JP2018117553A - 米飯食品の製造方法および米飯食品の品質改良剤 - Google Patents

米飯食品の製造方法および米飯食品の品質改良剤 Download PDF

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【課題】品質改良された米飯食品の製造方法の提供。【解決手段】本発明によれば、有機酸および無機酸並びにそれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する米飯食品の製造方法であって、米飯食品原料に枝作り酵素を添加し炊飯することを含んでなる、製造方法が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は新規な米飯食品の製造方法および米飯食品の品質改良剤に関する。
近年、生活スタイルの多様化に伴い、調理済みの食品を購入し、家で食べるいわゆる「中食」のニーズが高まっている。中食をターゲットにした調理済み食品のうち、白米、おにぎり、すし、おこわ等の米飯食品においては、調理・製造現場から販売現場を経由し実際に消費者に喫食されるまでに時間がかかるため、流通・保存中に温度が低下し、時間の経過と共に澱粉質が老化し、その食感が損なわれることがある。低温のチルド状態で流通・保存される米飯食品においてはこの傾向が顕著である。
また、衛生管理をより徹底する観点から、保存・販売時における菌の増殖を抑えるために、酢酸やグルコン酸等の酸味料やpH調整剤を添加する技術が開発されている。特に、チルド流通・保存する米飯食品は無菌包装されることがないため酸味料やpH調整剤による衛生管理が重要である。一方で、静菌目的で添加される酸味料やpH調整剤は酸味を有しているため、米飯食品の風味に悪影響を与えることがある。
これまでに米飯食品の品質を改良する様々な技術が開発されてきた。米飯の食感を改善する技術として、例えば、β−アミラーゼを使用して炊飯する加工米飯の製造方法が報告されている(特許文献1)。また、米飯食品の酸味を低減する技術として、例えば、青果の搾汁物を使用して炊飯することによって酸味が低減された加工米飯を製造する方法が報告されている(特許文献2)。
特開2015−228798号公報 特開2015−154730号公報
本発明は、品質改良された米飯食品の製造方法と米飯食品の品質改良剤を提供することを目的とする。
本発明者らは今般、米飯食品原料に枝作り酵素を配合して炊飯すると米飯食品の品質が改良されることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
本発明によれば以下の発明が提供される。
[1]有機酸および無機酸並びにそれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する米飯食品の製造方法であって、米飯食品原料に枝作り酵素を添加し炊飯することを含んでなる、製造方法。
[2]米飯食品がチルド米飯食品である、上記[1]に記載の製造方法。
[3]米飯食品が、有機酸および無機酸並びにそれらの塩を酸味料またはpH調整剤として含有する、上記[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]米飯食品が静菌に有効な量の有機酸および無機酸並びにそれらの塩を含有する、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]有機酸および無機酸並びにそれらの塩が、酢酸、グルコン酸および乳酸並びにそれらの食品として許容される塩からなる群から選択される1種または2種以上である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]生米乾燥質量100g当たり枝作り酵素を0.001〜4600Uの添加量で添加する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]枝作り酵素を有効成分として含んでなる、有機酸および無機酸並びにそれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する米飯食品の品質改良剤。
[8]チルド米飯食品用である、上記[7]に記載の品質改良剤。
[9]枝作り酵素が生米乾燥質量100g当たり0.001〜4600Uの添加量で用いられる、上記[7]または[8]に記載の品質改良剤。
本発明によれば枝作り酵素を米飯食品原料に配合することによって品質改良された米飯食品を提供することができる。枝作り酵素は食品加工用の酵素として長年の使用実績があることから、簡便な手法で安全性を懸念せずに、品質改良された米飯食品を提供できる点で有利である。
発明の具体的説明
本発明において、米飯食品とは、粳米や糯米を炊飯した食品を意味し、炊飯した米飯そのもの(白米)に加え、種々の食材や調味料と共に炊飯した食品や適宜追加の調理や調味を行った食品も包含する。米飯食品としては、例えば、白米、炊き込みご飯、混ぜご飯、釜飯、おこわ、赤飯、すし、おにぎり、チャーハン、ピラフ、パエリア、リゾット、ドリア等が挙げられる。本発明の品質改良効果がより発揮されうる観点から、本発明において米飯食品は、好ましくは白米、おにぎりである。本発明において、米飯食品は、そのまま提供されてもよく、あるいは、カレーライス、ハヤシライス、丼物(牛丼、親子丼等)のように他の調理済み食品と併せて提供されてもよい。
本発明において、米飯食品の形態には制限はなく、炊飯・調理後そのまま喫食されるものでもよく、チルド冷却された後、喫食されるものでもよく、冷凍された後、解凍し、喫食されるものや、無菌包装し常温で保存した後、喫食されるものであってもよい。本発明の品質改良効果がより発揮されうる観点から、米飯食品は、チルド冷却されるチルド米飯食品の形態で提供することができ、より好ましくはチルド形態の白米およびチルド形態のおにぎりである。
本発明において、チルド米飯食品とは、炊飯・調理後にチルド状態(2〜10℃)に保持された状態で流通・保存される米飯食品を意味する。チルド米飯食品は、そのまま、または、湯煎やマイクロ波加熱(例えば、電子レンジ加熱)等の手段で加熱された後に喫食することができる。チルド弁当のように電子レンジで加熱し、そのまま喫食される食品においては加熱により有機酸および無機酸並びにそれらの塩に由来する酸味が強調されやすいため、マイクロ波加熱用のチルド米飯食品において本発明は特にその効果を発揮することができる。マイクロ波加熱用とは、その容器や包装に電子レンジ加熱が可能である旨や推奨される旨が記載されているものや、電子レンジ加熱条件が記載されているものを含む意味で用いられる。
本発明において、米飯食品は有機酸および無機酸並びにそれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する。有機酸および無機酸としては、食品として許容される有機酸および無機酸が挙げられ、例えば、酢酸、クエン酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、アジピン酸、コハク酸、氷酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、フィチン酸、イタコン酸、α−ケトグルタル酸が挙げられる。有機酸および無機酸の塩はこれらの食品として許容される塩が挙げられ、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩が挙げられる。本発明において、有機酸および無機酸並びにそれらの塩の好ましい例としては、酢酸、グルコン酸および乳酸並びにそれらの食品として許容される塩(例えば、ナトリウム塩)からなる群から選択される1種または2種以上が挙げられる。
本発明において、米飯食品は、有機酸および無機酸並びにそれらの塩を酸味料またはpH調整剤として含有していてもよい。本発明において、酸味料およびpH調整剤は、pHを低下させ、雑菌類の増殖を抑える目的、すなわち、静菌の目的で米飯食品に添加することができる。
本発明では食品衛生上静菌に有効な量の有機酸および無機酸並びにそれらの塩を米飯食品に配合することができる。ここで、「静菌」とは、雑菌類の増殖を抑制することを意味する。すなわち、本発明において有機酸および無機酸並びにそれらの塩は、雑菌類をすべて死滅させる作用までは有しないが、雑菌類の増殖と死滅を少なくとも平衡状態にする作用を有する量で米飯食品に配合することができる。例えば、本発明において米飯食品は、有機酸および無機酸並びにそれらの塩を0.15〜1.0質量%の量(固形分換算基準、複数種配合する場合は合計量)で含有していてもよく、好ましくは0.2〜0.9質量%である。
本発明の製造方法は、米飯食品原料に枝作り酵素を添加し炊飯すること以外は、通常の米飯食品の製造手順に従って実施することができる。例えば、水洗いした米を水に浸漬させた後、炊飯し、場合によってはさらなる加工処理(例えば、成型処理、加熱処理、調味料等による味付け処理)を施すことにより米飯食品を製造することができる。米飯食品原料への枝作り酵素の添加は、炊飯前であれば特に限定されないが、水洗いした米を水に浸漬させる際に、必要に応じて他の添加物と共に添加しておくと、浸漬工程の後、直ちに炊飯することができ、好都合である。炊飯方法は特に限定されず、ガス式炊飯、電気式炊飯等、通常の方法で炊飯することができる。
米飯食品の原料となる米は通常の米飯食品に用いられるものであれば特に制限はなく、粳米、糯米、精白米、玄米、ジャポニカ米、インディカ米等その精白度合いや品種等に関係なく用いることができ、複数種の米を混合して用いてもよい。白米以外の炊き込みご飯、釜飯、おこわ、赤飯等を製造する場合には米飯食品原料に米以外の原料を配合してもよい。すなわち、本発明において、米飯食品原料とは、上記米飯食品の原料であり、米の他に、必要に応じて、雑穀等の米以外の穀物、調味料、具材(野菜類、肉類等)、香辛料、出汁、保存料等の通常用いられる食品、食品原料、食品添加物等を用いることができる。
本発明では、炊飯の加熱時に当該酵素が米の澱粉に作用することで本発明の効果を発揮するものと考えられる。以下の理論に拘束されるわけではないが、米の澱粉に枝作り酵素が作用することで特有の分岐構造を有する糖質が生成し、当該糖質が品質改良効果を発揮するものと考えられる。
本発明に使用できる枝作り酵素(EC 2.4.1.18)は、α−1,4グルカン鎖の一部を受容体α−1,4グルカンの6−OH基に転移させ、アミロペクチンまたはグリコーゲンのようなα−1,6結合の分岐構造を生成する酵素(ブランチング酵素)をいう。枝作り酵素はその起源に限定はなく、植物由来のものや微生物由来のものを用いることができるが、酵素の製造コストや入手し易さ等を考慮すると、微生物由来のものを用いるのが好ましく、例えば、ロドサーマス・オバメンシス(Rhodohermus obamensis)由来の酵素やジオバチルス・ステアロサーモフィルス(Giobacillus stearothermophilus)由来の酵素を用いることができる。
枝作り酵素の添加量は本発明の効果が奏される限り特に制限はないが、原料である炊飯前の生米の乾燥質量100g当たり0.001〜4600Uの添加量となるように添加するのが好ましく、より好ましくは生米の乾燥質量100g当たり0.002〜4500Uの添加量であり、さらに好ましくは生米の乾燥質量100g当たり0.003〜4000U、特に好ましくは生米の乾燥質量100g当たり0.004〜3500Uの添加量である。本発明における枝作り酵素の力価(U)の定義は次の通りである。すなわち、後記実施例の酵素活性測定方法により、660nmの吸光度を1分間当たり0.001減少させる酵素の力価を1Uと定義する。
本発明において、米飯食品に対する有機酸および無機酸並びにそれらの塩の添加のタイミングは特に制限されない。米の炊飯前に添加されても、炊飯後に添加されても良く、炊飯後のさらなる加工処理時に添加されてもよく、米飯食品の製造・調理完了後に添加されても良い。
本発明の製造方法では、米飯食品を容器や包装材に収容または包装する工程を含んでいてもよい。このような容器や包装材はマイクロ波加熱が可能な耐熱性材料から構成されていてもよい。すなわち、容器または包装材により収容または包装された米飯食品も、本発明の製造方法の生産物の範囲内である。
本発明の製造方法によれば、品質改良された米飯食品を製造することができる。本発明において、「品質改良」とは、食感の改良および酸味の低減を含む意味で用いられるものとする。すなわち、本発明において、食感の改良とは澱粉質の老化による米飯食品の食感の悪化を抑制することを意味し、酸味の低減とは有機酸および無機酸並びにそれらの塩の配合に起因する米飯食品の酸味を低減することを意味する。
本発明の別の面によれば、枝作り酵素を有効成分として含んでなる有機酸および無機酸並びにそれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する米飯食品の品質改良剤が提供される。本発明の品質改良剤は食感改良剤や酸味低減剤として用いることができる。本発明の品質改良剤は本発明の製造方法に関する記載に従って実施することができる。
以下に例を挙げて本発明の詳細を説明するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。なお、以下の例における「%」とは特段の記載が無い限り、質量%(W/W%)を意味する。
酵素活性測定方法
<基質水溶液の調製>
10mgのアミロースを試験管へ秤量し、2.5mLの超純水を加える。次に、2.5mLの1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、常温で15分間放置しアミロースを溶解させる。その後、20mLの超純水を加えアミロース溶液を希釈し、5.0mLの0.5N塩酸を加え中和する。次に、200mMトリス塩酸バッファー(pH7.0)を25mL加え、超純水を用いて100mLまでメスアップする。
<酵素活性の測定>
上記手法で調製した基質水溶液(0.1mg/mLアミロース溶液)600μLを試験管に入れ、50℃のウォーターバスで5分間保温する。酵素液500μLを上記試験管に加え、50℃に30分保持することで基質と酵素を反応させる。30分保持後、300μLの反応停止用溶液(ヨウ素水溶液(0.1W/V%ヨウ素、1W/V%ヨウ化カリウム)と0.1N塩酸水溶液を体積比1:1で混合した溶液)を加えて反応を停止させる。超純水を500μL加え、直ちに660nmの吸光度を測定する。なお、酵素液の希釈濃度が適切であることを確認するため、反応時間を10分、20分とした場合の試料の吸光度も測定し、反応時間(10〜30分)と吸光度が比例関係にあり適切に定量分析できる濃度であること確認する。
以下の例においては、アミロースとしてアミロース試薬(シグマアルドリッチ社製)を用い、吸光度測定機器としてU−2900(日立ハイテクサイエンス社製)を用いて上記活性測定を実施した。
例1:各種酵素が米飯食品の品質に及ぼす影響の比較
市販の無洗米300g、酸味料水溶液(1.1%酢酸ナトリウム水溶液414g、1.1%酢酸水溶液40.8g)および表1に示した各酵素を釜に入れた。常温で1時間浸漬した後、炊飯ジャーにより炊飯した。炊飯後、15分間蒸らした後、減圧乾燥器内で15分間真空冷却した。常温に冷却後、冷蔵庫中4℃で1日保管した。冷蔵保管した白米80gを1570Wで15秒間電子レンジ加熱した後、喫食した。
各酵素は、ブラッドフォード法で測定した酵素製剤中のタンパク質含量を基に、原料の生米(無洗米)乾燥質量100g当たり0.000317mgのタンパク質添加量となるように添加した。上記添加量においては、枝作り酵素の添加量は、生米乾燥質量100g当たり9.85Uであった。また、得られた白米中の酸味料(酢酸および酢酸ナトリウム)の含有量は0.7%であった。なお、本例で使用した酢酸および酢酸ナトリウムはpH調整剤としても配合できる成分である。
喫食時の白米の酸味の強さ、硬さおよび粘りに関して、下記基準により8名のパネラーで官能評価を実施し、その平均点を算出した。
酸味の強さ:白米を喫食した際の酸味の強さを、酵素を添加しない以外は同様の方法で調整した白米を0点とし、−3点〜+3点の7段階で評価した(評価点が高い程、酸味は弱い)。
硬さ:白米を喫食した際の弾力の強さを、酵素を添加しない以外は同様の方法で調整した白米を0点とし、を−3点〜+3点の7段階で評価した(評価点が高い程、硬さが弱い)。
粘り:白米を喫食した際の表面の付着性(粘り)の強さを、酵素を添加しない以外は同様の方法で調整した白米を0点とし、−3点〜+3点の7段階で評価した(評価点が高い程、粘りが強い)。
結果を表1に示す。
Figure 2018117553
表1に示される通り、枝作り酵素(試料1−1)を添加して炊飯すると酸味料に起因する酸味が緩和されるとともに、チルド米飯の食感が改善されることが判明した。
例2:枝作り酵素の添加量が米飯食品の品質に及ぼす影響
市販の無洗米300g、酸味料水溶液(1.1%酢酸ナトリウム水溶液414g、1.1%酢酸水溶液40.8g)および表2に示した添加量となるように枝作り酵素(Branchzyme、ノボザイム社製)を釜に入れた。常温で1時間浸漬した後、炊飯ジャーにより炊飯した。炊飯後、15分間蒸らした後、減圧乾燥器内で15分間真空冷却した。常温に冷却後、冷蔵庫中4℃で1日保管した。冷蔵保管した白米80gを1570Wで15秒間電子レンジ加熱した後、喫食した。得られた白米中の酸味料(酢酸および酢酸ナトリウム)の含有量は0.7%であった。なお、本例で使用した酢酸および酢酸ナトリウムはpH調整剤としても配合できる成分である。
喫食時の白米の酸味の強さ、硬さおよび粘りに関して、例1と同様に8名のパネラーで官能評価を実施し、その平均点を算出した。
結果を表2に示す。
Figure 2018117553
表2に示される通り、いずれの試験区においても酸味料由来の酸味が緩和され、米飯の食感も改善されることが確認された。また、枝作り酵素の添加量が所定範囲の場合に、酸味料に起因する酸味が特に緩和され、チルド米飯の食感も改善されることが判明した。
例3:酸味料含有量が米飯食品の品質に及ぼす影響
市販の無洗米300g、水456g、酸味料製剤(シーズニングマイルド、三菱商事フードテック社製)(酸味料として酢酸ナトリウムを82%含有)および枝作り酵素(Branchzyme、ノボザイム社製)を釜に入れた。酸味料製剤は、得られる白米における酸味料(酢酸ナトリウム)の含有量が表3に示された値となるように添加した。また、枝作り酵素の添加量は、生米乾燥質量100g当たり9.85Uとした。なお、本例で使用した酸味料製剤はpH調整剤としても配合できる成分である。
常温で1時間浸漬した後、炊飯ジャーにより炊飯した。炊飯後、15分間蒸らした後、減圧乾燥器内で15分間真空冷却した。常温に冷却後、冷蔵庫で4℃に1日保管した。冷蔵保管した白米80gを1570Wで15秒間電子レンジ加熱した後、喫食した。
喫食時の白米の酸味の強さ、硬さおよび粘りに関して、例1と同様に8名のパネラーで官能評価を実施し、その平均点を算出した。
結果を表3に示す。
Figure 2018117553
表3に示される通り、酸味料の添加量を変化させた場合であっても、枝作り酵素を添加して炊飯すると酸味料に起因する酸味が緩和され食感も改善されることが判明した。
例4:各種酸味料が米飯食品の品質に及ぼす影響
市販の無洗米300g、水456g、表4に示された酸味料(グルコン酸(炊飯処理において最終的にグルコン酸に変換されるようグルコノδラクトンの形で添加)、pH5.5となるよう混合した1.1%乳酸ナトリウム水溶液および1.1%乳酸水溶液の混合溶液)および枝作り酵素(Branchzyme、ノボザイム社製)を釜に入れた。各酸味料は、得られる白米における酸味料(グルコン酸、乳酸ナトリウムおよび乳酸)の含有量が0.7%となるように添加した。また、枝作り酵素の添加量は、生米乾燥質量100g当たり9.85Uとした。なお、本例で使用した酸味料はいずれもpH調整剤としても配合できる成分である。
常温で1時間浸漬した後、炊飯ジャーにより炊飯した。炊飯後、15分間蒸らした後、減圧乾燥器内で15分間真空冷却した。常温に冷却後、冷蔵庫で4℃に1日保管した。冷蔵保管した白米80gを1570Wで15秒間電子レンジ加熱した後、喫食した。
喫食時の白米の酸味の強さ、硬さおよび粘りに関して、例1と同様に8名のパネラーで官能評価を実施し、その平均点を算出した。
結果を表4に示す。
Figure 2018117553
表4に示される通り、いずれの酸味料を添加した場合であっても、枝作り酵素を添加して炊飯すると酸味料に起因する酸味が緩和され食感も改善されることが判明した。
本発明において、米飯食品とは、粳米や糯米を炊飯した食品を意味し、炊飯した米飯そのもの(白米)に加え、種々の食材や調味料と共に炊飯した食品や適宜追加の調理や調味を行った食品も包含する。米飯食品としては、例えば、白米、炊き込みご飯、混ぜご飯、釜飯、おこわ、赤飯、おにぎり、チャーハン、ピラフ、パエリア、リゾット、ドリア等が挙げられる。本発明の品質改良効果がより発揮されうる観点から、本発明において米飯食品は、好ましくは白米、おにぎりである。本発明において、米飯食品は、そのまま提供されてもよく、あるいは、カレーライス、ハヤシライス、丼物(牛丼、親子丼等)のように他の調理済み食品と併せて提供されてもよい。

Claims (9)

  1. 有機酸および無機酸並びにそれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する米飯食品の製造方法であって、米飯食品原料に枝作り酵素を添加し炊飯することを含んでなる、製造方法。
  2. 米飯食品がチルド米飯食品である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 米飯食品が、有機酸および無機酸並びにそれらの塩を酸味料またはpH調整剤として含有する、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 米飯食品が静菌に有効な量の有機酸および無機酸並びにそれらの塩を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 有機酸および無機酸並びにそれらの塩が、酢酸、グルコン酸および乳酸並びにそれらの食品として許容される塩からなる群から選択される1種または2種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 生米乾燥質量100g当たり枝作り酵素を0.001〜4600Uの添加量で添加する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 枝作り酵素を有効成分として含んでなる、有機酸および無機酸並びにそれらの塩からなる群から選択される1種または2種以上を含有する米飯食品の品質改良剤。
  8. チルド米飯食品用である、請求項7に記載の品質改良剤。
  9. 枝作り酵素が生米乾燥質量100g当たり0.001〜4600Uの添加量で用いられる、請求項7または8に記載の品質改良剤。
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