JP6372336B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、トナー像を溶融して用紙(転写材)に定着させる定着装置を備えている。例えば熱ローラ方式の定着装置は、加熱部材である加熱ローラと加圧部材である加圧ローラとを有し、加熱ローラと加圧ローラとの圧接部分(定着ニップ部)で用紙を挟持搬送することにより用紙上の未定着トナー像を加熱し、用紙上にトナー像を定着させる。
加熱ローラの内部には、その軸方向に沿ってハロゲンランプ等の熱源が内装されていて、該熱源による輻射熱によって加熱ローラを内部から加熱する。近年、加熱ローラの温度が定着に適する所定温度に達するまで加熱するウォーミング時間の短縮や省エネルギー化を図るべく、加熱ローラの芯金が薄肉化されている。
加熱ローラの芯金の薄肉化の結果、軸方向への熱の移動量が減少してしまい、加熱ローラの軸方向の温度分布を均一化することが困難になっている。即ち、加熱ローラのうち用紙が通過する領域(通紙領域)では、用紙を加熱することで熱が消費されるが、通紙領域の外側である非通紙領域では、用紙に熱が奪われないため熱が蓄積される。その結果、加熱ローラ及びこれと圧接する加圧ローラの非通紙領域の温度が所定温度よりも高くなってしまう。
この対策として、特許文献1には、加熱部材と、該加熱部材に対し圧接して配置される加圧部材と、該加熱部材及び加圧部材の少なくとも1つに当接し被当接部の熱を均一化するための熱均一化部材とを有する定着装置が開示されている。
この定着装置には、熱均一化部材の外周面を清掃する清掃部材が配置されている。
特開2004−163719号公報
しかし、上記のような定着装置においては、連続して複数の用紙に画像を形成する(以下「連続プリント処理」と称す)時に、加熱部材及び加圧部材の非通紙領域(端部)の温度が上昇する。それにより、表層に弾性層が形成された加圧部材の端部が膨張し、加圧部材の端部において用紙搬送速度(線速度)が速くなる。即ち、加熱部材及び加圧部材の中央部と端部とで、用紙搬送速度に差が生じ、そのため用紙の端部が中央部よりも速く送られることにより濃度むらが発生する。また、用紙に形成された画像の状態によっては、さらに濃度むらの発生が顕著になる。
図12は、濃度むらが発生した画像パターン及び濃度むらの例を示す。図中の矢印は、用紙搬送方向を表している。
図12に示す画像210は、用紙搬送方向の下流側(用紙の前端側に相当)から上流側(用紙の後端側に相当)にかけて、トナーで密に被覆される領域全体の画像濃度が濃い領域であるベタ部211〜214を有する。ベタ部211〜214の間にはそれぞれ、印字されていない白字部が存在する。このような画像210においても、白地部から用紙後端側のベタ部212に少し入ったところで、ベタ部212にトナー濃度が薄い幅広の濃度むら212a(実線で囲まれた部分)が発生している。また、その用紙後端側にある白地部からベタ部213に少し入ったところでも、ベタ部213に濃度むら213aが発生している。さらに用紙後端側にある白地部からベタ部214に少し入ったところでも、ベタ部214に濃度むら214aが発生している。なお、以下では、印字されていない領域だけでなく、領域全体の画像濃度が薄い領域も「白地部」と称する。
本願出願人は、白地部とベタ部が存在する画像210のような画像が用紙に形成されている場合に、白地部の用紙後端側にあるベタ部に少し入ったところでベタ部に濃度むらが発生しやすいことを発見した。
特許文献1に記載の定着装置では、熱均一化部材の外周面を清掃する清掃部材を配置することで、熱均一化部材の加熱部材の温度分布を均一化する能力の低下を防止しているが、濃度むら対策としては不十分である。
上記の状況から、連続プリント処理時に用紙のベタ部に濃度むらが発生することを防止する手法が望まれていた。
本発明の一態様の画像形成装置は、ジョブデータに基づいて画像を形成する画像形成部と、加熱部材と加圧部材とを有し、搬送される用紙に形成された画像を該用紙に定着する定着部と、加熱部材又は加圧部材の用紙が通過する通紙領域及び用紙が通過しない非通紙領域の温度を測定する温度測定部と、一定時間に出力されるページ数又は用紙枚数として表される生産性を制御する制御部と、を備える。
制御部は、画像判別部と、温度差算出部と、生産性決定部と、を有する。
画像判別部は、上記画像の出力用の画像データに、用紙前端側から用紙後端側にかけて画像濃度が薄い白地部と画像濃度が濃いベタ部が連続して存在するか否かを判別する。
温度差算出部は、上記温度測定部で測定された温度に基づいて加熱部材又は加圧部材の通紙領域と非通紙領域との温度差を算出する。
生産性決定部は、上記画像判別部による画像データについての判別結果及び、加熱部材又は加圧部材の通紙領域と非通紙領域との上記温度差に応じて生産性を決定する。
少なくとも本発明の一態様の画像形成装置によれば、画像データの白地部及びベタ部の判別結果と通紙条件(加熱部材又は加圧部材の通紙領域と非通紙領域との温度差)から、ベタ部の濃度むら(定着不良)の発生頻度を前もって予測できるようになる。このベタ部の濃度むらの発生頻度の情報を生産性の制御にフィードバックすることにより、定着部が用紙を挟持搬送する際の不良の発生を抑えられる。
本発明が適用される画像形成装置の一例を示す全体構成図である。 図1の定着部の構成例を示す平面図である。 濃度むらが発生するメカニズムの説明に供する図である。 用紙進入方向から見た加熱ローラと加圧ローラの概略を示す正面図である。 図5Aは濃度むらが発生しなかった画像の拡大図であり、図5Bは濃度むらが発生した画像の拡大図である。 生産性低下の対象となる画像パターンの説明図である。 図7A及び図7Bは濃度むらが発生する画像パターンの例であり、図7C及び図7Dは濃度むらが発生しない画像パターンの例である。 用紙サイズごとに濃度むらの発生状況を示した表である。 加熱部材の中央部と端部との温度差を生産性ごとに示したグラフである。 本発明が適用される画像形成装置の各部のハードウェア構成例を示すブロック図である。 図1の画像形成装置が備える制御部の機能例を示すブロック図である。 図12は濃度むらが発生した画像パターン及び濃度むらの説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明や各図において、同一要素または同一機能を有する要素には同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
<1.第1の実施の形態>
[画像形成装置の構成例]
まず、本発明が適用される画像形成装置の概要について、図1を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される画像形成装置の一例を示す全体構成図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、電子写真方式により用紙に画像を形成するものであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の4色のトナーを重ね合わせるタンデム形式のカラー画像形成装置である。この画像形成装置1は、原稿搬送部10と、用紙収納部20と、画像読取部30と、画像形成部40と、中間転写ベルト50と、2次転写部70と、定着部80とを有する。
原稿搬送部10は、原稿Gがセットされる原稿給紙台11と、複数のローラ12と、搬送ドラム13と、搬送ガイド14と、原稿排出ローラ15と、原稿排出トレイ16とを有している。原稿給紙台11にセットされた原稿Gは、複数のローラ12及び搬送ドラム13によって、画像読取部30の読取位置に1枚ずつ搬送される。搬送ガイド14及び原稿排出ローラ15は、複数のローラ12及び搬送ドラム13により搬送された原稿Gを原稿排出トレイ16に排出する。
画像読取部30は、原稿搬送部10により搬送された原稿G又は原稿台31に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。具体的には、原稿Gの画像がランプLによって照射される。原稿Gからの反射光は、第1ミラーユニット32、第2ミラーユニット33、レンズユニット34の順に導かれて、撮像素子35の受光面に結像する。撮像素子35は、入射した光を光電変換して所定の画像信号を出力する。出力された画像信号は、A/D変換されることにより画像データとして作成される。
また、画像読取部30は、画像読取制御部36を有している。画像読取制御部36は、A/D変換によって作成された画像データに、シェーディング補正やディザ処理、圧縮等の処理を施して、制御部100のRAM103(図5参照)に格納する。なお、画像データは、画像読取部30から出力されるデータに限定されず、画像形成装置1に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したものであってもよい。
用紙収納部20は、装置本体の下部に配置されており、用紙のサイズや種類に応じて複数設けられている。この用紙は、給紙部21により給紙されて搬送部23に送られ、搬送部23によって転写位置を有する2次転写部70に搬送される。つまり、搬送部23は、給紙部21から給紙された用紙を2次転写部70へ搬送する機能を果たし、用紙を搬送する搬送経路を形成している。また、用紙収納部20の近傍には、手差部22が設けられている。この手差部22からは、用紙収納部20に収納されていないサイズの用紙やタグを有するタグ紙、OHPシート等の特殊紙が転写位置へ送られる。図1においては、給紙部21により給紙される用紙にSの符号を付している。
画像読取部30と用紙収納部20との間には、画像形成部40と、中間転写ベルト50が配置されている。画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナー画像を形成するために、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kを有する。
第1の画像形成ユニット40Yは、イエローのトナー画像を形成し、第2の画像形成ユニット40Mは、マゼンタのトナー画像を形成する。また、第3の画像形成ユニット40Cは、シアンのトナー画像を形成し、第4の画像形成ユニット40Kは、ブラックのトナー画像を形成する。これら4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kは、それぞれ同一の構成を有しているため、ここでは第1の画像形成ユニット40Yについて説明する。
第1の画像形成ユニット40Yは、ドラム状の感光体41と、感光体41の周囲に配置された帯電部42と、露光部43と、現像部44と、クリーニング部45を有している。感光体41は、不図示の駆動モータによって回転する。帯電部42は、感光体41に電荷を与え感光体41の表面を一様に帯電する。露光部43は、画像読取部30により生成された画像データ又は外部装置から送信された画像データに基づいて、感光体41の表面に対して露光走査を行うことにより感光体41上に静電潜像を形成する。
現像部44は、例えばトナーとキャリアからなる2成分現像剤を用いて、感光体41に形成された静電潜像にイエローのトナーを付着させる。これにより、感光体41の表面は、イエローのトナー画像が形成される。
なお、第2の画像形成ユニット40Mの現像部44は、感光体41にマゼンタのトナーを付着させ、第3の画像形成ユニット40Cの現像部44は、感光体41にシアンのトナーを付着させる。そして、第4の画像形成ユニット40Kの現像部44は、感光体41にブラックのトナーを付着させる。
感光体41上に形成されたトナー画像は、像担持体の一例である中間転写ベルト50に転写される。中間転写ベルト50は、無端状に形成されており、複数のローラに掛け渡されている。この中間転写ベルト50は、不図示の駆動モータで感光体41の回転(移動)方向とは逆方向に回転駆動する。
クリーニング部45は、トナー画像が中間転写ベルト50に転写された後に、感光体41の表面に残留しているトナーを除去する。
中間転写ベルト50における各画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体41と対向する位置には、1次転写部51が設けられている。この1次転写部51は、中間転写ベルト50にトナーと反対の極性の電圧を印加することで、感光体41上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト50に1次転写する。
そして、中間転写ベルト50が回転駆動することで、中間転写ベルト50の表面には、4つの画像形成ユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー画像が順次転写される。これにより、中間転写ベルト50上には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー画像が重なり合いカラーのトナー画像が形成される。
また、中間転写ベルト50には、ベルトクリーニング装置53が対向している。このベルトクリーニング装置53は、用紙へのトナー画像の転写を終えた中間転写ベルト50の表面を清掃する。
中間転写ベルト50の近傍で、かつ搬送部23の用紙搬送方向の下流には、2次転写部70が配置されている。2次転写部70は、搬送されてくる用紙を中間転写ベルト50に接触させて、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー画像を用紙に2次転写する。2次転写部70は、2次転写ローラ61を有している。2次転写ローラ61は、中間転写ベルト50を挟んで対向ローラ52に圧接されている。2次転写ローラ61と中間転写ベルト50が接触する部分は、2次転写ニップ部となる。この2次転写ニップ部が、中間転写ベルト50の外周面上に形成されたトナー画像を用紙Sに転写する転写位置である。
2次転写部70における用紙の排出側には、定着部80が設けられている。この定着部80は、用紙を加圧及び加熱して、転写されたトナー画像を用紙に定着させる。定着部80は、例えば、一対の定着部材である加熱ローラ81(加熱部材の一例)及び加圧ローラ82(加圧部材の一例)で構成されている。加熱ローラ81及び加圧ローラ82は、互いに圧接した状態で配置されており、加熱ローラ81と加圧ローラ82とが接する位置には、圧接部として定着ニップ部Nが形成される。また、加圧ローラ82の外周に接する位置に、加圧ローラを加熱する外部加熱ローラ83(外部加熱部材の一例)が設けられている。
加熱ローラ81の内部には、加熱部が設けられている。
用紙は、2次転写部70によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が加熱ローラ81と向き合うように搬送され、定着ニップ部Nを通過する。したがって、定着ニップ部Nを通過する用紙には、加熱ローラ81と加圧ローラ82とによる加圧と、加熱ローラ81の熱による加熱が行われる。
加熱ローラ81の軸方向の中央部(通紙領域)の近傍には、非接触式の温度センサ111(温度測定部の一例)が配置されている。温度センサ111で検出される温度に基づいて、制御部100(図10参照)による加熱ローラ81の温調が行われる。また、加熱ローラ81の軸方向奥側の端部(通紙領域の外側)の近傍に、非接触式の温度センサ112(温度測定部の一例)が配置されている。温度センサ111,112で検出される温度は、制御部100による生産性の制御に利用される。なお、温度センサ112は、接触式の温度センサでもよい。
定着部80の用紙搬送方向下流には、切換ゲート24が配置されている。切換ゲート24は、定着部80を通過した用紙の搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート24は、片面画像形成における画像形成面を上方に向けて排紙するフェースアップ排紙を行う場合に、用紙を直進させる。これにより、用紙は、一対の排紙ローラ25によって排紙される。また、切換ゲート24は、片面画像形成における画像形成面を下方に向けて排紙するフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙を下方に案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、切換ゲート24によって用紙を下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転して上方に搬送する。これにより、表裏が反転されて画像形成面が下方に向いた用紙は、一対の排紙ローラ25によって排紙される。
両面画像形成を行う場合は、切換ゲート24によって用紙を下方に案内した後に、用紙反転搬送部26によって表裏を反転し、再給紙路27により再び2次転写部70の転写位置へ送られる。
一対の排紙ローラ25の下流側に、用紙を折ったり、用紙に対してステープル処理等を行ったりする後処理装置を配置してもよい。
[定着部の構成]
図2は、画像形成装置1の定着部80の構成例を示す。
図2に示す定着部80は、例えば特開2004−20803号公報(図2)に記載された定着装置を用いることができる。
定着部80は、内部にハロゲンランプ等の熱源Haを有し加熱回転体である加熱ローラ81を備える。加熱ローラ81の回転軸は、定着部80の図示しないハウジングに回転自在に保持されている。この熱源Haからの輻射熱により加熱ローラ81の外周部が温められる。そして、加熱ローラ81の熱が用紙Sへ伝達されることにより、用紙S上のトナー像が熱定着される。
また、定着部80は、加熱ローラ81に対向する加圧回転体である加圧ローラ82を有する。加圧ローラ82は、スプリング(図示略)等の弾性部材の付勢により加熱ローラ81を押圧しつつ、加熱ローラ81の回転に伴い従動回転する。
加熱ローラ81は、圧接する加圧ローラ82との間に用紙Sを挟み込んで用紙Sを搬送する。このとき加熱ローラ81及び加圧ローラ82によって用紙S上に転写された未定着トナー像を加熱及び加圧し、用紙S上にトナー像を定着させる。
また、加熱ローラ81の外周には、加熱ローラ81表面をクリーニングするウェブWが当接されている。ウェブWの加熱ローラ81表面と当接する面の背面には、ウェブWを介して加熱ローラ81を圧接するバックアップローラ84が配設されている。バックアップローラ84の近傍には、ウェブ巻き取りローラ85とウェブ送り出しローラ86とが配設されている。
また、内部に熱源Hbを有し補助加熱回転体である外部加熱ローラ83が、加圧ローラ82の外周に接する位置に配設されている。外部加熱ローラ83は、定着部80の図示しないハウジングに回転自在に保持されると共に、図示しないスプリング等の弾性部材により加圧ローラ82の外周に圧接する方向に付勢され、加圧ローラ82の回転に伴い従動回転する。外部加熱ローラ83は、アルミニウム等の金属を用いて形成されており、加圧ローラ82を加熱する機能に加え、加圧ローラ82の温度分布を均一化する機能を有する。
また、加圧ローラ82の外周に接触するように配設した外部加熱ローラ83の外周近傍に、かきとりユニットKBと、温度検出センサSTとが設けられている。かきとりユニットKBは、かきとり部材KB1の先端を外部加熱ローラ83の外周に食い込ますように配設される。また、温度検出センサSTは、定着部80のハウジングに配設される。かきとりユニットKBは、かきとり部材KB1と、かきとり部材ホルダKB2とで構成される。
未定着のトナー像が転写された用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82とが圧接する定着ニップ部Nに挟み込まれたとき、熱と圧力により用紙S上のトナーが溶融し定着される。このとき、全てのトナーが用紙Sに定着されず、一部のトナーが加熱ローラ81に付着する場合がある。
加熱ローラ81に付着したトナーは、その大部分はウェブWにより拭き取られるが、中にはウェブWをすり抜けて定着ニップ部Nに達するものがある。定着ニップ部Nに達したトナーには、加圧ローラ82を経て外部加熱ローラ83に転移し付着するものがある。
外部加熱ローラ83外周に配設されたかきとりユニットKBに含まれるかきとり部材KB1により、外部加熱ローラ83外周に付着したトナーや紙粉等の異物がかき落とされ、外部加熱ローラ83外周及び加圧ローラ82外周から除去される。
一方、外部加熱ローラ83の温度が低いときに当該外部加熱ローラ83を回転させると、外部加熱ローラ83とかきとり部材KB1との間に固化したトナーが挟み込まれ外部加熱ローラ83の表面に傷が付く恐れがある。
これを防止するため、外部加熱ローラ83の温度が低下しトナーが固化するときの所定温度を予め画像形成装置1の制御部100(図10参照)のメモリに入力しておく。そして、温度検出センサSTにより検知された温度が当該所定温度に達したときには、制御部100から指令を発して、加圧ローラ82または加熱ローラ81が回転しないように制御(阻止)する。
また、温度検出センサSTにより検知された外部加熱ローラ83の温度が上昇しトナーが軟化する所定温度に達したときには、制御部100からの指令により加圧ローラ82または加熱ローラ81の回転の阻止を解除する。
即ち、外部加熱ローラ83の外周近傍に設けた温度検出センサSTにより外部加熱ローラ83の温度を検知し、トナーが固化する温度では加熱ローラ81または加圧ローラ82の回転を停止する。これにより、外部加熱ローラ83を従動回転させることがなく、固化したトナーにより外部加熱ローラ83の表面に傷を付けることを防止できる。
定着部80を構成する加熱ローラ81、加圧ローラ82及び外部加熱ローラ83の仕様の一例を、以下に示す。本実施の形態で想定する加圧ローラ82のローラ長は、およそ324mm以下である。
・加熱ローラ81 :直径70mm、アルミニウム芯金厚さ5mm、
表層PTFE(Poly Tetra Fluoro Etylene)コーティング
・加圧ローラ82 :直径70mm、弾性層6.5mm、
表層PFA(4フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(フッ素化樹脂共重合体))チューブ厚さ0.07mm・ニップ幅 :11mm、荷重1400N
・用紙搬送速度、PPM :460mm/s、100ppm
・ヒータHa :2本(加熱ローラ81内部)
・外部加熱ローラ83 :直径30mm、アルミニウム芯金厚さ2mm、
表層PTFEコーティング
本実施の形態では、加熱ローラ81の軸方向の中央部(通紙領域)と端部(非通紙領域)の近傍に温度センサ111,112を配置したが、温度センサ111,112をそれぞれ加圧ローラ82の中央部及び端部の近傍に配置してもよい。
また、本実施の形態では、定着部80が外部加熱ローラ83を備える構成としたが、外部加熱ローラ83は本発明の本質ではない。
[濃度むらが発生するメカニズムと濃度むらが発生しやすい画像パターンの例]
次に、図12のような濃度むらが発生するメカニズムを詳細に説明する。
図3は、濃度むらが発生するメカニズムの説明に供する図である。
図4は、用紙進入方向から見た加熱ローラと加圧ローラの概略を示す正面図である。
小幅サイズ(例えば幅220mm以下)の用紙Sを定着部80に連続通紙すると、通紙領域の外側(非通紙領域)の加熱ローラ81の温度が徐々に上昇し始める。非通紙領域の温度が上昇すると、加熱ローラ81の軸方向に熱が拡散して、徐々に通紙領域と非通紙領域との境界領域A1,A2の温度も上昇し始める。
加熱ローラ81の境界領域A1,A2の温度が上昇すると、同時に加圧ローラ82の境界領域A1,A2の温度も上昇する。加圧ローラ82の境界領域A1,A2の温度が上昇すると、加圧ローラ82の表層に形成された弾性層(例えばゴム材料層)が熱膨張する。
弾性層が熱膨張すると、加圧ローラ82の両端部の用紙搬送速度(線速度)が速くなり、最終的に用紙Sの中央部の送り速度Vcと端部Veの送り速度に差が生じる。送り速度を表す矢印の長さは該送り速度の速さを表し、中央部が遅く、端部が速い。この送り速度の差により、用紙Sの後半部分の端部側に歪(中央部に対して端部が進行方向に引っ張られるような歪)が発生する。
加圧ローラ82の弾性層は温度が高いほど大きく熱膨張する。よって、加熱ローラ81の通紙領域と非通紙領域の温度差が大きくなるほど、加圧ローラ82の弾性層の熱膨張に差が生じ、用紙Sの中央部と端部の送り速度の差が大きくなる。
また、用紙Sが定着ニップ部Nに進入すると、用紙Sの白地部では用紙Sと加熱ローラ81との接触面に働く摩擦力が大きいので、加熱ローラ81が滑ることなく用紙Sが送られる。一方、用紙Sのベタ部が定着ニップ部Nに進入すると、トナーが溶融することで加熱ローラ81と用紙S(直接的にはトナー層)の間に働く摩擦力が小さくなる。そのため、加熱ローラ81とトナー層の間で部分的に加熱ローラ81の滑りが発生する。滑りが発生することでベタ部に濃度むらが発生する(図5B参照)。
ところで、図4に示すように、定着ニップ部Nで用紙を伸ばしながら搬送する目的で、逆クラウン形状(中央部の直径よりも端部の直径が大きい)の加圧ローラが用いられることがある。図4では、加圧ローラ82の逆クラウン形状を強調して記載している。加熱ローラ81と加圧ローラ82の中央部に隙間があるが、定着処理時は、加熱ローラ81と加圧ローラ82が圧接され、各ローラの端部とともに中央部が密着する。加圧ローラ82を逆クラウン形状とした場合、定着ニップ部Nの中央部は端部よりも押さえ力が弱く、加圧ローラ82の中央部で滑りが発生しやすくなり、ベタ部における濃度むらの一因となる。図12からも、用紙の中央部を中心に濃度むら(加圧ローラの滑り)が発生していることがわかる。
図5Aは濃度むらが発生しなかったベタ部の拡大図であり、図5Bは濃度むらが発生したベタ部の拡大図である。
図5Bに示すように、濃度むらが発生した箇所では、トナーの一部(一点鎖線で囲まれたトナー95)が用紙搬送方向にずれて、用紙の表面(白く見える箇所)が現れてしまっている。これは加熱ローラ81が僅かながら滑っているからである。このように、白地部(滑りにくい)からベタ部(滑りやすい)に入ったところで、加熱ローラ81が微小に滑って、トナーの一部がずれて濃度むらになる。図12に示した濃度むら212a等には、このような加熱ローラ81の滑りによるトナーのずれが点在している。
上記のとおり、定着ニップ部Nが白地部からベタ部に入ったところで濃度むらが発生するが、ベタ部はある程度の大きさが必要である。ある程度の大きさがないと、加熱ローラ81の滑りが発生しない。また、トナーの濃度(画像濃度)が徐々に変化する場合は、滑りが発生しにくく、濃度むらも発生しにくい。
[生産性低下の対象となる画像パターン]
次に、濃度むらが発生しやすい即ち生産性を低下させる対象となる画像パターンについて説明する。
図6は、生産性低下の対象となる画像パターンの説明図である。
上述したように、本発明において着目する濃度むらは、白地部(滑りにくい)からベタ部(滑りやすい)に入ったところで発生している。言い換えると、急激な濃度差(濃度段差)があるところで濃度むらが発生する。本願出願人は繰り返し実験した結果、少なくとも(1)ベタ部と白地部の濃度差、(2)ベタ部の大きさ(幅)の2つの条件が濃度むらの発生に関係していることを発見した。
(1)ベタ部と白地部の濃度差
図6に示すように、用紙Sに形成されたベタ部90の平均反射濃度が1.0以上のとき、白地部の平均反射濃度が0.2以下であると濃度むらが発生しやすい。すなわち、ベタ部と白地部との平均反射濃度の差が5倍以上であるときに、濃度むらが発生しやすい。この5倍という値は、濃度むらの発生頻度が高くなるときの値であるが、実際の画像形成装置で用紙を出力した場合の濃度むらの発生頻度に応じて適宜変更してもよい。
(2)ベタ部の大きさ(幅)
図6に示すように、用紙Sの紙幅(用紙搬送方向と直交する方向の長さ)をW1、ベタ部90の幅をW2としたとき、ベタ部90の幅W2が用紙Sの紙幅W1の1/3以上あると濃度むらが発生しやすい。
図7A及び図7Bは濃度むらが発生する画像パターンの例であり、図7C及び図7Dは濃度むらが発生しない画像パターンの例である。
図7Aのベタ部91及び図7Bのベタ部92は、ベタ部と白地部の濃度差、ベタ部の大きさともに上記条件(1),(2)を満たすため、濃度むらが発生する。
図7Cのベタ部93は、ベタ部と白地部の濃度差の条件(1)は満たすが、ベタ部の幅が短いために条件(2)を満たさず、濃度むらが発生しない。
図7Dのベタ部94は、濃度が薄く(厳密にはベタ部と言えない)、ベタ部と白地部の濃度差の条件(1)を満たさないため、濃度むらが発生しない。
[濃度むらが発生する用紙の幅]
図8は、用紙サイズごとに濃度むらの発生状況を示した表である。
図8に示すように、用紙サイズが8.5×11S(レターサイズ:幅215.9mm)より小さいときに濃度むらが発生している。また用紙サイズがB4(幅257mm)以上の場合では濃度むらが発生していない。この結果から、本実施の形態では用紙の幅が約220mm以下で濃度むらが発生するものとする。
上述したように用紙の幅が狭い(加熱ローラ81の通紙領域が狭い)と、加熱ローラ81から熱量を奪う領域が狭く、非通紙領域の幅が広いために非通紙領域の温度上昇が大きくなる。一方、用紙の幅が広い(通紙領域が広い)と、非通紙領域の幅が狭く、非通紙領域の温度上昇が小さい。そして、加熱ローラ81の通紙領域と非通紙領域の温度差が大きくなると、濃度むらが発生する。
[濃度むらの防止策]
次に、濃度むらの防止策について図9を用いて説明する。
図9は、加熱部材(加熱ローラ81)の中央部と端部との温度差の特性を生産性ごとに示したグラフである。図9において、横軸は時間(秒)、縦軸は加熱ローラ81の中央部と端部の温度差(℃)を表している。一例として低温低湿環境(LL環境)下で、画像形成装置のウォームアップ完了後にプリントを開始してから1000プリント(1000枚の用紙に画像を形成・定着)が終了するまで、加熱ローラ81の中央部と端部との温度差を測定した。
生産性は、一定時間に出力されるページ数もしくは用紙枚数として表される。PPM(Page Per Minute)は、生産性を表す指標の一つであり、1分間に出力されるページ数(もしくは用紙枚数)である。PPMの値を小さくすると生産性が低下する。図9のPPMダウン時の特性は、生産性を通常の75%に落とした場合のデータである。
図9に示すように、加熱ローラ81の中央部(通紙領域)と端部(非通紙領域)の温度差が大きくなると、中央部と端部の紙送り速度差も大きくなり、濃度むらが発生しやすい環境ができる。
PPMダウン時の加熱ローラ81の中央部と端部との温度差は、通常時の場合と比較して約6℃低くなっている。すなわち、生産性を低下させることで、連続プリント処理時における加熱ローラ81の中央部(通紙領域)と端部(非通紙領域)との温度差が小さくなる。生産性を低下させると、中央部において単位時間あたり用紙に奪われる熱量が減るために温度差が小さくなると考えられる。
そして、通紙領域と非通紙領域との温度差が小さくなると、加圧ローラ82の境界領域A1,A2の弾性層の温度上昇が抑えられ、加圧ローラ82の中央部と端部との用紙搬送速度の差が小さくなる。それにより、濃度むらの発生を抑えることができる。このような実験と考察を経て、本願出願人は、濃度むらが発生しやすい画像パターンや、通紙領域と非通紙領域との温度差が所定値以上であることを検知した場合に、生産性を低下させて濃度むらの発生を防止するという構成に想到した。
以下、第1の実施の形態に係る生産性を切り替えて濃度むらの発生を防止する方法を説明する。
[画像形成装置の制御系の構成]
画像形成装置1の制御系について図10を参照して説明する。
図10は、画像形成装置1の各部のハードウェア構成例を示すブロック図である。なお、このブロック図では、本発明の説明に必要な要素又はその関連要素を記載しており、画像形成装置1はこの例に限られない。
画像形成装置1は、図10に示すように、制御部100を備えている。制御部100は、システムバス107を介して、通信部108、画像読取部30、画像処理部110、画像形成部40、給紙部21、用紙搬送機構109、及び定着部80に接続されている。さらに、制御部100は、システムバス107を介して、HDD(Hard Disk Drive)104、操作表示部105、温度センサ111,112、計時部113に接続されている。
制御部100は、例えばCPU(Central Processing Unit)101と、CPU101が実行するプログラムや各種データ等を記憶するためのROM(Read Only Memory)102と、CPU101の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)103とを有する。なお、ROM102としては、例えば、電気的に消去可能なプログラマブルROMが用いられる。制御部100は、各ブロックの制御すなわち装置全体の制御を行う。
HDD104は、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の画像データを記憶したり、出力済みの画像データ等を記憶したりする。操作表示部105は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等のディスプレイからなるタッチパネルである。この操作表示部105は、ユーザに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。さらに、操作表示部105は、複数のキーを備え、ユーザのキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号を制御部100に出力する。
画像読取部30によって生成された画像データや、画像形成装置1に接続された外部装置の一例であるPC(パーソナルコンピュータ)120から送信される画像データは、画像処理部110に送られ、画像処理される。画像処理部110は、受信した画像データに対し、必要に応じて、シェーディング補正、画像濃度調整、画像圧縮等の画像処理を行う。
画像形成部40は、画像処理部110によって画像処理された画像データを受け取り、画像データに基づいて用紙S上に画像を形成する。
給紙部21は、制御部100により駆動制御され、用紙収納部20に収納された用紙を搬送経路に送り出す。
定着部80は、制御部100により駆動制御され、定着ニップ部Nに搬送された用紙Sを挟持搬送しながら用紙Sを加熱及び加圧し、トナー画像を用紙Sに定着させる。
用紙搬送機構109は、制御部100により駆動制御され、画像が形成される用紙Sの搬送を行う。搬送部23は用紙搬送機構109の一部である。この用紙搬送機構109は、画像形成装置1の給紙部21から定着部80の間に配置されたローラと、それぞれのローラを回転させる回転駆動部(不図示)とから構成される。回転駆動部としては、モータと各種の機構を組み合わせたものや、各種のアクチュエーターを採用することができる。制御部100は、用紙搬送機構109の各ローラの回転を制御して、給紙部21から定着部80へ連続して搬送される用紙Sの間隔(紙間距離)を調整する。
温度センサ111は、加熱ローラ81の通紙領域(図3参照)の温度を測定し、測定結果を温度データとして制御部100(CPU101)へ供給する。また、温度センサ112は、加熱ローラ81の非通紙領域(図3参照)の温度を測定し、測定結果を温度データとして制御部100(CPU101)へ供給する。
計時部113は、ある時点を起点として時間を計測し、経過時間を制御部100へ通知する。あるいは、計時部113は、現在の時刻を制御部100へ通知するようにしてもよい。この場合には、制御部100がある時点の時刻から現在の時刻までの経過時間を計算する。なお、制御部100が計時部113の機能を備えていてもよい。すなわち、制御部100は、CPU101等のプロセッサが周期的に出力するクロック信号をカウントすることで、ある時点から他の時点までの経過時間を算出する。
通信部108は、例えば外部の情報処理装置であるPC120から送信されるジョブデータを、通信回線を介して受け取る。そして、受け取ったジョブデータを、システムバス107を介してCPU101に送る。
なお、本実施の形態では、外部装置としてパーソナルコンピュータを適用した例を説明したが、これに限定されるものではなく、外部装置としては、例えばファクシミリ装置等その他各種の装置を適用することができる。
[制御部の機能]
図11は、画像形成装置1が備える制御部100の機能例を示すブロック図である。
制御部100のCPU101がROM102に記録されたプログラムを実行することで、各機能が実現される。
図11に示すように、制御部100は、画像判別部100aと、温度差算出部100bと、生産性決定部100cとを有する。
画像判別部100aは、PC120等の外部装置から供給されるジョブデータに含まれるページごとに画像データ(出力用データ)を分析し、画像パターンを判別する。判別結果は、生産性決定部100cに供給される。画像データは、画像読取部30で読み取って得た原稿画像の画像データやHDD104に記憶された画像データでもよい。画像判別部100aは、画像データに、用紙搬送方向に沿って(用紙前端側から用紙後端側にかけて)画像濃度が薄い白地部と画像濃度が濃いベタ部が連続して存在するか否かを判別する。図6において白地部の画像濃度に対するベタ部の画像濃度が5倍以上であるときに濃度むらが発生しやすくなることを説明したが、画像書き込み用の画像データが以下の基準を満たす場合に、白地部又はベタ部であると判別する。判別結果は、生産性決定部100cに供給される。
(白地部の判別)
画像判別部100aは、画像データにおける用紙搬送方向と直交する主走査ラインの平均印字率が所定値以下であって、該当する主走査ラインが用紙搬送方向に沿う副走査方向に所定の長さ以上連続する状態を、白地部として判別する。一例として平均印字率のしきい値を5%、副走査方向への長さのしきい値を10mmに設定する。10mmという値は、例えば600dpiの画像データであれば236ラインに相当する。これらのしきい値のデータは、予めROM102等に保存しておく。
印字率は、印字されている用紙全体(又は印字対象領域)の面積に対する印字部分の積算面積の割合を百分率で表したものである。印字部分の積算面積は、あるページに出力する画像データのオン信号のドット数(画素数)より換算される印字部面積(またはそのページの画像データのオン信号のドット数)として求められる。
(ベタ部の判別)
画像判別部100aは、画像データの主走査ライン内で連続するオン信号のドット(画素)で形成される領域の幅が主走査ラインの全書き込み幅に対して所定の割合以上であって、該当する主走査ラインが副走査方向に所定の長さ以上連続する状態を、ベタ部として判別する。一例として該当領域の全書き込み幅に対する割合のしきい値を1/3、副走査方向への長さのしきい値を10mmに設定する。ここで画像データ内のオン信号とは、例えば露光部43(図1)が備えるLED光学系に光を出射させるための信号であり、LED光学系はオン信号が供給されると指示されたドットを露光する。
温度差算出部100bは、温度センサ111と温度センサ112から供給される温度データに基づいて、加熱ローラ81の中央部(通紙領域)と端部(非通紙領域)との温度差を算出する。算出された温度差の情報は、生産性決定部100cに供給される。
生産性決定部100cは、画像判別部100aから供給される画像データの判別結果と、温度差算出部100bから供給される加熱ローラ81の通紙領域と非通紙領域との温度差とに基づいて、画像形成装置1の生産性を切り替える。即ち、生産性決定部100cは、生産性指令値を決定し、用紙搬送機構109や定着部80等の各部に生産性指令値を出力する。より具体的には、生産性決定部100cは、画像データの白地部とベタ部、並びに加熱ローラ81又は加圧ローラ82の通紙領域と非通紙領域との温度差が所定の条件を満たした場合に、生産性を低下させる制御を行う。
また、生産性決定部100cは、用紙情報すなわち用紙サイズをジョブデータから取得し、上記所定の条件に用紙情報を反映して、生産性の切替えを行うようにしてもよい。即ち、生産性決定部100cは、画像データ、加熱ローラ81又は加圧ローラ82の通紙領域と非通紙領域との温度差、並びに用紙サイズが所定の条件を満たした場合に、生産性を低下させる制御を行う。
本実施の形態では、生産性決定部100cは、以下の条件が満たされた場合に生産性を低下させる生産性指令値を出力する。条件(1),(2)は必須であるが、条件(3)は補足的に用いてもよい。
(1)通紙領域と非通紙領域の温度差が所定の温度(例えば13℃)以上のとき(端部が中央部より13℃以上高くなると、中央部と端部の速度差が顕著になってくる)
(2)用紙搬送方向の画像濃度が急激に変化するとき(白地部とベタ部による濃度段差があるとき)
(3)用紙の幅が所定の長さ(例えば220mm)以下のとき
用紙搬送機構109や定着部80等の各部は、生産性指令値に基づいて、生産性を切り替える。即ち、定着部80へ連続通紙する用紙Sの間隔を調整(PPM制御)する。例えば、PPMダウンにより生産性を低下させる場合には、給紙部21が用紙収納部20から紙間距離を大きくとって用紙Sを給紙する。画像形成装置1の各部は、搬送される用紙Sの紙間距離に合わせて動作する。制御部100は、連続プリント処理が終了したらPPMダウンを解除し、生産性を元に戻す。
PPM制御とは、連続通紙する用紙の紙間距離を調整して生産性を変化させることである。通常時の生産性を100%とした場合に、75%とは生産性を75%に低下させることをいう。この場合、通常の用紙の前端から連続する次の用紙の前端までの距離を100%とすると、75%の生産性の場合には先行する用紙の前端から次の用紙の前端までの距離が125%となる。PPM制御におけるPPMダウン幅は1段階に限らず、2段階以上でもよい。PPMダウン幅は、実際の濃度むらの発生頻度等に応じて適宜設定することが望ましい。
生産性決定部100cは、一度生産性を低下させたら、連続プリント処理が終了するまで低下させた生産性を維持する。生産性をむやみに変更しないことにより、ジョブ内での画質のバラつきを抑えることができる。そして連続プリント処理が終了したら、生産性の低下を解除する。
なお、生産性決定部100cは、上記(1),(2)の条件もしくは上記(1)〜(3)の条件を満たした状態が所定時間以上連続したら生産性の低下を実施するとよい。生産性決定部100cは、計時部113から生産性低下の条件が揃った時点の時刻を取得するとともに計時部113に時間の計測を開始させる。そして、計時部113は、当該時刻から所定時間(例えば5秒)が経過したことを生産性決定部100cに通知する。なお、5秒という設定値は、用紙搬送速度との関係もあるが、5枚の用紙が出力される時間に相当する。
このように、生産性低下の条件を満たした状態が所定時間以上連続した場合に生産性低下を行うことで、生産性低下の条件が揃ったことをより確実に確認し、頻繁に生産性が低下することを防止できる。なお、生産性低下の条件が揃った時点からの秒数ではなく、出力された用紙の枚数(ページ数)としてもよい。
以上のように構成される本実施の形態によれば、画像判別部100aによる画像データの白地部とベタ部の判別結果と通紙条件(加熱ローラ81の通紙領域と非通紙領域との温度差)から、ベタ部の濃度むら(定着不良)の発生頻度を前もって予測できるようになる。このベタ部の濃度むらの発生頻度の情報を生産性の制御にフィードバックすることにより、定着部80が用紙を挟持搬送する際の不良の発生を抑えられる。
また、ベタ部の濃度むらが発生しやすい条件の一つとして用紙サイズを生産性の制御に反映することで、よりベタ部の濃度むらが発生しやすい小幅サイズの用紙を定着部80に通紙する際に、定着部80における不良の発生が抑えられる。
<2.変形例>
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明した。しかしながら、上記実施の形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはなく、特許請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態において、画像判別部100aによる画像データの判別は、連続プリント処理時に毎ページごとに実行してもよいし、所定の周期で所定の時間(例えば5秒間)だけ実行するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態では、PPM制御により生産性を変更したが、用紙搬送速度を制御することにより生産性を変更してもよい。
また、上述した実施の形態では、ベタ部の濃度むら対策として生産性を低下させる構成としたが、生産性を下げる前若しくは代わりに、定着設定温度を下げることで対応してもよい。定着設定温度を下げることで限定的ながら加熱ローラ81の非通紙領域の温度上昇を抑えることができる。それにより、用紙Sの中央部と端部の速度差を抑えられ、濃度むらが減少する。
また、上述した実施の形態では、本発明をカラー画像を形成する画像形成装置に適用した例を説明したが、モノクロ画像を形成する画像形成装置に適用してもよい。
また、上述した実施の形態では熱ローラ方式の定着部を想定して説明したが、誘導加熱方式の定着部にも適用可能である。誘導加熱方式で用いられる加熱ローラの材質は、励磁コイルによって大きな渦電流(磁束密度)が発生するように、材質として炭素鋼やニッケル合金等の強磁性体が用いられている。これらは、ハロゲンランプ等を内包した加熱ローラの材質として一般に用いられてきたアルミニウム合金に比べて熱伝導率が低い。そのため、小幅サイズの用紙を通紙すると、該アルミニウム合金製の加熱ローラを使用した場合よりも非通紙部領域の温度上昇が顕著になる。
1…画像形成装置、 21…給紙部、 40…画像形成部、 80…定着部、 81…加熱ローラ、 82…加圧ローラ、 83…外部加熱ローラ、 100…制御部、 100a…画像判別部、 100b…温度差算出部、 100c…生産性決定部、 101…CPU、 102…ROM、 103…RAM、 109…用紙搬送機構、 106…画像処理部、 111,112…温度センサ、 S…用紙

Claims (6)

  1. ジョブデータに基づいて画像を形成する画像形成部と、
    加熱部材と加圧部材とを有し、搬送される用紙に形成された前記画像を該用紙に定着する定着部と、
    前記加熱部材又は前記加圧部材の前記用紙が通過する通紙領域及び前記用紙が通過しない非通紙領域の温度を測定する温度測定部と、
    一定時間に出力されるページ数又は用紙枚数として表される生産性を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記画像の出力用の画像データに、用紙前端側から用紙後端側にかけて画像濃度が薄い白地部と画像濃度が濃いベタ部が連続して存在するか否かを判別する画像判別部と、
    前記温度測定部で測定された温度に基づいて前記加熱部材又は前記加圧部材の通紙領域と非通紙領域との温度差を算出する温度差算出部と、
    前記画像判別部による前記画像データについての判別結果及び、前記加熱部材又は前記加圧部材の通紙領域と非通紙領域との前記温度差に応じて前記生産性を決定する生産性決定部とを有する
    画像形成装置。
  2. 前記生産性決定部は、前記画像判別部により前記画像データに、用紙前端側から用紙後端側にかけて画像濃度が薄い白地部と画像濃度が濃いベタ部とが連続して存在すると判別され、かつ、前記加熱部材又は前記加圧部材の通紙領域と非通紙領域との前記温度差が所定値以上である場合に、前記生産性を低下させる
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記白地部の画像濃度に対して前記ベタ部の画像濃度は、5倍以上である
    請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像判別部は、前記画像データにおける用紙搬送方向と直交する主走査ラインの平均印字率が所定値以下であって、該当する主走査ラインが前記用紙搬送方向に沿う副走査方向に所定の長さ以上連続する状態を、前記白地部として判別し、
    また、前記画像データの主走査ライン内で連続するオン信号のドットで形成される領域の幅が前記主走査ラインの全書き込み幅に対して所定の割合以上であって、該当する主走査ラインが前記副走査方向に所定の長さ以上連続する状態を、前記ベタ部として判別する
    請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記生産性決定部は、前記画像データに用紙前端側から用紙後端側にかけて画像濃度が薄い白地部と画像濃度が濃いベタ部とが連続して存在し、かつ、前記加熱部材又は前記加圧部材の通紙領域と非通紙領域との前記温度差が所定値以上である状態が所定時間以上連続した場合に、前記生産性を低下させる制御を行う
    請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記生産性決定部は、前記用紙の用紙搬送方向に直交する幅方向の長さが所定の長さ以下であるか否かを判定し、前記用紙の幅方向の長さが所定の長さ以下であって、前記画像データに用紙前端側から用紙後端側にかけて画像濃度が薄い白地部と画像濃度が濃いベタ部とが連続して存在し、かつ、前記加熱部材又は前記加圧部材の通紙領域と非通紙領域との前記温度差が所定値以上である場合に、前記生産性を低下させる制御を行う
    請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
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