本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置は、エンジンルーム内に配置されたシャフトに回転力を付与する。電動パワーステアリング装置が車両に搭載された状態において、電動パワーステアリング装置の上下方向が定義される。電動パワーステアリング装置は、モータと、減速機と、ハウジングと、第1封止部材と、第2封止部材と、封止栓とを備える。モータは、シャフトの回転力を付与する。減速機は、モータの回転を回転速度を減少させた上でシャフトに付与する。ハウジングは、シャフトが上下方向に貫通し、モータ及び減速機を収容する内部空間を有する。第1封止部材は、ハウジングの上方の端部に設けられたシャフトを挿入するための開口部と、シャフトとの隙間を封止する。第2封止部材は、ハウジングの下方の端部に設けられたシャフトを挿入するための開口部と、シャフトとの隙間を封止する。封止栓は、気体を透過させ、液体を透過させない。ハウジングの下方の端部は、上面と下面とを含む。上面は、ハウジングの内部空間に面している。下面は、ハウジングの外部空間に面している。ハウジングは、上面と下面とを貫通し、下面において下方に開口する孔、を含む。封止栓が孔を塞いでいる(第1の構成)。
第1の構成によれば、ハウジングの下方の端部において、ハウジングの内部空間に面する上面と、ハウジングの外部空間に面している下面とを貫通する孔が形成される。この孔は、ハウジングの下方の端部の下面において、下方に開口しており、封止栓により塞がれている。水がこの孔に入り込んだ場合において、孔に入り込んだ水は、下方の開口から速やかに排出される。そのため、封止栓が水と長時間接触することを抑制することができ、この孔を通って水等の液体がハウジングの内部に浸入することを防ぐことができる。その結果、エンジンルーム内のステアリング装置にアシスト力を付与する電動パワーステアリング装置の防水性を向上させることができる。
第1の構成において、シャフトは、インターミディエイトシャフトである(第2の構成)。第2の構成によれば、インターミディエイトシャフトにアシスト力を付与することができる。
第1又は第2の構成において、電動パワーステアリング装置は、さらに、ブラケットを備える。ブラケットは、下方の端部における下面における孔の開口を覆う(第3の構成)。
第3の構成によれば、ブラケットは、孔における下方の開口を覆っているため、水等の液体が孔に直接入り込むことが抑制される。その結果、電動パワーステアリング装置の防水性を向上させることができる。
第1〜第3の構成のいずれかによれば、ハウジングは、ウォームハウジングと、エンドハウジングとを備える。ウォームハウジングは、減速機を構成するウォームを収容する。エンドハウジングは、ウォームハウジングの下方に隣接して配置され、ウォームハウジングの下方の端面を覆う。ウォームハウジングは、環状板部と、通気孔とを含む。環状板部は、下面がウォームハウジングの下方の端面を構成し、上面がウォームを収容する空間に面している。通気孔は、環状板部の上面と下面とを貫通する。エンドハウジングは、連続孔を含む。連続孔は、エンドハウジングの上方の端部と下方の端部とを貫通する。通気孔と連続孔とが連続して配置されることにより、孔が形成される(第4の構成)。
第4の構成によれば、ハウジングの組立てが完了した後に、孔を用いてハウジングのエアリークテストを行うことができる。その結果、エアリークテスト用の試験孔をハウジングに形成しなくてもよい。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態のうち、本発明を説明するために必要な主要部材を示したものである。従って、本発明は、以下の各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[電動パワーステアリング装置1の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1を搭載する車両は、ダッシュパネル2により車室2Aとエンジンルーム2Bとに区画される。図1では、ダッシュパネル2よりも上方の空間が車室2Aであり、ダッシュパネル2よりも下方の空間がエンジンルーム2Bである。
以下の説明において、単に「軸方向」と記載した場合、図1に示すインターミディエイトシャフト13の延びる方向を示すものとする。また、本実施の形態において、「上方」とは、ステアリングホイール11を、アシスト装置20から軸方向に見た方向である。本実施の形態における「下方」とは、ラック16を、アシスト装置20から軸方向に見た方向である。
また、「横方向」は、ラック16の延びる方向であり、電動パワーステアリング装置1を搭載する車両の左右方向に相当する。横方向一方は、図1において紙面右側の方向であり、電動パワーステアリング装置1を搭載する車両の運転席から前方を見た場合における右方向に相当する。横方向他方は、図1において紙面左側の方向であり、電動パワーステアリング装置1を搭載する車両の運転席から前方を見た場合における左方向に相当する。
電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール11と、ステアリングシャフト12と、インターミディエイトシャフト13と、ピニオン軸14と、ピニオン15と、ラック16と、タイロッド17,17と、アシスト装置20とを備える。
ステアリングシャフト12の上方の端部は、ステアリングホイール11に接続され、ステアリングシャフト12の下方の端部は、ユニバーサルジョイント25aによりインターミディエイトシャフト13の上方の端部と接続される。
インターミディエイトシャフト13の下方の端部は、ユニバーサルジョイント25bによりピニオン軸14の上方の端部と連結されている。
ピニオン軸14の下方の端部には、ピニオン15が接続される。ピニオン15は、車両の運転手によるステアリングホイール11の操作に連動して回転する。ラック16は、車両の横方向に延びており、ピニオン15に噛み合っている。
ピニオン軸14の回転運動は、ピニオン15及びラック16によって、ラック16の直線運動に変換される。つまり、ラック16は、ピニオン軸14の回転によって、車両の横方向に移動する。タイロッド17が、ラック16の横方向の移動に応じて車両の転蛇輪3を押し引きすることにより、車両の転舵が行われる。
アシスト装置20は、エンジンルーム2Bに配置され、車両の運転手により行われるステアリングホイール11の回転を補助するアシスト力をインターミディエイトシャフト13に付与する。アシスト装置20は、トルクセンサ21と、ECU(Electronic Control Unit)22と、モータ23と、減速機24とを備える。
トルクセンサ21は、インターミディエイトシャフト13において発生するトルクを検出する。ECU22は、トルクセンサ21により検出されたトルクと、図示しない車速センサにより検出された車両の速度とに応じた電流を、モータ23に供給する。モータ23は、ECU22から供給された電流に基づいて駆動し、トルクを発生させる。減速機24は、モータ23で発生したトルクを増幅してインターミディエイトシャフト13に付与する。減速機24は、具体的には、ウォーム24aとウォームホイール24bとを備えるウォーム減速材である。
ウォーム24aは、モータ23の回転軸とともに回転する。ウォームホイール24bは、ウォーム24aの回転に応じて回転する。ウォームホイール24bがインターミディエイトシャフト13に固定されているため、インターミディエイトシャフト13は、ウォームホイール24bとともに回転する。この結果、アシスト力がインターミディエイトシャフト13に付与される。
[アシスト装置20の構成]
(ハウジング30の構成)
図2は、図1に示すアシスト装置20の外観斜視図である。図2に示す中心軸線L1は、インターミディエイトシャフト13の中心軸である。中心軸線L2は、中心軸線L1とねじれの位置にあり、横方向(図1に示すラック16の延びる方向)に延びている。
図2に示すように、アシスト装置20は、さらに、ハウジング30と封止栓45とを備える。
インターミディエイトシャフト13が、ハウジング30を軸方向に貫通している。ハウジング30は、トルクセンサ21と、ECU22と、モータ23と、減速機24とを収容する。
図1に示すように、アシスト装置20は、エンジンルーム2Bに配置されている。エンジンルーム2Bには、車両の下方から水が入り込むことがあるため、図2に示すハウジング30に水がかかる虞がある。ハウジング30の内部に水等の液体が浸入した場合、ハウジング30に浸入した水が、ハウジング30に収容されているECU22及びモータ23に接触する場合がある。ハウジング30は、エンジンルーム2Bに入り込んだ水による影響を抑制するために、防水機能を有している。
ハウジング30は、モータハウジング31と、ウォームハウジング32と、エンドハウジング33とを備える。
図3は、図2に示すアシスト装置20のIII−III断面図である。つまり、図3は、図2に示すアシスト装置20をインターミディエイトシャフト13の中心軸線L1を通る平面で切断した断面図である。図3を参照して、ハウジング30は、さらに、センサハウジング34を備える。
図3に示すように、エンドハウジング33と、センサハウジング34と、ウォームハウジング32におけるウォームホイール収容部322とは、同軸上に配置される。つまり、エンドハウジング33、センサハウジング34及びウォームホイール収容部322の各々の中心軸は、インターミディエイトシャフト13の中心軸線L1に一致する。エンドハウジング33は、ウォームハウジング32の軸方向下方に隣接して配置される。センサハウジング34は、ウォームハウジング32の軸方向上方に隣接して配置される。図2に示すように、モータハウジング31は、ウォームハウジング32の横方向一方に隣接して配置される。
図3に示すように、封止栓45は、ウォームハウジング32及びエンドハウジング33を軸方向に貫通する孔40に挿入され、孔40を塞いでいる。孔40は、インターミディエイトシャフト13が挿入される孔とは別の孔である。封止栓45は、空気等の気体を透過させ、水等の液体を透過させない機能を有しているため、水等の液体が孔40を通ってハウジング30の外部からハウジング30の内部に浸入することを防ぐ。封止栓45及び孔40の詳細については、後述する。
(インターミディエイトシャフト13)
インターミディエイトシャフト13の構成について説明する。図3に示すように、インターミディエイトシャフト13は、入力軸131と、出力軸132と、トーションバー133とを備える。
入力軸131は、インターミディエイトシャフト13における軸方向上方の部位である。入力軸131の上方の端部は、図1に示すユニバーサルジョイント25aにより、ステアリングシャフト12と接続される。出力軸132は、インターミディエイトシャフト13における軸方向下方の部位である。出力軸132の下方の端部は、図1に示すユニバーサルジョイント25bによりピニオン軸14と接続される。トーションバー133は、入力軸131の下方の端部と、出力軸132の上方の端部とを接続する。
車両の運転手が図1に示すステアリングホイール11を操作した場合、図3に示すインターミディエイトシャフト13の入力軸131はステアリングシャフト12とともに回転する。インターミディエイトシャフト13の入力軸131の回転によって、トーションバー133では弾性ねじり変形が発生する。この結果、インターミディエイトシャフト13では、中心軸線L1周りの回転方向における相対変位が入力軸131と出力軸132との間で発生する。トルクセンサ21は、入力軸131と出力軸132との間で発生する相対変位に基づいて、インターミディエイトシャフト13において発生するトルクを検出する。
(モータハウジング31)
図2に示すように、モータハウジング31は、横方向に延びる筒形状である。つまり、モータハウジング31は、中心軸線L1とねじれの位置にある中心軸線L2の延びる方向に延びている。図2に示す例では、モータハウジング31の中心軸は、中心軸線L2に一致している。モータハウジング31は、図2に示されていないECU22及びモータ23を収容する。
モータハウジング31は、ウォームハウジング32の横方向一方の側面に隣接して配置される。モータハウジング31において、横方向他方の端部は開口しており、横方向一方の端部は閉じている。モータハウジング31における横方向他方の端部は、ボルト及びナットにより、ウォームハウジング32に形成されているフランジ323と接続される。
(ウォームハウジング32)
図2に示すように、ウォームハウジング32は、ウォーム収容部321と、ウォームホイール収容部322と、フランジ323とを備える。ウォーム収容部321と、ウォームホイール収容部322と、フランジ323とは、一体的に形成されている。
ウォーム収容部321は、横方向に延びる筒形状である。つまり、ウォーム収容部321は、中心軸線L2の延びる方向に延びている。図2に示す例では、ウォーム収容部321の中心軸は、中心軸線L2に一致している。ウォーム収容部321は、図2に示されていないウォーム24aを収容している。図2に示されていないが、ウォーム24aは、ウォーム収容部321内において、中心軸線L2の延びる方向に延びるように配置されており、モータハウジング31に収容されているモータ23の回転軸と接続されている。
図3に示すように、ウォームホイール収容部322は、軸方向に延びる筒形状である。つまり、ウォームホイール収容部322は、中心軸線L1の方向に延びている。ウォームホイール収容部322の中心軸は、中心軸線L1に一致している。ウォームホイール収容部322は、ウォームホイール24bを収容する。また、インターミディエイトシャフト13が、ウォームホイール収容部322を軸方向に貫通している。ウォームホイール24bは、中心軸線L1を中心に回転するように、インターミディエイトシャフト13の出力軸132に固定されている。
図2に示すように、フランジ323は、中心軸線L2の延びる方向から見て環状の形状であり、ウォームハウジング32の横方向一方の側面に配置される。上述のように、フランジ323は、モータハウジング31の開口部と接続される。
以下、ウォームホイール収容部322の構成について詳しく説明する。図4は、図3に示すハウジング30の分解断面図である。図4において、ウォームハウジング32、エンドハウジング33及びセンサハウジング34以外のアシスト装置20の構成要素の表示を省略している。
図4に示すように、ウォームホイール収容部322は、環状板部51と、筒状部52と、環状突起部53とを有する。
図4に示すように、環状板部51は、中心軸線L1を中心として周方向に連続して延びている板状の形状である。つまり、環状板部51は、軸方向から見て環状の形状である。環状板部51は、環状面51a,51bと、貫通孔51cとを含む。
環状面51aは、環状板部51における軸方向下方側の面であり、環状面51bは、環状板部51における軸方向上方側の面である。環状面51aには、環状溝51dが形成されている。環状溝51dの詳細については、後述する。
貫通孔51cは、環状板部51を軸方向に貫通している。貫通孔51cには、インターミディエイトシャフト13が挿入される。図3に示すように、環状板部51の貫通孔51cには、軸受36が圧入されている。軸受36は、インターミディエイトシャフト13の出力軸132が中心軸線L1を中心に回転可能となるように、出力軸132を保持している。
図4に示すように、環状板部51は、通気孔55をさらに含む。通気孔55は、環状板部51の環状面51aと環状面51bとを貫通する孔であり、軸方向に延びている。つまり、通気孔55は、ウォームハウジング32の下面において開口している。通気孔55は、貫通孔51cと平行、つまり中心軸線L1の延びる方向に延びており、であり、貫通孔51cの径方向外方に位置している。ここで、径方向は、中心軸線L1を中心とした半径方向のことを意味しており、径方向は、図3及び図4において横方向に一致している。通気孔55は、図2に示す孔40の一部を構成し、大径部55aと、拡径部55bとを含む。
大径部55aは、拡径部55bよりも軸方向下方に配置される。大径部55aにおける軸方向下方の端は、環状板部51の環状面51aと連続しており、大径部55aにおける軸方向上方の端は、拡径部55bの軸方向下方の端と連続している。大径部55aの内径は、軸方向において一定である。
拡径部55bは、大径部55aよりも軸方向上方に配置される。拡径部55bにおける軸方向上方の端は、環状板部51の環状面51bと連続している。拡径部55bは、拡径部55bの内径が軸方向上方から軸方向下方に向かうにつれて大きくなる、テーパー形状となっている。
図4に示すように、筒状部52は、中心軸線L1の延びる方向に延びる筒形状であり、環状板部51の外周端部から軸方向上方に延びている。筒状部52の内周面52aにより囲まれた空間には、インターミディエイトシャフト13と同軸に固定されたウォームホイール24bが収容されている。
また、筒状部52は、さらに、接続孔52b,52bを含む。接続孔52bは、筒状部52を軸方向に貫通する孔であり、筒状部52の内周面52aよりも径方向外方に位置している。つまり、接続孔52bの中心軸は、中心軸線L1と別の直線であって、中心軸線L1に平行な直線に一致している。接続孔52b,52bは、中心軸線L1を中心とした環状の孔ではなく(周方向に延びる孔ではなく)、内周面52aより径方向で外方の位置においてそれぞれ形成された2つの孔である。なお、接続孔52bは3つ以上形成されてもよい。この場合、接続孔52b,52b・・・は、内周面52aより径方向で外方の位置において、周方向の複数の箇所に形成された複数の孔である。
図4に示すように、環状突起部53は、環状板部51の環状面51aから軸方向下方に突出しており、軸方向から見て環状の形状である。環状突起部53は、貫通孔53aを含む。貫通孔53aは、環状突起部53を軸方向に貫通しており、環状板部51に形成されている貫通孔51cと連続している。貫通孔53aの中心軸は、中心軸線L1に一致している。
図4に示すように、環状溝51dは、上述のように、環状板部51の軸方向下方の端面である環状面51aに形成されている。環状溝51dは、軸方向下方に開口している溝である。環状溝51dは、軸方向から見た場合、中心軸線L1を中心とした環状の溝である。環状溝51dは、通気孔55よりも中心軸線L1に近く、環状面51aと環状突起部53の外周面との接続部よりも中心軸線L1から離れている。環状溝51dには、図3に示すOリング56が嵌め込まれる。Oリング56は、ウォームホイール収容部322の環状突起部53がエンドハウジング33の貫通孔70に嵌め込まれた状態において、空気等の気体や水等の液体がウォームハウジング32とエンドハウジング33との間を通ってハウジング30の内部に浸入することを防ぐ。
(センサハウジング34)
図4に示すように、センサハウジング34は、軸方向に延びる筒形状であり、貫通孔60を含む。貫通孔60は、センサハウジング34を軸方向に貫通する。貫通孔60の中心軸は、中心軸線L1に一致している。センサハウジング34は、小径部61と、中径部62と、大径部63と、フランジ64とを含む。
小径部61は、センサハウジング34における軸方向上方の端部であり、中径部62及び大径部63よりも軸方向上方に位置する。中径部62は、軸方向に関して、小径部61と大径部63との間に位置する。中径部62の外径は、小径部61の外径よりも大きく、大径部63の外径よりも小さい。大径部63は、センサハウジング34における軸方向下方の端部であり、小径部61及び中径部62よりも軸方向下方に位置する。大径部63の外径は、小径部61及び中径部62の各々の外径よりも大きい。
図3に示すように、インターミディエイトシャフト13が、センサハウジング34の貫通孔60に挿入されている。軸受37が、大径部63の内周面に圧入されている。軸受37は、インターミディエイトシャフト13の出力軸132を回転可能に保持している。軸受38が、小径部61の内周面に圧入されている。軸受38は、インターミディエイトシャフト13の入力軸131を回転可能に保持している。
図3に示すように、オイルシール39Aは、センサハウジング34の小径部61とインターミディエイトシャフト13の入力軸131との間の隙間を封止している。オイルシール39Aが、本発明における第1封止部材に相当する。センサハウジング34の小径部61が、本発明における、ハウジング30の上方の端部に設けられたインターミディエイトシャフト13を挿入するための開口部に相当する。オイルシール39Aは、空気等の気体や水等の液体がセンサハウジング34とインターミディエイトシャフト13の入力軸131との間の隙間を通ってハウジング30の内部空間に浸入することを防ぐ。
図3に示すように、センサハウジング34は、トルクセンサ21を、貫通孔60における軸受37と軸受38との間の空間に収容する。トルクセンサ21は、例えば、レゾルバであり、貫通孔60に挿入されているインターミディエイトシャフト13を中心軸線L1周りの周方向に囲むように配置される。
図4に示すように、フランジ64は、中径部62の外周側面から径方向に広がっている。フランジ64は、軸方向から見て環状である。フランジ64は、接続孔64a,64aを含む。接続孔64a,64aは、フランジ64を軸方向に貫通する孔であり、貫通孔60よりも径方向外方に位置している。接続孔64a,64aは、中心軸線L1を中心とした環状の孔ではなく(周方向に延びる孔ではなく)、貫通孔60より径方向で外方の位置においてそれぞれ形成された2つの孔である。なお、接続孔64aは3つ以上形成されてもよい。この場合、接続孔64a,64a・・・は、貫通孔60より径方向で外方の位置において、周方向の複数の箇所に形成された複数の孔である。
接続孔64aは、ウォームホイール収容部322に形成されている接続孔52bと位置を合わせて設けられている。接続孔64aの内径は、ウォームホイール収容部322に形成されている接続孔52bの内径と同じである。
大径部63の外周面には、環状溝65が形成されている。環状溝65は、中心軸線L1を中心として周方向に連続しており、横方向に開口している。つまり、環状溝65は、径方向で外方に向かって開口している。図3に示すように、環状溝65には、Oリング66が嵌め込まれている。Oリング66は、センサハウジング34の大径部63がウォームホイール収容部322の筒状部52の内周面52aに嵌め込まれた際に、空気等の気体や水等の液体がウォームホイール収容部322とセンサハウジング34との間を通ってハウジング30の内部に浸入することを防ぐ。
(エンドハウジング33)
図3に示すように、エンドハウジング33は、軸方向に延びる筒状の形状であり、ウォームハウジング32のウォームホイール収容部322における環状板部51の下面である環状面51aを覆う。
エンドハウジング33は、貫通孔70を含む。貫通孔70は、エンドハウジング33を軸方向に貫通している。貫通孔70の中心軸は、中心軸線L1に一致している。貫通孔70には、インターミディエイトシャフト13の出力軸132が挿入される。
図4に示すように、エンドハウジング33は、環状板部71と、環状突起部72とを含む。
環状板部71は、中心軸線L1を中心として周方向に連続して伸びている板状の形状である。つまり、環状板部71は、軸方向から見て環状の形状である。環状板部71は、環状面71a,71bを含む。環状面71aは、環状板部71における軸方向下方側の面であり、環状面71bは、環状板部71における軸方向上方側の面である。
環状板部71は、連続孔71cをさらに含む。連続孔71cは、環状板部71の環状面71aと環状面71bとを貫通する孔であり、軸方向に延びている。つまり、連続孔71cは、エンドハウジング33の軸方向上方及び軸方向下方において開口している。連続孔71cは、貫通孔70と平行であり、貫通孔70の径方向外方に位置している。また、連続孔71cの内径は、通気孔55の内径と同じである。
連続孔71cは、ハウジング30を組み立てた際において、ウォームホイール収容部322の通気孔55と連続する位置に形成されている。連続孔71cは、通気孔55とともに孔40を構成する。つまり、ウォームホイール収容部322の環状突起部53がエンドハウジング33の貫通孔70に嵌め込まれた場合において、ウォームホイール収容部322の通気孔55とエンドハウジング33の連続孔71cとが、連続して1つの孔40を形成する。
また、図4に示すように、環状板部71は、接続孔71d,71dを含む。接続孔71dは、環状板部71を軸方向に貫通する孔であり、接続孔71dは、連続孔71cよりも環状板部71の外周側に位置している。接続孔71d,71dは、中心軸線L1を中心とした環状の孔ではなく(周方向に延びる孔ではなく)、貫通孔0より径方向で外方の位置においてそれぞれ形成された2つの孔である。なお、接続孔71dは3つ以上形成されてもよい。この場合、接続孔71d,71d・・・は、貫通孔70より径方向で外方の位置において、周方向の複数の箇所に形成された複数の孔である。接続孔71dの内径は、ウォームホイール収容部322に形成されている接続孔52bの内径と同じである。
図4に示すように、環状突起部72は、環状板部71の下面である環状面71aから軸方向下方に突出しており、軸方向からみて環状の形状である。環状突起部72は、環状板部71の連続孔71cの下方における開口を塞がない位置に配置される。環状突起部72は、ハウジング30の下方の端部に相当する。
図4に示すように、環状突起部72は、環状面72a,72bを有する。環状面72a,72bは、環状突起部72における軸方向下方の端面であり、中心軸線L1に対して垂直である。環状面72aは、環状面72bよりも軸方向下方に位置する。環状面72bは、環状板部71における軸方向下方側の面である環状面71aよりも軸方向下方に位置する。環状板部71の環状面72aの内径は、環状面72bの内径よりも小さい。つまり、環状突起部72の軸方向下方の端面では、環状面72a,72bにより段差が形成されている。
図3に示すように、オイルシール39Bが、エンドハウジング33の環状突起部72と、貫通孔70に挿入されたインターミディエイトシャフト13の出力軸132との間に形成される隙間を封止している。オイルシール39Bが、本発明における第2封止部材に相当する。エンドハウジング33の環状突起部72が、本発明における、ハウジング30の下方の端部に設けられたインターミディエイトシャフト13を挿入するための開口部に相当する。オイルシール39Bは、ウォームホイール収容部322の環状突起部53がエンドハウジング33の貫通孔70に嵌め込まれた場合において、空気等の気体や水等の液体がエンドハウジング33とインターミディエイトシャフト13の出力軸132との間の隙間を通ってハウジング30の内部に浸入することを防ぐ。
図2に示すように、エンドハウジング33は、さらに、3つの取付部73,73,73を含む。取付部73,73,73の各々は、環状板部71の外周面から径方向に突出している。取付部73,73,73は、図示しない車両のフレームにアシスト装置20を固定するために使用される。
(ブラケット35)
図3に示すように、ブラケット35は、ハウジング30よりも軸方向下方に配置される。具体的には、ブラケット35は、エンドハウジング33よりも軸方向下方に配置されており、ハウジング30の軸方向における下方の端部を覆っている。つまり、ブラケット35は、エンドハウジング33の環状板部71に形成されている連続孔71cの開口を覆っている。ブラケット35は、例えば、金属板をプレス加工することにより形成される。
ブラケット35は、下段部351と、中段部352と、上段部353とを備える。中段部352と、上段部353とは、中心軸線L1よりも横方向他方に位置している。下段部351は、中段部352及び上段部353よりも軸方向下方に位置する。中段部352は、軸方向に関して、下段部351と上段部353との間に位置する。上段部353は、下段部351及び中段部352よりも軸方向上方に位置する。つまり、下段部351と中段部352との間には、軸方向に関して段差が設けられており、中段部352と上段部353との間には、軸方向に関して段差が設けられている。
図3及び図4を参照して、ブラケット35が組み付けられた状態において、下段部351の上面は、環状突起部72の環状面72aに接触している。下段部351は、貫通孔35aを含む。貫通孔35aは、ブラケット35のうち下段部351を軸方向に貫通している。貫通孔35aの中心軸は、中心軸線L1に一致しており、貫通孔35aには、インターミディエイトシャフト13の出力軸132が挿入されている。
中段部352の上面は、環状突起部72の環状面72bに接触する領域と、連続孔71cの軸方向下方における開口の一部を覆う領域とを有する。上段部353の上面は、筒状部52の下面に接触する領域と、連続孔71cの軸方向下方における開口の一部を覆う領域とを有する。つまり、連続孔71cの軸方向下方における開口は、中段部352及び上段部353により覆われている。言い換えると、ブラケット35において、中段部352及び上段部353が、孔40における軸方向下方の開口を覆っている。
(封止栓45)
図5は、図2に示す封止栓45の側面図である。図5に示すように、封止栓45は、円盤部46と、脚部47,47と、Oリング48とを備える。封止栓45のうち、円盤部46を除く部分(脚部47,47など)には、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT−GF30など)が用いられる。
円盤部46は、軸方向から見て円形の形状である。円盤部46は、例えば、空気などの気体を透過させ、水などの液体を透過させない樹脂により形成される。円盤部46に用いられる樹脂は、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)多孔質膜である。円盤部46を形成する樹脂は、弾性を有していることが好ましい。円盤部46の直径は、通気孔55の大径部55aの内径と同じであるか、通気孔55の大径部55aの内径よりも大きい。
脚部47,47の各々は、円盤部46の上面から軸方向上方に延びる鉤状の形状である。つまり、脚部47,47の各々は、円盤部46の上面から軸方向上方に延びたあと、円盤部46の中心から円盤部46の外周方向に折れ曲がっている。言い換えれば、脚部47,47の先端47a,47aは、脚部47,47と円盤部46との接続部と、円盤部46の外周面との間に位置している。Oリング48は、脚部47,47の両者を囲むように、円盤部46の上面に接して配置される。
(ウォームハウジング32等の固定)
以下、ハウジング30を構成するモータハウジング31、ウォームハウジング32、エンドハウジング33、センサハウジング34の固定について説明する。なお、ハウジング30に収納されるトルクセンサ21等の説明については、省略する。
図3を参照して、最初に、ウォームハウジング32のウォームホイール収容部322に形成された環状溝51dにOリング56を嵌め込み、センサハウジング34に形成された環状溝65に、Oリング66を嵌め込む。軸受36が、ウォームハウジング32における環状板部51の内周面に圧入される。軸受37が、センサハウジング34の大径部63の内周面に圧入される。軸受38が、センサハウジング34の小径部61の内周面に圧入される。
軸方向上方から下方の順に、センサハウジング34、ウォームハウジング32、エンドハウジング33を配置する。上述のように配置されたセンサハウジング34、ウォームハウジング32、エンドハウジング33について、位置合わせを行う。具体的には、図4を参照して、センサハウジング34の接続孔64a,64aと、ウォームハウジング32の接続孔52b,52bと、エンドハウジング33の接続孔71d,71dとが、軸方向に連続した1つの孔を形成し、かつ、通気孔55と連続孔71cとが軸方向に連続した1つの孔40を形成するように、位置合わせが行われる。
その後、センサハウジング34の大径部63の外周面が、ウォームハウジング32のウォームホイール収容部322における筒状部52の内周面52aに接触するように、センサハウジング34をウォームハウジング32のウォームホイール収容部322に嵌め込む。ウォームハウジング32のウォームホイール収容部322における環状突起部53を、エンドハウジング33の貫通孔70に嵌め込む。センサハウジング34の接続孔64a,64aと、ウォームハウジング32の接続孔52b,52bと、エンドハウジング33の接続孔71d,71dとが連続する孔にボルトを挿入することにより、エンドハウジング33及びセンサハウジング34を、ウォームハウジング32に固定する。
図2を参照して、モータハウジング31の開口部とウォームハウジング32とのフランジ323とを突き合わせた上で、ボルト及びナットを用いてモータハウジング31をウォームハウジング32に固定する。
図3を参照して、インターミディエイトシャフト13を、接続されたセンサハウジング34、ウォームハウジング32及びエンドハウジング33に挿入する。具体的には、インターミディエイトシャフト13の入力軸131がセンサハウジング34の貫通孔60に挿入されるとともに、軸受38によって回転可能に保持される。インターミディエイトシャフト13の出力軸132が、ウォームホイール収容部322の貫通孔51c,53aとエンドハウジング33の貫通孔70とに挿入されるとともに、軸受36,37によって回転可能に保持される。オイルシール39Aをセンサハウジング34の貫通孔60に圧入し、オイルシール39Bをエンドハウジング33の貫通孔70に圧入する。
図6は、図3に示すアシスト装置20において、封止栓45付近を拡大した図である。図6に示すように、封止栓45を孔40に挿入する。具体的には、封止栓45の脚部47,47を円盤部46より軸方向上方に向けた状態で、封止栓45を、エンドハウジング33の孔40に挿入する。そして、封止栓45における脚部47,47の先端47a,47aが、ウォームホイール収容部322の環状板部51の上面である環状面51bよりも軸方向上方に位置するように、封止栓45を押し込む。この結果、封止栓45の円盤部46は、通気孔55の中に位置する。以上で、ハウジング30の組立てが完了する。
(ハウジング30の作用及び効果)
上述のように組み立てられたハウジング30において、Oリング66は、ウォームハウジング32とセンサハウジング34との間を封止し、Oリング56は、ウォームハウジング32とエンドハウジング33との間を封止する。また、オイルシール39Aは、センサハウジング34とインターミディエイトシャフト13の入力軸131との隙間を封止し、オイルシール39Bは、エンドハウジング33とインターミディエイトシャフト13の出力軸132との隙間を封止する。この結果、空気等の気体や水等の液体がハウジング30の外部からハウジング30の内部空間に浸入することができる経路は、孔40のみとなる。
そして、封止栓45が、孔40を塞ぐことにより、水等の液体がハウジング30の内部空間に浸入することを防ぐことができる。
図6に示すように、エンドハウジング33とウォームホイール収容部322の環状板部51とが、ハウジング30の軸方向下方における端部を構成している。具体的には、ウォームホイール収容部322の環状板部51と、エンドハウジング33の環状板部71とが、ハウジング30の軸方向下方における端部を構成している。ハウジング30の軸方向下方における端部において、孔40が形成されている。
孔40は、ウォームホイール収容部322の環状板部51の上面(環状面51b)と、エンドハウジング33の環状板部71の下面(環状面71a)とを貫通している。封止栓45が孔40に挿入されることにより、封止栓45が通気孔55を塞いでいる。封止栓45の円盤部46は、空気等の液体を透過させるが、水等の液体を透過させない。従って、水等の液体が、通気孔55を通ってハウジング30の外部からハウジング30の内部空間に浸入することを防ぐことができる。また、Oリング48が、通気孔55の拡径部55bに接触している。このため、水等の液体が、封止栓45の円盤部46と通気孔55の大径部55aとの間の隙間を通って円盤部46の上面に達したとしても、Oリング48が、液体等の水がハウジング30の内部空間に浸入することを防ぐことができる。
また、封止栓45の円盤部46は、空気等の気体を透過させることができるため、ハウジング30の内部空間の気圧を調整することができる。上述のように、ハウジング30は、エンジンルーム2Bに配置される。エンジンルーム2Bに配置されているエンジンで発生する熱などによって、ハウジング30の内部空間の温度が上昇し、ハウジング30の内部空間の気圧が上昇する場合がある。この場合、ハウジング30の内部空間の空気は、通気孔55に挿入された封止栓45を通過してハウジング30の外部へ移動することができる。このとき、封止栓45の脚部47,47における先端47a,47aが、ウォームホイール収容部322の環状板部51の上面である環状面51bよりも軸方向上方に位置した状態で環状面51bに接触しているため、封止栓45が、内部空間の空気がハウジング30の外部へ移動する際に、孔40から脱落することが防止される。エンジンが停止することにより、ハウジング30の内部温度が低下し、ハウジング30の内部気圧が低下する場合がある。この場合、ハウジング30の外部の空気が、通気孔55に挿入された封止栓45を通って、ハウジング30の内部へ取り込まれる。このようにして、通気孔55を封止栓45で塞ぐことにより、ハウジング30の内部空間の気圧を調整することが可能となる。
また、図6を参照して、通気孔55及び連続孔71cにより形成される孔40は、ハウジング30の軸方向下方の面において、軸方向下方に開口している。車両の下方からエンジンルーム2Bに入り込んだ水が、孔40に入り込む場合がある。孔40は、軸方向下方に開口しているため、孔40に入り込んだ水は、速やかに孔40の外に排出される。つまり、水が孔40の中で長時間にわたって滞留することが防止される。孔40に挿入されている封止栓45が水と接触する時間を短くすることができるため、孔40に入り込んだ水が、通気孔55を通ってハウジング30の内部空間に浸入することを抑制することができる。
ブラケット35において、中段部352及び上段部353が、孔40における軸方向下方の開口を覆っている。従って、エンジンルーム2Bに入り込んだ水が、軸方向下方から孔40に直接入り込むことが抑制される。この結果、ハウジング30の防水機能をさらに向上させることができる。
上段部353の上面の一部を、筒状部52の下面に接触させることにより、ブラケット35の上面を孔40の軸方向下方における開口に近づけることができる。エンジンルーム2Bに入り込んだ水が、軸方向下方から孔40に直接入り込むことをさらに抑制することができるため、ハウジング30の防水機能をさらに向上させることができる。なお、上段部353の上面の一部が、筒状部52の下面に接触しているが、上段部353の上面と筒状部52の下面との間は、密封されていない。空気などの気体は、ハウジング30の外から上段部353の上面と筒状部52の下面との間の隙間を通って、孔40に達することができるため、ハウジング30の内部空間の気圧を調整することが可能である。
また、封止栓45を孔40に挿入する前に、孔40を利用してエアリークテストを行うことが可能である。エアリークテストは、ハウジング30が防水機能を有しているか否かを判断するために行われる。エアリークテストは、具体的には、孔40を介してハウジング30の内部に空気を充填した上で、ハウジング30の内部における気圧の変化を計測することにより行われる。ハウジング30の組立てが完了した後に、孔40を用いてエアリークテストを行うことができるため、エアリークテスト用の試験孔をハウジングに形成しなくてもよい。
[変形例]
なお、上記実施の形態では、封止栓45が、図5に示す形状である例を説明したが、これに限られない。封止栓45は、気体を透過させ、液体を透過させない機能を有しており、孔40を塞ぐことができれば、その形状は特に限定されない。
また、上記実施の形態では、アシスト装置20がブラケット35を備える例を説明したが、これに限られない。アシスト装置20は、ブラケット35を備えなくてもよい。この場合であっても、孔40は、軸方向下方に開口しているため、孔40に入り込んだ水を速やかに排出することができる。
また、上記実施の形態では、ハウジング30がエンドハウジング33を備える例を説明したが、これに限られない。ハウジング30は、エンドハウジング33を備えなくてもよい。この場合、ハウジング30における軸方向下方の端部は、ウォームホイール収容部322の環状板部51となるため、通気孔55のみで孔40が形成される。オイルシール39Bは、環状板部51とインターミディエイトシャフト13の出力軸132との間に形成される隙間を封止すればよい。
つまり、孔40は、ハウジング30の軸方向下方の端部に形成される孔であり、ハウジング30の内部空間に面する上面と、ハウジング30の外部空間に面している下面とを貫通しており、かつ、ハウジング30の軸方向下方の端部の下面において、下方に開口していればよい。
また、上記実施の形態では、ブラケット35が下段部351と、中段部352と、上段部353とを備える例を説明したが、これに限られない。ブラケット35は、段差を有しない板状の部材であってもよい。この場合であっても、ブラケット35は、孔40の軸方向下方の開口を覆うことができるため、ハウジング30の防水機能をさらに向上させることができる。つまり、ブラケット35は、ハウジング30の下方の端部において、孔40の開口を覆っていればよい。
また、上記実施の形態では、アシスト装置20がアシスト力をインターミディエイトシャフト13に付与する例を説明したが、これに限られない。アシスト装置20は、ピニオン軸14にアシスト力を付与してもよい。また、ステアリングシャフト12の一部がエンジンルーム2B内に配置されている場合、アシスト装置20は、ステアリングシャフト12にアシスト力を付与してもよい。つまり、アシスト装置20は、エンジンルーム2B内に配置され、ステアリングホイール11の回転に応じて回転するシャフトにアシスト力を付与すればよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。