JP2018111616A - リチウムスズ硫化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン伝導度が高くリチウムイオン二次電池用の固体電解質として使用することができる化合物を提供する。【解決手段】リチウム、スズ及び硫黄を構成元素として含み、前記リチウムと前記スズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜7.0であり、前記硫黄と前記スズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.5であり、CuKα線によるX線回折図における回折角2θ= 10°〜80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、少なくとも、25.5°に最強ピーク又は2番目に強いピークを有する、結晶性リチウムスズ硫化物。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムスズ硫化物に関する。
リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度電池として注目され、携帯機器(小型民生用途)のみならず、車載用、社会インフラ等の定置用途にも用途が拡大している。これら大型リチウムイオン二次電池への要求の一つとして、安全性の向上が挙げられる。通常のリチウムイオン二次電池(以後液系と略記)には有機電解液が使用され、粘度低下剤として消防法危険物第4類の第二石油類に該当する可燃性の低沸点溶媒(炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等)が大量に含まれるため、電池の発火、発煙の懸念がある。安全性の向上のための企業努力は行われているものの、構成部材の変更、つまり電解液をより可燃性の低い固体電解質に変更し、材料構成上、飛躍的な安全性向上が図れれば、安全性配慮のためのコスト低減がはかれ、産業上きわめて有用である。
固体電解質には高分子系と無機系があるが、高分子系は現状室温以下でのイオン伝導度が低く、60℃以上でないと液系に近い十分な電池作動が見込めない。一方、無機系には酸化物系と硫化物系があるが、酸化物系はイオン伝導度が高いものの、成形性が低く脆いためプレスのみによる電池構築が困難という問題がある。
このような固体電解質としては、種々の化合物が見出されているが、いまだ十分とは言えず、さらに他の固体電解質が所望されている。
T. Kaib et al., J. Mater. Chem. A, 24 (11) 2211-2219 (2012).
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、イオン伝導度が高くリチウムイオン二次電池用の固体電解質として使用することができる化合物を提供することである。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、特定の組成を有し、特定のX線回折パターンを有する硫化物が、今までにない結晶構造を有しており、また、固体電解質として有用であることを見出した。本発明は、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、完成されたものである。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.リチウム、スズ及び硫黄を構成元素として含み、
前記リチウムと前記スズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜7.0であり、
前記硫黄と前記スズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.5であり、
CuKα線によるX線回折図における回折角2θ= 10°〜80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、少なくとも、25.5°に最強ピーク又は2番目に強いピークを有する、結晶性リチウムスズ硫化物。
項2.リチウムとスズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜5.0であり、硫黄とスズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.0であるリチウムスズ硫化物からなる結晶相を少なくとも有する、項1に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
項3.さらに、リチウムと硫黄との組成比(Li/S)がモル比で1.0〜3.0であるリチウム硫化物からなる結晶相を有する、項2に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
項4.前記2θ= 25.5°のピークの半値幅が0.20〜1.05°である、項1〜3のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
項5.CuKα線によるX線回折図における回折角2θ= 10°〜80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、さらに、27.9°、38.0°、45.0°及び50.1°にピークを有する、項1〜4のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
項6.平均粒子径が1〜30μmである、項1〜5のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
項7.項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物の製造方法であって、
原料として、硫化リチウム及び硫化スズを用い、メカニカルミリング処理に供する工程
を備える、製造方法。
項8.前記硫化リチウムの使用量が、前記硫化スズ1モルに対して、1.5〜3.5モルである、項7に記載の製造方法。
項9.項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物からなるリチウムイオン二次電池用固体電解質。
項10.項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物、又は項9に記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池。
本発明のリチウムスズ硫化物は、イオン伝導度が高くリチウムイオン二次電池の固体電解質として有用である。
実施例1〜3で得られたLi4SnS4粉末のX線回折パターンを示す。原料であるLi2S粉末及びSnS2粉末のピークとともに示す。なお、2θ= 10〜25°付近には大気暴露防止のために用いたポリマー製の大気非暴露フォルダーによる影響も確認されている可能性がある。 実施例1で得られたLi4SnS4粉末の高エネルギーX線を用いたX線回折パターンを示す。なお、大気暴露防止のために用いたカプトン(登録商標)のピークも検出されている。 実施例1で得られたLi4SnS4粉末の高エネルギーX線を用いたX線回折測定より得られた二体分布関数g(r)である。 実施例1で得られたLi4SnS4粉末の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例4〜6で得られたLi6SnS5粉末のX線回折パターンを示す。実施例1の試料、原料であるLi2S粉末及びSnS2粉末のピークとともに示す。なお、2θ= 10〜25°付近には大気暴露防止のために用いたポリマー製の大気非暴露フォルダーによる影響も確認されている可能性がある。
1.結晶性リチウムスズ硫化物
本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、リチウム、スズ及び硫黄を構成元素として含み、前記リチウムと前記スズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜7.0であり、前記硫黄と前記スズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.5であり、CuKα線によるX線回折図における回折角2θ= 10°〜80°の範囲内において、±1.0°(特に±0.5°)の許容範囲で、少なくとも、25.5°に最強ピーク又は2番目に強いピークを有する硫化物である。上記のような特徴を有する本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、既報にはない結晶構造を有する化合物であり、高いイオン伝導度を得ることができる。なお、本明細書において、「最強ピーク」とは、強度が最も高いピークを意味し、「2番目に強いピーク」とは、強度が2番目に強いピークを意味する。
なお、本発明において、X線回折スペクトルは、粉末X線回折測定法によって求められるものであり、例えば、以下の測定条件:
X線源:CuKα 40kV−40mA
測定条件:2θ=10〜80°、0.01°ステップ、走査速度0.5秒/ステップ
で測定することができる。
本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、上記した2θ位置に回折ピークを有するが、結晶性が良好な硫化物については、その結晶性の程度によって、回折角2θ= 10〜80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、27.9°、38.0°、45.0°及び50.1°の少なくとも1箇所(特に全て)にも、回折ピークが認められる。また、さらに結晶性が良好な硫化物については、その結晶性の程度によって、回折角2θ= 10〜80°の範囲内において、±1.0°(特に±0.5°)の許容範囲で、27.0°、30.2°、31.3°、52.8°、53.8°、55.6°、60.4°、65.3°、69.5°及び72.0°の少なくとも1箇所にも、回折ピークが認められる。
本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、リチウムとスズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜5.0(特に3.5〜4.5)であり、硫黄とスズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.0(特に3.5〜4.5)であるリチウムスズ硫化物からなる結晶相を少なくとも有している。このリチウムスズ硫化物からなる結晶相は、上記した2θ= 25.5°の位置に強いピークを有しており、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物が上記したリチウムスズ硫化物からなる結晶相の単相である場合には2θ= 25.5°のピークが最強ピークである。
一方、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物の組成が、リチウムとスズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜5.0であり、硫黄とスズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.0である組成以外の場合(例えば、Li/Snがモル比で5.0〜7.0(特に5.0〜6.3)でありS/Snがモル比で4.0〜5.5(特に4.0〜5.3)である場合等)には、上記したリチウムスズ硫化物からなる結晶相だけでなく、リチウムと硫黄との組成比(Li/S)がモル比で1.0〜3.0(特に1.5〜2.5)であるリチウム硫化物からなる結晶相も有する。この場合には、2θ= 27.0°のピークが最強ピークになり、2θ= 25.5°のピークが2番目に強いピークになることもある。
このような結晶構造を採用することにより、イオン伝導度をさらに高くすることも可能である。
また、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、前記2θ= 25.5°のピークの半値幅は0.20〜1.05°が好ましく、0.25〜0.85°がより好ましい。前記最強ピークの半値幅がこの範囲に存在していることにより、高導電性の結晶子と、粒界抵抗をさらに低減することで粒子間のイオン伝導を補助する低結晶性の成分が共存しやすくし、導電性と成型性をより兼ね備えたち密成型体を構築しやすくすることができる。
本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、上記の回折ピークを有するものであるが、各元素の比率については、特に、組成式:Lin1SnSm1で表した場合に、n1及びm1が、それぞれn1= 4、m1= 4のときに、本発明のリチウムスズ硫化物の結晶構造が最も安定化されると考えられる。また、n1及びm1が、n1≒2(m1)-4且つn1>4の関係を満たす時、例えばn1= 6、m1= 5である場合には、前記の結晶構造を有するリチウムスズ硫化物結晶相とリチウム硫化物結晶相との二相構造になると考えられる。このような観点から、リチウムLiとスズSnとの組成比Li/Snは、モル比で3.0〜7.0、好ましくは3.5〜6.5であり、硫黄SとスズSnとの組成比S/Snは、モル比で3.0〜5.5、好ましくは3.5〜5.3である。具体的には、Li/Snが3.5〜4.5、S/Snが3.5〜4.5のときに、特に前記のリチウムスズ硫化物結晶相からなる結晶構造を安定化することができる。Li/Snが4.0〜7.0、S/Snが4.0〜5.5のときには、特に前記の結晶構造を有するリチウムスズ硫化物結晶相とリチウム硫化物結晶相との二相構造を取ることができる。
このような条件を満たす結晶性リチウムスズ硫化物としては、具体的には、一般式(1):
Lin1SnSm1 (1)
[式中、n1及びm1は、3.0≦n1≦7.0(好ましくは3.5≦n1≦6.5);3.0≦m1≦5.5(好ましくは3.5≦m1≦5.3)を満たす。]
で表される結晶性リチウムスズ硫化物が挙げられる。なかでも、一般式(1A):
Lin1SnSm1 (1A)
[式中、n1及びm1は、3.0≦n1≦5.0(好ましくは3.5≦n1≦4.5);3.0≦m1≦5.0(好ましくは3.5≦m1≦4.5)を満たす。]
で表される結晶性リチウムスズ硫化物は異相の少ない結晶構造を取ることができ、一般式(1B):
Lin1SnSm1 (1B)
[式中、n1及びm1は、4.0≦n1≦7.0(好ましくは4.0≦n1≦6.5);4.0≦m1≦5.5(好ましくは4.0≦m1≦5.3)を満たす。]
で表される結晶性リチウムスズ硫化物は前記の結晶構造を有するリチウムスズ硫化物結晶相とリチウム硫化物結晶相との二相構造を取ることができるため好ましい。
なお、二相構造を取る場合、各相の存在比は特に制限されないが、上記リチウムスズ硫化物結晶相が優れたイオン伝導性を有することから、上記リチウムスズ硫化物結晶相の存在量が多いことが好ましい。このような観点から、上記リチウムスズ硫化物結晶相は10〜95モル%(特に30〜90モル%)が好ましく、リチウム硫化物結晶相は5〜90モル%(特に10〜70モル%)が好ましい。
なお、前記の結晶構造が最も安定化される結晶性リチウムスズ硫化物の組成は、Li4SnS4であり、Li6SnS5組成ではLi4SnS4結晶相とLi2S結晶相との二相構造を取ることができる。
また、上記一般式(1):Lin1SnSm1におけるn1とm1との関係については、n1=m1≒4であるとき、結晶性を高くしやすいため好ましい。なお、n1≠m1であっても、n1 ≒2(m1)-4であれば、上記した二相構造を取ることによりスズを含む結晶相の陽イオンと陰イオンのバランスを取ることができるため、前記のリチウムスズ硫化物結晶相からなる結晶構造を有するリチウムスズ硫化物を容易に得やすい。
また、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物の平均粒子径は、1〜30μmが好ましく、2〜20μmがより好ましい。本発明の結晶性リチウムスズ硫化物の平均粒子径は、電子顕微鏡(SEM)観察により測定する。
また、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、ペレット化した際にイオン伝導度が、1×10-6〜1×10-3Scm-1となることが好ましく、1×10-5〜1×10-3Scm-1となることがより好ましい。特に、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物をペレット化した際の電子抵抗値から算出される電子伝導度よりも、イオン伝導度のほうが10倍以上高いことが好ましい。本発明の結晶性リチウムスズ硫化物の電子伝導度は、直流分極法によって測定する。また、イオン伝導度は、ブロッキング電極を用いた交流インピーダンス法により測定する。
本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、上記した条件を満足するものであるが、該結晶性リチウムスズ硫化物の性能を阻害しない範囲であれば、その他の不純物が含まれていてもよい。この様な不純物としては、原料に混入する可能性のある遷移金属、典型金属等の金属類;原料及び製造時に混入する可能性のある炭素、酸素等を例示できる。さらに、原料の残存物(硫化リチウム(Li2S)、硫化スズ(SnS2)等)や、本発明の目的物以外の生成物等も不純物として含まれることがある。これらの不純物の量については、上記した結晶性リチウムスズ硫化物の性能を阻害しない範囲であればよく、通常、上記した条件を満足する結晶性リチウムスズ硫化物におけるリチウム、スズ及び硫黄の合計量100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3重量部以下がさらに好ましい。
これらの不純物が存在する場合には、上記したX線回折図におけるピークの他に、不純物に応じて回折ピークが存在することがある。
2.結晶性リチウムスズ硫化物の製造方法
本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、例えば、原料として、硫化リチウム(Li2S)及び硫化スズ(SnS2)を用い、メカニカルミリング処理に供することによって得ることができる。
メカニカルミリング処理は、機械的エネルギーを付与しながら原料を摩砕混合する方法であり、この方法によれば、原料に機械的な衝撃及び摩擦を与えて摩砕混合することによって、硫化リチウム及び硫化スズが激しく接触して微細化され、原料の反応が生じる。つまり、この際、混合、粉砕及び反応が同時に生じる。このため、原料を高温に熱することなく、原料をより確実に反応させることが可能である。メカニカルミリング処理を用いることで通常の熱処理では得ることのできない、準安定結晶構造が得られることがある。
メカニカルミリング処理としては、具体的には、例えば、ボールミル、ビーズミル、ロッドミル、振動ミル、ディスクミル、ハンマーミル、ジェットミル等の機械的粉砕装置を用いて混合粉砕を行うことができる。
原料として用いる硫化リチウム(Li2S)については特に限定はなく、市販の硫化リチウムを用いることができる。特に、高純度のものを用いることが好ましい。また、硫化リチウムをメカニカルミリング処理によって混合粉砕するので、使用する硫化リチウムの粒径についても限定はなく、通常は、市販されている粉末状の硫化スズを用いることができる。
原料として用いる硫化スズ(SnS2)についても特に限定はなく、市販されている任意の硫化スズを用いることができる。特に、高純度のものを用いることが好ましい。また、硫化スズをメカニカルミリング処理によって混合粉砕するので、使用する硫化スズの粒径についても限定はなく、通常は、市販されている粉末状の硫化スズを用いることができる。
これら原料の混合比率については、目的とするリチウムスズ硫化物におけるリチウム、スズ及び硫黄の元素比と同一の比率となるようにすることができる。具体的には、硫化リチウムの使用量は、硫化スズ1モルに対して、1.5〜3.5モルが好ましく、1.8〜3.2モルがより好ましい。なお、硫化リチウムの使用量を硫化スズ1モルに対して1.75〜2.25モルとした場合には特に安定な結晶構造のリチウムスズ硫化物結晶相の単相が製造されやすく、硫化リチウムの使用量を硫化スズ1モルに対して2.0〜3.5モルとした場合には特に安定な結晶構造のリチウムスズ硫化物結晶相とリチウム硫化物結晶相との二相構造が製造されやすい。
メカニカルミリング処理を行う際の温度については、特に制限はないが、硫黄が揮発しにくくするとともに、既報の結晶相が生成されにくくする観点から、300℃以下、好ましくは-10〜200℃でメカニカルミリング処理を行うことが好ましい。
メカニカルミリング処理の時間については、特に限定はなく、目的の結晶性リチウムスズ硫化物が析出した状態となるまで任意の時間メカニカルミリング処理を行うことができる。
例えば、メカニカルミリング処理は、0.1〜100時間程度の処理時間の範囲内において、0.1〜100kWh/原料混合物1kg程度のエネルギー量で行うことができる。なお、このメカニカルミリング処理は、必要に応じて途中に休止を挟みながら複数回に分けて行うこともできる。
上記したメカニカルミリング処理により、目的とする結晶性リチウムスズ硫化物を微粉末として得ることができる。
3.結晶性リチウムスズ硫化物の用途
上記した本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、上記のとおりイオン伝導度に優れることから、イオン伝導体(特に固体電解質)として有用であり、特に、リチウムイオン二次電池用固体電解質として使用することが好ましい。
本発明の結晶性リチウムスズ硫化物をリチウムイオン二次電池用固体電解質として使用する場合、本発明のリチウムイオン二次電池(特に全固体型リチウムイオン二次電池)の構造は、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物を固体電解質として用いること以外は、公知のリチウムイオン二次電池と同様とすることができる。
例えば、正極としては、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn2O4)、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)、酸化バナジウム系材料、硫黄系材料等の公知の正極活物質を用い、この正極活物質と必要に応じて導電剤及びバインダーを含む正極合剤をAl、Ni、ステンレス、カーボンクロス等の正極集電体に担持させることができる。導電剤としては、例えば、黒鉛、コークス、カーボンブラック、針状カーボン等の炭素材料を用いることができる。また、バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の材料を単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
また、負極としては、金属リチウム、炭素系材料(活性炭、黒鉛等)、ケイ素、酸化ケイ素、Si−SiO系材料、リチウムチタン酸化物等の公知の負極活物質を用い、この負極活物質と必要に応じて導電剤及びバインダーを含む正極合剤をAl、Ni、ステンレス、カーボンクロス等の負極集電体に担持させることができる。導電剤としては、例えば、黒鉛、コークス、カーボンブラック、針状カーボン等の炭素材料を用いることができる。また、バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の材料を単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
また、電解質層としては、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物を、必要に応じて公知のバインダーを用いて常法により層状に成形し、電解質層として使用することができる。バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の材料を単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、ナイロン、芳香族アラミド、無機ガラス等の材質からなり、多孔質膜、不織布、織布等の形態の材料を用いることができる。
さらに、その他の公知の電池構成要素を使用して、常法に従って、リチウムイオン二次電池を組立てることができる。なお、本発明において、「リチウムイオン二次電池」とは、負極材料として金属リチウムを用いた「リチウム二次電池」も包含する概念である。
なお、リチウムイオン二次電池の形状についても特に限定はなく、円筒型、角型等のいずれであってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例のみに限定されないことは言うまでもない。
[実施例1:Li4SnS4粉末の合成]
アルゴン雰囲気(大気非暴露)のグローブボックス中において、市販の硫化リチウム(Li2S)粉末及び硫化スズ(SnS2)粉末を、それぞれモル比で2: 1(質量比0.5017: 0.9983)となるように秤量・混合し、その後、直径4mmのジルコニアボール約500個(90g)を入れた45mLのジルコニア容器を用いて、ボールミル装置(フリッチュ P-7、クラシックライン)で510rpm、50時間のメカニカルミリング処理を行うことでLi4SnS4粉末を得た。なお、上記メカニカルミリング処理は、雰囲気制御用オーバーポット中で、1時間のミリング処理を、15分間の休止を挟みながら合計50回行った。得られたLi4SnS4組成の粉末を、便宜上Li4SnS4粉末と称する。実施例2〜3も同様である。得られたLi4SnS4粉末の粉体密度を乾式粉体密度計(メイクロメリティックス社製アキュピックII 1340-1CC)により測定したところ、2.61g cm-3であった。
[実施例2:Li4SnS4粉末の合成]
アルゴン雰囲気(大気非暴露)のグローブボックス中において、市販の硫化リチウム(Li2S)粉末及び硫化スズ(SnS2)粉末を、それぞれモル比で2: 1(質量比0.5017: 0.9983)となるように秤量・混合し、その後、直径4mmのジルコニアボール約500個(90g)を入れた45mLのジルコニア容器を用いて、ボールミル装置(フリッチュ P-7、クラシックライン)で510rpm、40時間のメカニカルミリング処理を行うことでLi4SnS4粉末を得た。なお、上記メカニカルミリング処理は、雰囲気制御用オーバーポット中で、1時間のミリング処理を、15分間の休止を挟みながら合計40回行った。
[実施例3:Li4SnS4粉末の合成]
アルゴン雰囲気(大気非暴露)のグローブボックス中において、市販の硫化リチウム(Li2S)粉末及び硫化スズ(SnS2)粉末を、それぞれモル比で2: 1(質量比0.5017: 0.9983)となるように秤量・混合し、その後、直径4mmのジルコニアボール約500個(90g)を入れた45mLのジルコニア容器を用いて、ボールミル装置(フリッチュ P-7、クラシックライン)で510rpm、20時間のメカニカルミリング処理を行うことでLi4SnS4粉末を得た。なお、上記メカニカルミリング処理は、雰囲気制御用オーバーポット中で、1時間のミリング処理を、15分間の休止を挟みながら合計20回行った。
[試験例1:固体電解質ペレットの導電率測定(その1)]
実施例1で得たLi4SnS4粉末80mgを直径10mmの成型機に均質に充填し、330MPaで1分間一軸成型し、厚さ0.501mm、直径10.02mmΦのペレットを作製した。形状からこのペレットの密度を計算したところ、2.03gcm-3(相対密度77.8%)であった。また、このペレットの25℃における抵抗を交流インピーダンス法により測定したところ、2,001Ωであり、このペレットの25℃におけるイオン伝導度σは、3.17×10-5Scm-1であることが分かった。直流分極法で測定した電子抵抗値は少なくとも1MΩ以上であり、電子伝導度は6×10-8Scm-1以下であり、電子伝導度がイオン伝導度の500分の1以下であることが分かった。
[試験例2:X線回折(その1)]
実施例1〜3で得られた粉末について、CuKα線を用いたX線回折(XRD)を測定した。結果を図1に示す。参考のため、図1には、原料として用いた硫化リチウム(Li2S)及び硫化スズ(SnS2)のピークもあわせて示す。なお、XRD測定においては、作製した試料の大気暴露を避けるため、ポリマー製の大気非暴露フォルダーを用いて行ったため、2θ= 10〜25°付近にはポリマーによる影響も一部確認されている可能性がある。
図1に示すX線回折図では、メカニカルミリングの処理時間が20時間、40時間及び50時間の試料いずれにおいても、25.5°の位置に最強ピークを有しており、他に27.9°、30.2°、38.0°、45.0°、50.1°、52.8°、53.8°、60.4°及び69.5°の位置に回折ピークが確認できた。また、25.5°の回折ピークに対応する面間隔は、3.49Åであり、38.0°の回折ピークに対応する面間隔は2.37Åである。実施例1、2及び3における25.5°のピークの半値幅(全値半幅)はそれぞれ、0.80°、0.81°、0.84°であった。
次に、高エネルギーX線を用いて透過法によるX線回折(XRD)を行うと、比較的低角度の回折実験において、試料表面(表面の粗さ等)の影響を受けにくく、且つ、大気非暴露フォルダーの影響を低減することができる。実施例1で得たLi4SnS4粉末を、38keVのX線を使用してX線回折(XRD)パターンを測定した。結果を図2に示す。なお、測定試料の大気暴露を避けるために試料はカプトン(登録商標)製フィルム内に包装された状態で測定を行った。また、二体相関関数解析を行うことで、短距離の構造の情報を得ることができる。実施例1で得たLi4SnS4粉末について、高エネルギーX線回折測定より得られた二体分布関数g(r)を図3に示す。2.38Åに最強ピーク(Sn-S相関に帰属できるピーク)が見られ、その他、3.06Å、3.96Å及び4.73Åにもピークが見られた。
次に、実施例1で得たLi4SnS4粉末について、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。結果を図4に示す。0.2μm〜50μm程度の粒子が確認され、Li4SnS4粉末の平均粒子径は5〜20μm程度であることが理解できる。
[試験例3:充放電試験]
次に、実施例1で得たLi4SnS4粉末を電極活物質として用いて、以下の方法で電気化学セルを作製し、電流密度20mA/gにおいて、定電流充放電測定を行った。
電気化学セルの作製方法としては、まず、作用極は、実施例1で得られたLi4SnS4粉末に対して、アセチレンブラックとバインダーであるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を、Li4SnS4粉末: アセチレンブラック: PTFE= 86: 8: 6の質量比になるように加え、乳鉢で15分間混練した後、アルミニウムメッシュに張り付けることで作製した。セパレータとしてはポリプロピレンを用い、対極としてはリチウムを用いた。電解液としては、1Mのヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)をエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)との質量比1: 1の混合溶媒に溶解させたもの(1M LiPF6 EC/DMC)を用いた。
上記した電気化学セルを用いて、定電流充放電測定によって充放電試験を行ったが、可逆充放電はできなかった。このことから、本発明の結晶性リチウムスズ硫化物は、この電位範囲では、電極活性が発現せず、固体電解質として高い電気化学的安定性を有することが示唆された。
[実施例4:Li6SnS5粉末の合成]
アルゴン雰囲気(大気非暴露)のグローブボックス中において、市販の硫化リチウム(Li2S)粉末及び硫化スズ(SnS2)粉末を、それぞれモル比で3: 1(質量比0.6448: 0.8552)となるように秤量・混合し、その後、直径4mmのジルコニアボール約500個(90g)を入れた45mLのジルコニア容器を用いて、ボールミル装置(フリッチュ P-7、クラシックライン)で510rpm、80時間のメカニカルミリング処理を行うことでLi6SnS5粉末を得た。なお、上記メカニカルミリング処理は、雰囲気制御用オーバーポット中で、1時間のミリング処理を、15分間の休止を挟みながら合計80回行った。得られたLi4SnS4組成の粉末を、便宜上Li6SnS5粉末と称する。実施例5〜6も同様である。得られたLi6SnS5粉末の粉体密度を乾式粉体密度計(メイクロメリティックス社製アキュピックII 1340-1CC)により測定したところ、2.40g cm-3であった。
[実施例5:Li6SnS5粉末の合成]
アルゴン雰囲気(大気非暴露)のグローブボックス中において、市販の硫化リチウム(Li2S)粉末及び硫化スズ(SnS2)粉末を、それぞれモル比で3: 1(質量比0.6448: 0.8552)となるように秤量・混合し、その後、直径4mmのジルコニアボール約500個(90g)を入れた45mLのジルコニア容器を用いて、ボールミル装置(フリッチュ P-7、クラシックライン)で510rpm、60時間のメカニカルミリング処理を行うことでLi6SnS5粉末を得た。なお、上記メカニカルミリング処理は、雰囲気制御用オーバーポット中で、1時間のミリング処理を、15分間の休止を挟みながら合計60回行った。
[実施例6:Li6SnS5粉末の合成]
アルゴン雰囲気(大気非暴露)のグローブボックス中において、市販の硫化リチウム(Li2S)粉末及び硫化スズ(SnS2)粉末を、それぞれモル比で3: 1(質量比0.6448: 0.8552)となるように秤量・混合し、その後、直径4mmのジルコニアボール約500個(90g)を入れた45mLのジルコニア容器を用いて、ボールミル装置(フリッチュ P-7、クラシックライン)で510rpm、20時間のメカニカルミリング処理を行うことでLi6SnS5粉末を得た。なお、上記メカニカルミリング処理は、雰囲気制御用オーバーポット中で、1時間のミリング処理を、15分間の休止を挟みながら合計20回行った。
[試験例4:固体電解質ペレットの導電率測定(その2)]
実施例4で得たLi6SnS5粉末80mgを直径10mmの成型機に均質に充填し、330MPaで1分間一軸成型し、厚さ0.564mm、直径10.00mmΦのペレットを作製した。形状からこのペレットの密度を計算したところ、1.81gcm-3(相対密度75.3%)であった。また、このペレットの25℃における抵抗を交流インピーダンス法により測定したところ、3,750Ωであり、このペレットの25℃におけるイオン伝導度σは、1.92×10-5Scm-1であることが分かった。直流分極法で測定した電子抵抗値は少なくとも1MΩ以上であり、電子伝導性は少なくとも7×10-8Scm-1以下であり、電子伝導性がイオン伝導性の250分の1以下であることが分かった。
[試験例5:X線構造回折(その2)]
実施例4〜6で得られた粉末について、CuKα線を用いたX線回折(XRD)パターンを測定した。結果を図5に示す。参考のため、図5には、実施例1の試料、原料として用いた硫化リチウム(Li2S)及び硫化スズ(SnS2)のピークもあわせて示す。なお、XRD測定においては、作製した試料の大気暴露を避けるため、ポリマー製の大気非暴露フォルダーを用いて行ったため、2θ= 10〜25°付近にはポリマーによる影響も一部確認されている可能性がある。
図5に示すX線回折図では、メカニカルミリングの処理時間が20時間、60時間及び80時間の試料いずれにおいても、27.0°の位置に最強ピークを有しており、25.5°の位置に2番目に強いピークを有しており、他に31.3°、38.1°、44.9°、50.1°、53.1°、55.6°、65.3°及び72.0°の位置に回折ピークが確認できた。また、27.9°付近に回折ピークの存在が示唆された。さらに、25.5°の回折ピークに対応する面間隔は、3.49Åであり、38.1°の回折ピークに対応する面間隔は2.36Åである。実施例4、5及び6における25.5°のピークの半値幅(全値半幅)はそれぞれ、0.92°、1.03°、1.05°であった。
このように、実施例4〜6では、Li4SnS4からなる結晶相とLi2Sからなる結晶相の二相構造が形成されていた。仕込み組成比から、上記Li4SnS4相とLi2S相の存在比は、50: 50(mol比)程度であることが予想される。また、Li4SnS4とLi2Sの密度から算出される上記Li4SnS4とLi2Sの存在比が50: 50(mol比)の二相混合物の密度は、2.41g cm-3であり、Li6SnS5粉末の乾式粉体密度2.40g cm-3と良い一致を示す。この存在比の時、Li4SnS4とLi2Sの体積比はおおよそ79: 21となり、質量比は86: 14となる。上記のとおり、Li4SnS4からなる結晶相はイオン伝導性に優れる結晶相であるため、実施例4〜6で得られた試料も同様にイオン伝導性に優れ、固体電解質として有用である。

Claims (10)

  1. リチウム、スズ及び硫黄を構成元素として含み、
    前記リチウムと前記スズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜7.0であり、
    前記硫黄と前記スズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.5であり、
    CuKα線によるX線回折図における回折角2θ= 10°〜80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、少なくとも、25.5°に最強ピーク又は2番目に強いピークを有する、結晶性リチウムスズ硫化物。
  2. リチウムとスズとの組成比(Li/Sn)がモル比で3.0〜5.0であり、硫黄とスズとの組成比(S/Sn)がモル比で3.0〜5.0であるリチウムスズ硫化物からなる結晶相を少なくとも有する、請求項1に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
  3. さらに、リチウムと硫黄との組成比(Li/S)がモル比で1.0〜3.0であるリチウム硫化物からなる結晶相を有する、請求項2に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
  4. 前記2θ= 25.5°のピークの半値幅が0.20〜1.05°である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
  5. CuKα線によるX線回折図における回折角2θ= 10°〜80°の範囲内において、±1.0°の許容範囲で、さらに、27.9°、38.0°、45.0°及び50.1°にピークを有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
  6. 平均粒子径が1〜30μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物の製造方法であって、
    原料として、硫化リチウム及び硫化スズを用い、メカニカルミリング処理に供する工程
    を備える、製造方法。
  8. 前記硫化リチウムの使用量が、前記硫化スズ1モルに対して、1.5〜3.5モルである、請求項7に記載の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物からなるリチウムイオン二次電池用固体電解質。
  10. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の結晶性リチウムスズ硫化物、又は請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池。
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