<第一実施形態>
第一実施形態は、一台の電話機により複数の電話番号を使い分けることを可能にする通信装置に関する実施形態である。
[構成と動作]
図1は、本実施形態の通信装置の例である通信装置146を、IP電話網及び電話機と接続した例を表す図である。ここで、IPは、Internet Protocolの略である。
通信装置146は、例えば、通信装置146に接続された電話機161aについて、IP電話網151を介して、IP電話網151に接続された電話機や通信装置との間の音声情報の授受による通話を可能にする装置である。通信装置146は、例えばVoIPアダプタと呼ばれる通信装置である。ここで、VoIPは、Voice over Internet Protocolの略である。
通信装置146のIP端子111は、IP電話網151に接続されている。
通信装置146の電話端子141aは、電話機161aに接続されている。
通信装置146は、異なる二つの電話番号を、通信装置146の電話番号として保持している。これらの電話番号は、IP電話網に接続された図示しない基地局に登録された電話番号である。当該基地局は、発信元及び発信先の電話番号が共に当該基地局に登録された電話番号である場合に、発信元と発信先との間の音声情報の授受を可能にする。
発信時において、電話機161aは、上記二つの電話番号のうちのいずれかを識別し得る識別情報と発信先の電話番号とを組み合わせた送付情報(第一の送付情報)を通信装置146に送る。
通信装置146は、当該第一の送付情報を受けて、当該第一の送付情報に含まれる識別情報を用いて発信に用いる電話番号を選択する。通信装置146は、当該識別情報と通信装置146の電話番号との対応を表す対応情報を保持している。そして、通信装置146は、当該対応情報により前記選択を行う。そして、通信装置146は、選択した電話番号を発信元電話番号として、前記第一の送付情報に含まれる発信先電話番号に向けて、IP電話網151を介して、前述の基地局に向けて発信情報(第一の発信情報)を送る。そして、通信装置146は、当該第一の発信情報の前記基地局への送付により、図1に表すIP端子111と電話端子141aとの間の音声情報の授受を可能にする。以下において、音声情報の授受を可能にすることを「音声授受可能化」ということにする。すなわち、通信装置146は、電話機161aによる発信先との通話を可能にする。
一方、発信元から前記基地局への発信を受けて前記基地局から通信装置146に発信情報(第二の発信情報)が送られる。そして、当該第二の発信情報に含まれる発信先の電話番号が上記二つの電話番号のいずれかである場合は、通信装置146は、当該第二の発信情報を受信する。そして、通信装置146は当該第二の発信情報に相当する送付情報(第二の送付情報)を電話機161aに送る。
そして、電話機161aが例えば受話器がとられる等の状態になると、当該状態を検出した通信装置146は第二の発信情報についての着信情報を前記基地局に送る。当該着信情報の前記発信元による受信により、図1に表すIP端子111と電話端子141aとの間の音声情報の授受可能化が図られる。そして、電話機161aは発信先との通話が可能な状態になる。
通信装置146は、前記第二の発信情報を受けた場合、例えば、前記発信元が発信した、通信装置146の前記二つの電話番号のうちのいずれかを表す情報を表示させる。当該表示は、例えば、通信装置146が備える図示しない表示部への表示である。当該表示は、電話機が備える図示しない表示部への表示であっても構わない。
図2は、図1に表す通信装置146の例である通信装置146aの構成を表す概念図である。
通信装置146aは、制御処理部101と、表示部106と、IP端子111と、記録部112と、IP処理部116と、音声処理部131aと、LAN端子136と、電話端子141aとを備える。ここで、LANは、Local Area Networkの略である。
IP端子111及び電話端子141aは、図1に表すIP端子111及び電話端子141aである。
IP処理部116は、IP端子111を介して図1に表すIP電話網151から送られる情報を処理し、処理後の情報を制御処理部101に送る。当該処理は、例えば、IP端子111から送られたIPパケットのパケットを解除する処理である。
IP処理部116は、また、制御処理部101から送られた情報を処理し、処理後の情報を、IP端子111を介して、図1に表すIP電話網151に送る。当該処理は、例えば、制御処理部101から送られた情報をIPパケットにする処理である。
制御処理部101は、IP処理部116から送られた情報について、当該情報が、前述の第二の発信情報であるかについての判定を行う。そして、制御処理部101は、当該第二の発信情報であることを判定した場合は、当該第二の発信情報に含まれる発信先電話番号が通信装置146aの二つの電話番号のいずれかであるかの判定を行う。当該二つの電話番号は、記録部112により予め保持されている。制御処理部101は、記録部112から前記二つの電話番号を取得することにより前記判定を行う。
制御処理部101は、発信先の電話番号が二つの電話番号のいずれかであることを判定した場合は、前記第二の発信情報に対応する第二の送付情報を、音声処理部131a及び電話端子141aを介して、図1に表す電話機161aに送る。前記第二の送付情報を受けた電話機161aは、受話器がとられる等により通話の準備ができた場合には、当該状態を表す情報を制御処理部101に送る。制御処理部101は、当該情報を受けて、着信情報をIP処理部116及びIP端子111を介して、前記基地局に送信する。
その後、制御処理部101は、電話機161aと前記発信元との間の音声授受可能化を図る。当該授受には、IP処理部116から送られたデジタルの音声情報の音声処理部131aへの送付が含まれる。また、当該授受には、音声処理部131aから送られたデジタルの音声情報のIP処理部116への送付が含まれる。制御処理部101は、IP処理部116や音声処理部131aに対して送る情報に対しその他の処理を行っても構わない。
制御処理部101は、また、発信先の電話番号を表す情報の表示を、表示部106に行わせるための指示情報を表示部106に送る。制御処理部101は、当該指示情報に加えて、又は、当該指示情報に代えて、発信先の電話番号を表す情報の表示を指示する指示情報を、音声処理部131a及び電話端子141aを介して、電話機161aに送っても構わない。
一方、制御処理部101は、図1に表す電話機161aから前述の第一の送付情報が送られた場合には、当該第一の送付情報に含まれる前述の識別情報から、発信に用いる通信装置146aの電話番号を選択する。制御処理部101は、当該選択を、前記識別情報と前述の対応情報との照合により行う。そして、当該電話番号を発信元電話番号として、前記基地局に向けて前述の第一の発信情報を送る。
制御処理部101は、また、選択した発信元としての電話番号を表す表示を表示部106に行わせるための指示情報を表示部106に対して送る。
そして、制御処理部101は、前記第一の発信情報についての着信情報の到着を受けて、電話機161aと前記発信先との間の音声授受可能化を図る。当該授受には、IP処理部116から送られたデジタルの音声情報の音声処理部131aへの送付が含まれる。また、当該授受には、音声処理部131aから送られたデジタルの音声情報のIP処理部116への送付が含まれる。制御処理部101は、IP処理部116や音声処理部131aに対して送る情報に対しその他の処理を行っても構わない。
制御処理部101は、また、LAN端子136を介して図示しないパーソナルコンピュータ等の外部から入力された設定情報に従い、通信装置146aの各部分が行う処理の処理条件を設定する。
表示部106は、制御処理部101が指示する情報を表示する。表示部106は、当該表示に加えて又は当該表示に代えて、制御処理部101が指示する情報を音声等により出力しても構わない。
記録部112は、制御処理部101が指示する情報を、制御処理部101に送る。記録部112は、また、制御処理部101が指示する情報を記録する。
記録部112は、通信装置146aの前述の二つの電話番号を保持する。記録部112は、また、制御処理部101に前述の処理を実行させるためのプログラムを保持する。制御処理部101は、当該プログラムを記録部112から読み込むことにより前述の処理を実行する。
音声処理部131aは、制御処理部101から送られるデジタルの情報をアナログの情報に変換する。当該デジタルの情報には、前述の第二の送付情報や音声情報が含まれる。音声処理部131aは、当該デジタルの情報が符号化された情報の場合には、当該符号化された情報を復号した上で、アナログの情報に変換する。音声処理部131aは、処理後のアナログの情報を、電話端子141aを経由して図1に表す電話機161aに送る。
音声処理部131aは、また、電話機161aから電話端子141aを経由して送られたアナログの情報をデジタルの情報に変換する。当該アナログの情報には、前述の第一の送付情報や音声情報が含まれる。音声処理部131aは、当該アナログの情報が音声情報の場合には、当該音声情報をデジタルの情報に変換した上で当該デジタルの情報に対して符号化を行う。音声処理部131aは、処理後のデジタルの情報を、制御処理部101に送る。
図3は、図1に表す通信装置146が保持する二つの電話番号と、前述の識別情報との対応情報の例を表す図である。図3に表す対応情報例は、03から始まる電話番号を1#の識別情報と、050から始まる電話番号を2#の識別情報と、それぞれ対応させたものである。
図4は、図1に表す通信装置146の発信時の動作例を表すイメージ図である。当該動作に用いられる対応情報は図3に表すものとする。
電話機161aに、1#045YYYYYYYが入力(ダイヤル)されたとする。すると、電話機161aから通信装置146に対して、1#045YYYYYYYを含む前述の第一の送付情報が送られる。
通信装置146は、当該第一の送付情報を、識別情報である1#と発信先電話番号である045YYYYYYYとに分離する。通信装置146は、当該分離を、#の存在により、#以前の情報が識別情報であることを判定することにより行う。
そして、通信装置146は、図3に表す対応情報により、1#の識別情報に対応する通信装置146の電話番号である03XXXXXXXを選択する。そして、通信装置146は、発信元電話番号を03XXXXXXX、発信先電話番号を045YYYYYYYとした第一の発信情報を、IP電話網151経由で、前記基地局に向けて発信する。
その後、電話機162(又は電話機162に接続された通信装置)から前記基地局に送られた情報に基づき、前記基地局から通信装置146に着信情報が送られた場合には、電話機161と電話機162との間の通話が可能になる。
また、電話機161aに、2#045YYYYYYYが入力(ダイヤル)されたとする。すると、電話機161aから通信装置146に対して、2#045YYYYYYYを含む前述の第一の送付情報が送られる。
通信装置146は、当該第一の送付情報を、識別情報である2#と発信先電話番号である045YYYYYYYとに分離する。通信装置146は、当該分離を、#の存在により、#以前の情報が識別情報であることを判定することにより行う。
そして、通信装置146は、図3に表す対応情報により、2#の識別情報に対応する通信装置146の電話番号である050XXXXXX1を選択する。そして、通信装置146は、発信元電話番号を050XXXXXX1、発信先電話番号を045YYYYYYYとした第一の発信情報を、IP電話網151経由で、前記基地局に向けて発信する。そして、電話機162は、当該第一の発信情報による情報を前記基地局から着信する。
その後、電話機162(又は電話機162に接続された通信装置)から前記基地局に送られた情報に基づき、前記基地局から通信装置146に着信情報が送られた場合には、電話機161と電話機162との間の通話が可能になる。
図5は、通信装置146の着信時の動作を表すイメージ図である。
電話機162から、03XXXXXXX宛てに発信されたとする。発信元である電話機162の電話番号は、045YYYYYYYである。電話機162からは、発信先電話番号を03XXXXXXX、発信元電話番号を045YYYYYYYとする発信情報が前記基地局に送られる。そして、前記基地局は、当該発信情報を受けた前述の第二の発信情報を通信装置146に送る。当該第二の発信情報は、通信装置146に到着する。
通信装置146は、当該到着を受けて、発信先電話番号である03XXXXXXXを図3に表す対応情報と照合し、識別情報である1#を選択する。そして、通信装置146は、識別情報の1#と発信元電話番号である045YYYYYYYとを組み合わせた第二の送付情報である、1#045YYYYYYYを、電話機161aに送る。
電話機161aは、前記第二の送付情報を受けて、前記第二の送付情報である1#045YYYYYYYをナンバーディスプレイ166に表示する。電話機161aの利用者は、ナンバーディスプレイ166の表示により、当該送付情報に係る発信先が識別情報1#の電話番号宛であることと、当該送付情報に係る発信元が045YYYYYYYであることを知ることができる。
その後、当該利用者が電話機161aの受話器をとる等の処置を行った場合には、電話機162と電話機161との間の通話が可能になる。
次に、図5に表す電話機162から、050XXXXXX1宛てに発信されたとする。発信元の電話番号は、045YYYYYYYである。電話機162は、発信先電話番号を050XXXXXX1、発信元電話番号を045YYYYYYYとする発信情報を前記基地局に送る。前記基地局は、当該発信情報を受けた前述の第二の発信情報を通信装置146に送る。当該第二の発信情報は、通信装置146に到着する。
通信装置146は、当該到着を受けて、発信先電話番号である050XXXXXX1を図3に表す対応情報と照合し、識別情報である2#を選択する。そして、通信装置146は、識別情報の2#と発信元電話番号である045YYYYYYYとを組み合わせた第二の送付情報である、2#045YYYYYYYを、電話機161aに送る。
電話機161aは、前記第二の送付情報を受けて、前記第二の送付情報である2#045YYYYYYYをナンバーディスプレイ166に表示する。電話機161aの利用者は、ナンバーディスプレイ166の表示により、当該送付情報に係る発信先が識別情報2#の電話番号宛であることと、当該送付情報に係る発信元が045YYYYYYYであることを知ることができる。
その後、当該利用者が電話機161aの受話器をとる等の処置を行った場合には、電話機162と電話機161aとの間の通話が可能になる。
上記の例においては、電話機161aの利用者は、通信装置146は、電話機162は通信装置146が保持する二つの電話番号のうちのいずれ宛てに発信したかを、電話機161aのナンバーディスプレイの表示により知ることができる。
図6は、図2に表す表示部106の例である表示部106aを表すイメージ図である。
表示部106aは、通信装置146の側面(例えば正面側の側面)に設置される。そして、表示部106aは、発光部107a及び107bを備える。発光部107aの右方には、TEL1の文字が表示されている。また、発光部107bの右方には、TEL2の文字が表示されている。
通信装置146は、図3に表す1#の識別情報に相当する電話番号を発信先とする前述の第二の発信情報を受けた場合には、TEL1の左方に位置する発光部107aが点灯する。
一方、通信装置146が、図3に表す2#の識別情報に相当する電話番号を発信先とする前述の第二の発信情報を受けた場合には、TEL2の左方に位置する発光部107bが点灯する。
そして、通信装置146が、図3に表す1#の識別情報に相当する電話番号を発信元として他の電話機又は他の通信装置に対して発信するときは、TEL1の左方に位置する発光部107aが点灯する。
一方、通信装置146が、図3に表す2#の識別情報に相当する電話番号を発信元として他の電話機又は他の通信装置に対して発信するときは、TEL2の左方に位置する発光部107bが点灯する。
図6に表す例によると、電話機161aの利用者は、通信装置146が、電話機162は通信装置146が保持する二つの電話番号のうちのいずれを発信元としたか又は前記いずれに着信したかを、表示部106aの表示により知ることができる。
通信装置146は、通話拒否機能を備えても構わない。
図7は、電話機161aが通話を拒否する機能を実現するための通話拒否ボタンを備える通信装置146を表すイメージ図である。
図7に表す通信装置146は、通話拒否ボタン108を備える。
通信装置146の利用者は、表示部106aの表示内容により通信装置146が受けた第二の発信情報が、二つの電話番号のうちのいずれの電話番号宛であるかを知る。そして、通信装置146に、知った電話番号による通話の可能化を行わせたくない場合は、図5に表す電話機161aの利用者等は、通話拒否ボタン108を押下する。すると、通信装置146は、当該第二の発信情報を受信し、当該第二の発信情報の送付元との間の音声授受可能化は行う。しかしながら、通信装置146は、通信装置146と電話機161aとの間の音声授受可能化は行わない。そして、通信装置146は、例えば、通信装置146が予め保持する、メッセージを表す音声情報を、前記発信元に対して送付する。当該メッセージは、例えば、電話に出ることができないという趣旨の内容である。
通信装置146が図2に表す通信装置146aである場合には、通話拒否ボタン108の押下により、通話拒否を表す情報が制御処理部101に送られる。当該通話拒否を表す情報は、例えば、通話拒否ボタン108の押下により、オフ状態のスイッチがオン状態になることにより発生する。そして、前段落で説明した処理は、制御処理部101が行う。また、上述のメッセージを表す情報は、記録部112が予め保持している。
図7に表す通信装置146の例によると、通信装置146の利用者は、通話拒否ボタン108を押下することにより、容易に、電話機161aへの通話拒否を行うことができる。図7に表すように表示部106aを備える場合には、当該利用者は、表示部106aの表示によりいずれの電話番号宛てに発信されたものであるかを認識した上で、上述の通話拒否を行うことができる。
[処理フロー]
図8は、図1に表す通信装置146が行う発信関連処理の処理フロー例を表す概念図である。
通信装置146が図2に表す通信装置146aである場合は、図8に表す処理は、制御処理部101が行う。また、図8に表す処理においては、前述の対応情報が図3に表すものであることを前提としている。
通信装置146は、例えば、外部からの開始情報の入力により、図8に表す処理を開始する。当該開始情報は、例えば、通信装置146の電源のオンや、通信装置146を動作させるプログラムの立ち上げによりもたらされる情報である。
そして、通信装置146は、S100の処理として、図8に表す処理を終了するかについての判定を行う。通信装置は、当該判定を、例えば外部からの終了情報の入力の有無により行う。当該終了情報は、例えば、通信装置146の電源のオフや、通信装置146を動作させるプログラムの立ち下げによりもたらされる情報である。
通信装置146は、S100の処理による判定結果がyesの場合は、図8に表す処理を終了する。
一方、通信装置146は、S100の処理による判定結果がnoの場合は、S101の処理を行う。
通信装置146は、S101の処理を行う場合は、同処理として、発信可能かについての判定を行う。当該発信は、図1に表すIP電話網151を通じての、IP電話網151に接続された電話機や通信装置への発信である。通信装置146は、当該判定を、例えば、既に話中であるかや、話中であるにしても割り込み等により発信可能な状態であるかを判定することにより行う。
通信装置146は、S101の処理による判定結果がyesの場合はS102の処理を行う。
一方、通信装置146は、S101の処理による判定結果がnoの場合は、S100の処理を再度行う。
通信装置146は、S102の処理を行う場合は、同処理として、図1に表す電話機161aから前述の第一の送付情報を受けたかについての判定を行う。
通信装置146は、S102の処理による判定結果がyesの場合は、S103の処理を行う。
一方、通信装置146は、S102の処理による判定結果がnoの場合は、S100の処理を再度行う。
通信装置146は、S103の処理を行う場合は、同処理として、S102の処理により受けたことを判定した第一の送付情報に前述の識別情報が組み合わされているかの判定を行う。
通信装置146は、S103の処理による判定結果がyesの場合は、S104の処理を行う。
一方、通信装置146は、S103の処理による判定結果がnoの場合は、S105の処理を行う。
通信装置146は、S104の処理を行う場合は、同処理として、S103の処理により第一の送付情報に組み合わされていることを判定した識別情報が1#であるかについての判定を行う。
通信装置146は、S104の処理による判定結果がyesの場合は、S105の処理を行う。
一方、通信装置146は、S104の処理による判定結果がnoの場合は、S106の処理を行う。
通信装置146は、S105の処理を行う場合は、同処理として、図3に表す対応情報において1#に対応する電話番号を発信元電話番号として選択する。
そして、通信装置146は、S107の処理を行う。
一方、通信装置146は、S106の処理を行う場合は、同処理として、図3に表す対応情報において2#に対応する電話番号を発信元電話番号として選択する。
そして、通信装置146は、S107の処理を行う。
通信装置146は、S107の処理を行う場合は、同処理として、S105又はS106の処理で選択した電話番号を発信元とし、S102の処理により受けたことを判定した第一の送付情報に含まれる発信先電話番号に向けての発信を前述の基地局に行う。
そして、通信装置146は、S108の処理として、発信を終了するかについての判定を行う。通信装置146は、当該判定を、例えば、外部からの終了情報の入力の有無を判定することにより行う。当該終了情報は、例えば、電話機161aにおいて受話器がおろされる等により、電話機161aから入力される。
通信装置146は、S108の処理による判定結果がyesの場合は、前述のS100の処理を再度行う。
一方、通信装置146は、S108の処理による判定結果がnoの場合は、S109の処理を行う。
そして、通信装置146は、S109の処理として、S107の処理により発信した発信先についての着信情報を前記基地局から受けたかについての判定を行う。
通信装置146は、S109の処理による判定結果がyesの場合は、S111の処理を行う。
一方、通信装置146は、S109の処理による判定結果がnoの場合は、S108の処理を再度行う。
通信装置146は、S111の処理を行う場合は、同処理として、図1に表すIP端子111と電話端子141aとの間の音声授受可能化を行う。通信装置146が図2に表す通信装置146aの場合は、当該音声授受可能化には、制御処理部が、IP処理部116及び音声処理部131aの一方から受け取った音声情報を他方に送る処理が含まれる。ここで、IP処理部116及び音声処理部131aにおける前述の動作を可能にする処理は、S111の処理の前に行われていることを前提としている。
S111の処理が行われると、電話機161aと発信先との間での通話が可能になる。
そして、通信装置146は、S112の処理として、電話機161aと発信先との間での通話を終了するかについての判定を行う。通信装置146は、当該判定を、例えば、外部からの通話終了情報の入力の有無を判定することにより行う。当該通話終了情報は、例えば、発信先や電話機161aにおける受話器がおろされる等の操作により、前記基地局や電話機161aから通信装置146に入力される通話切断情報である。
通信装置146は、S112の処理による判定結果がyesの場合は、S113の処理を行う。
一方、通信装置146は、S112の処理による判定結果がnoの場合は、S112の処理を再度行う。
通信装置146は、S113の処理を行う場合は、同処理として、音声授受不能化処理を行う。通信装置146が図2に表す通信装置146aの場合は、当該音声授受不能化処理には、制御処理部101が、IP処理部116及び音声処理部131aの一方から受け取った音声情報を他方に送る処理の停止が含まれる。
そして、通信装置146は、S100の処理を再度行う。
図9は、通信装置146が行う着信関連処理の処理フロー例を表す概念図である。
なお、通信装置146が図2に表す通信装置146aである場合は、図9に表す処理は、制御処理部101が行う。また、図9においては、前述の識別情報が図3に表すものであることを前提としている。
通信装置146は、例えば、外部からの開始情報の入力により、図9に表す処理を開始する。当該開始情報は、例えば、通信装置146の電源のオンや、通信装置146を動作させるプログラムの立ち上げによりもたらされる情報である。
そして、通信装置146は、S200の処理として、図9に表す処理を終了するかについての判定を行う。通信装置146は、当該判定を、例えば外部からの終了情報の入力の有無により行う。当該終了情報は、例えば、通信装置146の電源のオフや、通信装置146を動作させるプログラムの立ち下げによりもたらされる情報である。
通信装置146は、S200の処理による判定結果がyesの場合は、図9に表す処理を終了する。
一方、通信装置146は、S200の処理による判定結果がnoの場合は、S201の処理を行う。
通信装置146は、S201の処理を行う場合は、同処理として、着信可能かについての判定を行う。当該着信は、図1に表すIP電話網151を通じての、IP電話網151に接続された電話機や通信装置からの着信である。通信装置146は、当該判定を、例えば、既に話中であるかや、話中であるにしても割り込み等により着信可能な状態であるかを判定することにより行う。
通信装置146は、S201の処理による判定結果がyesの場合はS202の処理を行う。
一方、通信装置146は、S201の処理による判定結果がnoの場合は、S200の処理を再度行う。
通信装置146は、S202の処理を行う場合は、前述の基地局置から、前述の第二の発信情報を受信したかについての判定を行う。
通信装置146は、S202の処理による判定結果がyesの場合は、S203の処理を行う。
一方、通信装置146は、S202の処理による判定結果がnoの場合は、S200の処理を再度行う。
通信装置146は、S203の処理を行う場合には、同処理として、S202の処理により受信したことを判定した第二の発信情報に含まれる発信先の電話番号が、図3に表す対応情報において、1#の電話番号であるかについての判定を行う。
通信装置146は、S203の処理による判定結果がyesの場合は、S206の処理を行う。
一方、通信装置146は、S203の処理による判定結果がnoの場合は、S204の処理を行う。
通信装置146は、S204の処理を行う場合は、同処理として、前記第二の発信情報に含まれる発信先の電話番号が、図3に表す対応情報において、2#の電話番号であるかについての判定を行う。
通信装置146は、S204の処理による判定結果がyesの場合は、S205の処理を行う。
一方、通信装置146は、S204の処理による判定結果がnoの場合は、S200の処理を再度行う。
通信装置146は、S205の処理を行う場合は、同処理として、発信元電話番号に2#を組み合わせたナンバーディスプレイ(ND)用の信号を作成し、当該ND用信号を、電話機161aに送付する。当該送付を受けて、電話機161aは発信元電話番号に2#を組み合わせた記号をナンバーディスプレイ(ND)に表示する。
そして、通信装置146は、S207の処理を行う。
通信装置146は、S206の処理を行う場合は、同処理として、1#を組み合わせたナンバーディスプレイ(ND)用の信号を作成し、当該ND用信号を、電話機161aに送付する。当該送付を受けて、電話機161aは発信元電話番号に1#を組み合わせた記号をナンバーディスプレイ(ND)に表示する。
そして、通信装置146は、S207の処理を行う。
通信装置146は、S207の処理を行う場合は、同処理として、図1に表すIP端子111と電話機161aとの間での音声授受可能化を行う。通信装置146が図2に表す通信装置146aの場合は、当該音声授受可能化処理には、制御処理部が、IP処理部116及び音声処理部131aの一方から受け取った音声情報を他方に送る処理が含まれる。ここで、IP処理部116及び音声処理部131aにおける動作を可能にする処理は、S207の処理の前に行われていることを前提としている。
S207の処理が行われた状態で、電話機161aにおいて例えば受話器が上げられる等の操作が行われた場合には、当該発信元と電話機161aとの間の通話が可能になる。
次に、通信装置146は、S208の処理として、通話を終了するかについての判定を行う。通信装置146は、当該判定を、例えば、外部からの通話終了情報の入力の有無を判定することにより行う。当該通話終了情報は、例えば、電話機161aや発信元における受話器をおろす等の動作により、電話機161aや前述の基地局から送られる通話切断情報である。
通信装置146は、S208の処理による判定結果がyesの場合は、S209の処理を行う。
一方、通信装置146は、S208の処理による判定結果がnoの場合は、S208の処理を再度行う。
通信装置146は、S209の処理を行う場合は、同処理として、音声授受不能化処理を行う。通信装置146が図2に表す通信装置146aの場合は、当該音声授受不能化処理には、制御処理部が、IP処理部116及び音声処理部131aの一方から受け取った音声情報を他方に送る処理の停止が含まれる。
そして、通信装置146は、S200の処理を再度行う。
[効果]
図1に表す通信装置146は二つの電話番号を保持している。そして、通信装置146は当該二つの電話番号のうち電話機161aにより入力された識別情報に対応するいずれかの電話番号を発信元として発信し、通話可能化を図ることができる。また、通信装置146は当該二つの電話番号のいずれを発信先として発信された場合に、着信し、通話可能化を図ることができる。そのため、通信装置146は、一台の通信装置により利用者が利用目的(例えば私用か社用(公用)か等)等により二つの電話番号を使い分けることを可能にする。そのため、通信装置146は、一台の通信装置を用いた場合における、例えば二つの利用目的に応じた通話料や通信履歴の管理を容易にする。
<第二実施形態>
第一実施形態においては、図1に表す通信装置146が、二つの異なる電話番号を保持する場合について説明した。しかしながら、通信装置146が保持する電話番号は3つ以上であっても構わない。第二実施形態は、図1の通信装置146が4つの電話番号を保持し、さらに所定の電話番号について通話可能な条件を設定する場合についての実施形態である。
図10は、通信装置146が4つの電話番号を保持する場合の、電話番号と識別情報との対応情報の例を表す図である。図10に表す対応情報においては、1#ないし4#の識別情報のそれぞれは、この順に、03XXXXXXX、050XXXXXX1、050XXXXXX2、050XXXXXX3に対応づけられている。
通信装置146は、各電話番号について、図1に表すIP電話網51からの着信についての、音声授受可能化を行うための条件を定めることもできる。当該音声授受可能化は、図1に表すIP端子111と電話端子141aとの間の音声授受可能化である。
図1に表す通信装置146が三つ以上の電話番号を保持した場合、通信装置146は当該三つ以上の電話番号のうち電話機161aにより入力された識別情報に対応するいずれかの電話番号を発信元として発信し、通話可能化を図ることができる。また、通信装置146は当該三つ以上の電話番号のいずれを発信先として発信された場合にも、着信し通話可能化を図ることができる。そのため、通信装置146は、一台の通信装置により利用者が利用目的により三つ以上の電話番号を使い分けることを可能にする。そのため、通信装置146は、一台の通信装置を用いた場合における、三つ以上の利用目的に応じた通話料や通信履歴の管理を容易にする。
図11は、通信装置146が保持する4つの電話番号のうちの2つについて音声授受可能化条件を設けた場合の、当該音声授受可能化条件の例を表す図である。
図11に表す例においては、識別情報1#に対応する電話番号03XXXXXXXと、識別情報2#に対応する電話番号050XXXXXX1については、音声授受可能化条件が定められていない。そのため、通信装置146が受けた前述の第二の発信情報に含まれる発信先電話番号が、03XXXXXXX又は050XXXXXX1の場合は、特に条件がなく、いずれの時間に前記第二の発信情報を受けても、前述の音声授受可能化を行う。
一方、識別情報3#に対応する電話番号050XXXXXX2については、音声授受可能化条件として17:00から8:00を除くという条件が設定されている。そのため、通信装置146が17:00から8:00を除く時間帯に前記第二の発信情報を受けた場合に限り、通信装置146は前記音声授受可能化を行う。
また、識別情報4#に対応する電話番号050XXXXXX3については、音声授受可能化条件として土曜日と日曜日を除くという条件が設定されている。そのため、通信装置146が土曜日と日曜日を除く日に前記第二の発信情報を受けた場合に限り、通信装置146は前記音声授受可能化を行う。
ここで、通信装置146が行う発信について図11に表す音声授受可能化条件を適用するか否かについては任意である。通信装置146は、図11に表す音声授受可能化条件に拘わらず、電話番号050XXXXXX2又は050XXXXXX3を発信元電話番号としての発信(前述の第一の発信情報の送信)を可能にしても構わない。
図11に表す音声授受可能化の条件設定は一例であり、設定される条件としては様々な条件が想定され得る。また、発信による通話と着信による通話とで異なる条件設定を行っても構わない。
図12は、図11に表す音声授受可能化条件が設定された場合の、通信装置146の着信関連動作例を表すイメージ図である。
IP電話網151に接続された電話機162から、18時に、電話番号050XXXXXX2に向けて発信が行われたとする。すると前述の基地局から通信装置146へ前述の第二の発信情報が送付される。
当該第二の発信情報が通信装置146に到着後、通信装置146は、当該第二の発信情報に含まれる発信先電話番号について、図11に表す通信可能化条件との照合を行う。そして、通信装置146は、当該照合により図11に表す通信可能化条件に反することを判定する。そして、通信装置146は、当該第二の発信情報に係るIP端子111と電話端子141aとの間の音声授受可能化は行わない。ただし、通信装置146は、通信装置146の制御処理部(図2に表す制御処理部101参照)と図1に表すIP端子111の間の音声授受可能化は行う。そして、通信装置146は、IP端子111を介して、IP電話網151を通じて、電話機162に対し、電話機161aの利用者との間の通話を可能にできない旨を表すメッセージを表す音声情報を送る。当該メッセージは、例えば、図12に表すように「ただいまは時間外のためお取次ぎすることができません」というものである。当該音声情報は通信装置146の記録部(図2に表す記録部112参照)が予め保持する。
図11及び図12に表すように、音声授受可能化の条件を定めた場合は、個別の音声授受可能化条件に応じた各電話番号の利用が可能になる。
[効果]
第二実施形態の通信装置146は四つの電話番号を保持している。そして、通信装置146は当該四つの電話番号のうち電話機161aにより入力された識別情報に対応するいずれかの電話番号を発信元として発信し、通話可能化を図ることができる。また、通信装置146は当該四つの電話番号のいずれを発信先として発信された場合に、着信し、通話可能化を図ることができる。そのため、通信装置146は、一台の通信装置により利用者が利用目的(例えば私用か社用(公用)か等)等により四つの電話番号を使い分けることを可能にする。そのため、通信装置146は、一台の通信装置を用いた場合における、例えば四つの利用目的に応じた通話料や通信履歴の管理を容易にする。
そして、第二実施形態の通信装置146においては、電話番号ごとに音声授受可能化の条件を定める場合がある。当該場合は、通信装置146は、個別の音声授受可能化条件に応じた各電話番号の利用を可能にする。
<第三実施形態>
通信装置146は、複数の電話端子を備え、当該複数の接続端子により複数の電話機が接続可能であっても構わない。第三実施形態は、接続された複数の電話機により保持する複数の電話番号の使い分けを行う通信装置に関する実施形態である。
図13は、二つの電話端子を備える図1に表す通信装置146の例である通信装置146bのIP電話網151及び電話機161a及び161bへの接続の様子を表す図である。通信装置146bの電話端子141aには電話機161aが、電話端子141bには電話機161bが、それぞれ接続されている。
図14は、図13に表す通信装置146bの構成例を表す概念図である。通信装置146bは、図2に表す通信装置146aの構成に加えて、音声処理部131bと電話端子141bとを備える。電話機161a及び電話機161bの各々には、図15に表すように、各々異なる二台の電話機が接続され得る。そして、電話端子141aと制御処理部101との間の音声情報に関する処理は音声処理部131aにおいて行われる。また、電話端子141bと制御処理部101との間の音声情報に関する処理は音声処理部131bにおいて行われる。
図13及び図14に表すように本実施形態の通信装置に二台の電話機を接続可能にした場合には、二台の電話機により通信装置146bが備える複数の電話番号を使い分けることが可能になる。 また、図13及び図14に表す通信装置146bは、複数の電話機を接続することにより、一台の電話機が使用中の場合でも、他の電話機により通話を行うことを可能にし得る。さらに、通信装置146bは、一つの電話番号が使用中の場合でも、他の電話機により他の電話番号による通話を行うことを可能にし得る。
上記は、制御処理部101に処理を実行させるためのプログラムの構成を、上記動作が可能な構成にすることにより実現できる。
なお、本実施形態の通信装置に接続可能な電話機の数は三台以上であっても構わない。その場合は、三台以上の電話機により通信装置146bが備える複数の電話番号を使い分けることが可能になる。
制御処理部101は、着信の際に音声授受可能化を行う対象の電話機を、電話番号により制限しても構わない。
図16は、着信の際に音声授受可能化を行う対象の電話機の制限の設定例を表す図である。
図16に表す設定によると前述の第二の発信情報に含まれる発信先電話番号が03XXXXXXXの場合、図15に表すIP端子111との間で音声授受可能化を行う電話端子は電話端子141aに制限される。これにより、電話機162が発信先電話番号を03XXXXXXXとする第二の発信情報を通信装置146bが送付した場合、電話機161aのみが、電話機162との間で通話が可能になる。
また、図16に表す条件によると前述の第二の発信情報に含まれる発信先電話番号が050XXXXXX1の場合、図15に表すIP端子111との間で音声授受可能化を行う電話端子は電話端子141aと141bの両方である。これにより、電話機162が発信先電話番号を050XXXXXX1とする第二の発信情報を通信装置146bが送付した場合、電話機161aと161bの双方が、電話機162との間で通話が可能になる。当該場合において、電話機161a及び161bの双方が同時に電話機162との間で通話が可能であっても構わない。また、電話機161a及び161bの一方のみが電話機162との間で通話が可能であっても構わない。
また、図16に表す条件によると前述の第二の発信情報に含まれる発信先電話番号が050XXXXXX2又は050XXXXXX3の場合、図15に表すIP端子111との間で音声授受可能化を行う電話端子は電話端子141bのみに制限される。これにより、電話機162が発信先電話番号を050XXXXXX2又は050XXXXXX3とする第二の発信情報を通信装置146bが送付した場合、電話機161bのみが、電話機162との間での通話が可能になる。
図16に表すように電話番号により音声授受可能化電話機(電話端子)を限定した場合には、電話番号の利用目的による使い分けに応じた電話機の使い分けを行うことができる。さらに、当該場合には、一方の電話機により一つの電話番号による通話を行っている場合にも、他方の電話機により他の電話番号による通話を同時に行うことができる。
図16に表す音声授受可能化電話機(電話端子)の設定は一例であり、当該設定は様々な場合が想定され得る。例えば、いずれの電話機によってもいずれの電話番号による通話も行うことが可能になるように設定しても構わない。また、発信による通話と着信による通話とで、異なる音声授受可能化電話機(電話端子)の設定を行っても構わない。
なお、各電話番号について、図11に表す音声授受可能化条件と図16に表す音声授受可能化電話機(電話端子)とを組み合わせても構わない。
[効果]
第三実施形態の通信装置146bは、接続された複数の電話機により、保持する複数の電話番号の使い分けを行うことを可能にする。そして、電話番号により音声授受可能化電話機(電話端子)を限定した場合には、通信装置146bは、電話番号の利用目的による使い分けに応じた電話機の使い分けを行うことを可能にする。
以上説明したように、第一乃至第三実施形態の通信装置は、いずれも、複数の電話番号を保持している。そして、電話機により入力された識別情報に対応する電話番号を発信元として発信し又は当該電話番号を発信先として着信することができる。そのため、一台の通信装置により利用者が利用目的により複数の電話番号を使い分けることが可能になる。そして、当該通信装置は、通話料や通信履歴等の通話に付帯する情報の利用目的に応じた管理を容易にする。
そして、本実施形態の通信装置は、電話機ではなく電話機を接続する通信装置が複数の電話番号を保持する。そのため、当該通信装置に複数の電話機を接続した場合には、複数の電話機により複数の電話番号を使い分けることが可能である。
図17は、本発明の最小限の通信装置である通信装置146xの構成を表すブロック図である。
通信装置146xは、保持部112xと処理部101xとを備える。
保持部112xは、複数の電話番号を保持する。
処理部101xは、第一の通信可能化と第二の通信可能化とを行う。
前記第一の通信可能化は、図示しない電話機から入力された発信先電話番号の発信先への発信を行うことにより、前記電話機と前記発信先との間の音声情報の授受を可能にする処理である。前記発信先への発信は、前記電話機から入力された識別情報から特定を行った電話番号により行われる。
また、前記第二の通話可能化は、発信元からの前記複数の電話番号のうちの一つへの着信により、前記発信元と前記電話機との間の音声情報の授受を可能にする処理である。
通信装置146xは複数の電話番号を保持している。そして、前記電話機により入力された識別情報に対応する電話番号を発信元として発信し又は当該電話番号を発信先として着信することができる。そのため、通信装置146xは、一台の通信装置により利用者が複数の電話番号を使い分けることを可能にする。
そして、通信装置146xは、電話機ではなく電話機を接続する通信装置146xが複数の電話番号を保持する。そのため、通信装置146xに複数の電話機を接続した場合には、複数の電話機により複数の電話番号を使い分けることが可能である。
そのため、判定装置136xは、前記構成により、[発明の効果]の項に記載した効果を奏する。
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で更なる変形、置換、調整を加えることができる。例えば、各図面に示した要素の構成は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
また、前記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記述され得るが、以下には限られない。
(付記A1)
複数の電話番号を保持する保持部と、処理部とを備え、
前記処理部は、
電話機から入力された識別情報から特定を行った電話番号により、前記電話機から入力された発信先電話番号の発信先への発信を行うことにより、前記電話機と前記発信先との間の音声情報の授受を可能にする第一の通話可能化と、
発信元からの前記複数の電話番号のうちの一つへの着信により、前記発信元と前記電話機との間の音声情報の授受を可能にする第二の通話可能化と
を行う、通信装置。
(付記A2)
前記複数の電話番号の各々と前記識別情報との対応を表す情報を保持し、前記電話機から入力された前記識別情報を、前記対応を表す情報に照会することにより前記特定を行う、
付記A1に記載された通信装置。
(付記A3)
前記複数が三以上である、付記A1又は付記A2に記載された通信装置。
(付記A4)
前記発信先電話番号を表す情報を出力する出力部をさらに備える、付記A1乃至付記A3のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A5)
前記出力部が、前記特定を行った電話番号を表す情報を前記発信先電話番号と組み合わせた情報を含むナンバーディスプレイ用の信号を前記電話機に送付する、付記A4に記載された通信装置。
(付記A6)
前記発信先電話番号を表す情報を表示する表示部をさらに備える、付記A1乃至付記A5のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A7)
前記表示部が、発光により前記発信先電話番号を表す情報を表示する発光部を備える、付記A6に記載された通信装置。
(付記A8)
前記第二の通話可能化を行わせないための制止情報を入力し得る情報入力部をさらに備える、付記A1乃至付記A7のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A9)
前記情報入力部が、切替えにより制止禁止情報を入力し得るスイッチを備える、付記A8に記載された通信装置。
(付記A10)
前記スイッチが外面に設けられたボタンスイッチである、付記A9に記載された通信装置。
(付記A11)
前記発信先電話番号について、前記第二の通話可能化を行うための条件を設定し得る、付記A1乃至付記A10のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A12)
前記複数の電話番号の各々について、前記第二の通話可能化を行うための条件を設定し得る、付記A11に記載された通信装置。
(付記A13)
前記第二の通話可能化を行わない場合に、前記発信元に対しメッセージを送付する、付記A11又は付記A12に記載された通信装置。
(付記A14)
二台以上の前記電話機を接続し得る、付記A1乃至付記A13のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A15)
前記複数の電話番号の各々について、前記電話機のうちの前記第二の通話可能化を行うものを設定し得る、付記A1乃至付記A14のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A16)
前記発信先への発信が、IP電話網を介しての前記発信先への発信である、付記A1乃至付記A15のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A17)
前記複数の電話番号のうちの一つ宛てへの発信が、IP電話網を介しての発信である、付記A1乃至付記A16のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A18)
前記第一の通話可能化が、IP電話網を介しての通話可能化である、付記A1乃至付記A17のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A19)
前記第二の通話可能化が、IP電話網を介しての通話可能化である、付記A1乃至付記A18のうちのいずれか一に記載された通信装置。
(付記A20)
前記電話機をさらに備える、付記A1乃至付記A20のうちのいずれか一に記載された通信装置。