JP2016136226A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016136226A
JP2016136226A JP2015054803A JP2015054803A JP2016136226A JP 2016136226 A JP2016136226 A JP 2016136226A JP 2015054803 A JP2015054803 A JP 2015054803A JP 2015054803 A JP2015054803 A JP 2015054803A JP 2016136226 A JP2016136226 A JP 2016136226A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
fixing
heating
fixing belt
fixing device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015054803A
Other languages
English (en)
Inventor
健一 長谷川
Kenichi Hasegawa
健一 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Publication of JP2016136226A publication Critical patent/JP2016136226A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】低コスト、かつ、精度よく温度制御を行う定着装置を提供する。【解決手段】加熱源65により加熱されるとともに回転する加熱回転体61と、加熱回転体61の外周表面の一部と摺動接触する固定部材62と、加熱回転体61と固定部材62に架け渡される定着ベルト63と、定着ベルト63を介して固定部材62と加圧接触してニップ部を形成する加圧回転体64と、を備えた定着装置60において、固定部材62に設けられて、加熱回転体61の外周面温度を検知する温度検知手段67,68と、該温度検知手段67,68の検知結果に基づいて、加熱源65を制御するコントローラCと、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置として複写機やレーザープリンタ等と呼称されているものが知られている。上記レーザープリンタ等においては、像支持体上に形成した静電潜像を現像装置によって現像し、現像されたトナー像を用紙の面上に転写して、定着装置により定着させて画像形成を行っている。
上記した画像形成装置として特許文献1に開示された構成のものがある。特許文献1に開示された画像形成装置においては、次の構成からなる定着装置が用いられている。特許文献1に記載の定着装置は、回転式の加熱ローラ、熱源、固定部材、加熱ローラと固定部材とに張架された定着ベルト及び加圧ローラを有している。加熱ローラは中空パイプ形に形成されており、この加熱ローラの内部に熱源が配置されている。
加圧ローラは、定着ベルトを介して固定部材と加圧接触してニップ部を形成している。そのニップ部の圧力は、定着ベルトと固定部材とを介した加熱ローラと加圧ローラとの間の加圧力により付与されている。
上記従来の定着装置においては、剛性の高い加熱ローラと加圧ローラとが固定部材を挟んだ状態となっているため、大きな加圧力によっても固定部材が撓むことなく、幅広で均一なニップ部を形成することができる。
上記特許文献1に記載の定着装置においては、定着ベルトの表面温度を検知するためのサーモパイルが、定着ベルトに対して非接触で配置され、軸方向における通紙範囲内(用紙幅内)に設けられている。
そして、上記のサーモパイルによって、加熱ローラに掛け回された定着ベルトの掛け回し終わり後の位置において、その定着ベルトの表面温度を検知している。すなわち、定着ベルトを走行させているときには、サーモパイルによる検知温度に基づき、コントローラにより熱源をオンオフ制御して、定着ベルトの表面温度を所定温度に保持している。この所定温度に保持された定着ベルトが、ニップ部に進入し用紙上のトナー画像を加熱するようになっている。
上記のサーモパイルは、これを定着ベルトに非接触に配置しているため、定着ベルトに対して摩耗キズを発生させることはない。また、上記の定着装置においては、サーミスタが、加熱ローラに掛け回された定着ベルトの掛け回されている部分での定着ベルト表面温度を検知している。サーミスタは、定着ベルトに接触させて配置され、軸方向における通紙範囲(用紙幅)の外側に設けられる。
そして、定着ベルトを停止しているときには、サーミスタの検知温度に基づき、コントローラにより、熱源をオンオフ制御して加熱ローラと接触している定着ベルト表面温度を所定温度に保持する。
サーミスタは、加熱ローラに掛け回された定着ベルトの掛け回されている部分での定着ベルトの表面温度を検知しているため、加熱ローラの温度も同様に所定温度に保持される。このサーミスタは、定着ベルトに対して接触で配置しているため、定着ベルトに対して摩耗キズを発生させるが、通紙範囲外側に設けることで画像への影響はない。なお、摩耗キズの問題があるため通紙範囲内にサーミスタを配置できない。
しかしながら、上記特許文献1に記載の定着装置では、下記の課題が未解決のままである。すなわち、定着ベルトを停止しているときには、通紙範囲外のサーミスタで温度制御を行うため、通紙範囲内にある熱源を精度よく制御することが難しい。また、加熱ローラの軸方向の温度を均一にする目的で、加熱範囲が異なる複数のヒータを備えた定着装置においては、通紙範囲外のサーミスタのみで複数の熱源を制御することが難しい。
上記したような加熱範囲が異なる複数の加熱源を備えた定着装置においては、加熱範囲内に対応した位置に複数のサーモパイルを配置し、定着ベルトを停止しているときにも、サーモパイルによって温度制御を行うことが考えられる。しかしながら、サーモパイルはサーミスタに比較して高コストな部品であり、複数配置すると装置コストが上昇してしまう。
そこで本発明は、低コスト、かつ、精度よく温度制御を行える定着装置の提供を目的としている。
上記課題を解決するための本発明に係る定着装置は、熱源により加熱されるとともに回転する加熱回転体と、前記加熱回転体の外周表面の一部と摺動接触する固定部材と、前記加熱回転体と前記固定部材に架け渡される定着ベルトと、前記定着ベルトを介して前記固定部材と加圧接触してニップ部を形成する加圧回転体と、を前記ニップ部形成のための加圧方向にこの順番で配列して備え、前記ニップ部の圧力は、前記定着ベルト及び前記固定部材を介した前記加熱回転体と前記加圧回転体との間の加圧力により付与される定着装置において、前記固定部材に設けられて、前記加熱回転体の外周面温度を検知する温度検知手段と、該温度検知手段の検知結果に基づいて、前記熱源を制御する制御手段と、を備えたものである。
本発明によれば、低コストで、かつ、精度よく温度制御することができる。
本発明の一実施形態に係る定着装置を有する画像形成装置の全体概略構成を示す概略正面図である。 第一の実施形態に係る定着装置を拡大して示す拡大側面図である。 図2に示す第一の実施形態に係る定着装置の正面図である。 加熱ローラの加熱範囲を示す説明図である。 図3に示す定着装置の主要部の一部を破断して示す部分正面図である。 固定部材の分解斜視図である。 第二の実施形態に係る定着装置の主要部を部分的に拡大して示す部分拡大正面図である。 他例に係る固定部材の一部を省略して示す部分斜視図である。 第三の実施形態に係る定着装置の主要部の一部を破断して示す部分正面図である。 定着ベルトの回転停止中の異常検知処理のフローチャートである。 定着ベルトの回転中の異常検知処理のフローチャートである。
以下、本発明の第一の実施形態に係る定着装置を用いた画像形成装置について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る定着装置を用いた画像形成装置の全体構成を示す概略正面図である。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付すことにより、それらの重複した説明を適宜に簡略化し又は省略する。
以下には、画像形成装置としてカラー複写機を例として説明する。図1に示す画像形成装置(以下、「カラー複写機」という。)10は、本体20の最上部にスキャナ30を配置している。上記スキャナ30の下方には、タンデム作像装置40、本発明の第一の実施形態に係る定着装置60及び収納カセット70が順次配設されている。
<スキャナ30>
スキャナ30は、原稿31を照射するハロゲンランプ等の光源32、その反射光を反射するミラー33、その反射光を集光するレンズ34、入射した画像を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)35を有している。なお、符号36は原稿台である。
<タンデム作像装置40>
タンデム作像装置40は、後述する中間転写体50の搬送方向に沿って並列されたブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4つの単色作像ユニットを有して構成されている。なお、符号41は、単色作像ユニットの上方に配置された露光装置であって、42はポリゴンミラー、43はミラーである。
各単色作像ユニットは、ドラム形の像担持体44のまわりに、帯電装置45、現像装置46、1次転写装置47、クリーニング装置48、除電装置等を適宜配設したものである。帯電装置45は、本実施形態においては帯電ローラであり、像担持体44に接触して電圧を印加することによりその像担持体44の帯電を行うものである。
現像装置46は、磁性キャリアと非磁性トナーとよりなる二成分現像剤を使用したものである。1次転写装置47は、後述する中間転写体50を挟んで像担持体44に押し当てるように設けられている。なお、1次転写装置47としては、図示したローラ形のものに限るものではなく、ブラシや非接触のチャージャとしてもよい。
クリーニング装置48は、像担持体44上の残留トナーを除去するものであり、像担持体44に接触するクリーニングブレードやクリーニングブラシ等のクリーニング部材を備えている。除電装置は、例えばランプであり、光を照射して像担持体44の表面電位を初期化するものである。なお、単色作像ユニットを構成する部分の全部又は一部をプロセスカートリッジにより形成し、本体20に対して着脱自在とした構成としてもよい。この場合、メンテナンス性を向上させることができる。
上記の構成からなるタンデム作像装置40の動作は、次のとおりである。像担持体44の回転とともに、帯電装置45で像担持体44の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ30の読み取り内容に応じ、上述した露光装置41において、レーザやLED等による書込み光1をポリゴンミラー42で反射する。その反射光をさらにミラー43で反射し、像担持体44に照射して、その像担持体44上に静電潜像を形成する。
その後、現像装置46によってトナーを付着させてその静電潜像を可視像化し、その可視像を1次転写装置47で中間転写体50上に転写する。画像転写後の像担持体44の表面は、クリーニング装置48で残留トナーを除去して清掃した後、除電装置で除電して再度の画像形成に備える。なお、下記の第2の従動ローラ49に近接した位置に、画像転写後に中間転写体50上に残留する残留トナーを除去するベルトクリーニング装置を設けた構成にしてもよい。
<中間転写体50>
中間転写体50は、駆動ローラ51と第1の従動ローラ52及び第2の従動ローラ49に張架され、図中時計回りに回転搬送されるようになっている。なお、駆動ローラ等は上記図示したものに限るものではないことは勿論である。例えば、中間転写体50の片寄りを調整するローラに張架し、また、4つ以上のローラに張架してもよい。さらに、中間転写体50は、図示水平に張架したものに限らず、傾斜させて張架してもよい。
ところで、上記した中間転写体50の張架(張り渡し)領域の下方には、ローラを用いた2次転写装置53が配置されている。2次転写装置53は、画像転写後の用紙2を搬送する媒体搬送機能を有するものであり、従動ローラ52に押し当てられ、中間転写体50上の画像を用紙2に転写している。なお、2次転写装置53として非接触のチャージャを配置してもよいが、その場合には別途媒体搬送機能を設けることが好ましい。
中間転写体50の下方には、用紙2を収納するための収納カセット70や、この収納カセット70から用紙2を搬出する給紙ローラ71等が設けてある。また、給紙ローラ71から定着装置60にかけて搬送路3が形成され、その搬送路3において給紙ローラ71よりも搬送方向下流側に、用紙2を搬送するための一対のレジストローラ72が配設されている。ここで、用紙2としては、普通紙以外に厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。
中間転写体50の側方には、2つのローラ54,54間に、無端状の搬送ベルト55が張架され、その搬送ベルト55の図示左側方に、以下に詳述する第一の実施形態に係る定着装置60が配設されている。
<第一の実施形態に係る定着装置60>
図2は、第一の実施形態に係る定着装置60を拡大して示す拡大側面図、図3は、図2に示す第一の実施形態に係る定着装置60の正面図である。なお、図2は、用紙上のトナー画像を定着する定着動作時のものであり、加圧状態を示している。
第一の実施形態に係る定着装置(以下、単に「定着装置」という。)60は、用紙2上の転写画像を定着させるためのものであり、その詳細は次のとおりである。図2に示すように、定着装置60は、加熱回転体61(以下、「加熱ローラ61」ともいう。)、固定部材62、定着ベルト63、加圧回転体64及び加熱源65a,65b(区別しないときは加熱源65とする)を主要の構成としている。この定着装置60は、加熱ローラ61と、固定部材62と、定着ベルト63と、加圧回転体64と、を定着ニップ部形成のための加圧方向にこの順番で配列して備え、ニップ部の圧力は、定着ベルト63及び固定部材62を介した加熱ローラ61と加圧回転体64との間の加圧力により付与される。なお、定着ニップ部とは、定着ベルト63と加圧ローラ64との接触部をいう。
加熱ローラ61は、これの両端部が、図3に示すフレーム84にベアリング66を介して回転自在に支持されている。本実施形態において示す加熱ローラ61は、熱伝導率のよい直径50mm、厚さ0.5mm〜3mmの中空パイプ形のものであり、アルミニウム製のものである。
上記加熱ローラ61の表面は、定着ベルト63との接触や固定部材62との摺動接触による摩耗を防止するため、アルマイト処理やフッ素樹脂処理等が施されている。また、内周面には耐熱黒塗装が施されている。これにより、加熱源65a,65bからの熱を吸収しやすくしている。
上記の構成からなる加熱ローラ61は、定着ベルト63の回転によって従動回転しながら、その定着ベルト63を加熱するようにしている。なお、加熱ローラ61は、加圧回転体64(以下、「加圧ローラ64」ともいう。)からの圧接力によっては撓むことがない剛性を有している。
図4は、加熱ローラの加熱範囲を示す説明図、図5は、図3に示す定着装置の主要部の一部を破断して示す部分正面図、図6は、固定部材の分解斜視図である。図4に示すように、加熱源65aは、通紙領域における加熱ローラ61の軸方向の中央部を加熱する中央側熱源であって、小サイズ用紙(A4縦)の通紙領域を主として加熱する。また、加熱源65bは、加熱ローラ61の軸方向の端部を加熱する端部側熱源であって、大サイズ用紙(A3縦)などの通紙時に、加熱源65aとともに加熱される。
本実施形態においては、上記二つの加熱源65a,65bを加熱ローラ61内に配置している。本実施形態において示す加熱源65a,65bとしてはハロゲンヒータを用いているが、これに限るものではなく、例えば赤外線ヒータ、誘導加熱装置、熱抵抗等を採用することができる。
固定部材62は、図2,図5,図6に示すように、加熱ローラ61の外周面に摺動接触し、図中の上下方向のみにわずかに移動可能に支持されている。この固定部材62には、加熱源65a,65bに対応した位置に、温度検知センサ67,68が配設されており、加熱ローラ61の表面温度を検知するようにしている。本実施形態においては、中央側熱源の加熱範囲に対応する位置に温度検知センサ67(第1温度検知手段)を配置し、また、端部側熱源の加熱範囲に対応する位置に温度検知センサ68(第2温度検知手段)を配置している。
固定部材62は、これの接触上面62bが加熱ローラ61と摺動接触し、接触下面62aが定着ベルト63と摺接するようになっている。固定部材62の前後方向の幅寸法は、加熱ローラ61の外径より小さく、かつ、定着ニップ部より広い幅としている。また、図中の上下方向は、定着ベルト63が加熱ローラ61と固定部材62の両方に緩く張られるような寸法としている。
固定部材62の材質としては、耐熱性に優れかつ摺動性が良好であり、加熱ローラ61からの熱移動が少ない樹脂材料が好ましい。例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド),PAI(ポリアミドイミド),PI(ポリイミド),LCP(液晶ポリマー)等を用いることができる。また、固定部材62は加熱ローラ61との摺動面と定着ベルト63との摺動面とを有しているので、各摺動面には摺動性に優れる樹脂(例えば、フッ素樹脂)をコーティングすることが好ましい。
図6に示すように、固定部材62の定着ベルト63との接触下面62aは、その定着ベルト63を介した加圧ローラ64の表面に沿う曲面とし、定着ベルト63と加圧ローラ64との間に定着ニップ部を形成している。
固定部材62の接触上面62bは、加熱ローラ61の表面に沿う曲面とし、加圧ローラ64の圧接力を加熱ローラ61に伝えるようにしている。なお、接触上面62bは、加熱ローラ61の表面に沿う曲面に限るものではなく、例えば平面としてもよい。
固定部材62には、これの接触上面62bに、上記した温度検知センサ67,68を収容するためのセンサ収容部62c,62d(凹部)が、上記した小サイズ用紙の通紙領域、大サイズ用紙の通紙領域に対応した位置に凹設されている。センサ収容部62c,62dは、図6に示すように、上面視において温度検知センサ67,68の輪郭形状に一致する方形にして形成されている。
本実施形態においては、温度検知センサ67,68をセンサ収容部62c,62dに嵌合固定している。センサ収容部62c,62dからは、信号線を配線するための信号線用溝62e,62fが外端に至る長さにして形成されている。温度検知センサ67,68は、発泡シリコーンゴム等の耐熱弾性体にサーミスタを載せ、それらの外周面をフッ素樹脂テープ等の摺動性の良い耐熱テープで巻き付けて成型したものである。
温度検知センサ67,68は、センサ収容部62c,62dに嵌合したときに、接触上面62bよりわずかに突出するような寸法となっている。これにより、固定部材62が加熱ローラ61に当接するとき、温度検知センサ67,68の耐熱弾性体が圧縮され、それら温度検知センサ67,68が加熱ローラ61に軽負荷で接触するようにしている。
上記のように、温度検知センサ67,68を固定部材62に一体的に設けることにより、加熱ローラ61の軸方向における複数位置の表面温度を容易に検知することができる。これにより、省スペース化を図ることができる。また、温度検知センサ67,68をサーミスタとしているので、サーモパイルを追加する場合と比較して、コスト低減を実現することができる。
ところで、定着ベルト63は、加熱ローラ61と固定部材62との外側に楕円状に掛け回された可撓性のものである。この定着ベルト63は、固定部材62に対し、加圧ローラ64による加圧によって密着する一方、円形に戻ろうとする力(張力)が生じるため、加熱ローラ61に密着する。
上記した定着ベルト63は、例えば耐熱性の高い、厚さが0.05〜0.2mmのポリイミド樹脂の表層と裏層に離型層をコーティングした、直径58mmのものである。ここで、表離型層は、例えば、シリコーンゴム、フッ素樹脂、シリコーンゴムとフッ素樹脂の2層構造、シリコーンゴムとフッ素樹脂の混合体等の材質から構成され、用紙2上のトナーの凹凸に追従するために弾性を持たせている。
裏離型層は、固定部材62との摺動抵抗を低減させるために、フッ素樹脂処理が施されている。なお、定着ベルト63の基材としては、樹脂に限らず、例えばステンレス、ニッケル、銅等の金属や、ゴム等を用いてもよい。
以上のように構成した定着ベルト63は、加熱ローラ61に巻きついて加熱され、定着ニップ部で用紙2を加熱加圧することにより、用紙2上のトナー画像を定着させる。定着ベルト63の表面に接触している部材は、温度検知センサ67及び図2に示す分離板69の突き当て部であるが、いずれも用紙2の幅より外側に配置している。そのため、用紙2の幅内の定着ベルト63に磨耗傷を生じさせることがない。これにより、通紙された用紙2のトナー画像に磨耗傷が転写されることによる画像劣化を防ぐことができる。
加圧ローラ64は、定着ベルト63を介して固定部材62に対して押し当てられて、定着ニップ部を形成している。この加圧ローラ64の内部には、ハロゲンヒータ等の加熱源80を配設し、また、加熱ローラ61と同様にして外周面に接触式の温度センサ(サーミスタ)81が押し当てられている。そして、サーミスタ81の検知温度に基づき、図2に示す制御手段としてのコントローラCにより加熱源80をオンオフ制御し、加圧ローラ64を所定温度に保持している。なお、加熱源80を必ずしも加圧ローラ64に設ける必要はない。また、コントローラCは、定着装置60に設ける構成としているがこれに限られず、画像形成装置内に設ける構成としてもよい。
上記加圧ローラ64には、図2における図示上方向の加圧力が与えられ、この加圧力は定着ベルト63、固定部材62及び加熱ローラ61に伝達される。これにより、定着ニップ部、固定部材62と定着ベルト63との接触部、固定部材62と加熱ローラ61との接触部には圧力が生じることになる。
本実施形態において示す加圧ローラ64は、鋼等の金属パイプに厚さ2mmのシリコーンゴム層を設け、直径が50mm、両端のジャーナル部64aを直径20mmに絞ったものを用いている。加圧ローラ64の両端のジャーナル部64aには、ベアリング82が嵌合されているとともにギヤ86が固定されている。加圧ローラ64は、フレーム84に回転可能に設けた加圧レバー85とスプリング83によって、ベアリング82を介して加熱ローラ61方向に加圧されている。この構成により、加圧機構部を構成している。そして、駆動源からの駆動力が上記ギヤ86に入力されることにより、反時計回りに回転する。このように構成された加圧ローラ64が回転することにより、定着ニップ部の定着ベルト63が従動回転する。
ところで、定着ベルト63の定着ニップ部の出口側には、その定着ベルト63から用紙2を分離補助するための分離板69が、これの先端部が定着ベルト63と接触しないように設置されている。分離板69は、搬送方向下流側に回転支点を有し、その先端近傍の位置決め部(軸方向で見て、用紙2の幅より外側にある)を定着ベルト63にバネ部材等で付勢している。これにより、分離板69の先端部と定着ベルト63とを微小なギャップとなるようにしている。すなわち、定着ニップ部の出口側で自然分離した用紙2は、この分離板69によってガイドされる。これにより、用紙2が定着ベルト63に巻きつくことはない。
サーモパイル90(第3温度検知手段)は、加熱ローラ61に掛け回された定着ベルト63の掛け回し終わり後の位置での表面温度を検知するものである。このサーモパイル90は、定着ベルト63に対して非接触で配置され、図3に示すように、軸方向における通紙範囲内(用紙2の幅内)の中央部に設けられている。なお、サーモパイル90を廃止し、上記した温度検知センサ67の検知温度に基づき、加熱源65aの加熱温度を制御してもよい。また、上記した定着装置60の入口側には、入口ガイド94が設けられ、その入口ガイド94により用紙2を定着ニップ部へと導くようになっている。
上述した定着装置60によれば、次の効果を得ることができる。本実施形態に係る定着装置60は、ニップ部の圧力を固定部材62だけではなく加熱ローラ61も利用して受けているので、固定部材62を大きくする(強度を増やす)ことなく、幅広かつ高面圧なニップを得ることができる。これにより、高速印刷や高画質画像の対応が可能となる。また、固定部材62が小さく、かつ加熱ローラ61と接触しているため、定着ベルト63の周長を短くすることができ、装置を小型化できる。
さらに、固定部材62の形状によって、ニップ部の出口における定着ベルト63の曲率を大きくすることができ、分離性能に優れ、自然分離が可能である。また、加熱ローラ61は回転しながら定着ベルト63と接しているため、加熱ローラ61から定着ベルト63への熱伝達効率も優れたものとすることができる。またさらに、固定部材62の加熱ローラ61との摺動接触面に温度検知センサ67,68を設けることにより、加熱ローラ61の温度を、低コストで精度よく制御することができる。
なお、上記の実施家形態においては、加圧ローラ64側に加圧機構部を設けた構成について例示したが、加熱ローラ61側に加圧機構部を設けた構成にしてもよい。すなわち、加圧ローラ64をフレーム84に固定し、加熱ローラ61側から加圧するようにしてもよい。また、固定部材62を固定して、加熱ローラ61側及び加圧ローラ64側の両方向から加圧するようにしてもよい。
ところで、図2に示すコントローラCの入力側には、上記した温度検知センサ67,68,81、サーモパイル90が、また、出力側には加熱源65a,65b,80がそれぞれ接続されており、所要のプログラムの実行により次の機能を実現している。
温度検知センサ67,68、サーモパイル90によって検知した加熱回転体61の外周面の温度に基づき、その加熱回転体61の表面温度が所定の温度となるように加熱源65a,65bによる加熱温度を調整する機能。この機能を「加熱温度調整手段Ca」という。
具体的には、定着ベルト63を停止しているときには、温度検知センサ67の検知温度に基づき加熱源65aを、また、温度検知センサ68の検知温度に基づき加熱源65bをそれぞれオン/オフ制御して加熱ローラ61を所定の温度に保持している。
定着ベルト63を走行させているときには、サーモパイル90の検知温度に基づき、加熱源65aを、また、温度検知センサ68の検知温度に基づき、加熱源65bをオンオフ制御して加熱ローラ61を所定の温度に保持している。
次に、上述した構成からなる画像形成装置の動作について説明する。
(原稿の複写)
スキャナ30の原稿台36上に原稿31をセットし、原稿押えで押さえ、スタートスイッチ等によりスキャナ30を駆動し、原稿31の読み取りを行う。原稿の読み取りは、上記した光源32で原稿31を照射し、その反射光をミラー33で反射してレンズ34により集光し、CCD35に入射した画像を電気信号に変換することにより行われる。
次いでスタートスイッチが押されると、駆動モータにより駆動ローラ51が回転駆動され、従動ローラ49,52が従動回転し、中間転写体50が回転搬送される。個々の単色作像手段の像担持体44上にそれぞれ、ブラック・イエロ・マゼンタ・シアンの単色画像が形成され、中間転写体50の搬送とともに、形成された単色画像が順次重ねられ、1次転写して中間転写体50上に合成カラー画像が形成される。
一方、給紙ローラ71の回転により収納カセット70から用紙2を繰り出されて、搬送路3に搬送され、レジストローラ72に突き当たることにより停止する。中間転写体50上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ72が回転し、中間転写体50と2次転写装置53との間に用紙2が送り込まれる。2次転写装置53で中間転写体50上の合成カラー画像を一括して2次転写し、用紙2上にカラー画像が形成される。
画像転写後の用紙2は、搬送ベルト55により定着装置60に搬送される。そして、定着装置60で熱と圧力とを加えられて転写画像が定着された後、排紙トレイ87上にスタックされる。画像転写後の中間転写体50は、タンデム作像装置40による再度の画像形成に備え、ベルトクリーニング装置により残留する残留トナーが除去される。
次に、第二の実施形態に係る定着装置100について、図7を参照して説明する。図7は、第二の実施形態に係る定着装置100の主要部を部分的に拡大して示す部分拡大正面図である。なお、図中、上記したものと同一又は相当する部分には同一の符号を付すことにより、それらの重複した説明を適宜に省略する。
<第二の実施形態に係る定着装置100>
上記した加熱ローラ61は定着ベルト63によって従動回転しているため、各々の部材に速度差が生じることがなく、各々の部材の磨耗劣化を防止することができる。しかしながら、加熱ローラ61は、固定部材62と摺動しながら回転する。このため、定着ベルト63による加熱ローラ61の駆動力よりも、固定部材62との摺動抵抗が大きくなると、加熱ローラ61が回転しないという問題が生じる。加熱ローラ61が回転しないと、定着ベルト63の加熱効率が悪化するばかりでなく、定着ベルト63の回転抵抗となり、その定着ベルト63が回転しなくなるという虞もある。
そこで、図7に示すように、加圧ローラ64と加熱ローラ61とをギヤ91,92によりギヤ連結し、加熱ローラ61とギヤ91との間にワンウェイクラッチ93を設けた構成にする(回転機構部)。ここで、加熱ローラ61は定着ベルト63によって従動回転し、ギヤ91は加熱ローラ61より数%(1〜5%程度)遅い速度で回転している。
従って、ワンウェイクラッチ93は、
(加熱ローラの回転速度)>(加熱ローラのギヤ回転速度)
この状態ではフリー状態であるが、加熱ローラ61の回転速度がスリップ等で低下すると、
(加熱ローラの回転速度)=(加熱ローラのギヤ回転速度)
でロックし、加熱ローラ61は数%遅い回転数で駆動回転する。
すなわち、定着ベルト63と加熱ローラ61との間にスリップが生じても、加熱ローラ61が駆動されることにより、定着ベルト63を回転させるので、定着ベルト63がスリップで回転停止を防止できる。また、上述のように、定着ベルト63は加圧ローラ64によって従動回転している。しかしながら、定着ベルト63は固定部材62と摺動しながら回転するため、加圧ローラ64による定着ベルトの駆動力よりも固定部材62との摺動抵抗が大きくなると、定着ベルト63が回転しないという問題が発生する。
特に、定着ニップ部において用紙2の搬送中は、加圧ローラ64と定着ベルト63間に用紙2が存在するため、加圧ローラ64による定着ベルト63の駆動力が低下してしまう。すなわち、定着ベルト63が回転しないと、用紙2を搬送することができなくなってしまう。
そこで、図7に示すように、加熱ローラ61と加圧ローラ64とをギヤ91,92とを噛合連結して、加熱ローラ61も回転駆動するようにする。ここで、加熱ローラ61の速度は、加圧ローラ64による定着ベルト63の駆動速度と略同じ(±1%)であるか、速くなるよう(0〜10%の範囲)に設定する。
また、定着ベルト63の内面は、上述のようにフッ素樹脂処理が施され、潤滑剤が塗布されているため、加熱ローラ61との接触面でスリップしやすい状態となっている。そのため、定着ベルト63と異なる速度で加熱ローラ61を回転させても、安定してスリップするため、定着ベルト63の走行に問題はないが、定着ベルト63を駆動することは可能である。ただし、加熱ローラ61と定着ベルト63との速度差による磨耗劣化には留意する必要が生じる。
ニップ部で用紙2の搬送中は、上述のように、加圧ローラ64による定着ベルト63の駆動力が低下トしてしまうが、加熱ローラ61による定着ベルト63の駆動力があるため、定着ベルト63が回転しないという課題を解決できる。さらに、加熱ローラ61が駆動回転しているため、上述のような定着ベルト63と加熱ローラ61とのスリップによって加熱ローラ61が回転しないという問題も生じない。
また、定着ベルト63よりも加熱ローラ61を遅く回転させられるが、加熱ローラ61が定着ベルト63の回転抵抗となってしまい、ニップ出口部での定着ベルト63が弛み、用紙2の分離性が不安定となる可能性がある。よって、加熱ローラ61は定着ベルト63と等速(±1%)、又は速く(0〜10%の範囲)で回転させることが好ましい。
なお、上記温度検知センサ67,68は、上述した形態や個数に限るものではなく、適宜選択された形態や本数にすることができる。また、固定部材62に設ける温度検知センサは1つであってもよい。図8は、他例に係る固定部材110の一部を省略して示す部分斜視図である。
図8に示すように、他例に係る固定部材110は、これの接触上面110bが加熱ローラ61の表面に沿う曲面とし、加圧ローラ64の圧接力を加熱ローラ61に伝えるようにしている。また、接触下面110aは、上記した定着ベルト63を介した加圧ローラ64の表面に沿う曲面とし、定着ベルト63と加圧ローラ64との間に定着ニップ部を形成している。
固定部材110の接触上面110bには、上記した小サイズ用紙の通紙領域、大サイズ用紙の通紙領域に対応した位置に上記したものと同等の温度検知センサ67,68が一体に成型されている。この構成によれば、組立性を向上させることができる。
上述した実施形態においては、加熱回転体(加熱ローラ)の内部に加熱源を配置した例について説明したが、これに限るものではなく、例えば加熱ローラの外部に誘導加熱装置を加熱源として設けた構成にしてもよい。また、加熱回転体の内外にそれぞれ加熱源を配設してもよいことを付記する。
<第三の実施形態に係る定着装置60>
本発明に係る定着装置は、第一の実施形態に示したように、固定部材62に、加熱ローラ61の外周表面の温度を検知する温度検知センサを備えるものである。また、第一の実施形態に係る定着装置60では、加熱範囲が異なる複数の加熱源65a,65bを備え、固定部材62にこれに対応させて複数の温度検知センサ67,68を配置することで、加熱範囲が異なる複数の加熱源を有する定着装置においても低コスト、かつ精度よく温度制御することが可能となっている。
ところで、特許文献1に示した定着装置および第一、第二の実施形態に係る定着装置60,100を含めた、各種の定着装置では、定着装置に異常が発生した場合に、各種の異常を検知する異常検知手段を有することが一般的である。そして、異常検知手段が異常を検知すると、定着装置は停止し、画像形成装置本体に異常発生のメッセージが表示されるようになっている。
定着装置60に発生する異常の一つの態様として、用紙2が定着ベルト63に巻き付いて定着装置60内に残留する異常があげられる。定着ベルト63に用紙2が巻き付いた状態で加熱源65を動作させると、場合によっては、用紙2が焦げるおそれがあり、異臭が発生してしまう。
この用紙2の巻きつき異常を検知するために、反射型フォトセンサーを定着ベルト面に非接触で配置する方式が知られている。具体的には、定着ベルト63のベルト面を反射率の低い色(例えば、黒色)とし、反射型フォトセンサーをベルト面からの反射光を検出できない距離に配置し、反射率の高い用紙2(例えば、白紙)が定着ベルト63に巻き付いた状態となると反射型フォトセンサーが用紙2を検知する、というものである。
しかしながら、この方式では、透明なOHPシートや、黒画像が形成された用紙、などの巻き付きを検出することは難しかった。
そこで、第三の実施形態に係る定着装置60では、定着ベルト63への用紙2の巻き付き等の異常を、反射型フォトセンサーを用いることなく、かつ、反射率の低い用紙など用紙の種別や用紙への形成画像によらず、検出するものである。なお、以下の説明では、第一の実施形態に係る定着装置60との同様の点についての説明は適宜省略する。
第三の実施形態に係る定着装置60の拡大側面図は図2、正面図は図3で示される。また、図9は第三の実施形態に係る定着装置60の主要部の一部を破断して示す部分正面図である。
サーモパイル90は、図2に示すように定着ベルト63に非接触で配置される。また、軸方向における配置位置は、図9に示すように、定着装置60に通紙する最小の用紙サイズ(例えば、ハガキサイズ)の通紙範囲内(ハガキ幅内という)に設けられることが好ましい。
また、固定部材62には、温度検知センサ67,68が配設されており、温度検知センサ67は、軸方向において、サーモパイル90と同様にハガキ幅内に配置される。また、温度検知センサ68は、大サイズ用紙の通紙領域に配置されている。なお、本実施形態において、サーモパイル90は、温度検知センサ67と同様に定着装置60に通紙する最小の用紙サイズの通紙範囲内に設けられているが、サーモパイル90の軸方向における配置位置はこれに限られるものではない。
なお、第三の実施形態に係る定着装置60でも、第一の実施形態と同様に、定着ベルト63を停止しているときには、温度検知センサ67の検知温度に基づき加熱源65aを、また、温度検知センサ68の検知温度に基づき加熱源65bをそれぞれオン/オフ制御して加熱ローラ61を所定の温度に保持している。一方、定着ベルト63を走行させているときには、サーモパイル90の検知温度に基づき、加熱源65aを、また、温度検知センサ68の検知温度に基づき、加熱源65bをオンオフ制御して加熱ローラ61を所定の温度に保持している。
第三の実施形態では、定着装置60のコントローラCは異常検出手段として機能する。図10および図11は、異常検出手段が、温度検知センサ67と、外表温度検知手段としてのサーモパイル90からの出力に基づいて定着装置60の異常を検知するフローチャートである。
図10は、定着ベルト63の回転停止中の異常検知処理のフローチャートである。回転停止中において、温度検知センサ67で検知した温度をA1、サーモパイル90で検知した温度をB1とする。
定着ベルト63の回転停止中において、先ず、温度検知センサ67は温度A1を検知し(S101)、サーモパイル90は温度B1を検知する(S102)。S101およびS102の処理の前後は問わず、同時に取得することが好ましい。また、温度A1,B1は所定間隔で継続して取得される値である。
次いで、異常検出手段は、温度A1と温度B1の差の絶対値と、閾値X1とを比較する(S103)。閾値X1は、正常/異常を判断するための規定値であって予め求められる値である。
S103の判断において、温度A1と温度B1の差の絶対値が閾値X1以下である場合(S103:NO)は、正常であると判断され、異常検出はされない(S101へ戻る)。これに対し、温度A1と温度B1の差の絶対値が閾値X1を超える場合(S103:YES)は、異常であると判断し、加熱源65への給電を停止する(S104)。加熱源65への給電停止後、画像形成装置への異常表示を通知する(S105)。
図11は、定着ベルト63の回転中の異常検知処理のフローチャートである。回転中において、温度検知センサ67で検知した温度をA2、サーモパイル90で検知した温度をB2とする。
定着ベルト63の回転中において、先ず、温度検知センサ67は温度A2を検知し(S201)、サーモパイル90は温度B2を検知する(S202)。S201およびS202の処理の前後は問わず、同時に取得することが好ましい。また、温度A2,B2は所定間隔で継続して取得される値である。
次いで、異常検出手段は、温度A2と温度B2の差の絶対値と、閾値X2とを比較する(S203)。閾値X2は、正常/異常を判断するための規定値であって予め求められる値である。なお、定着ベルト63の回転中は、定着ベルト63と加熱ローラ61の温度が略同等となるため、回転停止中の閾値X1に比較してX2は小さい値である。
S203の判断において、温度A2と温度B2の差の絶対値が閾値X2以下である場合(S203:NO)は、正常であると判断され、異常検出はされない(S201へ戻る)。これに対し、温度A2と温度B2の差の絶対値が閾値X2を超える場合(S203:YES)は、異常であると判断し、加熱源65への給電を停止する(S204)。加熱源65への給電を停止後、定着ベルト63の回転を停止し(S205)、画像形成装置への異常表示を通知する(S206)。
上述した異常検出手段を備えた定着装置60とすることで、以下のような異常を検知することが可能となる。
先ず、通紙中に、定着ベルト63に用紙2が巻き付く異常が発生すると、画像形成装置内の用紙搬送経路に複数配置されている用紙検知センサによって、用紙ジャムを検知し、画像形成装置を停止させる。画像形成装置の停止後は、通常、ユーザによって用紙除去が行われるが、目視確認しづらい定着ベルト63に巻き付いた用紙2がそのまま定着装置60に残留する場合がある。
その後、回転停止した状態から、加熱源65の動作を開始すると、定着ベルト63の表面に用紙2が巻き付いた状態であるため、サーモパイル90の検知温度は、停止中の制御対象である温度検知センサ67の検知温度よりも低くなる。図10に示した異常検知処理によって、このような異常を検知することが可能となる。
しかしながら、回転停止中に異常検知ができなかった場合は、定着ベルト63は回転を開始する。回転中は、サーモパイル90の検知温度が制御対象となるため、用紙2が巻き付いた状態の定着ベルト63を所定温度にコントロールしようとすると、温度検知センサ67はサーモパイル90の検知温度より高くなってしまう。
このとき、図11に示した異常検知処理によって、回転停止中における異常検知のための閾値X1に比較して、回転中の異常検知のための閾値X2は小さい値としているため、回転停止時と比較して精度よく、異常を検知することが可能となる。
また、定着ベルト63のスリップ等による定着ベルト63の回転不良や、定着ベルト63の破損等によっても、温度検知センサ67とサーモパイル90の温度差が生じる場合があり、これらの異常を検知することも可能である。
2 用紙
30 スキャナ
31 原稿
32 光源
36 原稿台
40 タンデム作像装置
41 露光装置
42 ポリゴンミラー
44 像担持体
45 帯電装置
46 現像装置
50 中間転写体
51 駆動ローラ
52 従動ローラ
55 搬送ベルト
60 定着装置
61 加熱ローラ(加熱回転体)
62 固定部材
62c,62d センサ収容部
62e,62f 信号線用溝
64a ジャーナル部
65a 加熱源
65b 加熱源
66 ベアリング
67,68 温度検知センサ
69 分離板
70 収納カセット
71 給紙ローラ
72 レジストローラ
80 加熱源
81 温度検知センサ
85 加圧レバー
86 ギヤ
90 サーモパイル
91,92 ギヤ
93 ワンウェイクラッチ
100 定着装置
110 固定部材
C コントローラ
Ca 加熱温度調整手段
特開2011−191380号公報

Claims (10)

  1. 熱源により加熱されるとともに回転する加熱回転体と、
    前記加熱回転体の外周表面の一部と摺動接触する固定部材と、
    前記加熱回転体と前記固定部材に架け渡される定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記固定部材と加圧接触してニップ部を形成する加圧回転体と、を前記ニップ部形成のための加圧方向にこの順番で配列して備え、
    前記ニップ部の圧力は、前記定着ベルト及び前記固定部材を介した前記加熱回転体と前記加圧回転体との間の加圧力により付与される定着装置において、
    前記固定部材に設けられて、前記加熱回転体の外周面温度を検知する温度検知手段と、
    該温度検知手段の検知結果に基づいて、前記熱源を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記温度検知手段は、前記固定部材における前記加熱回転体との摺接面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記固定部材に前記温度検知手段を収容する凹部が形成されるとともに、前記温度検知手段は、前記凹部に嵌合していることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記温度検知手段は、前記加熱回転体の軸方向に沿って複数配置されることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記熱源は、前記加熱回転体の軸方向中央側を加熱する中央側熱源と、端部側を加熱する端部側熱源からなるとともに、
    前記温度検知手段は、前記中央側熱源と前記端部側熱源の加熱範囲に対応する位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記温度検知手段は、前記中央側熱源の加熱範囲に対応する前記温度検知手段を第1温度検知手段、端部側熱源の加熱範囲に対応する前記温度検知手段を第2温度検知手段として、
    前記第1温度検知手段が配置される前記加熱回転体の軸方向位置に対応する前記定着ベルトの外周表面の温度を検知する第3温度検知手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記定着ベルトの停止時は、前記第1温度検知手段の検知温度に基づき前記中央側熱源を制御し、かつ前記第2温度検知手段の検知温度に基づき前記端部側熱源を制御し、
    前記定着ベルトの回転時は、前記第3温度検知手段の検知温度に基づき前記中央側熱源を制御し、かつ前記第2温度検知手段の検知温度に基づき前記端部側熱源を制御することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記定着ベルトの外周表面の温度を検知する外表温度検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記温度検知手段と、前記外表温度検知手段との検知結果の比較に基づいて、定着装置の異常を検知することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記制御手段は、前記温度検知手段の検知温度と、前記外表温度検知手段の検知温度との差の絶対値が所定値以上の場合に、定着装置の異常を検知することを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記温度検知手段および前記外表温度検知手段は、前記加熱回転体の軸方向において、使用する最小サイズの用紙の通紙範囲内に設けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の定着装置。
  10. 請求項1から9までのいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
JP2015054803A 2015-01-15 2015-03-18 定着装置及び画像形成装置 Pending JP2016136226A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015005987 2015-01-15
JP2015005987 2015-01-15

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016136226A true JP2016136226A (ja) 2016-07-28

Family

ID=56512590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015054803A Pending JP2016136226A (ja) 2015-01-15 2015-03-18 定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016136226A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019012199A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 キヤノン株式会社 定着装置
JP2019211501A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 株式会社沖データ 画像形成装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019012199A (ja) * 2017-06-30 2019-01-24 キヤノン株式会社 定着装置
JP2022000715A (ja) * 2017-06-30 2022-01-04 キヤノン株式会社 定着装置
JP7242800B2 (ja) 2017-06-30 2023-03-20 キヤノン株式会社 定着装置
JP2019211501A (ja) * 2018-05-31 2019-12-12 株式会社沖データ 画像形成装置
JP7110734B2 (ja) 2018-05-31 2022-08-02 沖電気工業株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5950152B2 (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP5850391B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
US9164435B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
US9383693B2 (en) Fixing device, image forming apparatus, and fixing method
JP6069950B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP5835646B2 (ja) ガイド装置、定着装置及び画像形成装置
JP5640405B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP6051773B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2014032389A (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
US8447221B2 (en) Fixing device and image forming apparatus incorporating same
JP6394873B2 (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP5067387B2 (ja) 定着装置及びこれを備えた画像形成装置
JP5760610B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2010102305A (ja) 画像形成装置
JP2012013876A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5716532B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2016136226A (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4893338B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2007047380A (ja) 画像形成装置
JP6464792B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2018120121A (ja) 定着装置
JP2013238800A (ja) 定着装置、及び、画像形成装置
JP6520258B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP2009175381A (ja) 定着装置及びそれを備えた画像形成装置
JP6209824B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置