JP2018113203A - 電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複合体を電池に用いた場合に、従来よりも電池の内部抵抗が低減された電池の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の電池の製造方法は、活物質2bを熱処理して、活物質2bの活物質部2を形成する活物質成形工程S1と、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質3の融液を、活物質部2に接触させて固化させ、第1電解質3と活物質部2との複合体(正極7)を形成する複合体形成工程S2と、正極7を、少なくとも水を含む洗浄液83で洗浄して、正極7の一方の面7cの第1電解質3の一部を除去する洗浄工程S3と、正極7に接するように、第1集電体41を形成する集電体形成工程S8と、を備える。【選択図】図4F

Description

本発明は、電池の製造方法に関する。
従来、電解質として有機系電解液に代えて、固体電解質を用いた固体電池が知られていた。例えば、特許文献1には、多孔質の活物質成形体および固体電解質層(電解質部)を含む複合体と、該複合体と接して形成された集電体と、を有する電極複合体の製造方法が提案されている。
特開2014−154236号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電極複合体の製造方法では、電極複合体(複合体)を電池に用いた場合に、電池としての内部抵抗が増大しやすいという課題があった。詳しくは、複合体の一面に研磨を施して、活物質成形体を露出させ、活物質成形体と接するように集電体を設けている。そのため、活物質成形体も研磨されて、活物質の結晶構造に荒れが生じることがあった。例えば、活物質として用いるコバルト酸リチウム(LiCoO2)は、層状の結晶構造を有し、結晶の層に対して平行な方向に比べて、垂直な方向ではリチウムイオン伝導性が低い傾向がある。すなわち、活物質の結晶構造において、リチウムイオン伝導性に異方性があるため、研磨によって活物質の結晶構造に荒れが生じると、リチウムイオン伝導性が悪化しやすかった。これにより、電極複合体を電池に用いると、電池の内部抵抗が増大するおそれがあった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る電池の製造方法は、活物質を熱処理して、活物質の成形体を形成する活物質成形工程と、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質の融液を、成形体に接触させて固化させ、第1電解質と成形体との複合体を形成する複合体形成工程と、複合体を、少なくとも水を含む洗浄液で洗浄して、複合体の一方の側の第1電解質の一部を除去する洗浄工程と、複合体に接するように、集電体を形成する集電体形成工程と、を備える。
本適用例によれば、研磨を行わずに活物質を複合体から露出させるため、複合体を電池に用いた場合に、従来と比べて電池の内部抵抗を低減することができる。詳しくは、洗浄によって第1電解質の一部を除去することから、研磨を施すことなく、活物質と第1電解質との複合体から活物質が露出する。これにより、活物質の結晶構造に荒れが生じにくく、活物質と集電体との間のリチウムイオン伝導性が維持される。したがって、該複合体を電池に用いると、電池の内部抵抗を低減することができる。また、複合体形成工程において、活物質の成形体と第1電解質とが複合化されるため、活物質と第1電解質との接触面積が増加し、リチウムイオン伝導性がさらに向上する。以上により、従来よりも内部抵抗が低減された電池の製造方法を提供することができる。
上記適用例に記載の電池の製造方法は、洗浄工程の後に、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、第1電解質の融点未満の温度で複合体を加熱して、複合体の一方の側に、第1電解質を再形成する電解質再形成工程を備えることが好ましい。
上記適用例によれば、洗浄工程にて第1電解質から生成した化合物を、再びリチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む固体電解質へ戻すことができる。そのため、上記化合物によって、集電体が腐食されたり、リチウムイオン伝導性が低下したりすることを抑えることができる。
上記適用例に記載の電池の製造方法は、複合体の他方の側に、水酸化リチウム溶液を塗布する塗布工程と、塗布工程の後に、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、第1電解質の融点未満の温度で複合体を加熱して、複合体の他方の側に、電解質部を形成する電解質部形成工程と、を備えることが好ましい。
上記適用例によれば、塗布工程および電解質部形成工程において、水酸化リチウムと二酸化炭素との化学反応によって、炭酸リチウムが生成する。そのため、炭酸リチウムと、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質との反応により、水酸化リチウムを塗布した箇所に、電解質部が形成される。このとき、上記所定の条件下で加熱することにより、炭酸リチウムが二酸化炭素および酸化リチウムへ分解する反応を抑制して、電解質部の形成を促進することができる。また、水酸化リチウムおよび第1電解質の表面の一部などが、化学反応により転化して電解質部が形成されるため、複合体の第1電解質と、電解質部との間に明確な界面が形成されにくくなる。これにより、複合体の第1電解質と、電解質部との間において、界面抵抗の発生を抑えることができる。
上記適用例に記載の電池の製造方法において、洗浄液は、全量に対する水の含有量が10質量%以上であることが好ましい。
上記適用例によれば、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質を、除去しやすくすることができる。そのため、洗浄工程に要する時間が短縮される。
上記適用例に記載の電池の製造方法において、洗浄液は、界面活性剤を含むことが好ましい。
上記適用例によれば、洗浄工程において、複合体に対する洗浄液の濡れ性を向上させ、さらに電解質を除去しやすくすることができる。
上記適用例に記載の電池の製造方法において、洗浄液は、有機溶剤を含むことが好ましい。
上記適用例によれば、洗浄工程において、洗浄液の保湿性を向上させて蒸発が抑えられる。これによって、洗浄液の乾燥が抑制されて、複合体の表面に洗浄液が留まりやすくなる。そのため、第1電解質をよりいっそう除去しやすくすることができる。
上記適用例に記載の電池の製造方法は、ホウ素および炭素を含まず、リチウム、酸素を含む第2電解質の前駆体を含む溶液と、成形体とを接触させて、成形体の孔内を含む表面に、第2電解質を析出させる工程を備えることが好ましい。
上記適用例によれば、第1電解質を非結晶質、第2電解質を結晶質で形成することが容易となり、複合体におけるリチウムイオン伝導性を、さらに向上させることができる。
実施形態1に係る電池としてのリチウム電池の構成を示す概略斜視図。 リチウム電池の構成を示す概略断面図。 リチウム電池の製造方法を示す工程フロー図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 実施例および比較例に係る、洗浄液の組成、再形成工程条件、および評価結果を示す図表。 実施形態2に係る電池としてのリチウム電池の構成を示す概略断面図。 リチウム電池の製造方法を示す工程フロー図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 リチウム電池の製造方法を示す模式図。 実施例および比較例に係る、洗浄液の組成、再形成工程条件、および評価結果を示す図表。 電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す概略図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
<電池>
まず、本実施形態に係る電池について、図1を参照して説明する。本実施形態では、電池としてリチウム電池を例に挙げて説明する。図1は、実施形態1に係る電池としてのリチウム電池の構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のリチウム電池100は、負極30、電解質部9、複合体としての正極7、集電体としての第1集電体41などを有している。正極7は、活物質2bの成形体としての活物質部2と、第1電解質3とを含んでいる。第1集電体41は、正極7の一方の側に接して設けられている。電解質部9は、正極7の他方の側に接して設けられている。負極30は、正極7に対して、電解質部9を介して設けられている。電解質部9は活物質2bを含まないため、電解質部9によって、正極7と負極30とが電気的に接続されにくくなり、正極7と負極30との短絡の発生を抑えることができる。
リチウム電池100は、順に、第1集電体41、正極7、電解質部9、負極30が積層された積層体である。正極7において、第1集電体41と接する面を、正極7の一方の側としての一面7aとし、電解質部9と接する面を、正極7の他方の側としての一面7bとする。電解質部9において、正極7の一面7bと接する面と反対側の、負極30と接する面を、一面9bとする。なお、負極30に対して第2集電体(図示せず)を適宜設けてもよく、リチウム電池100は、正極7および負極30のうち少なくとも一方と接する集電体を有していればよい。
第1集電体41および第2集電体は、正極7および電解質部9と電気化学反応を生じず、かつ電子伝導性を有している形成材料であれば、いずれも好適に用いることができる。第1集電体41および第2集電体の形成材料としては、例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、およびパラジウム(Pd)からなる群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、上記の群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む合金、ITO(Tin-doped Indium Oxide)、ATO(Antimony-doped Tin Oxide)、およびFTO(Fluorine-doped Tin Oxide)などの導電性金属酸化物、TiN(窒化チタン)、ZrN(窒化ジルコニウム)、TaN(窒化タンタル)などの金属窒化物などが挙げられる。
第1集電体41および第2集電体の形態は、電子伝導性を有する上記形成材料の薄膜の他、金属箔、板状、導電体微粉末を粘結剤とともに混練したペーストなど、目的に応じて適当なものが選択可能である。第1集電体41および第2集電体の形成は、正極7や負極30などを形成した後であってもよく、あるいは第1集電体41または第2集電体を形成した後に、正極7や負極30を形成してもよい。
負極30が含む負極活物質(形成材料)としては、例えば、五酸化ニオブ(Nb25)、五酸化バナジウム(V25)、酸化チタン(TiO2)、酸化インジウム(In23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO2)、酸化ニッケル(NiO)、錫(Sn)が添加された酸化インジウム(ITO)、Alが添加された酸化亜鉛(AZO)、ガリウム(Ga)が添加された酸化亜鉛(GZO)、アンチモン(Sb)が添加された酸化錫(ATO)、フッ素(F)が添加された酸化錫(FTO)、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti512、Li2Ti37などのリチウム複合酸化物、Li(リチウム)、Si(シリコン)、Sn、シリコン−マンガン合金(Si−Mn)、シリコン−コバルト合金(Si−Co)、シリコン−ニッケル合金(Si−Ni)、In、Auなどの金属および合金、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質などが挙げられる。
負極30の厚さは、およそ50nmから100μm程度が好ましいが、所望の電池容量や材料特性に応じて任意に設計することが可能である。
リチウム電池100は、例えば、円盤状であって、外形の大きさは直径約10mm、厚さは約200μmである。小型、薄型であることに加え、充放電可能であって大きな出力エネルギーが得られることから、携帯情報端末などの電力供給源(電源)として好適に用いることができる。なお、リチウム電池100の形状は円盤状であることに限定されず、例えば多角形の盤状であってもよい。このような薄型のリチウム電池100は、単体で用いてもよいし、複数のリチウム電池100を積層させて用いてもよい。積層させる場合には、リチウム電池100において、第1集電体41と第2集電体とは必ずしも必須な構成ではなく、一方の集電体を備える構成であってもよい。
次に、リチウム電池100に含まれる正極7および電解質部9などの構成について、図2を参照して説明する。図2は、リチウム電池の構成を示す概略断面図である。
<正極>
[活物質部]
正極7に含まれる活物質部2は、粒子状の活物質2bの集合体であり、複数の孔を有している。複数の孔は、活物質部2の内部で互いに網目状に連通している。そのため、活物質2b同士の接触が確保されている。第1電解質3は、活物質部2の孔内を含む表面を覆って設けられている。すなわち、活物質部2と第1電解質3とが複合化されて、複合体(正極7)が形成されている。そのため、活物質部2が複数の孔を有していない場合や、孔内まで第1電解質3が設けられていない場合と比べて、活物質2bと第1電解質3との接触面積が大きくなる。これにより、界面抵抗が低減され、活物質部2と第1電解質3との界面において良好な電荷移動が可能となる。
本実施形態のリチウム電池100のように、第1集電体41を正極側に使用する場合に、活物質2bの形成材料(正極活物質)としては、通常知られているリチウム複合金属化合物を用いることができる。なお、図2は活物質2bを模式的に示したものであり、実際の粒径や大きさは必ずしも同じではない。
正極活物質に用いるリチウム複合金属化合物とは、リチウムを含み、かつ全体として2種以上の金属元素を含む酸化物などの化合物であって、オキソ酸イオンの存在が認められないものを指している。
リチウム複合金属化合物としては、例えば、リチウム(Li)を含み、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)から選ばれる少なくとも1種の元素を含む複合金属化合物が挙げられる。このような複合金属化合物としては、特に限定されないが、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn23、LiCr0.5Mn0.52、LiFePO4、Li2FeP27、LiMnPO4、LiFeBO3、Li32(PO43、Li2CuO2、LiFeF3、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4、NMC(Lia(NixMnyCo1-x-y)O2)、NCA(Li(NixCoyAl1-x-y)O2)などが挙げられる。また、本実施形態においては、これらのリチウム複合金属化合物の結晶内の一部原子が、他の遷移金属、典型金属、アルカリ金属、アルカリ希土類、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換された固溶体もリチウム複合金属化合物に含むものとし、これらの固溶体も正極活物質として用いることができる。
活物質部2の形成材料(活物質2b)として、リチウム複合金属化合物を用いることにより、活物質2bの粒子間で電子の受け渡しが行われ、活物質2bと第1電解質3との間でリチウムイオンの受け渡しが行われる。これによって、活物質部2としての機能を良好に発揮することができる。
活物質部2は、嵩密度が40%以上、90%以下であることが好ましく、40%以上、70%以下であることがより好ましい。活物質部2がこのような嵩密度を有することにより、活物質部2の孔内の表面積を広げ、活物質部2と、第1電解質3との接触面積を大きくしやすくなる。これにより、リチウム電池100において、従来よりも高容量化が容易となる。
上記の嵩密度をβ(%)、活物質部2の孔も含めた見かけの体積をv、活物質部2の質量をw、活物質2bの粒子の密度をρとすると、下記数式(x)が成り立つ。これにより嵩密度を求めることができる。
β={w/(v・ρ)}×100 ・・・(x)
活物質部2の嵩密度を上記の範囲とするためには、活物質2bの平均粒子径(メジアン径)を、0.3μm以上、10μm以下とすることが好ましい。より好ましくは、0.5μm以上、7μm以下である。活物質2bの平均粒子径は、例えば、活物質2bをn−オクチルアルコールに0.1質量%以上、10質量%以下の範囲の濃度となるように分散させ、光散乱式粒度分布測定装置ナノトラックUPA−EX250(日機装社)を用いて、メジアン径を求めることにより測定可能である。
活物質部2の嵩密度は、活物質部2を形成する工程において、造孔材を用いることによっても制御が可能である。
活物質部2の抵抗率は、700Ω・cm以下であることが好ましい。活物質部2がこのような抵抗率を有することにより、リチウム電池100において、充分な出力を得ることができる。抵抗率は、活物質部2の表面に、電極としての銅箔を付着させ、直流分極測定を行うことにより求めることが可能である。
活物質部2では、複数の孔が内部で網目状に連通しているため、活物質部2の固体部分も網目構造を形成している。例えば、正極活物質であるLiCoO2は、層状の結晶構造を持つことが知られている。そのため、上記の孔が機械加工で形成されたような、特定の方向に孔が延在しているような構成では、結晶の層に対する方向によって、イオン伝導性や電子伝導性が低下することがある。これに対して、本実施形態では、活物質部2が網目構造であるため、結晶の電子伝導性またはイオン伝導性の異方性によらず、電気化学的に活性な連続表面を形成することができる。そのため、用いる形成材料の種類によらず、良好な電子伝導を担保することができる。
活物質部2では、活物質2b同士をつなぎ合わせるバインダー(結着剤)や、活物質部2の嵩密度を調節するための造孔材が含まれる量は、可能な限り低減することが好ましい。バインダーや造孔材は活物質部2(正極7)の中に残存すると、電気特性に悪影響をおよぼす場合があるため、後工程の加熱を入念に実施して除去する必要がある。
具体的には、正極7を400℃で30分間加熱した場合に、質量減少率は5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは3質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。質量減少が観測されない、または測定誤差範囲内であることが、特に好ましい。正極7がこのような質量減少率を有すると、所定の加熱条件において、蒸発する溶媒や吸着水、燃焼または酸化されて気化する有機物などの量が低減される。これによって、リチウム電池100の電気特性(充放電特性)をさらに向上させることができる。正極7の質量減少率は、示差熱−熱重量同時測定装置(TG−DTA)を用い、所定の加熱条件における加熱前後の正極7の質量値から求めることができる。
[第1電解質]
第1電解質3の形成材料としては、固体電解質を用いることができる。固体電解質としては、例えば、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物、ホウ化物などを含む結晶質または非晶質が挙げられる。
酸化物結晶質の固体電解質としては、例えば、Li0.34La0.51TiO2.94、Li0.175La0.275NbO3、これらの結晶の元素の一部を、窒素(N)、フッ素(F)、アルミニウム(Al)、ストロンチウム(Sr)、スカンジウム(Sc)、タンタル(Ta)、ランタノイド元素などで置換したペロブスカイト型結晶またはペロブスカイト型類似結晶、Li7La3Zr212、Li5La3Nb212、Li5BaLa2TaO12、これらの結晶の元素の一部を、窒素(N)、フッ素(F)、アルミニウム(Al)、ストロンチウム(Sr)、スカンジウム(Sc)、タンタル(Ta)、ランタノイド元素などで置換したガーネット型結晶、ガーネット型類似結晶、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.4Ge0.2(PO43、これらの結晶の元素の一部を、窒素(N)、フッ素(F)、アルミニウム(Al)、ストロンチウム(Sr)、スカンジウム(Sc)、タンタル(Ta)、ランタノイド元素などで置換したNASICON型結晶、Li14ZnGe416などのLISICON型結晶、Li3.40.6Si0.44、Li3.60.4Ge0.64、Li2+x1-xx3などが挙げられる。
硫化物結晶質の固体電解質としては、例えば、Li10GeP212、Li9.6312、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3、Li3PS4などが挙げられる。
非晶質の固体電解質としては、例えば、Li2−TiO2、La23−Li2O−TiO2、LiNbO3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4GeO4−Li3VO4、Li4SiO4−Li3VO4、Li4GeO4−Zn2GeO2、Li4SiO4−LiMoO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4SiO4−Li4ZrO4、SiO2−P25−Li2O、SiO2−P25−LiCl、Li2O−LiCl−B23、LiI、LiI−CaI2、LiI−CaO、LiAlCl4、LiAlF4、LiF−Al23、LiBr−Al23、Li2.88PO3.730.14、Li3NI2、Li3N−LiI−LiOH、Li3N−LiCl、Li6NBr3、Li2S−SiS2−LiI、Li2S−SiS2−P25などが挙げられる。
上述した固体電解質の中では、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む固体電解質を用いることが好ましく、そのような固体電解質の中でも、Li2+x1-xx3(0.01<x<0.5)を用いることがより好ましい。これにより、正極7におけるリチウムイオン伝導性を向上させることができる。
<電解質部>
電解質部9は、上述したように、正極7と負極30との間に設けられている。電解質部9の形成材料には、上述した、正極7と同様な第1電解質3を用いることができる。活物質2bを含まない電解質部9が、正極7と負極30との間に介在することにより、正極7と負極30とが電気的に接続されにくくなり、短絡の発生が抑えられる。
第1電解質3に用いる固体電解質のイオン伝導性の指標として、イオン伝導率を採用することができる。イオン伝導率とは、それらの電解質(固体電解質)自身の伝導率としてのバルク伝導率と、固体電解質が結晶質である場合に、結晶の粒子間の伝導率としての粒界伝導率と、それらの総和である総イオン伝導率をいう。固体電解質における粒界抵抗の指標は粒界伝導率であり、粒界伝導率が増加すれば、粒界抵抗は低減される。
固体電解質単体の総イオン伝導率は、5.0×10-5S(ジーメンス)/cm以上であることが好ましい。固体電解質がこのような総イオン伝導率を有することにより、活物質部2の表面から離れた位置の固体電解質に含まれるイオンが、活物質部2の表面に到達することが容易になる。これにより、上記イオンも活物質部2における電池反応に寄与することが可能となり、リチウム電池100をより高容量化することができる。
固体電解質の総イオン伝導率は、固体電解質の粉末から作製した錠剤を用いて測定することができる。具体的には、固体電解質の粉末を、624MPaの圧力で錠剤型に成形し、大気雰囲気下で700℃にて8時間焼結する。次いで、スパッタリング法によって直径0.5cm、厚さ100nmの白金電極を形成して測定用の錠剤とする。この錠剤を用いた交流インピーダンス法によって、総イオン伝導率を求めることが可能である。測定装置としては、例えば、インピーダンスアナライザーSI1260(ソーラトロン社)が採用可能である。
電解質部9の厚さは、0.1μm以上、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.2μm以上、10μm以下である。電解質部9の厚さを上記範囲とすることによって、電解質部9の内部抵抗を低減し、かつ正極7と負極30との間での、短絡の発生を抑制することができる。
なお、電解質部9の一面9b(負極30と接する面)に、必要に応じて各種成形法、加工法を組み合わせて、トレンチ、グレーチング、ピラーなどの凹凸構造を設けてもよい。
<第1集電体>
第1集電体41は、正極7の一面7aに接して設けられている。一面7aにおいては、活物質部2が露出し、活物質部2と第1集電体41とは接して設けられ、双方は電気的に接続されている。なお、一面7aにおいて、第1集電体41は、正極7に含まれる第1電解質3とも接している。
上述したように、第1電解質3は、活物質部2の孔内まで設けられ、第1集電体41と接する箇所以外の、活物質部2の表面と接している。このような構成の正極7では、第1集電体41と活物質部2との接触面積より、活物質部2と第1電解質3との接触面積が大きくなる。これによって、活物質部2と第1電解質3との界面が、電荷移動のボトルネックとなりにくく、そのため、正極7として良好な電荷移動を確保しやすく、リチウム電池100において、高容量化や高出力化が可能になる。
<電池の製造方法>
本実施形態のリチウム電池100の製造方法について、図3、図4A、図4B、図4C、図4D、図4E、図4F、図4G、図4Hを参照して説明する。図3は、リチウム電池の製造方法を示す工程フロー図である。図4Aから図4Hは、リチウム電池の製造方法を示す模式図である。なお、図3に示した工程フローは一例であって、これに限定されるものではない。
図3に示すように、リチウム電池100の製造方法は、活物質2bを熱処理して、活物質2bの成形体としての活物質部2を形成する活物質成形工程S1と、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質3の融液を、活物質部2に接触させて固化させ、第1電解質3と活物質部2との複合体としての正極7を形成する複合体形成工程S2と、正極7(複合体)を、少なくとも水を含む洗浄液で洗浄して、正極7の一方の側の第1電解質3の一部を除去する複合体の洗浄工程S3と、正極7の一面7bに、水酸化リチウム溶液を塗布する塗布工程S4と、塗布工程S4の後に、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、第1電解質3の融点未満の温度で正極7を加熱して、一面7bに、電解質部9を形成する電解質部形成工程S5と、洗浄工程S3の後に、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、第1電解質3の融点未満の温度で正極7を加熱して、正極7の一面7aに、第1電解質3を再形成する電解質再形成工程S6と、電解質部9の一面9bに、負極30を形成する負極形成工程S7と、正極7に接するように第1集電体41を形成する集電体形成工程S8と、を備える。
工程S1では、活物質2bを用いて活物質部2を成形する。本実施形態では、活物質2bの形成材料として、上述したリチウム複合金属化合物のLiCoO2を用いる。まず、LiCoO2(シグマアルドリッチ社)の粒子に、湿式遠心分離機LC−1000型(Krettek社)を用いてn−ブチルアルコール中で分級操作を行い、平均粒子径が約7μmの活物質2bを得る。活物質2bについて、熱重量・熱量同時測定装置STA8000(パーキンエルマー社)を用いて融点を測定した結果、およそ1130℃であった。
次に、成形型81(内径10mmの排気ポート付きダイス)を使用して、活物質2bを圧縮成型する。具体的には、図4Aに示すように、活物質2bの粉末を成形型81に充填して、624MPaの圧力にて2分間加圧する。これにより、LiCoO2(活物質2b)から、円盤状成形物(直径10mm、厚さ150μm)が得られる。
次に、円盤状成形物に熱処理を施して活物質部2を形成する。図4Bに示すように、活物質2bの円盤状成形物を基板82に載置し、900℃にて8時間かけて加熱処理を施して、複数の孔を有する活物質部2を得る。熱処理の温度は、例えば850℃以上であって、活物質2bの融点未満の温度が好ましい。熱処理の時間は、例えば5分以上、36時間以下とすることが好ましい。より好ましくは、4時間以上、14時間以下である。この熱処理によって活物質2bの粒子同士が焼結され、円盤状成形物の形状が保持されやすくなる。また、活物質2b同士が接触して結合し、電子の移動経路が形成される。
基板82の形成材料としては、透明性を有し、活物質2bや第1電解質3との反応性が低い物質が好ましい。具体的には、例えば、酸化アルミニウム(サファイア)、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの単結晶基板が挙げられる。基板82の厚さは、特に限定されないが、100μm以上、5mm以下であることが好ましい。基板82の厚さを上記の範囲とすることによって、基板82の撓みなどの変形を抑制すると共に、後述する工程S2において、照射するレーザーの透過性が向上する。本実施形態では、基板82として、上述した反応性の低さと入手の容易さから、厚さが約1mmのサファイアを用いる。
工程S2では、第1電解質3と活物質部2とを複合化して、正極7を形成する。本実施形態では、第1電解質3として、Li2.20.80.23(以降、「LCBO」ともいう。)を用いる。
まず、LCBOの粒子(紛体)を作製する。具体的には、例えば、Li2CO3およびLi3BO3を、質量混合比4:1で混合して、成形型81を用い、30MPaの圧力にて2分間加圧して錠剤型とする。その後、高温炉に入れ、650℃にて4時間焼成して、LCBOの固形物を作製する。該固形物を乾式ミルなどによって粉砕し、LCBO粒子を得る。LCBO粒子について、活物質2bと同様な方法で融点を測定した結果、およそ710℃であった。なお、LCBO粒子の製造方法は、上述した方法に限定されず、公知の方法を採用することができる。その後、成形型81を使用して、30MPaの圧力にて2分間加圧して、LCBO粒子を圧縮成型し、LCBOの錠剤3Xを作製する。
次に、図4Cに示すように、基板82に載置した活物質部2の上面に錠剤3Xを載せる。この状態で、錠剤3X単独、または錠剤3X、活物質部2、基板82を含む系全体を加熱する。加熱手段は、レーザーアニールや電気炉など、公知の方法が採用可能である。
この加熱処理の加熱温度は、第1電解質3の融点以上、活物質2bの融点未満とする。このような温度にて加熱することにより、錠剤3Xのみが溶融する。そのため、第1電解質3の融液を、活物質部2の孔内を含む表面に濡れ広がらせることができる。加熱雰囲気は、二酸化炭素濃度が1体積%以上である、乾燥空気とすることが好ましい。このような雰囲気下で加熱することにより、第1電解質3の分解を抑制することができる。本実施形態では、720℃にて2時間の加熱処理を行う。なお、錠剤3Xに代えて、上記圧縮成形する前のLCBO粒子を活物質部2に載せて、加熱処理を行ってもよい。
次に、加熱処理の後、冷却(放冷)することにより、第1電解質3の融液が固化する。第1電解質3は、活物質部2の複数の孔内を含む表面に設けられる。そのため、活物質部2と第1電解質3とが複合化した正極7が形成される。
次に、図4Dに示すように、固着した基板82と正極7とを、レーザー照射40を用いて剥離する。第1電解質3の融液は、活物質部2の孔内を含む表面を濡れ広がり、活物質部2の下面に到達し、放冷によって基板82と固着している。そのため、レーザー照射40は、基板82と正極7との接触面(固着部)に対して、該接触面とは反対側の、基板82の裏面側から行う。レーザー照射40には、エキシマレーザーを用いる。これによって、図4Eに示すように、正極7における固着部の第1電解質3が溶融されて、正極7と基板82とが剥離される。ここで、正極7において、基板82との剥離面が一面7bとなる。一面7bの反対側の面を、正極7(複合体)の一方の側としての、一面7cとする。
工程S3では、正極7の一面7cに洗浄を施して、第1電解質3の一部を除去する。洗浄方法は、一面7c側の活物質2b(活物質部2)が傷付かずに、第1電解質3の一部が取り除かれれば、特に限定されない。具体的には、例えば、一面7cに対して、洗浄液83への浸漬、洗浄液83の塗布、図4Fに示した、洗浄液83を付着または含浸させた媒体84による摺動、摩擦などが挙げられ、これらを組み合わせて実施してもよい。一面7cの第1電解質3の一部が除去され、活物質2bが露出した面が、一面7aとなる。
洗浄液83は、少なくとも水を含んでいる。洗浄液83の全量に対する水の含有量は、10質量%以上であることが好ましい。洗浄液83が水を10質量%以上含有することにより、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む、LCBOなどの第1電解質3が除去されやすくなる。洗浄液83に含まれる水の含有量は、第1電解質3の水溶性に応じて調整することができる。
洗浄液83に含まれる水は、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水などの純水、ならびに超純水のようなイオン性不純物を極力除去したものを用いることが好ましい。
洗浄液83は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤としては、リチウム以外の金属元素や、硫黄元素を含むアニオン系界面活性剤、およびケイ素元素を含むシリコーン系界面活性剤を除けば、特に限定されずに用いることができる。リチウム以外の金属、硫黄、ケイ素などが洗浄液83に含まれると、洗浄によってそれらが第1電解質3に取り込まれ、第1電解質3の電気的特性に影響を与える可能性がある。洗浄液83に採用可能な界面活性剤としては、例えば、オルフィンE1004、E1006、E1008、E1010(以上商品名、日信化学工業社)などのアセチレングリコール化合物(ノニオン系界面活性剤)、アルキルエーテルカルボン酸のリチウム塩などのアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は、1種単独または複数種を組み合わせて用いる。
洗浄液83全量に対する、界面活性剤の含有量は、0.01質量%以上、5質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.05質量%以上、2質量%以下である。界面活性剤の含有量を上記の範囲とすることにより、正極7に対する洗浄液83の濡れ性が向上して、第1電解質3がさらに除去されやすくなる。
洗浄液83は、有機溶剤を含むことが好ましい。有機溶剤としては、特に限定されず、例えば、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、2−プロパノール、n−ブチルアルコール、2−メチルプロピルアルコール、2−メチル−2−プロパノール、ジメチルケトン、エチルメチルケトン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、テトラエチレングリコールモノアルキルエーテル(以上のエチレングリコールモノアルキルエーテルにおいて、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基からなる群から選ばれる1つを指す。)、エチレングリコールジアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、テトラエチレングリコールジアルキルエーテル(以上のエチレングリコールジアルキルエーテルにおいて、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基からなる群から選ばれる1つまたは2つを指す。)などが挙げられる。有機溶剤は、1種単独または複数種を組み合わせて用いる。
洗浄液83には、上述した成分の他に、保湿成分として、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ピロリドンなどの比較的に標準沸点が高い有機溶剤、トリメチロールプロパンなどの20℃で固体のポリオール、PO−500(三菱商事フードテック社)などの糖を添加してもよい。このような保湿成分を洗浄液83に添加することによって、洗浄液83の乾燥をさらに抑えることができる。
上述した成分を、例えば、ガラス製のビーカーなどを用いて混合して、洗浄液83を調製する。このとき、トリメチロールプロパンなどの固形物を用いる場合は、それらが完全に溶解するまで撹拌を行う。
洗浄液83の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、滴下、吹き付け、スピンコートなどの手段が少なくとも1種採用可能である。
媒体84としては、摺動または摩擦によって、活物質2bに傷がつかない限り限定されない。そのような媒体84としては、例えば、布帛、スポンジ、綿棒などの吸液性を有する部材、ブラシなどが挙げられる。布帛の形成材料としては、例えば、綿、麻などの植物性繊維、絹、羊毛などの動物性繊維、ナイロン、ポリエステル、アセテート、トリアセテート、ポリアミド、ポリウレタンなどの合成繊維、ポリ乳酸などの生分解性繊維などが挙げられる。布帛の形態としては、上記の形成材料を単独あるいは混紡繊維として用いた、例えば、織物、編物、不織布などが挙げられる。本実施形態では、媒体84として綿棒を用い、洗浄液83を含浸させて、一面7cを摺動、摩擦して洗浄を行う。
上述した洗浄液83および洗浄方法を用いて、一面7cを洗浄することにより、一面7cのLCBO(第1電解質3)の一部が溶解、除去される。このとき、活物質部2(活物質2b)の形成材料であるLiCoO2は、洗浄液83に対して安定であるため、溶解、除去されずに残存する。したがって、洗浄は、活物質部2が充分に露出するまで実施する。これにより、研磨処理を用いていないため、一面7aに露出した活物質部2(活物質2b)の結晶構造に荒れが生じにくく、リチウムイオン伝導性を維持することができる。
工程S4では、図4Gに示すように、正極7の一面7bに水酸化リチウム溶液9Xを塗布する。一面7bは、レーザー照射40によって第1電解質3の一部が熱分解し、変質が起きている。詳しくは、第1電解質3(LCBO)は、炭素および酸素を含んでいることから、熱分解によって二酸化炭素を放出する。そのため、第1電解質3においては、一面7b近傍における炭素の量が、バルク中よりも減少している。したがって、一面7bにおけるホウ素に対する炭素のモル比は、バルクにおけるホウ素に対する炭素のモル比よりも小さくなっている。そのため、水酸化リチウム溶液9Xを塗布し、後述する加熱(工程S5)により、第1電解質3の変質を復元し、同時に電解質部9を形成する。
水酸化リチウム溶液9Xの溶質には、無水水酸化リチウムまたは水酸化リチウム一水和物を用い、溶媒としては、水、アルコール類、ケトン類などの少なくとも1種を用いる。溶質の濃度は、2mol/L以下とする。本実施形態では、水酸化リチウム溶液9Xとして、無水水酸化リチウムを純水に溶解した、2.0mol/L濃度の水酸化リチウム水溶液を用いる。また、水酸化リチウムの紛体を一面7bに接触させることにより、水酸化リチウム溶液9Xの塗布の代用としてもよい。
水酸化リチウム溶液9Xの塗布方法としては、浸漬、滴下、吹き付け、スピンコートなどの手段を用いることができる。水酸化リチウム溶液9Xの塗布量は、後述する工程S5にて形成する電解質部9の厚さが、約2μmとなる量とする。水酸化リチウム溶液9Xを塗布した後、恒温槽などを用いて100℃以上で5分程度加熱し、水酸化リチウム溶液9X中の溶媒を乾燥させる。
工程S5では、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、第1電解質3の融点未満の温度で正極7を加熱して、一面7bに、電解質部9を形成する。加熱を施す雰囲気中の二酸化炭素濃度は、1体積%以上であることが好ましく、より好ましくは20体積%以上である。二酸化炭素濃度を大きくすることにより、電解質部9の形成が促進される。加熱を施す時間は、例えば、1分間以上、360分間以下である。
この加熱処理により、一面7bに塗布された水酸化リチウム、雰囲気中の二酸化炭素、および一面7b近傍の第1電解質3が反応し、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む電解質部9が形成される。このとき、一面7b表面から近傍の第1電解質3の一部が、化学反応により電解質部9に転化するため、第1電解質3と電解質部9との間には明確な界面が形成されにくくなる。
詳しくは、下記化学反応式(1)に示すように、水酸化リチウムと二酸化炭素から炭酸リチウムが生成する。また、上述したように、一面7bでは、二酸化炭素が放出されたため、第1電解質3(LCBO)がホウ酸リチウム(Li2BO3)に近い組成となっている。そのため、下記化学反応式(2)に示すように、炭酸リチウムとホウ酸リチウムとの反応によって、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む固体電解質(Li(2-x)(1-x)x3)が生成する。
2LiOH + CO2 → Li2CO3 + H2O(↑) ・・・(1)
(1−x)Li2CO3 + xLi3BO3 → Li(2-x)(1-x)x3・・・(2)
工程S6では、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、第1電解質3の融点未満の温度で正極7を加熱して、正極7の一面7aに、第1電解質3を再形成する。一面7aでは、上記工程S3の洗浄により、第1電解質3の一部が溶解、除去されたため、水酸化リチウムが生成するなどの変質が起きている。したがって、上記の条件で加熱を施すことにより、変質を復元して第1電解質3を再形成する。工程S6の加熱の条件は、工程S5と同様であってもよく、工程S5と工程S6との加熱処理を兼用して実施してもよい。以上の工程を経て、図4Hに示す正極7および電解質部9が得られる。
工程S7では、電解質部9の一面9bに、負極30を形成する。負極30の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う、所謂ゾル・ゲル法や、有機金属熱分解法などの溶液プロセスの他、適切な金属化合物とガス雰囲気を用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、固体電解質粒子のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、真空蒸着法、めっき、溶射など、を用いることができる。また、負極30の形成材料としては、上述した負極活物質が採用可能である。
工程S8では、正極7の一面7aと接するように第1集電体41を形成する。第1集電体41の形成方法としては、適当な接着層を別途設けて接着する方法、PVD(Physical Vapor Deposition)法、CVD法、PLD法、ALD法およびエアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、などの気相堆積法、ゾル・ゲル法、有機金属熱分解法およびめっきなどの湿式法など、形成面との反応性や電気回路に望まれる電気伝導性、電気回路設計に応じて、適当な方法を用いることができる。また、第1集電体41の形成材料としては、上述した形成材料を採用できる。以上の工程を経てリチウム電池100が製造される。
以上に述べたように、上記実施形態に係る電池としてのリチウム電池100の製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、研磨を行わずに活物質2bの活物質部2を正極7から露出させるため、従来と比べて、正極7と第1集電体41との導通を確保できる。言い換えれば、リチウム電池100として、内部抵抗を低減することができる。詳しくは、少なくとも水を含む洗浄液によって第1電解質3の一部を除去することから、研磨を施すことなく、正極7から活物質2bが露出する。これにより、活物質2bの結晶に荒れが生じにくく、リチウムイオン伝導性が維持される。また、工程S6(電解質再形成)により、工程S3(洗浄)にて第1電解質3から生成した化合物を、再びLCBO(第1電解質3)へ戻すことができる。そのため、上記化合物によって、第1集電体41が腐食されたり、リチウムイオン伝導性が低下したりすることが抑えられる。さらには、工程S2(複合体形成)において、活物質部2と第1電解質3とが複合化されるため、活物質2bと第1電解質3との接触面積が増加し、リチウムイオン伝導性が向上する。以上により、正極7において、従来よりも内部抵抗が低減されたリチウム電池100の製造方法を提供することができる。
工程S4(水酸化リチウムの塗布)および工程S5(電解質部形成)において、水酸化リチウムおよび二酸化炭素の化学反応によって、炭酸リチウムが生成する。そのため、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質3が炭酸リチウムとさらに反応して、水酸化リチウムを塗布した一面7bに、電解質部9が形成される。このとき、上述した所定の条件下で加熱することにより、炭酸リチウムが二酸化炭素および酸化リチウムへ分解する反応を抑制して、電解質部9の形成を促進することができる。また、水酸化リチウムおよび第1電解質3の表面の一部などが、化学反応により転化して電解質部9が形成されるため、正極7の第1電解質3と、電解質部9との間に明確な界面が形成されにくくなる。これにより、正極7の第1電解質3と、電解質部9との間において、界面抵抗の発生を抑えることができる。
工程S3において、全量に対する水の含有量が10質量%以上の洗浄液83を用いることから、第1電解質3を溶解して除去しやすくなり、洗浄工程に要する時間を短縮することができる。
洗浄液83は、界面活性剤、有機溶剤、保湿剤を含むことから、正極7に対する濡れ性や保湿性が向上して、第1電解質3の除去がさらに容易となる。
次に、上記実施形態のリチウム電池100の製造方法について、実施例と比較例とを示し、上記実施形態の効果をより具体的に説明する。図5は、実施例および比較例に係る、洗浄液の組成、再形成工程条件、および評価結果を示す図表である。図5の洗浄液の組成において、表中の単位は、質量%である。なお、以降に述べる実験における秤量は、分析用天秤ME204T(メトラー・トレド社)を用いて行った。
(実施例1)
<複合体の評価>
[拭き取り性]
実施例1では、上述した実施形態1の製造方法を用いて、複合体(正極7)を形成した。その後、複合体の表裏両面に対して、実施例1の洗浄液83を綿棒に含浸させて洗浄を行った。実施例1の洗浄液83は、図5に示すように、純水単体とした。複合体の表裏両面における第1電解質3(LCBO)の除去のし易さを、拭き取り性として以下の基準に従って評価し、結果を図5に示した。
A:表裏両面の第1電解質3が除去された。
B:洗浄液が濡れ広がらず、第1電解質3の一部が除去されずに残った。
C:第1電解質3が全く除去されなかった。
[電解質伝導度]
次に、拭き取り性を評価した実施例1の複合体(正極7)を用いて、複合体における第1電解質3のリチウムイオン伝導性の指標として、電解質伝導度(総イオン伝導率)を評価した。具体的には、上記拭き取り性を評価した複合体の表裏両面に対し、図5に示した条件(加熱雰囲気α、加熱温度650℃、加熱時間2時間)にて、電解質再形成の処理を実施した。ここで、加熱雰囲気の「α」とは、二酸化炭素濃度が、99.95体積%以上の雰囲気を指している。
その後、複合体の表裏両面に、スパッタリング法を用いて、厚さ約2μmの第1電解質3を成膜した。この試料について、インピーダンスアナライザーSI1260(ソーラトロン社)を用いて、電解質伝導度を測定した。以下の基準に従って電解質伝導度を評価し、結果を図5に示した。なお、実施例1では、複合体における第1電解質3について、電解質伝導度を評価するため、実施形態1のリチウム電池100の製造方法とは異なるが、複合体の表裏両面に対して、洗浄および電解質再形成を施した。
A:電解質伝導度が、10-7S/cm以上。
B:電解質伝導度が、10-9S/cm以上、10-7S/cm未満。
C:電解質伝導度が、10-9S/cm未満。
[正極抵抗値]
次に、拭き取り性の評価と同様に、表裏両面に洗浄を施した実施例1の複合体を用いて、正極7(複合体)に含まれる活物質2b(活物質部2)の抵抗の指標として、正極抵抗値を評価した。具体的には、実施例1の洗浄を施した複合体の表裏両面に対し、図5に示した条件にて、電解質再形成の処理を実施した。その後、複合体の表裏両面に、スパッタリング法を用いて、厚さ約1.5μmの金を集電体として成膜した。この試料について、インピーダンスアナライザーSI1260(ソーラトロン社)を用いて、正極抵抗値を求めた。以下の基準に従って正極抵抗値を評価し、結果を図5に示した。なお、本評価においても、電解質伝導度の評価と同様に、実施形態1のリチウム電池100の製造方法とは異なるが、複合体の表裏両面に対して、洗浄および電解質再形成を施した。
A:正極抵抗値が、10kΩ・cm未満。
B:正極抵抗値が、10kΩ・cm以上、100kΩ・cm未満。
C:正極抵抗値が、100kΩ・cm以上。
[充放電試験]
リチウム電池を作製して充放電試験を行った。具体的には、別途、上述した実施形態1の製造方法を用いて、複合体(正極7)を形成した後、複合体の片面に対して、実施例1の洗浄液83を綿棒に含浸させて洗浄を行った。次に、図5に示した条件にて、電解質再形成の処理を実施した。その後、電解質部に接するように、リチウム金属薄膜(膜厚さ約2μm)を真空蒸着により形成して負極とした。さらに、表裏両面に、白金を膜厚さが約120nmとなるようにスパッタリングによって成膜し、第1集電体および第2集電体を形成した。以上の方法により、実施例1のリチウム電池を作製した。
実施例1のリチウム電池について、充放電試験を行った。具体的には、リチウム電池をマルチチャンネル充放電評価装置(北斗電工社製、HJ1001SD8)に接続し、電流密度0.1mA/cm、充電上限電圧4.2Vの定電流一定電圧、放電下限電圧3.0Vの定電流駆動にて、充放電試験を行った。以下の基準に従って評価し、結果を図5に示した。
A:充放電が可能であった。
B:充放電が不可能であった。
(実施例2)
実施例2の洗浄液83は、純水を99質量%、界面活性剤を1質量%とした。界面活性剤としては、オルフィンE1010(商品名、日信化学工業社)を用いた。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。
(実施例3)
実施例3の洗浄液83は、実施例2の洗浄液に対して、純水を10質量%減量した89質量%とし、保湿剤としてグリセリン(試薬特級、和光純薬工業社)を10質量%含有させた。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。
(実施例4)
実施例4の洗浄液83は、実施例3の洗浄液に対して、純水を9質量%減量した80質量%とし、有機溶剤としてイソプロパノール(和光純薬工業社)を9質量%含有させた。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。
(実施例5)
実施例5の洗浄液83は、純水を10質量%、界面活性剤(オルフィンE1010)を1質量%、有機溶剤(イソプロパノール)を20質量%、保湿剤(グリセリン)を、69質量%とした。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。
(実施例6)
実施例6は、実施例1に対して、電解質再形成の処理を省略した他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。
(比較例1)
比較例1の洗浄液は、純水を5質量%、界面活性剤(オルフィンE1010)を1質量%、有機溶剤(イソプロパノール)を10質量%、保湿剤(グリセリン)を、84質量%とした。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。なお、比較例1は、洗浄液に含まれる純水の含有量が10質量%未満である。
(比較例2)
比較例2では、工程S3の洗浄を行わず、洗浄に代えて研磨を行った。具体的には、複合体の表裏両面に対して、研磨材としてラッピングフィルムシート#15000(3M社製、砥粒径0.3μm)を用いて、機械的な研磨加工を施した。また、その後の電解質再形成の処理も省略した。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。
(比較例3)
比較例3では、比較例2と同様に、複合体の表裏両面に研磨加工を施した。その後、実施例1と同様に、図5に示した条件(加熱雰囲気α、加熱温度650℃、加熱時間2時間)にて、電解質再形成の処理を実施した。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。
(比較例4)
比較例4では、比較例2と同様に、複合体の表裏両面に研磨加工を施した。その後、図5に示した条件(加熱雰囲気β、加熱温度900℃、加熱時間2時間)にて、電解質再形成の処理を実施した。ここで、加熱雰囲気の「β」とは、二酸化炭素濃度が、0.05体積%未満の雰囲気を指している。この他は、実施例1と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。なお、比較例4は、電解質再形成の加熱雰囲気における二酸化炭素濃度が、1体積%未満である。
(比較例5)
比較例5では、電解質再形成の処理を、図5に示した条件(加熱雰囲気β、加熱温度650℃、加熱時間2時間)とした。この他は、実施例2と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。なお、比較例5は、電解質再形成の加熱雰囲気における二酸化炭素濃度が、1体積%未満である。
(比較例6)
比較例6では、電解質再形成の処理を、図5に示した条件(加熱雰囲気α、加熱温度500℃、加熱時間2時間)とした。この他は、実施例2と同様にして評価を行った。その結果を、図5に示した。なお、比較例6は、電解質再形成の加熱温度が、600℃未満である。
<評価結果>
以上の評価から、図5に示したように、実施例1から実施例6では、全ての評価項目において、B以上の評価結果が得られた。特に、正極抵抗値の評価においては、実施例5以外の実施例でA評価となり、活物質部の抵抗が低減されていることが示された。
一方、比較例1から比較例6では、2つ以上の評価項目でCとなった。特に、複合体の洗浄を行わずに、研磨処理を実施した比較例2から比較例4では、正極抵抗値がB以下となり、活物質部の抵抗が低減されていないことが分かった。
(実施形態2)
<電池>
本実施形態に係るリチウム電池について、図6を参照して説明する。本実施形態においても、電池としてのリチウム電池を例に挙げて説明する。図6は、実施形態2に係る電池としてのリチウム電池の構成を示す概略断面図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態のリチウム電池200においては、正極8は、活物質部2と、電解質としての第1電解質3および第2電解質4と、を含んでいる。第2電解質4は、活物質部2の孔内を含む表面に、被膜状に形成されている。リチウム電池200では、被膜状の第2電解質4を有する点が、実施形態1のリチウム電池100とは異なっている。
リチウム電池200は、負極30、電解質部9、正極8、第1集電体41を有している。正極8は、活物質部2、第1電解質3、第2電解質4を含んでいる。第2電解質4は、活物質部2の孔内を含む表面を覆って被膜状に形成され、活物質部2と第1電解質3との間に介在している。すなわち、活物質部2の表面には、第2電解質4が設けられ、活物質部2の孔内も含めた、第2電解質4の表面には第1電解質3が設けられている。
第2電解質4の形成材料としては、第1電解質3と同様な固体電解質を用いることができる。上述した固体電解質の中では、ホウ素および炭素を含まず、リチウム、酸素を含む固体電解質を用いることが好ましく、そのような固体電解質の中でも、Li0.34La0.51TiO2.94、Li0.175La0.275NbO3、Li7La3Zr212、Li6.75La3Zr1.75Nb0.2512、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li1.07Al0.69Ti1.46(PO43、Li1.5Al0.5Ge1.5(PO43、Li2.9PO3.30.46、Li3.6Si0.60.44、Li7-zLa3(Zr2-zγ)O12(但し、0.1≦z≦1を満たし、AはTa(タンタル)、Nb(ニオブ)、およびSb(アンチモン)のうち少なくとも1種を表し、0≦γ<2を満たす。)などを用いることがより好ましい。これらの固体電解質を、被膜状の第2電解質4として用いることにより、第1電解質3を非結晶質、第2電解質4を結晶質で形成することが容易となり、正極8におけるリチウムイオン伝導性を、さらに向上させることができる。
<電池の製造方法>
本実施形態のリチウム電池200の製造方法について、図7、図8A、図8Bを参照して説明する。図7は、リチウム電池の製造方法を示す工程フロー図である。図8Aおよび図8Bは、リチウム電池の製造方法を示す模式図である。なお、図7に示した工程フローは一例であって、これに限定されるものではない。
リチウム電池200の製造方法において、電解質は、リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質3と、ホウ素および炭素を含まず、リチウム、酸素を含む第2電解質4と、を含む。リチウム電池200の製造方法は、図7に示すように、実施形態1のリチウム電池100の製造工程に加えて、第2電解質4の前駆体を含む溶液4X(以降、単に「前駆体溶液4X」ともいう。)の調製工程S12と、前駆体溶液4Xと活物質部2とを接触させて、活物質部2の孔内を含む表面に、第2電解質4を析出させる被膜形成工程S13とを備える。
ここで、工程S11、および工程S14から工程S20は、実施形態1における工程S1から工程S8と同様であるため、本実施形態では、工程S12および工程S13について説明し、他の工程については説明を省略する。
工程S12では、前駆体溶液4Xを調製する。本実施形態では、第2電解質4として、Li0.34La0.51TiO2.94(以降、単に「LLT」とも言う。)を用いる。
具体的には、例えば、チタン粉末を過酸化水素水に溶解し、クエン酸を添加してペルオキソチタン酸クエン酸錯体水溶液を調製した。このペルオキソチタン酸クエン酸錯体水溶液に対して、硝酸リチウム、硝酸ランタン、クエン酸を添加、撹拌して、前駆体溶液4X(LLT前駆体溶液)を調製する。
ここで、LLTのようなリチウムを含む前駆体溶液4Xでは、後工程における加熱や焼成によって、リチウムが揮散して減量する場合がある。そのため、リチウムの減量分を勘案し、上記LLTの本来の理論組成に対して、モル比で1.2倍となるように、リチウム源(硝酸リチウム)を配合してもよい。
なお、LLTのような固体電解質を含む前駆体溶液としては、以下の(a)、(b)、(c)、(d)の少なくとも1種を用いることができる。この中で(b)はゾル・ゲル法を用いて固体電解質を形成する場合の前駆体である。本実施形態の第2電解質4(LLZNb)の作製は、下記(d)の組成物を用いる。
(a)固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含み、酸化により固体電解質となる塩を有する組成物。
(b)固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含む金属アルコキシド化合物を有する組成物。
(c)固体電解質の微粒子、または固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含む微粒子ゾルを溶剤に分散させた分散液。
(d)固体電解質が有する金属原子を、固体電解質の組成式に従った割合で含み、酸化により固体電解質となる塩と金属アルコキシド化合物とを有する組成物。
工程S13では、前駆体溶液4Xと実施形態1と同様にして形成した活物質部2とを接触させて、前駆体溶液4Xを活物質部2の表面へ塗布する。具体的には、まず、図8Aに示すように、基板82上にてディスペンサー85を用い、活物質2bの活物質部2の孔内も含む表面に、前駆体溶液4Xを塗布する。
前駆体溶液4Xの塗布方法としては、ディスペンサー85による滴下の他に、例えば、浸漬、吹き付け、毛細管現象による浸透、スピンコートなどの手段を用いることが可能であり、これらを組み合わせて実施してもよい。前駆体溶液4Xは流動性を有するため、活物質部2の孔内へも到達しやすくなっている。このとき、前駆体溶液4Xが、活物質部2の孔内を含む表面全体に濡れ広がるよう塗布する。
次に、活物質部2の孔内を含む表面に、第2電解質4を析出させて被膜状の第2電解質4を形成する。まず、活物質部2に塗布した前駆体溶液4Xを乾燥させる。乾燥の方法としては、加熱、減圧、送風など、通常知られた方法の少なくとも1つを採用することができる。
次に、塗布した前駆体溶液4Xから、加熱により、活物質部2の孔内を含む表面に第2電解質4を析出させて、第2電解質4の被膜を形成する。塗布した前駆体溶液4Xの加熱は、大気雰囲気下で、上述した活物質部2の熱処理温度よりも低い温度で行う。具体的には、300℃以上、900℃以下の温度範囲で行うことが好ましい。前駆体溶液4Xを加熱することによって、図8Bに示すように、活物質部2の表面に被膜状の第2電解質4が形成される。本実施形態では、500℃にて10分間の加熱を施す。
なお、上述した前駆体溶液4Xの塗布および加熱は、少なくとも1度の処理を実施し、活物質部2および析出した第2電解質4を合わせた嵩密度が、約50%以上となるまで反復して実施する。この操作を繰り返すことによって、活物質部2の孔内も含めた表面に、第2電解質4の緻密な被膜を形成することができる。
工程S14以降は、実施形態1の工程S3以降と同様にして、リチウム電池200が製造される。
以上に述べたように、本実施形態によれば、実施形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
本実施形態によれば、活物質部2の孔内を含む表面に被膜状の第2電解質4が設けられ、第2電解質4を介して活物質部2(活物質2b)と第1電解質3とが接する。そのため、リチウム電池200(正極8)におけるリチウムイオン伝導性を、さらに向上させることができる。
以下に、活物質部2の表面に被膜状の第2電解質4を設けた、リチウム電池200の製造方法について、実施例および比較例を示し、本実施形態の効果をより具体的に説明する。図9は、実施例および比較例に係る、洗浄液の組成、再形成工程条件、および評価結果を示す図表である。
(実施例7)
<複合体の評価>
実施例7では、上述した実施形態2の製造方法を用いて、第2電解質4(LLT)を有する複合体(正極8)を形成した。それ以外は、実施形態1の実施例1と同様にして、図9に示すように、拭き取り性、電解質伝導度、正極抵抗値、充放電試験の評価を行った。それらの結果を図9に示した。なお、本実施形態において、電解質伝導度は、第1電解質3および第2電解質4を含めた数値である。
(実施例8から実施例12)
実施例8から実施例12では、実施例7と同様に、実施形態2の製造方法を用いて、第2電解質4を有する複合体(正極8)を形成した。それ以外は実施例7と同様にして、図9に示した条件にて、実施例8から実施例12の評価を行った。なお、実施例8から実施例12は、第2電解質4を形成した以外は、実施形態1における実施例2から実施例6と、それぞれ同様な条件とした。その結果を、図9に示した。
(比較例7から比較例12)
比較例7から比較例12では、実施例7と同様に、実施形態2の製造方法を用いて、第2電解質4を有する複合体(正極8)を形成した。それ以外は、図9に示すような条件にて、比較例7から比較例12の評価を行った。なお、比較例7から比較例12は、第2電解質4を形成した以外は、実施形態1における比較例1から比較例6と、それぞれ同様な条件とした。その結果を、図9に示した。
<評価結果>
以上の評価から、図9に示したように、実施例7から実施例12では、全ての評価項目において、B以上の評価結果が得られた。特に、正極抵抗値の評価においては、実施例11以外の実施例でA評価となり、活物質部の抵抗が低減されていることが示された。
一方、比較例7から比較例12では、2つ以上の評価項目でCとなった。特に、複合体の洗浄を行わずに、研磨処理を実施した比較例8から比較例10では、正極抵抗値がB以下となり、活物質部の抵抗が低減されていないことが分かった。
なお、本発明の電池の製造方法を用いて製造したリチウム電池100,200は、以下に述べる電子機器などの用途に、好適に用いることができる。
<電子機器>
上記実施形態にて製造したリチウム電池が適用可能な電子機器について、図10を参照して説明する。ここでは、電子機器として、ウェアラブル機器を例に挙げて説明する。図10は、電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す概略図である。
図10に示すように、電子機器としてのウェアラブル機器400は、バンド310を用いて、人体の、例えば手首WRに腕時計のように装着され、人体に係る情報を入手する情報機器である。ウェアラブル機器400は、電池305、表示部325、センサー321、処理部330を備えている。電池305には、上記実施形態で製造したリチウム電池を用いている。
バンド310は、装着時に手首WRに密着するように、ゴムなどの可撓性を備えた樹脂を用いた帯状を成している。バンド310の端部には、手首WRの太さに対応して結合位置を調整可能な結合部(図示せず)が設けられている。
センサー321は、バンド310において、装着時に手首WRに触れるよう、バンド310の内面側(手首WR側)に配置されている。センサー321は、手首WRと触れることによって、人体の脈拍や血糖値などに関する情報を入手し、処理部330へ出力する。センサー321としては、例えば光学センサーが用いられる。
処理部330は、バンド310に内蔵され、センサー321および表示部325と電気的に接続されている。処理部330としては、例えば集積回路(IC)が用いられる。処理部330は、センサー321からの出力に基づいて、脈拍や血糖値などの演算処理を行って、表示部325に表示データを出力する。
表示部325は、処理部330から出力された、脈拍や血糖値などの表示データを表示する。表示部325としては、例えば受光型の液晶表示装置を用いる。表示部325は、ウェアラブル機器400の装着時に、表示データを装着者が読み取れるように、バンド310の外面側(センサー321が配置された内面と対向する側)に配置されている。
電池305は、表示部325、センサー321、処理部330へ電力を供給する電力供給源として機能する。電池305は、着脱可能な状態にてバンド310に内蔵されている。
以上の構成により、ウェアラブル機器400は、手首WRから装着者の脈拍や血糖値に係る情報を入手し、演算処理などを経て、脈拍や血糖値などの情報として表示することができる。また、ウェアラブル機器400は、上記実施形態で製造され、内部抵抗が低減されたリチウム電池を適用しているため、従来よりも電池容量および充放電効率を向上させることができる。さらには、上記実施形態のリチウム電池は、固体の二次電池であるため、充電による繰り返しの使用が可能であることに加え、電解液などの漏洩の懸念がないため、長期間かつ安全に使用が可能なウェアラブル機器400を提供することができる。
なお、ウェアラブル機器400として腕時計型のウェアラブル機器を例示したが、これに限定されるものではない。ウェアラブル機器は、例えば、足首、頭、耳、腰などに装着されるものであってもよい。
また、電力供給源としての電池305(上記実施形態で製造したリチウム電池)が適用可能な電子機器は、ウェアラブル機器400に限定されない。その他の電子機器としては、例えば、ヘッドマウントディスプレイなどの頭部装着型ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレイヤー、ワイヤレスヘッドホン、携帯ゲーム機などが挙げられる。これらの電子機器は、例えば、データ通信機能、ゲーム機能、録音再生機能、辞書機能などの他の機能を有していてもよい。
また、上記の電子機器は、一般消費者向けの用途に限定されず、産業用途へも適用が可能である。さらに、上記実施形態で製造したリチウム電池が適用される機器は、電子機器に限定されない。例えば、上記実施形態で製造したリチウム電池を、移動体の電力供給源として適用してもよい。移動体としては、具体的には、自動車、バイク、フォークリフト、無人飛行機等の飛行体などが挙げられる。これによれば、信頼性および充放電効率が向上した電池を、電力供給源として備えた移動体を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
<電池の製造方法>
本変形例では、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。実施形態1では、一面7bに電解質部9を形成し、一面7cに洗浄を施して活物質2bを露出させ、一面7aとする製造方法を述べたが、これに限定されない。本変形例では、上記実施形態とは逆に、一面7cに電解質部9を形成し、一面7bに洗浄を施して活物質2bを露出させ、一面7aとする。本変形例によれば、実施形態1での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。一面7bでは、レーザー照射40を用いた剥離によって、第1電解質3の一部が熱分解され、取り除かれている。そのため、活物質2bを覆う第1電解質3の量が比較的に少なくなっている。したがって、活物質2bを露出させるのに要する洗浄時間が短くなり、電池の製造時間を短縮することができる。
2…成形体としての活物質部、2b…活物質、3…電解質としての第1電解質、4…電解質としての第2電解質、4X…第2電解質4の前駆体を含む溶液、7,8…複合体としての正極、7a…複合体の一方の側としての一面、7b…複合体の他方の側としての一面、7c,9b…一面、9…電解質部、9X…水酸化リチウム溶液、30…負極、41…集電体としての第1集電体、83…洗浄液、100,200…電池としてのリチウム電池、305…電池、400…電子機器としてのウェアラブル機器。

Claims (7)

  1. 活物質を熱処理して、前記活物質の成形体を形成する活物質成形工程と、
    リチウム、ホウ素、炭素、酸素を含む第1電解質の融液を、前記成形体に接触させて固化させ、前記第1電解質と前記成形体との複合体を形成する複合体形成工程と、
    前記複合体を、少なくとも水を含む洗浄液で洗浄して、前記複合体の一方の側の前記第1電解質の一部を除去する洗浄工程と、
    前記複合体に接するように、集電体を形成する集電体形成工程と、を備えた電池の製造方法。
  2. 前記洗浄工程の後に、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、前記第1電解質の融点未満の温度で前記複合体を加熱して、前記複合体の一方の側に、前記第1電解質を再形成する電解質再形成工程を備えた、請求項1に記載の電池の製造方法。
  3. 前記複合体の他方の側に、水酸化リチウム溶液を塗布する塗布工程と、
    前記塗布工程の後に、二酸化炭素濃度が1体積%以上の雰囲気下において、600℃以上、前記第1電解質の融点未満の温度で前記複合体を加熱して、前記複合体の他方の側に、電解質部を形成する電解質部形成工程と、を備えた請求項1または請求項2に記載の電池の製造方法。
  4. 前記洗浄液は、全量に対する水の含有量が10質量%以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
  5. 前記洗浄液は、界面活性剤を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
  6. 前記洗浄液は、有機溶剤を含む、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
  7. ホウ素および炭素を含まず、リチウム、酸素を含む第2電解質の前駆体を含む溶液と、前記成形体とを接触させて、前記成形体の孔内を含む表面に、前記第2電解質を析出させる工程を備えた、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電池の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102594627B1 (ko) * 2022-09-27 2023-10-26 주식회사 케이켐비즈 양극 활물질의 제조 방법

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