JP2018115752A - オイルリング - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させる。【解決手段】ピストン4の外周面に凹状に設けられたオイルリング溝8に取り付けられるオイルリング13であって、板状の環形に形成された上サイドレール16及び下サイドレール17と、上サイドレール16及び下サイドレール17の間に配置されたエキスパンダ18とを備え、下サイドレール17の外周面17Cは、軸方向に対して第1の傾斜角θ1を有して軸方向下方に向かって径方向内側に傾斜する下部テーパ面17Caを含み、下サイドレール17は、ピストン4の下降時に、軸方向に直交する面に対して所定の揺動角θ4を有して径方向外方に向かって軸方向上側に傾斜し、第1の傾斜角θ1は、揺動角θ4よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、ピストンのオイルリングに関し、詳細には上下一対のサイドレールとエキスパンダとを有する3ピースの組合せオイルリングに関する。
レシプロ内燃機関のピストンに装着されるオイルリングにおいて、上下一対のサイドレールと、両サイドレールの間に介装されるスペーサエキスパンダとからなる3ピースの組合せオイルリングが普及している。このようなオイルリングには、燃焼室への潤滑油の侵入を防止すると共に、シリンダ壁面に適切な厚みの油膜を形成するオイル制御機能が要求されている。
従来の3ピースの組合せオイルリングに関し、例えば、スペーサエキスパンダが、上側及び下側サイドレールを外方に押圧する上側耳部及び下側耳部を備え、上側サイドレールの軸方向幅を0.3〜0.6mmとし、下側サイドレールの軸方向幅を上側サイドレール軸方向幅より厚く(0.6〜0.8mm)したものが知られている(例えば、特許文献1)。
特開2003−49705号公報
近年、この種のオイルリングでは、オイル消費量の低減及び燃費改善を両立させる観点から、必要なオイル制御機能を達成しつつ、摩擦抵抗を低減することが求められている。しかしながら、上記従来技術のように上下のサイドレールの軸方向幅を調整する技術では、両サイドレールの剛性の差が大きくなるため、スペーサエキスパンダから両サイドレールに付与される張力のばらつきが大きくなり、必要なオイル制御機能を達成できない場合がある。
本発明は、以上の背景を鑑み、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、ピストン(4)の外周面に凹状に設けられたオイルリング溝(8)に取り付けられるオイルリング(13)であって、板状の環形に形成された上サイドレール(16)及び下サイドレール(17)と、前記上サイドレール及び前記下サイドレールの間に配置されたエキスパンダ(18)とを備え、前記下サイドレールの外周面(17C)は、軸方向に対して第1の傾斜角(θ1)を有して軸方向下方に向かって径方向内側に傾斜する下部テーパ面(17Ca)を含み、前記下サイドレールは、前記ピストンの下降時に、軸方向に直交する面に対して所定の揺動角(θ4)を有して径方向外方に向かって軸方向上側に傾斜し、前記第1の傾斜角は、前記揺動角よりも大きいことを特徴とする。
この態様によれば、下サイドレールの外周面における下部テーパ面の軸方向に対する傾斜角をピストンの下降時の揺動角よりも大きく設定したため、ピストンの下降時にシリンダの壁面に対する下部テーパ面の角度(油膜が形成される隙間)を適切に保持することができる。その結果、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることが可能となる。
また、上記の態様において、前記第1の傾斜角は、3.5°以上かつ5.5°以下であるとよい。
この態様によれば、下サイドレールの外周面の加工精度を考慮して第1の傾斜角を設定することにより、ピストンの下降時におけるシリンダの壁面に対す下部テーパ面の角度を安定的に実現することが可能となる。
また、上記の態様において、前記第1の傾斜角は、4.5°であるとよい。
この態様によれば、下部テーパ面の第1の傾斜角を4.5°に設定することにより、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることがより確実に達成される。
また、上記の態様において、前記揺動角は、1.5°以上かつ3.5°以下であるとよい。
この態様によれば、ピストンの下降時における下サイドレールの揺動角を適切に設定することにより、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることがより確実に達成される。
また、上記の態様において、前記下サイドレールの外周面は、軸方向に対して第2の傾斜角を有して軸方向上方に向かって径方向内側に傾斜する上部テーパ面を有し、前記第1の傾斜角は、前記第2の傾斜角よりも大きいとよい。
この態様によれば、ピストンの上昇時における下サイドレールの揺動角が略ゼロとなることを考慮し、下サイドレールの外周面における上部テーパ面の軸方向に対する第2の傾斜角を下部テーパ面の第1の傾斜角よりも小さく設定することにより、ピストンの上昇時にシリンダの壁面に対する上部テーパ面の角度を適切に保持することができる。その結果、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることが可能となる。
また、上記の態様において、前記第2の傾斜角は、1°以上かつ3°以下であるとよい。
この態様によれば、上サイドレールの外周面の加工精度を考慮して第2の傾斜角を設定することにより、ピストンの上昇時におけるシリンダの壁面に対す上部テーパ面の角度を安定的に実現することが可能となる。
また、上記の態様において、前記第2の傾斜角は、1°であるとよい。
この態様によれば、上部テーパ面の第2の傾斜角を適切に設定することにより、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることがより確実に達成される。
また、上記の態様において、前記上サイドレール及び前記下サイドレールは、互いの軸方向幅及び周方向幅がそれぞれ同一であるとよい。
この態様によれば、上サイドレール及び下サイドレールの剛性の差を低減して、両サイドレールの張力のばらつきを抑制することが可能となり、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることがより確実に達成される。
以上の構成によれば、オイルリングにおいて、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることができる。
本実施形態に係るオイルリングが装着されたピストンの要部断面図 本実施形態に係るオイルリングの横断面図 図2に示した下サイドレールの外周面形状の説明図 ピストンの上昇時におけるオイルリングの形態を示す断面図 ピストンの下降時におけるオイルリングの形態を示す断面図 図5中の下サイドレールの外周面付近を拡大して示す説明図 上テーパ角度と下サイドレールのフリクションの関係を示すグラフ 実施例と比較例とにおけるフリクションのシミュレーション結果を示すグラフ 比較例1に関する従来のバレル形状を示す図 比較例2に関する従来のテーパ形状を示す図
以下、図面を参照して、本発明に係るオイルリングの実施形態について説明する。
図1に示すように、内燃機関1のシリンダブロック2には、軸方向(図1中の上下方向)に沿って延びる断面円形のシリンダ3が形成されている。シリンダ3には、軸方向(図1の上下方向)に沿って往復動可能にピストン4が受容されている。シリンダ3の上端部とピストン4の上端部の冠面とは、協働して燃焼室(不図示)を形成する。ピストン4の外周部には、上側から順に、それぞれ周方向に延びて環状をなす第1リング溝6、第2リング溝7、第3リング溝8が形成されている。第1リング溝6には第1圧力リング11が装着され、第2リング溝7には第2圧力リング12が装着されている。第3リング溝8にはオイルリング13が装着されている。
第3リング溝8は、ピストン4の軸線を中心とした円周面に形成され、ピストン4の軸方向に所定の幅を有する底部8Aと、底部8Aの上端縁からピストン4の外周面に延びる円環状の上壁部8Bと、底部8Aの下端縁からピストン4の外周面に延びる円環状の下壁部8Cとを有する。上壁部8B及び下壁部8Cは、それぞれピストン4の軸方向に直交する平面に形成されている。これにより、横断面における第3リング溝8の内部スペースは、長方形に形成されている。ピストン4には、第3リング溝8の下壁部8C及び底部8Aからピストン4の裏面に延びるオイル排出通路14が形成されている。
内燃機関1が自動車用エンジンである場合、シリンダ3の直径は例えば68mm〜92mmの範囲内で設定することができ、また、ピストン4のストロークは例えば60mm〜100mmの範囲内で設定することができる。
図1及び図2に示すように、オイルリング13は、上サイドレール16と、下サイドレール17と、上サイドレール16及び下サイドレール17の間に介装されたエキスパンダ18(スペーサエキスパンダ)とを有する3ピースの組合せオイルリングである。
図2に示すように、エキスパンダ18は、公知のエキスパンダと同様に合口(不図示)を有して環状に形成された本体部18Aを有する。本体部18Aは、上方に向けて突出する上側突出部18Bと、下方に向けて突出する下側突出部18Cとを周方向に交互に有して波形に形成されている。また、本体部18Aは、その内周縁であって、上側突出部18Bに対応する部分に上側突出部18Bよりも更に上方に突出した上側耳部18Dを有し、下側突出部18Cに対応する部分に下側突出部18Cよりも更に下方に突出した下側耳部18Eを有する。
各サイドレール16、17は、それぞれ板状の環形に形成された部材であり、周方向における一部に公知のサイドレールと同様に合口(不図示)を有している。各サイドレール16、17は、それぞれ環形の中心軸方向(図2の上下方向)に対して直交する平面に形成された互いに平行な上端面16A、17A及び下端面16B、17Bと、軸線を中心とした外周面16C、17C及び内周面16D、17Dとを備えている。各サイドレール16、17は、外周面16C、17Cの形状を除き、他の部分が同一の形状に形成されている。
また、上サイドレール16、下サイドレール17、及びエキスパンダ18は、それぞれの中心軸線が同軸となるように互いに組合されている。上サイドレール16は、下端面16Bにおいて複数の上側突出部18Bの上端に当接し、内周面16Dにおいて複数の上側耳部18Dの外側面に当接する。下サイドレール17は、上端面17Aにおいて複数の下側突出部18Cの下端に当接し、内周面17Dにおいて複数の下側耳部18Eの外側面に当接する。図2に示すように、各サイドレール16、17の各上端面16A、17Aが互いに平行になり、オイルリング13の上下幅(上サイドレール16の上端面16Aと下サイドレール17の下端面17Bとの距離)が最小となるときの状態を、オイルリング13の初期状態とする。
また、上サイドレール16の上端面16Aが上壁部8Bに対向し、下サイドレール17の下端面17Bが下壁部8Cに対向するように、オイルリング13は第3リング溝8に装着されている。エキスパンダ18は、径が広がる方向に張力を有しており、上側耳部18Dにおいて上サイドレール16の内周面16Dを径方向外方に押圧し、下側耳部18Eにおいて下サイドレール17の内周面17Dを径方向外方に押圧する。すなわち、エキスパンダ18は各サイドレール16、17を径方向外方に向けて付勢する。エキスパンダ18に付勢された各サイドレール16、17は、外周面16C、17Cにおいてシリンダ3の壁面3Aに当接する。この状態で、各サイドレール16、17及びエキスパンダ18の軸線は、シリンダ3の軸線及びピストン4の軸線と同軸に配置される。
オイルリング13の初期状態における上下幅は第3リング溝8の上下幅よりも小さく設定されており、第3リング溝8にオイルリング13が装着された状態で、第3リング溝8とオイルリング13との間には上下方向に所定の隙間20(クリアランス)が形成される。隙間20によって、各サイドレール16、17のそれぞれは、変形して、内周側に対して外周側が上方又は下方に位置するように傾斜することができる。
図3に示す横断面において、下サイドレール17の外周面17Cは、軸方向(図3の上下方向)に対して第1の傾斜角θ1を有して軸方向下方に向かって径方向内側に傾斜する下部テーパ面17Caと、軸方向に対して第2の傾斜角θ2を有して軸方向上方に向かって径方向内側に傾斜する上部テーパ面17Cbとを含む。
第1の傾斜角θ1は、下サイドレール17の外周面17Cの加工精度を考慮して3.5°以上かつ5.5°以下とし、より好ましくは、4.5°とするとよい。これにより、後に詳述するように、ピストン4の下降時におけるシリンダ3の壁面に対す下部テーパ面17Caの角度を適切に保持し、オイルリング13において、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることが可能となる。
第2の傾斜角θ2は、上サイドレール16の外周面16Cの加工精度を考慮して1°以上かつ3°以下とし、より好ましくは、1°とするとよい。これにより、後に詳述するように、ピストン4の上昇時におけるシリンダ3の壁面に対す上部テーパ面17Cbの角度を適切に保持し、オイルリング13において、オイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させることが可能となる。
下サイドレール17の軸方向幅及び周方向幅は、上サイドレール16の軸方向幅及び周方向幅とそれぞれ略同一となるように設定するとよい。これにより、上サイドレール16及び下サイドレール17の剛性の差が低減され(好ましくはゼロとなり)、エキスパンダ18によって付与される両サイドレール16、17の張力のばらつきを抑制することが可能となる。
なお、下サイドレール17の外周面17Cにおいて、下部テーパ面17Caの下方側及び上部テーパ面17Cbの上方側の他の領域は、それぞれ下端面17B及び上端面17Aに接続される曲面として形成することができる。
また、下部テーパ面17Caの上端縁及び上部テーパ面17Cbの下端縁が接続される境界部30は、外周面17Cの上下方向幅(軸方向高さ)の中間位置にある。したがって、下部テーパ面17Ca及び上部テーパ面17Cbの軸方向幅は、略同一に設定されているが、これに限らずそれぞれの軸方向幅を変更する(境界部30の位置を変更する)ことが可能である。境界部30には、下部テーパ面17Caと上部テーパ面17Cbとの稜線が形成される。ただし、下サイドレール17の外周面17Cを加工する便宜上、境界部30が所定の曲率を有する微少な円弧面または曲面からなる構成も可能である。
図4に示すように、ピストン4がシリンダ3内を上死点に向けて上昇するとき、ピストン4の外周面16C、17Cとシリンダ3の壁面3Aとの間に摺動抵抗により下方に押される。これにより、下サイドレール17は、下端面17Bにおいて下壁部8Cと面接触し、下サイドレール17の上端面17A及び下端面17Bが、シリンダ3(ピストン4)の軸線と直交する面と平行な水平状態になる。エキスパンダ18は、上サイドレール16によって下方に押されることによって、各下側突出部18Cにおいて下サイドレール17の上端面17Aと接触する位置に配置される。上サイドレール16は、エキスパンダ18と上壁部8Bとの間に形成される隙間20によって、外周側が内周側に対して下方に位置するように傾動する。このとき、上サイドレール16の下端面16Bがシリンダ3(ピストン4)の軸方向と直交する面に対して揺動角θ3をもって傾動する。
このとき、水平状態にある下サイドレール17(図3を併せて参照)における外周面17Cの上部テーパ面17Cbとシリンダ3の壁面3Aとの間には、上述のような第2の傾斜角θ2の設定により適切な隙間が確保され、くさび効果に基づく浮力により適度なオイル厚み(例えば、1μm前後)が確保される。これにより、シリンダ3の壁面3Aにおけるオイルが過度に掻き上げられることが回避され、オイル消費量が低減されると共に、摩擦抵抗が低減される。
図5に示すように、ピストン4がシリンダ3内を下死点に向けて下降するとき、各サイドレール16、17はオイルによって上方に押される。これにより、上サイドレール16は、上端面16Aにおいて上壁部8Bと面接触し、上サイドレール16の上端面16A及び下端面16Bがシリンダ3(ピストン4)の軸方向と直交する面と平行な水平状態になる。エキスパンダ18は、下サイドレール17によって上方に押されることによって、各上側突出部18Bにおいて上サイドレール16の下端面16Bと接触する位置に配置される。下サイドレール17は、エキスパンダ18と下壁部8Cとの間に形成される隙間20によって、外周側が内周側に対して上方に位置するように傾動する。このとき、下サイドレール17の下端面17Bがシリンダ3(ピストン4)の軸線と直交する面に対して揺動角θ4をもって傾動する。
揺動角θ4は、下サイドレール17の第1の傾斜角θ1よりも小さく設定され、1.5°以上かつ3.5°以下とするとよい。また、オイルリング13のオイル制御機能を損なうことなく摩擦抵抗を低減させる観点から、第1の傾斜角θ1と揺動角θ4との差を1°以上かつ2°以下とし、より好ましくは1°とするとよい。
より詳細には、図6に示すように、傾動した下サイドレール17における外周面17Cの下部テーパ面17Caは、シリンダ3の壁面3Aに対して軸方向下方に向かって第3の傾斜角θ5をもって傾斜する。この第3の傾斜角θ5は、第1の傾斜角θ1と揺動角θ4との差(θ1−θ4)に相当するため、上述のような第1の傾斜角θ1及び揺動角θ4の設定により適切な隙間が確保され、くさび効果に基づく浮力により適度なオイル厚み(例えば、1μm前後)が確保される。これにより、シリンダ3の壁面3Aにおけるオイルが過度に掻き下げられることが回避され、摩擦抵抗が低減される。この場合、シリンダ3の壁面3Aに対して摺動する上サイドレール16によって必要な量のオイルの掻き下げが行われるため、オイル消費量が大きく増大する(すなわち、オイル制御機能を損なう)ことはない。
このような下サイドレール17の構成により、図7に示すように、下部テーパ面17Caの第1の傾斜角θ1を3.5°、4.5°、5.5°とし、第2の傾斜角θ2を1°以上かつ3°以下とした場合に、フリクション(W)を低い範囲に保持することが可能となる。
上述の本実施形態に係る下サイドレール17によるフリクションの低減効果を確認するために、オイルリング13の張力を11N、油温80℃、B×S(ボア内径、ピストンストローク)を81mm×90mm、エンジン回転数を1500rpm、境界摩擦計数を0.07、油温85℃時のHTHS粘度を6.8×10−3Pa・S、合成面粗さσを0.18μmとしてシミュレーションを実施した。
図8に示すように、比較例1(従来のバレル形状)及び比較例2(従来のテーパ形状)の下サイドレールのフリクションに対し、本実施例による下サイドレール17のフリクションは大きく低下している。
なお、比較例1は、図9に示す従来のバレル形状を有する下サイドレールであり、比較例2は、図10に示す従来の上部のみにテーパ形状(テーパ角度θ6=0.2°)を有する下サイドレールである。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。なお、上述の本発明に係る実施形態の説明に用いた方向を示す用語(例えば、「上」、「下」)は該当する方向を厳密に示すものではなく、それらの方向は、内燃機関におけるピストン及びシリンダの実用的な配置(すなわち、ピストンまたはシリンダの軸方向の変化)によって適宜変化し得る。
1 :内燃機関
3 :シリンダ
3A :壁面
4 :ピストン
8 :第3リング溝(オイルリング溝)
8A :底部
8B :上壁部
8C :下壁部
13 :オイルリング
16 :上サイドレール
17 :下サイドレール
16A、17A :上端面
16B、17B :下端面
16C、17C :外周面
17Ca:下部テーパ面
17Cb:上部テーパ面
16D、17D :内周面
18 :エキスパンダ
20 :隙間
θ1 :第1の傾斜角
θ2 :第2の傾斜角
θ4 :傾動角
θ5 :第3の傾斜角
θ6 :テーパ角度

Claims (8)

  1. ピストンの外周面に凹状に設けられたオイルリング溝に取り付けられるオイルリングであって、
    板状の環形に形成された上サイドレール及び下サイドレールと、
    前記上サイドレール及び前記下サイドレールの間に配置されたエキスパンダとを備え、
    前記下サイドレールの外周面は、軸方向に対して第1の傾斜角を有して軸方向下方に向かって径方向内側に傾斜する下部テーパ面を含み、
    前記下サイドレールは、前記ピストンの下降時に、軸方向に直交する面に対して所定の揺動角を有して径方向外方に向かって軸方向上側に傾斜し、
    前記第1の傾斜角は、前記揺動角よりも大きいことを特徴とするオイルリング。
  2. 前記第1の傾斜角は、3.5°以上かつ5.5°以下であることを特徴とする請求項1に記載のオイルリング。
  3. 前記第1の傾斜角は、4.5°であることを特徴とする請求項2に記載のオイルリング。
  4. 前記揺動角は、1.5°以上かつ3.5°以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のオイルリング。
  5. 前記下サイドレールの外周面は、軸方向に対して第2の傾斜角を有して軸方向上方に向かって径方向内側に傾斜する上部テーパ面を有し、
    前記第1の傾斜角は、前記第2の傾斜角よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のオイルリング。
  6. 前記第2の傾斜角は、1°以上かつ3°以下であることを特徴とする請求項5に記載のオイルリング。
  7. 前記第2の傾斜角は、1°であることを特徴とする請求項6に記載のオイルリング。
  8. 前記上サイドレール及び前記下サイドレールは、互いの軸方向幅及び周方向幅がそれぞれ同一であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のオイルリング。
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