JP2018112234A - 車両用駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロックアップ機能付のトルクコンバータ及び自動変速機を備えた車両用駆動装置において、トルクコンバータがロックアップされた状態での変速ショックを低減することができる車両用駆動装置を提供する。【解決手段】車両用駆動装置1は、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が減衰する時間である減衰時間ΔTdを演算する減衰時間演算部10cと、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間ΔTdをより短い時間に補正した補正減衰時間ΔTdaを演算する補正減衰時間演算部10dと、ロックアップ状態で認識変速段が変更された場合に、自動変速機4の解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を補正減衰時間ΔTdaが経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する解放制御開始遅延部10eと、を有する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両用駆動装置に関する。
運転者は、アクセルペダルを踏み込むことによって、エンジンが出力するエンジントルクを増大させつつ、自動変速機をより低い変速段に変速させる所謂キックダウンを行い、車両を加速させる場合がある。従来から、特許文献1に示されるように、トルクコンバータのロックアップを解除させてから、変速を実行する自動変速機が提案されている。このような自動変速機では、キックダウンが行われる際のエンジントルクの変動がトルクコンバータで吸収されるので、自動変速機において変速によるショック(以下、適宜変速ショックと略す)が低減される。
特許文献1に示される自動変速機では、変速の実行前にトルクコンバータのロックアップを解除し、変速の実行後にトルクコンバータをロックアップさせているので、運転者は変速時間を長く感じる。また、トルクコンバータのロックアップが解除されてからトルクコンバータがロックアップされるまで、トルクコンバータにおいて損失が発生し、車両の燃費が悪化する。そこで、トルクコンバータがロックアップされた状態で自動変速機において変速を実行することも考えられる。しかしながら、トルクコンバータがロックアップされた状態では、エンジントルクの変動がトルクコンバータで吸収されないので、変動するエンジントルクがそのまま自動変速機の入力軸に入力される。すると、入力軸に入力される変動するエンジントルクによって、入力軸が回転軸線回りに沿って振動する。入力軸が回転軸線回りに沿って振動している時に、解放側係合要素が解放されるとともに、係合側係合要素が係合されて、自動変速機が変速されると、自動変速機において変速ショックが発生する。
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、ロックアップ機能付のトルクコンバータ及び自動変速機を備えた車両用駆動装置において、トルクコンバータがロックアップされた状態での変速ショックを低減することができる車両用駆動装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る車両用駆動装置の発明は、駆動源が出力する駆動トルクが入力される入力軸と、車両の駆動輪に回転連結された出力軸と、油圧によって係合状態又は解放状態が選択的に切り替えられて前記入力軸の回転速度を前記出力軸の回転速度で除した変速比がそれぞれ異なる複数の変速段を形成する複数の係合要素と、を備えた自動変速機と、前記駆動源と前記入力軸との間に設けられ、前記駆動源から出力された前記駆動トルクを前記入力軸に伝達し、前記駆動源と前記入力軸とが直結したロックアップ状態と、前記駆動源と前記入力軸との直結を解除して前記駆動源と前記入力軸との間に回転差が生じるトルクコンバータ状態とに切り換えるロックアップクラッチを備えたトルクコンバータと、前記駆動源が出力する前記駆動トルクを可変に操作するための駆動トルク操作部と、前記駆動トルク操作部の操作量を検出する操作量検出部と、前記操作量検出部によって検出された前記操作量、及び前記出力軸の回転速度又は前記車両の車速に基づいて、前記自動変速機において形成されるべき前記変速段である認識変速段を認識する認識変速段認識部と、前記認識変速段認識部によって認識されている前記認識変速段が変更された場合に、複数の前記係合要素に付与される油圧を制御して、複数の前記係合要素のうち変速時に係合状態から解放状態にされる解放側係合要素を解放状態にするとともに、複数の前記係合要素のうち変速時に解放状態から係合状態にされる係合側係合要素を係合状態にすることにより、前記自動変速機の前記変速段を前記認識変速段に変速する変速制御部と、前記入力軸の回転軸線回りに沿った振動を検出する入力軸振動検出部と、前記入力軸振動検出部によって検出された前記入力軸の回転軸線回りに沿った振動の特性値に基づいて、前記入力軸の回転軸線回りに沿った振動が減衰する時間である減衰時間を演算する減衰時間演算部と、走行時の前記車両に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値を取得する走行抵抗相当値取得部と、前記走行抵抗相当値取得部によって取得された前記走行抵抗相当値が大きくなるに従って、前記減衰時間演算部によって演算された前記減衰時間をより短い時間に補正した補正減衰時間を演算する補正減衰時間演算部と、前記ロックアップ状態で、前記操作量検出部によって検出された前記操作量の変化に伴い前記認識変速段認識部によって認識されている前記認識変速段が変更された場合に、前記変速制御部によって前記解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を前記補正減衰時間が経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する解放制御開始遅延部と、を有する。
このように、減衰時間演算部は、入力軸振動検出部によって検出された入力軸の回転軸線回りに沿った振動の特性値に基づいて、入力軸の回転軸線回りに沿った振動が減衰する時間である減衰時間を演算する。そして、補正減衰時間演算部は、走行抵抗相当値取得部によって取得された走行抵抗相当値が大きくなるに従って、減衰時間演算部によって演算された減衰時間をより短い時間に補正した補正減衰時間を演算する。そして、解放制御開始遅延部は、ロックアップ状態で、操作量検出部によって検出された操作量の変化に伴い認識変速段認識部によって認識されている認識変速段が変更された場合に、変速制御部によって解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を補正減衰時間が経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する。これにより、入力軸の回転軸線回りに沿った振動が殆ど減衰してから、解放側係合要素の解放が開始される。このため、入力軸が回転軸線回りに沿って大きく振動している時に解放側係合要素の解放が開始されることに起因して発生する変速ショックが低減される。
(車両の説明)
図1に基づき、本発明の実施形態による車両用駆動装置1が搭載された車両100について説明する。図1において、太線は各装置間の機械的な接続を示し、破線による矢印は制御用の信号線を示している。図1に示すように、車両100には、エンジン2、トルクコンバータ3、自動変速機4、デファレンシャル17が、この順番に、直列に設けられている。デファレンシャル17には、ドライブシャフト16R,16Lを介して、車両100の駆動輪18R,18Lが接続されている。なお、駆動輪18R,18Lは、車両100の前輪又は後輪、或いは、前後輪である。また、車両100は、オイルポンプ5、エンジン制御部9、自動変速機制御部10、駆動輪回転速度検出部19、アクセルペダル51、アクセルストローク検出部52、出力軸トルク検出部61、及び変速段検出部62を有している。
図1に基づき、本発明の実施形態による車両用駆動装置1が搭載された車両100について説明する。図1において、太線は各装置間の機械的な接続を示し、破線による矢印は制御用の信号線を示している。図1に示すように、車両100には、エンジン2、トルクコンバータ3、自動変速機4、デファレンシャル17が、この順番に、直列に設けられている。デファレンシャル17には、ドライブシャフト16R,16Lを介して、車両100の駆動輪18R,18Lが接続されている。なお、駆動輪18R,18Lは、車両100の前輪又は後輪、或いは、前後輪である。また、車両100は、オイルポンプ5、エンジン制御部9、自動変速機制御部10、駆動輪回転速度検出部19、アクセルペダル51、アクセルストローク検出部52、出力軸トルク検出部61、及び変速段検出部62を有している。
アクセルペダル51は、エンジン2が出力する駆動トルクTeを可変に操作するためのものである。アクセルペダル51は、特許請求の範囲に記載の駆動トルク操作部に相当する。アクセルストローク検出部52は、アクセルペダル51のストロークであるアクセルストロークStaを検出し、その検出結果をエンジン制御部9に出力するセンサである。アクセルストローク検出部52は、特許請求の範囲に記載の操作量検出部に相当する。アクセルストロークStaは、特許請求の範囲に記載の操作量に相当する。
エンジン2は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用し、駆動トルクTeを出力するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等である。エンジン2は、特許請求の範囲に記載の駆動源に相当する。エンジン2は、ピストン(不図示)により回転駆動されるクランクシャフト2aを有している。エンジン2には、エンジン2のシリンダ(不図示)に連通し、シリンダに供給される空気が流通する吸気マニホールド21が設けられている。また、吸気マニホールド21やエンジン2のシリンダヘッド2bには、燃料供給装置22が設けられている。燃料供給装置22は、ガソリンや軽油等の燃料を供給する装置である。
エンジン2がガソリンエンジンである場合には、吸気マニホールド21には、スロットル23が設けられている。スロットル23は、吸気マニホールド21の流路断面積を可変にすることより、シリンダに吸入される空気量(混合気量)を調整し、駆動トルクTeを可変に操作するものである。スロットル23は、バルブ23a、スロットルアクチュエータ23b、及びスロットルポジション検出部23cを備えている。バルブ23aは、吸気マニホールド21の流路断面積を可変にするものであり、例えばバタフライバルブである。スロットルアクチュエータ23bは、エンジン制御部9からの指令によって、バルブ23aを駆動することにより、バルブ23aの開度(スロットル開度Thp)を調整するものである。スロットルポジション検出部23cは、スロットル開度Thp(操作量)を検出し、その検出結果をエンジン制御部9に出力するセンサである。エンジン2がガソリンエンジンである場合には、シリンダヘッド2bには、シリンダ(不図示)内の混合気を点火するための点火装置29が設けられている。
吸気マニホールド21には、エアフロメータ26、吸気圧検出部27、吸気温検出部28が設けられている。エアフロメータ26は、吸気マニホールド21内を流通する空気(吸気)の単位時間あたりの流量を検出し、その検出結果をエンジン制御部9に出力するものである。吸気圧検出部27は、吸気マニホールド21内を流通する空気の吸気圧を検出し、その検出結果をエンジン制御部9に出力するセンサである。吸気温検出部28は、吸気マニホールド21内を流通する空気の吸気温を検出し、その検出結果をエンジン制御部9に出力するセンサである。
クランクシャフト2aに隣接する位置には、クランクシャフト2aの回転速度であるエンジン回転速度Neを検出して、その検出結果をエンジン制御部9に出力するセンサであるエンジン回転速度検出部24が設けられている。エンジン2には、エンジン2を潤滑するエンジンオイルの油温tを検出して、その検出結果をエンジン制御部9に出力するセンサである油温検出部25が設けられている。
トルクコンバータ3は、エンジン2のクランクシャフト2aと自動変速機4の入力軸41との間に設けられている。トルクコンバータ3は、エンジン2からの駆動トルクTeを増幅させたうえで入力軸41に伝達して入力するものである。トルクコンバータ3は、カバー31、ポンプインペラ32、タービンランナ33、ロックアップクラッチ34、ロックアップコントロールバルブ37を備えている。
カバー31は、扁平な有底筒状であり、エンジン2のクランクシャフト2aに接続されている。カバー31の内部にはオイルが収容されている。ポンプインペラ32は、カバー31の開口部を閉塞するように、カバー31に接続されている。このような構成により、ポンプインペラ32は、カバー31を介してクランクシャフト2aに接続され、クランクシャフト2aと一体回転する。タービンランナ33は、ポンプインペラ32と対向して、カバー31の内部に配置されている。タービンランナ33は、入力軸41に接続され、入力軸41と一体回転する。カバー31とポンプインペラ32によって形成される空間には、オイルが満たされている。そして、ポンプインペラ32とタービンランナ33の間には、上記オイルが満たされている。エンジン2が出力する駆動トルクTeによってポンプインペラ32が回転すると、ポンプインペラ32の回転によって発生するオイルの螺旋流により、駆動トルクTeのトルクが増幅されてタービンランナ33に伝達される。
ロックアップクラッチ34は、カバー31とタービンランナ33とを係合又は解放することにより、エンジン2のクランクシャフト2aと入力軸41とが直結したロックアップ状態と、エンジン2のクランクシャフト2aと入力軸41との直結を解除して、エンジン2のクランクシャフト2aと入力軸41との間に回転差が生じるトルクコンバータ状態とに切り換えるものである。ロックアップクラッチ34は、ピストン34a、摩擦材34b、及びダンパー34cを備えている。
ピストン34aは、円板形状であり、タービンランナ33に相対回転不能且つ軸線移動可能に取り付けられている。ピストン34aは、カバー31の内壁面と対向している。ピストン34aは、カバー31の内部を液密に区画している。ピストン34aとタービンランナ33の間には、液密な第一室35が形成されている。ピストン34aとカバー31の内周面との間には、液密な第二室36が形成されている。ピストン34aのカバー31の内壁面と対向する位置に、摩擦材34bが設けられている。
第一室35に油圧が供給されると、ピストン34aがカバー31の内壁面に側に移動して、摩擦材34bがカバー31の内壁面に押し付けられる。すると、カバー31とタービンランナ33とが直結して、エンジン2と入力軸41が直結して、トルクコンバータ3がロックアップ状態となる。すると、クランクシャフト2aと入力軸41とが直結し、後述のオイルによるトルク伝達に比べて、クランクシャフト2aと入力軸41間におけるトルクの伝達ロスが低減される。
一方で、第二室36に油圧が供給されると、ピストン34aがタービンランナ33側に移動し、摩擦材34bがカバー31の内壁面から離れ、カバー31とタービンランナ33との直結が解除され、トルクコンバータ3がトルクコンバータ状態となる。すると、駆動トルクTeが、ポンプインペラ32とタービンランナ33の間にあるオイルによってトルクが増幅されて、ポンプインペラ32からタービンランナ33に伝達される。
ピストン34aには、コイルスプリング等の弾性体で構成されたダンパー34cが設けられている。トルクコンバータ3がロックアップ状態となった場合に、ダンパー34cが変位(伸縮)することにより、エンジン2から入力軸41に入力される駆動トルクTeのトルク変動が吸収される。
ロックアップコントロールバルブ37には、後述するオイルポンプ5からオイルが供給される。そして、ロックアップコントロールバルブ37は、自動変速機制御部10からの指令によって、供給されたオイルによる油圧を第一室35及び第二室36のいずれかに供給することにより、トルクコンバータ3をロックアップ状態にし、又はトルクコンバータ状態にする。
エンジン制御部9は、エンジン2を制御するものである。エンジン制御部9は、CPU、RAM、ROMや不揮発性メモリー等で構成された記憶部(いずれも不図示)を有している。CPUは、プログラムを実行する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶する。記憶部はプログラムや各種マップを記憶している。
エンジン制御部9は、アクセルストローク検出部52によって検出されたアクセルストロークSta(操作量)に基づいて、要求駆動トルクTerを演算する。エンジン2がガソリンエンジンである場合には、エンジン制御部9は、エンジン2が出力する駆動トルクTeが要求駆動トルクTerとなるように、燃料供給装置22の燃料供給量を調整するとともに、スロットル23のスロットル開度Thpを調整し、点火装置を制御する。エンジン2がディーゼルエンジンである場合には、エンジン制御部9は、エンジン2が出力する駆動トルクTeが要求駆動トルクTerとなるように、燃料供給装置22の燃料供給量を調整する。なお、アクセルペダル51が踏まれていない場合には(アクセルストロークSta=0)、エンジン回転速度Neはアイドリング回転速度(例えば、700r.p.m.)に維持される。
エンジン制御部9は、駆動トルク演算部9aを有している。駆動トルク演算部9aは、エンジン2が出力している駆動トルクTeを演算し、演算した駆動トルクTeを自動変速機制御部10に出力する。具体的には、駆動トルク演算部9aは、エアフロメータ26、吸気圧検出部27、及び吸気温検出部28からの検出結果に基づいて、エンジン2に供給されている単位時間当たりの酸素供給量を演算する。次に、駆動トルク演算部9aは、エンジン回転速度検出部24によって検出されたエンジン回転速度Ne、スロットルポジション検出部23cによって検出されたスロットル開度Thp(エンジン2がガソリンエンジンの場合)、及び油温検出部25によって検出されたエンジンオイルの油温tに基づいて、エンジン2において発生するフリクショントルクを演算する。次に、駆動トルク演算部9aは、エンジン回転速度検出部24によって検出されたエンジン回転速度Ne、上記演算した単位時間当たりの酸素供給量、燃料供給装置22が供給している単位時間当たりの燃料供給量、及び上記演算したフリクショントルクに基づいて、駆動トルクTeを演算する。
自動変速機4は、トルクコンバータ3とデファレンシャル17との間に設けられている。自動変速機4は、オイルタンク4a、入力軸41、出力軸42、複数の遊星歯車機構43、入力軸回転速度検出部44、出力軸回転速度検出部45、複数又は単一のATクラッチ46、複数又は単一のATブレーキ47、複数又は単一のATクラッチバルブ48、複数又は単一のATブレーキバルブ49、及び変速段検出部62を備えている。
入力軸41には、トルクコンバータ3を介してエンジン2からの駆動トルクTeが入力される。出力軸42は、デファレンシャル17を介して駆動輪18R,18Lに回転連結されている。複数の遊星歯車機構43は、入力軸41及び出力軸42に回転連結されている。ATクラッチ46は、複数の遊星歯車機構43の各要素(サンギヤ、キャリア、リングギヤ)同士を係脱可能に接続するものである。ATブレーキ47は、複数の遊星歯車機構43の要素を自動変速機4のハウジング(不図示)に係脱可能に連結するものである。
複数又は単一のATクラッチ46及び複数又は単一のATブレーキ47からなる係合要素のそれぞれが、係合状態又は解放状態に選択的に切り替えられることにより、複数の遊星歯車機構43の動力伝達経路が切り換えられる。複数の遊星歯車機構43の動力伝達経路の切換によって、入力軸41の回転速度(以下、入力軸回転速度Niと略す)を出力軸42の回転速度(以下、出力軸回転速度Noと略す)で除した変速比がそれぞれ異なる複数の変速段が形成される。ATクラッチ46及びATブレーキ47からなる係合要素は、油圧が供給されると係合状態となり、油圧の供給が停止されると(供給されている油圧が0になると)解放状態となる。
自動変速機4の変速時においては、複数の係合要素(ATクラッチ46、ATブレーキ47)のうち変速時に係合状態から解放状態にされる解放側係合要素が解放される。そして、複数の係合要素のうち変速時に解放状態から係合状態にされる係合側係合要素が係合される。
オイルタンク4aは、自動変速機4を構成する各要素やトルクコンバータ3に供給されるオイルが貯留されている。なお、オイルタンク4aは、自動変速機4と別体であっても、自動変速機4の下部にオイルパンを形成して構成しても差し支え無い。
オイルポンプ5は、本実施形態では、入力軸41の回転によって駆動される機械式のオイルポンプである。なお、オイルポンプ5は、モータによって駆動される電動オイルポンプであっても差し支え無い。オイルポンプ5は、オイルタンク4aからオイルを吸入して、ロックアップコントロールバルブ37、ATクラッチバルブ48、及びATブレーキバルブ49にオイルを供給する。
ATクラッチバルブ48は、オイルポンプ5と各ATクラッチ46との間の流路にそれぞれ設けられている。ATクラッチバルブ48は、自動変速機制御部10から出力された制御電流によって、オイルポンプ5とATクラッチ46間の流路の断面積を可変させ、又はこの流路を閉塞するリニア電磁弁である。ATクラッチバルブ48は、オイルポンプ5とATクラッチ46間の流路の断面積を可変させることにより、オイルポンプ5からATクラッチ46に供給される油圧を可変させる。また、ATクラッチバルブ48は、オイルポンプ5とATクラッチ46間の流路を閉塞することにより、オイルポンプ5からのATクラッチ46への油圧の供給を停止させる(ATクラッチ46に供給されている油圧を0にする)。
ATブレーキバルブ49は、オイルポンプ5と各ATブレーキ47との間の流路にそれぞれ設けられている。ATブレーキバルブ49は、自動変速機制御部10から出力された制御電流によって、オイルポンプ5とATブレーキ47間の流路の断面積を可変させ、又はこの流路を閉塞するリニア電磁弁である。ATブレーキバルブ49は、オイルポンプ5とATブレーキ47間の流路の断面積を可変させることにより、オイルポンプ5からATブレーキ47に供給される油圧を可変させる。また、ATブレーキバルブ49は、オイルポンプ5とATブレーキ47間の流路を閉塞することにより、オイルポンプ5からのATブレーキ47への油圧の供給を停止させる(ATブレーキ47に供給されている油圧を0にする)。
入力軸回転速度検出部44は、入力軸41に隣接する位置に設けられ、入力軸回転速度Ni(タービンランナ33の回転速度)を検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。入力軸回転速度検出部44は、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動を検出する特許請求の範囲に記載の入力軸振動検出部に相当する。
出力軸回転速度検出部45は、出力軸42に隣接する位置に設けられ、出力軸回転速度Noを検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。
出力軸トルク検出部61は、出力軸42に隣接する位置に設けられ、出力軸トルクToを検出して取得し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。出力軸トルクToは、出力軸42に作用している出力軸42の回転軸線周りに沿ったトルクである。出力軸トルク検出部61は、例えば、ロードセル等の歪みセンサ等で構成されている。出力軸トルクToと、車両100に作用している走行抵抗Rとは相関関係が有る。つまり、出力軸トルクToは、車両100に作用している走行抵抗Rに相当する走行抵抗相当値である。自動変速機制御部10は、出力軸トルク検出部61からの検出信号に基づいて、出力軸トルクToを演算する。自動変速機制御部10及び出力軸トルク検出部61は、特許請求の範囲に記載の走行抵抗相当値取得部に相当する。
出力軸回転速度検出部45は、出力軸42に隣接する位置に設けられ、出力軸回転速度Noを検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。
出力軸トルク検出部61は、出力軸42に隣接する位置に設けられ、出力軸トルクToを検出して取得し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。出力軸トルクToは、出力軸42に作用している出力軸42の回転軸線周りに沿ったトルクである。出力軸トルク検出部61は、例えば、ロードセル等の歪みセンサ等で構成されている。出力軸トルクToと、車両100に作用している走行抵抗Rとは相関関係が有る。つまり、出力軸トルクToは、車両100に作用している走行抵抗Rに相当する走行抵抗相当値である。自動変速機制御部10は、出力軸トルク検出部61からの検出信号に基づいて、出力軸トルクToを演算する。自動変速機制御部10及び出力軸トルク検出部61は、特許請求の範囲に記載の走行抵抗相当値取得部に相当する。
変速段検出部62は、自動変速機4において形成されている変速段を検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。
駆動輪回転速度検出部19は、駆動輪18R,18Lの回転速度(以下、駆動輪回転速度Nwと略す)を検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。
駆動輪回転速度検出部19は、駆動輪18R,18Lの回転速度(以下、駆動輪回転速度Nwと略す)を検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力するセンサである。
自動変速機制御部10は、自動変速機4を制御するものである。自動変速機制御部10は、CPU、RAM、ROMや記憶部(いずれも不図示)を有している。自動変速機制御部10は、エンジン制御部9と通信可能に接続されている。自動変速機制御部10は、認識変速段認識部10a、変速制御部10b、減衰時間演算部10c、補正減衰時間演算部10d、解放制御開始遅延部10e、認識変速段変更部10f、圧力指示勾配演算部10g、圧力指示勾配変更部10hを有している。
認識変速段認識部10aは、後で詳細に説明するように、アクセルストローク検出部52によって検出されたアクセルストロークSta、及び出力軸回転速度検出部45によって検出された出力軸回転速度Noに基づいて、自動変速機4において形成されるべき変速段である認識変速段を認識する。
変速制御部10bは、認識変速段認識部10aによって認識されている認識変速段が変更された場合に、ATクラッチバルブ48及びATブレーキバルブ49に駆動電流を供給して、これらを制御することにより、自動変速機4の変速段を認識変速段に変速する。具体的には、変速制御部10bは、変速時において、ATクラッチバルブ48及びATブレーキバルブ49の少なくとも一方を制御することにより、解放側係合要素(ATクラッチ46及びATブレーキ47の少なくとも一方)に供給される油圧を徐々に減少させて、解放側係合要素を解放状態にする。そして、変速制御部10bは、変速時において、ATクラッチバルブ48及びATブレーキバルブ49の少なくとも一方を制御することにより、係合側係合要素(ATクラッチ46及びATブレーキ47の少なくとも一方)に供給される油圧を徐々に増加させて、係合側係合要素を係合状態にする。
減衰時間演算部10cは、後述するように、入力軸回転速度検出部44によって検出された入力軸回転速度Niに基づいて、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が減衰する時間である減衰時間ΔTdを演算する。
補正減衰時間演算部10dは、後述するように、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間演算部10cによって演算された減衰時間ΔTdをより短い時間に補正した補正減衰時間ΔTdaを演算する。
補正減衰時間演算部10dは、後述するように、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間演算部10cによって演算された減衰時間ΔTdをより短い時間に補正した補正減衰時間ΔTdaを演算する。
解放制御開始遅延部10eは、後述するように、ロックアップクラッチ34がロックアップ状態であり、アクセルストローク検出部52によって検出されたアクセルストロークStaの変化に伴い、認識変速段認識部10aによって認識されている認識変速段が変更された場合に、解放制御開始遅延処理を実行する。具体的には、解放制御開始遅延部10eは、変速制御部10bによって解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を補正減衰時間ΔTdaが経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する。
認識変速段変更部10fは、後述するように、アクセルストローク検出部52によって検出されたアクセルストロークStaの変化に伴い、認識変速段認識部10aが認識する認識変速段が現在の変速段より低い変速段に変更した場合において、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが規定値以上である場合に、認識変速段認識部10aによって認識されている認識変速段をより低い変速段に変更する。
圧力指示勾配演算部10gは、演算された駆動トルクTeが大きい程、解放側係合要素に供給されている油圧の減少勾配、つまり、解放側圧力指示勾配を小さくする。また、圧力指示勾配演算部10gは、演算された駆動トルクTeが大きい程、係合側係合要素に供給されている油圧の増加勾配、つまり、係合側圧力指示勾配を大きくする。これにより、変速時において、解放側係合要素や係合側係合要素の滑りが防止される。
圧力指示勾配変更部10hは、後述するように、出力軸トルク検出部61によって検出されて取得された出力軸トルクToが大きい程、圧力指示勾配演算部10gによって演算された解放側圧力指示勾配をより大きな勾配となるように変更する。
自動変速機制御部10は、ATクラッチバルブ48やATブレーキバルブ49に供給している駆動電流に基づいて、ATクラッチ46やATブレーキ47に供給されている油圧を演算する。自動変速機制御部10は、出力軸回転速度検出部45によって検出された出力軸回転速度Noに基づいて、車両100の車速Vを演算する。
上記した、エンジン2、トルクコンバータ3、自動変速機4、オイルポンプ5、エンジン制御部9、自動変速機制御部10、駆動輪回転速度検出部19、アクセルペダル51、アクセルストローク検出部52、及び出力軸トルク検出部61を含めた構成が、本実施形態の車両用駆動装置1である。
(変速マップの説明)
以下に図2を用いて変速マップについて説明する。図2に示すように、変速マップは、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係を表した変速線を複数有している。増速方向に向かって(出力軸回転速度Noが遅い方から速い方に向かって)順に、2速アップ変速線、3速アップ変速線(図2の実線で示す)が設定されている。また、増速方向に向かって順に、1速ダウン変速線、2速ダウン変速線(図2の破線で示す)が設定されている。これ以上の変速段についても、同様に変速線が設定されている。
以下に図2を用いて変速マップについて説明する。図2に示すように、変速マップは、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係を表した変速線を複数有している。増速方向に向かって(出力軸回転速度Noが遅い方から速い方に向かって)順に、2速アップ変速線、3速アップ変速線(図2の実線で示す)が設定されている。また、増速方向に向かって順に、1速ダウン変速線、2速ダウン変速線(図2の破線で示す)が設定されている。これ以上の変速段についても、同様に変速線が設定されている。
認識変速段認識部10aは、変速マップを参照して、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaに対応する認識変速段を認識する。具体的には、図2において、自動変速機4の変速段が2速である状態(図2のP0)において、アクセルストロークStaが増加して、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係が1速ダウン変速線を越えると(図2のP1)、認識変速段認識部10aは、認識変速段を2速から1速に変更する。一方で、自動変速機4の変速段が1速である状態(図2のP2)において、アクセルストロークStaが減少して、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係が2速アップ変速線を越えると(図2のP3)、認識変速段認識部10aは、認識変速段を1速から2速に変更する。変速制御部10bは、自動変速機4の変速段が認識変速段となるように、解放側係合要素を解放状態にするとともに、係合側係合要素を係合状態にする。
(ロックアップマップの説明)
以下に図3を用いてロックアップマップについて説明する。図3に示すように、ロックアップマップは、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係を表したロックアップ線を複数有している。出力軸回転速度Noが遅い方から速い方に向かって順に、2速ロックアップOFF線、2速ロックアップON線、3速ロックアップOFF線、3速ロックアップON線が設定されている。これ以上の変速段についても、同様にロックアップ線が設定されている。
以下に図3を用いてロックアップマップについて説明する。図3に示すように、ロックアップマップは、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係を表したロックアップ線を複数有している。出力軸回転速度Noが遅い方から速い方に向かって順に、2速ロックアップOFF線、2速ロックアップON線、3速ロックアップOFF線、3速ロックアップON線が設定されている。これ以上の変速段についても、同様にロックアップ線が設定されている。
自動変速機制御部10は、ロックアップマップを参照して、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaに基づいて、トルクコンバータ3をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態のいずれかにする。具体的には、図3において、自動変速機4の変速段が2速であり、トルクコンバータ3がロックアップ状態である場合(図3のP0)において、アクセルストロークStaが増加して、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係が2速ロックアップOFF線を越えると(図3のP1)、自動変速機制御部10は、ロックアップコントロールバルブ37を制御して、トルクコンバータ3をトルクコンバータ状態にする。一方で、自動変速機4の変速段が2速であり、トルクコンバータ3がトルクコンバータ状態である場合(図3のP2)において、アクセルストロークStaが減少して、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係が2速ロックアップON線を越えると(図3のP3)、自動変速機制御部10は、ロックアップコントロールバルブ37を制御して、トルクコンバータ3をロックアップ状態にする。
(変速ショック低減制御の概要)
運転者がアクセルペダル51を踏み込み又は離すことにより、アクセルストロークStaが変化し、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係が、図2に示す変速線を越えた場合には、認識変速段が変更され、自動変速機4が認識変速段に変速される。そして、アクセルストロークStaの変化により、エンジン2が出力する駆動トルクTeが変動する。トルクコンバータ3がロックアップ状態である場合には、変動する駆動トルクTeがそのまま入力軸41に入力される。すると、入力軸41が回転軸線回りに捩れ、その後捩れが解消される。これにより、入力軸41が回転軸線回りに沿って振動し、図4に示すように、入力軸回転速度Niが増減を繰り返して振動し、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の特性値である入力軸回転速度Niの振幅が振動する。入力軸回転速度Niが振動している状態で、自動変速機4において変速が実行されると、変速ショックが発生する。
運転者がアクセルペダル51を踏み込み又は離すことにより、アクセルストロークStaが変化し、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係が、図2に示す変速線を越えた場合には、認識変速段が変更され、自動変速機4が認識変速段に変速される。そして、アクセルストロークStaの変化により、エンジン2が出力する駆動トルクTeが変動する。トルクコンバータ3がロックアップ状態である場合には、変動する駆動トルクTeがそのまま入力軸41に入力される。すると、入力軸41が回転軸線回りに捩れ、その後捩れが解消される。これにより、入力軸41が回転軸線回りに沿って振動し、図4に示すように、入力軸回転速度Niが増減を繰り返して振動し、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の特性値である入力軸回転速度Niの振幅が振動する。入力軸回転速度Niが振動している状態で、自動変速機4において変速が実行されると、変速ショックが発生する。
上記した変速ショックが発生する理由について以下に説明する。トルクコンバータ3がロックアップしている状態で、入力軸回転速度Niが振動すると、エンジン回転速度Neも増減を繰り返して振動する。駆動トルクTeはエンジン回転速度Neに基づいて演算されるので、エンジン回転速度Neが振動すると、演算された駆動トルクTeの値が増減を繰り返して振動する。上述したように、圧力指示勾配演算部10gは、演算された駆動トルクTeが大きい程、解放側係合要素に供給されている油圧の減少勾配、つまり、解放側圧力指示勾配を小さくする。また、圧力指示勾配演算部10gは、演算された駆動トルクTeが大きい程、係合側係合要素に供給されている油圧の増加勾配、つまり、係合側圧力指示勾配を大きくする。このため、駆動トルク演算部9aによって演算された駆動トルクTeが振動(変動)すると、解放側係合要素及び係合側係合要素に供給されている油圧もまた増減を繰り返す。この結果、この油圧の増減によるショックや、解放側係合要素及び係合側係合要素の係合トルクの変化によって、自動変速機4において変速ショックが発生する。
この変速ショックを低減させるために、解放制御開始遅延部10eは、解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を、入力軸回転速度Niの振動が殆ど減衰(低減)する時間である補正減衰時間ΔTdaが経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する(図5のT4)。そして、変速制御部10bは、補正減衰時間ΔTdaが経過してから、係合側係合要素を係合状態にする係合制御を開始させる(図5のT8)。これにより、自動変速機4の変速中において、解放側係合要素や係合側係合要素に供給されている油圧が増減を繰り返すことが抑制され、自動変速機4における変速ショックが抑制される。なお、補正減衰時間ΔTdaが経過した時点の時刻を、補正減衰時刻Tdaとする。
自動変速機制御部10(プリチャージ開始部)は、補正減衰時間ΔTdaが経過する前に、係合側係合要素が係合を開始する直前状態にまで、係合側係合要素に油圧を供給するプリチャージを実行する(図5のT2〜T3)。すると、係合側係合要素にオイルが充填される。これにより、係合側係合要素にオイルが充填されていない状態で、係合側係合要素にオイルが供給されることに起因する係合側係合要素の係合トルクの急激な増加が抑制される。このため、自動変速機4におけるショックの発生が抑制される。
上記したように、補正減衰時間ΔTdaが経過する前に、予めプリチャージが実行される。このため、係合側係合要素の係合可能時期が到来した時に(図5のT8)、プリチャージの完了(図5に示すオイル充填待ち時間)を待たずに、係合側係合要素の係合を開始させることができる。この結果、補正減衰時間ΔTdaが経過した後にプリチャージが開始される場合と比較して、自動変速機4における変速時間が短縮される。
本実施形態では、車両100に作用する走行抵抗Rの特性値である出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間ΔTdがより短い時間の補正減衰時間ΔTdaに補正される。これにより、車両100の走行抵抗Rが大きくなるに従って、解放側係合要素を解放状態にする解放制御が開始されるまでの待機時間である補正減衰時間ΔTdaがより短くなる。これにより、車両100の走行抵抗Rが大きくなるに従って、自動変速機4における変速時間がより短くなる。このため、解放制御開始遅延処理に伴う車両用駆動装置1の加速性能の低下が抑制され、車両用駆動装置1のドライバビリティの低下が抑制される。
なお、車両100に作用する走行抵抗Rとは、車両100が走行する時に、車両100に作用する抵抗である。車両100に作用する走行抵抗Rは、加速抵抗、勾配抵抗、転がり抵抗、及び空気抵抗の合計値である。加速抵抗とは、車両100の車速Vを増加させる場合に、車両100に作用する抵抗である。勾配抵抗とは、車両100が走行する路面勾配に応じて車両100に作用する抵抗であり、車両100の車重Wに比例し、登坂路では勾配θが大きくなるに従って大きくなり、降坂路では勾配θが大きくなるに従って小さくなる。転がり抵抗は、車両の車輪の抗力であり、車両100の車重Wが大きくなるに従って大きくなる。空気抵抗は、車両100の前影投影面積及び外観形状によって決まり、車両100の車速Vの2乗に比例する。出力軸トルクToと車両100の走行抵抗は、正の相関関係が有る。そこで、本実施形態では、出力軸トルク検出部61によって出力軸トルクToを検出することにより、車両100の走行抵抗Rに相当する走行抵抗相当値を取得する。そして、車両100の走行抵抗Rが大きくなるに従って、つまり、出力軸トルクToが大きくなるに従って、より短い時間の補正減衰時間ΔTdaが演算されるようにしている。
(変速制御)
以下に、図6に示すフローチャートを用いて、変速制御について説明する。車両100のイグニッションがONにされると、自動変速機制御部10は、変速制御を開始させて、プログラムをステップS10に進める。
以下に、図6に示すフローチャートを用いて、変速制御について説明する。車両100のイグニッションがONにされると、自動変速機制御部10は、変速制御を開始させて、プログラムをステップS10に進める。
ステップS10において、認識変速段認識部10aは、図2に示す変速マップを参照して、出力軸回転速度No及びアクセルストロークStaに基づいて、認識変速段が変更されたと判断した場合には(ステップS10:YES)、プログラムをステップS11に進める。一方で、認識変速段認識部10aは、認識変速段が変更されていないと判断した場合には(ステップS10:NO)、ステップS10の処理を繰り返す。
ステップS11において、自動変速機制御部10は、トルクコンバータ3がロックアップ状態であると判断した場合には(ステップS11:YES)、プログラムをステップS12に進める。一方で、自動変速機制御部10は、トルクコンバータ3がトルクコンバータ状態であると判断した場合には(ステップS11:NO)、プログラムをステップS30に進める。
ステップS12において、自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niの履歴を自身の記憶部に記憶させる処理を開始する。これにより、図4に示すように、入力軸回転速度Niの振動の記憶が開始される。図4において、基準入力軸回転速度Nibは、認識変速段が変更された時点の入力軸回転速度Niである。入力軸回転速度Niの振動の振幅は、入力軸回転速度Niから基準入力軸回転速度Nibを減算した値である。ステップS12が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS13に進める。
ステップS13において、自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niの単位時間当たりの変化量dNi/dtが、規定変化量A(図4示)以上であると判断した場合には(ステップS13:YES)、プログラムをステップS16に進める。一方で、自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niの単位時間当たりの変化量dNi/dtが規定変化量Aよりも小さいと判断した場合には(ステップS13:NO)、プログラムをステップS14に進める。なお、規定変化量Aは、入力軸回転速度Niの振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因するか、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因するかを判定するための閾値である。つまり、入力軸回転速度Niの単位時間当たりの変化量dNi/dtが規定変化量A以上である場合には、入力軸41の入力軸回転速度Niの振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因すると判定され、入力軸振動状態であると判定される。
ステップS14において、自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niの振動の振幅Amが規定振幅B(図4示)以上であると判断した場合には(ステップS14:YES)、プログラムをステップS16に進める。一方で、自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niの振動の振幅Amが規定振幅Bよりも小さいと判断した場合には(ステップS14:NO)、プログラムをステップS15に進める。なお、規定振幅Bは、入力軸回転速度Niの振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因するか、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因するかを判定するための閾値である。つまり、入力軸回転速度Niの振動の振幅Amが規定振幅B以上である場合には、入力軸回転速度Niの振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因すると判定され、入力軸振動状態であると判定される。
ステップS15において、自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niと駆動輪回転速度Nwとの振動周波数が異なると判断した場合には(ステップS15:YES)、プログラムをステップS16に進める。一方で、自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niと駆動輪回転速度Nwとの振動周波数が一致していると判断した場合には(ステップS15:NO)、プログラムをステップS30に進める。なお、入力軸回転速度Niと駆動輪回転速度Nwとの振動周波数が一致している場合には、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因していると判定される。一方で、入力軸回転速度Niと駆動輪回転速度Nwとの振動周波数が異なる場合には、入力軸41の入力軸回転速度Niの振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因すると判定され、入力軸振動状態であると判定される。
ステップS16において、自動変速機制御部10は、ステップS10でYESと判断された認識変速段の変更がより低い変速段への変更であったと判断した場合には(ステップS16:YES)、プログラムをステップS17に進める。一方で、自動変速機制御部10は、ステップS10でYESと判断された認識変速段の変更がより高い変速段への変更であったと判断した場合には(ステップS16:NO)、プログラムをステップS20に進める。
ステップS17において、自動変速機制御部10は、出力軸トルク検出部61によって検出された走行抵抗Rの特性値である出力軸トルクToが規定値以上であると判断した場合には(ステップS17:YES)、プログラムをステップS18に進める。一方で、自動変速機制御部10は、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが規定値よりも小さいと判断した場合には(ステップS17:NO)、プログラムをステップS20に進める。
ステップS18において、認識変速段変更部10fは、認識変速段を1つより低い変速段に変更する。ステップS18が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS20に進める。
ステップS20において、自動変速機制御部10は、図7に示す解放側係合要素変速ショック低減制御、及び図10に示す係合側係合要素変速ショック低減制御からなる変速ショック低減制御を実行する。これら解放側係合要素変速ショック低減制御及び係合側係合要素変速ショック低減制御については、後で説明する。ステップS20が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS10に戻す。
このように、アクセルストロークStaの変化によって、認識変速段が変更され(ステップS11:YES)、駆動トルクTeの変動に起因して入力軸回転速度Niが振動し、この振動が規定以上である入力軸振動状態である場合(ステップS13〜S15:YES)には、ステップS20において変速ショック低減制御が実行される。なお、ステップS13〜S15の処理は、後述する変速待ち時間(図5示)以内に実行される。
ステップS30において、自動変速機制御部10は、通常変速機制御を実行する。具体的には、変速制御部10bは、認識変速段が変更されて(図5のT1)から変速待ち時間が経過した時に(図5のT2)、解放側係合要素が解放状態となるまで解放側係合要素の油圧を徐々に低下させる解放制御を開始する。これと同時に、自動変速機制御部10(プリチャージ実行部)は、係合側係合要素の油圧をプリチャージ圧にしてプリチャージを実行する。なお、変速待ち時間の間に、認識変速段が変更された場合には、自動変速機制御部10は、認識変速段が変更される前の認識変速段への自動変速機4の変速を中止し、新たに変更された認識変速段に自動変速機4を変速させる制御を開始する。自動変速機制御部10は、プリチャージの実行後にプリチャージ時間が経過した時に(図5のT3)、係合側係合要素の油圧をプリチャージ圧よりも低いプリチャージ保持圧に保持する。なお、プリチャージ時間が経過した時(図5のT3)には、係合側係合要素には約80%のオイルが充填されている。
自動変速機制御部10は、係合可能時期が経過し(図5のT5)、係合側係合要素の油圧をプリチャージ保持圧に変更してから(図5のT3)、オイル充填待ち時間が経過した時(図5のT6)に、係合側係合要素が係合状態となるまで係合側係合要素の油圧を徐々に増大させる係合制御を開始させる。なお、係合可能時期とは、解放側係合要素の油圧が係合側係合要素の油圧と同一になるまで低下した時である。また、オイル充填待ち時間が経過した時(図5のT6)には、係合側係合要素には殆ど(例えば99%)オイルが充填されている。自動変速機制御部10は、係合側係合要素の油圧が規定係合油圧に達した時(図5のT10)に、係合側係合要素の油圧を係合側係合要素が完全に係合する(係合状態となる)完全係合油圧に増大させる。このように、自動変速機制御部10は、解放側係合要素を解放状態にするとともに、係合側係合要素を係合状態して、自動変速機4を変速する。
このように、トルクコンバータ3がトルクコンバータ状態である場合(ステップS11:NO)や、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因する場合には(ステップS15:NO)、ステップS30において通常変速制御が実行される。ステップS30が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS10に戻す。
(解放側係合要素変速ショック低減制御)
以下に、図7に示すフローチャートを用いて、解放側係合要素変速ショック低減制御について説明する。図6に示すステップS20の変速ショック低減制御が開始されると、自動変速機制御部10は、解放側係合要素変速ショック低減制御を開始し、プログラムをステップS52に進める。
以下に、図7に示すフローチャートを用いて、解放側係合要素変速ショック低減制御について説明する。図6に示すステップS20の変速ショック低減制御が開始されると、自動変速機制御部10は、解放側係合要素変速ショック低減制御を開始し、プログラムをステップS52に進める。
ステップS52において、自動変速機制御部10は、自身の記憶部に記憶されている入力軸回転速度Niの履歴を参照することにより、入力軸回転速度Niの振動の振幅が最大となる最大振幅Am1(図4示)を検出したと判断した場合には(ステップS52:YES)、プログラムをステップS53に進める。一方で、自動変速機制御部10は、最大振幅Am1を検出していないと判断した場合には(ステップS52:NO)、ステップS52の処理を繰り返す。自動変速機制御部10は、入力軸回転速度Niの振動の振幅の極大値v2(図4示)が、この極大値v2よりも前の入力軸回転速度Niの振動の振幅の極大値v1(図4示)よりも低下したと判断した場合に、極大値v1を最大振幅Am1として検出する。
ステップS53において、減衰時間演算部10cは、減衰一次関数Fg(図4示)を演算する。具体的には、減衰時間演算部10cは、最大振幅Am1(極大値v1)から最大振幅Am1の次に大きい振幅である第二振幅Am2(極大値v2)を減算することにより振幅減衰値ΔAmを演算する。次に、減衰時間演算部10cは、入力軸回転速度Niが最大振幅Am1となった時から第二振幅Am2となった時までの経過時間Δtを演算する。次に、自動変速機制御部10は、振幅減衰値ΔAmを経過時間Δtで除算することにより、減衰一次関数Fgの傾きを演算して、減衰一次関数Fgを演算する。このように演算された減衰一次関数Fgは、入力軸回転速度Niの振動の振幅の極大値の減衰を予測した直線であるといえる。ステップS53が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS54に進める。
ステップS54において、まず、減衰時間演算部10cは、図4に示すように、ステップS53で演算した減衰一次関数Fgと基準入力軸回転速度Nibとが交わる時刻を減衰時刻Tdとして演算する。減衰時刻Tdは、入力軸回転速度Niの振動の振幅が0にまで減衰した時刻であるとみなせる。次に、減衰時間演算部10cは、現在の時刻から減衰時刻Tdまでの時間である減衰時間ΔTdを演算する。ステップS54が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS55に進める。
ステップS55において、補正減衰時間演算部10dは、出力軸トルク検出部61によって検出されて取得された出力軸トルクToに基づいて、図8に示す第一係数マップを参照して、第一係数αを演算する。図8に示す第一係数マップは、出力軸トルクToと第一係数αとの関係を表したマップである。出力軸トルクToが0から規定トルク(例えば1500Nm)までは、第一係数マップは、第一係数αが1に設定されている。そして、出力軸トルクToが規定トルクよりも大きい領域では、第一係数マップは、出力軸トルクToが大きくなるに従って、より小さい第一係数αが設定されている。このステップS54において、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが0から規定トルクまでの値である場合には、第一係数αは1と演算される。一方で、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが規定トルクよりも大きい場合には、第一係数αは、検出された出力軸トルクToが大きくなるに従って、より小さい値(1よりも小さい値)に演算される。ステップS54が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS55に進める。
ステップS56において、自動変速機制御部10は、図9に示す第二係数マップを参照して、変速段検出部62によって検出された自動変速機4の現在の変速段に基づいて、第二係数βを演算する。図9に示すように、最高変速段(8速)から規定変速段(6速)までは、第二係数マップは、第二係数βが1に設定されている。そして、規定変速段(そ6速)よりも低い変速段では、第二係数マップは、変速段がより低くなるに従って、より小さい値の第二係数βが設定されている。このステップS56において、変速段検出部62によって検出された変速段が最高変速段から規定変速段までは、第二係数βは1と演算される。一方で、変速段検出部62によって検出された変速段が規定変速段よりも低い場合には、変速段検出部62によって検出された変速段が低くなるに従って、より小さい値(1よりも小さい値)の第二係数βが演算される。ステップS56が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS57に進める。
ステップS57において、補正減衰時間演算部10dは、ステップS54で演算された減衰時間ΔTd、ステップS55で演算された第一係数α、及びステップS56で演算された第二係数βを、下式(1)に代入して、補正減衰時間ΔTdaを演算する。
ΔTda=ΔTd×α×β…(1)
ΔTda:補正減衰時間
ΔTd:減衰時間
α:第一係数
β:第二係数
ステップS55,S57によって、走行抵抗Rの相当値である出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間ΔTdがより短い時間の補正減衰時間ΔTdaに演算される。また、ステップS56,S57によって、変速段検出部62によって検出された自動変速機4の変速段が低くなるに従って、減衰時間ΔTdがより短い時間の補正減衰時間ΔTdaに演算される。
ステップS57が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS58に進める。
ΔTda=ΔTd×α×β…(1)
ΔTda:補正減衰時間
ΔTd:減衰時間
α:第一係数
β:第二係数
ステップS55,S57によって、走行抵抗Rの相当値である出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間ΔTdがより短い時間の補正減衰時間ΔTdaに演算される。また、ステップS56,S57によって、変速段検出部62によって検出された自動変速機4の変速段が低くなるに従って、減衰時間ΔTdがより短い時間の補正減衰時間ΔTdaに演算される。
ステップS57が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS58に進める。
ステップS58において、解放制御開始遅延部10eは、ステップS54において減衰時間ΔTdが演算されてからステップS57で演算した補正減衰時間ΔTdaが経過したと判断した場合には(ステップS58:YES)、プログラムをステップS59に進める。一方で、自動変速機制御部10は、ステップS54において減衰時間ΔTdが演算されてから補正減衰時間ΔTdaが経過していないと判断した場合には(ステップS58:NO)、ステップS58の処理を繰り返す。
ステップS59において、変速制御部10bは、解放側係合要素が解放状態になるまで解放側係合要素に供給されている油圧を徐々に低下させる解放制御を開始する(図5のT4)。このステップS59の処理において、圧力指示勾配変更部10hは、出力軸トルク検出部61によって検出されて取得された出力軸トルクToが大きい程、圧力指示勾配演算部10gによって演算された解放側圧力指示勾配をより大きな勾配となるように変更する。これにより、出力軸トルクToが大きい程、つまり、走行抵抗Rが大きい程、解放側係合要素に供給される油圧の上昇度合いがより大きくなり、より短時間で、解放側係合要素が解放される。ステップS61が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS60に進める。
ステップS60において、自動変速機制御部10は、解放側係合要素が解放状態である(油圧が0)と判断した場合には(ステップS60:YES、図5のT9)、解放側係合要素変速ショック低減制御を終了する。一方で、自動変速機制御部10は、解放側係合要素が解放状態でないと判断した場合には(ステップS60:NO)、ステップS60の処理を繰り返す。
(係合側係合要素変速ショック低減制御)
以下に、図10に示すフローチャートを用いて、係合側係合要素変速ショック低減制御について説明する。図6に示すステップS20の変速ショック低減制御が開始されると、自動変速機制御部10は、係合側係合要素変速ショック低減制御を開始し、プログラムをステップS61に進める。
以下に、図10に示すフローチャートを用いて、係合側係合要素変速ショック低減制御について説明する。図6に示すステップS20の変速ショック低減制御が開始されると、自動変速機制御部10は、係合側係合要素変速ショック低減制御を開始し、プログラムをステップS61に進める。
ステップS61において、自動変速機制御部10は、認識変速段が変更されてから(図5のT1)、変速待ち時間が経過したと判断した場合には(ステップS61:YES)、プログラムをステップS62に進める。一方で、自動変速機制御部10は、認識変速段が変更されてから、変速待ち時間が経過していないと判断した場合には(ステップS61:NO)、ステップS61の処理を繰り返す。
ステップS62において、自動変速機制御部10は、係合側係合要素のプリチャージを実行する(図5のT2)。ステップS62が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS63に進める。
ステップS63において、自動変速機制御部10は、係合側係合要素のプリチャージの実行を開始してから(図5のT2)、プリチャージ時間が経過したと判断した場合には(ステップS63:YES、図5のT3)、プログラムをステップS64に進める。一方で、自動変速機制御部10は、係合側係合要素のプリチャージの実行を開始してから、プリチャージ時間が経過していないと判断した場合には(ステップS63:NO)、ステップS63の処理を繰り返す。
ステップS64において、自動変速機制御部10は、係合側係合要素に供給されている油圧をプリチャージ保持圧に低下させて保持する(図5のT3)。ステップS64が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS65に進める。
ステップS65において、自動変速機制御部10は、係合可能時期であると判断した場合には(ステップS65:YES、図5のT8)、プログラムをステップS67に進める。一方で、自動変速機制御部10は、係合可能時期でないと判断した場合には(ステップS65:NO)、ステップS65の処理を繰り返す。自動変速機制御部10は、解放側係合要素の油圧が係合側係合要素の油圧(プリチャージ保持圧)と同一になるまで低下した時を、係合可能時期(図5示)であると判断する。
ステップS66において、自動変速機制御部10は、係合側係合要素の油圧をプリチャージ保持圧に変更してから(図5のT3)、オイル充填待ち時間が経過したと判断した場合には(ステップS66:YES、図5のT6)、プログラムをステップS67に進める。一方で、自動変速機制御部10は、係合側係合要素の油圧をプリチャージ保持圧に変更してから、オイル充填待ち時間が経過していないと判断した場合には(ステップS66:NO)、ステップS66の処理を繰り返す。なお、殆どの場合には、図5に示すように、係合開始条件が成立した時(図5のT8)には、オイル充填待ち時間(図5のT6)が経過している。
ステップS67において、自動変速機制御部10は、係合側係合要素が係合状態となるように、係合側係合要素に供給される油圧を徐々に増大させる係合制御を開始する(図5のT8)。このステップS67の処理において、圧力指示勾配変更部10hは、出力軸トルク検出部61によって検出されて取得された出力軸トルクToが大きい程、圧力指示勾配演算部10gによって演算された係合側圧力指示勾配をより大きな勾配となるように変更する。これにより、出力軸トルクToが大きい程、つまり、走行抵抗Rが大きい程、係合側係合要素に供給される油圧の上昇度合いがより大きくなり、より短時間で、係合側係合要素が係合されて自動変速機4の変速が完了する。ステップS67が終了すると、自動変速機制御部10は、プログラムをステップS68に進める。
ステップS68において、自動変速機制御部10は、係合側係合要素の油圧が規定係合油圧に達したと判断した場合には(ステップS68:YES、図5のT11)、プログラムをステップS69に進める。一方で、自動変速機制御部10は、係合側係合要素の油圧が規定係合油圧に達していないと判断した場合には(ステップS68:NO)、ステップS68の処理を繰り返す。
ステップS69において、自動変速機制御部10は、係合側係合要素に供給される油圧を係合側係合要素が完全に係合する完全係合油圧に増大させる。ステップS69が終了すると、自動変速機制御部10は、係合側係合要素変速ショック低減制御を終了させる。
(本実施形態の効果)
以上の説明から明らかなように、解放制御開始遅延部10eは、ロックアップクラッチ34がロックアップ状態で、アクセルストローク検出部52によって検出されたアクセルストロークStaの変化によって認識変速段認識部10aによって認識されている認識変速段が変更された場合に(図6のステップS10:YES)、変速制御部10bによって解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を補正減衰時間ΔTda(図5のT4)が経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する。これにより、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が殆ど減衰してから、解放側係合要素の解放制御が開始される(図5のT4)。このため、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が大きく発生している時に、解放側係合要素の解放制御が開始されることに起因して発生する変速ショックが低減される。このように、トルクコンバータ3がロックアップ状態であっても、自動変速機4における変速ショックが低減されるので、ロックアップ領域を拡大させることができる。このため、車両100の燃費を向上させることができる。
以上の説明から明らかなように、解放制御開始遅延部10eは、ロックアップクラッチ34がロックアップ状態で、アクセルストローク検出部52によって検出されたアクセルストロークStaの変化によって認識変速段認識部10aによって認識されている認識変速段が変更された場合に(図6のステップS10:YES)、変速制御部10bによって解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を補正減衰時間ΔTda(図5のT4)が経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する。これにより、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が殆ど減衰してから、解放側係合要素の解放制御が開始される(図5のT4)。このため、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が大きく発生している時に、解放側係合要素の解放制御が開始されることに起因して発生する変速ショックが低減される。このように、トルクコンバータ3がロックアップ状態であっても、自動変速機4における変速ショックが低減されるので、ロックアップ領域を拡大させることができる。このため、車両100の燃費を向上させることができる。
また、補正減衰時間演算部10dは、出力軸トルク検出部61によって検出された出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間演算部10cによって演算された減衰時間ΔTdをより短い時間に補正した補正減衰時間ΔTdaを演算する、これにより、車両100に作用する走行抵抗Rの特性値である出力軸トルクToが大きくなるに従って、減衰時間ΔTdがより短い時間の補正減衰時間ΔTdaに補正される。このため、車両100の走行抵抗Rが大きくなるに従って、解放側係合要素を解放状態にする解放制御が開始されるまでの待機時間である補正減衰時間ΔTdaがより短くなる。この結果、車両100の走行抵抗Rが大きくなるに従って、自動変速機4における変速時間がより短くなる。よって、車両100の走行抵抗Rが大きく、車両100が加速し難い状況であっても、解放制御開始遅延処理に伴う車両用駆動装置1の加速性能の低下が抑制され、車両用駆動装置1のドライバビリティの低下が抑制される。
走行時の車両100に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値を取得する走行抵抗相当値取得部は、エンジン2から駆動輪18R,18Lの間に設けられている部材である出力軸42に付与されている出力軸42の回転軸線周りに沿ったトルクである出力軸トルクToを検出する出力軸トルク検出部61を有する。出力軸トルクToと、車両100に作用している走行抵抗Rとは相関関係が有るので、出力軸トルク検出部61によって、出力軸トルクToを、走行時の車両100に作用する走行抵抗Rに相当する走行抵抗相当値として直接的に検出することができる。このため、正確な走行抵抗相当値を取得することができる。
自動変速機4の変速段が低くなるに従って、運転者による車両100の加速要求はより大きくなる。そこで、補正減衰時間演算部10dは、変速段検出部62によって検出された自動変速機4の変速段が低くなるに従って、補正減衰時間ΔTdaをより短い時間に補正する(図7のステップS56、S57)。これにより、自動変速機4の変速段が低くなるに従って、補正減衰時間ΔTdaがより短い時間に補正され、より短時間で自動変速機4の変速が完了し、より短時間で車両100の加速が開始し、運転者の加速要求を満たすことができる。
認識変速段変更部10fは、アクセルストローク検出部52によって検出されたアクセルストロークStaの変化に伴い認識変速段認識部10aが認識する認識変速段が現在の変速段より低い変速段に変更した場合に(図6のステップS16:YES)、出力軸トルク検出部61が検出した出力軸トルクToが規定値以上である場合において、認識変速段認識部10aによって認識されている認識変速段をより低い変速段に変更する(ステップS18)。これにより、車両100に作用している走行抵抗Rに相当する出力軸トルクToが規定値以上である場合に、自動変速機4の変速段が更に低い変速段が変速される。このため、車両100に作用している走行抵抗Rが大きく、車両100が加速し難い状況であっても、自動変速機4の変速段がより低い変速段に変速されるので、車両100が加速し易くなり、車両用駆動装置1のドライバビリティが向上する。
また、自動変速機制御部10(プリチャージ開始部)は、入力軸振動状態である場合に(図6のステップS13、S14、S15でYESと判断)、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が殆ど減衰する補正減衰時刻Tda(図5のT4)の前に、プリチャージを開始させる(図5のT2)。これにより、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が減衰する前にプリチャージが開始される。このため、係合側係合要素の係合可能時期が到来した場合に(図10のステップS65でYESと判断、図5のT8)、プリチャージが完了しているので、オイル充填待ち時間(図5示)の経過を待たずに、直ちに係合側係合要素を係合状態にする係合制御を開始させることができる。一方で、図6のステップS30で実行される通常変速制御では、係合可能時期が到来した時には(図5のT5)、係合側係合要素へのオイルの充填が完了していないので、オイル充填待ち時間の経過を待って(図5のT6)、係合側係合要素を係合状態にする係合制御が開始される。上記したように、変速ショック低減制御では、オイル充填待ち時間(図5示)の経過を待たずに、係合側係合要素を係合状態にする係合制御が開始されるので、変速ショック低減制御が実行されることによる変速遅れ時間(図5のT10とT11との経過時間)が、変速開始遅延時間よりも短縮される。このため、通常変速制御と比べて、僅かな変速遅れ時間で、自動変速機4における変速ショックを抑制することができる。この結果、変速ショックを抑制しつつ、変速が遅れることによる車両の加速が遅れる等の車両100のドライバビリティの低下が抑制される。
減衰時間演算部10cは、入力軸回転速度検出部44によって検出された入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の振幅の複数の極大値v1、v2(図4示)である最大振幅Am1及び第二振幅Am2に基づいて減衰時刻Td(図4示)を演算する(図7のステップS54)。つまり、自動変速機制御部10は、上述したように、最大振幅Am1(極大値v1)及び第二振幅Am2(極大値v2)から、減衰一次関数Fg(図4示)を演算する(図7のステップS53)。そして、自動変速機制御部10は、減衰一次関数Fgと基準入力軸回転速度Nibとが交わる時刻を、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の振幅が規定減衰値(本実施形態では0)まで減衰する時刻である減衰時刻Tdとして演算する(図4示)。これにより、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の振幅が減衰する時刻である減衰時刻Tdが精度高く演算される。このため、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が減衰していない状態で、係合側係合要素が解放されることに起因して発生する変速ショックが確実に抑制される。また、減衰時刻Tdが、上記した解放制御の前に予め演算されるので、解放制御の開始の遅れが抑制される。
自動変速機制御部10(振動判定部)は、図6のステップS13〜S15において、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因するか、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因するかのいずれかを判定する。そして、自動変速機制御部10が、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因すると判定した場合に限り(図6のステップS13〜S15でYESと判断)、解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する。一方で、自動変速機制御部10は、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因する場合に、通常変速制御を実行する(図6のステップS30)。このため、変速ショック低減制御の実行が不必要であるにも関わらず、変速ショック低減制御が実行されることによる自動変速機4における変速遅れの発生が防止される。
本実施形態の発明者は、入力軸回転速度Niの単位時間あたりの変化量dNi/dtが規定変化量A以上(規定以上)である場合に、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因することを見出した。そこで、自動変速機制御部10(振動判定部)は、入力軸回転速度Niの単位時間あたりの変化量dNi/dtが規定変化量A以上(規定以上)である場合に(図6のステップS13でYESと判断、図4示)、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因すると判定する。これにより、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因するか、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因するかのいずれかが確実に判定される。このため、変速ショック低減制御の実行が不必要であるにも関わらず、変速ショック低減制御が実行されることによる自動変速機4における変速遅れの発生が確実に防止される。
本実施形態の発明者は、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の振幅Amが規定振幅B以上(規定以上)である場合に、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因することを見出した。そこで、自動変速機制御部10(振動判定部)は、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の振幅Amが規定振幅B以上(規定以上)である場合に(図6のステップS14でYESと判断、図4示)、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因すると判定する。これにより、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因するか、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因するかのいずれかが確実に判定される。このため、変速ショック低減制御の実行が不必要であるにも関わらず、変速ショック低減制御が実行されることによる自動変速機4における変速遅れの発生が確実に防止される。
本実施形態の発明者は、駆動輪18R,18Lの回転軸線回りに沿った振動の周波数と、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の周波数とが一致する場合に、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)が、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因することを見出した。そこで、自動変速機制御部10(振動判定部)は、駆動輪18R,18Lの回転軸線回りに沿った振動の周波数と、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の周波数とが一致する場合に(図6のステップS15でNOと判断)、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因すると判定する。これにより、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動が、アクセルストロークStaの変化による駆動トルクTeのトルク変動に起因するか、駆動輪18R,18Lに付与された衝撃に起因するかのいずれかが確実に判定される。このため、変速ショック低減制御が実行される必要が無いにも関わらず、変速ショック低減制御が実行されることによる自動変速機4における変速遅れの発生が確実に防止される。
(第一係数αの演算方法の第一の別例)
以下に、第一係数αの演算方法の第一の別例について説明する。この実施形態では、車両100の車重W及び車両100が走行する路面の勾配θを演算して、車両100に作用する走行抵抗Rを演算し、この走行抵抗Rに基づいて第一係数αを演算する。この実施形態では、車両100の前後方向(進行方向)の加速度である前後方向加速度aを検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力する加速度検出部65を有している。また、この実施形態では、自動変速機制御部10は、車両100に付与される走行抵抗Rを演算する走行抵抗演算部10iを有している。この実施形態では、走行時の車両100に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値を取得する特許請求の範囲に記載の走行抵抗相当値取得部は、駆動トルク演算部9aと、変速段検出部62と、加速度検出部65と、を有する。
以下に、第一係数αの演算方法の第一の別例について説明する。この実施形態では、車両100の車重W及び車両100が走行する路面の勾配θを演算して、車両100に作用する走行抵抗Rを演算し、この走行抵抗Rに基づいて第一係数αを演算する。この実施形態では、車両100の前後方向(進行方向)の加速度である前後方向加速度aを検出し、その検出結果を自動変速機制御部10に出力する加速度検出部65を有している。また、この実施形態では、自動変速機制御部10は、車両100に付与される走行抵抗Rを演算する走行抵抗演算部10iを有している。この実施形態では、走行時の車両100に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値を取得する特許請求の範囲に記載の走行抵抗相当値取得部は、駆動トルク演算部9aと、変速段検出部62と、加速度検出部65と、を有する。
走行抵抗演算部10iは、駆動トルク演算部9aによって演算された駆動トルクTe及び変速段検出部62によって検出された自動変速機4の変速段、及び予め判明しているデファレンシャル17のギヤ比や駆動輪18R,18Lの半径等の情報に基づいて、車両100の駆動力Fを演算する。走行抵抗演算部10iは、出力軸回転速度検出部45によって検出された出力軸回転速度Noに基づいて演算された車速Vを時間微分することにより、車両100の実加速度avを演算する。
次に、走行抵抗演算部10iは、加速度検出部65によって検出された前後方向加速度a及び上記演算した実加速度avを下式(2)に代入することにより、車両100が走行している勾配θを演算する。
θ=sin-1(a-av)/g…(2)
θ:車両100が走行している路面の勾配
a:前後方向加速度
av:実加速度
g:重力加速度
θ=sin-1(a-av)/g…(2)
θ:車両100が走行している路面の勾配
a:前後方向加速度
av:実加速度
g:重力加速度
次に、走行抵抗演算部10iは、車速Vを下式(3)に代入することにより、車両100に作用する空気抵抗Raを演算する。
Ra=λ・S・V2…(3)
Ra:空気抵抗
λ:車両100の空気抵抗係数
S:車両100の前影投影面積
V:車速
なお、車両100の空気抵抗係数λ及び車両100の前影投影面積Sは、予め判明していて、設定されている。
Ra=λ・S・V2…(3)
Ra:空気抵抗
λ:車両100の空気抵抗係数
S:車両100の前影投影面積
V:車速
なお、車両100の空気抵抗係数λ及び車両100の前影投影面積Sは、予め判明していて、設定されている。
次に、走行抵抗演算部10iは、上記演算した、駆動力F、実加速度av、勾配θ、及び空気抵抗Raを、下式(4)に代入して、車両100の車重Wを、演算する。
W={g(F−Ra)−Wr・av}/(av+g・sinθ+g・μ)…(4)
W:車重
g:重力加速度
F:駆動力
Ra:空気抵抗
Wr:車両100の動力伝達系の回転部分の慣性質量
av:実加速度
θ:勾配
μ:車両100の車輪の転がり抵抗係数
なお、車重Wには、車両100自体の車重だけでなく、車両100に乗っている人の質量、及び車両100に積載されている積荷の質量も含まれる。
また、車両100の動力伝達系の回転部分の慣性質量Wr、及び車両100の車輪の転がり抵抗係数μは、予め判明していて、予め設定されている。
W={g(F−Ra)−Wr・av}/(av+g・sinθ+g・μ)…(4)
W:車重
g:重力加速度
F:駆動力
Ra:空気抵抗
Wr:車両100の動力伝達系の回転部分の慣性質量
av:実加速度
θ:勾配
μ:車両100の車輪の転がり抵抗係数
なお、車重Wには、車両100自体の車重だけでなく、車両100に乗っている人の質量、及び車両100に積載されている積荷の質量も含まれる。
また、車両100の動力伝達系の回転部分の慣性質量Wr、及び車両100の車輪の転がり抵抗係数μは、予め判明していて、予め設定されている。
次に、走行抵抗演算部10iは、上記演算した車重Wを下式(5)に代入して、車両100に作用する転がり抵抗Rrを演算する。
Rr=μ・W・g…(5)
Rr:転がり抵抗
μ:車両100の車輪の転がり抵抗係数
W:車重
g:重力加速度
Rr=μ・W・g…(5)
Rr:転がり抵抗
μ:車両100の車輪の転がり抵抗係数
W:車重
g:重力加速度
次に、走行抵抗演算部10iは、上記演算した車重W及び勾配θ及を下式(6)に代入して、車両100に作用する勾配抵抗Reを演算する。
Re=W・g・sinθ…(6)
Re:勾配抵抗
W:車重
g:重力加速度
θ:勾配
Re=W・g・sinθ…(6)
Re:勾配抵抗
W:車重
g:重力加速度
θ:勾配
次に、走行抵抗演算部10iは、上記演算した車重W及び実加速度avを下式(7)に代入して、車両100に作用する加速抵抗Rcを演算する。
Rc=(W+Wr)・av…(7)
Rc:加速抵抗
W:車重
Wr:車両100の動力伝達系の回転部分の慣性質量
av:実加速度
Rc=(W+Wr)・av…(7)
Rc:加速抵抗
W:車重
Wr:車両100の動力伝達系の回転部分の慣性質量
av:実加速度
次に、走行抵抗演算部10iは、上記演算した空気抵抗Ra、ころがり抵抗Rr、勾配抵抗Re、及び加速抵抗Rcを下式(8)に代入して、車両100に作用する走行抵抗Rを演算する。
R=Ra+Rr+Re+Rc…(8)
R:走行抵抗
Ra:空気抵抗
Rr:ころがり抵抗
Re:勾配抵抗
Rc:加速抵抗
R=Ra+Rr+Re+Rc…(8)
R:走行抵抗
Ra:空気抵抗
Rr:ころがり抵抗
Re:勾配抵抗
Rc:加速抵抗
この実施形態では、図7のステップS55において、補正減衰時間演算部10dは、上記演算された走行抵抗Rに基づいて、図11に示す第一係数マップを参照して、第一係数αを演算する。図11に示す第一係数マップは、走行抵抗Rと第一係数αとの関係を表したマップである。走行抵抗Rが0から規定走行抵抗までは、第一係数マップは、第一係数αが1に設定されている。そして、走行抵抗Rが規定走行抵抗よりも大きい領域では、第一係数マップは、走行抵抗Rが大きくなるに従って、より小さい第一係数αが設定されている。このステップS54において、走行抵抗演算部10iによって演算された走行抵抗Rが0から所定走行抵抗までの値である場合には、第一係数αは1と演算される。一方で、走行抵抗演算部10iによって演算された走行抵抗Rが規定走行抵抗よりも大きい場合には、第一係数αは、演算された走行抵抗Rが大きくなるに従って、より小さい値(1よりも小さい値)に演算される。
また、この実施形態では、図6のステップS17の処理において、自動変速機制御部10は、走行抵抗演算部10iによって演算された走行抵抗Rが規定値以上であると判断した場合には(ステップS17:YES)、プログラムをステップS18に進める。一方で、自動変速機制御部10は、走行抵抗演算部10iによって演算された走行抵抗Rが規定値よりも小さいと判断した場合には(ステップS17:NO)、プログラムをステップS20に進める。
上述した説明から明らかなように、走行時に車両100に作用する走行抵抗Rに相当する走行抵抗相当値を取得する走行抵抗相当値取得部は、駆動トルクTeを演算する駆動トルク演算部9aと、自動変速機4において形成されている変速段を検出する変速段検出部62と、車両100に作用する前後方向の加速度である前後方向加速度aを検出する加速度検出部65と、を有する。アンチロックブレーキシステムや横滑り防止装置が搭載されている車両100であれば、前後方向加速度aを検出する加速度検出部65を有している。このため、アンチロックブレーキシステムや横滑り防止装置が搭載されている車両100であれば、既存の加速度検出部65を用いることにより、走行時に車両100に作用する走行抵抗Rを演算することができる。
(第一係数αの演算方法の第二の別例)
以下に、第一係数αの演算方法の第二の別例について説明する。この実施形態では、図4に示す入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1を車両100に作用する走行抵抗Rの特性値とし、この入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1に基づいて、第一係数αを演算する。走行中の車両100に作用する走行抵抗Rが大きくなるに従って、入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1は大きくなる。つまり、走行抵抗Rと入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1との間には、正の相関が有る。この実施形態では、自動変速機制御部10は、自身の記憶部に記憶されている入力軸回転速度Niの履歴を参照することにより、走行抵抗Rの特性値として入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1を演算する走行抵抗演算部10iを有している。
以下に、第一係数αの演算方法の第二の別例について説明する。この実施形態では、図4に示す入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1を車両100に作用する走行抵抗Rの特性値とし、この入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1に基づいて、第一係数αを演算する。走行中の車両100に作用する走行抵抗Rが大きくなるに従って、入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1は大きくなる。つまり、走行抵抗Rと入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1との間には、正の相関が有る。この実施形態では、自動変速機制御部10は、自身の記憶部に記憶されている入力軸回転速度Niの履歴を参照することにより、走行抵抗Rの特性値として入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1を演算する走行抵抗演算部10iを有している。
この実施形態では、図7のステップS55において、補正減衰時間演算部10dは、走行抵抗演算部10iによって演算された入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1に基づいて、図12に示す第一係数マップを参照して、第一係数αを演算する。図12に示す第一係数マップは、入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1と第一係数αとの関係を表したマップである。入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が0から規定振幅までは、第一係数マップは、第一係数αが1に設定されている。そして、入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が規定振幅よりも大きい領域では、第一係数マップは、入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が大きくなるに従って、より小さい第一係数αが設定されている。このステップS54において、走行抵抗演算部10iによって演算された入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が0から規定振幅までの値である場合には、第一係数αは1と演算される。一方で、走行抵抗演算部10iによって演算された入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が規定振幅よりも大きい場合には、第一係数αは、1よりも小さく、演算された入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が大きくなるに従って、より小さい値に演算される。
また、この実施形態では、図6のステップS17の処理において、自動変速機制御部10は、走行抵抗演算部10iによって演算された入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が規定値以上であると判断した場合には(ステップS17:YES)、プログラムをステップS18に進める。一方で、自動変速機制御部10は、走行抵抗演算部10iによって演算された入力軸回転速度の振動の最大振幅Am1が規定値よりも小さいと判断した場合には(ステップS17:NO)、プログラムをステップS20に進める。
(別の実施形態)
以上説明した実施形態では、走行時の車両100に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値を取得する走行抵抗相当値取得部は、出力軸42に作用している出力軸42の回転軸線周りに沿ったトルクである出力軸トルクToを検出する出力軸トルク検出部61である。しかし、走行抵抗相当値取得部は、クランクシャフト2aと駆動輪18R,18Lとの間の部材(クランクシャフト2aを含む)に作用している回転軸線周りに沿ったトルクTを検出するトルク検出部(不図示)であっても差し支え無い。この実施形態において、トルク検出部が出力軸42と駆動輪18R,18Lとの間の部材に作用している回転軸線周りに沿ったトルクTを検出する場合には、当該トルクTを走行時の車両100に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値として検出する。また、トルク検出部がクランクシャフト2aと入力軸41との間の部材(クランクシャフト2a及び入力軸41を含む)に作用している回転軸線周りに沿ったトルクTを検出する場合には、走行抵抗演算部10iは、以下に示す方法で、走行抵抗相当値を演算する。つまり、走行抵抗演算部10iは、トルク検出部によって検出されたトルクTを、変速段検出部62によって検出された変速段の減速比で除算した値を、走行抵抗相当値として演算する。そして、上述した例と同様に、補正減衰時間演算部10dは、上記走行抵抗相当値に基づいて第一係数αを演算する。これにより、トルク検出部によって検出されたトルクTが大きくなるに従って、つまり、走行抵抗Rが大きくなるに従って、より短い時間の補正減衰時間ΔTdaが演算され、自動変速機4の変速がより短時間で完了する。
以上説明した実施形態では、走行時の車両100に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値を取得する走行抵抗相当値取得部は、出力軸42に作用している出力軸42の回転軸線周りに沿ったトルクである出力軸トルクToを検出する出力軸トルク検出部61である。しかし、走行抵抗相当値取得部は、クランクシャフト2aと駆動輪18R,18Lとの間の部材(クランクシャフト2aを含む)に作用している回転軸線周りに沿ったトルクTを検出するトルク検出部(不図示)であっても差し支え無い。この実施形態において、トルク検出部が出力軸42と駆動輪18R,18Lとの間の部材に作用している回転軸線周りに沿ったトルクTを検出する場合には、当該トルクTを走行時の車両100に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値として検出する。また、トルク検出部がクランクシャフト2aと入力軸41との間の部材(クランクシャフト2a及び入力軸41を含む)に作用している回転軸線周りに沿ったトルクTを検出する場合には、走行抵抗演算部10iは、以下に示す方法で、走行抵抗相当値を演算する。つまり、走行抵抗演算部10iは、トルク検出部によって検出されたトルクTを、変速段検出部62によって検出された変速段の減速比で除算した値を、走行抵抗相当値として演算する。そして、上述した例と同様に、補正減衰時間演算部10dは、上記走行抵抗相当値に基づいて第一係数αを演算する。これにより、トルク検出部によって検出されたトルクTが大きくなるに従って、つまり、走行抵抗Rが大きくなるに従って、より短い時間の補正減衰時間ΔTdaが演算され、自動変速機4の変速がより短時間で完了する。
以上説明した実施形態では、ステップS54において、減衰時間演算部10cは、図4に示すように、ステップS53で演算した減衰一次関数Fgと基準入力軸回転速度Nibとが交わる時刻を減衰時刻Tdとして演算している。しかし、自動変速機制御部10が、ステップS53で演算した減衰一次関数Fgと、基準入力軸回転速度Nibよりも規定減衰値(0よりも大きい値)だけ速い回転速度とが交わる時刻を減衰時刻Tdとして演算する実施形態であっても差し支え無い。この実施形態では、減衰時刻Tdは、入力軸回転速度Niの振動の振幅が上記した規定減衰値まで減衰した時刻であるとみなせる。なお、この規定減衰値は、この規定減衰値によって演算される減衰時刻Tdが経過した際に、上記した解放制御が開始されても、自動変速機4において変速ショックが発生しないような値に設定されている。
以上説明した実施形態では、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動を検出する入力軸振動検出部は、入力軸回転速度検出部44である。しかし、入力軸振動検出部が、エンジン回転速度Neを検出するエンジン回転速度検出部24である実施形態であっても差し支え無い。トルクコンバータ3がロックアップされている状態では、クランクシャフト2aと入力軸41は一体回転する。このため、エンジン回転速度検出部24によって、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動を検出することができる。この実施形態の場合には、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の特性値は、エンジン回転速度Neの振幅や、エンジン回転速度Neの単位時間当たりの変化量である。
また、入力軸振動検出部は、クランクシャフト2aと入力軸41との間に設けられている部材(クランクシャフト2a及び入力軸41を含む)の回転軸線方向の歪みを検出し、当該部材に付与されているトルクを検出するトルク検出部(不図示)であっても差し支え無い。トルクコンバータ3がロックアップされている状態では、クランクシャフト2aと入力軸41は一体回転する。このため、トルク検出部によって、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動を検出することができる。この実施形態の場合には、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の特性値は、クランクシャフト2aと入力軸41との間に設けられている部材の回転軸線方向の歪みや、当該部材に付与されているトルクである。
また、入力軸振動検出部は、駆動トルクTeを演算する駆動トルク演算部9aであっても差し支え無い。トルクコンバータ3がロックアップされている状態では、クランクシャフト2aと入力軸41は一体回転し、入力軸回転速度Niの変動によってエンジン回転速度Neも変動する。このため、駆動トルク演算部9aが演算する駆動トルクTeも入力軸回転速度Niの変化によって変動する。よって、駆動トルク演算部9aが演算した駆動トルクTeによって、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動を検出することができる。この実施形態の場合には、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の特性値は、駆動トルクTeの振幅や、駆動トルクTeの単位時間あたりの変化量である。
また、入力軸振動検出部は、出力軸回転速度検出部45であっても差し支え無い。また、入力軸振動検出部は、出力軸42の回転軸線方向の歪みを検出し、出力軸42に付与されている出力軸トルクToを検出する出力軸トルク検出部61であっても差し支え無い。入力軸41と出力軸42とは、複数の遊星歯車機構43によって回転連結されている。このため、出力軸回転速度検出部45や出力軸トルク検出部61によって、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動を検出することができる。この実施形態の場合には、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動の特性値は、出力軸回転速度Noの振幅や、出力軸回転速度Noの単位時間当たりの変化量、出力軸42の回転軸線方向の歪み、出力軸トルクToである。
図6の変速制御において、ステップS13、S14、S15は、任意の順番で実行されても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の振幅の複数の極大値v1、v2(図4示)である最大振幅Am1及び第二振幅Am2に基づいて、減衰時刻Tdが演算される。つまり、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の振幅の減衰に基づいて、減衰時刻Tdが演算される。しかし、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の周波数(特性値)の減衰に基づいて、減衰時刻Tdが演算される実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の周波数(特性値)が、規定周波数(規定減衰値)まで減衰する時が、減衰時刻Tdとして演算される。
以上説明した実施形態では、図7のステップS53において、減衰時間演算部10cは、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の振幅の複数の極大値v1、v2(図4示)に基づいて、減衰一次関数Fgを演算している。しかし、減衰時間演算部10cが、入力軸41の回転軸線回りに沿った振動(入力軸回転速度Niの振動)の振幅の複数の極小値v3、v4(図4示)に基づいて、減衰一次関数Fgを演算する実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、図10のステップS65において、自動変速機制御部10は、解放側係合要素の油圧が係合側係合要素の油圧(プリチャージ保持圧)と同一になるまで低下した時を、係合可能時期であると判断している。しかし、自動変速機制御部10が、解放側係合要素の油圧が係合側係合要素の油圧と同一になる時から所定時間だけ後の時又は前の時を、係合可能時期であると判断する実施形態であっても差し支え無い。
以上説明した実施形態では、変速マップは、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係を表した変速線を複数有している。しかし、変速マップが、出力軸回転速度Noとスロットル開度Thpとの関係を表した変速線を複数有している実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、認識変速段認識部10aは、変速マップを参照して、出力軸回転速度Noとスロットル開度Thpに対応する認識変速段を認識する。この実施形態の場合には、エンジン2が出力する駆動トルクTeを可変に操作するための駆動トルク操作部は、スロットル23である。また、スロットル23(駆動トルク操作部)の操作量を検出する操作量検出部は、スロットルポジション検出部23cである。
また、変速マップが、車速VとアクセルストロークStaとの関係を表した変速線を複数有している実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には認識変速段認識部10aは、変速マップを参照して、車速VとアクセルストロークStaに対応する認識変速段を認識する。
また、変速マップが、車速Vとスロットル開度Thpとの関係を表した変速線を複数有している実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、認識変速段認識部10aは、変速マップを参照して、車速Vとスロットル開度Thpに対応する認識変速段を認識する。
以上説明した実施形態では、ロックアップマップは、出力軸回転速度NoとアクセルストロークStaとの関係を表したロックアップ線を複数有している。しかし、ロックアップマップが、出力軸回転速度Noとスロットル開度Thpとの関係を表したロックアップ線を複数有している実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、自動変速機制御部10は、ロックアップマップを参照して、出力軸回転速度Noとスロットル開度Thpに基づいて、トルクコンバータ3をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態のいずれかにする。
また、ロックアップマップが、車速VとアクセルストロークStaとの関係を表したロックアップ線を複数有している実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、自動変速機制御部10は、ロックアップマップを参照して、車速VとアクセルストロークStaに基づいて、トルクコンバータ3をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態のいずれかにする。
また、ロックアップマップが、車速Vとスロットル開度Thpとの関係を表したロックアップ線を複数有している実施形態であっても差し支え無い。この実施形態の場合には、自動変速機制御部10は、ロックアップマップを参照して、車速Vとスロットル開度Thpに基づいて、トルクコンバータ3をトルクコンバータ状態又はロックアップ状態のいずれかにする。
以上説明した実施形態では、自動変速機制御部10は、出力軸回転速度検出部45によって検出された出力軸回転速度Noに基づいて、車両100の車速Vを演算している。しかし、自動変速機制御部10が、車両100の車輪の回転速度を検出する車輪速検出部に基づいて、車両100の車速Vを演算する実施形態であっても差し支え無い。
また、本発明の車両用駆動装置1は、多板式のロックアップクラッチ34にも適用可能である。
また、本発明の車両用駆動装置1は、多板式のロックアップクラッチ34にも適用可能である。
以上説明した実施形態では、駆動トルクTeを出力する駆動源は、エンジン2である。しかし、駆動トルクTeを出力する駆動源がモータである実施形態であっても差し支え無い。
2…エンジン(駆動源)、3…トルクコンバータ、4…自動変速機、9…エンジン制御部、9a…駆動トルク演算部、10…自動変速機制御部(走行抵抗相当値取得部)、10a…認識変速段認識部、10b…変速制御部、10c…減衰時間演算部、10d…補正減衰時間演算部、10e…解放制御開始遅延部、10f…認識変速段変更部、10g…圧力指示勾配演算部、10h…圧力指示勾配変更部、10i…走行抵抗演算部、18R,18L…駆動輪、19…駆動輪回転速度検出部、34…ロックアップクラッチ、41…入力軸、42…出力軸、44…入力軸回転速度検出部(入力軸振動検出部)、46…ATクラッチ(係合要素)、47…ATブレーキ(係合要素)、51…アクセルペダル(駆動トルク操作部)、52…アクセルストローク検出部(操作量検出部)、61…出力トルク検出部(走行抵抗相当値取得部)、62…変速段検出部、65…加速度検出部(走行抵抗相当値取得部)
Claims (5)
- 駆動源が出力する駆動トルクが入力される入力軸と、車両の駆動輪に回転連結された出力軸と、油圧によって係合状態又は解放状態が選択的に切り替えられて前記入力軸の回転速度を前記出力軸の回転速度で除した変速比がそれぞれ異なる複数の変速段を形成する複数の係合要素と、を備えた自動変速機と、
前記駆動源と前記入力軸との間に設けられ、前記駆動源から出力された前記駆動トルクを前記入力軸に伝達し、前記駆動源と前記入力軸とが直結したロックアップ状態と、前記駆動源と前記入力軸との直結を解除して前記駆動源と前記入力軸との間に回転差が生じるトルクコンバータ状態とに切り換えるロックアップクラッチを備えたトルクコンバータと、
前記駆動源が出力する前記駆動トルクを可変に操作するための駆動トルク操作部と、
前記駆動トルク操作部の操作量を検出する操作量検出部と、
前記操作量検出部によって検出された前記操作量、及び前記出力軸の回転速度又は前記車両の車速に基づいて、前記自動変速機において形成されるべき前記変速段である認識変速段を認識する認識変速段認識部と、
前記認識変速段認識部によって認識されている前記認識変速段が変更された場合に、複数の前記係合要素に付与される油圧を制御して、複数の前記係合要素のうち変速時に係合状態から解放状態にされる解放側係合要素を解放状態にするとともに、複数の前記係合要素のうち変速時に解放状態から係合状態にされる係合側係合要素を係合状態にすることにより、前記自動変速機の前記変速段を前記認識変速段に変速する変速制御部と、
前記入力軸の回転軸線回りに沿った振動を検出する入力軸振動検出部と、
前記入力軸振動検出部によって検出された前記入力軸の回転軸線回りに沿った振動の特性値に基づいて、前記入力軸の回転軸線回りに沿った振動が減衰する時間である減衰時間を演算する減衰時間演算部と、
走行時の前記車両に作用する走行抵抗に相当する走行抵抗相当値を取得する走行抵抗相当値取得部と、
前記走行抵抗相当値取得部によって取得された前記走行抵抗相当値が大きくなるに従って、前記減衰時間演算部によって演算された前記減衰時間をより短い時間に補正した補正減衰時間を演算する補正減衰時間演算部と、
前記ロックアップ状態で、前記操作量検出部によって検出された前記操作量の変化に伴い前記認識変速段認識部によって認識されている前記認識変速段が変更された場合に、前記変速制御部によって前記解放側係合要素を解放状態にする解放制御の開始を前記補正減衰時間が経過するまで遅延させる解放制御開始遅延処理を実行する解放制御開始遅延部と、を有する車両用駆動装置。 - 前記走行抵抗相当値取得部は、前記駆動源から前記駆動輪の間に設けられている部材に付与されている前記部材の回転軸線周りに沿ったトルクを検出するトルク検出部を有する請求項1に記載の車両用駆動装置。
- 前記走行抵抗相当値取得部は、
前記駆動トルクを演算する駆動トルク演算部と、
前記自動変速機において形成されている前記変速段を検出する変速段検出部と、
前記車両に作用する前後方向の加速度である前後方向加速度を検出する加速度検出部と、を有する請求項1に記載の車両用駆動装置。 - 前記自動変速機において形成されている前記変速段を検出する変速段検出部を有し、
前記補正減衰時間演算部は、前記変速段検出部によって検出された前記変速段が低くなるに従って、前記補正減衰時間をより短い時間に補正する請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。 - 前記操作量検出部によって検出された前記操作量の変化に伴い前記認識変速段認識部が認識する前記認識変速段が現在の前記変速段より低い前記変速段に変更した場合に、前記走行抵抗相当値取得部によって取得された前記走行抵抗相当値が規定値以上である場合において、前記認識変速段認識部によって認識されている前記認識変速段をより低い前記変速段に変更する認識変速段変更部を有する請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用駆動装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11118677B2 (en) | 2019-05-16 | 2021-09-14 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Transmission control device of automatic transmission device |
US11125321B2 (en) * | 2019-05-16 | 2021-09-21 | Aisin Seiki Kabushiki Kaisha | Gear shift control device for automatic transmission device |
US12071016B2 (en) | 2022-04-12 | 2024-08-27 | Honda Motor Co., Ltd. | Torque control based on gear shift |
-
2017
- 2017-01-11 JP JP2017002324A patent/JP2018112234A/ja active Pending
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