JP2018116300A - リソグラフィ方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】公知のリソグラフィ方法と比較して改善されたスループットまたは可用性を提供するリソグラフィ方法などを提供する。【解決手段】リソグラフィ装置を用いて基板Wにパターン形成する方法である。該方法は、照明システムILを用いて放射ビームを供給することと、パターニングデバイスMAを用いて放射ビームの断面にパターンを与えることと、投影システムを用いてパターン形成された放射ビームを基板ロットのターゲット部分上に投影することと、を含み、該方法は、パターン形成された放射ビームを基板ロットのサブセット上に投影した後に放射ビーム収差測定を行うことと、放射ビーム収差測定の結果を用いて投影システムの調整を行うことと、その後、パターン形成された放射ビームを基板ロットのさらなるサブセット上に投影することと、をさらに含む。【選択図】図1

Description

[0001] 本発明は、リソグラフィ方法および装置に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層に対応する回路パターンを生成するために、マスクまたはレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができ、このパターンは、放射感応性材料(レジスト)層を有する基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、または1つ以上のダイを含む)に結像することができる。一般には、単一の基板が、連続的に露光される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるステッパ、およびビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行または逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射する、いわゆるスキャナが含まれる。
[0003] 従って、少なくともいくつかの公知のリソグラフィ方法と比較して改善されたスループットまたは可用性を提供するリソグラフィ方法などを提供することが望ましい。
[0004] 本発明の第一の態様によれば、リソグラフィ装置を用いて基板にパターン形成する方法であって、照明システムを用いて放射ビームを供給することと、パターニングデバイスを用いて放射ビームの断面にパターンを与えることと、投影システムを用いてパターン形成された放射ビームを基板ロットのターゲット部分上に投影することと、を含み、該方法は、パターン形成された放射ビームを基板ロットのサブセット上に投影した後に放射ビーム収差測定を行うことと、放射ビーム収差測定の結果を用いて投影システムの調整を行うことと、その後、パターン形成された放射ビームを基板ロットのさらなるサブセット上に投影することと、をさらに含む。
[0005] 該方法は、パターン形成された放射ビームを基板ロットのさらなるサブセット上に投影した後に放射ビーム収差測定を再び行うことと、追加の放射ビーム収差測定の結果を用いて投影システムの調整を行うことと、その後、パターン形成された放射ビームを基板ロットのさらなるサブセット上に投影することと、をさらに含み得る。
[0006] 放射ビーム収差測定は、投影された放射ビームPBの3次のゼルニケ多項特性の測定を含み得る。
[0007] 放射ビーム収差測定は、放射ビームによって形成された露光スリットに沿って延在する一連の場所における投影された放射ビームの測定を行うことを含み得る。
[0008] 基板ロットのサブセットにおける基板の数は、10以下であり得る。基板ロットのサブセットにおける基板の数は、5以下であり得る。
[0009] 基板ロットのサブセットにおける基板の数は、基板ロットの露光の前にリソグラフィ装置のユーザによって選択され得る。
[0010] 該方法は、複数のサブセットについて行われ得る。複数のサブセットのうちの各サブセットは、同数の基板を有する。
[0011] 任意に、レンズ加熱モデルに基づいたフィードフォワード補正は、基板ロットの露光中、投影システムを調整するために用いられない。
[0012] 任意に、異なるパターニングデバイスを用いて生成されたレンズ加熱モデルに基づいたフィードフォワード補正は、基板ロットの露光中、投影システムを調整するために用いられる。
[0013] 該方法は、放射ビーム収差測定の結果を用いて、使用されているレンズ加熱モデルの精度を判断することをさらに含み得る。
[0014] 本発明の第二の態様によれば、リソグラフィ装置を用いて基板にパターン形成する方法であって、照明システムを用いて放射ビームを供給することと、パターニングデバイスを用いて放射ビームの断面にパターンを与えることと、投影システムを用いてパターン形成された放射ビームを複数の基板ロットのターゲット部分上に投影することと、を含み、該方法は、パターン形成された放射ビームが基板ロット上に投影された後に、放射ビーム収差測定の結果を用いる投影システムの放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかを判断することと、その後、該放射ビーム収差測定および調整が必要とされないと判断された場合、該放射ビーム収差測定および調整を行わずにパターン形成された放射ビームを次の基板ロット上に投影することと、をさらに含む、方法が提供される。
[0015] 放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかという判断は、先行の放射ビーム収差測定および調整以来の経過時間を考慮に入れ得る。
[0016] 放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかという判断は、先行の放射ビーム収差測定および調整以来、放射ビームの照明モードが変化したかどうかを考慮に入れ得る。
[0017] 放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかという判断は、先行の放射ビーム収差測定および調整以来、放射ビームの偏光が変化したかどうかを考慮に入れ得る。
[0018] 本発明の第三の態様によれば、リソグラフィ装置であって、放射ビームを供給する照明システムと、放射ビームの断面にパターンを与える役目を果たすパターニングデバイスを支持するサポート構造と、基板を保持する基板テーブルと、パターン形成された放射ビームを基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を備え、該リソグラフィ装置は、本発明の第一または第二の態様の方法に従ってリソグラフィ装置を動作させるように構成されたコントローラをさらに備える、リソグラフィ装置が提供される。
[0019] 本発明の第四の態様によれば、コントローラに本発明の第一または第二の態様に係る方法を実行させる機械読取可能命令を備えるプログラムが提供される。
[0020] 本発明の第五の態様によれば、本発明の第四の態様に係るプログラムを保持する機械読取可能媒体が提供される。
[0021] 本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明のさまざまな実施形態の構造および動作を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。なお本発明は、本明細書に記載の特定の実施形態に限定されない。このような実施形態は、例示のためにのみ本明細書で示される。本明細書の教示に基づいて、追加の実施形態が当業者には明らかであろう。
[0022] 本明細書に組み込まれ、かつ明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を示し、さらに説明とともに本発明の原理を説明し、かつ当業者が本発明を行い使用することを可能とするのに役立つ。
[0023] 図1は、本発明の一実施形態に係るリソグラフィ装置を示す。 [0024] 図2は、本発明の一実施形態に係る方法を概略的に示す。 [0025] 図3は、本発明の別の実施形態に係る方法を概略的に示す。 [0026] 図4は、リソグラフィ方法を概略的に示す。
[0027] 本発明の特徴および利点は、これらの図面と併せて以下に記載される詳細な説明からより明らかになるであろう。図面において、同じ参照記号は、全体を通じて対応する要素を特定する。図面において、同じ参照番号は、基本的に、同一の、機能的に同様な、および/または構造的に同様な要素を示す。ある要素が初めて登場する図面は、対応する参照番号における左端の数字によって示される。
[0028] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例示するに過ぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。
[0029] 説明される(1つ以上の)実施形態、および明細書中の「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」等への言及は、説明される実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、必ずしもすべての実施形態がその特定の特徴、構造、または特性を含んでいなくてもよい。また、かかる表現は、必ずしも同じ実施形態を指すものではない。また、特定の特徴、構造、または特性がある実施形態に関連して説明される場合、かかる特徴、構造、または特性を他の実施形態との関連においてもたらすことは、それが明示的に説明されているか否かにかかわらず、当業者の知識内のことであると理解される。
[0030] 本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらのあらゆる組合せにおいて実施され得る。本発明の実施形態はまた、機械可読媒体に記憶され、1つまたは複数のプロセッサにより読み出され実行され得る命令として実施されてもよい。機械可読媒体は、機械(例えばコンピュータデバイス)によって読み取りが可能な形態で情報を記憶または送信するためのあらゆるメカニズムを含み得る。例えば、機械可読媒体は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、または電気、光、音、もしくはその他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号等)、などを含み得る。また、本明細書において、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令が何らかの動作を行うと説明されることがある。しかし、そのような説明は単に便宜上のものであり、かかる動作は実際には、コンピュータデバイス、プロセッサ、コントローラ、またはファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令等を実行する他のデバイスによるものであることが理解されるべきである。
[0031] このような実施形態をより詳細に説明する前に、本発明の実施形態が実施され得る例示的な環境を提示することが有益である。
[0032] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターンおよび検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」または「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」または「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、またはインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツールおよびその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[0033] 本明細書で使用される「放射」および「ビーム」という用語は、紫外線(UV)(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm、または126nmの波長を有する)、および極端紫外線(EUV)(例えば、5〜20nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[0034] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるデバイスを指していると、広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付けたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
[0035] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、およびプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レベンソン型(alternating)位相シフト、およびハーフトーン型(attenuated)位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。このように、反射されたビームにパターン形成する。
[0036] サポート構造は、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、および、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。サポートは、機械クランプ式、真空式、またはその他のクランプ技術、例えば、真空条件下の静電クランプを使用することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定または可動式にすることができるフレームまたはテーブルであってもよく、また、サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」または「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0037] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、例えば、使われている露光放射にとって、あるいは液浸流体の使用または真空の使用といった他の要因にとって適切な、屈折型光学系、反射型光学系、および反射屈折型光学系を含むさまざまな型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
[0038] 照明システムとしては、放射ビームを誘導し、整形し、または制御するための、屈折型、反射型、および反射屈折型の光コンポーネントなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを内包することもでき、そのようなコンポーネントも、以下に総称してまたは単独で「レンズ」と呼ぶことがある。
[0039] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(および/または2つ以上のサポート構造)を有する型のものであってもよい。そのような「マルチステージ」マシンにおいては、追加のテーブルを並行して使うことができ、または予備工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0040] また、リソグラフィ装置は、投影システムの最終エレメントと基板との間の空間を満たすように、基板を比較的高屈折率を有する液体(例えば水)に浸漬するタイプのものであってもよい。浸漬技術は、投影システムの開口数を増加させることで当技術分野において周知である。
[0041] 図1は、本発明の一実施形態に係る、ソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置LAPを概略的に示している。このリソグラフィ装置は、放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えば、マスクまたはレチクル)MAを支持するように構築され、かつパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構築され、かつ基板を正確に位置決めするように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、反射投影レンズシステム)PSと、を備える。
[0042] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)である。また、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、前述の型のプログラマブルミラーアレイを採用しているもの)であってもよい。
[0043] イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別個の構成要素であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射ビームは、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラーおよび/またはビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送られる。その他の場合においては、例えば、放射源が水銀ランプである場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。放射源SOおよびイルミネータILは、必要ならばビームデリバリシステムBDとともに、放射システムと呼んでもよい。
[0044] イルミネータILは、ビームの角強度分布を調節する調節手段AMを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側および/または内側半径範囲(通常、それぞれσ-outerおよびσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。さらに、イルミネータILは、通常、インテグレータINおよびコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含む。イルミネータは、調整された放射ビームPBを供給して、放射ビームの断面に所望の均一性および強度分布をもたせる。
[0045] 放射ビームPBは、サポート構造MT上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスク)MA上に入射する。パターニングデバイスMAをとおり抜けた後、ビームPBはレンズPLを通過し、レンズPLは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2位置決めデバイスPWおよび位置センサIF(例えば、干渉計デバイス)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分CをビームPBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1位置決めデバイスPMおよび別の位置センサ(図1には明示されていない)を使い、例えば、マスクライブラリから機械的に取り出した後またはスキャン中に、パターニングデバイスMAをビームPBの経路に対して正確に位置付けることもできる。通常、オブジェクトテーブルMTおよびWTの移動は、位置決めデバイスPMおよびPWの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)およびショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成される。しかし、ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、サポート構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、または固定されてもよい。パターニングデバイスMAおよび基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1およびM2と、基板アライメントマークP1およびP2とを使って、位置合わせされてもよい。
[0046] 2つのセンサS1およびS2を基板テーブルWT上に設ける(センサは、図1において単一のブロックによって示されている)。第1センサS1は、結像センサとすることができ(ただし、他の形態のセンサを用いてもよい)、パターニングデバイスMAに対する基板テーブルWTのアライメントを測定するように構成され得る。そのようなセンサを用いるアライメントの測定は、例えば、“Optimized reticle alignment structures for minimizing aberration sensitivities and pattern shifts,” Barry Moest, Mark van de Kerkhof, and Haico Kok, Proc. SPIE 7823, 78233J (2010)に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。第2センサS2は、干渉計とすることができ(ただし、他の形態のセンサを用いてもよい)、投影システムPLによって投影された放射ビームPBの位相を測定するように構成され、それによって、放射ビームの収差が測定されることが可能になる。そのようなセンサを用いる放射ビーム収差の測定は、例えば、“Full optical column characterization of DUV lithographic projection tools,” Mark A. van de Kerkhof, Wim de Boeij, Haico, Kok, Marianna Silova, Jan Baselmans, and Marcel Hemerik, Proc. SPIE 5377, 1960 (2004)に記載され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[0047] コントローラCTが、第1および第2センサS1およびS2と、投影システムPLと、基板テーブルWTと、マスクテーブルMTとに接続される。コントローラCTは、第1センサS1によって行われた測定に応答して動作して、基板テーブルWTの位置および/またはパターニングデバイスMAの位置を調整する。コントローラは、第2センサS2によって行われた測定に応答して動作して、投影システムによって投影された放射ビームPBの特性を修正するために投影システムPLを調整する。コントローラCTは、例えば、アクチュエータ(図示せず)を用いて投影システムPLの個々のレンズを調整するように動作可能であり得る。2つのセンサS1およびS2が図1に示されているが、任意の数のセンサが設けられてよい。場合により、単一のセンサを用いて上述したすべての測定を行ってよい。
[0048] 例示の装置は、以下の好ましいモードで使用できる。
1.ステップモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、ビームPBに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、Xおよび/またはY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
2.スキャンモードにおいては、サポート構造MTおよび基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、ビームPBに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。サポート構造MTに対する基板テーブルWTの速度および方向は、投影システムPLの(縮小)拡大率および像反転特性によって決める。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
3.別のモードにおいては、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、サポート構造MTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、またはスキャンする一方で、ビームPBに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、またはスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0049] 上述の使用モードの組合せおよび/またはバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0050] 従来のリソグラフィ装置において、各基板Wの露光の前に第1センサS1を用いてアライメント測定が行われ得る。アライメント測定は、例えば、図1に示すようにXおよびY方向においてパターニングデバイスMAおよび基板Wのアライメントを測定し得る。加えて、アライメント測定は、基板Wの最敵な焦点、すなわち、パターニングデバイスMAの最も鮮鋭な空間像が形成されると予測される平面に対するz方向の基板の位置を測定し得る。総合すると、これらの測定は、位置合わせされたx、y、およびz位置の測定と呼ばれ得る。
[0051] x、y、およびz方向の基板Wの位置は、アライメント測定を考慮に入れるように調整され得る。また、パターニングデバイスMAの位置も調整され得る。そして、基板を露光し、続いて、別の基板を基板テーブルWT上に配置する。アライメント測定は、センサSによって再度行われ得る。そして、x、y、およびz位置の調整は、その基板の露光の前に行われ得る。
[0052] 基板ロットの露光の前に(例えば、先行の基板ロットの露光の後に)第2センサS2を用いて追加の測定が行われ得る。基板ロットは、例えば、25枚の基板とすることができる。というのは、これは、従来の基板キャリアを用いて搬送され得る基板の数であるからである。ロットは、例えば、所与の製品の連続生産量が25枚の基板未満である場合、25より小さい数であってよい。ロットにおける基板の数は、(例えば、25を超える基板を搬送可能な基板キャリアが用いられる場合、)25より大きいこともある。
[0053] 基板ロットの露光前に行われる測定は、第2センサS2を用いて行われ得る。測定によって、投影システムPLによる投影の後に、放射ビームPBの収差が測定され得る。放射ビーム収差測定は、例えば、放射ビームによって形成された露光スリットに沿って延在する一連の場所において行われ得る(露光スリットは、スキャンリソグラフィ装置によって設けられた放射領域である)。例えば、図1に示すデカルト表示を用いて、露光スリットに沿って異なるx方向の位置で測定が行われ得る(y方向はスキャン方向)。
[0054] 放射ビーム収差測定は、例えば、投影された放射ビームPBの3次のゼルニケ多項特性の測定を含むことがあり、投影された放射ビームのより高次のゼルニケ多項特性を測定し得る。例えば、最大25次までのゼルニケ多項式が測定され得る。例えば、最大64次またはそれ以上のゼルニケ多項式が測定され得る。収差測定によって、投影システムPLの結像性能に関する詳細な情報が提供される。この情報を用いて、コントローラCTは、(例えば、先に決定された、レンズ調整と投影像の修正との間の対応関係を用いて)投影システムの結像性能を向上させるために、投影システムPLのレンズを調整し得る。コントローラCTは、投影システムPLのレンズを調整して、投影システムによって放射ビーム内に持ち込まれた収差を低減させ得る。
[0055] 各ロットの露光前の放射ビーム収差測定と、関連する調整とを行うことに伴う問題は、測定および調整にかなりの時間(例えば、10〜15秒)がかかり得ることである。更なる問題は、場合により、放射ビーム収差測定間の時間間隔(例えば、8〜15分)中のレンズ加熱に起因して、大幅な変化が投影システムPL内で起こり得ることである。投影システムPL内のこうした変化の結果、基板W上に投影される像は、正しく形成されないことがある。
[0056] 上記の欠点を解消または軽減するために、基板Wの露光中、レンズ加熱がどのように投影システムPLに影響を及ぼすかをモデル化するモデルが生成され得る。レンズ加熱モデルを用いて、ウェーハロットの露光中に投影システムPLの調整を行い得る。これは、モデルベースのロット内投影システム調整と呼ばれ得る。
[0057] レンズ加熱モデルは、例えば、所与のパターニングデバイスMAとリソグラフィ装置の組合せについて、当該パターニングデバイスと投影システムPLを通して放射ビームPBを誘導して基板テーブルWTに像を生成し、各像の露光後に放射ビームの特性を測定することによって生成され得る。放射ビームの測定は、放射ビーム収差測定とすることができ、この測定は、例えば、放射ビームによって形成された露光スリットに沿って延在する一連の場所において行われ得る。放射ビーム収差は、例えば、第2センサS2を用いて測定され得る。測定された放射ビーム収差を用いてレンズ加熱モデルを生成する。
[0058] レンズ加熱モデルを生成することに比較的時間のかかる場合があり、例えば、1時間を越える時間(例えば、1時間半)を要することがある。これは、測定が行われ得る前に、(例えば、他のパターニングデバイスを用いる露光に続いて)投影システムPLが冷めることを可能にする必要があり得るからである。というのは、レンズ加熱モデルは、比較的冷たいレンズ加熱状態(すなわち、放射ビームによる投影システムレンズの加熱がほとんどまたは全く起こっていない初期状態)から始まる投影システム変化をモデル化する必要があり得るからである。場合により、所与のパターニングデバイスMAを用いる連続生産量は、少数のロット(例えば、1つまたは2つのロット)、または1つのロット未満(例えば、25枚未満の基板)であり得る。この場合、レンズ加熱モデルを生成するように必要とされる時間は、それらの基板を露光するのにかかる時間と同程度、またはその時間より長い時間であり得る。従って、レンズ加熱モデルの生成は、これらの場合において、リソグラフィ装置の可用性にかなりの影響を及ぼす。
[0059] 本発明の実施形態は、上述の不利点の1つ以上に対処することができる。
[0060] 本発明の第1実施形態が、図2にプロセスフローとして概略的に示されている。この実施形態において、各基板ロットが露光された後、放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかについて判断される(例えば、3次および場合により高次のゼルニケ多項式ならびに結果として生じる補正)。放射ビーム収差測定および調整が必要とされないと判断される場合、これらの測定および調整は行われない。これにより、例えば、10〜15秒の節約をもたらすことができ、それによって、リソグラフィ装置のスループットの増加がもたらされる。
[0061] リソグラフィ装置のユーザは、入力デバイス(図示せず)を介して、放射ビーム収差測定および調整が必要とされないと判断される場合にそれらが省かれることを、示し得る。この場合、所定の基準が満たされるのであれば、コントローラCTは、放射ビーム収差測定および調整を省く。
[0062] 基準の1つは、例えば、先行の放射ビーム収差測定および調整以来、リソグラフィ装置によって用いられた照明モードが変化していないことであり得る。例えば、パターニングデバイスMAが異なるパターニングデバイスに変更される場合、照明モードは変化し得る。照明モードが変化した場合、放射ビーム収差測定および調整を省く要求は却下されることがあり、放射ビーム収差測定および調整は行われる。これは望ましい場合がある。というのは、異なる照明モードは、異なったように投影システムPLを用いることになり、従って、投影された放射ビームに対するレンズ加熱の影響は異なることになるからである。
[0063] 放射ビーム基準の1つは、例えば、先行の放射ビーム収差測定および調整以来、放射ビームの偏光が変化していないことであり得る。放射ビーム偏光が変化した場合、放射ビーム収差測定および調整を省く要求は却下されることがあり、放射ビーム収差測定および調整は行われる。これは望ましい場合がある。というのは、投影システムPLは、異なる偏光が用いられる際に、異なる収差を放射ビームに適用することになるからである。
[0064] 放射ビーム基準の1つは、例えば、先行の放射ビーム収差測定および調整以来の経過時間であり得る。例えば、先行の放射ビーム収差測定および調整以来の経過時間が1時間(または他の時間)より長い場合、放射ビーム収差測定および調整を省く要求は却下され、放射ビーム収差測定および調整は行われるであろう。
[0065] 場合により、非常に多数の同一パターンのロットが基板上に露光され得る。例えば、メモリデバイスを製造する際、何千もの基板が、所与の連続生産量で所与のリソグラフィ装置によって露光され得る。この場合、投影システムPLのレンズ内の温度分布は、温度分布の変化がほとんどまたは全く起きない程度に安定し得る。結果として、ロット間で、投影システムPLによって投影された像はほとんどまたは全く起きない。こうした状況においては、放射ビーム収差測定および調整は、一部のロットの露光後に省かれ得る。上記の時間ベースの基準は、収差測定および調整が定期的に(例えば、1時間ごとに)行われることを確実にするために用いられ得る。
[0066] 上述の基準に加えて、または、上述の基準の代わりに、1つ以上の基準が用いられ得る。それらの基準は、基板ロットの露光後に放射ビーム収差測定および調整を省くことが次の基板ロット上に投影された像に許容できないエラーを引き起こすかどうかという判断を可能にする基準であり得る。従って、投影された像に許容できないエラーが引き起こされず、それによってスループットの増加がもたらされるという条件で、本発明の実施形態によって、放射ビーム収差測定および調整が省略されることが可能になり得る。
[0067] 別の実施形態において、基板の連続生産が、基板の露光のためのレンズ加熱モデルを生成せずに行われ得る。これは、例えば、レンズ加熱モデルを生成するために必要とされる時間が基板を露光するために必要とされる時間と同程度、またはその時間より長い場合に行われ得る。
[0068] 図3は、本発明の本実施形態に係るプロセスフローを概略的に示している。図から分かるように、プロセスは、放射ビーム収差測定および調整が行われるべきかどうかが判断される各基板の露光後の判断点を含む。レンズ加熱モデルは生成されていないので、レンズ加熱は、ロットの基板上に投影された像の質に重大な悪影響を及ぼすおそれがある(レンズ加熱の影響は、レンズ加熱モデルによって補償されない)。このレンズ加熱の影響を低減させるために、放射ビーム収差測定および調整は、基板ロットの露光中に行われる(すなわち、完成されるロットの露光を待たずに)。例えば、放射ビーム収差測定および調整は、ロットの5番目、10番目、15番目、20番目、および25番目の基板の露光後に行われてよく、それによって、各5枚の基板が露光された後にレンズ加熱作用の補正が行われることが可能になる。放射ビーム収差測定および調整は、他の枚数の基板が露光された後に行われてよい。
[0069] (本実施例で例えば約60未満のロットを露光することを前提とすると)放射ビーム収差測定および調整を行うために必要とされる時間は、レンズ加熱モデルを生成するために必要とされていたであろう時間より著しく短い。従って、リソグラフィ装置の可用性の向上がもたらされる。
[0070] 放射ビーム収差測定および調整が行われるべきかどうかという判断は、各基板Wの露光後にコントローラCT(図1を参照)によってなされる。この判断は、ユーザによってすでにリソグラフィ装置に入力されている情報に基づいてなされ得る。例えば、ユーザは、連続生産のうちのどの基板の後に放射ビーム収差測定および調整が行われるかを指定し得る(例えば、4枚の基板ごと、5枚の基板ごと、または他の数の基板ごと)。コントローラCTは、露光される基板の番号をユーザから入力された命令と比較し、ユーザから提供された番号に対応する番号を基板が有する場合、放射ビーム収差測定および調整を行う。
[0071] 一実施形態において、同数の基板後に(例えば、5枚の基板ごとに)放射ビーム収差測定および調整が行われ得る。別の実施形態において、放射ビーム収差測定および調整間の基板の数は変化し得る。例えば、露光された基板の数が増加するにつれて、放射ビーム収差測定および調整間の基板の数は増加し得る。これにより、例えば、露光基板の数が増加するにつれてレンズ加熱が投影像を修正する程度が減少することが考慮され得る(レンズの温度は時間と共に安定する傾向がある)。
別の実施形態において、コントローラCTは、基板ロットの露光中の投影システムを調整するレンズ加熱モデルに基づいたフィードフォワード補正が必要とされるかどうかを判断し得る。この判断は、露光されることになる後続のロットの数を考慮に入れ得る。連続生産が小数のロット(例えば、1つまたは2つのロット)を含む場合、当該連続生産全体にわたって通常の放射ビーム収差測定を実行することより、当該連続生産についてレンズ加熱モデルを生成することの方が、時間がかかることになる。連続生産が多数のロットを含む場合、当該連続生産についてレンズ加熱モデルを生成することより、当該連続生産全体にわたって通常の放射ビーム収差測定を実行することの方が、時間がかかることになる。レンズ加熱モデルに基づいたフィードフォワード補正が必要とされるかどうかという判断は、レンズ加熱モデルを生成するために必要とされる時間を考慮に入れ得る。
[0072] 一実施形態において、フィードフォワード補正が必要とされないとコントローラが判断すると、基板ロットのサブセットを露光した後に放射ビーム収差測定が行われ、その後に放射ビーム収差測定の結果を用いる投影システムの調整が続き得る。その後、ロットの更なるサブセットが露光される。一実施形態において、新たなパターニングデバイスMAに対して新たなレンズ加熱モデルを生成する代わりに、既存のレンズ加熱モデルが用いられ得る。既存の加熱レンズモデルは、同一のリソグラフィ装置を用いて、例えば、同一の照明モード、同一のフィールドサイズ、および同一の層数(すなわち、基板上にすでに露光されている層の数)ですでに生成されているレンズ加熱モデルとすることができる。例えば、ファウンドリ(foundry)において、リソグラフィ装置を用いてパターンを結像する特定の方法が用いられ得る。この特定の結像方法は、さまざまな異なるパターンを有するパターニングデバイスに対して用いられ得る。例えば、同一の光近接効果補正フィーチャが用いられてよく、同一の照明モードまたは同様の照明モードが用いられてよく、同一のフィールドサイズが用いられてよい。さらに、ファウンドリにおいて、同一の層数を用いて異なるデバイスを形成し得る。場合により、所与のパターニングデバイスMAに対する所与のリソグラフィ装置についてすでに生成されているレンズ加熱モデルが、異なるパターニングデバイスを使用して当該リソグラフィ装置を用いて基板を露光する際に用いられてよい。コントローラCTは、既存のレンズ加熱モデルがフィードフォワード補正のために用いられ得るかどうかを判断するように構成され得る。この判断において、コントローラCTは、既存のレンズ加熱モデルが同一リソグラフィ装置上で生成されたかどうかを考慮に入れ得る。それに加えて、または、その代わりに、コントローラCTは、基板にパターン形成する方法と共通するプロセス条件を有する基板にパターン形成する第二の方法について既存のレンズ加熱モデルが生成されたかどうかを考慮に入れ得る。プロセス条件は、照明モード、フィールドサイズ、層数、およびパターニングデバイスのうちの1つ以上であり得る。それに加えて、または、その代わりに、既存のレンズ加熱モデルが用いられ得るかどうかを判断するために、他のプロセス条件が用いられてよい。
[0073] 一実施形態において、フィードフォワード補正が必要とされると判断すると、パターン形成された放射ビームを基板ロットのサブセット上に投影した後に、放射ビーム収差測定が行われ得る。パターン形成された放射ビームを基板ロットのさらなるサブセット上に投影する前に、放射ビーム収差測定の結果を用いて、投影システムを調整し得る。加えて、放射ビーム収差測定の結果を用いて、使用されているレンズ加熱モデルの精度を判断し得る。レンズ加熱モデルは、放射ビーム収差測定の結果を用いて更新され得る。精度が判断されるレンズ加熱モデルは、新たに生成されたレンズ加熱モデルであっても、基板にパターン形成する第二の方法について生成された既存のレンズ加熱モデルであってもよい。
[0074] 一実施形態において、放射ビーム収差測定は、放射ビームによって形成された露光スリットに沿って延在する一連の場所における投影放射ビームの測定を行うことを含み得る。
[0076] 本発明の本実施形態によって行われ得るプロセスフローが図4に概略的に示されている。図に示すとおり、新たなパターニングデバイスMAを用いて基板を露光すると判断すると、コントローラCT(図1を参照)、最初に、レンズ加熱モデルが当該パターニングデバイスについて先に生成されているかどうかを確認する。レンズ加熱モデルが当該パターニングデバイスMAについて実際に生成されている場合、このレンズ加熱モデルは、当該パターニングデバイスとともに基板の露光中に用いられる。レンズ加熱モデルが当該パターニングデバイスMAについて先に生成されていない場合、異なるパターニングデバイスについて先に生成されたレンズ加熱モデルが用いられ得る。コントローラCTは、(例えば、以下にさらに説明する基準を用いて)適切なレンズ加熱モデルが利用可能であるかどうかを確認する。適切なレンズ加熱モデルが利用可能である場合、このレンズ加熱モデルを用いる。適切なレンズ加熱モデルが利用可能でない場合、新たなレンズ加熱モデルを生成する。そして、基板の露光中に新たなレンズ加熱モデルを用いる。
[0077] 適切なレンズ加熱モデルの識別は、例えば、先に生成されたレンズ加熱モデルに対してユーザによって記録された識別子に基づき得る。レンズ加熱モデルに対する識別子は、例えば、当該レンズ加熱モデルが生成された時の照明モード、フィールドサイズ、および層数に基づき得る。従って、新たなパターニングデバイスMAが使用される場合、異なるパターニングデバイスを用いて生成されたものの同一の照明モード、フィールドサイズ、および層数についてのレンズ加熱モデルが、当該新たなパターニングデバイスとの併用のために選択され得る。
[0078] 別の手法において、レンズ加熱モデルに対して、当該レンズ加熱モデルが生成されたときに適用された特性を異なる文字が示す文字列が割り当てられ得る。例えば、第1文字は照明モードを示し、第2文字はフィールドサイズを示し、第3文字は層数を示し得る。列の残りの文字は、レンズ加熱モデルを生成する際に用いられたパターニングデバイスMAを識別し得る。パターニングデバイスMAに対するレンズ加熱モデルを探す際、当該レンズ加熱モデルが存在する場合、当該パターニングデバイスについて先に生成されたレンズ加熱モデルを、当該レンズ加熱モデルが存在する場合に見つけるために、コントローラCTは、最初に、パターニングデバイスを識別する文字を含む、文字列のすべての文字を用い得る。当該レンズ加熱モデルが存在しない場合、コントローラCTは、パターニングデバイス識別文字をワイルドカードと置き換えることによってレンズ加熱モデルを探すことで、(例えば、正確な照明モード、フィールドサイズ、および層数を有する)適切なレンズ加熱モデルを見つける。そして、このレンズ加熱モデルは、パターニングデバイスを用いて基板を露光する際に用いられ得る。
[0079] 適切なレンズ加熱モデルの選択は、パターニングデバイスMAを用いて露光を行うリソグラフィ装置を用いて先に生成されているレンズ加熱モデルからの選択に限定され得る。あるいは、適切なレンズ加熱モデルの選択は、他のリソグラフィ装置(例えば、同一のデザインの投影システムPLを有するリソグラフィ装置に限定される)を用いて先に生成されているレンズ加熱モデルを含むように拡張されてよい。他のリソグラフィ装置を用いて先に生成されているモデルからのレンズ加熱モデルの選択は、比較的小さい収差が見られるモデルに限定され得る。比較的大きい収差が予想される場合、レンズ加熱モデルの選択は、同一のリソグラフィ装置を用いて先に生成されているモデルに限定され得る。というのは、そのような場合において、(モデルが別のリソグラフィ装置を用いて生成される場合に見られ得る)モデル化された収差と実際の収差の小さい差が、基板露光中に投影されたパターンの精度に大きな影響を与える可能性があるからである。
[0080] 一実施形態において、ロット内放射ビーム収差測定および調整は、適切なレンズ加熱モデル(すなわち、露光のために用いられているパターニングデバイスMAを用いて生成されなかったレンズ加熱モデル)が基板ロットの露光中に用いられている場合に行われ得る。用いられているレンズ加熱モデルは、露光のために用いられているパターニングデバイスMAを用いてレンズ加熱モデルが生成された場合と比較して精度が低くなる。従って、基板ロットの一部の露光後に(10枚の基板の露光後に)放射ビーム収差測定および調整を行うことによって、ロットの後の基板上にパターンが投影される精度の大幅な向上がもたらされ得る。ロット内放射ビーム収差測定および調整(ならびにロット内放射ビーム測定および調整)の結果を用いて、使用されているレンズ加熱モデルの精度を判断し得る。
[0081] ロット内放射ビーム収差測定および調整(およびロット間放射ビーム測定および調整)の結果を用いて、使用されているレンズ加熱モデルの精度を判断し得る。
[0082] アライメント、焦点および縮小測定、ならびに放射ビーム収差測定(加えて、結果として生じるリソグラフィ装置の調整)は、フィードバックの例と見なされ得る。レンズ加熱モデル(加えて、結果として生じるリソグラフィ装置の調整)は、フィードフォワード補正の例と見なされ得る。
[0083] 当然ながら、本発明の態様は、適切なハードウェアおよび/またはソフトウェアを介することを含むあらゆる便利な方法で実施することができる。例えば、本発明を実施するように設けられたデバイスは、適切なハードウェアコンポーネントを用いて作成され得る。あるいは、本発明の実施形態を実施するためにプログラマブルデバイスがプログラムされ得る。従って、本発明によって、本発明の態様を実施するための適切なコンピュータプログラムが提供される。そのようなコンピュータプログラムは、有形のキャリア媒体(例えば、ハードディスク、CD−ROMなど)および通信信号などの無形のキャリア媒体を含む適切なキャリア媒体で送ることができる
[0084] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。上記の説明は、本発明を制限することを意図しているのではない。
[0085] 発明の概要および要約の項目は、発明者が想定するような本発明の1つ以上の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、従って本発明および請求の範囲をいかなる意味でも制限しないものとする。
[0086] 本発明を、複数の特定の機能の実施およびそれらの関係を示す機能構成ブロックを用いて説明してきた。これらの機能構成ブロックの境界は、説明の都合上、本明細書において任意に定義されている。これら特定の機能やそれらの関係が適切に実現される限り、別の境界を定義することができる。
[0087] 特定の実施形態に関する前述の説明は、本発明の全般的な特徴をすべて示すものであり、従って当業者の知識を適用すれば、過度の実験を行わなくとも、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態などのさまざまな用途に対して容易に変更および/または改変を行うことができる。従って、そのような改変や変更は、本明細書で提示した教示ならびに説明に基づき、開示した実施形態の等価物の趣旨および範囲内に収まるものとする。なお、当然ながら、ここで用いた語法や用語は説明のためであって限定を意図するものではなく、本明細書の用語または語法は、上記教示や説明を考慮しながら当業者が解釈すべきものである。
[0088] 本発明の範囲は上述の例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきでなく、添付の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ規定されるべきである。

Claims (17)

  1. リソグラフィ装置を用いて基板にパターン形成する方法であって、
    照明システムを用いて放射ビームを供給することと、
    パターニングデバイスを用いて前記放射ビームの断面にパターンを与えることと、
    投影システムを用いて前記パターン形成された放射ビームを基板ロットのターゲット部分上に投影することと、
    コントローラを用いて、前記基板ロットの露光中に前記投影システムを調整するためのレンズ加熱モデルに基づいたフィードフォワード補正が必要とされるかどうかを判断することと、
    を含む、方法。
  2. レンズ加熱モデルに基づいたフィードフォワード補正が必要とされるかどうかという前記判断は、露光される後続のロットの数を考慮に入れる、請求項1に記載の方法。
  3. レンズ加熱モデルに基づいたフィードフォワード補正が必要とされるかどうかという前記判断は、該レンズ加熱モデルを生成するために必要とされる時間を考慮に入れる、請求項1または2に記載の方法。
  4. フィードフォワード補正を必要としないと前記コントローラが判断する場合、前記パターン形成された放射ビームを前記基板ロットのサブセット上に投影した後に放射ビーム収差測定を行うことと、前記放射ビーム収差測定の結果を用いて前記投影システムの調整を行うことと、その後、前記パターン形成された放射ビームを前記基板ロットのさらなるサブセット上に投影することと、をさらに含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記フィードフォワード補正を必要とすると前記コントローラが判断する場合、既存のレンズ加熱モデルが該フィードフォワード補正のために用いられ得るかどうかを判断することをさらに含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 既存のレンズ加熱モデルが用いられ得るかどうかという前記判断は、該既存のレンズ加熱モデルが(i)同一のリソグラフィ装置上に生成されているかどうか、および/または(ii)基板にパターン形成する該方法と共通するプロセス条件を有する基板にパターン形成する第二の方法について生成されているかどうかを考慮に入れる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記プロセス条件は、照明モード、フィールドサイズ、層数、および前記パターニングデバイスのうちの1つである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記パターン形成された放射ビームを前記基板ロットのサブセット上に投影した後に放射ビーム収差測定を行うことと、前記放射ビーム収差測定の結果を用いて前記投影システムの調整を行うことと、その後、前記パターン形成された放射ビームを前記基板ロットのさらなるサブセット上に投影することと、をさらに含む、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記放射ビーム収差測定の結果を用いて、使用されている前記レンズ加熱モデルの精度を判断することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記放射ビーム収差測定は、前記放射ビームによって形成された露光スリットに沿って延在する一連の場所における前記投影された放射ビームの測定を行うことを含む、請求項8または9に記載の方法。
  11. リソグラフィ装置を用いて基板にパターン形成する方法であって、
    照明システムを用いて放射ビームを供給することと、
    パターニングデバイスを用いて前記放射ビームの断面にパターンを与えることと、
    投影システムを用いて前記パターン形成された放射ビームを複数の基板ロットのターゲット部分上に投影することと、を含み、
    該方法は、前記パターン形成された放射ビームが基板ロット上に投影された後に、放射ビーム収差測定および該放射ビーム収差測定の結果を用いた前記投影システムの調整が必要とされるかどうかを判断することと、そしてその後、該放射ビーム収差測定および調整が必要とされないと判断された場合、該放射ビーム収差測定および調整を行わずに前記パターン形成された放射ビームを次の基板ロット上に投影することと、をさらに含む、方法。
  12. 放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかという前記判断は、先行の放射ビーム収差測定および調整以来の経過時間を考慮に入れる、請求項11に記載の方法。
  13. 放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかという前記判断は、前記先行の放射ビーム収差測定および調整以来、前記放射ビームの照明モードが変化したかどうかを考慮に入れる、請求項11または12に記載の方法。
  14. 放射ビーム収差測定および調整が必要とされるかどうかという前記判断は、前記先行の放射ビーム収差測定および調整以来、前記放射ビームの偏光が変化したかどうかを考慮に入れる、請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
  15. リソグラフィ装置であって、
    放射ビームを供給する照明システムと、
    前記放射ビームの断面にパターンを与える役目を果たすパターニングデバイスを支持するサポート構造と、
    基板を保持する基板テーブルと、
    前記パターン形成された放射ビームを前記基板のターゲット部分上に投影する投影システムと、を備え、
    該リソグラフィ装置は、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法に従ってリソグラフィ装置を動作させるように構成されたコントローラをさらに備える、リソグラフィ装置。
  16. コントローラに請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法を実行させる機械読取可能命令を備えるプログラム。
  17. 請求項16に記載のプログラムを保持する機械読取可能媒体。
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