JP2018112621A - 定着装置 - Google Patents

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裕文 中川
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直樹 吉江
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Abstract

【課題】光沢メモリーの発生を抑制できる、定着装置を提供する。【解決手段】定着装置10は、定着部11と、表面状態検出部21と、定着動作制御部8とを備える。定着部11は、記録媒体Sに未定着トナー像を定着させる。表面状態検出部21は、ニップ部Nに対して記録媒体の搬送方向DR2の下流側に配置される。表面状態検出部21は、記録媒体Sの表面に形成される突起状部の形状を検出する。定着動作制御部8は、突起状部の形状に応じて定着部11における未定着トナー像の定着条件を変更する。【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いる定着装置は、一般に、未定着トナー像を溶かす熱を持った加熱部および圧力によって用紙に溶融した未定着トナー像をしみこませる加圧部で構成されている。加熱部および加圧部で未定着トナー像を保持した用紙を挟み込んで搬送することで熱および圧力によって用紙に未定着トナー像を定着させる。
適切に用紙および加熱部を分離するため、トナー中にワックスなどの離型剤を含ませ、溶融した未定着トナー像および加熱部表面の付着力を弱めて、分離しやすくする方法が多くの画像形成装置で採用されている。
しかしながら、このようにトナー中に離型剤を含ませて未定着トナー像を用紙に定着させた場合には、定着時に浸み出した離型剤が加熱部表面に付着する。この場合、光沢ムラのある画像を出力することになってしまう。このような光沢ムラは光沢メモリーと呼ばれる画質不良であり、特に高い画質を求められる場合には大きな問題となる。
光沢メモリーを抑制する技術は、たとえば特開2014−81610号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2014−81610号公報
しかし依然として、定着装置において、光沢メモリーの発生の抑制が求められている。
本発明の目的は、光沢メモリーの発生を抑制できる、定着装置を提供することである。
本実施の形態における定着装置は、定着部、表面状態検出部、および、定着動作制御部を備える。表面状態検出部は、ニップ部に対して記録媒体の搬送方向の下流側に配置される。表面状態検出部は、記録媒体の表面に形成される突起状部の形状を検出する。定着動作制御部は、突起状部の形状に応じて定着部における未定着トナー像の定着条件を変更する。
これにより、突起状部の形状の検出結果に応じて画像表面が光沢メモリーが発生しやすい状態であるか否かを判定することができ、定着条件を調整することで、光沢メモリーの発生を抑制することができる。
表面状態検出部は、発光部および受光部を含む。発光部および受光部は、記録媒体の搬送方向に沿って並んで配置される。発光部は、搬送方向に略垂直な法線方向に対して特定の入射角度で入射光をトナー画像の表面に照射する。受光部は、入射光が法線方向に対して特定の反射角度で反射した反射光の強度を測定する。
受光部は、第1受光部、第2受光部、および、第3受光部のうち少なくとも2つから構成される。第1受光部は、反射角度が入射角度よりも小さい反射光の強度を測定する。第2受光部は、反射角度が入射角度よりも大きい反射光の強度を測定する。第3受光部は、反射角度が入射角度と略等しい反射光の強度を測定する。定着動作制御部は、反射光の強度の測定結果に応じて定着条件を変更する。
突起の立ち方が大きいほど光沢メモリーが発生しやすいので、反射光の強度の比較によって画像表面が光沢メモリーを発生しやすい状態であるか否かを判定することができ、突起状部の形状の検出結果に応じて定着条件を調整することで、光沢メモリーの発生を抑制することができる。
受光部は、第1受光部および第2受光部から構成される。第1受光部が測定する反射光の反射角度と入射角度との差が、第2受光部が測定する反射光の反射角度と入射角度との差に略等しい。これにより、記録媒体の表面の突起状部の形状の計測精度が向上する。
受光部は、第1受光部および第3受光部から構成される。これにより、記録媒体の表面の突起状部の形状の計測精度が向上する。
受光部は、第2受光部および第3受光部から構成される。これにより、記録媒体の表面の突起状部の形状の計測精度が向上する。
表面状態検出部は、定着回転体の履歴が無い部分で定着したベタ部の表面状態を計測する。これにより、記録媒体の表面の突起状部の形状の計測精度は向上する。
定着条件は、定着回転体の温度、加圧回転体の温度、定着回転体と加圧回転体との駆動トルク比、および、ニップ部の圧力の少なくとも一つを変更することによって調整される。これにより、定着装置に構成を追加せずとも定着条件を光沢メモリーの発生を抑制する条件に容易に調整することができる。
光沢メモリーの発生を抑制できる、定着装置を実現することができる。
定着装置を備える画像形成部の概略図である。 実施の形態における定着装置の概略図である。 記録媒体が搬送されている状態における図2に示す定着装置の平面図である。 トナー画像の表面において、非メモリー部における突起状部の形成具合を表した断面図である。 トナー画像の表面において、メモリー部における突起状部の形成具合を表した断面図である。 図4に示す突起状部の高さが大きい記録媒体に、入射角30度で光を照射させたときにおける反射角と反射光強度との関係を示すグラフである。 突起状部が形成されない記録媒体に、入射角30度で光を照射させたときの反射角と反射光強度との関係を示すグラフである。 図5に示す突起状部の高さが小さい記録媒体に、入射角30度で光を照射させたときにおける反射角と反射光強度との関係を示すグラフである。 実施の形態1における表面状態検出部を表した図である。 実施の形態2における表面状態検出部を表した図である。 実施の形態3における表面状態検出部を表した図である。 実施の形態4における表面状態検出部を表した図である。 ベタ部が形成された記録媒体を示す。 ベタ部のベルト1周分前にベタ部がある画像パターンを示す。 表面状態検出部の測定範囲内にベタ部が存在しない画像パターンを示す。 ベタ部が小さい画像パターンを示す。 ベタ部のベルト1周分前に文字部がある画像パターンを示す。 ベタ部のベルト1周分前に文字部があるが、表面状態検出部の測定範囲に文字部が含まれていない画像パターンを示す。 表面状態検出部の測定範囲に文字部が含まれているが、ベタ部のベルト1周分前に文字部がない画像パターンを示す。 ベタ部のベルト1周分前にベタ部があるが、表面状態検出部の測定範囲にベタ部が含まれていない画像パターンを示す。 表面状態検出部の測定範囲に文字部が含まれているが、ベタ部のベルト1周分前に文字部がない画像パターンを示す。 画像形成部により形成されるテスト画像である。 光沢メモリーの発生度合いを評価するためのテスト画像である。 実施の形態1、2、4における光沢メモリーの発生度合の評価結果を示す表である。
以下、本発明に基づいた実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
<光沢メモリー>
光沢メモリーは、前の画像による離型剤が加熱部表面に付着している部分(メモリー部)と付着していない部分(非メモリー部)で、定着時のニップ部においてトナーと加熱部表面の間に存在する離型剤の量が異なることで発生する。
さらに詳しく述べると、定着後のトナー画像表面は、ニップ出口で溶融したトナーが加熱部表面から力を受けることにより、用紙搬送方向とは逆向きに高さ数μm程度の数多くの突起が立ったような形状となる。
しかしながらメモリー部では加熱部表面とトナーとの間に離型剤が多く存在するので、トナーは加熱部表面からの力を受けにくくなり、非メモリー部に比較して突起の立ち方が小さい。その結果、メモリー部と非メモリー部での突起の立ち方の違いが視認され、光沢メモリーの画質不良となる。
加熱部と加圧部の駆動の仕方や加熱部や加圧部の温度や加熱部の表面の硬度、あるいはニップ部での圧力の大きさなどの定着条件を変えることにより、非メモリー部での突起の立ち方は変わる。非メモリー部で突起が立ちやすい条件ほどメモリー部でも突起が立ちやすくなるが、非メモリー部で突起が立ちやすいほど非メモリー部とメモリー部の突起の立ち方の違いが人間の目には見えやすくなる。
突起が立ちやすい定着条件ほど光沢メモリーは顕著になり、突起が立ちにくい定着条件ほど光沢メモリーは緩和される。このことから、トナー画像表面の突起の立ち方を検出することで、直接光沢メモリーを観測しなくても光沢メモリーが出やすい定着条件になっているかどうかを知ることができるということがわかる。
従来はこの突起状部の形状が光沢メモリーに関連することは知られておらず、光沢メモリーの度合いを検知するには正反射光を読み取る光沢度測定で測定するしかなかった。正反射光を読み取る光沢度測定では、隣接したメモリー部と非メモリー部を測定しなくてはならず、また精度を上げるのが難しかった。
今回、本件発明者が突起状部の形状が光沢メモリーに関連することを新たに発見したことで、光沢度測定ではなく、画像上の突起状部の形状を測定できればよいことがわかり、より簡易に光沢メモリーの度合いを検知することができるようになった。
さらには光沢メモリーが発生する前に光沢メモリーが発生しやすいかどうかを検知することで、光沢メモリーを事前に防ぐことができるようにもなった。
<画像形成部1>
図1は、定着装置10を備える画像形成部1の概略図である。画像形成部1は、トナー補給部2、現像部3、潜像形成部4、感光体5、中間転写体6、2次転写部7、および、画像形成制御部(図示しない)を有する。
潜像形成部4は、感光体5上に潜像を形成する。現像部3は、トナー補給部2から補給されたトナーを潜像上に付着させ、潜像を未定着トナー像として顕像化させる。感光体5は、未定着トナー像を中間転写体6に転写する。2次転写部7は、搬送経路に沿って搬送された用紙に未定着トナー像を転写する。その後、未定着トナー像を担持した用紙は定着装置10に搬送される。上記の画像形成に係る一連の動作は、画像形成制御部によってなされる。
<定着装置10>
図2は、実施の形態における定着装置10の概略図である。筐体を有する定着装置10は、定着部11および表面状態検出部21を備える。定着部11は、画像形成部1で形成された未定着トナー像を記録媒体Sに定着する。表面状態検出部21は、定着されたトナー画像の表面状態を検出し、後述する光沢メモリーが発生しているか否かを判定する。
<定着部11>
定着部11は、加熱ローラー13、上加圧ローラー14、定着回転体、および、加圧回転体を含む。実施の形態において、定着回転体は、定着ベルト12である。実施の形態において、加圧回転体は、下加圧ローラー15である。
定着部11の構成は、無端状の定着ベルト12を加熱ローラー13および上加圧ローラー14の2本のローラーで張架した、いわゆる上ベルト構成である。また、定着部11の構成は、下加圧ローラー15を用いるいわゆる下ローラー構成である。定着部11の構成は、上ベルト構成および下ローラー構成以外でもよい。
上加圧ローラー14は、下加圧ローラー15に対向して配置される。上加圧ローラー14は、定着装置10の筐体に固定されている。上加圧ローラー14および下加圧ローラー15は、定着ベルト12を挟み込んでニップ部Nを形成する。加熱ローラー13は、定着装置10の筐体に回転自在に支持されている。加熱ローラー13は、図示しない付勢部材によって、上方向の力を付与される。付勢部材により、定着ベルト12には、適度なテンションが与えられる。
下加圧ローラー15は、上加圧ローラー14に適度な圧力を付与するために、圧接離間機構を備えている。下加圧ローラー15が上加圧ローラー14に圧力を付与しない場合、下加圧ローラー15は、上加圧ローラー14と対向する位置から離間することが可能となっている。下加圧ローラー15が上加圧ローラー14に圧力を付与する場合、下加圧ローラー15は、上加圧ローラー14に向かって押圧することが可能となっている。
上述した定着部11の各構成部(加熱ローラー13、上下加圧ローラー等)の詳細を以下に述べる。
(加熱ローラー13)
加熱ローラー13は、たとえば円筒状の芯金の外周面(表面)にPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)コートが積層されており、外径が60mmになっている。芯金は、厚さが1mmのアルミニウム板によって構成されている。上記のような構成の加熱ローラー13は、比較的小さな熱容量となっている。
加熱ローラー13の内部に、加熱ローラー13を加熱する複数の電気−熱変換方式のヒーターランプが設けられている。ヒーターランプは、電力が供給されることによって点灯(発熱)状態になり、供給される電力にほぼ比例した発熱量で加熱ローラー13を加熱する。ヒーターランプのいずれか1つまたは複数によって加熱ローラー13が加熱されると、加熱ローラー13に巻き掛けられて走行する定着ベルト12が加熱され、加熱された定着ベルト12によって、ニップ部Nを通過する記録媒体が加熱される。
ヒーターランプは、例えばハロゲンヒーターランプである。加熱ローラー13の軸心を中心とした一定半径の円周上に、それぞれが周方向に等しい間隔をあけた状態で、加熱ローラー13の軸心に沿って配置されている。ヒーターランプの定格電力は、たとえば計1500Wである。
図3は、記録媒体Sが搬送されている状態における図2に示す定着装置10の平面図である。加熱ローラー13の軸方向をDR1として、記録媒体Sが搬送される方向を搬送方向DR2とする。
軸方向DR1における定着ベルト12の両端部での定着性を確保するため、軸方向DR1における定着ベルト12の両端部のヒーターランプの配光(加熱強度に相当)は、軸方向DR1における定着ベルト12の中央部のヒーターランプの配光よりも大きい。本実施の形態では、ヒーターランプの軸方向DR1における定着ベルト12の両端部(端部から20mmの領域)の配光は、軸方向DR1における定着ベルト12の中央部(両端部を除く250mmの領域)の配光を100%とすると、115%になっている。
ヒーターランプの軸方向DR1における長さは、加熱ローラー13の軸方向DR1における長さと同じ(たとえば290mm)である。
加熱ローラー13の近傍には、加熱ローラー13に巻き掛けられた定着ベルト12の表面温度を検出する温度センサー(図示していない)が設けられている。温度センサーは、加熱ローラー13に巻き掛けられた定着ベルト12における走行方向の上流側部分に対向して配置されている。本実施の形態の温度センサーは、非接触サーミスターが使用されている。
(上加圧ローラー14)
図2に示すように上加圧ローラー14は、アルミニウム製の芯金(直径30mm)および芯金の外周面上に15mmの厚さで積層された弾性層を有している。弾性層はJIS A硬度が10度のシリコーンゴムによって構成されている。上加圧ローラー14が軟らかい弾性層を有することによって、この弾性層が下加圧ローラー15と圧接したときに、弾性層がニップ部Nで大きく変形してニップ部Nが十分な面積を持つようにしている。上加圧ローラー14は、後述する上駆動部16によって、所定の表面速度で回転される。
(定着ベルト12)
定着ベルト12は、厚さが50μmのPI(ポリイミド)によって外径110mmの円筒状に構成された基材、基材の表面(外周面)上に積層された弾性層、および、弾性層の表面上に積層された離型層を有している。定着ベルト12は、加熱ローラー13および上加圧ローラー14に所定のテンションで巻き掛けられることにより、長円状の形状を有している。
定着ベルト12の弾性層は、厚さ200μmのシリコーンゴムによって構成されており、離型層は、厚さが30μmのPFAチューブ(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体のチューブ)によって構成されている。定着ベルト12は、比較的小さな熱容量になっているため、加熱ローラー13の熱を記録媒体Sに伝達しやすい。
(下加圧ローラー15)
下加圧ローラー15は、アルミニウム製の芯金(厚さ5mm)、芯金の外周面上に積層された弾性層、および、弾性層の外周面(表面)上に積層された離型層(図示していない)を有している。弾性層は、シリコーンゴムによって構成されている。離型層は、例えば厚さが30μmのPFAチューブによって構成されている。このように、下加圧ローラー15は、厚さ5mmのアルミニウム製の芯金を有することによって高剛性に構成されており、しかも、定着ベルト12よりも大きな熱容量になっている。
下加圧ローラー15の外径は、下加圧ローラー15の軸方向において中央に近づくほど径が小さくなる逆クラウン形状となっている。下加圧ローラー15の軸方向における端部の外径と中央部の外径との差を逆クラウン量とすると、逆クラウン量は0.1〜0.8mm程度に設定される。下加圧ローラー15は、後述する下駆動部17によって、所定の表面速度で回転される。下加圧ローラー15および上加圧ローラー14の間に記録媒体Sが挟まれて、記録媒体Sが搬送方向DR2の下流へ搬送される。
(上駆動部16、下駆動部17)
定着装置10は、上加圧ローラー14を回転させる上駆動部16および下加圧ローラー15を回転させる下駆動部17を有している。上駆動部16および下駆動部17には、一般的な交流モーターまたはDCブラシレスモーターを使用することができる。DCブラシレスモーターは、交流モーターの永久磁石式同期モーターと類似の構成である。DCブラシレスモーターは、回転子に永久磁石を使用し、回転子の回転位置をホール素子などでセンシングして参照して回転磁界を発生し、トルクおよび速度を制御する事が出来る。
上駆動部16および下駆動部17には定着動作制御部8が接続されており、定着動作制御部8によって上加圧ローラー14および下加圧ローラー15の駆動トルクおよび回転速度等が制御される。
<表面状態検出部21>
図2に示すように実施の形態においては、記録媒体Sの表面に光を照射して、その反射光の強度を計測することにより記録媒体Sの表面の状態を検出している。
表面状態検出部21は、搬送方向DR2においてニップ部Nの下流に配置される。表面状態検出部21は、発光部22および受光部23を含む。発光部22は、搬送方向DR2において受光部23よりも下流側に配置される。発光部22は、搬送方向DR2において受光部23よりも上流側に配置されていてもよい。
発光部22は、フルカラーのどの色のトナー画像であっても反射光が測定できるように、白色光を発光する光源を使うことが望ましい。たとえばハロゲンランプおよびLEDを使うことができる。光源からの光をレンズなどにより平行光として画像に照射する。集光スポット径は1mm以上であることが好ましく、より好ましくは3mm〜5mmがよい。画像への入射角度は20度〜80度が好ましく、より好ましくは30度〜50度がよい。
受光部23には、たとえばフォトダイオードといった受光強度を電気信号に変換できるフォトセンサーを使用する。複数の受光部23を使用する場合は、それぞれのフォトセンサーの感度が等しいものを使用する。
<突起状部Tの検出方法>
図4は、非メモリー部における突起状部Tの形成具合を表したトナー画像の表面の断面図である。図5は、メモリー部における突起状部Tの形成具合を表したトナー画像の表面の断面図である。
図4および図5に示すように、トナー画像の表面には、ニップ部Nの出口で溶融した未定着トナー像が定着ベルト12の表面から力を受けることにより、搬送方向DR2とは逆向きに高さ数μm程度の数多くの突起状部Tが形成される。メモリー部では定着ベルト12の表面とトナーとの間に離型剤が多く存在するので、トナーは定着ベルト12の表面からの力を受けにくくなり、非メモリー部に比較して突起状部Tの高さが小さくなる。
図4および図5に示す搬送方向DR2に垂直な点線方向を法線方向DR3とする。発光部22からの入射光と法線方向DR3とのなす角を入射角θ1とする。図中の正反射光とは、入射角と反射角とが等しい反射光であり、その反射角を正反射角θ2とする。正反射角θ2よりも小さい反射角で反射する反射光と法線方向DR3とのなす角を反射角θ3とする。
図4に示すように突起状部Tの高さが大きいとき、突起状部Tに入射光が照射された際、正反射光よりも小さい反射角θ3で反射する反射光の強度は、突起状部Tの高さが小さい場合の反射光の強度よりも大きい。
図5に示すように突起状部Tの高さが小さいとき、突起状部Tに入射光が照射された際、正反射光よりも小さい反射角θ3で反射する反射光の強度は、突起状部Tの高さが大きい場合の反射光の強度よりも小さい。
図6は、図4に示す突起状部Tの高さが大きい記録媒体Sに、入射角30度で光を照射させたときにおける反射角と反射光強度との関係を示すグラフである。図7は、突起状部が形成されない記録媒体Sに、入射角30度で光を照射させたときの反射角と反射光強度との関係を示すグラフである。
図6および図7のグラフはともに、略30度で反射光強度の値がピークとなっている。図6のグラフは、突起状部Tの影響により正反射光の反射角(30度)よりも小さい領域(25度付近)において、図7の場合と比較して反射光強度が大きい。
図8は、図5に示す突起状部Tの高さが小さい記録媒体Sに、入射角30度で光を照射させたときにおける反射角と反射光強度との関係を示すグラフである。図6、図7のグラフと同様に、略30度で反射光強度の値がピークとなっている。突起状部Tの影響により正反射光の反射角(30度)よりも小さい領域(25度付近)において、図7の場合と比較して反射光強度がわずかに大きくなっている。
図2に示すように、受光部23を特定の場所に配置して、特定の反射角における反射光強度を計測することで、トナー画像の表面部の突起状部Tの形状を検出する。受光部23は、以下の実施の形態1から4で構成される。
(実施の形態1)
図9は、実施の形態1における表面状態検出部21を表した図である。実施の形態1において、受光部23は、第1受光部23Aおよび第2受光部23Bから構成される。第2受光部23B、第1受光部23A、および、発光部22は、搬送方向DR2においてこの順に上流から下流へと配置される。
第1受光部23Aは、反射角度が正反射角よりも小さい反射光の強度を測定する。実施の形態1では、第1受光部23Aは、トナー画像から反射した光のうち反射角度が25度の反射光を受光できる位置に配置される。
第2受光部23Bは、正反射角よりも大きい反射光の強度を測定する。実施の形態1では、第2受光部23Bは、トナー画像から反射した光のうち反射角度が35度の反射光を受光できる位置に配置される。
第1受光部23Aおよび第2受光部23Bが受光する光の反射角度は、25度と35度の他にも、たとえば23度と37度、27度と33度など、入射角度とそれぞれの反射角度との差が等しければよい。入射角度と反射角度との差は、2度から12度、好ましくは3度から5度の範囲であることが好ましい。ここでは例として反射角度と入射角度との差が5度として配置する。
(実施の形態2)
図10は、実施の形態2における表面状態検出部21を表した図である。実施の形態2においては、受光部23は、第1受光部23Aおよび第3受光部23Cから構成される。第3受光部23C、第1受光部23A、および、発光部22は、搬送方向DR2においてこの順に上流から下流へと配置される。
第3受光部23Cは、反射角度が入射角度と略等しい反射光の強度を測定する。実施の形態2では、第3受光部23Cは、反射角度が入射角度と等しい30度の反射光を受光できる位置に配置される。第1受光部23Aの配置は、実施の形態1と同様である。
第1受光部23Aが受光する光の反射角度は、25度の他にも、たとえば23度、あるいは27度でもよいが、反射角度と入射角度との差は2度から12度、好ましくは3度から5度の範囲であることが好ましい。ここでは例として5度として配置する。
(実施の形態3)
図11は、実施の形態3における表面状態検出部21を表した図である。実施の形態3においては、受光部23は、第2受光部23Bおよび第3受光部23Cから構成される。第3受光部23Cと第2受光部23Bと発光部22とは、搬送方向DR2においてこの順に上流から下流へと配置される。
第2受光部23Bの配置は、実施の形態1と同様である。第3受光部23Cの配置は、実施の形態2と同様である。第2受光部23Bが受光する光の反射角度は、35度の他にも、たとえば37度、あるいは33度でもよいが、反射角度と入射角度との差は2度から12度、好ましくは3度から5度の範囲であることが好ましい。ここでは例として5度として配置する。
(実施の形態4)
図12は、実施の形態4における表面状態検出部21を表した図である。実施の形態4においては、受光部23は、第1受光部23A1、第1受光部23A2、第2受光部23B1、および、第2受光部23B2から構成される。第2受光部23B2、第2受光部23B1、第1受光部23A2、第1受光部23A1、および、発光部22は、搬送方向DR2においてこの順に上流から下流へと配置される。
実施の形態4では、第1受光部23A1は、トナー画像から反射した光のうち反射角度が24度の反射光を受光できる位置に配置される。第1受光部23A2は、同様に反射角度が27度の反射光を受光できる位置に配置される。第2受光部23B1は、同様に反射角度が33度の反射光を受光できる位置に配置される。第2受光部23B2は、同様に反射角度が36度の反射光を受光できる位置に配置される。
第1受光部23A1、第1受光部23A2、第2受光部23B1、および、第2受光部23B2が受光する光の反射角度は、24度、27度、33度、および、36度の他にも、たとえば23度、28度、32度、および、37度または、22度、26度、34度、および、38度など、第1受光部23A1および第2受光部23B2ならびに第1受光部23A2および第2受光部B1の反射角度とそれぞれの入射角度との差が等しければよい。反射角度と入射角度との差は2度から12度の範囲であることが好ましい。ここでは例として3度から6度の範囲で配置する。
上記の実施の形態1〜4における発光部22と受光部23との配置は、小サイズの用紙が搬送された場合でも測定できるよう、軸方向DR1において上下加圧ローラーの中心付近が良い。あるいは受光部23および発光部22を軸方向DR1に移動させる手段を追加して設置してもよい。
<測定制御部>
画像形成制御部から画像形成部1でどのような画像を形成するのかの情報が測定制御部に伝達される。測定制御部は、画像形成部1で形成されるトナー画像に応じて、発光部22および受光部23を作動させ以下に示す手順でトナー画像の表面状態を測定するか否か判定する。
(ベタ部の有無)
測定制御部は、表面状態検出部21が設置されている部分にベタ部を作成するという制御命令が画像形成制御部から出たかどうかをまず判定する。
ベタ部とは、発光部22による光のスポット径よりも十分に広い範囲で十分な量のトナーが用紙上に存在する部分のことを言う。本実施の形態においては、スポット径(5mm)よりも十分大きい直径20mm以上の範囲であり、かつ1色のトナーの最も濃い階調でのトナーの8割以上が用紙上に存在する部分をベタ部とする。
図13は、ベタ部が形成された記録媒体Sを示す。図中の軸方向DR1の測定範囲は、表面状態検出部21が設置されている部分である。図13のように測定範囲にベタ部が存在する場合、ベタ部有りと判定される。
(履歴の有無)
ベタ部有りと判定された場合、測定制御部は、定着ベルト12内のベタ部を定着する部分の履歴の有無を判定する。履歴の有無とは、ニップ部Nに突入する定着ベルト12におけるある部分が1周分前にニップ部N内を通過した際に記録媒体S上の未定着トナー像と接していたか否かのことである。
図13に示すように、ニップ部Nに突入する定着ベルト12におけるある部分の1周前が未定着トナー像(図13の場合においては文字部)と接していた場合は、履歴有りと判定される。一方、ニップ部Nに突入する定着ベルト12におけるある部分が1周前に未定着トナー像と接していない場合は、履歴無しと判定される。
履歴無しと判定された場合、測定制御部は、履歴無しと判定されたベタ部に発光部22からの光が当たるように発光部22を調整する。ベタ部に発光部22からの光が当たるようにすることに伴い、光が当てられたベタ部から反射した反射光を受光できるよう受光部23を調整する。
(履歴有無の画像パターン)
測定制御部は、履歴の有無を判定し、表面状態検出部21で表面状態を測定するか否かを判定する。図14〜図21は、各画像パターンについての履歴の有無および記録媒体Sの表面状態の測定をするか否かを説明する図である。
図14は、ベタ部のベルト1周分前にベタ部がある画像パターンを示す。図14の画像パターンの場合、定着ベルト12の履歴部でベタ部が定着されるので、記録媒体Sの表面状態は測定しない。しかし、表面状態検出部21を軸方向DR1に移動可能として設置した場合は、表面状態検出部21を移動させて記録媒体Sの表面状態を測定する。
図15は、表面状態検出部21の測定範囲内にベタ部が存在しない画像パターンを示す。図15の画像パターンの場合、記録媒体Sの表面状態は測定しない。しかし、表面状態検出部21を軸方向DR1に移動可能として設置した場合は、表面状態検出部21を移動させて記録媒体Sの表面状態を測定する。
図16は、ベタ部が小さい画像パターンを示す。図16の画像パターンの場合、搬送方向DR2におけるベタ部範囲が狭いので、記録媒体Sの表面状態は測定しない。
図17は、ベタ部のベルト1周分前に文字部がある画像パターンを示す。定着ベルト12の履歴部でベタ部が定着されるため、記録媒体Sの表面状態は測定しない。
図18は、ベタ部のベルト1周分前に文字部があるが、表面状態検出部21の測定範囲に文字部が含まれていない画像パターンを示す。図18の画像パターンの場合、定着ベルト12の履歴がない部分でベタ部が定着されるので、記録媒体Sの表面状態を測定する。
図19は、表面状態検出部21の測定範囲に文字部が含まれているが、ベタ部のベルト1周分前に文字部がない画像パターンを示す。図19の画像パターンの場合、定着ベルト12の履歴がない部分でベタ部が定着されるので、記録媒体Sの表面状態を測定する。
図20は、ベタ部のベルト1周分前にベタ部があるが、表面状態検出部21の測定範囲にベタ部が含まれていない画像パターンを示す。図20の画像パターンの場合、定着ベルト12の履歴がない部分でベタ部が定着されるので、記録媒体Sの表面状態を測定する。
図21は、表面状態検出部21の測定範囲に文字部が含まれているが、ベタ部のベルト1周分前に文字部がない画像パターンを示す。図19の画像パターンとは異なり、2枚の記録媒体Sのそれぞれに文字部とベタ部が存在しているが、定着ベルト12の履歴がない部分でベタ部が定着されるため、記録媒体Sの表面状態を測定する。
上記のようにベタ部を有する記録媒体Sにおいて、履歴の有無により記録媒体Sの表面状態を測定するか否かを判定する。しかし、ユーザーの使用状態によっては長期の間、測定する対象の画像パターンが形成されない場合もある。この場合、測定制御部が画像形成制御部にテスト画像を形成するように信号を送る。
図22は、画像形成部1により形成されるテスト画像である。1000枚連続して記録媒体Sの表面状態が測定されなかった場合、測定制御部は、テスト画像にてベタ部の表面状態を測定する。印刷枚数は1000枚でなくともよく、適宜決めればよい。ユーザーが所望の値を入力できるようにしてもよい。また枚数ではなく例えば連続運転10分間測定されなかった場合、など時間で決めてもよい。
(演算部)
測定制御部は、演算部を有する。図9〜図12に示した実施の形態1から実施の形態4のそれぞれの場合において、演算部の制御について説明する。演算部は、受光部23より閾値を算出し、閾値を超えたら光沢メモリーが発生しやすい画像表面状態であると判定する。閾値は、定着回転体、加圧回転体の物性、トナー、紙種、定着温度、あるいは入射角度と反射角度の差によっても変化する。
演算部は、光沢メモリーが発生しやすい画像表面状態であると判定した場合、光沢メモリーを解消すべく後述する定着動作制御部8へと信号を送る。以下、実施の形態1から実施の形態4のそれぞれにおける閾値について説明する。
図9に示すように、実施の形態1において、第1受光部23Aで受光した光の強度をA、第2受光部23Bで受光した光の強度をBとして、演算部は、A÷Bを算出する。演算部は、コート紙を用いた際はA÷Bが2を超えた場合、上質紙を用いた際はA÷Bが1.6を超えた場合に、演算部が光沢メモリーが発生しやすい画像表面状態であると判定する。
図10に示すように、実施の形態2において、第1受光部23Aで受光した光の強度をA、第3受光部23Cで受光した光の強度をBとして、演算部はA÷Bを算出する。演算部は、コート紙を用いたときにはA÷Bの値が0.5を超えた場合、上質紙を用いたときにはA÷Bの値が0.6を超えた場合に、演算部が光沢メモリーが発生しやすい画像表面状態であると判定する。
図11に示すように、実施の形態3において、第2受光部23Bで受光した光の強度をA、第3受光部23Cで受光した光の強度をBとしたときに、演算部はA÷Bの値を算出する。閾値は実施の形態2と同様であり、演算部は、コート紙を用いた際はA÷Bが0.5を超えた場合、上質紙を用いた際はA÷Bが0.6を超えた場合に、演算部が光沢メモリーが発生しやすい画像表面状態であると判定する。
図12に示すように、実施の形態4において、第1受光部23A1で受光した光の強度をA、第1受光部23A2で受光した光の強度をB、第2受光部23B1で受光した光の強度をC、第2受光部23B2で受光した光の強度をDとしたときに、演算部は、A÷DおよびB÷Cの値を算出する。コート紙を用いたときにはA÷DまたはB÷Cの値が2を超えた場合、上質紙を用いたときには1.6を超えた場合に、演算部が光沢メモリーが発生しやすい画像表面状態であると判定する。
演算部ではA÷B(またはA÷DおよびB÷C)の値を算出する例を示したが、演算は除算ではなく減算でもあるいはA÷Bなどでも、AとBを比較した数値を算出できるのならばどんな演算でもよい。演算を変えた場合にはそれぞれに応じて適切な閾値を定めるとよい。閾値について、ユーザーが光沢メモリーが視認できていることに気付いた場合に、閾値をより小さな値に設定できるようにしてもよい。
<定着動作制御部8>
図2に示すように、定着装置10は、定着動作制御部8をさらに備える。定着動作制御部8は、定着条件を調整する。定着条件とは、未定着トナー像を記録媒体Sに定着させるための条件である。定着条件は、たとえば、上下加圧ローラーの駆動トルク、温度、圧力等の要素がある。
定着動作制御部8は、たとえば上下加圧ローラーの回転速度を変更して駆動トルクを調整する。下加圧ローラー15の駆動トルクを大きくするには、上加圧ローラー14の駆動速度を小さくする。定着動作制御部8は、定着ベルト12の設定温度の変更およびファン等による下加圧ローラー15の設定温度の変更により、定着時の温度を調整する。定着動作制御部8は、下加圧ローラー15を上加圧ローラー14に押圧する力を変更して、ニップ部Nの圧力を調整する。
上記の実施例1〜実施例4において、測定制御部が光沢メモリーが発生しやすい画像表面状態と判定した場合、定着動作制御部8は、光沢メモリーが発生しにくくなるような定着条件に変更すればよい。
<作用効果>
図2に示すように、本実施の形態における定着装置10は、定着部11、表面状態検出部21、および、定着動作制御部8を備える。表面状態検出部21は、ニップ部Nに対して記録媒体Sの搬送方向DR2の下流側に配置される。表面状態検出部21は、記録媒体Sの表面に形成される突起状部Tの形状を検出する。定着動作制御部8は、突起状部Tの形状に応じて定着部11における未定着トナー像の定着条件を変更する。
記録媒体Sの表面に形成される突起状部Tの形状を検出することにより、光沢メモリーの発生を予測もしくは確認することができる。突起状部Tの形状の検出結果に応じて、画像表面が光沢メモリーが発生しやすい状態であるか否かを判定することができ、定着条件を調整することで、光沢メモリーの発生を抑制することができる。
表面状態検出部21は、発光部22および受光部23を含む。発光部22および受光部23は、記録媒体Sの搬送方向DR2に沿って並んで配置される。発光部22は、搬送方向DR2に略垂直な法線方向DR3に対して特定の入射角度で入射光をトナー画像の表面に照射する。
受光部23は、入射光が法線方向DR3に対して特定の反射角度で反射した反射光の強度を測定する。受光部23は、第1受光部23A、第2受光部23B、および、第3受光部23Cのうち少なくとも2つから構成される。第1受光部23Aは、反射角度が入射角度よりも小さい反射光の強度を測定する。第2受光部23Bは、反射角度が入射角度よりも大きい反射光の強度を測定する。第3受光部23Cは、反射角度が入射角度と略等しい反射光の強度を測定する。定着動作制御部8は、反射光の強度の測定結果に応じて定着条件を変更する。
光沢メモリーが発生しやすい定着条件で定着した後のトナー画像表面は、搬送方向DR2とは逆の向きに数多くの突起状部Tが立った状態である。搬送方向DR2の下流側から入射角をつけてトナー画像表面に光を入射した際、入射角と反射角が等しい正反射として反射する反射光の強度が最も大きいが、正反射よりも反射角度が小さい反射光の強度も大きくなる。
正反射よりも反射角度の小さい反射光の強度は、突起状部Tの高さが大きいほど大きくなる。そこで、反射角度が入射角よりも小さい反射光の強度と、反射角度が入射角と等しい正反射光の強度あるいは反射角度が入射角よりも大きい反射光の強度とを比較することによって、突起状部Tの高さの度合いを知ることができる。
図4および図6に示すように突起状部Tが高さが大きいとき、反射角が正反射角(入射角)よりも小さな反射光の強度は、図5、8に示す突起状部Tの高さが小さいときに比べて大きい。
第1受光部23Aは、正反射角(入射角)よりも小さな反射角の反射光の強度を測定する。第2受光部23Bまたは第3受光部23Cは、特定の反射角度に対する反射光の強度を測定する。これにより、記録媒体Sの表面に形成される突起状部Tの形状を検出することができる。突起状部Tの形状の検出結果に応じて、画像表面が光沢メモリーが発生しやすい状態であるか否かを判定することができ、定着条件を調整することで、光沢メモリーの発生を抑制することができる。
図9に示すように、受光部23は、第1受光部23Aおよび第2受光部23Bから構成される。第1受光部23Aが測定する反射光の反射角度と入射角度との差が、第2受光部23Bが測定する反射光の反射角度と入射角度との差に略等しい。図6に示すように、第1受光部23Aが受光する光の強度(反射角25度付近)と、第2受光部23Bが受光する光の強度(反射角35度付近)との差が明確になるため、記録媒体Sの表面の突起状部Tの形状の計測精度が向上する。
図10に示すように、受光部23は、第1受光部23Aおよび第3受光部23Cから構成される。図6に示すように、第1受光部23Aが受光する光の強度と、第3受光部23Cが受光する光の強度(反射角30度付近)との差が明確になるため、記録媒体Sの表面の突起状部Tの形状の計測精度が向上する。
図11に示すように、受光部23は、第2受光部23Bおよび第3受光部23Cから構成される。これにより、図6に示すように第2受光部23Bが受光する光の強度と、第3受光部23Cが受光する光の強度との差が明確になるため、記録媒体Sの表面の突起状部Tの形状の計測精度が向上する。
図18〜図21に示すように、表面状態検出部21は、定着ベルト12の履歴が無い部分で定着したベタ部の表面状態を計測する。履歴がある部分でベタ部を定着した場合、定着ベルト12の1周前の残存した未定着トナー像も記録媒体S上に定着される場合がある。このため、履歴がある部分でベタ部を定着した記録媒体Sにおいては、記録媒体Sの表面の突起状部Tの形状の計測精度は低下する。
定着ベルト12の履歴が無い部分で定着したベタ部の表面状態を計測することで、記録媒体Sの表面の突起状部Tの形状の計測精度は向上する。
定着条件は、定着ベルト12の温度、下加圧ローラー15の温度、上下加圧ローラーの駆動トルク比、および、ニップ部Nの圧力の少なくとも一つを変更することによって調整される。定着装置10に構成を追加せずとも定着条件を光沢メモリーの発生を抑制する条件に容易に調整することができるため、省スペースかつ低コストで、光沢メモリーの発生を抑制することができる定着装置10を実現できる。
実施の形態1、2、4の定着装置10をそれぞれ5台用意し(装置1、装置2、装置3、装置4、装置5とする)、それぞれに画像形成部1を繋げて定着動作を繰り返し実行した。記録媒体Sには、コート紙(日本製紙製エスプリC紙、157g/m、A3サイズ縦通紙)および上質紙(三菱製紙製金菱紙、81.4g/m、A3サイズ縦通紙)を採用した。コート紙および上質紙を1枚ずつ交互に使用して定着動作を繰り返し実行した。トナーは、bizhub PRESS C1070(コニカミノルタ製)に使用されているイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックを採用した。画像形成部1により未定着画像をランダムに作成し、定着装置10で未定着画像を記録媒体Sに定着させた。
定着条件は、標準条件である、定着ベルト12温度180℃、下加圧ローラー15温度90℃、ニップ部N内平均圧力200kPa、上加圧ローラー14および下加圧ローラー15の駆動トルク比40:60とした。装置1では10万枚、装置2では20万枚、装置3では30万枚、装置4では40万枚、装置5では50万枚を連続で定着させた。このとき表面状態検出部21は停止させて定着部11のみを動作させた。
図23は、光沢メモリーの発生度合いを評価するためのテスト画像である。コート紙および上質紙の2種類の紙に連続で上記の所定回数(装置1:10万回、装置2:20万回、装置3:30万回、装置4:40万回、装置5:50万回)、ランダムに作成したトナー画像の印刷を行った後、光沢メモリーの発生度合いを評価した。テスト画像には3か所にベタ部があり、ベタ部aにおいて、トナー画像の表面に形成される突起状部Tの形状を表面状態検出部21によって測定できる。
ベタ部bによる定着ベルト12上の履歴部分がベタ部cの一部に重なることによって、ベタ部c上にメモリー部と非メモリー部が形成され、目視で光沢メモリーを評価することができる。ベタ部は、シアンの最も濃い階調とマゼンタの最も濃い階調を合わせたものとした。テスト画像通紙時の定着条件は上記の標準条件と同様とする。
表面状態検出部21を動作させて突起状部Tの形状を測定し演算部より算出されたA÷Bの値および目視の評価をもとに光沢メモリーの発生度合いを評価した。光沢メモリーの発生度合の評価方法は、1から5の5段階で評価し、1が最も顕著、5は目視では光沢メモリーがわからないレベルである。4以上の評価であれば画像品質として問題ないレベルである。
図24は、実施の形態1、2、4における光沢メモリーの発生度合の評価結果を示す表である。図24の表の一番左の欄が標準条件における評価結果である。印刷枚数が増えるにしたがって定着ベルト12は劣化する。印刷枚数が増えるにつれて、光沢メモリーが顕著になっていることがわかる。
次に、定着条件を調整したのち、図23に示すテスト画像を再び印刷して光沢メモリーの発生度合いを評価した。調整した定着条件は、上下加圧ローラーの駆動トルク比、定着ベルト12温度、ニップ部N内平均圧力である。
図24に示すように、定着条件は、標準条件から上下加圧ローラーの駆動トルク比のみを変更(条件変更1、水準1および2)した場合、標準条件から定着ベルト12温度のみを変更(条件変更2、水準1および2)した場合、標準条件からニップ部N内平均圧力のみを変更(条件変更3、水準1および2)した場合の6パターンで実施した。上下加圧ローラーの駆動トルク比、定着ベルト12温度、ニップ部N内平均圧力を調整することで光沢メモリーの発生が改善されたことがわかる。
変更する定着条件は、上加圧ローラー14および下加圧ローラー15の駆動トルク比、定着ベルト12温度、ニップ部N内平均圧力の3つを例に示したが、光沢メモリーの発生を改善できるならば、下加圧ローラー15の温度等の他の定着条件を変更してもよい。
定着ベルト12温度またはニップ部N内平均圧力を変更しても光沢メモリーは改善できるが、これらの条件を変更すると画像全体の光沢度にも影響を与えるため、光沢度に影響を与えにくい条件である上加圧ローラー14および下加圧ローラー15の駆動トルク比を調整する方法がより好ましい。駆動トルク比は、上加圧ローラー14および下加圧ローラー15それぞれの回転速度を変更又は駆動トルクを直接変更することで調整できる。
上記では定着ベルト12の劣化を例として、光沢メモリーが顕著になる状況を示した。光沢メモリーが顕著になる他の状況においても、トナー画像の表面状態の測定結果に応じて、光沢メモリーの発生を抑制する定着条件に調整することで、光沢メモリーの発生を防止することができる。
以上説明した実施の形態は、いずれも定着ベルト12を用いた定着装置10であったが、上加圧ローラーと下加圧ローラーとを直接圧接させて、上加圧ローラーを定着回転体として用いた定着装置などにも本発明は適用される。
このように、今回開示した上記実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成部、2 トナー補給部、3 現像部、4 潜像形成部、5 感光体、6 中間転写体、7 次転写部、8 定着動作制御部、10 定着装置、11 定着部、12 定着ベルト、13 加熱ローラー、14 上加圧ローラー、15 下加圧ローラー、16 上駆動部、17 下駆動部、21 表面状態検出部、22 発光部、23 受光部、23A 第1受光部、23B 第2受光部、23C 第3受光部、DR1 軸方向、DR2 搬送方向、DR3 法線方向、S 記録媒体、T 突起状部、N ニップ部。

Claims (7)

  1. 定着回転体および加圧回転体を含み、未定着トナー像を表面に保持した記録媒体を前記定着回転体と前記加圧回転体とによって形成されるニップ部で熱と圧力を加えながら搬送することで前記記録媒体に前記未定着トナー像を定着させてトナー画像を得る定着部と、 前記ニップ部に対して前記記録媒体の搬送方向の下流側に配置され前記記録媒体の表面に形成される突起状部の形状を検出する表面状態検出部と、
    前記突起状部の形状に応じて前記定着部における前記未定着トナー像の定着条件を変更する定着動作制御部と、を備える定着装置。
  2. 前記表面状態検出部は、発光部および受光部を含み、
    前記発光部および前記受光部は、前記記録媒体の前記搬送方向に沿って並んで配置され、
    前記発光部は、前記搬送方向に略垂直な法線方向に対して特定の入射角度で入射光を前記トナー画像の表面に照射し、
    前記受光部は、前記入射光が前記法線方向に対して特定の反射角度で反射した反射光の強度を測定し、
    前記受光部は、第1受光部、第2受光部、および、第3受光部のうち少なくとも2つから構成され、
    前記第1受光部は、反射角度が前記入射角度よりも小さい反射光の強度を測定し、
    前記第2受光部は、反射角度が前記入射角度よりも大きい反射光の強度を測定し、
    前記第3受光部は、反射角度が前記入射角度と略等しい反射光の強度を測定し、
    前記定着動作制御部は、前記反射光の強度の測定結果に応じて前記定着条件を変更する、請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記受光部が、前記第1受光部および前記第2受光部から構成され、
    前記第1受光部が測定する反射光の反射角度と前記入射角度との差が、前記第2受光部が測定する反射光の反射角度と前記入射角度との差に略等しい、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記受光部が、前記第1受光部および前記第3受光部から構成される、請求項2または請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記受光部が、前記第2受光部および前記第3受光部から構成される、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記表面状態検出部は、前記定着回転体の履歴が無い部分で定着したベタ部の表面状態を計測する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 前記定着条件は、前記定着回転体の温度と、前記加圧回転体の温度と、前記定着回転体と前記加圧回転体との駆動トルク比と、前記ニップ部の圧力と、の少なくとも一つを変更することによって調整される、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
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