JP2018113125A - リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池における微短絡の発生を抑制しつつ、電池容量の低下を抑制することを可能とする、リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極を提供する。【解決手段】リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極100は、負極10と、負極10の表面に配置されたセパレータ層20と、を備える。負極10は、負極集電体11と、負極集電体11の表面に配置された負極合材層12とを有する。負極合材層12は、負極活物質12Aを含有する。セパレータ層20は、第1絶縁性粒子21Aを含有する第1層21と、第2絶縁性粒子22Bを含有する第2層22と、を有する。第1層21は、第2層22と負極合材層12との間に配置されている。負極活物質12Aの平均粒子径をDAとし、第1絶縁性粒子21Bの平均粒子径をDBとし、第2絶縁性粒子22Cの平均粒子径をDCとしたとき、DA>DB>DCであり、かつDB≧DA×0.414の関係を満たす。【選択図】図2

Description

本開示は、リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極に関する。
リチウムイオン二次電池用の負極として、絶縁性粒子を含有するセパレータ層が表面に設けられた、セパレータ層付き負極がある。このような負極として、特開2015−088369号公報(特許文献1)は、絶縁性粒子とセルロースナノファイバーとを含有するセパレータ層付き負極を開示している。
特開2015−088369号公報
セパレータ層中の絶縁性粒子の粒子径が小さいと、絶縁性粒子が隣接する負極合材層中の空隙に入り込む、すなわち負極合材層中に浸透する場合がある。この場合、電解液と負極活物質との接触面積(すなわち反応面積)が低下する。このような状態のリチウムイオン二次電池(以下「電池」と略記される場合がある)に対して、たとえば高電流が流れると、負極表面にLiが析出する可能性がある。負極表面にLiが析出することにより、電池容量の低下が引き起こされる。
一方で、セパレータ層中の絶縁性粒子の粒子径が大きくなるほど、セパレータ層の曲路率は小さくなる傾向がある。セパレータ層の曲路率が小さいと、電解液中に溶解する金属イオン等の異物が負極の表面に到達し易くなる。負極の表面に到達した異物は、微短絡(化学微短)の原因となる。
本開示の目的は、リチウムイオン二次電池における微短絡の発生を抑制しつつ、電池容量の低下を抑制することを可能とする、リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極を提供することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし、本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、本開示の範囲が限定されるべきではない。
本開示のリチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極は、負極と、負極の表面に配置されたセパレータ層と、を備える。負極は、負極集電体と、負極集電体の表面に配置された負極合材層とを有する。負極合材層は、負極活物質を含有する。セパレータ層は、第1絶縁性粒子を含有する第1層と、第2絶縁性粒子を含有する第2層と、を有する。第1層は、第2層と負極合材層との間に配置されている。負極活物質の平均粒子径をDとし、第1絶縁性粒子の平均粒子径をDとし、第2絶縁性粒子の平均粒子径をDとしたとき、D>D>Dであり、かつD≧D×0.414の関係を満たす。
仮に、セパレータ層が粒子径の小さな絶縁性粒子を含む層のみからなる場合には、絶縁性粒子の負極合材層中への浸透が起こり易い。この場合、上述のように、電池容量の低下が起こり易くなる。また仮に、セパレータ層が粒子径の大きな絶縁性粒子を含む層のみからなる場合には、セパレータ層の曲路率は小さくなる。この場合、上述のように、電池における微短絡が起こり易くなる。
これに対し、本開示のセパレータ層付き負極は、最も大きい平均粒子径Dを有する負極活物質と、最も小さい平均粒子径Dを有する第2絶縁性粒子との間に、D>D>Dの関係を満たす平均粒子径Dを有する第1絶縁性粒子が配置された構成を有する。さらに、負極活物質および第1絶縁性粒子は、D≧D×0.414の関係を満たす。かかる構成を有するセパレータ層付き負極によれば、第2絶縁性粒子の負極合材層への浸透が抑制される。その理由は次のように推察される。
粒子により構成される粒子層においては、粒子層中の空隙の大きさは、粒子層を構成する粒子の粒子径が小さいほど小さくなると考えられる。粒子層を構成する粒子の粒子径が小さいほど、充填度の高い粒子層が形成されると考えられるためである。一方、任意の粒子層に含まれる粒子が、任意の粒子層から脱落して、隣接する他の粒子層に浸透する程度(浸透度)は、他の粒子層の空隙が大きいほど高くなると考えられる。
本開示のセパレータ層付き負極においては、負極合材層および第2層の間に第1層が配置されおり、かつ各層を構成する粒子の平均粒子径は、D>D>Dの関係を満たす。上記を踏まえると、第2絶縁性粒子の第1層に対する浸透度は、負極合材層に対する浸透度よりも低くなる。このため、第2層と負極合材層との間に第1層が設けられていると、第2絶縁性粒子の負極合材層への浸透が、第1層により抑制される。したがって、本開示のセパレータ層付き負極によれば、絶縁性粒子の負極合材層中への浸透に起因する電池容量の低下が抑制される。
ただし、負極活物質および第1絶縁性粒子の各平均粒子径は、D≧D×0.414の関係を満たす必要がある。本開示の検討により、これを満たさない場合には、電池容量の低下の抑制が不十分であることが確認されている。これは、D≧D×0.414の関係を満たさない場合には、第1絶縁性粒子の負極合材層への浸透が生じ、これに伴い第2絶縁性粒子の負極合材層への浸透までもが生じるためと考えられる。
またかかる構成を有するセパレータ層付き負極は、粒子径の小さな絶縁性粒子を含む第2層を有するため、たとえば第1層のみからなる場合と比べて、セパレータ層の曲路率は比較的高く維持される。したがって、本開示のセパレータ層付き負極によれば、上述のような微短絡の発生が抑制される。
以上の理由により、本開示のセパレータ層付き負極は、電池における微短絡の発生を抑制しつつ、電池容量の低下を抑制することを可能とする。
図1は、本開示の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極の概略断面図の一例である。 図2は、図1中の領域IIの模式的な拡大図である。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。本明細書において、「平均粒子径」は、体積基準の粒度分布における積算値50%での粒子径(「d50」、「メジアン径」とも称される。)を意味する。体積基準の粒度分布は、レーザ回折散乱法、コールターカウンター回折散乱法、またはマイクロトラック法によって測定される。また各層の「厚さ」は、各層の厚さ方向断面が光学顕微鏡等で観察されることにより測定される。厚さは3箇所以上で測定され、これらの算術平均が測定結果として採用される。
〈リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極〉
図1は、本実施形態のリチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極の概略断面図の一例である。図1に示されるように、セパレータ層付き負極100は、負極10と、負極10の表面に配置されたセパレータ層20と、を備える。本実施形態のセパレータ層付き負極100は、その両面にセパレータ層20を備えるが、セパレータ層20は一方の面にのみ設けられていてもよい。
図2は、図1中の領域IIの模式的な拡大図である。負極合材層12は、負極活物質12Aを含有している。また第1層21および第2層22は、それぞれ第1絶縁性粒子21Bおよび第2絶縁性粒子22Cを含有している。
《負極》
負極10は、負極集電体11および負極合材層12を有する。負極集電体11は、たとえば、銅(Cu)箔等でよい。負極集電体11は、たとえば、5〜20μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層12は、負極集電体の表面に配置されている。負極合材層1は、たとえば10〜150μm程度の厚さを有してもよい。負極合材層12は、負極活物質12Aおよびバインダ材等を含有する。負極合材層12は、例えば、95〜99質量%の負極活物質12A、および1〜5質量%のバインダを含有する。
負極活物質12Aおよびバインダは特に限定されるべきではない。負極活物質12Aは、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、珪素、酸化珪素、錫、酸化錫等であってもよい。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等であってもよい。
《セパレータ層》
セパレータ層20は、第1層21および第2層22を有する。第1層21は、第2層22と負極合材層12との間に配置されている。負極合材層12、第1層21および第2層22の積層構造において、隣り合う層は互いに接している。
第1層21は、第1絶縁性粒子21Bを含む。第1絶縁性粒子21Bは、たとえばポリエチレン(PE)粒子、ポリプロピレン(PP)粒子、ポリイミド(PI)粒子、アラミド粒子等の樹脂粒子である。第1絶縁性粒子21Bは、2種以上の絶縁性粒子を併用してもよい。
第1層21は、さらに第1絶縁性粒子21B同士を結着させるためのバインダを含んでもよい。バインダとしては、たとえばCMC、ポリアクリル酸(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)等が使用できる。バインダの配合量は、100質量部の第1絶縁性粒子21Bに対して、たとえば0.1〜5質量部程度でよい。
第2層22は、第2絶縁性粒子22Cを含む。第2絶縁性粒子22Cは、たとえばPE粒子、PP粒子、PI粒子、アラミド粒子等の樹脂粒子である。第2絶縁性粒子22Cは、2種以上の絶縁性粒子を併用してもよい。なお第1絶縁性粒子21Bおよび第2絶縁性粒子22Cの材質は、同一であっても異なっていてもよい。
第2層22は、さらに第2絶縁性粒子22C同士を結着させるためのバインダを含んでもよい。バインダには、たとえば第1絶縁性粒子と同様に、CMC、PA、PAN等が使用できる。バインダの配合量は、100質量部の第2絶縁性粒子22Cに対して、たとえば0.1〜5質量部程度でよい。なお第1層21および第2層22のバインダは、同一であっても異なっていてもよい。
セパレータ層20は、たとえば、10〜40μm程度の厚さを有してもよく、10〜20μm程度の厚さを有してもよい。第1層21および第2層22は、それぞれ5〜20μm程度の厚さを有しても良く、5〜10μm程度の厚さを有してもよい。なお第1層21および第2層22の厚さは同一であっても異なっていてもよい。
このようなセパレータ層20を備えるセパレータ層付き負極100によれば、たとえば正極と負極との間に、多孔質膜からなるセパレータを設けた場合に比べて、電池組み付け時における不良品の発生が抑制される。多孔質膜を正極と負極との間に配置させる場合には、多孔質膜の位置ずれ、しわ、またはたるみの発生等が起こり得るためである。したがって、本実施形態のセパレータ層付き負極100によれば、歩留まりの向上による電池の生産性の向上が期待される。
また樹脂粒子からなる樹脂粒子層であるセパレータ層20は、多孔質膜と比べて高い透気度を有することができる。このため、セパレータ層20は多孔質膜と比べて電解液の浸透性に優れる。したがって、本実施形態のセパレータ層付き負極100によれば、電解液の含浸時間の短縮による電池の生産性の向上が期待される。
《負極活物質、第1絶縁性粒子および第2絶縁性粒子の各平均粒子径の関係》
本実施形態のセパレータ層付き負極100は、負極活物質12Aの平均粒子径をDとし、第1絶縁性粒子21Bの平均粒子径をDとし、第2絶縁性粒子22Cの平均粒子径をDとしたとき、D>D>Dであり、かつD≧D×0.414の関係を満たすことを特徴とする。
各平均粒子径D,D,Dは、セパレータ層付き負極100の製造時に用いられる負極活物質12A、第1絶縁性粒子21Bおよび第2絶縁性粒子22Cのそれぞれに対して、レーザ回折散乱法、コールターカウンター回折散乱法、およびマイクロトラック法等が実施されることによって決定され得る。また各平均粒子径D,D,Dは、セパレータ層付き負極100の厚さ方向の断面に対する電子顕微鏡観察によっても決定することができる。各層の境界は電子顕微鏡の画像を目視にて観察することにより決定可能であり、各層中に含まれる粒子の粒子径は、画像解析ソフト等を用いることにより決定可能だからである。
負極合材層12と第2層22との間に、第1層21が配置されており、かつ各平均粒子径がD>D>Dを満たすことにより、第2絶縁性粒子22Cの負極合材層12への浸透が抑制される。したがって、セパレータ層付き負極100によれば、第2絶縁性粒子22Cの負極合材層12中への浸透に起因する電池容量の低下が抑制される。ただし、負極活物質12Aおよび第1絶縁性粒子21Bの各平均粒子径が、D≧D×0.414の関係を満たさない場合には、電池容量の低下の抑制が不十分となる。またセパレータ層付き負極100は、粒子径の小さな絶縁性粒子を含む第2層22を有するため、セパレータ層20の曲路率は比較的高く維持される。したがって、本実施形態のセパレータ層付き負極100によれば、曲路率の低さに起因する微短絡の発生が抑制される。
以上のように、本実施形態のセパレータ層付き負極100は、電池における微短絡の発生を抑制しつつ、電池容量の低下を抑制することを可能とする。
本実施形態のセパレータ層付き負極100は、さらにD≧D×0.414の関係を満たすことが好ましい。D≧D×0.414を満たす場合、微短絡の発生のさらなる抑制とともに、電池容量の低下のさらなる抑制が可能となる。これには、D≧D×0.414の関係を満たさない場合には、第2絶縁性粒子22Cは第1層21に浸透し易く、これに伴い、第2絶縁性粒子22Cが負極合材層12に到達し易くなることが関係していると推察される。
また本実施形態のセパレータ層付き負極100において、負極活物質12Aは、たとえば1〜30μmの平均粒子径Dを有してもよく、3〜20μmの平均粒子径Dを有してもよい。ただし、D>D>DおよびD≧D×0.414を満たす必要があることから、10μm以上であることが好ましい。第1絶縁性粒子21Bおよび第2絶縁性粒子22Cの各平均粒子径D,Dが小さくなり過ぎることを避けるためである。第1絶縁性粒子21Bおよび第2絶縁性粒子22Cの各平均粒子径D,Dが小さくなり過ぎると、第1絶縁性粒子21Bおよび第2絶縁性粒子22Cの負極合材層12への浸透が十分に抑制されない恐れがある。
また第1絶縁性粒子21Bは、たとえば0.5〜12μmの平均粒子径Dを有してもよく、4〜6μmの平均粒子径Dを有してもよい。また第2絶縁性粒子22Cは、たとえば0.2〜5μmの平均粒子径Dを有してもよく、1〜3μmの平均粒子径Dを有してもよい。
〈リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極の製造方法〉
本実施形態のセパレータ層付き負極100の製造の一例について、以下に説明する。
《負極製造工程》
負極製造工程では、負極10が製造される。負極20は、たとえば次のようにして製造される。まず、負極活物質12Aを含有する負極合材ペーストが作製される。負極合材ペーストが負極集電体11上に塗工される。ペースト塗膜が乾燥されることにより、負極集電体11の表面に負極合材層12が形成される。これにより、負極10が製造される。なお、負極合材層12が形成された後に、負極合材層22を圧縮して厚さを調整することもできる。また、負極集電体11および負極合材層12は所定の寸法に加工されてもよい。
《セパレータ層形成工程》
セパレータ層形成工程では、負極10の表面にセパレータ層20が形成される。セパレータ層20は、たとえば次のようにして形成される。まず、第1絶縁性粒子21Bを含有する第1ペーストが、負極合材層12上に塗工される。ペースト塗膜が乾燥されることにより、負極合材層12の表面に第1層21が形成される。引き続き、第2絶縁性粒子22Cを含有する第2ペーストが、第1層21上に塗工される。ペースト塗膜が乾燥されることにより、第1層21の表面に第2層22が形成される。これにより、セパレータ層20が形成される。
各工程において、ペースト塗膜の厚さ、乾燥時間等を調整することによって、各層の厚さが制御される。また各ペーストにおける各粒子の配合量を調製することによって、各層における各粒子の充填の程度が制御される。
〈用途〉
本実施形態のセパレータ層付き負極は、大容量を有するリチウムイオン二次電池に採用される。そうしたリチウムイオン二次電池としては、たとえば、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)および電気自動車(EV)等の動力電源用の電池が挙げられる。ただし本実施形態のセパレータ層付き負極の用途は、こうした車載電池用に限定されるべきではない。本実施形態のセパレータ層付き負極は、任意の電解液二次電池に適用可能である。
以下、実施例が説明される。ただし以下の例は本開示の範囲を限定するものではない。
〈実施例1〉
《セパレータ層付き負極の製造》
(負極の製造)
以下の材料が準備された。
負極活物質:天然黒鉛(平均粒子径:10.5μm)
バインダ:CMCおよびSBR
溶媒:水
負極集電体:Cu箔(厚さ:10μm)
負極活物質、バインダおよび溶媒が混合されることにより、負極スラリーが調製された。負極スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「負極活物質:CMC:SBR=98:1:1」とされた。負極スラリーが、負極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、負極合材層が形成された。負極合材層の単位面積あたりの質量は、片面あたり7.5mg/cm2とされた。また負極合材層の密度は、1.1g/cm3とされた。負極合材層が所定の厚さに圧延され、帯状に裁断された。これにより、負極が製造された。
(セパレータ層の形成)
1.第1層の形成
以下の材料が準備された。
第1絶縁性粒子:ポリエチレン粒子(ケミパール(登録商標)W308、三井化学株式会社製、平均粒子径:6μm)
バインダ:CMC
溶媒:水
第1絶縁性粒子、バインダおよび溶媒が混合されることにより、第1スラリーが調製された。第1スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「第1絶縁性粒子:CMC=99:1」とされた。また第1スラリーにおける全固形分の配合量は40%とされた。グラビアコーターにより、第1スラリーが負極合材層(両面)の表面に塗布され、乾燥されることにより、第1層が形成された。第1層の厚さは、10μmとされた。
2.第2層の形成
以下の材料が準備された。
第2絶縁性粒子:ポリエチレン粒子(ケミパール(登録商標)W300、三井化学株式会社製、平均粒子径:3μm)
バインダ:CMC
溶媒:水
第2絶縁性粒子、バインダおよび溶媒が混合されることにより、第2スラリーが調製された。第2スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「第2絶縁性粒子:CMC=99:1」とされた。また第2スラリーにおける全固形分の配合量は40%とされた。グラビアコーターにより、第2スラリーが第1層の表面に塗布され、乾燥されることにより、第2層が形成された。第2層の厚さは、10μmとされた。これにより、第1層および第2層からなるセパレータ層が形成され、セパレータ層付き負極が製造された。
《正極の製造》
以下の材料が準備された。
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/32
導電材:アセチレンブラック
バインダ:ポリフッ化ビニリデン
溶媒:N−メチル−2−ピロリドン
正極集電体:Al箔(厚さ:15μm)
正極活物質、導電材、バインダおよび溶媒が混合されることにより、正極スラリーが調製された。正極スラリーにおいて、固形分の配合は、質量比で「正極活物質:導電材:バインダ=90:8:2」とされた。正極スラリーが、正極集電体の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥されることにより、正極合材層が形成された。正極合材層の単位面積あたりの質量は、片面あたり12mg/cm2とされた。また正極活物質の密度は、2.2g/cm3とされた。正極合材層が所定の厚さに圧延され、帯状に裁断された。これにより、正極が製造された。
《電解液》
以下の成分を含む電解液が準備された。
溶媒:[EC:EMC:DEC=3:5:2(体積比)]
リチウム塩:LiPF6(1mоl/l)
ECはエチレンカーボネートを示す。DMCはジメチルカーボネートを示す。EMCはエチルメチルカーボネートを示す。
《リチウムイオン二次電池の作製》
上記で得られたセパレータ層付き負極、正極および電解液を備えるリチウムイオン二次電池が製造された。リチウムイオン二次電池は、ラミネート型リチウムイオン二次電池(定格容量:100mAh)である。
〈実施例2〉
第2絶縁性粒子として、ポリエチレン粒子(ケミパール(登録商標)W401、三井化学株式会社製、平均粒子径:1μm)が用いられたことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
〈比較例1〉
第1層の厚みが20μmとされ、かつ第2層が形成されない(すなわち、第1層のみからなるセパレータ層が形成される)ことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
〈比較例2〉
第2層の厚みが20μmとされ、かつ第1層が形成されない(すなわち、第2層のみからなるセパレータ層が形成される)ことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
〈比較例3〉
第1ペーストと第2ペーストとを50:50の体積比で混合した混合ペーストによって、20μmの厚さを有するセパレータ層が形成された(すなわち、第1絶縁性粒子および第2絶縁性粒子が混在する1層構造のセパレータ層が形成される)ことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
〈比較例4〉
第1絶縁性粒子として、ポリエチレン粒子(ケミパール(登録商標)W400、三井化学株式会社製、平均粒子径:4μm)が用いられたことを除いては、実施例1と同じ製造方法により電池が製造された。
〈短絡率の評価〉
25℃環境において、電池のSOC(State Of Charge)が90%に調整された。次に、60℃環境において、24時間エージング処理が実施された後、エージングによる電圧降下量が測定された。電圧降下量が0.15V以上であった電池において短絡が発生したものと判断した。実施例1、2、比較例1〜4のそれぞれにおいて、35個の電池に対してエージング処理が実施され、各電池の総数に対する「短絡が発生した電池の数」の割合(百分率)がショート率とされた。各結果が表1に示される。ショート率が低いほど、微短絡の発生が抑制されていることを意味する。
〈容量維持率の評価〉
0℃環境において、10Cの電流レートで、充放電サイクルが500サイクル繰り返された。500サイクル後、サイクル後の放電容量を初期放電容量で除した値(百分率)が容量維持率とされた。各結果が表1に示される。容量維持率が高いほど、電池容量の低下が抑制されていることを意味する。
Figure 2018113125
〈結果〉
上記表1に示されるように、セパレータ層付き負極が以下(1)〜(3)の条件を満たす実施例は、同条件を満たさない比較例と比べて、微短絡の発生の抑制と、電池容量の低下の抑制との両バランスに優れていた。したがって、実施例においては、微短絡の発生を抑制しつつ、電池容量の低下を抑制することが可能となっていた。
(1)セパレータ層は、第1絶縁性粒子を含む第1層と、第2絶縁性粒子を含む第2層とを有する。
(2)第1層は、第2層と負極合材層との間に配置されている。
(3)負極活物質の平均粒子径をD、第1絶縁性粒子の平均粒子径をD、および第2絶縁性粒子の平均粒子径をDは、D>D>Dの関係を満たし、かつD≧D×0.414の関係を満たす。
実施例1、2の結果より、上記(1)〜(3)に加えてさらにD≧D×0.414の関係を満たす(実施例1)ことにより、さらなる微短絡の発生の抑制と、電池容量の低下の抑制とが可能となっている。これは、D≧D×0.414の関係を満たす場合には、第2絶縁性粒子が第1層に浸透し難く、これに伴い、第2絶縁性粒子が負極合材層にさらに到達し難くなるためと考えられる。
比較例1は、電池容量の低下の程度は比較的小さいものの、微短絡の発生が顕著であった。これは、第2層が存在しないために、負極合材層への第2絶縁性粒子の浸透が起こらない一方で、セパレータ層の曲路率が高くなるためと考えられる。
比較例2は、電池容量の低下の程度が大きかった。これは、第1層が存在しないために、第2絶縁性粒子が負極合材層に浸透し易くなるためと考えられる。
比較例3は、第1絶縁性粒子および第2絶縁性粒子が層状に別れておらず、混合されている。このために、第2絶縁性粒子の負極合材層への浸透が発生し、結果的に電池容量が低下していると考えられる。
比較例4は、電池容量の低下の程度が大きかった。これは、D≧D×0.414の関係を満たさないためと考えられる。
上記の実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記の説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 負極、11 負極集電体、12 負極合材層、12A 負極活物質、20 セパレータ層、21 第1層、21B 第1絶縁性粒子、22 第2層、22B 第2絶縁性粒子。

Claims (1)

  1. 負極と、前記負極の表面に配置されたセパレータ層と、を備え、
    前記負極は、負極集電体と、前記負極集電体の表面に配置された負極合材層とを有し、
    前記負極合材層は、負極活物質を含有し、
    前記セパレータ層は、第1絶縁性粒子を含有する第1層と、第2絶縁性粒子を含有する第2層と、を有し、
    前記第1層は、前記第2層と前記負極合材層との間に配置されており、
    前記負極活物質の平均粒子径をDとし、前記第1絶縁性粒子の平均粒子径をDとし、前記第2絶縁性粒子の平均粒子径をDとしたとき、
    >D>Dであり、かつ
    ≧D×0.414の関係を満たす、リチウムイオン二次電池用のセパレータ層付き負極。
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