JP7415610B2 - 画像形成装置、制御プログラム、および画像形成装置の制御方法 - Google Patents

画像形成装置、制御プログラム、および画像形成装置の制御方法 Download PDF

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本発明は、画像形成装置、制御プログラム、および画像形成装置の制御方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、用紙にトナー像を形成し、定着装置により用紙上のトナー像を定着させることで、用紙に画像を形成する。定着装置は、例えば、2つの定着用ローラー等の定着部材を圧接することで形成された定着ニップで、用紙を加熱および加圧しつつ搬送することで、用紙にトナー像を定着させる定着処理を行う。
ところで、定着装置による定着処理において、トナー像が加圧されることでトナーから染み出したワックスが定着部材に付着し、次の画像を形成する際に、用紙上のワックスの付着量の少ない部分と多い部分が生じることで、光沢ムラとなる現象が発生する。この現象は光沢メモリと呼ばれ、印刷物の品質を劣化させる。
光沢メモリを防止する先行技術として、下記特許文献1に記載されたものがある。すなわち、無端状の定着ベルトを介して、上加圧ローラーと下加圧ローラーとが圧接されることで定着ベルトと下加圧ローラーとの間に形成された定着ニップ部に用紙を通過させることで定着処理を行う際、定着ベルトの周速を下加圧ローラーの周速より遅くすることで両者に速度差を設定する。これにより、光沢メモリを防止できる。
特願2014-81610号公報
しかし、上記先行技術は、定着ニップを形成する定着部材に速度差を設定する必要がない時でも当該速度差を設定し続けているため、定着部材の耐久性を悪化させるという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものである。すなわち、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる、画像形成装置、制御プログラム、および画像形成装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置であって、前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する制御部と、を有し、前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、前記制御部は、前記記録媒体の先端部の前記トナー像が前記定着ニップに到達した時を基準時として、前記一対の定着部材のうち、前記トナー像と接触する前記定着部材が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記先端部の前記トナー像、および前記一対の定着部材の一方が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像、の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する画像形成装置。
互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置であって、前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する検出部と、前記検出部により検出された前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する制御部と、を有し、前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、
前記検出部は、前記一対の定着部材のうち前記トナー像と接触する前記定着部材の回転周期ごとの回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報を検出し、前記制御部は、前記回転後の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、画像形成装置。
)前記制御部は、前記回転後の前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合、前記回転前の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像が前記定着ニップを搬送されている間、または、前記回転後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像が前記定着ニップを搬送されている間、のいずれか一方において、前記速度差を設定する、上記()に記載の画像形成装置。
)前記一対の定着部材のうち前記記録媒体を所定の搬送速度で搬送させる主定着部材を駆動する第1駆動部と、前記一対の定着部材のうち前記主定着部材以外の、前記トナー像と接触する副定着部材を駆動する第2駆動部と、をさらに有し、前記制御部は、前記第1駆動部による前記主定着部材を駆動するための駆動トルクを制動する制動トルクを前記第2駆動部により前記副定着部材に付与することで、前記速度差を設定する、上記(1)または(2)に記載の画像形成装置。
)前記制御部は、前記記録媒体の搬送方向の、前記記録媒体の第1単位面積区分ごとの、前記トナー付着量および前記カバレッジの少なくともいずれか一方に応じて、前記制動トルクを制御する、上記()に記載の画像形成装置。
)前記制御部は、前記第1単位面積区分においてさらに区分された、前記記録媒体の前記搬送方向に直交する方向の第2単位面積区分ごとの、前記トナー付着量または前記カバレッジに応じて、前記制動トルクを制御する、上記()に記載の画像形成装置。
)前記制御部は、紙種に応じて前記制動トルクを制御する、上記()~()のいずれかに記載の画像形成装置。
)前記制御部は、前記定着部材の温度に応じて前記制動トルクを制御する、上記()~()のいずれかに記載の画像形成装置。
)前記制御部は、前記定着部材の経時変化に応じて前記制動トルクを制御する、上記()~()のいずれかに記載の画像形成装置。
10)前記制御部は、前記駆動トルクの値または前記第1駆動部のモーターの電流値により前記経時変化を検知し、検知された前記経時変化に応じて前記制動トルクを制御する、上記()に記載の画像形成装置。
11)互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置を制御するプログラムであって、前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する手順(a)と、前記手順(a)において検出された、前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する手順(b)と、を有し、前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、前記手順(b)においては、前記記録媒体の先端部の前記トナー像が前記定着ニップに到達した時を基準時として、前記一対の定着部材のうち、前記トナー像と接触する前記定着部材が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記先端部の前記トナー像、および前記一対の定着部材の一方が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像、の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、処理を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
12)互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置の制御方法であって、前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する段階(a)と、前記段階(a)において検出された画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する段階(b)と、を有し、前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、前記段階(b)においては、前記記録媒体の先端部の前記トナー像が前記定着ニップに到達した時を基準時として、前記一対の定着部材のうち、前記トナー像と接触する前記定着部材が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記先端部の前記トナー像、および前記一対の定着部材の一方が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像、の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、画像形成装置の制御方法。
(13)互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置を制御するプログラムであって、前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する手順(a)と、前記手順(a)において検出された、前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する手順(b)と、を有し、前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、前記手順(a)においては、前記一対の定着部材のうち前記トナー像と接触する前記定着部材の回転周期ごとの回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報を検出し、前記手順(b)においては、前記回転後の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、処理を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
(14)互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置の制御方法であって、前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する段階(a)と、前記段階(a)において検出された画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する段階(b)と、を有し、前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、前記段階(a)においては、前記一対の定着部材のうち前記トナー像と接触する前記定着部材の回転周期ごとの回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報を検出し、前記段階(b)においては、前記回転後の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、画像形成装置の制御方法。
記録媒体に形成されたトナー像の画像情報が所定の条件を満たす場合に、一対の定着部材の周速に速度差を設定するタイミングを制御する。これにより、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる。
画像形成装置の構成を示す概略図である。 画像形成装置の構成を示すブロック図である。 定着部の簡略構成を示す図である。 上加圧ローラーおよび下加圧ローラーを駆動するためのモーターについて説明するための説明図である。 光沢メモリの発生のメカニズムを説明するための説明図である。 定着ベルト1周後の定着により用紙上の画像に付着したワックス量と光沢メモリのメモリランクとの関係を示すグラフである。 定着部材間速度差を設定するタイミングの制御の例を示す説明図である。 定着部材間速度差を設定するタイミングの制御の他の例を示す説明図である。 定着部材間速度差を設定するタイミングの制御のさらに他の例を示す説明図である。 定着部材間速度差を設定するタイミングの制御のさらに他の例を示す説明図である。 図10における定着部材間速度差を設定するタイミングの制御の変形例を説明するための説明図である。 上加圧ローラーの速度と、定着部材間速度差の設定によりトナー像から染み出すワックス量との紙種ごとの関係のグラフを示す図である。 塗工紙に関し、上加圧ローラーの速度と、定着部材間速度差の設定によりトナー像から染み出すワックス量との定着温度ごとの関係のグラフを示す図である。 上加圧ローラーの速度と、定着部材間速度差の設定によりトナー像から染み出すワックス量との紙種ごとの関係のグラフを、定着ベルトおよび下加圧ローラー等の耐久前後について示す図である。 定着ベルトの耐久時間を定着ベルトの硬度に対する依存性として示す図である。 画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置について説明する。なお、図面において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、画像形成装置100の構成を示す概略図である。図2は、画像形成装置100の構成を示すブロック図である。
画像形成装置100は、制御部110、記憶部120、通信部130、操作表示部140、画像読取部150、画像制御部160、および画像形成部170を有する。これらの構成要素は、バス180により互いに通信可能に連結されている。画像形成装置100は、MFP(MultiFunction Peripheral)により構成され得る。
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)および各種メモリを備えており、プログラムに従って上記各部の制御や各種の演算処理を行う。制御部110の作用の詳細については後述する。制御部110は検出部を構成する。
記憶部120は、SDD(Solid State Drive)またはHDD(Hard Disc Drive)等により構成され、各種プログラムおよび各種データを記憶する。
通信部130は、画像形成装置100と外部機器との間で通信を行うためのインターフェースである。通信部130として、イーサネット(登録商標)、SATA、IEEE1394等の規格によるネットワークインターフェースが用いられる。また、通信部130として、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11等の無線通信インターフェース等の各種ローカル接続インターフェース等が用いられる。
操作表示部140は、タッチパネル、テンキー、スタートボタン、およびストップボタン等を備えており、各種情報の表示および各種指示の入力に使用される。
画像読取部150は、蛍光ランプ等の光源およびCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー等の撮像素子を有する。画像読取部150は、所定の読み取り位置にセットされた原稿に光源から光を当て、その反射光を撮像素子で光電変換して、その電気信号から画像データを生成する。
画像制御部160は、通信部130により受信された印刷ジョブ等に含まれる印刷データのレイアウト処理およびラスタライズ処理を行い、ビットマップ形式の画像データを生成する。
印刷ジョブとは、画像形成装置100に対する印刷命令の総称であり、印刷データおよび印刷設定が含まれる。印刷データとは、印刷の対象である文書のデータであり、印刷データには、例えば、イメージデータ、ベクタデータ、テキストデータといった各種データが含まれ得る。具体的には、印刷データは、PDL(Page Description Language)データ、PDF(Portable Document Format)データまたはTIFF(Tagged Image File Format)データであり得る。印刷設定とは、用紙900への画像形成に関する設定であり、例えば、ページ数、印刷部数、紙種、カラーまたはモノクロの選択、およびページ割付等の各種設定が含まれる。印刷設定には、光沢を増加させる設定がさらに含まれ得る。
画像形成部170は、作像部40、定着部50、給紙部60、および用紙搬送部70を含む。
作像部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、およびK(ブラック)の各色のトナーに対応した作像ユニット41Y、41M、41C、41Kを有する。各作像ユニット41Y、41M、41C、41Kにより、画像データに基づいて、帯電、露光、および現像のプロセスを経て感光体ドラム上にトナー像が形成される。露光は、レーザー光により感光体ドラム上を走査することで行われる。感光体ドラム上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト42上に順次重ねられて、2次転写ローラー43により用紙900上に転写される。
定着部50は、上加圧ローラー51aおよび下加圧ローラー52を含み、上加圧ローラー51aと下加圧ローラー52とが互いに圧接されることで、上加圧ローラー51aと下加圧ローラー52との間で定着ニップN(図3のA参照)を形成し得る。上加圧ローラー51aおよび下加圧ローラー52は、定着部材を構成する。また、下加圧ローラー52は主定着部材を構成し、上加圧ローラー51aは副定着部材を構成する。
上加圧ローラー51aは、定着ニップNにおいて、用紙900に形成された未定着のトナー像910(図5参照)と接触する。定着ニップNは、定着ベルト51b(図3のB参照)を用いて、定着ベルト51bの内周面に配置された上加圧ローラー51aと下加圧ローラー52とが定着ベルト51bを介して互いに圧接されることで、定着ベルト51bと下加圧ローラー52との間に形成されてもよい。この場合、定着ベルト51bおよび下加圧ローラー52が定着部材を構成する。また、下加圧ローラー52は主定着部材を構成し、定着ベルト51bは副定着部材を構成する。定着ベルト51bは、定着ニップNにおいて、用紙900に形成された未定着のトナー像910と接触する。
図3は、定着部50の簡略構成を示す図である。
図3のAは、上加圧ローラー51aおよび下加圧ローラー52を含む定着部50の構成である。この例では、上加圧ローラー51aと下加圧ローラー52とが互いに圧接されることで形成された定着ニップNで、トナー像910を加熱および加圧することでトナー像910を用紙900に定着させる。定着温度は、トナー像910のトナーが溶融するのに必要な熱量を供給できる温度であり、用紙900の紙種等に基づいて設定される。定着ニップNにおける用紙900の搬送速度は、用紙900の紙種、坪量、サイズ等に基づいて設定される。上加圧ローラー51aは、例えば、鉄等の金属から形成された芯金を弾性層で被覆したものである。弾性層として、例えば、耐熱性のシリコンゴムを用い得る。弾性層は、耐熱性のシリコンゴムを、耐熱性樹脂であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で被覆した構成としてもよい。上加圧ローラー51aは、内部にハロゲンヒーター等の加熱源を含む。下加圧ローラー52は、例えば、PI(ポリイミド)の基材の外周面を弾性層で被覆したものである。弾性層として、例えば、耐熱性のシリコンゴムを用い得る。弾性層は、耐熱性のシリコンゴムを、表面離形層としてPFA(パーフルオロアルコシ)のチューブで被覆した構成としてもよい。
図3のBは、上加圧ローラー51a、定着ベルト51b、および下加圧ローラー52を含む定着部50の構成である。この例では、上加圧ローラー51aと下加圧ローラー52とが定着ベルト51bを介して互いに圧接されることで、定着ベルト51bと下加圧ローラー52との間で定着ニップNを形成している。定着ベルト51bは、PIの基材の外周面を弾性層として耐熱性のシリコンゴムで被覆し、さらに耐熱性樹脂であるPFAのチューブを被覆した構成とし得る。
以下、説明を簡単にするために、定着ベルト51bを用いる場合(図3のBの構成の場合)を例として説明する。
図4は、上加圧ローラー51aおよび下加圧ローラー52を駆動するためのモーターについて説明するための説明図である。
上加圧ローラー51aは、駆動源としての第1モーター510に接続される。第1モーター510は第2駆動部を構成する。具体的には、上加圧ローラー51aの回転軸に設けられたギヤが第1中間ギヤ(図示せず)と噛み合い、第1中間ギヤが第1モーター510の回転軸に設けられたギヤと噛み合う。これにより、第1モーター510のトルクが上加圧ローラー51aに伝達される。上加圧ローラー51aと第1モーター510との間には、第1モーター510のトルクを上加圧ローラー51aへ伝達させたり、伝達させないようにするためのクラッチ機構(図示せず)が設けられ得る。
下加圧ローラー52は、駆動源としての第2モーター520に接続される。第2モーター520は第1駆動部を構成する。具体的には、下加圧ローラー52の回転軸に設けられたギヤが第2中間ギヤ(図示せず)と噛み合い、中間ギヤが第2モーター520の回転軸に設けられたギヤと噛み合う。これにより、第2モーター520のトルクが下加圧ローラー52に伝達される。
下加圧ローラー52を駆動する第2モーター520は定着部50の主駆動源であり、用紙900は、第2モーターによって下加圧ローラー52に伝達されたトルクにより搬送される。すなわち、定着ニップNにおける用紙900の搬送速度は、第2モーター520によって駆動される下加圧ローラー52の線速(周速)に依存する。以下、ローラーおよびベルトの線速を「速度」とも称する。下加圧ローラー52は、用紙900を所定の搬送速度で搬送させる主回転部材を構成する。
第1モーター510から上加圧ローラー51aに伝達されるトルクにより、上加圧ローラー51aの速度(すなわち、定着ベルト51bの速度)を下加圧ローラー52の速度に対し僅かに変動させることで、第2モーター520から下加圧ローラー52に伝達される第2モーター520のトルクを増減できる。第1モーター510から上加圧ローラー51aに伝達されるトルクは、第2モーター520から下加圧ローラー52に伝達される第2モーター520のトルクを制動(増減)する制動トルクを構成する。上加圧ローラー51aの速度を下加圧ローラー52の速度より速くすることで、第2モーター520のトルクを減少させ得る。以下、このような上加圧ローラー51aに対する制御を「アシスト制御」と称し、上加圧ローラー51aに対しアシスト制御をしている状態を「アシスト」と称する。逆に、上加圧ローラー51aの速度を下加圧ローラー52の速度より遅くすることで、第2モーター520のトルクを増大させ得る。以下、このような上加圧ローラー51aに対する制御を「ブレーキ制御」と称し、上加圧ローラー51aに対しブレーキ制御をしている状態を「ブレーキ」と称する。
上加圧ローラー51aと第1モーター510との間に設けられた、上述したクラッチ機構により、第1モーター510のトルクを上加圧ローラー51aへ伝達させないようにすることで、上加圧ローラー51aを、下加圧ローラー52に従動回転させ得る。以下、上加圧ローラー51aが、下加圧ローラー52に従動回転している状態を「従動」と称する。
ブレーキ、アシスト、および従動の間の相互の切替時間は、搬送される用紙900の紙間に対応する時間よりも十分短い。
図5は、光沢メモリの発生のメカニズムを説明するための説明図である。
光沢メモリは、定着処理において、トナー像910が加圧されることでトナーから染み出したワックス920が、定着ベルト51bに付着し、さらに次の定着の際に定着ベルト51bから用紙900に移転して、用紙900上のワックス920の付着量の少ない部分と多い部分が生じることで、光沢ムラとなる現象である。定着ベルト51bに付着したワックス920が、その後の定着により用紙900に付着するのは、定着ベルト51bにワックス920が付着された時を基準時として、定着ベルト51bが基準時から1周(1回転)したタイミングである。以下、定着ベルト51bにワックス920を付着させた定着処理を、当該ワックス920を最初に付着させた定着処理として、「最初の定着」と称し、最初の定着がされた上記基準時から定着ベルト51bが1回転(1周)したタイミングにおける定着処理を「1周後の定着」と称する。
図5の各欄は、それぞれ、定着ベルト51bにワックス920を付着させた、最初の定着により、定着ベルト51bに付着したワックス量が、小、中、大の各程度である場合に対応する。最初の定着により定着ベルト51bに付着するワックス量は、定着条件(例えば、ブレーキ、アシスト、従動)により変動する。
図5の例においては、1周後の定着において用紙900に定着されるトナー像910のカバレッジが100%であるものとしている。
図5に示すように、最初の定着による定着ベルト51bへのワックス920の付着量が中である場合、付着量が小および大である場合と比較して、1周後の定着で用紙900上(画像上)にワックス920が付着したメモリ部と、ワックス920が付着しない非メモリ部との表面形状の差(段差)が大きくなる。これにより、最初の定着による定着ベルト51bへのワックス920の付着量が中である場合、光沢ムラが比較的顕著となり得る。一方、最初の定着による定着ベルト51bへのワックス920の付着量が大である場合、1周後の定着で用紙900上に付着するワックス量も大きくなる。しかし、1周後の定着で用紙900に定着されるトナー像910のカバレッジは100%であり、1周後の定着でトナーから染み出すワックス920により用紙900の略全体が覆われるため、メモリ部と、非メモリ部との表面形状の差としては小さくなり、光沢ムラが比較的現れにくい。また、最初の定着による定着ベルト51bへのワックス920の付着量が小である場合、1周後の定着で用紙900上に付着するワックス量も小さくなる。このため、メモリ部と、非メモリ部との表面形状の差が小さくなり、光沢ムラが比較的現れにくい。
なお、最初の定着により定着ベルト51bに付着したワックス920は、1周後の定着により用紙900上の画像に付着するため、さらに1周後(すなわち、基準時から2周後)の定着により用紙900上の画像に付着することはなく、あってもごく微量であると考えられる。
図6は、1周後の定着により用紙900上の画像に付着したワックス量と光沢メモリのメモリランクとの関係を示すグラフである。横軸はワックス量を示しており、カバレッジが100%のトナー像910を定着した際にトナー像910から染み出して定着ベルト51bに付着するワックス量を100として規格化されている。縦軸はメモリランクを数値として示している。メモリランクは小さい値ほど画像品質が悪いことを示す。
メモリランク5は、光沢メモリがない画像品質を示す程度である。メモリランク4は、見る角度によって光沢ムラが視認できる画像品質を示す程度である。メモリランク3は、一部に光沢ムラがあり、用紙900によって光沢ムラが出たり出なかったりするが、実用上問題の無い程度である。メモリランク1、2は、容易に光沢ムラが視認できる程度である。メモリランク3以上の画像が形成された用紙900は、印刷物として良品とされ得る。一方、図6においてNG領域として示されるように、メモリランク3未満の画像が形成された用紙900は、印刷物として不良品(ヤレ紙)とされ得る。
図6の例に示すように、1周後の定着により用紙900上の画像に付着したワックス量が約68~87である場合に、メモリランクが3未満となる。1周後の定着により用紙900に付着するワックス量は、最初の定着による定着ベルト51bへのワックス920の付着量に対応する。最初の定着による定着ベルト51bへのワックス920の付着量を「大」または「小」とすることで、メモリランクを3未満とすることができる。
制御部110の作用について詳細に説明する。
制御部110は、用紙900に形成された画像の画像情報が所定の条件を満たす場合に、定着ベルト51bの速度(すなわち、上加圧ローラー51aの速度)と下加圧ローラー52の速度とに速度差(以下、「定着部材間速度差」と称する)を設定するタイミングを制御する。定着部材間速度が設定されることで、アシスト制御またはブレーキ動作がなされる。画像情報には、トナー像910のトナー付着量(以下、単に「トナー付着量」とも称する)、およびトナー像910のカバレッジ(以下、単に「カバレッジ」とも称する)が含まれる。カバレッジは、用紙900の一定の範囲の面積に占める、トナー像910が形成された面積の割合である。トナー付着量は、現像の際に各作像ユニット41Y、41M、41C、41Kから各色のトナーが各感光体ドラムへ供給される際のトナー供給のためのスクリューの回転数を取得し、当該回転数に基づいて算出される各色のトナー量に、1次転写効率および2次転写効率の積(例えば95%)を乗じることで算出し得る。カバレッジは、画像データに基づいて各色のトナー像910により占められる画像面積を算出し、用紙900のサイズに基づく所定の単位面積で除することで算出され得る。画像面積は、中間転写ベルト42等の速度(線速)を速度センサー(図示せず)等で測定し、測定された中間転写ベルト42等の速度に基づいて補正されてもよい。所定の条件は、例えば、トナー付着量が所定の閾値以上となったこと、およびカバレッジが所定の閾値以上となったことの少なくともいずれか一方とし得る。以下、説明を簡単にするために、画像情報はカバレッジであり、所定の条件はカバレッジが所定の閾値である100%以上となったことであることを例として説明する。
定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御について、複数の例を挙げて説明する。
(定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御1)
図7は、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御の例を示す説明図である。なお、図7においては、比較例として、常時ブレーキ制御を行うとともに、用紙900の部分ごとのカバレッジに基づいてブレーキ制御における定着部材間速度差を変化させる制御も併せて示されている。
実施形態においては、カバレッジが所定の閾値である100%以上になったタイミングで、ブレーキ制御がなされる。これにより、図5において、ワックス量大の場合で説明したように、定着ベルト51bに、例えば、最初の定着によって、ワックス920が付着していたとしても、当該ブレーキ制御により、カバレッジが100%のトナー像910から比較的多く染み出すワックス920により用紙900の略全体が覆われるため、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。なお、比較例においては、常時ブレーキ制御を行うとともに、用紙900上のトナー像910と定着ベルト51bとのスリップ率が一定になるように、部分ごとのカバレッジに基づいてブレーキ制御における定着部材間速度差を変化させる制御がされている。具体的には、カバレッジが高い領域ではトナー像910から染み出すワックス量が多く、摩擦力が下がるため、定着部材間速度差を小さくすることでブレーキ量を下げている。一方、カバレッジが低い領域ではトナー像910から染み出すワックス量が少なく、摩擦力が上がるため、定着部材間速度差を大きくすることでブレーキ量を上げている。比較例は、部分ごとのカバレッジの変動に拘らず、上記摩擦力を一定にして、用紙の分離性を一様にすることで、光沢メモリの発生を抑止している。
(定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御2)
図8は、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御の他の例を示す説明図である。
図8には、制御2-1と制御2-2の2つの制御の例が示されており、いずれかの制御がなされ得る。これらの制御は、領域1および領域2の両方のカバレッジを検出し、検出された両方のカバレッジに基づいて、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御が行われる。領域1に対し、領域2は、定着ベルト51bの1周分上流の領域である。以下、ある領域に対し定着ベルト51bの1周分上流の領域を「対応領域」とも称する。
図8の例においては、画像形成領域の先端部に文字のトナー像910が形成された領域1のカバレッジは所定の閾値以下である。領域全面にベタのトナー像910が形成された領域2のカバレッジは所定の閾値以上である。この場合、制御2-1のように、領域1が定着ニップNに到着するタイミングである基準時で、領域1が定着ニップNを通過している間、アシスト制御をし得る。これにより、領域1に対する定着(最初の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を低減できるため、基準時から定着ベルト51bが1回転したタイミングで行われる領域2に対する定着(1周後の定着)において、領域2の定着(1周後の定着)で用紙900上に付着するワックス量も小さくなる。このため、図5において、「ワックス量小」の場合として説明したように、領域2の定着を従動により行っても、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。
一方、制御2-2のように、領域2が定着ニップNに到着するまで従動による定着を行い、領域2が定着ニップNに到着するタイミングで、領域2が定着ニップNを通過している間、ブレーキ制御をし得る。これにより、領域2に対する定着(1周後の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を増大させることができる。このため、図5において、「ワックス量大」の場合として説明したように、領域1に対する従動による定着(最初の定着)によりワックス920が定着ベルト51bに付着したとしても、カバレッジが100%のトナー像910から染み出すワックス920が比較的多くなることにより用紙900の略全体が覆われるため、光沢ムラ比較的現れにくくすることができる。
(定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御3)
図9は、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御のさらに他の例を示す説明図である。本例には、最初の定着がなされる領域と、1周後の定着がなされる対応領域が別の用紙900の領域である場合が含まれる。図9における曲線の矢印は、当該矢印の始点の領域に対し、終点が指す領域が対応領域であることを示している。
図9には、制御3-1と制御3-2の2つの制御の例が示されており、いずれかの制御がなされ得る。いずれの制御も、最初の定着がなされる領域(例えば、領域1)および1周後の定着がなされる領域(例えば、領域2)の両方のカバレッジを検出し、検出された両方のカバレッジに基づいて行われる。領域1に対し、領域2は対応領域である。同様に、領域4および領域6は、それぞれ領域3および領域5に対し、対応領域である。
図9の例においては、画像形成領域に文字のトナー像910が形成された領域1のカバレッジは所定の閾値以下であり、領域全面にベタのトナー像910が形成された領域2のカバレッジは所定の閾値以上である。この場合、制御3-1のように、領域1が定着ニップNに到着するタイミングで、領域1が定着ニップNを通過している間、アシスト制御がされ得る。これにより、領域1に対する定着(最初の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を低減できる。このため、領域2に対する定着(1周後の定着)において、領域2の定着で用紙900上に付着するワックス量も小さくなる。従って、図5において、「ワックス量小」の場合として説明したように、領域2の定着を従動により行っても、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。同様に、領域3が定着ニップNに到着するタイミングで、領域3が定着ニップNを通過している間、アシスト制御がされ得る。これにより、領域3に対する定着(最初の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を低減できるため、領域4に対する定着(1周後の定着)において、領域4の定着で用紙900上に付着するワックス量も小さくなる。このため、領域4の定着を従動により行っても、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。また、領域5が定着ニップNに到着するタイミングで、領域5が定着ニップNを通過している間、アシスト制御がされ得る。これにより、領域5に対する定着(最初の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を低減できるため、領域6に対する定着(1周後の定着)において、領域6の定着で用紙900上に付着するワックス量も小さくなる。このため、領域6の定着を従動により行っても、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。なお、領域bに対してアシスト制御による定着は行わなくてもよい。これは、領域bに対し、定着ベルト51bの1周分上流の領域が存在しないためである。
一方、制御3-2のように、領域2が定着ニップNに到着するまで従動による定着を行い、領域2が定着ニップNに到着するタイミングで、領域2が定着ニップNを通過している間、ブレーキ制御をし得る。これにより、領域1に対して従動による定着を行っても、領域2に対する定着(1周後の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を増大させることができ、カバレッジが100%のトナー像910から染み出すワックス920により用紙900の略全体が覆われる。このため、領域1に対する従動による定着により定着ベルト51bに付着したワックス920が、領域2に対する定着により用紙900に付着しても、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。同様に、領域4が定着ニップNに到着するまで従動による定着を行い、領域4が定着ニップNに到着するタイミングで、領域4が定着ニップNを通過している間、ブレーキ制御をし得る。これにより、領域3に対して従動による定着を行っても、領域4に対する定着(1周後の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を増大させることができ、カバレッジが100%のトナー像910から染み出すワックス920により用紙900の略全体が覆われる。このため、領域3に対する従動による定着により定着ベルト51bに付着したワックス920が、領域4に対する定着により用紙900に付着しても、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。また、領域6が定着ニップNに到着するまで従動による定着を行い、領域6が定着ニップNに到着するタイミングで、領域6が定着ニップNを通過している間、ブレーキ制御をし得る。これにより、領域5に対して従動による定着を行っても、領域6に対する定着(1周後の定着)によりトナー像910から染み出すワックス量を増大させることができ、カバレッジが100%のトナー像910から染み出すワックス920により用紙900の略全体が覆われる。このため、領域5に対する従動による定着により定着ベルト51bに付着したワックス920が、領域6に対する定着により用紙900に付着しても、光沢ムラが比較的現れにくくすることができる。なお、領域aに対してブレーキ制御による定着を行わなくてもよい。これは、領域aに対し、定着ベルト51bの1周分下流の領域(用紙900)が存在しないため、領域aが定着ニップNを通過する際、定着ニップNを形成する定着ベルト51bの部分にはワックス920が付着していないと考えられるからである。
(定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御4)
図10は、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御のさらに他の例を示す説明図である。
図10の例に示すように、用紙900の搬送方向の第1単位面積区分を(1)~(6)、(1)’、(2)’...として区分する。さらに、各第1単位面積区分における、用紙900の搬送方向に直交する方向の第2単位面積区分をa~fとして区分する。これにより、用紙900を、細分化された単位区分(1)a~(1)f、(2)a~(2)f、...、(2)’a~(2)’fに区分する。ここで、例えば、第1単位面積区分が(1)で第2単位面積区分がaである単位区分を(1)aと記載している。図10において太線で囲まれた単位区分(1)’aは、単位区分(1)aに対する対応領域である。
図10の例における、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御では、単位区分と、当該単位区分に対する対応領域との両方のカバレッジを検出し、検出された両方のカバレッジに基づいて、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御が行われる。例えば、単位区分(1)aと単位区分(1)’a、単位区分(1)bと単位区分(1)’b、...のそれぞれの組合せにおいて、対応領域の単位区分のカバレッジが1つでも所定の閾値以上である場合、定着部材間速度差を設定するタイミングが制御される。具体的には、例えば、単位区分(1)aと、その対応領域である単位区分(1)’aの組合せにおいて、対応領域の単位区分(1)’aのカバレッジが所定の閾値以上である場合、単位区分(1)aが定着ニップNを通過している間(すなわち、第1単位面積区分(1)が定着ニップNを通過している間)、アシスト制御が行われる。または、単位区分(1)’aが定着ニップNを通過している間(すなわち、第1単位面積区分(1)’が定着ニップNを通過している間)ブレーキ制御が行われる。
図11は、図10における定着部材間速度差を設定するタイミングの制御の変形例を説明するための説明図である。
図11の例においては、単位区分(1)’a~(1)’d、(2)’a~(2)’dにおいてそれぞれ形成されたベタのトナー像910が、互いに隙間なく連続的に形成されていることにより、全体として1つのベタのトナー像910が形成されている。この場合、図10の例により定着部材間速度差を設定するタイミングの制御を行うと、第1単位面積区分(1)’が定着ニップNを通過している間はブレーキ制御を行い得るが、第1単位面積区分(2)’が定着ニップNを通過している間はブレーキ制御は行われない。これは、第1単位面積区分(2)にトナー像910が形成されていないからである。しかし、ベタのトナー像910に対する定着処理の途中で定着部材間速度差を設定すると、トナー像910から染み出すワックス量が定着部材間速度差の設定前後で変化し、光沢感等の見え方が変わってしまう。このため、対応領域の単位区分を含む複数の単位区分にそれぞれ形成されたトナー像910により1つのベタのトナー像910が形成されている場合、当該ベタのトナー像910が定着ニップNを通過している間は、設定された定着部材間速度差を維持する。
(定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御5)
図12は、上加圧ローラー51aの速度と、定着部材間速度差の設定によりトナー像910から染み出すワックス量との紙種ごとの関係のグラフを示す図である。グラフの横軸は、従動の場合を100として規格化された、上加圧ローラーの速度を示し、縦軸は、トナー像910に含まれるワックス量を100として規格化された、定着処理によりトナー像910から染み出すワックス量を示している。上加圧ローラー51aの速度が100を超えている範囲はアシスト制御が行われている。下加圧ローラー52を駆動する駆動トルクを制動する、上加圧ローラー51aに付与される制動トルクを制御することにより、アシスト量(駆動トルクの減少量)を変化させることができる。上加圧ローラー51aの速度(すなわち、定着ベルト51bの速度)が100未満の範囲はブレーキ制御が行われている。上加圧ローラー51aに付与される制動トルクを制御することにより、ブレーキ量(駆動トルクの増加量)を変化させることができる。グラフ上でグレーの領域として、メモリランクが3未満になるNG領域が示されている。図12には、紙種ごとの定着部材間速度差の設定を示す表も併せて示されている。
図12のグラフに示すように、塗工紙も非塗工紙もブレーキ制御によりトナー像910から染み出すワックス量が増大し、アシスト制御によりトナー像910から染み出すワックス量が減少する。これは、ブレーキ制御における下加圧ローラー52と定着ベルト51bとの間のスリップにより、トナー像910のトナー粒子が潰れてトナー像910からワックス920が染み出しやすくなるからである。塗工紙は、定着処理によりトナー像910から染み出すワックス量が比較的少ない。従って、塗工紙については、定着部材間速度差の設定でアシスト制御とすることにより、トナー像910から染み出すワックス量を減少させることで、メモリランクを向上できる。非塗工紙は、定着処理によりトナー像910から染み出すワックス量が比較的多い。従って、非塗工紙については、定着部材間速度差の設定でブレーキ制御とすることにより、トナー像910から染み出すワックス量を増大させることで、メモリランクを向上できる。なお、ブレーキ制御により紙しわが発生する場合は、図8に示す制御2-1や図9に示す制御3-1のようなアシスト制御によるメモリランクの向上も考慮すべきである。
(定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御6)
図13は、塗工紙に関し、上加圧ローラー51aの速度と、定着部材間速度差の設定によりトナー像910から染み出すワックス量との定着温度(温度)ごとの関係のグラフを示す図である。図12と同様に、横軸は上加圧ローラーの速度(すなわち、定着ベルト51bの速度)を示し、縦軸は定着処理によりトナー像910から染み出すワックス量を示している。グラフにおける定着温度は、定格の上限および下限としている。グラフ上でグレーの領域として、メモリランクが3未満になるNG領域が示されている。図13においては、定着温度および紙種ごとの定着部材間速度差の設定におけるブレーキ量およびアシスト量の程度を示す表も併せて示されている。表において、ブレーキ量「大」は、上加圧ローラー51aの速度を、従動時を基準(100%)として-3%とする定着部材間速度差の設定をしたことを示している。ブレーキ量「中」および「小」は、上加圧ローラー51aの速度を、従動時を基準として、それぞれ-2%および-1%とする定着部材間速度差の設定をしたことを示している。また、アシスト量「大」、「中」、および「小」は、上加圧ローラー51aの速度を、従動時を基準として、それぞれ+3%、+2%、および+1%とする定着部材間速度差の設定をしたことを示している。
図13のグラフに示すように、定着温度を高くすると定着処理においてトナー像910から染み出すワックス量が増大する。これは、温度が高くなるとトナー像910のトナーが融けやすくなり、トナーの粒子内に入っているワックス920が染み出しやすくなるからである。グラフに示すように、用紙900が塗工紙である場合、定着温度が定格の範囲内であれば、アシスト制御が行われることで、メモリランク3未満のNG領域に入ることはない。図13の表に示すように、塗工紙は、低温ではアシスト量が小さくても光沢メモリを十分抑制できる。非塗工紙は、高温ではブレーキ量が小さくても光沢メモリを十分抑制できる。
(定着部材間速度差を設定するタイミング等の制御7)
図14は、上加圧ローラー51aの速度と、定着部材間速度差の設定によりトナー像910から染み出すワックス量との紙種ごとの関係のグラフを、定着ベルト51bおよび下加圧ローラー52等の耐久前後について示す図である。図12と同様に、横軸は上加圧ローラー51aの速度(すなわち、定着ベルト51bの速度)を示し、縦軸は定着処理によりトナー像910から染み出すワックス量を示している。グラフ上でメモリランクが3未満になるNG領域が示されている。
図14において実線で示すグラフは、塗工紙および非塗工紙に関し、それぞれ耐久前の、上加圧ローラー51aの速度とワックス量との関係を示すグラフである。破線で示すグラフは、塗工紙および非塗工紙に関し、それぞれ耐久後の、上加圧ローラー51aの速度とワックス量との関係を示すグラフである。図14において矢印で示すように、耐久後の方が定着処理においてトナー像910から染み出すワックス量が増大する。これは次の理由による。定着ベルト51bおよび下加圧ローラー52等の経時変化(劣化)により、ローラーやベルトのゴムの硬度が低下する結果、定着ニップNのニップ幅が広くなる。そして、ニップ幅が広くなると、トナー像910のトナーに与える熱量が増大するため、トナー像910から染み出すワックス量が増大する。
そこで、定着ベルト51bおよび下加圧ローラー52等の経時変化に応じて、上加圧ローラー51aに付与する制動トルクを制御することで、アシスト制御およびブレーキ制御におけるアシスト量およびブレーキ量を増減する。具体的には、定着ベルト51bおよび下加圧ローラー52等の経時変化に応じて、アシスト制御を行う際はアシスト量を増大させるように制御し、ブレーキ制御を行う際はブレーキ量を減少させるように制御する。
定着ベルト51bおよび下加圧ローラー52等の経時変化は、第2モーター520により下加圧ローラー52に付与される駆動トルクの値、または第2モーター520の電流値により検知され得る。駆動トルクの値は、公知のトルク測定器により検知され得る。
定着部材間速度差の設定と、定着ベルト51bの耐久時間との関係について説明する。
図15は、定着ベルト51bの耐久時間を定着ベルト51bの硬度に対する依存性として示す図である。図15のグラフの横軸は定着ベルト51bの硬度であり、縦軸は耐久時間(Hr)を示している。定着ベルト51bの硬度は、室温において、タイプCのマイクロ硬度計で測定される表面硬度である。グラフにおいて、太い破線は、常時、従動としたときの耐久時間を示している。細い破線は、常時、3%のブレーキとしたとき(従動を基準(100%)として定着ベルト51bの速度を-3%としたとき)の耐久時間を示している。細い実線は、図8の制御2-2等に示す、定着ベルト51bの周期を考慮した、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御がなされた場合であって、ワースト条件である場合の耐久時間を示している。ワースト条件は、耐久時間が最短となる条件である。例えば、ワースト条件は、制御2-2において、定着ベルト51bの一周分の間のみ常時、定着部材間速度差を設定する条件となり得る。すなわち、ワースト条件は、常時定着部材間速度差を設定する場合(細い破線)の半分の時間、定着部材間速度差を設定する条件となり得る。太い実線は、図7の実施形態に示す、定着ベルト51bの周期を考慮せずに、ベタ部の定着時に定着部材間速度差を設定するタイミングの制御がなされた場合であって、ワースト条件である場合の耐久時間を示している。この場合、ワースト条件は、例えば、カバレッジが閾値以上のトナー像910が連続して形成されたことにより、常時定着部材間速度差を設定する条件が該当する。
図15に示すように、常時、3%のブレーキとした場合の耐久時間は、従動の場合と比較して、150時間程度短くなる。定着ベルト51bの周期を考慮した実施形態による定着部材間速度差を設定するタイミングの制御を行うと、ワースト条件であっても、常時、3%のブレーキとしたときと比較して100時間程度長くなる。定着ベルト51bの周期を考慮しない実施形態による定着部材間速度差を設定するタイミングの制御を行うと、ワースト条件であっても、常時、3%のブレーキとした場合の耐久時間と同等になる。
画像形成装置100の動作について説明する。
図16は、画像形成装置100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、制御部110により、記憶部120に記憶されたプログラムに従い実行され得る。
制御部110は、印刷ジョブを取得したかどうか判断する(S101)。制御部110は、例えば、通信部130により印刷ジョブが受信されたことにより、印刷ジョブを取得したと判断し得る。
制御部110は、トナー像910が形成された単位区分ごとに、当該単位区分に対する対応領域のカバレッジの検出する(S102)。
制御部110は、対応領域のカバレッジが所定の閾値以上かどうか判断する(S103)。制御部110は、対応領域のカバレッジが所定の閾値以上でないと判断した場合は(S103:NO)、ステップS102に戻り、処理を継続する。
制御部110は、対応領域のカバレッジが所定の閾値以上であると判断した場合は(S103:YES)、次のいずれかにより、定着部材間速度差を設定するタイミングを制御する(S104)。(1)単位区分が定着ニップNを搬送されるタイミングで、単位区分が定着ニップNを搬送されている間アシスト制御を行う。(2)対応領域が定着ニップNを搬送されるタイミングで、対応領域が定着ニップNを搬送されている間ブレーキ制御を行う。
制御部110は、印刷ジョブが完了したかどうか判断する(S105)。制御部110は、印刷ジョブが完了していないと判断した場合は(S105:NO)、ステップS102に戻り、処理を継続する。制御部110は、印刷ジョブが完了したと判断した場合は(S105:YES)、処理を終了する。
本発明の実施形態は以下の効果を奏する。
記録媒体に形成されたトナー像の画像情報が所定の条件を満たす場合に、一対の定着部材の周速に速度差を設定するタイミングを制御する。これにより、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる。
さらに、所定の条件を、トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることとする。これにより、より適切かつ効果的に、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる。
さらに、記録媒体の先端部のトナー像が定着ニップに到達した時を基準時として、一対の定着部材の一方が基準時から1回転した時の定着ニップにおける記録媒体上のトナー像の画像情報が所定の条件を満たす場合に、先端部のトナー像および基準時から1回転した時の定着ニップにおける記録媒体上のトナー像の画像情報に基づいて、速度差を設定するタイミングを制御する。これにより、用紙ごとに、効果的に、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる。
さらに、一対の定着部材の一方の回転周期ごとの回転前後の、定着ニップにおける記録媒体上のトナー像の画像情報を検出する。そして、回転後の定着ニップにおける記録媒体上のトナー像の画像情報が所定の条件を満たす場合に、回転前後の、定着ニップにおける記録媒体上のトナー像の画像情報に基づいて、速度差を設定するタイミングを制御する。これにより、用紙をまたいで画像形成する場合であっても、柔軟かつ効果的に、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる。
さらに、回転後の記録媒体上のトナー像の画像情報が所定の条件を満たす場合、回転前の、定着ニップにおける記録媒体上のトナー像が定着ニップを搬送されている間、または、回転後の、定着ニップにおける記録媒体上のトナー像が定着ニップを搬送されている間、のいずれか一方において、速度差を設定する。これにより、より柔軟かつ効果的に、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる。
さらに、一対の回転部材のうち記録媒体を所定の搬送速度で搬送させる主回転部材を駆動する第1駆動部と、一対の回転部材のうち主回転部材以外の副回転部材を駆動する第2駆動部と、をさらに設ける。そして、第1駆動部による主回転部材を駆動するための駆動トルクを制動する制動トルクを第2駆動部により副回転部材に付与することで、速度差を設定する。これにより、より簡単な構成で、定着部材の耐久性の悪化を抑制するとともに、光沢メモリの発生を抑制できる。
さらに、記録媒体の搬送方向の、記録媒体の第1単位面積区分ごとの、トナー付着量またはカバレッジに応じて、制動トルクを制御する。これにより、より効果的にメモリランクを向上できる。
さらに、第1単位面積区分においてさらに区分された、記録媒体の搬送方向に直交する方向の第2単位面積区分ごとの、トナー付着量またはカバレッジに応じて、制動トルクを制御する。これにより、さらに効果的にメモリランクを向上できる。
さらに、紙種に応じて制動トルクを制御する。これにより、紙種によらず、効果的にメモリランクを向上できる。
さらに、定着部材の温度に応じて制動トルクを制御する。これにより、温度によらず、効果的にメモリランクを向上できる。
さらに、定着部材の経時変化に応じて制動トルクを制御する。これにより、定着部材の経時変化によらず、効果的にメモリランクを向上できる。
さらに、駆動トルクの値または第1駆動部のモーターの電流値により経時変化を検知し、検知された経時変化に応じて制動トルクを制御する。これにより、簡単な構成で、高精度に検知された、定着部材の経時変化に応じて、効果的にメモリランクを向上できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されない。
例えば、実施形態においては、カバレッジが所定の閾値以上の場合に、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御をする場合について説明した。しかし、例えば、トナー像のカバレッジおよびトナー付着量が、それぞれ設定された閾値以上になった場合に、定着部材間速度差を設定するタイミングの制御がされてもよい。
また、実施形態においては、記憶媒体として用紙を例に説明したが、記録媒体は用紙に限定されず、樹脂フィルム等であってもよい。
また、画像情報には、対応領域の単位区分を含む複数の単位区分にそれぞれ形成されたトナー像により1つのベタのトナー像が形成されている(図11参照)等の情報が含まれてもよい。
また、カバレッジに対する所定の閾値は100%以上に限定されず、例えば、90%以上であってもよい。
また、実施形態においてプログラムにより実行される処理の一部または全部を回路等のハードウェアに置き換えて実行され得る。
N 定着ニップ、
40 作像部、
50 定着部、
51a 上加圧ローラー、
51b 定着ベルト、
51c 加熱ローラー、
52 下加圧ローラー、
60 給紙部、
70 用紙搬送部、
100 画像形成装置、
110 制御部、
120 記憶部、
130 通信部、
140 操作表示部、
150 画像読取部、
160 画像制御部、
170 画像形成部、
900 用紙、
910 トナー像、
920 ワックス。

Claims (14)

  1. 互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置であって、
    前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する制御部と、を有し、
    前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、
    前記制御部は、前記記録媒体の先端部の前記トナー像が前記定着ニップに到達した時を基準時として、前記一対の定着部材のうち、前記トナー像と接触する前記定着部材が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記先端部の前記トナー像、および前記一対の定着部材の一方が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像、の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する画像形成装置。
  2. 互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置であって、
    前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する検出部と、
    前記検出部により検出された前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する制御部と、を有し、
    前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、
    前記検出部は、前記一対の定着部材のうち前記トナー像と接触する前記定着部材の回転周期ごとの回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報を検出し、
    前記制御部は、前記回転後の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記回転後の前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合、前記回転前の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像が前記定着ニップを搬送されている間、または、前記回転後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像が前記定着ニップを搬送されている間、のいずれか一方において、前記速度差を設定する、請求項に記載の画像形成装置。
  4. 前記一対の定着部材のうち前記記録媒体を所定の搬送速度で搬送させる主定着部材を駆動する第1駆動部と、
    前記一対の定着部材のうち前記主定着部材以外の、前記トナー像と接触する副定着部材を駆動する第2駆動部と、をさらに有し、
    前記制御部は、前記第1駆動部による前記主定着部材を駆動するための駆動トルクを制動する制動トルクを前記第2駆動部により前記副定着部材に付与することで、前記速度差を設定する、請求項1または2に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、前記記録媒体の搬送方向の、前記記録媒体の第1単位面積区分ごとの、前記トナー付着量および前記カバレッジの少なくともいずれか一方に応じて、前記制動トルクを制御する、請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、前記第1単位面積区分においてさらに区分された、前記記録媒体の前記搬送方向に直交する方向の第2単位面積区分ごとの、前記トナー付着量または前記カバレッジに応じて、前記制動トルクを制御する、請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、紙種に応じて前記制動トルクを制御する、請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、前記定着部材の温度に応じて前記制動トルクを制御する、請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、前記定着部材の経時変化に応じて前記制動トルクを制御する、請求項のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記駆動トルクの値または前記第1駆動部のモーターの電流値により前記経時変化を検知し、検知された前記経時変化に応じて前記制動トルクを制御する、請求項に記載の画像形成装置。
  11. 互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置を制御するプログラムであって、
    前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する手順(a)と、
    前記手順(a)において検出された、前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する手順(b)と、を有し、
    前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、
    前記手順(b)においては、前記記録媒体の先端部の前記トナー像が前記定着ニップに到達した時を基準時として、前記一対の定着部材のうち、前記トナー像と接触する前記定着部材が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記先端部の前記トナー像、および前記一対の定着部材の一方が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像、の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、処理を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
  12. 互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置の制御方法であって、
    前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する段階(a)と、
    前記段階(a)において検出された画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する段階(b)と、を有し、
    前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、
    前記段階(b)においては、前記記録媒体の先端部の前記トナー像が前記定着ニップに到達した時を基準時として、前記一対の定着部材のうち、前記トナー像と接触する前記定着部材が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記先端部の前記トナー像、および前記一対の定着部材の一方が前記基準時から1回転した時の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像、の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、画像形成装置の制御方法。
  13. 互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置を制御するプログラムであって、
    前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する手順(a)と、
    前記手順(a)において検出された、前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する手順(b)と、を有し、
    前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、
    前記手順(a)においては、前記一対の定着部材のうち前記トナー像と接触する前記定着部材の回転周期ごとの回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報を検出し、
    前記手順(b)においては、前記回転後の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、処理を、コンピューターに実行させるための制御プログラム。
  14. 互いに圧接されることで形成された定着ニップで、トナー像が形成された記録媒体を搬送しつつ加圧および加熱することで、前記記録媒体に前記トナー像を定着させる一対の定着部材を備える画像形成装置の制御方法であって、
    前記記録媒体に形成された前記トナー像の画像情報を検出する段階(a)と、
    前記段階(a)において検出された画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記一対の定着部材の周速に、速度差を設定するタイミングを制御する段階(b)と、を有し、
    前記画像情報は、前記トナー像のトナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方であり、
    前記所定の条件は、前記トナー付着量およびカバレッジの少なくともいずれか一方が、それぞれに設定された所定の閾値以上であることであり、
    前記段階(a)においては、前記一対の定着部材のうち前記トナー像と接触する前記定着部材の回転周期ごとの回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報を検出し、
    前記段階(b)においては、前記回転後の前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報が所定の条件を満たす場合に、前記回転前後の、前記定着ニップにおける前記記録媒体上の前記トナー像の前記画像情報に基づいて、前記速度差を設定するタイミングを制御する、画像形成装置の制御方法。
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