JP2018111283A - 低吸着包装材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、低吸着性を阻害することのない低吸着性包装材料の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】プラスチックフィルム単体、もしくはプラスチックフィルムを基材とする積層体からなる矩形の包装材料のうち、包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、表裏胴部の周縁部を接着して製袋する、包装材料の製造方法において、該周縁部の、三方または四方の辺において、表裏胴部の接着部分は、ヒートシールによってシールされ、ヒートシール部分1は、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムへのレーザー光を照射した部分であり、該ヒートシールは、該レーザー光の照射部分より広い幅のシールバーを用いて行なうことを特徴とする、低吸着性包装材料の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、低吸着包装材料の製造方法である。レーザー加工によってヒートシール性を有するプラスチックフィルムを用いた包装材料において、製袋時の重ね合わせのズレなどによって、低吸着性を阻害することのない、低吸着包装材料の製造方法に関するものである。
包装材料のうち、プラスチックフィルムを基材とする単体、または積層体から構成されるものは一般にパウチとも呼ばれ、現代では広く普及しており、さまざまな形態のものが、幅広い用途に用いられており、企業活動や人々の生活にとって、不可欠なものとなっている。
例えばその耐水性に優れる特性から、液体容器としても用いられ、飲料のほかレトルト食品などの食品分野でも広く用いられているほか、日用品やトイレタリーの分野でも、さまざまな商品がスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニエンスストアの商品棚をにぎわしている。食品、飲料を中心とした液体容器のほかにも、様々な用途展開がなされている。
パウチの利点は、缶や瓶などの容器に比べて、価格が安いことや、要求品質によってきめ細かい材料設計で対応できる点、あるいは内容物充填前および流通や保管においても軽量で省スペースであることが挙げられる。
また表面から見える層への高精細の印刷によって、商品のイメージアップを図ることができ、内容物に関する必要な情報を表示することが可能であり、その一方でバーコードの印刷などは、商品の流通やマーケティング情報の源泉ともなっている。
このように従来より、流動性を有する物質に用いられる容器として洗剤、漂白剤、柔軟剤、シャンプー、リンス、シロップ、調味料などの液体用のボトルは商品として日常生活に定着している。
しかし、内容物を使いきった後、ボトルを使い捨てで廃棄するのは、経済的にも環境保護の点からも好ましくないとされ、近年ではパウチが用いられる傾向にあり、発展してきた。
またパウチは、新規のボトルや収納容器を都度購入する場合に比べて割安であり、また廃棄物を減らすという観点からは環境適応型であるといえる。またボトルが空になったあとの、詰め替え用の内容物の容器として用いられる場合もある。また口栓を設けるなど、利便性を高める工夫も多くなされている。
一方で、たとえばポリオレフィン系の樹脂フィルムを包装材料の内層側に用いる場合には、内容物によってはオレフィン系樹脂に吸着されやすく、一部の成分が吸着されて減少する可能性もあって、内容物の品質劣化を引き起こす恐れがある。
たとえばポリオレフィン系の樹脂フィルム場合には、d−カンファー、l−メントール、サリチル酸メチル、カプロン酸エチル、その他の各種エステル等の物質を吸着する性質を有する。このため、これらを成分に含む内容物をポリオレフィン系樹脂フィルムを包装材料の内側に用いる場合には、これらの成分が吸着されて減少し、内容物の品質に影響を与えることが知られている。
このような状況を背景に、特許文献1には、透明な延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にレーザー光を照射して、ヒートシール性を付与した低吸着包材が提案されている。
しかしながらこの場合には、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムによる低吸着性が効果的であることが期待されるが、ヒートシールの位置ずれなどが起きレーザー加工した部分が露出した場合には、その部分では吸着が起こるために、十分な対策とはいえない状態である。
特開2016−147695号公報
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、低吸着性を阻害することのない低吸着性包装材料の製造方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、プラスチックフィルム単体、もしくはプラスチックフィルムを基材とする積層体からなる矩形の包装材料のうち、包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、表裏胴部の周縁部を接着して製袋する、包装材料の製造方法において、
該周縁部の、三方または四方の辺において、表裏胴部の接着部分は、ヒートシールによってシールされ、該ヒートシール部分は、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムへのレーザー光を照射した部分であり、
該ヒートシールは、該レーザー光の照射部分より広い幅のシールバーを用いて行なうことを特徴とする、低吸着性包装材料の製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、前記表裏胴部の接着部分は、前記ヒートシールを、矩形の周縁部のうちの一方の辺において、表裏胴部の間に口栓を挟んで行なうことを特徴とする、請求項1に記載の低吸着性包装材料の製造方法である。
また、請求項3に記載の発明は、前記口栓は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を成型して構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の低吸着性包装材料の製造方法である。
また、請求項4に記載の発明は、前記口栓を開閉することのできるキャップが、容器内側になる面に延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着したアルミニウムキャップであることを特徴とする、請求項2または請求項3記載の低吸着性包装材料の製造方法である。
また、請求項5に記載の発明は、プラスチックフィルム単体、もしくはプラスチックフィルムを基材とする積層体からなる矩形の包装材料のうち、包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、表裏胴部の周縁部を接着して製袋する、口栓つきの包装材料の製造方法において、
該周縁部のうちの一方の辺において、表裏胴部の接着部分は、ヒートシールによって口栓
を挟んでシールされ、
ヒートシール部分は、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムへのレーザー光を照射した部分であり、該ヒートシールは、該レーザー光の照射部分より広い幅のシールバーを用いて行ない、
口栓がつかない周縁部の他の二方、または三方の辺において、表裏胴部の接着部分は、溶融と切断を同時に行なう溶断シールによって形成することを特徴とする、低吸着性包装材料の製造方法である。
本発明によれば、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、低吸着性を阻害することのない低吸着性包装材料の製造方法を提供することが可能である。
これは広い幅のシールバーを用いることによって、レーザー光照射を行なった部分の、内容物側への露出をより少なくすることができるため、より低吸着包装材料としての性能を高めることが可能になるためである。
とくに請求項2に記載の発明によれば、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、口栓がついてより内容物の取出しが安定して容易な包装材料であってかつ、低吸着性を阻害することのない低吸着性包装材料の製造方法を提供することが可能である。
包装材料に口栓が装着されることにより、内容物の取り出しにより利便性が高まり、さらに口栓を開閉できる機構、たとえばキャップが装着される場合には、繰り返しの取り出しにおいても利便性が高まる効果がある。
とくに請求項3に記載の発明によれば、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、口栓にポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることで、より低吸着性を阻害することのない、口栓付きの低吸着性包装材料の製造方法を提供することが可能である。
口栓に用いる樹脂もまた低吸着性に関係する要素であって、ポリエチレンテレフタレート樹脂であれば、たとえばポリオレフィン系樹脂に比べて、低吸着性包装材料を構成する際にはより効果的である。
とくに請求項4に記載の発明によれば、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着したアルミニウムキャップを用いることで、より低吸着性を阻害することのない、口栓付きの低吸着性包装材料の製造方法を提供することが可能である。
とくに請求項5に記載の発明によれば、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、表裏胴部の接着部分は、溶融と切断を同時に行なう溶断シールによって形成されるため、この部分のレーザー光照射工程を省くことができ、かつ低吸着性を阻害することのない、口栓付きの低吸着性包装材料の製造方法を提供することが可能である。
図1は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の一実施形態を説明するための平面模式図である。 図2は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の他の実施形態を説明するための平面模式図である。 図3は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の口栓つきの一実施形態を説明するための平面模式図である。 図4は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の口栓つきの他の実施形態を説明するための平面模式図である。 図5は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の、実施例1を説明するための平面模式図である。 図6は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の、実施例2を説明するための平面模式図である。
以下、本発明を図を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の一実施形態を説明するための平面模式図である。
本発明は、プラスチックフィルム単体、もしくはプラスチックフィルムを基材とする積層体からなる矩形の包装材料のうち、包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、表裏胴部の周縁部を接着して製袋する、包装材料の製造方法に関するものである。
図1に示す例においては、矩形の包装材料の周縁部の四方の辺を、表裏の胴部をヒートシールして低吸着性包装材料(20)を製袋する例である。2枚の表裏胴部を、内層側の延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム同士を対向させて重ねあわせ、四方の辺の周縁部をヒートシールして製袋する。図1は表側胴部(10)からみた平面模式図であって、各辺のヒートシール(1)は、ヒートシール幅(a)より幅の広いシールバー(2)を用いて行なう。
前述のように、本発明においては包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるために、内容物は延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにのみ接するために、たとえばポリオレフィン系樹脂に見られるような、成分吸着は回避することができる。
ヒートシールは、あらかじめ、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに対して、ヒートシールする部分にレーザー光を照射して、ヒートシール性を付与する。その後ヒートシールする部分を対向させて重ね、ヒートシールする場合において、シールバー(2)がヒートシール幅より細い場合、包装材料の内容物側に、レーザー光を照射した部分が露出するおそれがあり、この部分は吸着性を有するために、包装材料としての低吸着性能を損なうことになる。
また、シールバー(2)の位置ズレが発生する場合、および対向させたフィルム、もしくは積層体に位置ズレが発生する場合には、包装材料の内容物側に、同様にレーザー光を照射した部分が露出するおそれがあり、この部分は吸着性を有するために、包装材料としての低吸着性能を損なうことになる。
これらの場合においても、ヒートシール幅(a)より幅の広いシールバー(2)を用いて行なうことにより、レーザー光を照射した部分が露出する危険に対しては、より安全である。
このように、各辺のヒートシール(1)を、ヒートシール幅(a)より幅の広いシールバー(2)を用いて行なうことにより、内容物側へのレーザー光照射部の露出をより少なくすることができ、露出による吸着性能の低下を防止することに効果的である。
図2は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の他の実施形態を説明するための平面模式図である。
図2に示す例においては、矩形の包装材料は、周縁部の一方向に折り返し(3)を有しており、残りの周縁部の三方の辺を、表裏の胴部をヒートシールして低吸着性包装材料(20)を製袋する例である。図1は表側胴部(10)からみた平面模式図であって、各辺のヒートシール(1)は、ヒートシール幅(a)より幅の広いシールバー(2)を用いて行なう。
この場合においても、前述のように、本発明においては包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるために、内容物が接する場合においても、たとえばポリオレフィン樹脂に見られるような、成分吸着は回避することができる。
前述のように、ヒートシールは、あらかじめ、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに対して、ヒートシールする部分にレーザー光を照射して、ヒートシール性を付与する。
その後ヒートシールする部分を対向させて重ね、シールバー(2)がヒートシール幅より細い場合、シールバー(2)の位置ズレが発生する場合、および対向させたフィルム、もしくは積層体に位置ズレが発生する場合には、包装材料の内容物側に、レーザー光を照射した部分が露出するおそれがあり、この部分は吸着性を有するために、包装材料としての低吸着性能を損なうことになる。
この場合においても、四方の辺の場合と同様に、三方の辺のヒートシール(1)を、ヒートシール幅(a)より幅の広いシールバー(2)を用いて行なうことにより、内容物側へのレーザー光照射部の露出をより少なくすることができ、露出による吸着性能の低下を防止することに効果的である。
図3は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の口栓つきの一実施形態を説明するための平面模式図である。
図3に示す例においては、ヒートシール(1)を、矩形の周縁部のうちの一方の辺において、表裏胴部の間に口栓(4)を挟んで行なう例である。内容物は、この口栓(4)から取りだすことができ、口栓(4)にキャップ(5)がついている場合には、キャップ(5)によって密封することが可能で、内容物を少量づつ何度かにわけて取り出すことが可能になる。口栓(4)とキャップ(5)は、たとえば嵌合式に接続するのでもよく、螺合式に接続するのでもよい。
この場合においても、口栓(4)を設ける辺のヒートシール(1)を、ヒートシール幅より幅の広いシールバー(2)を用いて行なうことにより、内容物側へのレーザー光照射部の露出をより少なくすることができ、露出による吸着性能の低下を防止することに効果的である。
残りの周縁部の三方の辺は、図1に示す例と同様に、表裏の胴部の周縁部をヒートシールして低吸着性包装材料(20)を製袋することができる。図3は表側胴部(10)から
みた平面模式図であって、各辺のヒートシール(1)は、ヒートシール幅より幅の広いシールバー(2)を用いて行なう。
図4は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の口栓つきの他の実施形態を説明するための平面模式図である。
図4に示す例においては、図3に示す例と同様に、ヒートシール(1)を、矩形の周縁部のうちの一方の辺において、表裏胴部の間に口栓(4)を挟んで行なう例である。図3に示す例と同様に、内容物は、この口栓(4)から取りだすことができ、口栓(4)にキャップ(5)がついている場合には、キャップ(5)によって密封することが可能で、内容物を少量づつ何度かにわけて取り出すことが可能になる。
図4に示す場合においても、口栓(4)を設ける辺のヒートシール(1)を、ヒートシール幅より幅の広いシールバー(2)を用いて行なうことにより、内容物側へのレーザー光照射部の露出をより少なくすることができ、レーザー光照射部の露出による吸着性能の低下を防止することに効果的である。
ただし周縁部の残りの三方の辺は、図4に示す例においては、表裏胴部の接着部分は、溶融と切断を同時に行なう溶断シール(6)によって形成する例である。周縁部の一方向に折り返し(3)を有する場合には、周縁部の残りの二方の辺を溶断シールとするのでも良い。溶断シール(6)は、丸棒状のヒーターを加熱して重ねられたフィルムまたは積層体を断ち切る方式であって、溶断ヒーター(7)を用いて行なうことができる。
この方法を用いる場合には、レーザー光を照射する必要がなく、包装材料の内容物側へのレーザー光照射部の露出をなくすことができ、露出による吸着性能の低下を防止することにより効果的である。
口栓(4)の材質として、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー、あるいはポリエチレンテレフタレートのコポリマーを使用することができる。口栓(4)が、ポリエチレンテレフタレート樹脂を成型して構成されていることによって、ポリオレフィン系樹脂を用いる場合に比べて吸着性が低いため、低吸着性包装容器(20)を実現するためにはより効果的である。
さらに、口栓(4)を開閉することのできるキャップ(5)が、容器内側になる面に延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着したアルミニウムキャップであることもまた、低吸着性包装材料(20)を実現するためにはより効果的である。
また本発明において、シーラントとして、ポリオレフィン系樹脂を用いることなく、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いてレーザー光照射によって熱溶着を可能にする場合、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの厚さは6〜50μmのものが使用可能である。
また延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムにアルミニウムやアルミナ、シリカなどを蒸着したフィルムも使用可能であって、その場合には非蒸着面をレーザー光照射による熱溶着面として用いることができる。
このような無機化合物を蒸着したフィルムは、たとえばガスバリア性能が向上することが期待できるのであって、水蒸気や酸素などの透過を抑制し、内容物の変質を防止することができ、品質の維持、保存性の向上などに効果的である。
ガスバリアのための層には、その他にもたとえばアルミニウム箔などの金属箔、あるいは金属蒸着を用いることができ、また無機化合物の蒸着のほか、コーティング層でも構成することができ、基材フィルムにアンカーコートを設けた後、蒸着層、コーティング層を順次設けることができる。
アンカーコート層には、例えばウレタンアクリレートを用いることができる。アンカーコート層の形成には、樹脂を溶媒に溶解した塗料をグラビアコーティングなど印刷手法を応用したコーティング方法を用いるほか、一般に知られているコーティング方法を用いて塗膜を形成することができる。
蒸着層を形成する方法としては,たとえばSiOやAlOなどの無機化合物を真空蒸着法を用いて、アンカーコート層を設けた基材フィルム上にコーティングし、真空蒸着法による無機化合物層を形成することができる。
さらにコーティング層を形成する方法としては、水溶性高分子と、(a)一種以上のアルコキシドまたはその加水分解物、または両者、あるいは(b)塩化錫の、少なくともいずれかひとつを含む水溶液あるいは水/アルコール混合水溶液を主剤とするコーティング剤をフィルム上に塗布し、加熱乾燥してコーティング法による無機化合物層を形成しコーティング層とすることができる。このときコーティング剤にはシランモノマーを添加しておくことによってアンカーコート層との密着の向上を図ることができる。
無機化合物層は真空蒸着法による塗膜のみでもガスバリア性を有するが、コーティング法による無機化合物層であるコーティング層を真空蒸着法による無機化合物層である蒸着層に重ねて形成し、バリア層とすることができる。
これら2層の複合により、真空蒸着法による無機化合物層とコーティング法による無機化合物層との界面に両層の反応層を生じるか、或いはコーティング法による無機化合物層が真空蒸着法による無機化合物層に生じるピンホール、クラック、粒界などの欠陥あるいは微細孔を充填、補強することで、緻密構造が形成されるため、高いガスバリア性、耐湿性、耐水性を実現するとともに、変形に耐えられる可撓性を有するため、包装材料としての適性も具備することができる。
このようにして本発明によれば、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、低吸着性を阻害することのない低吸着性包装材料の製造方法を提供することが可能である。
以下本発明を、実施例によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図5は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の、実施例1を説明するための平面模式図である。また図6は、本発明に係る低吸着性包装材料の製造方法の、実施例2を説明するための平面模式図である
試料とする包装材料を作成して、内容物を充填し、密封、保存後に内容物の香りについて官能評価を行なった。その条件は下記のとおりである。
内容物:大吟醸酒500ml
保存条件:40℃環境下で一ヶ月
パネル数:10
評価方法:3点識別法。
評価1:実施例1と比較例1を比較した。
評価2:実施例2と比較例2を比較した。
<実施例1>
図5に示す形態の、口栓つきの低吸着性包装材料を作成した。
(胴部積層体)
層構成は下記のとおりである。
アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)←内容物側
レーザー照射は、周縁部のうち口栓を設ける一方の辺のみとした。
(口栓およびキャップ)
口栓:ポリエチレンテレフタレート−G樹脂を使用して、射出成型によって作成。
キャップ:内容物側に延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着した、アルミニウムキャップとした。
(シール)
口栓と胴部接着面をヒートシールバーにてヒートシールした。(シール温度200℃)
このとき、シールバーの幅を、レーザー光照射部の幅より大きくして行なった。
口栓を設けない他の三辺、すなわちサイドシールとボトムシールは溶断シールによって熱溶着した。
<比較例1>
口栓つきの包装材料を作成した。
(胴部積層体)
層構成は下記のとおりである。
アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)←内容物側
レーザー照射は、矩形の周縁部の4辺とした。
(口栓およびキャップ)
口栓:ポリエチレンテレフタレート−G樹脂を使用して、射出成型によって作成。
キャップ:内容物側に延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着した、アルミニウムキャップとした。
(シール)
矩形の周縁部の、口栓を設けた一方の辺と他の三方の辺をヒートシールバーにてヒートシールした。(シール温度200℃)
このとき、シールバーの幅を、レーザー光照射部の幅より狭くして行なった。
したがって、包装材料内側にレーザー照射部が一部露出する状態となった。
<実施例2>
図6に示す形態の、折り返し三方シール低吸着性包装材料を作成した。
(胴部積層体)
層構成は下記のとおりである。
アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)←内容物側
レーザー照射は、周縁部の折り返しを除く三辺とした。
(口栓およびキャップ)
口栓:ポリエチレンテレフタレート−G樹脂を使用して、射出成型によって作成。
キャップ:内容物側に延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着した、アルミニウムキャップとした。
(シール)
折り返しを除く周縁部三方の辺の、胴部接着面をヒートシールバーにてヒートシールした。(シール温度200℃)
このとき、シールバーの幅を、レーザー光照射部の幅より大きくして行なった。
<比較例2>
折り返し三方シール包装材料を作成した。
(胴部積層体)
層構成は下記のとおりである。
アルミナ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)/ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ12μm)←内容物側
レーザー照射は、周縁部の、折り返しを除く三方の辺とした。
(口栓およびキャップ)
口栓:ポリエチレンテレフタレート−G樹脂を使用して、射出成型によって作成。
キャップ:内容物側に延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着した、アルミニウムキャップとした。
(シール)
矩形の周縁部の、折り返しを除く他の三辺をヒートシールバーにてヒートシールした。(シール温度200℃)
このとき、シールバーの幅を、レーザー光照射部の幅より狭くして行なった。
したがって、包装材料内側にレーザー照射部が一部露出する状態となった。
評価結果は下記のとおりである。
評価1:実施例1と比較例1を比較した。
実施例1のほうが、比較例1に比べて、香りが多い。(危険率5%で優位)。
評価2:実施例2と比較例2を比較した。
実施例2のほうが、比較例1に比べて、香りが多い。(危険率5%で優位)。
この結果から明らかなように、本発明による実施例1および実施例2は、比較例1および比較例2に比べて低吸着性において優位である。
このように本発明によれば、内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた包装材料の製造方法において、低吸着性を阻害することのない低吸着性包装材料の製造方法を提供することが、可能であることを検証することができた。
1・・・ヒートシール
2・・・シールバー
3・・・折り返し
4・・・口栓
5・・・キャップ
6・・・溶断シール
7・・・溶断ヒーター
10・・・表側胴部
20・・・低吸着性包装材料
a・・・ヒートシール幅

Claims (5)

  1. プラスチックフィルム単体、もしくはプラスチックフィルムを基材とする積層体からなる矩形の包装材料のうち、包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、表裏胴部の周縁部を接着して製袋する、包装材料の製造方法において、
    該周縁部の、三方または四方の辺において、表裏胴部の接着部分は、ヒートシールによってシールされ、該ヒートシール部分は、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムへのレーザー光を照射した部分であり、
    該ヒートシールは、該レーザー光の照射部分より広い幅のシールバーを用いて行なうことを特徴とする、低吸着性包装材料の製造方法。
  2. 前記ヒートシールを、矩形の周縁部のうちの一方の辺において、表裏胴部の間に口栓を挟んで行なうことを特徴とする、請求項1に記載の低吸着性包装材料の製造方法。
  3. 前記口栓は、ポリエチレンテレフタレート樹脂を成型して構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の低吸着性包装材料の製造方法。
  4. 前記口栓を開閉することのできるキャップが、容器内側になる面に延伸ポリエチレンテレフタレートを使用したパッキンを装着したアルミニウムキャップであることを特徴とする、請求項2または請求項3記載の低吸着性包装材料の製造方法。
  5. プラスチックフィルム単体、もしくはプラスチックフィルムを基材とする積層体からなる矩形の包装材料のうち、包装材料の内層側に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、表裏胴部の周縁部を接着して製袋する、口栓つきの包装材料の製造方法において、
    該周縁部のうちの一方の辺において、表裏胴部の接着部分は、ヒートシールによって口栓を挟んでシールされ、
    ヒートシール部分は、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムへのレーザー光を照射した部分であり、該ヒートシールは、該レーザー光の照射部分より広い幅のシールバーを用いて行ない、
    口栓がつかない周縁部の他の二方、または三方の辺において、表裏胴部の接着部分は、溶融と切断を同時に行なう溶断シールによって形成することを特徴とする、低吸着性包装材料の製造方法。
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