JP2018113892A - 抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有するビフィズス菌 - Google Patents

抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有するビフィズス菌 Download PDF

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慈英 李
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和也 上原
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勇介 谷井
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Abstract

【課題】本発明の目的は、炎症を主たる症状とする疾患に対する予防、治療、及び再発防止のために使用可能な、高い抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有するビフィズス菌及び当該ビフィズス菌を含有する飲料、食品、および/または医薬品を提供することにある。【解決手段】多数のビフィズス菌についてスクリーニングを行った結果得られた、高い抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有するビフィドバクテリウム・ロンガムN702株(NITE P-02387)及び当該ビフィズス菌を含有する飲料、食品、および/または医薬品を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、抗炎症性サイトカイン産生誘導能力の高い乳児腸内由来のビフィズス菌の菌株及びその菌体を含有する飲料、食品、および/または医薬品に関するものである。特に、ビフィドバクテリウム・ロンガム、より詳細にはBifidobacterium longum subsp. longumに関するものである。
ビフィズス菌は、ヨーグルトなどの発酵乳製品、各種漬物類など、多くの加工飲食品において、味や風味の付与、栄養の強化、食品の保存性改善など様々な目的で用いられてきた。また、抗アレルギー作用、免疫賦活作用などといった有効な生理活性について近年注目が集まっており、精力的に研究が進められている。
免疫系において重要な役割を担っているTh細胞は、産生するサイトカインによりTh1細胞とTh2細胞に分類される。Th1細胞はインターフェロンγやインターロイキン12といった主に細胞性免疫関わるサイトカインを、Th2細胞はインターロイキン10(以下「IL-10」という)など主に液性免疫に関わるサイトカインを産生する。
抗炎症性サイトカインであるIL-10を高めることは、慢性炎症性疾患で見られる結合組織破壊の制御に対して有効であると考えられており、IL-10産生を効率良く誘導する微生物として、ラクトコッカス属の菌株が得られたことが特許文献1に記載されている。
特開2005−154387号公報
本発明の目的は、炎症を主たる症状とする疾患に対する予防、治療、及び再発防止のために使用可能な、高い抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有する乳児腸内由来のビフィズス菌及び当該ビフィズス菌を含有する飲料、食品、および/または医薬品を提供することにある。
本発明者らは、乳児糞便を分離源として、多数のビフィズス菌についてスクリーニングを行った結果、高い抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有するビフィズス菌があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願第一の発明は、抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有するビフィドバクテリウム属に属するビフィズス菌である。
本願第二の発明は、上記ビフィズス菌が、ビフィドバクテリウム・ロンガムN702株(NITE P-02387)である、本願第一の発明に記載のビフィズス菌である。
本願第三の発明は、本願第一の発明または本願第二の発明に記載のビフィズス菌を含有するインターロイキン−10産生促進剤である。
本願第四の発明は、本願第三の発明に記載のインターロイキン−10産生促進剤を有効成分とする、医薬組成物である。
本願第五の発明は、本願第一の発明または本願第二の発明に記載のビフィズス菌を含有する飲食品である。
本発明のビフィズス菌は、高い抗炎症サイトカイン産生誘導能力を有する。
図1は、本発明の菌株と比較菌株のIL-10産生量(pg/ml)を比較した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.ビフィドバクテリウム・ロンガムN702株(NITE P-02387)
本発明のビフィズス菌はビフィドバクテリウム・ロンガムである。特に、ビフィドバクテリウム・ロンガムに属するビフィズス菌のうち、Bifidobacterium longum subsp.longumである。
本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムN702株は、下記の条件で寄託されている。
(1)寄託機関名:独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許微生物寄託センター
(2)連絡先:〒292−0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2−5−8 122号室
(3)受託番号:NITE P‐02387
(4)識別のための表示:N702
(5)寄託日:2016年12月16日
本発明におけるN702の記号は、日清食品ホールディングス株式会社で独自に菌株に付与した番号である。本発明の菌株は、乳児糞便より本発明者によって初めて分離されたものである。
本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムN702株の菌学的性質は、以下の表1及び表2に示す通りである。本菌学的性質は、Bergey’s manual of systematic bacteriology Vol.2(1986)に記載の方法による。表1は本菌株に関する形状などを、表2はアピ50CHL(ビオメリュー製)により、糖資化性を試験した結果を示す。表2において、「+」が発酵性あり、「−」は発酵性なしを示す。
2.IL-10産生能試験
本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムN702株は、後述する実験例に示すように、抗炎症作用、すなわちIL-10の高い産生誘導能力を有する。IL-10の産生誘導能力の確認については以下の試験方法によって行った。
<菌体の調製>
IL-10産生誘導能力評価に用いた被験体(死菌末)は、ビフィズス菌を表3に示すGAM培地(ニッスイ)で37℃・24時間、前培養と本培養をした。次いで、増殖した本培養液中の菌体を遠心分離して集菌し、分離した菌体を滅菌水で3回洗浄し、加熱殺菌後、凍結した。その後、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥をすることで、乾燥死菌体粉末を得た。



Figure 2018113892
Figure 2018113892


Figure 2018113892
<IL-10産生誘導能力評価>
本発明の菌株のIL-10産生誘導能力を評価するために、ヒト単球系細胞株であるTHP-1細胞を用いた。10%の非働化FBS (Invitrogen)とPenicillin-Streptomycin (Invitrogen)を加えたRPMI-1640培地(gibco)を用いて、THP-1細胞を37℃、CO2 5%の条件下で培養した。そして、24穴の培養プレートの1穴ごとに5×105細胞/mlのTHP-1細胞を1mlずつ加えた。その後、マクロファージに分化させるためにPMA(phorbol 12-myristate 13-acetate)を終濃度が0.5ug/mlになるように各穴に添加し、同じ培養条件下で48時間培養した。顕微鏡によりマクロファージへの分化を確認した後、培養上清を除去し、PBSを1ml加え洗浄を行った。新しい上記の培地1mlを添加した後、そこに上記で得た乾燥菌体粉末を同様の培地で懸濁して終濃度10ug/mlになるように添加し37℃、CO2 5%の条件下で24時間培養した。培養後培地を回収し、Human IL-10 ELISA Ready-SET-GO!R(eBioscience)で測定した。
3.スキムミルク培地での増殖性試験
<スキムミルク培地増殖性試験>
前培養液を10%スキムミルク+ 0.5%酵母エキス培地に植菌し、これを37℃ ・24時間培養し、ビフィズス菌数によってミルク培地での増殖性を評価した。
4.飲食品及び医薬品
本発明のビフィズス菌は飲食品に含有せしめて使用することができる。本発明のビフィズス菌は特に飲料に好適に用いることができるが、例えば、発酵乳及び乳酸菌飲料が考えられる。現行の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令では、成分規格として発酵乳(無脂乳固形分8.0%以上のもの)や乳製品乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上のもの)であれば1.0×10産生誘導能力/ml以上、乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%未満のもの)であれば1.0×10cfn/ml以上必要とされるが、乳などのはっ酵液中で増殖させたり、最終製品の形態で増殖させたりすることによって上記の菌数を実現することができる。また、ビフィズス菌入りの発酵乳及び乳酸菌飲料以外にも、バター等の乳製品、マヨネーズ等の卵加工品、バターケーキ等の菓子パン類等にも利用することができる。また、即席麺やクッキー等の加工食品にも好適に利用することができる。
上記の他、本発明のビフィズス菌に必要に応じて適当な担体及び添加剤を添加し、製剤化された形態(例えば、粉末、顆粒、カプセル、錠剤等)とし、インターロイキン−10産生促進剤、又はインターロイキン−10産生促進剤を有効成分とする医薬組成物とすることができる。
また、本発明のビフィズス菌は、特定保健用食品、機能性食品、栄養補助食品等に含有させることも有用である。
本発明のビフィズス菌は、上記以外にも化粧水等の化粧品分野、歯磨き粉等の日用品分野、サイレージ、動物用餌、植物液体肥料等の動物飼料・植物肥料分野においても応用可能である。
本発明のビフィズス菌(ビフィドバクテリウム・ロンガムN702株)は、高い抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有する。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験例1>IL-10産生誘導評価
本発明のBifidobacterium longum subsp.longum N702株と、自社保有の4つのBifidobacterium longum subsp.longum比較菌株(BL1, BL2, BL3, BL4)及び標準株のBifidobacterium longum subsp.longum JCM1217について、IL-10産生誘導能力評価を実施した。
IL-10産生誘導評価は次の手順により行った。本発明の菌株、標準株、及び比較菌株(BL1, BL2, BL3, BL4)のそれぞれについて、表3に示すGAM培地(GAM Broth”Nissui”)で37℃ ・24時間培養し、増殖した菌体を遠心分離して集菌し、分離した菌体を滅菌水にて3回洗浄し、凍結した。その後、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、乾燥菌体粉末を得た。
別途、10%の非動化FBS(Invitrogen)とPenicillin-Streptomycin(Invitrogen)を加えたRPMI1640培地(gibco)を用いて、THP-1細胞を37℃、CO2 5%の条件下で培養した。そして、24穴の培養プレートの1穴ごとに5×105 cells/mlのTHP-1細胞を1mlずつ加えた。その後、マクロファージに分化させるためにPMA(phorbol 12-myristate 13-acetate)を終濃度が0.5ug/mlになるように各穴に添加し、同じ培養条件下で48時間培養した。顕微鏡によりマクロファージへの分化を確認した後、培養上清を除去し、PBSを1ml加え洗浄を行った。新しい上記の培地1mlを添加した後、そこに上記で得た乾燥菌体粉末を同様の培地で懸濁して終濃度10ug/mlになるように添加し37℃、CO2 5%の条件下で24時間培養した。培養後培地を回収し、Human IL-10 ELISA Ready-SET-GO!R(eBioscience)で測定した。その結果を表4及び図1に示す。
Figure 2018113892

表4及び図1からも明らかなように、本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムN702株のIL-10産生量は212 pg/mlであり、標準株、及び比較菌株(BL1, BL2, BL3, BL4)と比べて高いIL-10産生誘導能力を有していることが確認された。
<試験例2>スキムミルク培地増殖性試験
本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムN702株と標準株であるBifidobacterium longum subsp.longum JCM1217について、スキムミルク培地増殖性試験を実施した。
10%SM(スキムミルク)+ 0.5%酵母エキス培地に植菌し、これを37℃ ・24時間培養し、菌数、pHによってスキムミルク培地での増殖性を評価した。
増殖性の評価結果を表5に示す。
Figure 2018113892
本発明のビフィドバクテリウム・ロンガムN702株の菌数は1.93×109cfu/mlであり、はっ酵乳、乳酸菌飲料を生産する上で問題のないレベルであった。

Claims (5)

  1. 抗炎症性サイトカイン産生誘導能力を有するビフィドバクテリウム属に属するビフィズス菌。
  2. 前記ビフィズス菌は、ビフィドバクテリウム・ロンガムN702株(NITE P-02387)である、請求項1に記載のビフィズス菌。
  3. 請求項1または2に記載のビフィズス菌を含有するインターロイキン−10産生促進剤。
  4. 請求項3に記載のインターロイキン−10産生促進剤を有効成分とする、医薬組成物。
  5. 請求項1または2に記載のビフィズス菌を含有する飲食品。
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