができる。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)の含有量に対する上記ポリスチレンブロック(A)の含有量の割合は、好ましい下限が5/100、より好ましい下限が6/100、好ましい上限が25/100、より好ましい上限が20/100である。
なお、本明細書中、ポリビニルアルコールブロック(B)の含有量に対するポリスチレンブロック(A)の含有量の割合とは、ポリビニルアルコールブロック(B)を構成する構成単位の物質量に対するポリスチレンブロック(A)を構成する構成単位の物質量の割合を意味する。
上記ポリスチレンブロック(A)の含有量の割合は、例えば、原料であるポリビニルアルコール樹脂とポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体をFT−IRにより分析し、得られたIRチャートを比較することで算出することができる。なお、SH基に由来する吸収バンドは1250cm−1付近に現れ、ポリスチレンブロック起因の特徴的な吸収バンドは2950cm−1付近、1500cm−1付近、750cm−1付近、700cm−1等に現れる。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体中、上記スチレンモノマーに由来する構成単位の含有量は、好ましい下限が5モル%、より好ましい下限が9モル%、好ましい上限が30モル%、より好ましい上限が22モル%である。
上記ポリスチレンブロック(A)の平均ブロック長は、好ましい下限が10、より好ましい下限が25、好ましい上限が1200、より好ましい上限が900である。
なお、上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ブロック長は、例えば、GPC/FT−IR法により測定することができる。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリビニルアルコールブロック(B)を含む。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)は、ビニルエステルに由来する構成単位を有するポリビニルエステルをケン化、すなわち、加水分解することにより得られる。
上記ビニルエステルは特に限定されないが、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、なかでも、酢酸ビニルが好ましい。
上記ポリビニルエステルは、得られるポリビニルアルコール樹脂の重合度やケン化度に影響しない範囲でビニル系モノマーが共重合されていてもよい。
上記ビニル系モノマーとしては、例えば、エチレン、ブタジエン、1,3−ブタジエン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、イソプレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の高級脂肪酸ビニルエステル、アルキルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド類あるいはその4級化物、N−ビニルイミダゾール、あるいはその4級化物、N−ビニルピロリドン、N−n・ブトキシメチルアクリルアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、アクリロニトリル、メタクリルアミド誘導体、フッ化ビニリデン、α−メチルスチレン、N−アルキル置換マレイミド、アセナフチレン、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ポリビニルエステルをケン化する方法は、特に限定されないが、例えば、有機溶媒中において、触媒の存在下でケン化する方法が挙げられる。
上記有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール等のアルコール類が挙げられ、なかでも、メタノールが好ましく用いられる。
上記ケン化触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート、炭酸ナトリウム等のアルカリ触媒、硫酸、燐酸、塩酸等の酸触媒が挙げられ、なかでも、ケン化速度を早くし、生産性を向上させることができることから、アルカリ触媒が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ケン化度は、好ましい下限が40モル%、より好ましい下限が70モル%である。
上記平均ケン化度が40モル%以上であると、ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体の重合の再現性が高くなり、相分離構造を促して、ガスバリア性を向上させることができる。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ケン化度の上限は特に限定されないが、好ましい上限が99.0モル%である。
上記平均ケン化度は、JIS K6726に準拠して測定することができる。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ブロック長の好ましい下限が200、好ましい上限が4000である。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ブロック長が200以上であると、スチレンモノマーを乳化することができる。上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均重合度が4000以下であると、成形性を確保することができる。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ブロック長は、より好ましい下限が200、より好ましい上限が4000である。
なお、上記ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ブロック長は、例えば、GPC/FT−IR法により測定することができる。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)は、スルホン酸基、ピロリドン環基、アミノ基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種の親水性基で変性されたものであってもよい。
なかでも、スルホン酸基、ピロリドン環基が好ましい。上記親水性基には、上述した官能基に加えて、ナトリウム、カリウム等の塩も含む。
上記ポリビニルアルコールブロック(B)における親水性基を有する構成単位の含有量は0.2〜10モル%であることが好ましい。上記親水性基を有する構成単位の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、包装材料用のガスバリアフィルムとした際に変色や破れることのない抵抗性のあるフィルムを得ることができる。
上記親水性基を有する構成単位の含有量のより好ましい下限は0.5モル%、より好ましい上限は8モル%である。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体中、上記ポリビニルアルコールブロック(B)の含有量は、好ましい下限が70モル%、より好ましい下限が80モル%、好ましい上限が95モル%、より好ましい下限が90モル%である。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が9000、より好ましい下限が10000、好ましい上限が200000、より好ましい上限が180000である。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、分子量分布(Mw/Mn)の好ましい下限が1.5、より好ましい下限が2、好ましい上限が6、より好ましい上限が4である。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体をヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)によって100倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、GPC HFIP−600シリーズ(Shodex社製)等を使用できる。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、チオール基を分子末端に有するポリビニルアルコール樹脂、及び、スチレンモノマーを含有するモノマー組成物の乳化重合物であることが好ましい。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体が、上記のような構造を有することにより、ポリスチレンブロック(A)のガラス転移温度や密度が高くなり、結果として、より優れたガスバリア材料を得ることができる。このような構造を有するポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を構成するポリスチレンブロック(A)のガラス転移温度や密度が高くなるのは、溶液重合においてはアタクチック構造となるポリスチレンブロックが、乳化重合によってシンジオタクチック構造となりやすくなるためである。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を製造する方法は特に限定されない。例えば、ビニルエステル、スチレンモノマーを含有するモノマー組成物を重合した後、ケン化する方法が挙げられる。また、スチレンモノマーを含有するモノマー組成物を重合してポリスチレンを作製し、得られたポリスチレンとビニルエステルを含むモノマー組成物とを重合した後、更にケン化する方法が挙げられる。更に、ポリビニルアルコール樹脂とスチレンモノマーを含むモノマー組成物とをラジカル重合する方法が挙げられる。なかでも、ポリビニルアルコール樹脂とスチレンモノマーを含むモノマー組成物とをラジカル重合する方法が好ましい。また、チオール基を分子末端に有するポリビニルアルコール樹脂とスチレンモノマーを含むモノマー組成物とをラジカル重合する方法が更に好ましく、チオール基を分子末端に有するポリビニルアルコール樹脂を分散剤とし、スチレンモノマーを含むモノマー組成物を乳化重合する方法が特に好ましい。
上記チオール基を分子末端に有するポリビニルアルコール樹脂を製造する方法は特に限定されない。例えば、スルフィド基を有する化合物の存在下でビニルエステルを重合して分子中にスルフィド結合を有するポリビニルエステルを作製する工程を行い、更に、得られたポリビニルエステルをケン化してチオール基を分子末端に有するポリビニルアルコール樹脂を作製する工程を行う方法が挙げられる。
上記方法では、分子中にスルフィド結合を有するポリビニルエステルをケン化する際に、スルフィド結合が切断されて、分子末端にチオール基を有するポリビニルアルコール樹脂を得ることができる。
上記スルフィド基を有する化合物としては、上述したものと同様のものを用いることができる。
更に、上記チオール基を分子末端に有するポリビニルアルコール樹脂と、スチレンモノマーを含むモノマー組成物とをラジカル重合することによって、ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を作製することができる。
上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を作製する際には、上記ポリビニルアルコール樹脂を水に溶解させ、更に、スチレンモノマーを含むモノマー組成物を投入した後、攪拌装置を用いて乳化分散させることが好ましい。
スチレンモノマーを極性が水中で乳化させることにより、ラジカル重合の解離反応によるポリスチレンブロック以外のポリマーの成長を抑制して、ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を作製することができる。
上記ポリビニルアルコール樹脂水溶液にスチレンモノマーを添加した後、乳化分散させる方法としては、例えば、ホモミキサーにより攪拌する方法、ラインミキサー、エレメント式静止型分散器等の静止型分散装置を通過させる方法等が挙げられる。
上記ラジカル重合に用いられる重合開始剤としては、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]スルファトハイドレイト、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジハイドロクロライド等をはじめとするイミダゾール系アゾ化合物の酸混合物、もしくは2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]テトラハイドレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド等の水溶性アゾ化合物もしくは、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ等のオキソ酸類、過酸化水素、過酢酸、過ギ酸、過プロピオン酸等の過酸化物等が挙げられる。なかでも、残留量が少なく、ガスバリア性への影響が少ないことから、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ等のオキソ酸類が好ましく用いられる。
本発明の樹脂組成物は、更に、界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤を含有することにより、ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体の相分離構造の形成を促すことができる。ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体において、ポリスチレンブロック及びポリビニルアルコールブロックは互いに反発する性質を有する。このため、層分離構造が形成されることで、ポリスチレンブロック相同士及びポリビニルアルコール相同士の密度が高まり、ガス透過の原因となる分子間の隙間が小さくなり、ガスバリア性を向上させることができる。
上記界面活性剤としては、例えば、脂肪族−アルキレンオキサイド系界面活性剤等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、更に、包装材料の柔軟性を向上させるために、可塑剤を含有していてもよい。
上記可塑剤としては、イミダゾール系可塑剤、アミド系可塑剤、アミン系可塑剤、イミン系可塑剤等が挙げられる。
イミダゾール系可塑剤としては、2−メルカプトベンゾイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、ポリ(イミド−イミダゾール)等が挙げられる。
アミド系可塑剤としては、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、べへン酸アミド等の脂肪酸アミド類、p−トルエンスルホン酸アミド、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等のスルホン酸アミド類等があげられる。
アミン系可塑剤としては、ポリアクリルアミン、フェニルレンジアミン等が挙げられる。
イミン系可塑剤としては、ポリエチレンイミン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、グアニジン等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、包装材料の剛性を向上させるために、無機フィラーを含有していてもよい。
上記無機フィラーとしては、例えば、シリカ等の酸化物、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム等の炭酸塩、マイカ、クレー、タルク、セリサイト、硝子ビーズ、硫酸バリウム、カーボンブラック、酸化チタン、チタン酸カリウム、硝子フリット、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、種々の導電性金属等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、更に、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤等の添加物を含んでいてもよい。
上記安定剤としては、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、ハイドロタルサイト類、エチレンジアミン四酢酸の金属塩等が好ましく用いることができる。
上記酸化防止剤としては、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノール、2,2′−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール、オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフエニル)プロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェノール)等を用いることができる。
上記紫外線吸収剤としては、エチル−2−シアノ−3,3−ジフエニルアクリレート、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等を用いることができる。
上記帯電防止剤としては、ペンタエリスリットモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイン酸、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等を用いることができる。
本発明の樹脂組成物を作製する方法としては、例えば、上記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を作製し、更に、界面活性剤等の添加剤を添加する方法が挙げられる。
本発明の樹脂組成物をシート状、フィルム状としてガスバリア層を形成することができる。
本発明の樹脂組成物を含有するガスバリア層を含むガスバリアフィルムもまた、本発明の1つである。
上記ガスバリアフィルムは、基材上に、本発明の樹脂組成物を含有するガスバリア層が積層されていることが好ましい。
上記基材としては、PET、PBT、ポリオレフィン、アクリル、メタクリル、PVC、OPP、EVA、ポリイミド、ナイロン、ポリウレタン、ABS、SBS、SBR、SIS、POM、セルロース等の基材樹脂からなるフィルム、紙、布、金属箔等があげられる。
特に、本発明の樹脂組成物は、PETやOPP、ABS等の芳香環を含むポリマーへの接着性が良好である。また、レトルト等の耐熱性を必要とする用途では、ポリアミド系樹脂を用いることができる。
上記ポリアミド系樹脂としては、ポリカプラミド(ナイロン−6)、ポリ−ω−アミノヘプタン酸(ナイロン−7)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン−9)、ポリウンデカンアミド(ナイロン−11)、ポリラウリルラクタム(ナイロン−12)、ポリエチレンジアミンアジパミド(ナイロン−2,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン−4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン−6,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン−6,10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン−6,12)、ポリオクタメチレンアジパミド(ナイロン8,6)、ポリデカメチレンアジパミド(ナイロン−10,6)、ポリドデカメチレンセバカミド(ナイロン−10,8)、あるいは、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)、カプロラクタム/ω−アミノノナン酸共重合体(ナイロン−6/9)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−6/6,6)、ラウリルラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−12/6,6)、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6,6/6,10)、エチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート共重合体(ナイロン−2,6/6,6)、カプロラクタム/ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート/ヘキサメチレンジアンモニウムセバケート共重合体(ナイロン−6/6,6/6,10)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフタルアミド共重合体等が挙げられる。
これらのポリアミド系樹脂のなかでも、カプロラクタム/ラウリルラクタム共重合体(ナイロン−6/12)が好ましく用いられる。ナイロン−6/12としては、ラウリルラクタムに由来する成分が5〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%であるものが好ましい。
本発明のガスバリアフィルムは、基材との接着性をより向上させるために、接着剤層を設けてもよい。
上記接着剤層を構成する接着性樹脂としては、特に限定されず、例えば、変性ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系硬化性樹脂等が挙げられる。
なかでも、EVOHや高密度ポリオレフィン樹脂との接着性、溶融成形性の観点から変性ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。
本発明のガスバリアフィルムは、包装材料や容器として好適に用いることができる。
本発明のガスバリアフィルムを含む包装材料又は容器もまた本発明の1つである。
本発明によれば、ガスバリア性、耐熱性に優れ、PET、ポリスチレン等の透明基材への接着性が良好であり、透明性に優れたガスバリア層を得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含むガスバリアフィルム、包装材料及び容器を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
(分子末端にチオール基を有するPVA樹脂の合成)
撹拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、安定剤除去カラムで重合禁止剤を除去した酢酸ビニルモノマー100重量部、スルフィド基を有する化合物としてテトラエチルチウラムジスルフィド1.1重量部、有機溶剤として酢酸メチル100重量部とを混合し、モノマー混合液を得た。
得られたモノマー混合液を、窒素ガスを用いて20分間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換し、攪拌しながら湯浴が沸騰するまで昇温した。更に、重合開始剤(日油社製、パーロイル355)2重量部を酢酸メチル10重量部で希釈した溶液を数回に分けて添加した。
重合開始から10時間後、室温まで冷却し重合を終了させて、スルフィド変性されたポリ酢酸ビニルの酢酸メチル溶液を得た。得られたポリ酢酸ビニルについて、カラムとしてカラムLF−804(SHOKO社製)を用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分析を行ったところ、ポリスチレン換算による数平均分子量は表1に示すとおりであった。
得られたポリ酢酸ビニル100重量部に対し、水酸化ナトリウム10重量部を添加し、内温が40℃になるように加熱しながら5時間攪拌を行いケン化した。その後、メタノールを用いて洗浄し、酢酸ナトリウムの含有量を樹脂1mol当たり0.1molまで低減させた。更に、60℃の乾燥オーブンにて96時間乾燥させて、分子末端にチオール基を有するポリビニルアルコール樹脂(PVA樹脂)を得た。
(ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体の合成)
得られたPVA樹脂100重量部、水1300重量部を、還流管を有するセパラブルフラスコに投入し、80℃で6時間攪拌して、PVA樹脂を完全に溶解させた。
得られたPVA水溶液を50℃まで冷却後、スチレンモノマー50重量部を添加し、高速攪拌装置を用いて5000rpmにて3分間攪拌し、スチレン相を乳化させて乳化液を得た。
撹拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、乳化液1400重量部を加え、110℃まで加熱した。その後、ラジカル重合開始剤として4,4−アゾビス−4−シアノバレリックアシッド4重量部を水12重量部に分散させ、数回に分けて添加した。110℃にて4時間養生し、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
PVA樹脂とポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体とを赤外分光光度計(HORIBA社製、FT−720)を用いて分析した。得られたIRチャートの1500cm−1付近のポリスチレンブロック起因の吸収バンドを比較することによりポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体におけるポリスチレンブロックの含有量を算出した。また、ポリスチレンブロック(A)及びポリビニルアルコールブロック(B)の平均ブロック長をGPC/FT−IR法により測定した。結果を表2に示した。
(積層フィルムの作製)
得られたポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を、アプリケーターを用いて、基材(PETシート、厚さ8μm)上に塗工した。90℃で60分間乾燥後、ラミネータを用いて更に基材を貼り合わせ150℃のプレス機にて5分間アニール処理を行って基材の間にポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を含有するガスバリア層(厚さ4μm)を有する積層フィルムを作製した。
(実施例2)
実施例1で得られたエマルション溶液を用い、基材として厚さ8μmの二軸延伸ポリスチレン(OPS)シートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例3)
スルフィド基を有する化合物としてテトラブチルチウラムジスルフィド、ラジカル重合開始剤として過硫酸カリウムを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1の通りとした以外は実施例1と同様に、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用い、基材シートとして厚さ8μmの二軸延伸ポリプロピレン(OPP)シートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例4)
実施例3で得られたエマルション溶液を用い、基材シートとして厚さ8μmの二軸延伸ナイロン(ONY)シートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例5)
スルフィド基を有する化合物としてジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライドを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1の通りとした以外は実施例1と同様に、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例6)
実施例5で得られたエマルション溶液を用い、基材シートとして厚さ8μmのOPSシートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例7)
スルフィド基を有する化合物としてジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ラジカル重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1の通りとした以外は実施例1と同様に、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用い、基材シートとして厚さ8μmのOPPシートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例8)
実施例7で得られたエマルション溶液を用い、基材シートとして厚さ8μmのONYシートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例9)
スルフィド基を有する化合物としてジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、架橋モノマーとしてグリシジルメタクリレート、ラジカル重合開始剤としてジイソプロピルペルオキシジカーボネートを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、架橋モノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1の通りとした。上記の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。また、ポリスチレンブロック(A)中の架橋モノマー含有量をFT−IRにより測定した。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例10)
架橋モノマーとして1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、架橋モノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1に示す通りとした。上記の通りに変更した以外は実施例9と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例11)
架橋モノマーとしてジメチルアミノメタクリレート、ラジカル重合開始剤として過硫酸アンモニウムを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、架橋モノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1に示す通りとした。上記の通りに変更した以外は実施例9と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例12)
スルフィド基を有する化合物としてビス(メチルチオキサントゲン)ジスルフィドを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、架橋モノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1に示す通りとした。上記の通りに変更した以外は実施例9と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例13)
スルフィド基を有する化合物としてビス(メチルチオキサントゲン)ジスルフィドを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、架橋モノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1に示す通りとした。上記の通りに変更した以外は実施例10と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(実施例14)
スルフィド基を有する化合物としてビス(メチルチオキサントゲン)ジスルフィドを用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、架橋モノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1に示す通りとした。上記の通りに変更した以外は実施例11と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例1)
撹拌機、冷却器、温度計、湯浴、及び、窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、安定剤除去カラムで重合禁止剤を除去した酢酸ビニルモノマー100重量部、スチレンモノマー、溶媒として酢酸エチル150重量部を混合し、モノマー混合液を得た。
得られた混合液を80℃に昇温し、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル4重量部を酢酸エチル20重量部に溶解した溶液を数回に分けて添加した。
重合開始から10時間後、混合液を室温まで冷却し、重合を終了させた。
反応終了後、溶液をステンレスバットに開け、80℃の送風オーブンで20時間乾燥させて酢酸エチルを除去して、乾燥体を得た。
得られた樹脂をFT−IRによって確認したところ1500cm−1付近のポリスチレンブロック起因の吸収バンドの吸光度はほとんど観察されず、酢酸ビニルとスチレンがほとんど共重合していないことが確認された。
その後、得られた乾燥体100重量部をメタノール1000mLに分散させ、水酸化ナトリウム10重量部を添加し、内温が40℃になるように加熱しながら5時間攪拌を行いケン化した。更に、メタノールにより洗浄し、酢酸ナトリウムの含有量を樹脂1mol当たり0.1molまで低減させた。更に、60℃の乾燥オーブンにて96時間乾燥させて重合体を得た。
得られた重合体100重量部を水900重量部と混合して、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例2)
ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体に代えて、ポリビニルアルコール樹脂(JF17、日本酢ビ・ポバール社製、重合度1700、ケン化度98.9モル%)を用い、基材シートとして厚さ8μmのOPSシートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例3)
ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体に代えて、エチレン−ビニルアルコール共重合体(L171B、クラレ社製、エチレン含有量27モル%)を用い、基材シートとして厚さ8μmのOPPシートを用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例4)
スルフィド基を有する化合物としてジエチルジチオカルバミン酸亜鉛を用いた。スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1に示す通りとした。上記の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(比較例5)
スルフィド基を有する化合物、スチレンモノマー、ラジカル重合開始剤の添加量を表1に示す通りとした。上記の通りに変更した以外は比較例4と同様にして、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有する(A)−(B)ジブロック型のポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体のエマルション溶液を得た。
得られたエマルション溶液を用いた以外は実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた積層フィルムについて、以下の評価を行った。
結果を表3に示した。
(1)ガスバリア性
実施例1〜14、比較例1〜5で得られた積層フィルムについて、ガスバリア性測定評価装置(Model7002/8001、システックイリノイ社製)を用いて、23℃、100%RHにおける酸素透過率を測定し、以下の基準で評価した。
なお、比較例1、2及び4で得られた積層フィルムは、基材シート上にハジキが発生し、均一な膜を形成することができなかったため、測定不能であった。
◎:1cc・20μm/(m・day・atm)以下である
〇:1cc・20μm/(m・day・atm)より大きく、20cc・20μm/(m・day・atm)以下である
×:20cc・20μm/(m・day・atm)より大きい(又は測定不能)
(2)接着性
実施例1〜14、比較例1〜5で得られた積層フィルムを120mm×25mmにカットし、2枚の基材シートを更にクラフトテープで補強して得られた樹脂積層体について、JIS K 6829に準拠して、TENSILON(ORIENTEC社製)を用い、引張速度20mm/分の条件にて測定を行い、以下の基準で評価した。
なお、比較例2で得られた積層フィルムは、基材フィルムに密着せず、引張試験を行うことができなかったため、測定不能であった。
◎:1N以上
〇:0.2N以上、1N未満
×:0.2N未満
(3)耐熱水性
実施例1〜14、比較例1〜5で得られた積層フィルムを5cm×5cmにカットして試験片を作製した。得られた試験片を、60℃の温水に浸漬させ、48時間後のフィルムの状態を観察し、以下の基準で評価した。
〇:試験片端部からの剥がれは観察されなかった。
△:試験片端部から5mm未満の範囲において剥がれが確認された。
×:試験片端部から5mm以上の範囲において剥がれが確認された。
(4)ヘイズ
実施例1〜14、比較例1〜5で得られた積層フィルムについて、JIS K 7105に準拠して、ヘイズ値を測定し以下の基準で評価した。
〇:ヘイズ値が3.0%以下である
×:ヘイズ値が3.0%より大きい
Figure 2018119127
Figure 2018119127
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本発明によれば、ガスバリア性、耐熱性に優れ、PET、ポリスチレン等の透明基材への接着性が良好であり、透明性に優れたガスバリア層を得ることができる樹脂組成物、該樹脂組成物を含むガスバリアフィルム、包装材料及び容器を提供することができる。

Claims (11)

  1. ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体を含有し、
    前記ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)及びポリビニルアルコールブロック(B)を含み、
    前記ポリビニルアルコールブロック(B)の含有量に対する前記ポリスチレンブロック(A)の含有量の割合が、モル比で5/100〜30/100である
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  2. ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とが硫黄元素を介して結合した構造を有することを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、ポリスチレンブロック(A)とポリビニルアルコールブロック(B)とがスルフィド基を有する化合物により導入された硫黄元素を介して結合した構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. ポリスチレンブロック(A)における架橋性基を有するビニルモノマー成分の含有量が0.2〜10モル%であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の樹脂組成物。
  5. ポリビニルアルコールブロック(B)の平均ブロック長が200〜4000であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の樹脂組成物。
  6. ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、共重合体の片末端にポリスチレンブロック(A)を有し、他の末端にポリビニルアルコールブロック(B)を有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の樹脂組成物。
  7. ポリスチレン−ポリビニルアルコールブロック共重合体は、チオール基を分子末端に有するポリビニルアルコール樹脂、及び、スチレンモノマーを含有するモノマー組成物の乳化重合物であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の樹脂組成物を含有するガスバリア層を含むことを特徴とするガスバリアフィルム。
  9. 基材上に、ガスバリア層が積層されたことを特徴とする請求項8記載のガスバリアフィルム。
  10. 請求項8又は9記載のガスバリアフィルムを含むことを特徴とする包装材料。
  11. 請求項8又は9記載のガスバリアフィルムを含むことを特徴とする容器。
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