JP2018115300A - 活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物及び防錆コーティング層形成方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物及び防錆コーティング層形成方法 Download PDF

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貴博 張
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Abstract

【課題】 金属基材等の被塗物に対して、密着性及び防錆性能に優れたコーティング層を活性エネルギー線硬化により形成することができる、活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を提供すること。【解決手段】 両末端にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂及び前記ビスフェノール型エポキシ樹脂の少なくとも1末端のエポキシ基を飽和炭化水素基に修飾したビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体からなる群から選択される少なくとも1種(A);(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B);(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C);及び、光重合開始剤(D);を含む、活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物であって、成分(A)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して10〜60質量%の範囲内であり、成分(B)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して20質量%以上である、活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば金属基材等の被塗物に、紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化し、防錆コーティング層を形成することができる、活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物に関する。
鋼板等の金属基材は、空気中に曝露すると錆が発生する。そのため、金属基材の表面に対して防錆塗料組成物を塗装して、錆の発生を防止することが一般的に行われている。
金属基材に対する防錆塗料組成物として、電着塗料組成物、熱硬化型塗料組成物、常温硬化型塗料組成物等が一般的に用いられる。電着塗料組成物は、金属基材に対して優れた防錆性を有する塗膜を設けることができる利点がある。その一方で、電着塗料組成物で満たした電着浴に被塗物を浸漬して、電圧を印加することにより電着塗膜を析出させ、次いで焼き付け硬化させる必要があるため、電着塗装のための大型で特別な塗装設備が必要であり、塗装設備費用が高額となる。
熱硬化型塗料組成物及び常温硬化型塗料組成物は、一般的な塗装設備において防錆塗膜を設けることができる利点がある。しかしながら、例えば常温硬化型塗料組成物は、塗膜が乾燥して防錆塗膜が得られるまでに、数時間〜数日の長時間を要するため、防錆塗膜の形成における生産効率が低いという課題がある。一方、熱硬化型塗料組成物は、加熱工程を経るため、常温硬化型塗料組成物と比較して、塗膜の形成における生産効率は改善されている。しかしながら熱硬化工程は、被塗物を加熱して塗膜を硬化させ、次いで被塗物を冷却する必要があるため、依然として塗膜の形成に長時間を要する。また、熱硬化工程は多くのエネルギーを消費するため、省エネルギー及び環境負荷軽減の点からも好ましくない。
生産効率の高い塗膜形成方法として、紫外線硬化塗料組成物を用いる塗膜形成方法が挙げられる。紫外線硬化塗料組成物は、短時間で硬化反応が進行するため、生産効率が高く、更に、省エネルギー及び環境負荷低減等の面においても利点がある。しかしながら紫外線硬化塗料組成物は、金属基材面に対して例えば防錆塗膜を設けるという目的では、一般的には用いられていない。これは、紫外線硬化塗料組成物は、塗装後の紫外線照射により、高速の連鎖反応で即時に反応して高架橋化・高分子化するため、硬化過程において塗膜収縮が短時間で生じ、基材に対して十分な塗膜密着性が得られない傾向があるためである。紫外線硬化塗料組成物の塗装における塗膜密着性の低下は、特に金属基材への塗装において顕著に発生する傾向がある。金属基材に対する塗膜密着性の低下は、金属基材の加工時において、塗膜のクラックの発生をもたらすことがある。また、塗膜密着性が低下することによって、防錆性能が劣ることとなり、更に、耐水性・耐油性等の塗膜物性も劣ることとなる。
特開2014−98088号公報(特許文献1)には、(成分A)エポキシ(メタ)アクリレートを10〜80重量%と、(成分B)芳香族基及び1個のエチレン性不飽和基を有する化合物を20〜90重量%と、任意に(成分C)2個以上のエチレン性不飽和基を有し、かつ成分A以外の化合物を0〜40重量%と、任意に(成分D)成分A〜C以外のエチレン性不飽和化合物を0〜30重量%と、を含有することを特徴とする、活性エネルギー線硬化型金属防蝕コーティング剤組成物について記載されている(請求項1)。特許文献1には、このコーティング剤組成物より得られるコーティング膜は、金属基材と十分に密着し、かつ長期にわたり耐酸性に優れていると記載されている。しかしながら、金属基材が例えば自動車部品等である場合は、より高度な耐久性及び防錆性を有する防錆性能が必要とされる。
特開2014−98088号公報
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、その目的とするところは、金属基材等の被塗物に対して、防錆性能に優れたコーティング層を活性エネルギー線硬化により形成することができる活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は下記態様を提供する。
[1]
両末端にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂及び上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の少なくとも1末端のエポキシ基を飽和炭化水素基に修飾したビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体からなる群から選択される少なくとも1種(A)、
(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)、
(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)及び
光重合開始剤(D)、
を含む活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物であって、
成分(A)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、10〜60質量%の範囲内であり、
成分(B)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、20質量%以上である、
活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
[2]
上記成分(A)の数平均分子量は、500〜30,000の範囲内である、上記活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
[3]
上記成分(A)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、10〜30質量%の範囲内であり、
上記成分(B)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、30〜80質量%の範囲内であり、
上記成分(C)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、5〜30質量%の範囲内である、
上記活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
[4]
上記成分(B)は、(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物を50〜100質量%含む、上記活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
[5]
被塗物に、上記活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を塗装する塗装工程及び、
塗装部に、50〜1,000mJ/cmの活性エネルギー線を照射して硬化させる、硬化工程、
を包含する、
防錆コーティング層形成方法。
[6]
上記被塗物が金属基材である、上記形成方法。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、活性エネルギー線硬化型であっても、例えば金属基材等の被塗物に対する良好な密着性を有するコーティング層を形成することができる。本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、金属基材に対して、優れた防錆性能を有するコーティング層を形成することができる。
活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、
両末端にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂及びこのビスフェノール型エポキシ樹脂の少なくとも1末端のエポキシ基を飽和炭化水素基に修飾したビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体からなる群から選択される少なくとも1種(A)、
(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)、
(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)及び
光重合開始剤(D)、
を含む。
本明細書においては、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂及びビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体からなる群から選択される少なくとも1種(A)を「エポキシ樹脂(A)」と簡易的に表記することもある。以下、各成分について記載する。
エポキシ樹脂(A)
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、両末端にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂及びこのビスフェノール型エポキシ樹脂の少なくとも1末端のエポキシ基を飽和炭化水素基に修飾したビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種(A)を含む。
両末端にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF及びビスフェノールADから選択される1種又はそれ以上と、エピクロルヒドリンとを公知の方法によって反応させることで合成することができる。上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるのが好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の少なくとも1末端のエポキシ基を飽和炭化水素基に修飾したビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体は、ビスフェノール型エポキシ樹脂の末端エポキシ基に対して、エポキシ基と反応する官能基及び飽和炭化水素基を有する化合物とを公知の方法によって反応させることで合成することができる。ビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体が有する飽和炭化水素基の例として、例えば、炭素数1〜20の飽和アルキル基、炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
炭素数1〜20の飽和アルキル基として、例えば、炭素数1〜20の直鎖状飽和アルキル基及び分枝状飽和アルキル基が挙げられる。これらの基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−メチルペンチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が挙げられる。炭素数3〜20の脂環式飽和炭化水素基の具体例として、例えば、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等が挙げられる。
本発明においては、上記エポキシ樹脂(A)を用いることによって、防錆性に優れたコーティング層が得られる。また、コーティング層の硬化時における収縮が緩和され、基材に対する密着性及び防錆性能が向上する利点がある。
本発明において、例えばエポキシ末端を(メタ)アクリレート変性されたエポキシ樹脂は、上記「エポキシ樹脂(A)」には該当しない。(メタ)アクリレート変性されたエポキシ樹脂は、反応性不飽和二重結合基を有している。上記エポキシ樹脂(A)の代わりに(メタ)アクリレート変性されたエポキシ樹脂を用いる場合は、基材に対して十分な密着性が得られないためである。
上記エポキシ樹脂(A)は、数平均分子量が500〜30,000であるのが好ましく、500〜20,000であるのがより好ましく、500〜7,000であるのが更に好ましく、1,000〜4,000であるのが特に好ましい。エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が上記範囲内であることによって、コーティング組成物によって得られるコーティング層の密着性及び防錆性が確保されるという利点がある。また、上記エポキシ樹脂(A)の数平均分子量が例えば500〜30,000であることによって、製造作業性、塗装作業性等のハンドリング性が良好となる等の利点もある。
なお、本明細書中において数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)によって測定したポリスチレン換算による値である。
本発明におけるエポキシ樹脂(A)として市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、エポトートYD−115、エポトートYD−011、エポトートYD−014、エポトートYD−019(いずれも、新日鉄住金化学社製);jER1001、jER1002、jER1003、jER1004、jER1009、jER1010(いずれも、三菱化学社製);EPICLON1050、EPICLON3050、EPICLONH M−091(いずれも、DIC社製)等を挙げることができる。また、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、jER4007P、jER4010P(いずれも、三菱化学社製)等を挙げることができる。本発明におけるエポキシ樹脂(A)として、ビスフェノールAとビスフェノールFとの共重合エポキシ樹脂を用いることもできる。このような共重合エポキシ樹脂として、例えば、EPICLON7070−50M(DIC社製)等を挙げることができる。また、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体の市販品として、例えば、アラキード9201N、アラキード9203N、アラキード9205、アラキード9208(いずれも、荒川化学社製)等を挙げることができる。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体は、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂中に含まれるグリシジル基の一部または全部を、例えば飽和脂肪酸、脂肪族アミン等で変性したビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体であってもよい。
本発明におけるエポキシ樹脂(A)として、ビスフェノール型エポキシ樹脂中に含まれる2級水酸基の一部を、例えばアミン、カプロラクトン、ウレタン、酸無水物等で変性した変性エポキシ樹脂を用いることもできる。
エポキシ樹脂(A)の含有量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して10〜60質量%であるのが好ましく、10〜50質量%であるのがより好ましく、10〜30質量%であるのが更に好ましい。なお、本明細書において「成分(A)、(B)及び(C)の総量」とは、有効成分総量を意味する。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、エポキシ樹脂(A)を含むことによって、得られる防錆コーティング層の防錆性能及び基材密着性が向上する。更に、本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物がエポキシ樹脂(A)を含むことによって、活性エネルギー線硬化によって得られる防錆コーティング層の膜物性が向上する。例えば、金属基材に防錆層を設けた際において、基材加工時に生じうるクラック発生等の不具合を有意に低減することができる。
(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)を含む。本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物が、(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)を含むことによって、活性エネルギー線硬化時の収縮度合いを制御することができ、基材に対する密着性が向上することとなる。
(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物の例としては、例えば、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の芳香族環又は複素環を有する(メタ)アクリレート;
イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート等の脂環基を有する(メタ)アクリレート;
エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルキルカルビトール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート;
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシポリアルキレングリコールの(メタ)アクリレート;及び、
グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ネオペンチルグリコールアクリル酸安息香酸エステル等が挙げられる。
なお、本明細書中において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及びメタクリレートを表す。
(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物の例としては、例えば、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート及びノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジオールのジ(メタ)アクリレート;
トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等の脂環族ジオールのジ(メタ)アクリレート;
イソシアヌル酸アルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート;
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート及びビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等のビスフェノール系化合物のアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等(ここでアルキレンオキサイド付加物の例としては、エチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、並びに、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる);
等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートモノマー、オリゴマー化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種又はそれ以上を併用してもよい。
より好ましく用いられる(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)としては、例えば、o−フェニルフェノールのエチレンオキシド変性アクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)における(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物、そして(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物の割合は、コーティング組成物の形態に応じて適宜選択することができる。
例えば成分(B)が、(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー化合物を50〜100質量%含むのが好ましい。また成分(B)において、(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物と(メタ)アクリロイル基を2つ有する化合物を併用することによって、コーティング層の硬度を確保しつつ、塗装作業性を向上することができる利点がある。
上記(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)として、市販品を用いてもよい。
(メタ)アクリロイル基を1つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物の市販品としては、例えば、アロニックスM−101A、M―106、M−110、M−113、M−120、M−140等(いずれも、東亞合成社製);β−CEA、IBOA−B、ODA−N、EBECRYL110、EBECRYL114等(いずれも、ダイセル・オルネクス社製);等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物の市販品としては、例えば、アロニックスM−208、M−211B、M−215、M−220、M−240等(いずれも、東亞合成社製);DPGDA、HDDA、TPGDA、EBECRYL145、EBECRYL150、IRR214−K、EBECRYL130、PEG400DA−D、EBECRYL11、HPNDA、EBECRYL210、EBECRYL230、EBECRYL280等(いずれも、ダイセル・オルネクス社製);等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)の含有量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して20質量%以上であるのが好ましく、30〜80質量%であるのがより好ましく、35〜70質量%であるのが更に好ましく、40〜70質量%であるのが特に好ましい。
(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)を含む。本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物が、(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)を含むことによって、活性エネルギー線硬化によって3次元架橋構造が強固に形成され、塗膜硬度等の物理的物性が確保されることとなる。
(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)の例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、及び、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのような水酸基含有ポリ(メタ)アクリレートとポリイソシアネートと反応物である多官能ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
より好ましく用いられる(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)としては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)として、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、アロニックスM−309、M−310、M−321、M−350、M−315、M−305、M−450、M−408、M−400、M−402、M−460等(いずれも、東亞合成社製);PETIA、PETRA、TMPTA、TMPEOTA、EBECRYL135、OTA480、EBECRYL40、EBECRYL140、EBECRYL1142、PETA、DPHA、EBECRYL1290、EBECRYL4265等(いずれも、ダイセル・オルネクス社製);等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)の含有量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して1〜30質量%であるのが好ましく、5〜30質量%であるのがより好ましく、5〜20質量%であるのが更に好ましい。
光重合開始剤(D)
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、光重合開始剤(D)を含む。光重合開始剤(D)が含まれることによって、紫外線等の活性エネルギー線照射に対するコーティング組成物の硬化性が向上することとなる。
光重合開始剤(D)として、具体的には、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤、オキシムエステル系重合開始剤等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
チタノセン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。
オキシムエステル系重合開始剤としては、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステル等が挙げられる。
更には、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、カンファーキノン等の水素引き抜き型開始剤を用いることもできる。
光重合開始剤(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種又はそれ以上を併用してもよい。
光重合開始剤(D)の有効成分含有量は、上記成分(A)〜(C)の樹脂固形分100質量部に対して1〜10質量部であるのが好ましく、3〜8質量部であるのがより好ましい。
その他の成分
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、上記成分(A)〜(C)及び(D)に加えて、添加剤等のその他の成分を、本発明における効果を阻害しない範囲内で含んでもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、光重合開始助剤、帯電防止剤、重合禁止剤、表面調整剤、潤滑剤、消泡剤、レベリング剤、顔料等、コーティング組成物の分野で一般的に用いられる添加剤等を挙げることができる。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、必要に応じて溶剤を含んでもよい。溶剤は特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテルアルコール系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、必要に応じて、着色顔料、体質顔料、防錆顔料等の顔料を含んでもよい。このような顔料としては、コーティング組成物の分野で一般的に用いられる無機顔料及び有機顔料を用いることができる。このような顔料の具体例としては、着色顔料としては、例えばアゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料及び黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機系着色顔料等;体質顔料としては、カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、マイカ及びクレー等の体質顔料;防錆顔料としては、例えば、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、トリポリリン酸アルミニウム、及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛等の防錆顔料;等が挙げられる。本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物はまた、必要に応じて、充填剤を含んでもよい。充填剤として、例えば、無機充填剤、有機充填剤が挙げられる。無機充填剤としては、上記体質顔料以外の無機充填剤、例えば、ガラス、シリカ、コロイダルシリカ、硫酸バリウム、アルミナ、ベントナイト等、が挙げられる。有機充填剤としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子、ポリ(スチレン/メタクリル酸メチル)共重合粒子、ポリエステル粒子、ポリカーボネート粒子、ポリイミド粒子、ポリウレタン粒子、ナイロン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、シリコーン粒子、ポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、ポリ塩化ビニリデン粒子、ベンゾグアナミン・ホルマリン縮合物粒子、メラミン・ホルマリン縮合物粒子等が挙げられる。これらの顔料そして充填剤は、1種を単独で用いてもよく、2種又はそれ以上を混合して用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、上記成分(A)〜(C)を含むことによって、金属基材等の被塗物に対して、防錆性能に優れたコーティング層を活性エネルギー線硬化により形成することができることを特徴とする。ここで、本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、例えばリン酸変性モノマー、リン酸変性オリゴマー等のリン酸基含有化合物を含まないのが好ましい。リン酸変性モノマー、リン酸変性オリゴマーは、樹脂成分中にリン酸基を導入することができる。リン酸基を樹脂成分に導入することによって、樹脂成分の金属材料に対する密着性を向上させることができる。その一方で、樹脂成分中にリン酸基が導入されることによって、コーティング層の親水性が高くなり、防錆性が低下するおそれがある。そのため、本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、リン酸変性モノマー、リン酸変性オリゴマー等を含まないのが好ましい。
活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物の調製
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、上記成分(A)、(B)、(C)及び(D)、その他の必要に応じた添加剤、顔料等を、コーティングの分野で一般的に用いられている方法により混合することによって調製することができる。本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物の調製において用いることができる混合機として、例えば、ローラーミル、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインドミル、ポットミル、ペイントシェーカー、ディスパー等の混合機等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物の塗装方法及び硬化方法
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を塗装する被塗物として、金属基材が挙げられる。金属基材の具体例としては、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等、及びこれらの金属を含む合金、鋳造及び鍛造物等が挙げられる。これらの金属基材は、例えば、建設機械、農業機械、重機、乗用車、トラック、オートバイ、バス等のエンジンブラケット、ブレーキパッド、ブレーキドラム、車軸、ロードホイール、その他の部品であってもよい。本発明における被塗物の好適な例として、例えば、鉄製部品等が挙げられる。
上記金属基材は、必要に応じて、予め脱脂又は化成処理して用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を被塗物に塗装する方法として、通常用いられる塗装方法を特に制限されることなく用いることができる。塗装方法として、例えば、エアスプレー、エアレススプレー、刷毛塗り、ディップコート、バーコート、ロールコート等の公知の塗装方法等が挙げられる。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物の塗装によって、被塗物上に形成されるコーティング層の厚さは、被塗物の種類及び用途等に応じて種々選択することができる。厚さとして、例えば1〜100μmの範囲等から適宜選択することができる。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、塗装後、50〜1,000mJ/cmの活性エネルギー線を照射させる活性エネルギー線硬化工程によって、硬化させることができる。上記活性エネルギー線硬化工程は、紫外線、電子線、エックス線、ガンマ線等の活性エネルギー線を照射することによって行うことができる。活性エネルギー線の照射は、例えば、ヒュージョンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、UV−LED等を用いて照射することができる。このような活性エネルギー線を照射して硬化させることによって、防錆コーティング層が形成される。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、活性エネルギー線硬化型であっても、金属基材に対する良好な密着性を有するコーティング層を形成することができる。本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、活性エネルギー線の照射によって硬化するため、短時間でコーティング層を設けることができる。これにより、硬化工程において省エネルギー化を図ることができ、また、CO排出量削減等の環境に対する負荷を軽減することができるという利点がある。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、「部」及び「%」は、ことわりのない限り、質量基準による。
実施例1
エポキシ樹脂(A)としてjER1004(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量1,650、三菱化学社製)20質量部、光重合開始剤(D)としてイルガキュア184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製)5質量部、成分(B)としてアロニックスM−220(トリプロピレングリコールジアクリレート、東亞合成社製)60質量部、成分(C)としてアロニックスM−309(トリメチロールプロパントリアクリレート、東亞合成社製)20質量部をディスパーで混合し、活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を得た。
得られた活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を、SPCC鋼板上に、バーコーターを用いて、膜厚30μmの未硬化のコーティング層を形成した。
次いで、得られた未硬化コーティング層に対して、高圧水銀灯(120W/cm)を用いて、紫外線を300mJ/cmのエネルギーとなるように照射することによって、塗膜を硬化させ、防錆コーティング層を得た。
実施例2〜9及び比較例1〜4
各成分の種類及び量を、下記表の通り変更したこと以外は、実施例1と同様にして活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を調製した。得られた活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を用いて、実施例1と同様にして防錆コーティング層を形成した。
上記実施例及び比較例で得られたコーティング組成物及び防錆コーティング層を用いて、下記の評価を行った。
基材密着性
得られた各試験片(塗装板)について、JIS K 5600−5−6(クロスカット法)に準拠し、以下の通り試験を行った。塗装板表面のコーティング層に、カッターナイフで素地に達する深さまで、2mm間隔で相互に直交するよう切り込みを入れ、直角の格子状に25マスの切り込みを入れた。続いて、その上にセロハンテープ(登録商標)を貼り付けた後、剥離し、25個のマス目のうち、残存したマス目の数を数え、以下の基準で評価した。
(残ったマス目の数/全マス目の数(25))
○:25/25
△:20/25〜24/25
×:19/25以下
鉛筆硬度
JIS K 5600−5−4の規定に従って、得られたコーティング層の鉛筆硬度試験を行い、傷あとが生じなかった最も硬い鉛筆の硬度を、得られたコーティング層の鉛筆硬度とした。
鉛筆硬度はB以上であるのが好ましく、F以上であるのがより好ましい。
防錆性
得られた試験片(塗装板)について、塩水噴霧試験(SST:温度35℃、湿度95%で5%塩化ナトリウム水溶液を連続噴霧)を実施し、下記基準に従って評価した。
◎:480時間を経過しても錆発生なし
○:240時間を超え480時間経過までに錆発生
△:120時間を超え240時間経過までに錆発生
×:120時間経過までに錆発生
Figure 2018115300
jER1004:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量1,650、三菱化学社製
jER1001:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量900、三菱化学社製
エポトートYD−115:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、数平均分子量400、新日鉄住金化学社製
アラキード9201N:ビスフェノールA型変性エポキシ樹脂、数平均分子量25,000、荒川化学社製(樹脂固形分濃度40%の樹脂溶液として販売、上記表中の配合量は有効成分量(樹脂成分量)として示す)
リポキシVR−77:ビスフェノールA型エポキシアクリレート、昭和電工社製
アロニックスM−220:トリプロピレングリコールジアクリレート、東亞合成社製
アロニックスM−106:o−フェニルフェノールEO変性アクリレート(アクリロイル基を1つ有するアクリレート)、東亞合成社製
アロニックスM−309:トリメチロールプロパントリアクリレート、東亞合成社製
アロニックスM−305:ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、東亞合成社製
イルガキュア184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製
ホスマーM:リン酸エチルメタアクリレート、ユニケミカル社製
実施例の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を用いて形成した防錆コーティング層は、いずれも、優れた防錆性能及び基材密着性を有していた。また、硬度も高いことが確認された。
比較例1の活性エネルギー線硬化コーティング組成物は、上記成分(A)を含まない組成物である。このコーティング組成物を用いて形成したコーティング層は、防錆性能そして基材密着性の両方が劣ることが確認された。
比較例2の活性エネルギー線硬化コーティング組成物は、上記成分(A)の代わりにリン酸変性モノマーを用いた組成物である。このコーティング組成物を用いて形成したコーティング層は、基材密着性は向上したものの、防錆性能が劣ることが確認された。
比較例3の活性エネルギー線硬化コーティング組成物は、上記成分(A)の代わりに、ビスフェノールA型エポキシアクリレートを用いた組成物である。このコーティング組成物を用いて形成したコーティング層は、防錆性能は有していたものの、基材密着性が劣ることが確認された。
比較例4の活性エネルギー線硬化コーティング組成物は、上記成分(A)の代わりに、ビスフェノールA型エポキシアクリレートを用いた組成物において、成分(B)の割合を変更した組成物である。このコーティング組成物を用いて形成したコーティング層は、基材密着性は有していたものの、硬度は低く、そして防錆性能が劣ることが確認された。
本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、活性エネルギー線硬化型であっても、金属基材に対する良好な密着性を有するコーティング層を形成することができる。本発明の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物は、金属基材に対して、優れた防錆性能を有する塗膜を、活性エネルギー線硬化により形成することができる。そのため、短時間でコーティング層を設けることができ、更に、硬化工程において省エネルギー化を図ることができ、また、環境に対する負荷を軽減することができるという利点がある。

Claims (6)

  1. 両末端にエポキシ基を有するビスフェノール型エポキシ樹脂及び前記ビスフェノール型エポキシ樹脂の少なくとも1末端のエポキシ基を飽和炭化水素基に修飾したビスフェノール型エポキシ樹脂誘導体からなる群から選択される少なくとも1種(A)、
    (メタ)アクリロイル基を1〜2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(B)、
    (メタ)アクリロイル基を3又はそれ以上有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物(C)及び
    光重合開始剤(D)、
    を含む活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物であって、
    成分(A)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、10〜60質量%の範囲内であり、
    成分(B)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、20質量%以上である、
    活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
  2. 前記成分(A)の数平均分子量は、500〜30,000の範囲内である、請求項1記載の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
  3. 前記成分(A)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、10〜30質量%の範囲内であり、
    前記成分(B)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、30〜80質量%の範囲内であり、
    前記成分(C)の量は、成分(A)、(B)及び(C)の総量に対して、5〜30質量%の範囲内である、
    請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
  4. 前記成分(B)は、(メタ)アクリロイル基を2つ有する(メタ)アクリレートモノマー及び/又はオリゴマー化合物を50〜100質量%含む、請求項1〜3いずれかに記載の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物。
  5. 被塗物に、請求項1〜4いずれかに記載の活性エネルギー線硬化防錆コーティング組成物を塗装する塗装工程及び、
    塗装部に、50〜1,000mJ/cmの活性エネルギー線を照射して硬化させる、硬化工程、
    を包含する、
    防錆コーティング層形成方法。
  6. 前記被塗物が金属基材である、請求項5記載の防錆コーティング層形成方法。
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