JP2008016194A - 非水電解液二次電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】負極の活物質層の厚み方向及び平面方向の全域にわたって均一にリチウムを吸蔵させ得る非水電解液二次電池の製造方法を提供すること。
【解決手段】 以下の(1)及び(2)のステップからなる充放電を行いリチウムを吸蔵させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
(1)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間充電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を充電電位が4V以上になるまで2回以上繰り返す。
(2)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間放電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を放電電位が3.3V以下になるまで2回以上繰り返す。
(1)の各ステップにおける充電量が同じになるように行うことが好ましい。(2)の各ステップにおける放電量が同じになるように行うことも好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウム二次電池などの非水電解液二次電池の製造方法に関する。
リチウム二次電池の負極としては、黒鉛等のカーボン系材料を含む合剤を、銅箔等の集電体に塗工したものが広く用いられている。近年、カーボン系材料のリチウム吸蔵性能は理論値に近いレベルまで達しており、リチウム二次電池の大幅な容量向上のために、新たな負極活物質の開発が要請されている。そのような負極活物質として、シリコン系材料やスズ系材料が提案されている。
例えば、高電圧・高エネルギー密度で且つ大電流での充放電特性に優れたリチウム二次電池を得る目的で、電気化学的反応によってリチウムを吸蔵させたシリコン粒子を、負極活物質として用いることが提案されている(特許文献1参照)。シリコン粒子は加圧成形されてペレットの形態になり、その上にリチウム箔が圧着されて負極が得られる。該負極を電池に組み込み、非水電解液の存在下、リチウムとシリコン粒子との間で形成される局部電池反応を利用して、シリコン粒子にリチウムを吸蔵させている。しかし、このような方法では、活物質層へ局部的にしかリチウムが吸蔵されず、活物質全体への均一なリチウムの吸蔵が容易ではなかった。局部的にリチウムが吸蔵されると、電極反応が不均一に起こり、それによって活物質層の膨張及びそれに起因する応力の発生が不均一となり、負極の座屈が起こりやすくなる。
特開平7−29602号公報
本発明の目的は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る非水電解液二次電池の製造方法を提供することにある。
本発明は、正極と、負極と、これらの間に介在配置されたセパレータと、負極とセパレータとの間に介在配置された金属リチウム層とを備えた非水電解液二次電池における該金属リチウム層のリチウムを負極の活物質に吸蔵させる非水電解液二次電池の製造方法において、以下の(1)及び(2)のステップからなる充放電を行いリチウムを吸蔵させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法を提供することにより前記目的を達成したものである。
(1)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間充電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を充電電位が4V以上になるまで2回以上繰り返す。
(2)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間放電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を放電電位が3.3V以下になるまで2回以上繰り返す。
本発明の製造方法によれば、負極の活物質層の厚み方向及び平面方向の全域にわたって均一にリチウムを吸蔵させることができる。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態は、円筒型又は角形と呼ばれる非水電解液二次電池の製造方法に係るものである。図1には、本発明の製造方法の第1の実施形態が模式的に示されており、図2には、図1における要部が拡大して示されている。本実施形態においては、図1に示すように、先ず、電池を構成する各部材を重ね合わせる。ここで用いられる構成部材は、第1のセパレータS1、第2のセパレータS2、正極C、負極Aの四部材である。これらの部材はすべて長尺帯状の形状をしている。第1のセパレータS1及び第2のセパレータS2の幅は、正極C及び負極Aの幅よりも広くなっている。
なお図1においては、巻回前の負極Aに、後述する金属リチウム層P1,P2が既に取り付けられているように表されているが、これは発明の理解の助けとするために便宜的に表されたものであり、実際は図2に示すように巻回前の負極Aには、金属リチウム層P1,P2は取り付けられていない。
前記の四部材は、正極Cと、第1のセパレータS1と、負極Aとがこの順で重ね合わされ、更に負極Aの外面に第2のセパレータS2が重ね合わされる。そしてこれら四部材が一体に巻回される。各部材の重ね合わせにおいては、隣り合う部材間は、重ね合わせのみによって接しており、接着剤などの接合手段によっては接合されていない。つまり、各部材は、機械的に剥離可能なように接しているだけである。
前記の各部材を前述した順序で重ね合わせて、これらを巻回して巻回体(図示せず)を得る。巻回は、図1に示すように、正極Cの側が内向きになるように行う。このように巻回することで、巻回体においては、正極C、第1のセパレータS1、負極A、及び第2のセパレータS2がこの順で層状に配される。
正極Cは、集電体(図示せず)の各面に正極活物質を含む活物質層(図示せず)が形成されてなるものである。一方、負極Aは、集電体(図示せず)の各面に、リチウムの吸蔵放出が可能な負極活物質を含む活物質層(図示せず)が形成されてなるものである。
これら4部材の重ね合わせに先立ち、図2に示すように、第1のセパレータS1と負極Aとの間に、これらの部材の長手方向にわたって第1の金属リチウム層P1を配置する。これと共に第2のセパレータS2と負極Aとの間に、これらの部材の長手方向にわたって第2の金属リチウム層P2を配置する。なお図2には、正極Cは示されていない。
両金属リチウム層P1,P2は何れも負極A等の長手方向の全域にわたり所定間隔をおいて不連続に配置される。第1の金属リチウム層P1と第2の金属リチウム層P2とは同じ形状でもよく、或いは異なる形状でもよい。本実施形態においては、第1の金属リチウム層P1と第2の金属リチウム層P2とは同じ形状である。両金属リチウム層P1,P2は何れも矩形であり、その長辺の延びる方向が負極A等の幅方向と略一致するように配される。両金属リチウム層P1,P2の長辺の長さは、負極A等の幅と略同じであるか、又はそれよりも短くなっている。製造の容易さを考慮すると、両金属リチウム層P1,P2の長辺の長さは、負極A等の幅の80〜95%であることが好ましい。
図3に示すように、第1の金属リチウム層P1と第2の金属リチウム層P2とは、巻回前の状態においてこれらを平面視したときに、負極Aを間に挟み、互いに重なり合わない位置関係となるようにそれぞれ配されている。また両金属リチウム層P1,P2は、巻回前の状態においてこれらを平面視したときに、それらの隣り合う長辺間に隙間Gが形成されるように配置されている。このように両金属リチウム層P1,P2を配置することで、吸蔵される金属リチウムの量と、これを吸蔵する負極活物質の量とのバランス調整が容易に行える。また、このように両金属リチウム層P1,P2を配置することで、円柱状の巻回体の周面に凹凸が形成されることを防止することができる。
このようにして、両金属リチウム層P1,P2を、負極Aと両セパレータS1,S2との間に介在配置させた状態で巻回を行う。得られた巻回体においては、負極Aと両セパレータS1,S2とは、金属リチウム層P1,P2の厚みの分だけ離間した状態になっている。このような状態の巻回体から両金属リチウム層P1,P2を構成するリチウムを負極活物質に吸蔵させる。初回の充放電を行う前に負極活物質にリチウムを吸蔵させることは、電池のサイクル寿命の向上及び負極10の膨張抑制の点から有利である。負極活物質にリチウムを吸蔵させる方法の詳細については後述する。
巻回体は、有底筒状の電池缶(図示せず)に収容される。電池缶は、例えば内面がニッケルめっきされた鉄によって構成されている。電池缶内には、非水電解液が注入される。非水電解液は、支持電解質であるリチウム塩を有機溶媒に溶解した溶液からなる。リチウム塩としては、LiClO4、LiA1Cl4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiSCN、LiCl、LiBr、LiI、LiCF3SO3、LiC49SO3等が例示される。有機溶媒としては、例えばエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。特に、非水電解液全体に対し0.5 〜5重量%のビニレンカーボネート及び0.1〜1重量%のジビニルスルホン、0.1〜1.5重量%の1,4−ブタンジオールジメタンスルホネートを含有させることが充放電サイクル特性を更に向上する観点から好ましい。その理由について詳細は明らかでないが、1,4−ブタンジオールジメタンスルホネートとジビニルスルホンが段階的に分解して、正極上に被膜を形成することにより、硫黄を含有する被膜がより緻密なものになるためであると考えられる。
特に非水電解液としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン ,4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン或いは4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどのハロゲン原子を有する環状の炭酸エステル誘導体のような比誘電率が30以上の高誘電率溶媒を用いることも好ましい。耐還元性が高く、分解されにくいからである。また、上記高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、或いはメチルエチルカーボネートなどの粘度が1mPa・s以下である低粘度溶媒を混合した電解液も好ましい。より高いイオン伝導性を得ることができるからである。更に、電解液中のフッ素イオンの含有量が14質量ppm以上1290質量ppm以下の範囲内であることも好ましい。電解液に適量なフッ素イオンが含まれていると、フッ素イオンに由来するフッ化リチウムなどの被膜が負極に形成され、負極における電解液の分解反応を抑制することができると考えられるからである。更に、酸無水物及びその誘導体からなる群のうちの少なくとも1種の添加物が0.001質量%〜10質量%含まれていることが好ましい。これにより負極の表面に被膜が形成され、電解液の分解反応を抑制することができるからである。この添加物としては、環に−C(=O)−O−C(=O)−基を含む環式化合物が好ましく、例えば無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水2−スルホ安息香酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水ジグリコール酸、無水ヘキサフルオログルタル酸、無水3−フルオロフタル酸、無水4−フルオロフタル酸などの無水フタル酸誘導体、又は無水3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸、無水1,8−ナフタル酸、無水2,3−ナフタレンカルボン酸、無水1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などの無水1,2−シクロアルカンジカルボン酸、又はシス−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物或いは3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物などのテトラヒドロフタル酸無水物、又はヘキサヒドロフタル酸無水物(シス異性体、トランス異性体)、3,4,5,6−テトラクロロフタル酸無水物、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物、二無水ピロメリット酸、又はこれらの誘導体などが挙げられる。
電池缶の開口部は、電池蓋によって閉塞される。このようにして電池が得られる。これら以外の電池の構成に関しては従来と同様である。
負極活物質にリチウムを吸蔵させる方法は次の通りである。この方法においては、巻回体を電池缶内に収容し、更に電池蓋で缶内を密封して電池を作製した後、この電池に対して所定の条件下で充放電を行う。この充放電によって、両金属リチウム層P1,P2を構成するリチウムを、負極活物質に吸蔵させる。
具体的には、図4に示すように、定電流ガルバノスタット100を用いて充放電を行う。ガルバノスタット100は、正極の電圧プローブ101及び電流プローブ102、並びに負極の電圧プローブ103及び電流プローブ104を備えている。正極の電圧プローブ101及び電流プローブ102は電池200の正極に接続される。負極の電圧プローブ103及び電流プローブ104は電池200の負極に接続される。通常、電圧プローブ101,103を、電流プローブ102,104よりも電池端子に近い側に接続する。
本実施形態においては次の2ステップからなる充放電を行う。
(1)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間充電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を充電電位が4V以上になるまで2回以上繰り返す。
(2)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間放電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を放電電位が3.3V以下になるまで2回以上繰り返す。
前記の2ステップからなる充放電を行うことで、負極の活物質層の全体にわたって均一にリチウムを吸蔵させることができる。なお1Cの放電(充電)とは、例えば容量1000mAhの電池を、1時間で、1000mAの電流で放電(充電)することをいう。従って例えば0.5Cの充電(放電)というときには、1000mAhの電池を、2時間で、1000mAの電流で放電(充電)することをいう。
前記の(1)及び(2)のステップは、負極活物質としてシリコン系材料、特にシリコンを用い、正極活物質としてリチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物等の、リチウムと遷移金属との複合酸化物を始めとするリチウム含有金属複合酸化物を用いた場合に、特に有効な条件である。
前記の(1)及び(2)のステップについて更に説明すると、(1)のステップにおいては比較的低レートで充電を行う。充電のレートは上述の通り0.5C以下であり、好ましくは0.01〜0.5C、更に好ましくは0.02〜0.2Cである。
この充電操作の後、充電を一旦終了し、1〜48時間、好ましくは1〜6時間放置する。放置の目的は次の通りである。前記の充電操作によって活物質層に含まれる活物質にリチウムが吸蔵されるところ、活物質層の水平方向及び厚み方向に関し、金属リチウム層P1,P2から遠い位置にある活物質ほど、リチウムを吸蔵する速度が遅くなる。そこで、充電を一旦終了した後に放置を行うことで、活物質層の水平方向及び厚み方向におけるリチウムの吸蔵量をできるだけ均一にしている。この放置を行うことでリチウムは負極の厚み方向又は水平方向に向けて徐々に拡散していく。リチウムの拡散は迅速には進行しないことから、本実施形態においては放置の時間を1〜48時間という比較的長時間に設定している。
前記の充電及び放置の操作を1工程とし、この工程を充電電位が4V以上になるまで2回以上繰り返す。この工程を繰り返す回数に特に制限はないが、回数が多くなることは、生産性の点から有利とは言えない。そこで繰り返し回数は多くとも20回、特に多くとも10回とすることが好ましい。この場合、各工程における充電操作を、充電量が同じになるように行うことが好ましい。各工程における放置操作の時間は、同じでもよく、或いは異なっていてもよい。
このようにして電池は満充電状態となる。次に(2)のステップの放電の操作を行う。放電の操作では、充電と正反対の操作を行う。詳細には、(2)のステップにおいて、比較的低レートで放電を行う。放電のレートは上述の通り0.5C以下であり、好ましくは0.01〜0.5C、更に好ましくは0.02〜0.2Cである。
この放電操作の後、放電を一旦終了し、1〜48時間、好ましくは1〜6時間放置する。放置の目的は次の通りである。前記の放電は比較的低レートで行うとはいうものの、活物質層の表面及びその近傍の部位の放出量が、集電体に近い部位よりも高くなっている。そこで、放電を一旦終了した後に放置を行うことで、活物質層の厚み方向におけるリチウムの吸蔵量をできるだけ均一にしている。この放置を行うことでリチウムは活物質層の表面方向に向けて徐々に拡散していく。リチウムの拡散は迅速には進行しないことから、本実施形態においては放置の時間を1〜48時間という比較的長時間に設定している。
前記の放電及び放置の操作を1工程とし、この工程を放電電位が3.3V以下になるまで2回以上繰り返す。この工程を繰り返す回数に特に制限はないが、回数が多くなることは、生産性の点から有利とは言えない。そこで繰り返し回数は多くとも20回、特に多くとも10回とすることが好ましい。この場合、各工程における放電操作を、放電量が同じになるように行うことが好ましい。各工程における放置操作の時間は、同じでもよく、或いは異なっていてもよい。
このようなステップを行うことで、リチウムを負極活物質層に首尾良く吸蔵させることができる。使用する金属リチウムの量は、負極活物質の量との関係で決定される。具体的には、リチウムの吸蔵量を、負極活物質の初期充電理論容量に対して好ましくは5〜80%、更に好ましくは10〜50%、一層好ましくは20〜40%、更に一層好ましくは25〜35%に設定する。例えば負極活物質としてシリコンを用いた場合、理論的にはシリコンは組成式SiLi4.4で表される状態までリチウムを吸蔵するので、リチウムの吸蔵量が、シリコンの初期充電理論容量に対して100%であるとは、組成式SiLi4.4で表される状態までリチウムがシリコンに吸蔵されることをいう。
シリコン系材料の活物質を有する負極と共に電池を構成する正極が、リチウム含有金属複合酸化物からなる活物質を有する場合には、負極活物質におけるリチウムの吸蔵量は、該正極活物質の量とも関係している。詳細には、シリコン系材料の活物質を有する負極を、リチウム含有金属複合酸化物からなる活物質を有する正極と組み合わせて電池を作製する場合には、以下の式(1)を満たすようにリチウムの吸蔵を行うことが好ましい。
4.4A−B≧C (1)
式中、Aは、負極におけるシリコンのモル数を表し、Bは、リチウム含有金属複合酸化物におけるリチウムのモル数を表し、Cは吸蔵されるリチウムのモル数を表す。
リチウムの吸蔵は、金属リチウム層P1,P2を構成する金属リチウムが完全に消失するまで行われることが好ましい。金属リチウムが残存していると、残存した金属リチウムを析出サイトとして、電池の充放電に起因するリチウムのデンドライトが発生する場合がある。このデンドライトは、電池の短絡の原因となる。
金属リチウム層P1,P2を完全に消失させることには次のような利点もある。金属リチウム層P1,P2の消失によって、負極Aと両セパレータS1,S2との間には、消失した金属リチウム層P1,P2の厚みよりは少ない空間が形成される。この空間の形成によって、充放電の繰り返しに起因する正極Cや負極A(特に負極A)の膨張で発生する応力が緩和される。その結果、膨張が発生しても正極Cや負極A、セパレータS1,S2が破損することを効果的に防止することができる。その結果、本実施形態の方法によれば、サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を容易に製造することができる。
電池として18650型のものを作製する場合、金属リチウム層P1,P2としては、その厚みが10〜200μm、特に15〜100μmであるものを用いることが、負極AとセパレータS1,S2との間に十分な空間を形成し得る点から好ましい。また金属リチウム層P1,P2はその短辺の長さが5〜100mm、特に5〜30mmであることが好ましい。金属リチウム層P1,P2の隣り合う長辺間の隙間Gは3〜60mm、特に5〜50mm、とりわけ10〜30mmであることが好ましい。金属リチウム層P1,P2の厚みが15μm以下の場合には、金属リチウム層P1,P2を負極Aの長手方向にわたって連続して配置してもよい。この場合、金属リチウム層P1,P2が箔からなる場合には、そのような薄い箔を製造することは現在の技術では容易でない。従って、金属リチウム層P1,P2が箔からなる場合には、その厚みを30μm以上とすることが現実的である。
本実施形態によれば、巻回体に外力を加えることなく金属リチウム層P1,P2を消失させることができる。従って巻回体の巻回状態が何ら損なわれないという利点もある。
次に、本発明の第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。本実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図5において、図1ないし図3と同じ部材に同じ符号を付してある。
本実施形態は、両金属リチウム層P1,P2の配置の仕方が第1の実施形態と異なる以外は、第1の実施形態と同様である。詳細には、第1及び第2の金属リチウム層P1,P2はそれぞれ、予め第1及び第2のセパレータS1,S2に取り付けられた状態になっており、これらの金属リチウム層P1,P2が取り付けられた第1及び第2のセパレータS1,S2が、正極C及び負極Aと共に巻回される。
図5に示すように、第1のセパレータS1は、その二つの面のうち、負極Aと対向する面に、第1のセパレータS1の長手方向にわたって第1の金属リチウム層P1が所定間隔をおいて不連続に取り付けられている。一方、第2のセパレータS2は、その二つの面のうち、負極Aと対向する面に、第2のセパレータS2の長手方向にわたって第2の金属リチウム層P2が所定間隔をおいて不連続に取り付けられている。図示していないが、金属リチウム層P1,P2は何れも矩形であり、その長辺がセパレータS1,S2の幅方向と一致するように配される。金属リチウム層P1,P2の長辺の長さは、セパレータS1,S2の幅よりも若干短くなっている。具体的には、金属リチウム層P1,P2の長辺の長さは、セパレータS1,S2の幅の80〜95%にすることが好ましい。
金属リチウム層P1,P2を構成する金属リチウムは、巻回体が形成された後に負極Aの活物質に吸蔵される。金属リチウム層P1,P2は、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、レーザーアブレーション法、イオンプレーティング法等の乾式薄膜形成法によってセパレータS1,S2に取り付けられる。
次に、前記の各実施形態において用いられる部材の詳細について説明する。図6には本発明に用いられる負極の一実施形態の断面構造の模式図が示されている。図6に示す負極10は、集電体11と、その少なくとも一面に形成された活物質層12を備えている。なお図6においては、便宜的に集電体11の片面にのみ活物質層12が形成されている状態が示されているが、活物質層は集電体の両面に形成されていてもよい。
活物質層12は、活物質の粒子12aを含んでいる。活物質としては、リチウムの吸蔵放出が可能な材料が用いられる。活物質層12は例えば、活物質の粒子12aを含むスラリーを塗布して形成されている。活物質としては、例えばシリコン系材料やスズ系材料、アルミニウム系材料、ゲルマニウム系材料が挙げられる。スズ系材料としては、例えばスズと、コバルトと、炭素と、ニッケル及びクロムのうちの少なくとも一方とを含む合金が好ましく用いられる。リチウムの吸蔵放出が可能な材料の他の例として、黒鉛、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素などの炭素材料が挙げられる。本発明の製造方法によれば、負極とセパレータとの間に、負極活物質の膨張によって生じた応力を緩和する空間を容易に形成できることを考慮すると、これら各種の負極活物質材料のうち、大きな体積変化を生じる材料であるシリコン系材料を用いた場合に、本発明の利点が特に顕著なものとなる。
シリコン系材料としては、リチウムの吸蔵が可能で且つシリコンを含有する材料、例えばシリコン単体、シリコンと金属との合金、シリコン酸化物などを用いることができる。これらの材料はそれぞれ単独で、或いはこれらを混合して用いることができる。前記の金属としては、例えばCu、Ni、Co、Cr、Fe、Ti、Pt、W、Mo及びAuからなる群から選択される1種類以上の元素が挙げられる。これらの金属のうち、Cu、Ni、Coが好ましく、特に電子伝導性に優れる点、及びリチウム化合物の形成能の低さの点から、Cu、Niを用いることが望ましい。特に好ましいシリコン系材料は、リチウムの吸蔵量の高さの点からシリコン又はシリコン酸化物である。
活物質層12においては、粒子12aの表面の少なくとも一部が、リチウム化合物の形成能の低い金属材料13で被覆されている。この金属材料13は、粒子12aの構成材料と異なる材料である。「リチウム化合物の形成能の低い」とは、リチウムと金属間化合物若しくは固溶体を形成しないか、又は形成したとしてもリチウムが微量であるか若しくは非常に不安定であることを意味する。該金属材料で被覆された該粒子12aの間には空隙が形成されている。つまり該金属材料は、リチウムイオンを含む非水電解液が粒子12aへ到達可能なような隙間を確保した状態で該粒子12aの表面を被覆している。図6中、金属材料13は、粒子12aの周囲を取り囲む太線として便宜的に表されている。なお同図においては、活物質層12に含まれる粒子12aのうち、他の粒子との間に接触がないように描かれているものが存在するが、これは活物質層12を二次元的にみたことに起因するものであり、実際は各粒子は直接又は金属材料13を介して他の粒子と接触をしている。
金属材料13は導電性を有するものであり、その例としては銅、ニッケル、鉄、コバルト又はこれらの金属の合金などが挙げられる。特に金属材料13は、活物質の粒子12aが膨張収縮しても該粒子12aの表面の被覆が破壊されにくい延性の高い材料であることが好ましい。そのような材料としては銅を用いることが好ましい。
金属材料13は、活物質層12の厚み方向全域にわたって存在していることが好ましい。そして金属材料13のマトリックス中に活物質の粒子12aが存在していることが好ましい。これによって、充放電によって該粒子12aが膨張収縮することに起因して微粉化しても、その脱落が起こりづらくなる。また、金属材料13を通じて活物質層12全体の電子伝導性が確保されるので、電気的に孤立した活物質の粒子12aが生成すること、特に活物質層12の深部に電気的に孤立した活物質の粒子12aが生成することが効果的に防止される。このことは、活物質として半導体であり電子伝導性の乏しい材料、例えばシリコン系材料を用いる場合に特に有利である。金属材料13が活物質層12の厚み方向全域にわたって活物質の粒子12aの表面に存在していることは、該材料13を測定対象とした電子顕微鏡マッピングによって確認できる。
金属材料13は、粒子12aの表面を連続に又は不連続に被覆している。金属材料13が粒子12aの表面を連続に被覆している場合には、金属材料13の被覆に、非水電解液の流通が可能な微細な空隙を形成することが好ましい。金属材料13が粒子12aの表面を不連続に被覆している場合には、粒子12aの表面のうち、金属材料13で被覆されていない部位を通じて該粒子12aへ非水電解液が供給される。このような構造の金属材料13の被覆を形成するためには、例えば後述する条件に従う電解めっきによって金属材料13を粒子12aの表面に析出させればよい。
活物質の粒子12aの表面を被覆している金属材料13は、その厚みの平均が好ましくは0.05〜2μm、更に好ましくは0.1〜0.25μmという薄いものである。つまり金属材料13は最低限の厚みで以て活物質の粒子12aの表面を被覆している。これによって、エネルギー密度を高めつつ、充放電によって粒子12aが膨張収縮して微粉化することに起因する脱落を防止している。ここでいう「厚みの平均」とは、活物質の粒子12aの表面のうち、実際に金属材料13が被覆している部分に基づき計算された値である。従って活物質の粒子12aの表面のうち金属材料13で被覆されていない部分は、平均値の算出の基礎にはされない。
金属材料13で被覆された粒子12aどうしの間には空隙が形成されている。この空隙は、リチウムイオンを含む非水電解液の流通の経路としての働きを有している。この空隙の存在によって非水電解液が活物質の粒子12aへ容易に到達するので、初期充電の過電圧を低くすることができる。その結果、負極の表面でリチウムのデンドライトが発生することが防止される。デンドライトの発生は両極の短絡の原因となる。過電圧を低くできることは、非水電解液の分解防止の点からも有利である。非水電解液が分解すると不可逆容量が増大するからである。更に、過電圧を低くできることは、正極がダメージを受けにくくなる点からも有利である。
更に、粒子12a間に形成されている空隙は、充放電で活物質の粒子12aが体積変化することに起因する応力を緩和するための空間としての働きも有する。充電によって体積が増加した活物質の粒子12aの体積の増加分は、この空隙に吸収される。その結果、該粒子12aの微粉化が起こりづらくなり、また負極10の著しい変形が効果的に防止される。
その上、粒子12a間に形成されている空隙は、先に述べた金属リチウム層P1,P2の構成材料である金属リチウムを、該粒子12aに首尾良く吸蔵させる働きも有する。詳細には、金属リチウム層P1,P2から溶解したリチウムは、該空隙を通じて活物質層12の厚み方向及び平面方向へと円滑に拡散する。その結果、活物質層12の全体にわたってリチウムが均一に吸蔵される。このことは、金属リチウム層P1,P2を不連続に配しても、リチウムが均一に吸蔵されるという点から有利である。また、正極及び負極等を巻回して構成される電池においては、一般に正極及び負極の長手方向の一端部に集電用のタブが取り付けられているので、該タブに近い部位ほどリチウムの吸蔵量が多くなりがちだが、前記の空隙が十分に形成されている負極を用いることで、負極の平面方向におけるリチウムの吸蔵量を容易に均一にすることができる。
活物質層12は、後述するように、好適には粒子12a及び結着剤を含むスラリーを集電体上に塗布し乾燥させて得られた塗膜に対し、所定のめっき浴を用いた電解めっきを行い、粒子12a間に金属材料13を析出させることで形成される。
非水電解液の流通が可能な空隙を活物質層12内に必要且つ十分に形成するためには、前記の塗膜内にめっき液を十分浸透させることが好ましい。これに加えて、該めっき液を用いた電解めっきによって金属材料13を析出させるための条件を適切なものとすることが好ましい。めっきの条件にはめっき浴の組成、めっき浴のpH、電解の電流密度などがある。めっき浴のpHに関しては、これを7.1〜11に調整することが好ましい。pHをこの範囲内とすることで、活物質の粒子12aの溶解が抑制されつつ、該粒子12aの表面が清浄化されて、粒子表面へのめっきが促進され、同時に粒子12a間に適度な空隙が形成される。pHの値は、めっき時の温度において測定されたものである。
めっきの金属材料13として銅を用いる場合には、ピロリン酸銅浴を用いることが好ましい。また該金属材料としてニッケルを用いる場合には、例えばアルカリニッケル浴を用いることが好ましい。特に、ピロリン酸銅浴を用いると、活物質層12を厚くした場合であっても、該層の厚み方向全域にわたって、前記の空隙を容易に形成し得るので好ましい。また、活物質の粒子12aの表面には金属材料13が析出し、且つ該粒子12a間では金属材料13の析出が起こりづらくなるので、該粒子12a間の空隙が首尾良く形成されるという点でも好ましい。ピロリン酸銅浴を用いる場合、その浴組成、電解条件及びpHは次の通りであることが好ましい。
・ピロリン酸銅三水和物:85〜120g/l
・ピロリン酸カリウム:300〜600g/l
・硝酸カリウム:15〜65g/l
・浴温度:45〜60℃
・電流密度:1〜7A/dm2
・pH:アンモニア水とポリリン酸を添加してpH7.1〜9.5になるように調整する。
ピロリン酸銅浴を用いる場合には特に、P27の重量とCuの重量との比(P27/Cu)で定義されるP比が5〜12であるものを用いることが好ましい。P比が5未満のものを用いると、活物質の粒子12aを被覆する金属材料が厚くなる傾向となり、粒子12a間に所望の空隙を形成させづらい場合がある。また、P比が12を超えるものを用いると、電流効率が悪くなり、ガス発生などが生じやすくなることから生産安定性が低下する場合がある。更に好ましいピロリン酸銅浴として、P比が6.5〜10.5であるものを用いると、活物質の粒子12a間に形成される空隙のサイズ及び数が、活物質層12内での非水電解液の流通に非常に有利になる。
アルカリニッケル浴を用いる場合には、その浴組成、電解条件及びpHは次の通りであることが好ましい。
・硫酸ニッケル:100〜250g/l
・塩化アンモニウム:15〜30g/l
・ホウ酸:15〜45g/l
・浴温度:45〜60℃
・電流密度:1〜7A/dm2
・pH:25重量%アンモニア水:100〜300g/lの範囲でpH8〜11となるように調整する。
このアルカリニッケル浴と前述のピロリン酸銅浴とを比べると、ピロリン酸銅浴を用いた場合の方が活物質層12内に適度な空隙が形成される傾向があり、負極の長寿命化を図りやすいので好ましい。
前記の各種めっき浴に、タンパク質、活性硫黄化合物、セルロース等の銅箔製造用電解液に用いられる各種添加剤を加えることにより、金属材料13の特性を適宜調整することも可能である。
上述の各種方法によって形成される活物質層全体の空隙の割合、つまり空隙率は、15〜45体積%程度、特に20〜40体積%程度であることが好ましい。空隙率をこの範囲内とすることで、非水電解液の流通が可能な空隙を活物質層12内に必要且つ十分に形成することが可能となる。空隙率は次の(1)〜(7)の手順で測定される。
(1)前記のスラリーの塗布によって形成された塗膜の単位面積当たりの重量を測定し、粒子12aの重量及び結着剤の重量を、スラリーの配合比から算出する。
(2)電解めっき後の単位面積当たりの重量変化から、析出しためっき金属種の重量を算出する。
(3)電解めっき後、負極の断面をSEM観察することで、活物質層12の厚みを求める。
(4)活物質層12の厚みから、単位面積当たりの活物質層12の体積を算出する。
(5)粒子12aの重量、結着剤の重量、めっき金属種の重量と、それぞれの配合比から、それぞれの体積を算出する。
(6)単位面積当たりの活物質層12の体積から、粒子12aの体積、結着剤の体積、めっき金属種の体積を減じて、空隙の体積を算出する。
(7)このようにして算出された空隙の体積を、単位面積当たりの活物質層12の体積で除し、それに100を乗じた値を空隙率(%)とする。
活物質の粒子12aの粒径を適切に選択することによっても、前記の空隙率をコントロールすることができる。この観点から、粒子12aはその最大粒径が好ましくは30μm以下であり、更に好ましくは10μm以下である。また粒子の粒径をD50値で表すと0.1〜8μm、特に0.3〜4μmであることが好ましい。粒子の粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定、電子顕微鏡観察(SEM観察)によって測定される。
負極全体に対する活物質の量が少なすぎると電池のエネルギー密度を十分に向上させにくく、逆に多すぎると強度が低下し活物質の脱落が起こりやすくなる傾向にある。これらを勘案すると、活物質層の厚みは10〜40μm、好ましくは15〜30μm、更に好ましくは18〜25μmである。
本実施形態の負極10においては、活物質層12の表面に薄い表面層(図示せず)が形成されていてもよい。また負極10はそのような表面層を有していなくてもよい。表面層の厚みは、0.25μm以下、好ましくは0.1μm以下という薄いものである。表面層の厚みの下限値に制限はない。
負極10が前記の厚みの薄い表面層を有するか又は該表面層を有していないことによって、負極10を用いて二次電池を組み立て、当該電池の初期充電を行うときの過電圧を低くすることができる。このことは、二次電池の充電時に負極10の表面でリチウムが還元することを防止できることを意味する。リチウムの還元は、両極の短絡の原因となるデンドライトの発生につながる。
負極10が表面層を有している場合、該表面層は活物質層12の表面を連続又は不連続に被覆している。表面層が活物質層12の表面を連続に被覆している場合、該表面層は、その表面において開孔し且つ活物質層12と通ずる多数の微細空隙(図示せず)を有していることが好ましい。微細空隙は表面層の厚み方向へ延びるように表面層中に存在していることが好ましい。微細空隙は非水電解液の流通が可能なものである。微細空隙の役割は、活物質層12内に非水電解液を供給することにある。微細空隙は、負極10の表面を電子顕微鏡観察により平面視したとき、金属材料13で被覆されている面積の割合、即ち被覆率が95%以下、特に80%以下、とりわけ60%以下となるような大きさであることが好ましい。
表面層は、リチウム化合物の形成能の低い金属材料から構成されている。この金属材料は、活物質層12中に存在している金属材料13と同種でもよく、或いは異種でもよい。また表面層は、異なる2種以上の金属材料からなる2層以上の構造であってもよい。負極10の製造の容易さを考慮すると、活物質層12中に存在している金属材料13と、表面層を構成する金属材料とは同種であることが好ましい。
負極10における集電体11としては、非水電解液二次電池用負極の集電体として従来用いられているものと同様のものを用いることができる。集電体11は、先に述べたリチウム化合物の形成能の低い金属材料から構成されていることが好ましい。そのような金属材料の例は既に述べた通りである。特に、銅、ニッケル、ステンレス等からなることが好ましい。また、コルソン合金箔に代表されるような銅合金箔の使用も可能である。更に集電体として、常態抗張力(JIS C 2318)が好ましくは500MPa以上である金属箔、例えば前記のコルソン合金箔の少なくとも一方の面に銅被膜層を形成したものを用いることもできる。更に集電体として常態伸度(JIS C 2318)が4%以上のものを用いることも好ましい。抗張力が低いと活物質が膨張した際の応力によりシワが生じ、伸び率が低いと該応力により集電体に亀裂が入ることがあるからである。これらの集電体を用いることで、上述した負極10の耐折性を一層高めることが可能となる。集電体11の厚みは、負極10の強度維持と、エネルギー密度向上とのバランスを考慮すると、9〜35μmであることが好ましい。なお、集電体11として銅箔を使用する場合には、クロメート処理や、トリアゾール系化合物及びイミダゾール系化合物などの有機化合物を用いた防錆処理を施しておくことが好ましい。
図6に示す負極の好ましい製造方法について、図7を参照しながら説明する。本製造方法では、活物質の粒子及び結着剤を含むスラリーを用いて集電体11上に塗膜を形成し、次いでその塗膜に対して電解めっきを行う。
先ず図7(a)に示すように集電体11を用意する。そして集電体11上に、活物質の粒子12aを含むスラリーを塗布して塗膜15を形成する。スラリーは、活物質の粒子の他に、結着剤及び希釈溶媒などを含んでいる。またスラリーはアセチレンブラックやグラファイトなどの導電性材料の粒子を少量含んでいてもよい。特に、活物質の粒子12aがシリコン系材料から構成されている場合には、該活物質の粒子12aの重量に対して導電性炭素材料を1〜3重量%含有することが好ましい。導電性炭素材料の含有量が1重量%未満であると、スラリーの粘度が低下して活物質の粒子12aの沈降が促進されるため、良好な塗膜15及び均一な空隙を形成しにくくなる。また導電性炭素材料の含有量が3重量%を超えると、該導電性炭素材料の表面にめっき核が集中し、良好な被覆を形成しにくくなる。
結着剤としてはスチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)などが用いられる。希釈溶媒としてはN−メチルピロリドン、シクロヘキサンなどが用いられる。スラリー中における活物質の粒子12aの量は30〜70重量%程度とすることが好ましい。結着剤の量は0.4〜4重量%程度とすることが好ましい。これらに希釈溶媒を加えてスラリーとする。
形成された塗膜15は、粒子12a間に多数の微小空間を有する。塗膜15が形成された集電体11を、リチウム化合物の形成能の低い金属材料を含むめっき浴中に浸漬する。めっき浴への浸漬によって、めっき液が塗膜15内の前記微小空間に浸入して、塗膜15と集電体11との界面にまで達する。その状態下に電解めっきを行い、めっき金属種を粒子12aの表面に析出させる(以下、このめっきを浸透めっきともいう)。浸透めっきは、集電体11をカソードとして用い、めっき浴中にアノードとしての対極を浸漬し、両極を電源に接続して行う。
浸透めっきによる金属材料の析出は、塗膜15の一方の側から他方の側に向かって進行させることが好ましい。具体的には、図7(b)ないし(d)に示すように、塗膜15と集電体11との界面から塗膜の表面に向けて金属材料13の析出が進行するように電解めっきを行う。金属材料13をこのように析出させることで、活物質の粒子12aの表面を金属材料13で首尾よく被覆することができると共に、金属材料13で被覆された粒子12a間に空隙を首尾よく形成することができる。しかも、該空隙の空隙率を前述した好ましい範囲にすることが容易となる。
前述のように金属材料13を析出させるための浸透めっきの条件には、めっき浴の組成、めっき浴のpH、電解の電流密度などがある。このような条件については既に述べた通りである。
図7(b)ないし(d)に示されているように、塗膜15と集電体11との界面から塗膜の表面に向けて金属材料13の析出が進行するようにめっきを行うと、析出反応の最前面部においては、ほぼ一定の厚みで金属材料13のめっき核からなる微小粒子13aが層状に存在している。金属材料13の析出が進行すると、隣り合う微小粒子13aどうしが結合して更に大きな粒子となり、更に析出が進行すると、該粒子どうしが結合して活物質の粒子12aの表面を連続的に被覆するようになる。
浸透めっきは、塗膜15の厚み方向全域に金属材料13が析出した時点で終了させる。めっきの終了時点を調節することで、活物質層12の上面に表面層(図示せず)を形成することができる。このようにして、図7(d)に示すように、目的とする負極が得られる。
本実施形態に用いられる正極Cは、正極活物質並びに必要により導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、正極合剤を作製し、これをアルミニウム等からなる集電体に塗布、乾燥した後、ロール圧延、プレスし、更に裁断、打ち抜きすることにより得られる。正極活物質としては、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物等のリチウム含有金属複合酸化物を始めとする従来公知の正極活物質が用いられる。また、正極活物質として、LiCoO2に少なくともZrとMgの両方を含有させたリチウム遷移金属複合酸化物と、層状構造を有し、少なくともMnとNiの両方を含有するリチウム遷移金属複合酸化物と混合したものも好ましく用いることができる。かかる正極活物質を用いることで充放電サイクル特性及び熱安定性の低下を伴うことなく、充電終止電圧を高めることが期待できる。正極活物質の一次粒子径の平均値は5μm以上10μm以下であることが、充填密度と反応面積との兼ね合いから好ましく、正極に使用する結着剤の重量平均分子量は350,000 以上2,000,000以下のポリフッ化ビニリデンであることが好ましい。低温環境での放電特性を向上させることが期待できるからである。
本実施形態に用いられるセパレータS1,S2としては、合成樹脂製不織布、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、又はポリテトラフルオロエチレンの多孔質フイルム等が好ましく用いられる。特にセパレータとして、例えば多孔性ポリエチレンフィルム(旭化成ケミカルズ製;N9420G)が好ましく使用できる。電池の過充電時に生じる電極の発熱を抑制する観点からは、ポリオレフィン微多孔膜の片面又は両面にフェロセン誘導体の薄膜が形成されてなるセパレータを用いることが好ましい。セパレータは、突刺強度が0.2N/μm厚以上0.49N/μm厚以下であり、巻回軸方向の引張強度が40MPa以上150MPa以下であることが好ましい。充放電に伴い大きく膨張・収縮する負極活物質を用いても、セパレータの損傷を抑制することができ、内部短絡の発生を抑制することができるからである。
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては正極C、第1のセパレータS1、負極A及び第2セパレータS2の四部材を用いて巻回体を構成したが、これに代えて正極C、第1のセパレータS1及び負極Aの三部材から巻回体を構成してもよい。
また前記実施形態においては、第1及び第2の金属リチウム層P1,S2を負極A等の長手方向にわたって不連続に配したが、これに代えてこれら金属リチウム層P1,P2を負極A等の長手方向にわたって連続に配してもよい。
また前記実施形態においては、第1及び第2の金属リチウム層P1,P2を負極A等の長手方向全域にわたって配したが、これに代えて負極A等の長手方向の一部分にわたり配してもよい。例えば巻き始めの位置にのみ金属リチウム層P1,P2を配置したり、或いは巻き終わりの位置にのみ配置したりしてもよい。
また、金属リチウム層の配置の仕方は前記実施形態に制限されない。例えば図8(a)に示すように、負極Aの長手方向に延びる細幅の帯状の第1及び第2の金属リチウム層P1,P2を、負極Aの幅方向にわたって多列に配置してもよい。また図8(b)に示すように、矩形の第1及び第2の金属リチウム層P1,P2を、市松模様状に配置してもよい。図8(a)及び(b)の何れの場合にも、第1及び第2の金属リチウム層P1,P2は、これらの金属リチウム層P1,P2を平面視したときに、互いに重なり合わない位置関係となるように配されていることが好ましい。
金属リチウム層P1,P2の配置の位置に関し、角形電池を作製する場合には、負極の屈曲の程度が最も大きい部位、即ち図9に示す部位に金属リチウム層P1,P2を配置することが好ましい。負極の屈曲の程度が最も大きい部位には、該負極の膨張に起因する応力が集中しやすいのでその部位が座屈しやすい。そのような部位に金属リチウム層P1,P2を配置することで、座屈の発生を防止できる。図9に示す実施形態においては、金属リチウム層P1,P2の平面視での配置位置は、負極を挟んで同位置とする。
また本発明の方法に適用される負極の構造は図6に示すものに限られず、他の構造のものであってもよい。例えば、負極活物質の粒子を含むスラリーを集電体上に塗布して塗膜を形成して形成される負極や、該塗膜を焼成することで形成される負極を、本発明の製造方法に適用することができる。更に、スパッタリング等の乾式薄膜形成手段によって集電体上に形成された負極活物質の薄膜を備えた負極を、本発明の製造方法に適用することもできる。
更に本発明の適用の対象となる電池は、巻回体を有する円筒型や角形の電池に限られず、コイン型の電池にも同様に適用できる。尤も、負極の平面方向におけるリチウムの吸蔵の程度を容易に均一にし得ることを考慮すると、コイン型の電池よりも円筒型や角形の電池に本発明を適用した方が、顕著な効果が得られる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されるものではない。
〔実施例1〕
本実施例は、図1に示す製造方法の実施例である。先ず、厚さ18μmの電解銅箔からなる集電体を室温で30秒間酸洗浄した。処理後、15秒間純水洗浄した。集電体の各面にSiの粒子を含むスラリーを膜厚15μmになるように塗布し塗膜を形成した。スラリーの組成は、粒子:スチレンブタジエンラバー(結着剤):アセチレンブラック=100:1.7:2(重量比)であった。Siの粒子の平均粒径D50は2μmであった。平均粒径D50は、日機装(株)製のマイクロトラック粒度分布測定装置(No.9320−X100)を使用して測定した。
塗膜が形成された集電体を、以下の浴組成を有するピロリン酸銅浴に浸漬させ、電解により、塗膜に対して銅の浸透めっきを行い、活物質層を形成した。電解の条件は以下の通りとした。陽極にはDSEを用いた。電源は直流電源を用いた。
・ピロリン酸銅三水和物:105g/l
・ピロリン酸カリウム:450g/l
・硝酸カリウム:30g/l
・P比:7.7
・浴温度:50℃
・電流密度:3A/dm2
・pH:アンモニア水とポリリン酸を添加してpH8.2になるように調整した。
浸透めっきは、塗膜の厚み方向全域にわたって銅が析出した時点で終了させた。このようにして目的とする負極を得た。
正極は、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32の粉末を含むスラリーを、アルミニウム箔の各面に塗工して塗膜を形成し、これを乾燥させることで製造した。第1及び第2のセパレータとして厚み16μm、ガーレ透気度300秒のものを用いた。
負極、正極並びに第1及び第2のセパレータは、幅60mmの長尺帯状に形成した。これらの部材を図1に示す順序で重ね合わせ巻回した。巻回に先立ち、負極と第1及び第2のセパレータの間に箔からなる金属リチウム層をそれぞれ配置した。金属リチウム層は長辺の長さが53mm、短辺の長さが20mmで、厚みが30μmであった。図3に示す隙間Gは5mmに設定した。
得られた巻回体を、内面がニッケルめっきされた鉄製の電池缶に収容し、その内部に非水電解液を充填し、電池缶を密閉した。非水電解液としては、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:1体積%混合溶媒に1mol/lのLiPF6を溶解した溶液に対して、ビニレンカーボネートを2体積%外添したものを用いた。
この電池を図4に示す装置に接続し、リチウム箔を負極のシリコンに吸蔵させた。このようにして目的とする電池を得た。吸蔵条件は次の通りとした。
(1)充電100%までの過程を4つのステップに分割した。即ち第1のステップで25%充電を行い、これを残り3回行うことで充電100%とした。そして各ステップ間での放置時間を6時間とした。充電は60℃の環境下で行った。
(2)放電100%までの過程を4つのステップに分割した。即ち第1のステップで25%放電を行い、これを残り3回行うことで放電100%とした。そして各ステップ間での放置時間を6時間とした。放電は60℃の環境下で行った。
〔実施例2〕
実施例1において、リチウムの吸蔵条件を次の通りとする以外は実施例1と同様にして二次電池を得た。
(1)充電100%までの過程を20つのステップに分割した。即ち第1のステップで5%充電を行い、これを残り19回行うことで充電100%とした。そして各ステップ間での放置時間を6時間とした。充電は60℃の環境下で行った。
(2)放電100%までの過程を20つのステップに分割した。即ち第1のステップで5%放電を行い、これを残り19回行うことで放電100%とした。そして各ステップ間での放置時間を6時間とした。放電は60℃の環境下で行った。
〔比較例1〕
実施例1において、リチウムの吸蔵条件を次の通りとする以外は実施例1と同様にして二次電池を得た。
(1)4.3Vまで0.05Cで充電を行う。
(2)2.7Vまで0.05Cにて放電を行う。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた電池について、100サイクルの充放電を行った。充電条件は0.5C、4.2Vで、定電流・定電圧とした。放電条件は0.5C、2.7Vで、定電流とした。但し、1サイクル目は0.05Cとし、2〜4サイクル目は0.1C、5〜7サイクル目は0.5C、8〜10サイクル目は1Cとした。充放電後の電池の横断面をCTスキャンして、電池内部の状態を非破壊で観察した。その結果を図10に示す。
図10に示す結果から明らかなように、実施例の電池では電極に座屈が観察されないのに対し、比較例の電池では、中心部付近に電極の座屈が観察される。この理由は、実施例の電池では負極活物質にリチウムが均一に吸蔵されることで、負極の膨張が均一に起こるのに対し、比較例の電池では負極活物質へのリチウムの吸蔵が不均一であることに起因して、負極の膨張が不均一になるためと考えられる。
本発明の製造方法の第1の実施形態を示す模式図である。 図1における要部拡大図である。 金属リチウム層の平面視での配置状態を示す模式図である。 リチウムを負極活物質に吸蔵させる状態を示す模式図である。 本発明の製造方法の第2の実施形態を示す模式図である。 本発明の製造方法に用いられる負極の一実施形態の断面構造を示す模式図である。 図6に示す負極の製造方法を示す工程図である。 金属リチウム層の平面視での配置状態を示す模式図である。 金属リチウム層の配置位置の別の例を示す模式図である。 実施例及び比較例で得られた電池を充放電した後の横断面のCTスキャン像である。
符号の説明
A 負極
C 正極
S1 第1のセパレータ
S2 第2のセパレータ
P1 第1の金属リチウム層
P2 第2の金属リチウム層
10 負極
11 集電体
12 活物質層
12a 活物質の粒子
13 リチウム化合物の形成能の低い金属材料
15 塗膜

Claims (7)

  1. 正極と、負極と、これらの間に介在配置されたセパレータと、負極とセパレータとの間に介在配置された金属リチウム層とを備えた非水電解液二次電池における該金属リチウム層のリチウムを負極の活物質に吸蔵させる非水電解液二次電池の製造方法において、以下の(1)及び(2)のステップからなる充放電を行いリチウムを吸蔵させることを特徴とする非水電解液二次電池の製造方法。
    (1)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間充電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を充電電位が4V以上になるまで2回以上繰り返す。
    (2)環境温度10〜70℃において0.5C以下で所定時間放電を行い、その後1〜48時間放置する操作を1工程とし、この工程を放電電位が3.3V以下になるまで2回以上繰り返す。
  2. (1)の各ステップにおける充電量が同じになるように行う請求項1記載の製造方法。
  3. (2)の各ステップにおける放電量が同じになるように行う請求項1記載の製造方法。
  4. (1)又は(2)のステップにおける前記工程の繰り返し数が多くとも20回である請求項1ないし3の何れかに記載の製造方法。
  5. 負極の活物質がシリコン系材料であり、該シリコン系材料に吸蔵されるリチウムの量が、シリコンの初期充電理論容量に対して5〜80%となるように吸蔵を行う請求項1記載の非水電解液二次電池の製造方法。
  6. 正極の活物質がリチウム含有金属複合酸化物であり、以下の式(1)を満たすようにリチウムの吸蔵を行う請求項5記載の非水電解液二次電池の製造方法。
    4.4A−B≧C (1)
    式中、Aは、負極におけるシリコンのモル数を表し、Bは、リチウム含有金属複合酸化物におけるリチウムのモル数を表し、Cは吸蔵されるリチウムのモル数を表す。
  7. 金属リチウム層が完全に消失するまで吸蔵を行う請求項1ないし6の何れかに記載の非水電解液二次電池の製造方法。
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