JP2022117889A - 酸化ストレス抵抗性付与能(il-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有する乳酸菌 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有し、飲食品等に好適に利用できる乳酸菌及びその処理物を含有する飲食品等を提供することを目的とする。【解決手段】酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有するラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)を提供する。また、乳酸菌及びその処理物を含有する飲食品、化粧品、医薬部外品又は医薬品等を提供する。【選択図】図1
Description
本発明は、酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有する乳児腸内由来の乳酸菌の菌株並びに当該乳酸菌、その培養液又は発酵産物の処理物を含有する飲料、食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品に関するものである。
近年、ステムセルエイジング(幹細胞老化)への注目が集まっている。臓器の源である臓器幹細胞の酸化ストレス蓄積が臓器の老化や不調の原因の一旦を担っていると分かってきた。実際に、老化マウスの小腸幹細胞では酸化ストレスが増大していた。また幹細胞数の減少・幹細胞関連遺伝子の発現変動や、過分化、ひいては恒常性崩壊が起きていた(非特許文献1)。
ここで、小腸は栄養素の約90%が吸収・代謝されるとされ、小腸の不調は消化不良、胃・肝・腎炎、貧血、肥満、糖尿病、アレルギーなど多くの症状に関連する。
乳酸菌は食経験豊かで安全であり、且つ、小腸の細胞によって認識され、細胞シグナルを活性化する機能がよく知られている(非特許文献2)。また、特に小腸幹細胞は腸管上皮に存在する細胞であり、他の臓器の幹細胞とは違って食品の直接のコンタクトが可能であることは注目すべき点である。
乳酸菌は食経験豊かで安全であり、且つ、小腸の細胞によって認識され、細胞シグナルを活性化する機能がよく知られている(非特許文献2)。また、特に小腸幹細胞は腸管上皮に存在する細胞であり、他の臓器の幹細胞とは違って食品の直接のコンタクトが可能であることは注目すべき点である。
また、腸管において、酸化ストレスが増大した場合インターロイキン8(IL-8)が増大することが知られている(非特許文献3)。
以上より、酸化ストレス抵抗性(IL-8抑制能)を付与し、小腸のエイジングケアが可能である食品素材等があれば、習慣的に摂取することにより多くの疾病や老化の予防に有用と考えられる。
以上より、酸化ストレス抵抗性(IL-8抑制能)を付与し、小腸のエイジングケアが可能である食品素材等があれば、習慣的に摂取することにより多くの疾病や老化の予防に有用と考えられる。
このようなIL-8発現抑制作用を有する、腸管バリア機能回復のため乳酸菌ラクトコッカス・ラクティスの特定菌種を利用する方法が開示されている(特許文献1)。一方、特許文献1以外の乳酸菌が存在する可能性も考えらえる。
一方、上記IL-8発現抑制作用によって小腸幹細胞遺伝子発現を調節する乳酸菌については未だ報告はない。
一方、上記IL-8発現抑制作用によって小腸幹細胞遺伝子発現を調節する乳酸菌については未だ報告はない。
Emily C. Moorefield, Aging effects on intestinal homeostasis associated with expansion and dysfunction of intestinal epithelial stem cells, Aging, 9, (8) 1898-1915, 2017
Yang Wang, Antioxidant properties of probiotic bacteria, nutrients, 9, 521, 1-15
Yi-Ling Ye, Suppression of IL-8 Release by Sweet OliveEthanolic Extract and Compounds in WiDr Colon Adenocarcinoma Cells, Journal of Food Science, 82, 8, 1792-8, 2017
そこで、本発明者らは、小腸のエイジングケアには酸化ストレス抵抗性の付与、及び幹細胞機能調節が有効と考えられる点に着目し、これらの機能を有する乳酸菌を見出すことを課題とした。
本発明者らの鋭意研究を行い、複数の乳酸菌についてスクリーニングを行った結果、酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有する乳酸菌あることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願第一の発明は、“酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有するラクトバチルス属に属する乳酸菌、その培養液又は発酵産物”である。
次に、本発明の乳酸菌は、ラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)であることが好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、“前記ラクトバチルス属に属する乳酸菌がラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)である、請求項1に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物”である。
次に、本発明の乳酸菌は、ラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)であることが好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、“前記ラクトバチルス属に属する乳酸菌がラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)である、請求項1に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物”である。
次に、本願出願人は、当該乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含む飲食品も意図している。
すなわち、本願第三の発明は、“請求項1又は2に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含有する飲食品。”、である。
すなわち、本願第三の発明は、“請求項1又は2に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含有する飲食品。”、である。
さらに、本願出願人は、当該乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含む化粧品、医薬部外品、医薬品も意図している。
すなわち、本願第四の発明は、“請求項1又は2に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含有する化粧品、医薬部外品又は医薬品”、である。
である。
すなわち、本願第四の発明は、“請求項1又は2に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含有する化粧品、医薬部外品又は医薬品”、である。
である。
本発明の乳酸菌は酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.ラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)
本発明の乳酸菌は、ラクトバチルス・ファーメンタム(lactobacillus fermentum)である。特にラクトバチルス・ファーメンタムに属する乳酸菌のうち、ラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)である。本発明にいうN126の記号は日清食品ホールディングス株式会社で独自に菌株に付与した番号であり、本ラクトバチルス・ファーメンタムN126株は本発明者によって初めて分離されたものである。
1.ラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)
本発明の乳酸菌は、ラクトバチルス・ファーメンタム(lactobacillus fermentum)である。特にラクトバチルス・ファーメンタムに属する乳酸菌のうち、ラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)である。本発明にいうN126の記号は日清食品ホールディングス株式会社で独自に菌株に付与した番号であり、本ラクトバチルス・ファーメンタムN126株は本発明者によって初めて分離されたものである。
本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株は、2020年11月9日に、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターへNITE BP-03318(受託番号)として寄託されている。本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株の菌学的性質は、以下の表1及び表2に示す通りである。本菌学的性質は、Bergey’s manual of systematic bacteriology Vol.2(1986)に記載の方法による。表1は本菌株に関する形状等を、表2はアピ50CHL(ビオメリュー製)により、糖資化性を試験した結果を示す。表2において、「+」が発酵性あり、「-」は発酵性なしを示す。
2.酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)試験及び小腸幹細胞遺伝子調節機能試験
本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株は、後述する実験例に示すように、酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸能幹細胞遺伝子調節能を有する。
酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)の確認については以下の試験方法によって行った。
本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株は、後述する実験例に示すように、酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸能幹細胞遺伝子調節能を有する。
酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)の確認については以下の試験方法によって行った。
<ビフィズス菌懸濁液の調製>
酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価に用いた被検体(乳酸菌懸濁液)は、乳酸菌を表3に示すMRS培地(Difco Lactobacilli MRS Broth)で37℃ ・24時間培養した。培養にはアネロパック(三菱ガス化学株式会社)を用い、嫌気条件下で培養した。次に、増殖した菌体を遠心分離して集菌した。分離した菌体を滅菌水にて3回洗浄し、加熱殺菌後、凍結した。その後、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、乾燥菌体粉末を得た。得られた乾燥菌体粉末をPBSに懸濁したものを乳酸菌懸濁液とした。
酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価に用いた被検体(乳酸菌懸濁液)は、乳酸菌を表3に示すMRS培地(Difco Lactobacilli MRS Broth)で37℃ ・24時間培養した。培養にはアネロパック(三菱ガス化学株式会社)を用い、嫌気条件下で培養した。次に、増殖した菌体を遠心分離して集菌した。分離した菌体を滅菌水にて3回洗浄し、加熱殺菌後、凍結した。その後、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、乾燥菌体粉末を得た。得られた乾燥菌体粉末をPBSに懸濁したものを乳酸菌懸濁液とした。
<酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価>
上記で得た試料の酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)を評価した。試験には正常ヒト小腸上皮細胞HIEC-6 (ATCCR CRL-3266TM, ATCC)を用いた。96ウェルプレートに、7.5 x 105細胞//ウェルの濃度で播種し、CO2インキュベーター(5% CO2、37℃)で24時間培養してプレートに接着・増殖させたのち、コンフルエント状態にしたところで、各上記乳酸菌懸濁液を最終濃度が10 μg/mLになるように添加した。添加後、24時間インキュベーションした後、細胞内酸化ストレスを上昇させることで知られているH2O2を最終 0.2 mMとなるよう添加することで酸化ストレスを誘導した。3時間後、培養液上清を回収しHuman IL-8 DuoSet ELISA(R&D SYSTEM社製)によってIL-8量を測定した。
上記で得た試料の酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)を評価した。試験には正常ヒト小腸上皮細胞HIEC-6 (ATCCR CRL-3266TM, ATCC)を用いた。96ウェルプレートに、7.5 x 105細胞//ウェルの濃度で播種し、CO2インキュベーター(5% CO2、37℃)で24時間培養してプレートに接着・増殖させたのち、コンフルエント状態にしたところで、各上記乳酸菌懸濁液を最終濃度が10 μg/mLになるように添加した。添加後、24時間インキュベーションした後、細胞内酸化ストレスを上昇させることで知られているH2O2を最終 0.2 mMとなるよう添加することで酸化ストレスを誘導した。3時間後、培養液上清を回収しHuman IL-8 DuoSet ELISA(R&D SYSTEM社製)によってIL-8量を測定した。
<小腸幹細胞遺伝子調節機能評価>
上記の酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価と同様の手法で酸化ストレス誘導し、1時間後、Rneasy mini kit(QIAGEN社)を用いてRNA抽出した。DNBSEQ-G400(MGI Tech社)を利用してRNA-seq解析を実施した。獲得したカウントデータはR上でTCCパッケージによる正規化及びDEG(発現変動遺伝子)検出を実施した。
上記の酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価と同様の手法で酸化ストレス誘導し、1時間後、Rneasy mini kit(QIAGEN社)を用いてRNA抽出した。DNBSEQ-G400(MGI Tech社)を利用してRNA-seq解析を実施した。獲得したカウントデータはR上でTCCパッケージによる正規化及びDEG(発現変動遺伝子)検出を実施した。
3.菌体、その培養液又は発酵産物
本発明の乳酸菌は、種々の形態で利用することができる。例えば、菌体そのものであると、当該菌体を凍結乾燥したタイプや当該菌体を酵素処理したもの等を利用することができる。
さらに、菌体そのものの他、本発明の乳酸菌の培養液も利用することができる。具体的には、菌体、菌体及び培養液、培養上清等のいずれも利用することができる。また、上記の菌体等に対しては必要に応じて遠心分離やプロテアーゼやリパーゼ等の酵素処理を施してもよいことは勿論である。
さらに、菌体、その培養液とともに当該乳酸菌を利用した発酵産物であってもよい。すなわち、糖類等を栄養源として当該乳酸菌による発酵の結果得られる発酵産物も利用することができる。具体的には、乳等を原料とした発酵産物として、ヨーグルトやチーズが挙げられる。
本発明の乳酸菌は、種々の形態で利用することができる。例えば、菌体そのものであると、当該菌体を凍結乾燥したタイプや当該菌体を酵素処理したもの等を利用することができる。
さらに、菌体そのものの他、本発明の乳酸菌の培養液も利用することができる。具体的には、菌体、菌体及び培養液、培養上清等のいずれも利用することができる。また、上記の菌体等に対しては必要に応じて遠心分離やプロテアーゼやリパーゼ等の酵素処理を施してもよいことは勿論である。
さらに、菌体、その培養液とともに当該乳酸菌を利用した発酵産物であってもよい。すなわち、糖類等を栄養源として当該乳酸菌による発酵の結果得られる発酵産物も利用することができる。具体的には、乳等を原料とした発酵産物として、ヨーグルトやチーズが挙げられる。
5.飲食品
本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物は飲食品に含有せしめて使用することができる。例えば、乳酸菌入り発酵乳及び乳酸菌入り乳酸菌飲料が考えられる。また、発酵産物としてヨーグルトやチーズ等が挙げられる。現行の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令では、成分規格として乳酸菌数は特に規定はされていないが、発酵乳(無脂乳固形分8.0%以上のもの)や乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上のもの)であれば1.0×107 cfu/ml以上、乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%未満のもの)であれば1.0×106 cfu/ml以上が好ましく、乳などの発酵液中で増殖させたり、最終製品の形態で増殖させたりすることによって上記の菌数を実現することができる。
本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物は飲食品に含有せしめて使用することができる。例えば、乳酸菌入り発酵乳及び乳酸菌入り乳酸菌飲料が考えられる。また、発酵産物としてヨーグルトやチーズ等が挙げられる。現行の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令では、成分規格として乳酸菌数は特に規定はされていないが、発酵乳(無脂乳固形分8.0%以上のもの)や乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%以上のもの)であれば1.0×107 cfu/ml以上、乳酸菌飲料(無脂乳固形分3.0%未満のもの)であれば1.0×106 cfu/ml以上が好ましく、乳などの発酵液中で増殖させたり、最終製品の形態で増殖させたりすることによって上記の菌数を実現することができる。
また、乳酸菌入り発酵乳及び乳酸菌入り乳酸菌飲料以外にも、バター等の乳製品、マヨネーズ等の卵加工品、バターケーキ等の菓子パン類等にも利用することができる。また、即席麺やクッキー等の加工食品にも好適に利用することができる。上記の他、本発明の食品は、前記乳酸菌、その培養液又は発酵産物と共に、必要に応じて適当な担体及び添加剤を添加して製剤化された形態(例えば、粉末、顆粒、カプセル、錠剤等)であってもよい。また、本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含む飲食品は、本発明の菌体、その培養液又は発酵産物を有効成分して含有していればよく、本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物以外に他の成分(例えば、糖類、タンパク質、アミノ酸、脂質、水分、ビタミン、ミネラル等)を含有していても良いことは勿論である。
さらに、本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物は、一般の飲料や食品以外にも特定保健用食品、栄養補助食品等に含有させることも有用である。
さらに、本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物は、一般の飲料や食品以外にも特定保健用食品、栄養補助食品等に含有させることも有用である。
6.化粧品、医薬部外品又は医薬品
本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物は、食品以外にも化粧品、医薬部外品、医薬品に含有せしめて使用することができる。
すなわち、本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を濃縮や分離等でエキス化又は粉末化して調製した後に、当該成分を有効成分とする化粧品、医薬部外品(栄養ドリング等)、医薬品(整腸剤等)として使用することができる。例えば、エキス化したものを瓶等に詰めたものや、発酵液乾燥粉末を賦形剤なども用いて顆粒やカプセル化、打錠し錠剤の形態として提供が可能である。
また、化粧品、医薬部外品又は医薬品としては本発明の菌体、その培養液又は発酵産物を有効成分して含有していればよく、当該成分以外に他の成分(例えば、糖類、タンパク質、アミノ酸、脂質、水分、ビタミン、ミネラル等)を含有していても良いことは勿論である。
本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物は、食品以外にも化粧品、医薬部外品、医薬品に含有せしめて使用することができる。
すなわち、本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を濃縮や分離等でエキス化又は粉末化して調製した後に、当該成分を有効成分とする化粧品、医薬部外品(栄養ドリング等)、医薬品(整腸剤等)として使用することができる。例えば、エキス化したものを瓶等に詰めたものや、発酵液乾燥粉末を賦形剤なども用いて顆粒やカプセル化、打錠し錠剤の形態として提供が可能である。
また、化粧品、医薬部外品又は医薬品としては本発明の菌体、その培養液又は発酵産物を有効成分して含有していればよく、当該成分以外に他の成分(例えば、糖類、タンパク質、アミノ酸、脂質、水分、ビタミン、ミネラル等)を含有していても良いことは勿論である。
さらに、本発明の乳酸菌、その培養液又は発酵産物はサイレージ、動物用餌、植物液体肥料等の動物飼料・植物肥料分野においても応用可能である。
本発明の乳酸菌(ラクトバチルス・ファーメンタムN126株)は、酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有する。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験例1>酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価
本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株と、自社保有のラクトバチルス比較菌株(N639)及び、基準株(ラクトバチルス・ファーメンタム ATCC14931)について酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価を実施した。
<試験例1>酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価
本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株と、自社保有のラクトバチルス比較菌株(N639)及び、基準株(ラクトバチルス・ファーメンタム ATCC14931)について酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価を実施した。
酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)評価は次の手順により行った。本発明の菌株と比較菌株のそれぞれについて、表3に示すMRS培地(Difco Lactobacilli MRS Broth)で37℃ ・24時間培養した。培養にはアネロパック(三菱ガス化学株式会社)を用い、嫌気条件下で培養した。次に、増殖した菌体を遠心分離して集菌した。分離した菌体を滅菌水にて3回洗浄し、加熱殺菌後、凍結した。その後、凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、乾燥菌体粉末を得た。得られた乾燥菌体粉末をPBSに懸濁したものを乳酸菌懸濁液とした。
別途、96ウェルプレートに、7.5 x 105細胞//ウェルの濃度で播種し、CO2インキュベーター(5% CO2、37℃)で24時間培養してプレートに接着・増殖させたのち、コンフルエント状態にしたところで、各上記乳酸菌懸濁液を最終濃度が10 μg/mLになるように添加した。添加後、24時間インキュベーションした後、細胞内酸化ストレスを上昇させることで知られているH2O2を最終 0.2 mMとなるよう添加することで酸化ストレスを誘導した。3時間後、培養液上清を回収しHuman IL-8 DuoSet ELISA(R&D SYSTEM社製)によってIL-8量を測定した。測定値の単位はIL-8量(pg/ml)を示す。なお、乳酸菌懸濁液を添加せず、PBSのみ添加したものをcontrolとした。
各試料群を添加した場合における結果を図1に示す。
図1からも明らかなように、本発明の乳酸菌(ラクトバチルス・ファーメンタムN126株)の酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)は非常に強く、他の自社保有の乳酸菌や同属同種の基準株と比べても高い酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)を有していることが確認された。*:p < 0.05, Dunnett検定
<試験例2>小腸幹細胞遺伝子調節機能評価試験
本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株の小腸幹細胞遺伝子機能調節機能を評価するため、RNA-seq解析を実施した。なお、酸菌懸濁液を添加せず、PBSのみ添加したものをcontrolとした。
本発明のラクトバチルス・ファーメンタムN126株の小腸幹細胞遺伝子機能調節機能を評価するため、RNA-seq解析を実施した。なお、酸菌懸濁液を添加せず、PBSのみ添加したものをcontrolとした。
試験は試験例1と同様の方法で酸化ストレスを誘導後に1時間後の細胞中のRNAを回収し、シーケンシングに供した。獲得したカウントデータについてR上でTCCパッケージによる正規化及びDEG(発現変動遺伝子)検出を実施した結果を図2に示す。
図2の可視化グラフから明らかなように、本発明の菌株(ラクトバチルス・ファーメンタムN126株)処理によって、幹細胞関連遺伝子群の発現調節が行われている。特に、幹細胞機能として重要な役割を果たすことが知られているWNT11やLRP6、HES1は統計学的に有意に発現変動が見られた。
実施例1及び2の結果から、本発明の菌株(ラクトバチルス・ファーメンタムN126株)処理によって、小腸幹細胞には酸化ストレス抵抗性が付与され、ひいては幹細胞遺伝子調節が行われると考えられる。
すなわち、幹細胞遺伝子調節機能を有する乳酸菌の選抜には、本発明に記載の手法が有効と考えられることも特筆すべき点である。
Claims (4)
- 酸化ストレス抵抗性付与能(IL-8抑制能)及び小腸幹細胞遺伝子調節機能を有するラクトバチルス属に属する乳酸菌、その培養液又は発酵産物。
- 前記ラクトバチルス属に属する乳酸菌がラクトバチルス・ファーメンタムN126株(NITE BP-03318)である、請求項1に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物。
- 請求項1又は2に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含有する飲食品。
- 請求項1又は2に記載の乳酸菌、その培養液又は発酵産物を含有する化粧品、医薬部外品又は医薬品。
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