JP2018118773A - ロール体用の保持具、ロール体の保管方法及びロール体の収納方法 - Google Patents

ロール体用の保持具、ロール体の保管方法及びロール体の収納方法 Download PDF

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彰 阿部
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Abstract

【課題】段ボール箱等に収納せずにロール体を宙吊り状態で保管する場合にも、板状体から突設される脚片により設置面に対して安定して起立姿勢に維持することができ、揺れに対しても簡単にロール体が抜け落ちることを防止でき、段ボール箱に、ロール体に一対の保持具を取り付けたまま収納し、この段ボール箱を積み重ねて保管したり、輸送したりする場合でも、段ボール箱を破損し難くすることができるロール体用の保持具を提供する。【解決手段】長尺のウエブを巻回してなるロール体の長手方向両端に夫々取り付けられて、当該ロール体の胴面を設置面Smから離間させた宙吊り状態でロール体を保持する本発明のロール体用の保持具1は、前記設置面に当接する下辺部10を持つ板状体11と、当該板状体の下辺部のみにロール体の内方に向けて突設される少なくとも1本の脚片13とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、長尺のウエブを巻回してなるロール体の長手方向両端に夫々取り付けられて、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態でロール体を保持するロール体用の保持具、この保持具を用いたロール体の保管方法及びロール体の収納方法に関する。
この種の保持具は、例えば特許文献1で知られている。この従来例のものは、正方形の輪郭を持つ板状体を有し、板状体の中央部には板面に対して直交する方向にのびるように筒状の突片が突設されている。このような一対の保持具により例えば巻芯に長尺のウエブが巻回されているロール体を保持するのに際しては、巻芯の長手方向両端に、巻芯内に突片が挿入されるように各保持具を取り付け、板状体が設置面に起立した姿勢を取るように板状体の一辺(下辺)を設置面に当接させて立て掛ける。これにより、巻芯が両保持具の突片で係止され、ロール体の胴面が設置面から離間した宙吊り状態でロール体が保持される。
当該状態でロール体を保管しておく場合、床や机等の設置面には板状体の下辺でのみ支えており、板状体の両外側は規制がされていない自由空間である。このため、設置面に揺れ等が起きた際には、巻芯から簡単に突片が抜けて、ロール体が設置面に落ち、胴面が汚れたり、傷がついたり、設置面と当接する胴面に相当する位置にロール重量による押圧跡が何周にもわたってついたりする。
ところで、ロール体をその胴面に塵や埃が付着することなしに保管したり、または、輸送したりする場合、蓋付の段ボール箱に、ロール体に一対の保持具を取り付けたまま収納することがある。ここで、上記従来例の保持具では、ロール体を保持したときこのロール体の荷重を両保持具の板状体の下辺部のみで受けるため、ロール体の重量によっては、板状体の下辺部からの荷重が伝わる段ボール箱の下辺部に対応する部分が破損し易くなるという不具合がある。このことは、同等のロール長を持つロール体を夫々収納した段ボール箱の複数個を積み重ねるような場合、より顕著になる。
また、梱包箱としての蓋付の段ボール箱に、ロール体に一対の保持具を取り付けたまま収納したとき、板状体と段ボール箱の内面との間に隙間があるような場合に、例えば輸送時の振動がロール体に加わると、巻芯と突片のズレが生じ、ロール体の荷重でバランスが崩れて板状体が起立姿勢から傾動し、巻芯から突片が抜け落ち、ロール体の胴面が段ボール箱の内面に接触してしまうという不具合が生じる。この場合、板状体と段ボール箱の内面との間の隙間を可及的に小さくなるようにすればよいが、これでは、段ボール箱への出し入れ作業が著しく面倒となる。
特開2005−35646号公報
本発明は、以上の点に鑑み、段ボール箱等に収納せずにロール体を宙吊り状態で保管する場合にも、板状体から突設される脚片により設置面に対して安定して起立姿勢に維持することができ、揺れに対しても簡単にロール体が抜け落ちることを防止でき、また、段ボール箱等へロール体に一対の保持具を取り付けたまま収納し、この段ボール箱を積み重ねたり、輸送したりする場合でも、段ボール箱を破損し難くすることができるロール体用の保持具、ロール体の保管方法及びロール体の収納方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、長尺のウエブを巻回してなるロール体の長手方向両端に夫々取り付けられて、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態でロール体を保持する本発明のロール体用の保持具は、前記設置面に当接する下辺部を持つ板状体と、当該板状体の下辺部のみにロール体の内方に向けて突設される少なくとも1本の脚片とを備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、設置面に当接する下辺部を持つ板状体と、当該板状体の下辺部のみに長尺のウエブを巻回してなるロール体の内方に向けて突設される少なくとも1本の脚片と、前記板状体に設けられロール体の端部を係止する係止部とを備える一対の保持具を用いてロール体を保管する本発明のロール体の保管方法は、脚片がロール体の内方を向く姿勢にした状態でロール体の長手方向両端が係止部で係止されるように保持具を取り付ける工程と、板状体の下辺部と脚片とが設置面に当接するように設置面に設置し、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態にする工程とを含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、設置面に当接する下辺部を持つ板状体と、当該板状体の下辺部のみに長尺のウエブを巻回してなるロール体の内方に向けて突設される少なくとも1本の脚片と、前記板状体に設けられロール体の端部を係止する係止部とを備える一対の保持具を用いてロール体を梱包箱に収納する本発明のロール体の収納方法は、脚片がロール体の内方を向く姿勢にした状態でロール体の長手方向両端が係止部で係止されるように保持具を取り付ける工程と、前記梱包箱として前記板状体の外寸と同等の内寸に定寸された矩形の側面を有するものを用い、この梱包箱内の底部を設置面とし、この設置面に前記板状体の下辺部と脚片とが当接するように梱包箱に収納し、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態にする工程とを含むことを特徴とする。尚、本発明において、同等とは、板状体の外寸と梱包箱の内寸とが厳密に一致することを意味するのではなく、梱包箱へのロール体の出し入れ作業を可能にするために必要なわずかな隙間が存するように梱包箱の内寸がやや大きいことを意味するものとする。
本発明によれば、一対の保持具によりロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態でロール体を保持した状態では、ロール体の荷重を板状体の下辺部だけでなく、脚片でも受けるため、梱包箱としての段ボール箱等に収納せずにロール体を宙吊り状態で保管する場合にも、板状体から突設される脚片により設置面に対して安定して起立状態を維持することができ、揺れに対しても簡単にロール体が抜け落ちることを防止できる。また、段ボール箱等に、ロール体に一対の保持具を取り付けたまま収納し、この段ボール箱を積み重ねたり、輸送したりする場合でも、段ボール箱を破損し難くすることができる。また、上記従来例のように係止部が突片で構成されているような場合に、例えば輸送時の振動がロール体に加わっても、脚片により板状部が起立姿勢に維持されることでロール体の胴面が段ボール箱の内面に接触するといった不具合は生じない。更に、板状体の上辺部には脚片がなく下辺部にしか脚片がないため、段ボール箱に収納したロール体からウエブを引き出すようなときに、脚片にウエブがぶつかったり、ウエブの引き出しが阻害されたり、ウエブに傷が付いたりすることがなく、しかも、ウエブを引き出すときの振動でも脚片により板状部が起立姿勢に維持される。
本発明の実施形態のロール体用の保持具を示す斜視図。 本発明の実施形態のロール体の保管方法及び収納方法を説明する斜視図。 段ボール箱にロール体を収納した状態の保持具の正面図。 図3に示すIV−IV線に沿う断面図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態のロール体用の保持具について、長尺のウエブを巻芯に巻回してなるロール体の長手方向両端に夫々取り付けられて、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態でロール体を保持するものを例に説明する。
図1〜図4を参照して、1は、ロール体用の保持具である。保持具1は、設置面Smに当接する下辺部10を持つ板状体11と、板状体11の中央部に板面に対して直交する方向にのびるように突設される筒状の係止部12と、板状体11の下辺部10のみにロール体2の内方に向けて突設される少なくとも1本(本実施形態では2本)の脚片13とを備える。尚、下辺部10に設ける脚片が1本である場合、下辺部10の略中央に設けることが好ましく、この場合、板状体11を起立姿勢に維持できるように脚片の幅を設定すればよい。
板状体11、係止部12及び脚片13の材質としては、耐久性を考慮して熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂の中から選択することができる。板状体11の形状は、矩形(本実施形態では、略正方形)が好ましいが、設置面Smに当接する下辺部10を有するものであれば特に限定されず、半円形、台形、三角形等であってもよく、下辺部10の一部が波型やのこぎり型に形成されていてもよい。板状体11の厚みは、板状体11の強度等を考慮して例えば0.3〜20mmの範囲内で設定することができ、0.5〜10mmが好ましい。0.3mm未満だと、起立姿勢を維持するための安定性が不足したり、揺れや外圧からの衝撃に対する強度が不足する。一方、20mmを超えると、コストアップを招来するばかりか、重量の増加に繋がり、搬送時の不利益に繋がる。板状体11には、その板厚方向に貫通する複数の穴11aが開設(肉抜き)されており、保持具1の軽量化と同時に外圧を受けたときの圧力を分散し、吸収する衝撃強度を高めるようにしている。
係止部12は、ロール体2の巻芯20に挿入される径を有し、係止部12が巻芯20に挿入されることで、ロール体2が係止部12で係止される。係止部12の径を先端に向かうに従って小さくすることで、巻芯20に挿入し易くしている。尚、係止部12は、板状体11と一体に形成されることが好ましいが、別体で形成されていてもよい。係止部12の外径を、ロール体2の巻芯20の内径に略等しくすることで、ロール体2をぐらつかせることなく、安定して係止できるため好ましい。係止部12の板状体11から突出する長さは、10〜100mmが好ましく、20〜50mmが特に好ましい。10mm未満では、横揺れにより巻芯20が抜けやすくなり起立安定性が不足する場合があり、100mmを超えると、コストアップ、重量アップを招来したり、巻芯20に挿入しにくくなったりする場合がある。
脚片13の断面形状は、特に限定されず、三角形、矩形、円形、楕円形とすることができるが、本実施形態で示す三角形とすることでよりロール径の大きいロール体2を保持することができ、有利である。また、脚片13の断面形状を三角形とする場合、角部を面取りすることで、保持具1の強度を高めることができる。脚片13の板状体11から突出する長さは、10〜100mmが好ましく、20〜70mmが特に好ましい。10mm未満では、横揺れに対する起立安定性が不足する場合があり、100mmを超えると、コストアップ、重量アップを招来したり、ロール体2を係止するときに胴面21にぶつかる虞がある。
次に、上記保持具1を用いたロール体2の保管方法及び収納方法について、図示省略する蓋付の段ボール箱3に収納する場合を例に説明する。
一対の保持具1の脚片13がロール体2の内方を向く姿勢にした状態で係止部12をロール体2の巻芯20に挿入し、ロール体2の長手方向両端が係止部12で係止されるように保持具1を取り付ける(図2参照)。次いで、板状体11の下辺部10と脚片13とが設置面Smに当接するように床や机等の設置面Smに設置することで、ロール体2の胴面21を設置面Smから離間させた宙吊り状態にすることができる。これにより、胴面21が設置面Smに接触して傷付くことが防止できる。
段ボール箱3に、脚片13が段ボール箱3の内底面に当接するようにロール体2に一対の保持具1を取り付けたまま収納する。このように本発明の保持具1を用いることで段ボール箱3に収納した状態で、ウエブを引き出すことができる。ここで、段ボール箱3としては、紙製だけでなくプラスチック製のものを用いることができる。また、段ボール箱3としては、板状体11の外寸と同等の内寸に定寸された矩形の側面を有するものを用いることが好ましい。ここで、同等とは、板状体11の外寸と段ボール箱3の内寸とが厳密に一致することを意味するのではなく、段ボール箱3の内面と板状体11との間に段ボール箱3へのロール体2の出し入れ作業を容易にするための最小限の隙間d1が存するように段ボール箱3の幅方向の内寸がわずかに大きいことを意味するものとする(図3参照)。また、段ボール箱3の長さ方向においても同様に、段ボール箱3へのロール体2の出し入れ作業を容易にするための最小限の隙間d2が存するように段ボール箱3の長さ方向の内寸を定寸することが好ましい(図4参照)。
以上説明したように、本実施形態によれば、一対の保持具1によりロール体2の胴面21を設置面Smから離間させた宙吊り状態でロール体2を保持した状態では、ロール体2の荷重を板状体11の下辺部10だけでなく、脚片13でも受けるため、蓋付の段ボール箱3に、ロール体2に一対の保持具1を取り付けたまま収納し、この段ボール箱3を積み重ねたり、輸送したりする場合でも、段ボール箱3を破損し難くすることができる。また、上記従来例のように係止部12が突片で構成される場合、板状体11と段ボール箱3の内面との間に隙間d1,d2が存在しても、例えば輸送時の振動がロール体2に加わって巻芯20から突片が部分的に抜けることはなく、ロール体2の横揺れを脚片13が制限するので、板状体11が起立姿勢から傾動することはない。従って、脚片13により板状体11が起立姿勢に維持され、ロール体2の胴面21が段ボール箱3の内面に接触するといった不具合は生じない。
ところで、段ボール箱3に入れて積み重ねることを考えれば、板状体11の上辺部にも脚片があった方が強度的に有利な面もあるが、ウエブの引き出しが阻害されたり、引き出すときに接触してウエブが傷付いてしまうという問題がある。本実施形態では、板状体11の下辺部10にしか脚片13がないため、ウエブの引き出しが阻害されたり接触により傷付けたりすることがない。更に、段ボール箱3に収納したロール体2からウエブを引き出すようなときに、ウエブの引き出しが阻害されず、しかも、ウエブを引き出すときの振動でも脚片13により板状部11が起立姿勢に維持される。また、段ボール箱3に収納せずに床面(設置面)に設置し、ウエブを引き出しても、脚片13により板状部11が起立姿勢に維持されて倒れない。
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、係止部12を筒状の突片で形成したものを例に説明したが、筒状の先端に蓋が設けられていてもよく、係止部12の内部が中空ではなく樹脂で充填される等により中実であってもよい。係止部12の形状はこれに限定されず、板状体11の中央に開設した開口部を係止部としてもよい。この場合、当該開口部に、ロール端面より突出した巻芯20の両端を挿入することで、ロール体2が長手方向両端で係止される。また、一方の板状体11の開口部から棒状体を挿通し、この棒状体を巻芯20の内部に通した後に、この棒状体の先端を他方の板状体11の開口部に通すことで、ロール体2を係止してもよい。
上記実施形態では、下辺部10の両端から脚片13が夫々突出しているが、下辺部10の両端よりもやや内側の部分から脚片13を突出してもよい。
上記実施形態では、板状体11の材質として熱可塑性樹脂を用いているが、ロール体2の重量や保持具1の強度を考慮して、ゴム(例えば、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、スチレンイソプレンブロック共重合体)、金属(例えば、鉄、銅、ステンレス)、木、板紙あるいは厚紙等を用いることができる。
Sm…設置面、1…保持具、10…下辺部、11…板状体、12…係止部、13…脚片、2…ロール体、20…巻芯、21…胴面、3…段ボール箱(梱包箱)。

Claims (3)

  1. 長尺のウエブを巻回してなるロール体の長手方向両端に夫々取り付けられて、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態でロール体を保持するロール体用の保持具において、
    前記設置面に当接する下辺部を持つ板状体と、当該板状体の下辺部のみにロール体の内方に向けて突設される少なくとも1本の脚片とを備えることを特徴とするロール体用の保持具。
  2. 設置面に当接する下辺部を持つ板状体と、当該板状体の下辺部のみに長尺のウエブを巻回してなるロール体の内方に向けて突設される少なくとも1本の脚片と、前記板状体に設けられロール体の端部を係止する係止部とを備える一対の保持具を用いてロール体を保管するロール体の保管方法において、
    脚片がロール体の内方を向く姿勢にした状態でロール体の長手方向両端が係止部で係止されるように保持具を取り付ける工程と、板状体の下辺部と脚片とが設置面に当接するように設置面に設置し、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態にする工程とを含むことを特徴とするロール体の保管方法。
  3. 設置面に当接する下辺部を持つ板状体と、当該板状体の下辺部のみに長尺のウエブを巻回してなるロール体の内方に向けて突設される少なくとも1本の脚片と、前記板状体に設けられロール体の端部を係止する係止部とを備える一対の保持具を用いてロール体を梱包箱に収納するロール体の収納方法において、
    脚片がロール体の内方を向く姿勢にした状態でロール体の長手方向両端が係止部で係止されるように保持具を取り付ける工程と、前記梱包箱として前記板状体の外寸と同等の内寸に定寸された矩形の側面を有するものを用い、この梱包箱内の底部を設置面とし、この設置面に前記板状体の下辺部と脚片とが当接するように梱包箱に収納し、当該ロール体の胴面を設置面から離間させた宙吊り状態にする工程とを含むことを特徴とするロール体の収納方法。
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